JP2015067814A - アゾ化合物、着色組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物 - Google Patents
アゾ化合物、着色組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】良好なブラックの色相を有し、観察光源依存性が小さく、かつ溶液安定性及び耐オゾン性に優れるインクを提供し得るアゾ化合物、該化合物を含有する着色組成物、該着色組成物を含有するインクジェット記録用インク、該インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法の提供。【解決手段】たとえば、下記化合物若しくはその互変異性体、又はそれらの塩。【選択図】なし
Description
本発明は、アゾ化合物、着色組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物に関する。
インクジェット記録方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、更にカラー記録が容易であることから、急速に普及し、更に発展しつつある。
インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、又は静電力により液滴を求引吐出させる方式がある。また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、又は固体(溶融型)インクが用いられる。
インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、又は静電力により液滴を求引吐出させる方式がある。また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、又は固体(溶融型)インクが用いられる。
特許文献1には、特定のテトラキスアゾ化合物を含む黒色用インク組成物が記載されている。
特許文献2には、特定のトリスアゾ化合物を含むインク組成物が記載されている。
特許文献2には、特定のトリスアゾ化合物を含むインク組成物が記載されている。
近年、更なるインクの性能の向上が望まれており、特に、良好なブラックの色相を有し、種々の光源の下で観察した際に色調の変化が少なく(観察光源依存性が小さく)、かつ溶液中での安定性に優れ、オゾンなどの酸化性ガスに対して堅牢であるインク組成物が強く望まれている。
本発明は、良好な色相を有し、観察光源依存性が小さく、かつ溶液安定性及び耐オゾン性に優れるインクを提供し得る化合物及び着色組成物を提供することを目的とする。また、該化合物及び該着色組成物を含有するインクジェット記録用インク、該インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物を提供することを目的とする。
本発明者らは上述したような課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のアゾ化合物が上記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成させた。
本発明のアゾ化合物は、トリスアゾ化合物又はテトラキスアゾ化合物であり、短波長から長波長まで広い範囲の波長の光を吸収できるため観察光源依存性が小さい。また、一般的にアゾ基の数が多くなると電子求引性が高くなり、水溶液とした際の安定性は低下するが、本発明のアゾ化合物は電子供与性基を導入することで溶液安定性を向上させ、観察光源依存性と溶液安定性を両立することができたと考えられる。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
本発明のアゾ化合物は、トリスアゾ化合物又はテトラキスアゾ化合物であり、短波長から長波長まで広い範囲の波長の光を吸収できるため観察光源依存性が小さい。また、一般的にアゾ基の数が多くなると電子求引性が高くなり、水溶液とした際の安定性は低下するが、本発明のアゾ化合物は電子供与性基を導入することで溶液安定性を向上させ、観察光源依存性と溶液安定性を両立することができたと考えられる。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
〔1〕
下記一般式(1)で表されるアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩。
下記一般式(1)で表されるアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩。
一般式(1)中、R1はヒドロキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、アルキルスルホニル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、又はスルファモイル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、及びアルキルスルホニル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
R1が複数存在する場合、複数のR1は同じでも異なっていてもよい。
n1は0〜2の整数を表す。
R2はスルホ基、リン酸基、又はカルボキシル基を表す。
R2が複数存在する場合、複数のR2は同じでも異なっていてもよい。
ただし、R2はアゾ基に対するオルト位には結合しない。
n2は1〜3の整数を表す。
R3はアルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、又はアルキル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、及びアルキル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
R3が複数存在する場合、複数のR3は同じでも異なっていてもよい。
ただし、n個の環Bには、それぞれR3として、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、及びアルキル基から選ばれる少なくとも1つが置換する。
n3は1又は2を表す。n個存在するn3はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
環Bは、ベンゼン環又はナフタレン環を表す。n個存在する環Bはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
nは2又は3を表す。
Gは下記一般式(a)〜(m)から選ばれる基を表す。
R1が複数存在する場合、複数のR1は同じでも異なっていてもよい。
n1は0〜2の整数を表す。
R2はスルホ基、リン酸基、又はカルボキシル基を表す。
R2が複数存在する場合、複数のR2は同じでも異なっていてもよい。
ただし、R2はアゾ基に対するオルト位には結合しない。
n2は1〜3の整数を表す。
R3はアルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、又はアルキル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、及びアルキル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
R3が複数存在する場合、複数のR3は同じでも異なっていてもよい。
ただし、n個の環Bには、それぞれR3として、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、及びアルキル基から選ばれる少なくとも1つが置換する。
n3は1又は2を表す。n個存在するn3はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
環Bは、ベンゼン環又はナフタレン環を表す。n個存在する環Bはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
nは2又は3を表す。
Gは下記一般式(a)〜(m)から選ばれる基を表す。
R6〜R17、R19〜R40はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はイオン性親水性基を表す。上記アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、及びヘテロ環基は更に置換基を有していてもよい。
R8とR9、R10とR11はそれぞれ結合して芳香環を形成してもよい。
R18は酸素原子又は硫黄原子を表す。
ただし、一般式(1)で表される化合物は、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種を1分子あたりに合計でn+1個以上有する。
〔2〕
Gが一般式(d)、(f)、(g)、(i)、又は(m)である上記〔1〕に記載のアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩。
〔3〕
nが3である上記〔1〕又は〔2〕に記載のアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩。
〔4〕
上記一般式(1)又は(1−1)が、下記一般式(2)で表される上記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩。
R8とR9、R10とR11はそれぞれ結合して芳香環を形成してもよい。
R18は酸素原子又は硫黄原子を表す。
ただし、一般式(1)で表される化合物は、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種を1分子あたりに合計でn+1個以上有する。
〔2〕
Gが一般式(d)、(f)、(g)、(i)、又は(m)である上記〔1〕に記載のアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩。
〔3〕
nが3である上記〔1〕又は〔2〕に記載のアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩。
〔4〕
上記一般式(1)又は(1−1)が、下記一般式(2)で表される上記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩。
一般式(2)中、R21はヒドロキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、アルキルスルホニル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、又はスルファモイル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、及びアルキルスルホニル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
R21が複数存在する場合、複数のR21は同じでも異なっていてもよい。
n21は0〜2の整数を表す。
R22はスルホ基、リン酸基、又はカルボキシル基を表す。
R22が複数存在する場合、複数のR22は同じでも異なっていてもよい。
ただし、R22はアゾ基に対するオルト位には結合しない。
n22は1〜3の整数を表す。
R23〜R28はそれぞれ独立に、水素原子、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、又はアルキル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、及びアルキル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
ただし、R24、R26、及びR28は、それぞれ独立に、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、又はアルキル基を表す。
G2は、上記一般式(a)〜(m)から選ばれる基を表す。
ただし、一般式(2)で表される化合物は、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種を1分子あたりに合計で4個以上有する。
〔5〕
G又はG2が一般式(m)である上記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩。
〔6〕
上記一般式(1)又は(2)が、下記一般式(3)で表される上記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩。
R21が複数存在する場合、複数のR21は同じでも異なっていてもよい。
n21は0〜2の整数を表す。
R22はスルホ基、リン酸基、又はカルボキシル基を表す。
R22が複数存在する場合、複数のR22は同じでも異なっていてもよい。
ただし、R22はアゾ基に対するオルト位には結合しない。
n22は1〜3の整数を表す。
R23〜R28はそれぞれ独立に、水素原子、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、又はアルキル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、及びアルキル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
ただし、R24、R26、及びR28は、それぞれ独立に、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、又はアルキル基を表す。
G2は、上記一般式(a)〜(m)から選ばれる基を表す。
ただし、一般式(2)で表される化合物は、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種を1分子あたりに合計で4個以上有する。
〔5〕
G又はG2が一般式(m)である上記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩。
〔6〕
上記一般式(1)又は(2)が、下記一般式(3)で表される上記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩。
一般式(3)中、R21はヒドロキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、アルキルスルホニル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、又はスルファモイル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、及びアルキルスルホニル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
R21が複数存在する場合、複数のR21は同じでも異なっていてもよい。
n21は0〜2の整数を表す。
R22はスルホ基、リン酸基、又はカルボキシル基を表す。
R22が複数存在する場合、複数のR22は同じでも異なっていてもよい。
ただし、R22はアゾ基に対するオルト位には結合しない。
n22は1〜3の整数を表す。
R23〜R28はそれぞれ独立に、水素原子、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、又はアルキル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、及びアルキル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
ただし、R24、R26、及びR28は、それぞれ独立に、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、又はアルキル基を表す。
R31及びR32はそれぞれ独立に、アルキル基、カルボキシル基、スルホ基、又はハロゲン原子を表す。
R31及びR32は複数存在する場合はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
n31及びn32はそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。
ただし、一般式(3)で表される化合物は、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種を1分子あたりに合計で4個以上有する。
〔7〕
上記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩を含有する着色組成物。
〔8〕
上記〔7〕に記載の着色組成物を含むインクジェット記録用インク。
〔9〕
上記〔8〕に記載のインクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法。
〔10〕
上記〔8〕に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェットプリンタカートリッジ。
〔11〕
上記〔8〕に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したインクジェット記録物。
R21が複数存在する場合、複数のR21は同じでも異なっていてもよい。
n21は0〜2の整数を表す。
R22はスルホ基、リン酸基、又はカルボキシル基を表す。
R22が複数存在する場合、複数のR22は同じでも異なっていてもよい。
ただし、R22はアゾ基に対するオルト位には結合しない。
n22は1〜3の整数を表す。
R23〜R28はそれぞれ独立に、水素原子、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、又はアルキル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、及びアルキル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
ただし、R24、R26、及びR28は、それぞれ独立に、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、又はアルキル基を表す。
R31及びR32はそれぞれ独立に、アルキル基、カルボキシル基、スルホ基、又はハロゲン原子を表す。
R31及びR32は複数存在する場合はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
n31及びn32はそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。
ただし、一般式(3)で表される化合物は、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種を1分子あたりに合計で4個以上有する。
〔7〕
上記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩を含有する着色組成物。
〔8〕
上記〔7〕に記載の着色組成物を含むインクジェット記録用インク。
〔9〕
上記〔8〕に記載のインクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法。
〔10〕
上記〔8〕に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェットプリンタカートリッジ。
〔11〕
上記〔8〕に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したインクジェット記録物。
本発明によれば、良好な色相を有し、観察光源依存性が小さく、かつ溶液安定性及び耐オゾン性に優れるインクを提供し得る化合物及び着色組成物を提供することができる。また、該化合物及び該着色組成物を含有するインクジェット記録用インク、該インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物を提供することができる。
本発明のアゾ化合物は特に黒色用インクに好適に用いられる。
本発明のアゾ化合物は特に黒色用インクに好適に用いられる。
以下に本発明について詳細に説明する。
まず、本発明において、置換基群J、イオン性親水性基、ハメットの置換基定数σp値について定義する。
まず、本発明において、置換基群J、イオン性親水性基、ハメットの置換基定数σp値について定義する。
(置換基群J)
例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基が例として挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Jから選択される基を挙げることができる。
例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基が例として挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Jから選択される基を挙げることができる。
更に詳しくは、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。詳細には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、置換若しくは無置換のアラルキル基が挙げられ、置換若しくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。例えばベンジル基及び2−フェネチル基を挙げられる。
アルケニル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を包含する。詳細には、アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
シリルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から20の置換若しくは無置換のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
ヘテロ環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、トリアジニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
ヘテロ環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルフィニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
アリール又はヘテロ環アゾ基としては、好ましくは炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換若しくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ等が挙げられる。
イミド基としては、好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
シリル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられる。
(イオン性親水性基)
スルホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基などが挙げられる。特に好ましくはスルホ基、カルボキシル基である。またカルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対カチオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩が最も好ましい。
スルホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基などが挙げられる。特に好ましくはスルホ基、カルボキシル基である。またカルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対カチオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩が最も好ましい。
(ハメットの置換基定数σp値)
本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について説明する。
ハメット則はベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。なお、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に含まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。本発明にかかる化合物はベンゼン誘導体ではないが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用する。本発明においては今後、σp値をこのような意味で使用する。
本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について説明する。
ハメット則はベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。なお、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に含まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。本発明にかかる化合物はベンゼン誘導体ではないが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用する。本発明においては今後、σp値をこのような意味で使用する。
なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、水溶液及びインク組成物中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現することもある。
<アゾ化合物>
本発明のアゾ化合物は下記一般式(1)で表される。
本発明のアゾ化合物は下記一般式(1)で表される。
一般式(1)中、R1はヒドロキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、アルキルスルホニル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、又はスルファモイル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、及びアルキルスルホニル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
R1が複数存在する場合、複数のR1は同じでも異なっていてもよい。
n1は0〜2の整数を表す。
R2はスルホ基、リン酸基、又はカルボキシル基を表す。
R2が複数存在する場合、複数のR2は同じでも異なっていてもよい。
ただし、R2はアゾ基に対するオルト位には結合しない。
n2は1〜3の整数を表す。
R3はアルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、又はアルキル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、及びアルキル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
R3が複数存在する場合、複数のR3は同じでも異なっていてもよい。
ただし、n個の環Bには、それぞれR3として、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、及びアルキル基から選ばれる少なくとも1つが置換する。
n3は1又は2を表す。n個存在するn3はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
環Bは、ベンゼン環又はナフタレン環を表す。n個存在する環Bはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
nは2又は3を表す。
Gは下記一般式(a)〜(m)から選ばれる基を表す。
R1が複数存在する場合、複数のR1は同じでも異なっていてもよい。
n1は0〜2の整数を表す。
R2はスルホ基、リン酸基、又はカルボキシル基を表す。
R2が複数存在する場合、複数のR2は同じでも異なっていてもよい。
ただし、R2はアゾ基に対するオルト位には結合しない。
n2は1〜3の整数を表す。
R3はアルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、又はアルキル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、及びアルキル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
R3が複数存在する場合、複数のR3は同じでも異なっていてもよい。
ただし、n個の環Bには、それぞれR3として、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、及びアルキル基から選ばれる少なくとも1つが置換する。
n3は1又は2を表す。n個存在するn3はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
環Bは、ベンゼン環又はナフタレン環を表す。n個存在する環Bはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
nは2又は3を表す。
Gは下記一般式(a)〜(m)から選ばれる基を表す。
R6〜R17、R19〜R40はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はイオン性親水性基を表す。上記アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、及びヘテロ環基は更に置換基を有していてもよい。
R8とR9、R10とR11はそれぞれ結合して芳香環を形成してもよい。
R18は酸素原子又は硫黄原子を表す。
ただし、一般式(1)で表される化合物は、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種を1分子あたりに合計でn+1個以上有する。
R8とR9、R10とR11はそれぞれ結合して芳香環を形成してもよい。
R18は酸素原子又は硫黄原子を表す。
ただし、一般式(1)で表される化合物は、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種を1分子あたりに合計でn+1個以上有する。
本発明には、上記一般式(1)で表される化合物の互変異性体も含まれる。
また、上記一般式(1)で表される化合物又はその互変異性体は塩の形態であってもよく、2種以上の混合塩であってもよい。
また、上記一般式(1)で表される化合物又はその互変異性体は塩の形態であってもよく、2種以上の混合塩であってもよい。
R1がアルキルチオ基を表す場合、該アルキルチオ基としては、アルキル部分が直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。アルキルチオ基の炭素数は1〜4が好ましい。具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基等の直鎖のもの、イソプロピルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基等の分岐鎖のもの等が挙げられる。
ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されたアルキルチオ基としては、アルキルチオ基における任意の炭素原子にこれらの置換基が置換したものが挙げられる。該置換基の数は、1又は2個が好ましく、より好ましくは1個である。置換基の位置は特に制限されないが、アルキルチオ基における硫黄原子が結合する炭素原子以外の炭素原子に置換することが好ましい。
具体例としては、2−ヒドロキシエチルチオ基、2−ヒドロキシプロピルチオ基、3−ヒドロキシプロピルチオ基等のヒドロキシアルキルチオ基;2−スルホエチルチオ基、3−スルホプロピルチオ基等のスルホアルキルチオ基;2−カルボキシエチルチオ基、3−カルボキシプロピルチオ基、4−カルボキシブチルチオ基等のカルボキシアルキルチオ基;等が挙げられる。
上記のうち、スルホアルキルチオ基又はカルボキシアルキルチオ基が好ましく、スルホアルキルチオ基がより好ましく、スルホプロピルチオ基が特に好ましい。
ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されたアルキルチオ基としては、アルキルチオ基における任意の炭素原子にこれらの置換基が置換したものが挙げられる。該置換基の数は、1又は2個が好ましく、より好ましくは1個である。置換基の位置は特に制限されないが、アルキルチオ基における硫黄原子が結合する炭素原子以外の炭素原子に置換することが好ましい。
具体例としては、2−ヒドロキシエチルチオ基、2−ヒドロキシプロピルチオ基、3−ヒドロキシプロピルチオ基等のヒドロキシアルキルチオ基;2−スルホエチルチオ基、3−スルホプロピルチオ基等のスルホアルキルチオ基;2−カルボキシエチルチオ基、3−カルボキシプロピルチオ基、4−カルボキシブチルチオ基等のカルボキシアルキルチオ基;等が挙げられる。
上記のうち、スルホアルキルチオ基又はカルボキシアルキルチオ基が好ましく、スルホアルキルチオ基がより好ましく、スルホプロピルチオ基が特に好ましい。
R1がアルキルオキシ基を表す場合、該アルキルオキシ基としては、直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。アルキルオキシ基の炭素数は1〜4が好ましい。具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等の直鎖のもの、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の分岐鎖のもの等が挙げられる。これらの中では、メトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されたアルキルオキシ基としては、アルキルオキシ基における任意の炭素原子に、これらの置換基が置換したものが挙げられる。該置換基の数は、1又は2個が好ましく、より好ましくは1個である。置換基の位置は特に制限されないが、アルキルオキシ基における酸素原子が結合する炭素原子以外の炭素原子に置換するのが好ましい。
具体例としては、2−ヒドロキシエトキシ基、2−ヒドロキシプロポキシ基、3−ヒドロキシプロポキシ基等のヒドロキシアルコキシ基;2−スルホエトキシ基、3−スルホプロポキシ基、4−スルホブトキシ基等のスルホアルコキシ基;2−カルボキシエトキシ基、3−カルボキシプロポキシ基、4−カルボキシブトキシ基等のカルボキシアルコキシ基;等が挙げられる。
ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されたアルキルオキシ基としては、アルキルオキシ基における任意の炭素原子に、これらの置換基が置換したものが挙げられる。該置換基の数は、1又は2個が好ましく、より好ましくは1個である。置換基の位置は特に制限されないが、アルキルオキシ基における酸素原子が結合する炭素原子以外の炭素原子に置換するのが好ましい。
具体例としては、2−ヒドロキシエトキシ基、2−ヒドロキシプロポキシ基、3−ヒドロキシプロポキシ基等のヒドロキシアルコキシ基;2−スルホエトキシ基、3−スルホプロポキシ基、4−スルホブトキシ基等のスルホアルコキシ基;2−カルボキシエトキシ基、3−カルボキシプロポキシ基、4−カルボキシブトキシ基等のカルボキシアルコキシ基;等が挙げられる。
R1がアルキルアミノ基を表す場合、該アルキルアミノ基としては、アルキル部分が直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。アルキルアミノ基の炭素数は1〜4が好ましい。具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基等が挙げられる。
ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されたアルキルアミノ基としては、アルキルアミノ基における任意の炭素原子に、これらの置換基が置換したものが挙げられる。該置換基の数は、1又は2個が好ましく、より好ましくは1個である。
具体例としては、ヒドロキシメチルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基等のヒドロキシアルキルアミノ基;スルホメチルアミノ基、スルホエチルアミノ基等のスルホアルキルアミノ基;カルボキシメチルアミノ基、カルボキシエチルアミノ基等のカルボキシアルキルアミノ基等が挙げられる。
ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されたアルキルアミノ基としては、アルキルアミノ基における任意の炭素原子に、これらの置換基が置換したものが挙げられる。該置換基の数は、1又は2個が好ましく、より好ましくは1個である。
具体例としては、ヒドロキシメチルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基等のヒドロキシアルキルアミノ基;スルホメチルアミノ基、スルホエチルアミノ基等のスルホアルキルアミノ基;カルボキシメチルアミノ基、カルボキシエチルアミノ基等のカルボキシアルキルアミノ基等が挙げられる。
R1がアルキルカルボニルアミノ基を表す場合、該アルキルカルボニルアミノ基としては、アルキル部分が直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。アルキルカルボニルアミノ基の炭素数は1〜4が好ましい。具体例としては、アセチルアミノ基(メチルカルボニルアミノ基)、プロピオニルアミノ基(エチルカルボニルアミノ基)、n−プロピルカルボニルアミノ基、n−ブチルカルボニルアミノ基等の直鎖のもの、イソプロピルカルボニルアミノ基、イソブチルカルボニルアミノ基、sec−ブチルカルボニルアミノ基、ピバロイルアミノ基(tert−ブチルカルボニルアミノ基)等の分岐鎖のもの等が挙げられる。これらのうち直鎖のものが好ましく、アセチルアミノ基が特に好ましい。
R1がアルキルスルファモイル基を表す場合、該アルキルスルファモイル基としては、アルキル部分が直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。アルキルスルファモイル基の炭素数は1〜4が好ましい。具体例としては、メチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、n−プロピルスルファモイル基、n−ブチルスルファモイル基等が挙げられる。
ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されたアルキルスルファモイル基としては、アルキルスルファモイル基における任意の炭素原子に、これらの置換基が置換したものが挙げられる。該置換基の数は、1又は2個が好ましく、より好ましくは1個である。
ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されたアルキルスルファモイル基としては、アルキルスルファモイル基における任意の炭素原子に、これらの置換基が置換したものが挙げられる。該置換基の数は、1又は2個が好ましく、より好ましくは1個である。
R1がアルキルスルホニル基を表す場合、該アルキルスルホニル基としては、直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。アルキルスルホニル基の炭素数は1〜4が好ましい。具体例としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基等の直鎖のもの、イソプロピルスルホニル基、イソブチルスルホニル基等の分岐鎖のもの等が挙げられる。
上記のうち、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基が好ましく、メチルスルホニル基が特に好ましい。
ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されたアルキルスルホニル基としては、上記アルキルスルホニル基における任意の炭素原子に、上記の基が置換したものが挙げられ、該置換基の数は1又は2個が好ましく、より好ましくは1個である。置換基の位置は特に制限されない。
具体例としては、ヒドロキシエチルスルホニル基、2−ヒドロキシプロピルスルホニル基等のヒドロキシ置換のもの;2−スルホエチルスルホニル基、3−スルホプロピルスルホニル基等のスルホ置換のもの;2−カルボキシエチルスルホニル基、3−カルボキシプロピルスルホニル基等のカルボキシ置換のもの;等が挙げられる。
上記のうち、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基が好ましく、メチルスルホニル基が特に好ましい。
ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されたアルキルスルホニル基としては、上記アルキルスルホニル基における任意の炭素原子に、上記の基が置換したものが挙げられ、該置換基の数は1又は2個が好ましく、より好ましくは1個である。置換基の位置は特に制限されない。
具体例としては、ヒドロキシエチルスルホニル基、2−ヒドロキシプロピルスルホニル基等のヒドロキシ置換のもの;2−スルホエチルスルホニル基、3−スルホプロピルスルホニル基等のスルホ置換のもの;2−カルボキシエチルスルホニル基、3−カルボキシプロピルスルホニル基等のカルボキシ置換のもの;等が挙げられる。
R1は、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、スルファモイル基、スルホ基若しくはカルボキシル基で置換された炭素数1〜4のアルキルスルホニル基が好ましく、電子求引性置換基であるカルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、塩素原子、スルホ基若しくはカルボキシル基で置換された炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、或いはメトキシ基がより好ましく、塩素原子が特に好ましい。
R2はスルホ基、リン酸基、又はカルボキシル基を表し、スルホ基を表すことが好ましい。
R2は、アゾ基に対するオルト位には置換しない。
R2は、アゾ基に対するオルト位には置換しない。
n1は0〜2の整数を表し、0又は1を表すことが好ましい。
n1が2を表す場合、2つのR1は同じでも異なっていてもよい。
n2は1〜3の整数を表し、1又は2を表すことが好ましい。
n2が2を表す場合、2つのR2は同じでも異なっていてもよい。
n1が2を表す場合、2つのR1は同じでも異なっていてもよい。
n2は1〜3の整数を表し、1又は2を表すことが好ましい。
n2が2を表す場合、2つのR2は同じでも異なっていてもよい。
R3はアルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、又はアルキル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、及びアルキル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
R3が複数存在する場合、複数のR3は同じでも異なっていてもよい。
ただし、n個の環Bには、それぞれR3として、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、及びアルキル基から選ばれる少なくとも1つが置換する。
R3が複数存在する場合、複数のR3は同じでも異なっていてもよい。
ただし、n個の環Bには、それぞれR3として、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、及びアルキル基から選ばれる少なくとも1つが置換する。
R3が表すアルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、又はアルキルカルボニルアミノ基としては、R1が表すアルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、又はアルキルカルボニルアミノ基と同様のものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
R3がアルキルスルファモイル基を表す場合、該アルキルスルファモイル基の炭素数は1〜4が好ましい。具体例としては、メチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、n−プロピルスルファモイル基、n−ブチルスルファモイル基等のアルキル部分が直鎖のもの;イソプロピルスルファモイル基、イソブチルスルファモイル基、sec−ブチルスルファモイル基、tert−ブチルスルファモイル基等のアルキル部分分岐鎖のもの;等が挙げられる。メチルスルファモイル基、n−プロピルスルファモイル基が特に好ましい。
ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されたアルキルスルファモイル基としては、上記アルキルスルファモイル基の任意の炭素原子に、上記の基が置換したものが挙げられる。置換基の位置は特に制限されないが、アルキル部分の末端に置換するのが好ましく、該置換基の数は1又は2個が好ましく、より好ましくは1個である。
ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されたアルキルスルファモイル基としては、上記アルキルスルファモイル基の任意の炭素原子に、上記の基が置換したものが挙げられる。置換基の位置は特に制限されないが、アルキル部分の末端に置換するのが好ましく、該置換基の数は1又は2個が好ましく、より好ましくは1個である。
R3がアルキル基を表す場合、該アルキル基としては、直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。アルキル基の炭素数は1〜4が好ましい。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等の直鎖のもの;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の分岐鎖のもの;等が挙げられる。好ましい具体例としては、メチル基、n−プロピル基が挙げられ、メチル基が特に好ましい。
ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されたアルキル基としては、上記アルキル基の任意の炭素原子に、上記の基が置換したものが挙げられる。置換基の位置は特に制限されないが、アルキル基の末端に置換するのが好ましく、該置換基の数は1又は2個が好ましく、より好ましくは1個である。
具体例としては、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基等が挙げられる。
ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されたアルキル基としては、上記アルキル基の任意の炭素原子に、上記の基が置換したものが挙げられる。置換基の位置は特に制限されないが、アルキル基の末端に置換するのが好ましく、該置換基の数は1又は2個が好ましく、より好ましくは1個である。
具体例としては、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基等が挙げられる。
それぞれの環Bにおいて、R3が複数存在する場合、複数のR3は同じでも異なっていてもよい。
ただし、n個の環Bには、それぞれR3として、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、及びアルキル基から選ばれる少なくとも1つが置換する。これらの基は上述した通り、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。上記のうち、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基が好ましく、アルキルチオ基、アルキルオキシ基がより好ましい。
それぞれの環B上に少なくとも1つのアルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、及びアルキル基から選ばれる少なくとも1つを有することで、これらの基が有する電子供与性により、溶液安定性が向上する。
ただし、n個の環Bには、それぞれR3として、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、及びアルキル基から選ばれる少なくとも1つが置換する。これらの基は上述した通り、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。上記のうち、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基が好ましく、アルキルチオ基、アルキルオキシ基がより好ましい。
それぞれの環B上に少なくとも1つのアルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、及びアルキル基から選ばれる少なくとも1つを有することで、これらの基が有する電子供与性により、溶液安定性が向上する。
n3は1又は2を表し、2を表すことが好ましい。
n3が2を表す場合の2つのR3の好ましい例として、以下の(i)又は(ii)が挙げられる。
n3が2を表す場合の2つのR3の好ましい例として、以下の(i)又は(ii)が挙げられる。
(i)
一方のR3が炭素数1〜4のアルキルチオ基であり、他方のR3が炭素数1〜4のアルキルカルボニルアミノ基である場合が好ましい。
一方のR3としては、スルホアルキルチオ基又はカルボキシアルキルチオ基が好ましく、スルホアルキルチオ基がより好ましく、スルホプロピルチオ基が特に好ましい。
他方のR3としては、アセチルアミノ基が特に好ましい。
一方のR3が炭素数1〜4のアルキルチオ基であり、他方のR3が炭素数1〜4のアルキルカルボニルアミノ基である場合が好ましい。
一方のR3としては、スルホアルキルチオ基又はカルボキシアルキルチオ基が好ましく、スルホアルキルチオ基がより好ましく、スルホプロピルチオ基が特に好ましい。
他方のR3としては、アセチルアミノ基が特に好ましい。
(ii)
一方のR3が炭素数1〜4のアルキルオキシ基であり、他方のR3が炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、又は炭素数2〜5のアルキルカルボニルアミノ基である場合も好ましい。
一方のR3としては、スルホアルコキシ基及びカルボキシアルコキシ基が好ましく、スルホアルコキシ基がより好ましく、スルホプロポキシ基、スルホブトキシ基が特に好ましい。
他方のR3としては、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホアルコキシ基、カルボキシアルコキシ基、アセチルアミノ基が好ましく、アルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
一方のR3が炭素数1〜4のアルキルオキシ基であり、他方のR3が炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、又は炭素数2〜5のアルキルカルボニルアミノ基である場合も好ましい。
一方のR3としては、スルホアルコキシ基及びカルボキシアルコキシ基が好ましく、スルホアルコキシ基がより好ましく、スルホプロポキシ基、スルホブトキシ基が特に好ましい。
他方のR3としては、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホアルコキシ基、カルボキシアルコキシ基、アセチルアミノ基が好ましく、アルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
上記一般式(1)において、nは2または3を表し、観察光源依存性の観点から、3を表すことが好ましい。
環Bは、ベンゼン環又はナフタレン環を表し、原料の入手性、および分子設計の自由度が高く、分子に機能性基を導入しやすいという観点から、ベンゼン環を表すことが好ましい。
環Bは、1,2位、1,3位、又は1,4位でアゾ基と結合するベンゼン環又はナフタレン環であることが好ましく、1,4位でアゾ基と結合するベンゼン環又はナフタレン環であることがより好ましい。
n個存在する環Bはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
環Bは、1,2位、1,3位、又は1,4位でアゾ基と結合するベンゼン環又はナフタレン環であることが好ましく、1,4位でアゾ基と結合するベンゼン環又はナフタレン環であることがより好ましい。
n個存在する環Bはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
上記一般式(1)は下記一般式(1−1)で表されることが好ましい。
一般式(1−1)中、R1、n1、R2、n2、R3、n、n3、環B及びGは、それぞれ一般式(1)におけるものと同義であり、好ましい範囲も同様である。
Gは下記一般式(a)〜(m)から選ばれる基を表す。
R6〜R17、R19〜R40はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はイオン性親水性基を表す。上記アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、及びヘテロ環基は更に置換基を有していてもよい。
R8とR9、R10とR11はそれぞれ結合して芳香環を形成してもよい。
R18は酸素原子又は硫黄原子を表す。
R8とR9、R10とR11はそれぞれ結合して芳香環を形成してもよい。
R18は酸素原子又は硫黄原子を表す。
上記一般式(a)において、R6及びR7は好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を表す。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R6及びR7はアリール基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基、メチル基、エチル基、がより好ましく、フェニル基、メチル基が更に好ましい。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R6及びR7はアリール基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基、メチル基、エチル基、がより好ましく、フェニル基、メチル基が更に好ましい。
上記一般式(b)において、R8及びR9は好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を表す。また、R8とR9が結合して芳香環を形成することも好ましい。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R8及びR9は、水素原子、無置換のアリール基、炭素数3〜6の無置換のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、R8とR9が結合してベンゼン環を形成することが好ましく、水素原子、無置換のアリール基、炭素数3〜6の無置換のアルキル基、R8とR9が結合してベンゼン環を形成することがより好ましく、R8とR9が結合してベンゼン環を形成することが更に好ましい。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R8及びR9は、水素原子、無置換のアリール基、炭素数3〜6の無置換のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、R8とR9が結合してベンゼン環を形成することが好ましく、水素原子、無置換のアリール基、炭素数3〜6の無置換のアルキル基、R8とR9が結合してベンゼン環を形成することがより好ましく、R8とR9が結合してベンゼン環を形成することが更に好ましい。
上記一般式(c)において、R10及びR11は好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を表す。また、R10とR11が結合して芳香環を形成することも好ましい。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R10及びR11は、水素原子、無置換のアリール基、炭素数3〜6の無置換のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、R10とR11が結合してベンゼン環を形成することが好ましく、水素原子、無置換のアリール基、炭素数3〜6の無置換のアルキル基、R10とR11が結合してベンゼン環を形成することがより好ましく、R10とR11が結合してベンゼン環を形成することが更に好ましい。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R10及びR11は、水素原子、無置換のアリール基、炭素数3〜6の無置換のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、R10とR11が結合してベンゼン環を形成することが好ましく、水素原子、無置換のアリール基、炭素数3〜6の無置換のアルキル基、R10とR11が結合してベンゼン環を形成することがより好ましく、R10とR11が結合してベンゼン環を形成することが更に好ましい。
上記一般式(d)において、R12は好ましくは、置換若しくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルオキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環、又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を表す。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R12はアルキル基、炭素数1〜4のアルキルオキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環がより好ましく、メチル基、t-ブチル基が更に好ましい。
R13は好ましくは、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環、又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を表す。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R13はアリール基、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環が好ましく、炭素数6〜10のアリール基、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環がより好ましく、メチル基、フェニル基、4-スルホフェニル基、3-スルホフェニル基、3,5−ジカルボキシルフェニル基が更に好ましい。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R12はアルキル基、炭素数1〜4のアルキルオキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環がより好ましく、メチル基、t-ブチル基が更に好ましい。
R13は好ましくは、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環、又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を表す。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R13はアリール基、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環が好ましく、炭素数6〜10のアリール基、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環がより好ましく、メチル基、フェニル基、4-スルホフェニル基、3-スルホフェニル基、3,5−ジカルボキシルフェニル基が更に好ましい。
上記一般式(e)において、R14は好ましくは、置換若しくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を表す。
上記アルキル基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R14はアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基、が更に好ましい。
上記アルキル基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R14はアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基、が更に好ましい。
上記一般式(f)において、R15は好ましくは、置換若しくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルオキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環、又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を表す。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R15はアルキル基、炭素数1〜4のアルキルオキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環がより好ましく、メチル基、t-ブチル基が更に好ましい。
R16は好ましくは、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環、又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を表す。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R16はアリール基、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環が好ましく、置換若しくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、ヘテロ環がより好ましく、メチル基、フェニル基、4-スルホフェニル基、3-スルホフェニル基、3,5−ジカルボキシルフェニル基が更に好ましい。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R15はアルキル基、炭素数1〜4のアルキルオキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環がより好ましく、メチル基、t-ブチル基が更に好ましい。
R16は好ましくは、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環、又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を表す。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R16はアリール基、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環が好ましく、置換若しくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、ヘテロ環がより好ましく、メチル基、フェニル基、4-スルホフェニル基、3-スルホフェニル基、3,5−ジカルボキシルフェニル基が更に好ましい。
上記一般式(g)において、R17及びR19は好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を表す。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R17及びR19は、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環が好ましく、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、がより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、スルホエチル基、が更に好ましい。
R18は酸素原子又は硫黄原子を表す。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R17及びR19は、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環が好ましく、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、がより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、スルホエチル基、が更に好ましい。
R18は酸素原子又は硫黄原子を表す。
上記一般式(h)において、R20〜R25は好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ハロゲン原子、又はニトロ基を表す。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R20〜R25は水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基が好ましく、水素原子、炭素数1〜4のアルキルオキシ基が更に好ましい。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R20〜R25は水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基が好ましく、水素原子、炭素数1〜4のアルキルオキシ基が更に好ましい。
上記一般式(i)において、R26は好ましくは、置換若しくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、アリール基、又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を表す。
上記アルキル基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R26は光堅牢性の観点から、アルキル基、アリール基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
R27は電子求引性基を表し、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性基であることが好ましく、ハメットの置換基定数σp値が0.30以上の電子求引性基であることがより好ましい。上記電子求引性基の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、他の電子求引性基で置換されたアリール基、ニトロ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられる。好ましくはシアノ基、メチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基であり、より好ましくはシアノ基、メチルスルホニル基、ニトロ基である。上記電子求引性基であれば、アゾ化合物の色相調整と光堅牢性及びオゾンガス堅牢性向上が可能であり、インクジェット記録黒インク用水溶性染料として使用する点で効果を得ることができる。ハメットの置換基定数σp値の上限としては1.0以下の電子求引性基であることが好ましい。
R28は好ましくは、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表す。
上記アルキル基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R28は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数6〜8のアリール基が好ましく、水素原子、炭素数1〜3のスルホアルキル基がより好ましく、水素原子又はスルホエチル基が更に好ましい。
上記アルキル基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R26は光堅牢性の観点から、アルキル基、アリール基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
R27は電子求引性基を表し、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性基であることが好ましく、ハメットの置換基定数σp値が0.30以上の電子求引性基であることがより好ましい。上記電子求引性基の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、他の電子求引性基で置換されたアリール基、ニトロ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられる。好ましくはシアノ基、メチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基であり、より好ましくはシアノ基、メチルスルホニル基、ニトロ基である。上記電子求引性基であれば、アゾ化合物の色相調整と光堅牢性及びオゾンガス堅牢性向上が可能であり、インクジェット記録黒インク用水溶性染料として使用する点で効果を得ることができる。ハメットの置換基定数σp値の上限としては1.0以下の電子求引性基であることが好ましい。
R28は好ましくは、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表す。
上記アルキル基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R28は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数6〜8のアリール基が好ましく、水素原子、炭素数1〜3のスルホアルキル基がより好ましく、水素原子又はスルホエチル基が更に好ましい。
上記一般式(j)において、R29〜R32は好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ハロゲン原子、又はニトロ基を表す。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R29〜R32は水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基が好ましく、水素原子、メチル基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、がより好ましく、水素原子、メチルオキシ基が更に好ましい。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R29〜R32は水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基が好ましく、水素原子、メチル基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、がより好ましく、水素原子、メチルオキシ基が更に好ましい。
上記一般式(k)において、R33は好ましくは、置換若しくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環、炭素数3〜12のシクロアルキル基を表す。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R33は炭素数1〜8のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基、が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数4〜6のヘテロ環基がより好ましく、t−ブチル基、メチル基、フェニル基、ピリジル基が更に好ましい。
R34は好ましくは、置換若しくは無置換のアリール基、炭素数1〜8のアルキル基、置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。
上記アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R34はアリール基、炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のヘテロ環基が好ましく、アルキルカルボニルアミノ基が置換した炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜4のアルキル基、がより好ましく、メチルカルボニルアミノフェニル基、メチル基、t-ブチル基が更に好ましい。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R33は炭素数1〜8のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基、が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数4〜6のヘテロ環基がより好ましく、t−ブチル基、メチル基、フェニル基、ピリジル基が更に好ましい。
R34は好ましくは、置換若しくは無置換のアリール基、炭素数1〜8のアルキル基、置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。
上記アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R34はアリール基、炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のヘテロ環基が好ましく、アルキルカルボニルアミノ基が置換した炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜4のアルキル基、がより好ましく、メチルカルボニルアミノフェニル基、メチル基、t-ブチル基が更に好ましい。
上記一般式(l)において、R35は好ましくは、置換若しくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヘテロ環、炭素数3〜12のシクロアルキル基を表す。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R35は炭素数1〜8のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基、が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数4〜6のヘテロ環基がより好ましく、t−ブチル基、メチル基、フェニル基、ピリジル基が更に好ましい。
R36は好ましくは、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基、を表す。
上記アルキル基が置換基を有する場合の置換基としては、カルボキシルアルキルカルボニルアミノ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、が挙げられる。
R36は炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基が好ましく、カルボキシルアルキルカルボニルアミノ基が置換した炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、がより好ましく、カルボキシルエチルカルボニルアミノ基が置換したエチル基、メチル基、t−ブチル基、イソプロピル基、フェニル基が更に好ましい。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R35は炭素数1〜8のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基、が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数4〜6のヘテロ環基がより好ましく、t−ブチル基、メチル基、フェニル基、ピリジル基が更に好ましい。
R36は好ましくは、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基、を表す。
上記アルキル基が置換基を有する場合の置換基としては、カルボキシルアルキルカルボニルアミノ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、が挙げられる。
R36は炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基が好ましく、カルボキシルアルキルカルボニルアミノ基が置換した炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、がより好ましく、カルボキシルエチルカルボニルアミノ基が置換したエチル基、メチル基、t−ブチル基、イソプロピル基、フェニル基が更に好ましい。
上記一般式(m)において、R37の具体例及び好ましい範囲は、上記一般式(i)のR26と同様である。
R38の具体例及び好ましい範囲は、上記一般式(i)のR27と同様である。
R39及びR40は好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又はヘテロ環を表す。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、上記置換基群Jから選ばれる置換基が挙げられ、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、イオン性親水性基、アリール基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、カルボキシル基、スルホ基、又はハロゲン原子がより好ましい。これらの置換基は更に置換基を有していてもよい。また、置換基同士で結合して環を形成してもよく、形成される環としては芳香族環であることが好ましく、ベンゼン環であることが好ましい。
R39及びR40はイオン性親水性基が置換したアリール基、炭素数1〜8のアルキル基、が好ましく、スルホ基が置換した炭素数6〜10のアリール基、カルボキシル基が置換した炭素数6〜10のアリール基、がより好ましく、R39、R40が結合する窒素原子に対してパラ位又はメタ位にスルホ基が置換したフェニル基であることが更に好ましい。
R38の具体例及び好ましい範囲は、上記一般式(i)のR27と同様である。
R39及びR40は好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又はヘテロ環を表す。
上記アルキル基、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては、上記置換基群Jから選ばれる置換基が挙げられ、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、イオン性親水性基、アリール基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、カルボキシル基、スルホ基、又はハロゲン原子がより好ましい。これらの置換基は更に置換基を有していてもよい。また、置換基同士で結合して環を形成してもよく、形成される環としては芳香族環であることが好ましく、ベンゼン環であることが好ましい。
R39及びR40はイオン性親水性基が置換したアリール基、炭素数1〜8のアルキル基、が好ましく、スルホ基が置換した炭素数6〜10のアリール基、カルボキシル基が置換した炭素数6〜10のアリール基、がより好ましく、R39、R40が結合する窒素原子に対してパラ位又はメタ位にスルホ基が置換したフェニル基であることが更に好ましい。
Gは、上記一般式(a)〜(h)の中でも、耐オゾン性の観点から、一般式(d)、(f)、(g)、(i)、又は(m)が好ましく、(d)、(f)、(i)、(m)がより好ましく、一般式(m)が更に好ましい。
前記一般式(1)が、下記一般式(2)で表されることが好ましい。
一般式(2)中、R21、R22、n21、n22、及びG2は、それぞれ一般式(1)中のR1、R2、n1、n2、及びGと同義である。
R23〜R28はそれぞれ独立に、水素原子、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、又はアルキル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、アルキル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
ただし、R24、R26、及びR28は、それぞれ独立に、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、又はアルキル基を表す。 ただし、一般式(2)で表される化合物は、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種を1分子あたりに合計で4個以上有する。
R23〜R28はそれぞれ独立に、水素原子、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、又はアルキル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、アルキル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
ただし、R24、R26、及びR28は、それぞれ独立に、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、又はアルキル基を表す。 ただし、一般式(2)で表される化合物は、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種を1分子あたりに合計で4個以上有する。
一般式(2)中、R21、R22、n21、n22、及びG2の具体例及び好ましい範囲は、それぞれ一般式(1)中のR1、R2、n1、n2、及びGの具体例及び好ましい範囲と同様である。一般式(2)中、R23〜R28の具体例及び好ましい範囲は、一般式(1)中のR3の具体例及び好ましい範囲と同様である。
特に、R21は、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、スルファモイル基、スルホ基若しくはカルボキシル基で置換された炭素数1〜4のアルキルスルホニル基が好ましく、電子求引性置換基であるカルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、塩素原子、スルホ基若しくはカルボキシル基で置換された炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、或いはメトキシ基がより好ましく、塩素原子が更に好ましい。
R23〜R28は好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、炭素数1〜4のアルキルカルボニルアミノ基、又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、上記炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、炭素数1〜4のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数1〜4のアルキルスルファモイル基、炭素数1〜4のアルキル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
R23及びR25はそれぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキルカルボニルアミノ基であることが好ましい。
R24及びR26はそれぞれ独立に、スルホ基又はカルボキシル基で置換された炭素数1〜4のアルキルチオ基であることが好ましい。
R27は炭素数1〜4のアルキル基又はアセチルアミノ基であることが好ましい。
R28は炭素数1〜4のスルホアルコキシ基であることが好ましい。
特に、R21は、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、スルファモイル基、スルホ基若しくはカルボキシル基で置換された炭素数1〜4のアルキルスルホニル基が好ましく、電子求引性置換基であるカルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、塩素原子、スルホ基若しくはカルボキシル基で置換された炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、或いはメトキシ基がより好ましく、塩素原子が更に好ましい。
R23〜R28は好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、炭素数1〜4のアルキルカルボニルアミノ基、又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、上記炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、炭素数1〜4のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数1〜4のアルキルスルファモイル基、炭素数1〜4のアルキル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
R23及びR25はそれぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキルカルボニルアミノ基であることが好ましい。
R24及びR26はそれぞれ独立に、スルホ基又はカルボキシル基で置換された炭素数1〜4のアルキルチオ基であることが好ましい。
R27は炭素数1〜4のアルキル基又はアセチルアミノ基であることが好ましい。
R28は炭素数1〜4のスルホアルコキシ基であることが好ましい。
前記一般式(1)又は(2)が、下記一般式(3)で表されることが更に好ましい。
一般式(3)中、R21、R22、n21、n22、及びR23〜R28は、それぞれ一般式(2)中のR21、R22、n21、n22、及びR23〜R28と同義である。R31及びR32はそれぞれ独立に、アルキル基、カルボキシル基、スルホ基、又はハロゲン原子を表す。R31及びR32は複数存在する場合はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。n31及びn32はそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。
ただし、一般式(3)で表される化合物は、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種を1分子あたりに合計で4個以上有する。
ただし、一般式(3)で表される化合物は、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種を1分子あたりに合計で4個以上有する。
一般式(3)中、R21、R22、n21、及びR23〜R28の具体例及び好ましい範囲は、それぞれ一般式(2)中のR21、R22、n21、及びR23〜R28の具体例及び好ましい範囲と同様である。
一般式(3)中、R31及びR32はそれぞれ独立に、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4)、カルボキシル基、スルホ基、又はハロゲン原子を表し、メチル基、カルボキシル基、スルホ基、又は塩素原子であることが好ましく、スルホ基又は塩素原子であることがより好ましい。
n31及びn32はそれぞれ独立に0〜2の整数を表し、1又は2が好ましく、2がより好ましい。
一般式(3)中、R31及びR32はそれぞれ独立に、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4)、カルボキシル基、スルホ基、又はハロゲン原子を表し、メチル基、カルボキシル基、スルホ基、又は塩素原子であることが好ましく、スルホ基又は塩素原子であることがより好ましい。
n31及びn32はそれぞれ独立に0〜2の整数を表し、1又は2が好ましく、2がより好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種を1分子あたりに合計でn+1個以上有し、一般式(2)又は(3)で表される化合物はスルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種を1分子あたりに4個以上有する。
一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物は、より好ましくはスルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種を4〜8個有し、更に好ましくは4〜6個有する。これにより本発明のアゾ化合物の水溶性、水溶液貯蔵安定性が向上し、インクジェット記録黒インク用水溶性染料としての要求性能を高いレベルで満足し更にインクジェット記録用インクとして使用した際のインクジェット印画物の画質を更に向上できるという効果を奏する。
スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基のうち、特に好ましくはスルホ基、カルボキシル基である。スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基は、塩の状態であってもよく、塩を形成する対カチオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩、ナトリウム塩、及びこれらを主成分とする混合塩が最も好ましい。
一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物は、より好ましくはスルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種を4〜8個有し、更に好ましくは4〜6個有する。これにより本発明のアゾ化合物の水溶性、水溶液貯蔵安定性が向上し、インクジェット記録黒インク用水溶性染料としての要求性能を高いレベルで満足し更にインクジェット記録用インクとして使用した際のインクジェット印画物の画質を更に向上できるという効果を奏する。
スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基のうち、特に好ましくはスルホ基、カルボキシル基である。スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基は、塩の状態であってもよく、塩を形成する対カチオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩、ナトリウム塩、及びこれらを主成分とする混合塩が最も好ましい。
本発明の一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるアゾ化合物は、アゾ基に対するオルト位に、スルホ基、リン酸基、カルボキシル基が直接は結合しない。アゾ基に対するオルト位にこれらの基が直接結合すると、アゾ基を攻撃し、分解を促進する場合があるため、堅牢性が低下する。
また、本発明では、一般式(1)で表される化合物中に同位元素(例えば、2H、3H、13C、15N)を含有していても適用できる。
本発明においては、アゾ化合物が塩である場合は、水溶液及びインク組成物中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現することもある。
本発明の上記一般式(1)で表されるアゾ化合物を着色剤として用いた水溶液及び水溶性インク組成物は、染料や顔料などの着色剤とそれの分散物などを含有する組成物を意味し、特に画像形成に好適に使用できる。
以下に前記一般式(1)で表されるアゾ化合物の具体例を以下に示すが、下記の例に限定されるものではない。
下記具体例化合物の構造式においてスルホ基、カルボキシル基等の官能基は、便宜上、遊離酸の形で記載するが、実際には遊離酸アニオンとなっており、カウンターカチオンとして、下記のアルカリ金属のイオンを主に有する。
下記具体例化合物の構造式においてスルホ基、カルボキシル基等の官能基は、便宜上、遊離酸の形で記載するが、実際には遊離酸アニオンとなっており、カウンターカチオンとして、下記のアルカリ金属のイオンを主に有する。
<アゾ化合物の製造方法>
上記一般式(1)で示される本発明のアゾ化合物は、例えば次のような方法で合成することができる。また、各工程における化合物の構造式は遊離酸の形で表すものとする。
なお、下記一般式(5)〜(12)において、B、n1、n2、n3、R1〜R13は上記一般式(1)におけるのと同じ意味を表す。
下記一般式(5)で表される化合物を常法によりジアゾ化し、得られたジアゾ化合物と下記一般式(6)で表される化合物とを常法によりカップリング反応させ、下記一般式(7)で表される化合物を得る。
上記一般式(1)で示される本発明のアゾ化合物は、例えば次のような方法で合成することができる。また、各工程における化合物の構造式は遊離酸の形で表すものとする。
なお、下記一般式(5)〜(12)において、B、n1、n2、n3、R1〜R13は上記一般式(1)におけるのと同じ意味を表す。
下記一般式(5)で表される化合物を常法によりジアゾ化し、得られたジアゾ化合物と下記一般式(6)で表される化合物とを常法によりカップリング反応させ、下記一般式(7)で表される化合物を得る。
得られた上記一般式(7)で表される化合物を常法によりジアゾ化した後、得られたジアゾ化合物と下記一般式(8)で表される化合物とを常法によりカップリング反応させ、下記一般式(9)で表される化合物を得る。
得られた上記一般式(9)で表される化合物を常法によりジアゾ化した後、得られたジアゾ化合物と下記一般式(10)で表される化合物とを常法によりカップリング反応させ、下記一般式(11)で表される化合物を得る。
得られた上記一般式(11)で表される化合物を常法によりジアゾ化した後、得られたジアゾ化合物と例えば下記式(12)で表される化合物とを常法によりカップリング反応させることにより、上記一般式(1)で表される本発明のアゾ化合物を得ることができる。
上記一般式(5)で表される化合物のジアゾ化はそれ自体公知の方法で実施され、例えば、無機酸媒質中、例えば−5〜30℃、好ましくは0〜15℃の温度で亜硝酸エステル類(例えば亜硝酸イソペンチルが挙げられる)、亜硝酸塩(例えば亜硝酸ナトリウムや亜硝酸カリウムが挙げられる)、亜硝酸イソアミル、ニトロシル硫酸などのジアゾ化剤を使用して実施される。
上記一般式(5)で表される化合物のジアゾ化物と上記一般式(6)で表される化合物とのカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水又は水性有機媒体中、例えば−5〜30℃、好ましくは0〜25℃の温度、且つ、酸性から中性のpH値、例えばpH1〜6で行うことが有利である。ジアゾ化反応液が酸性であり、また、カップリング反応の進行により反応系内はさらに酸性化してしまうため、反応液の好ましいpH条件へのpH値の調整を塩基の添加によって行う。塩基としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、酢酸ナトリウム等の酢酸塩、アンモニア又は有機アミン等が使用できる。
上記一般式(5)で表される化合物と上記一般式(6)で表される化合物とは、ほぼ化学量論量で用いる。
上記一般式(5)で表される化合物のジアゾ化物と上記一般式(6)で表される化合物とのカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水又は水性有機媒体中、例えば−5〜30℃、好ましくは0〜25℃の温度、且つ、酸性から中性のpH値、例えばpH1〜6で行うことが有利である。ジアゾ化反応液が酸性であり、また、カップリング反応の進行により反応系内はさらに酸性化してしまうため、反応液の好ましいpH条件へのpH値の調整を塩基の添加によって行う。塩基としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、酢酸ナトリウム等の酢酸塩、アンモニア又は有機アミン等が使用できる。
上記一般式(5)で表される化合物と上記一般式(6)で表される化合物とは、ほぼ化学量論量で用いる。
上記一般式(7)で表される化合物のジアゾ化はそれ自体公知の方法で実施され、例えば、無機酸媒質中、例えば−5〜40℃、好ましくは5〜30℃の温度で亜硝酸エステル類(例えば亜硝酸イソペンチルが挙げられる)、亜硝酸塩(例えば亜硝酸ナトリウムや亜硝酸カリウムが挙げられる)、亜硝酸イソアミル、ニトロシル硫酸などのジアゾ化剤を使用して実施される。
上記一般式(7)で表される化合物のジアゾ化物と上記一般式(8)で表される化合物とのカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水又は水性有機媒体中、例えば−5〜40℃、好ましくは10〜30℃の温度、且つ、酸性から中性のpH値、例えばpH2〜7で行うことが有利である。ジアゾ化反応液が酸性であり、また、カップリング反応の進行により反応系内はさらに酸性化してしまうため、反応液の好ましいpH条件へのpH値の調整を塩基の添加によって行う。塩基としては上記と同じものが使用できる。
上記一般式(7)で表される化合物と上記一般式(8)で表される化合物とは、ほぼ化学量論量で用いる。
上記一般式(7)で表される化合物のジアゾ化物と上記一般式(8)で表される化合物とのカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水又は水性有機媒体中、例えば−5〜40℃、好ましくは10〜30℃の温度、且つ、酸性から中性のpH値、例えばpH2〜7で行うことが有利である。ジアゾ化反応液が酸性であり、また、カップリング反応の進行により反応系内はさらに酸性化してしまうため、反応液の好ましいpH条件へのpH値の調整を塩基の添加によって行う。塩基としては上記と同じものが使用できる。
上記一般式(7)で表される化合物と上記一般式(8)で表される化合物とは、ほぼ化学量論量で用いる。
上記一般式(9)で表される化合物のジアゾ化はそれ自体公知の方法で実施され、例えば、無機酸媒質中、例えば−5〜50℃、好ましくは5〜40℃の温度で亜硝酸エステル類(例えば亜硝酸イソペンチルが挙げられる)、亜硝酸塩(例えば亜硝酸ナトリウムや亜硝酸カリウムが挙げられる)、亜硝酸イソアミル、ニトロシル硫酸などのジアゾ化剤を使用して実施される。
上記一般式(9)で表される化合物のジアゾ化物と上記一般式(10)で表される化合物とのカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水又は水性有機媒体中、例えば−5〜50℃、好ましくは10〜40℃の温度、且つ、酸性から中性のpH値、例えばpH2〜7で行うことが有利である。ジアゾ化反応液が酸性であり、また、カップリング反応の進行により反応系内はさらに酸性化してしまうため、反応液の好ましいpH条件へのpH値の調整を塩基の添加によって行う。塩基としては上記と同じものが使用できる。
上記一般式(9)で表される化合物と上記一般式(10)で表される化合物とは、ほぼ化学量論量で用いる。
上記一般式(9)で表される化合物のジアゾ化物と上記一般式(10)で表される化合物とのカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水又は水性有機媒体中、例えば−5〜50℃、好ましくは10〜40℃の温度、且つ、酸性から中性のpH値、例えばpH2〜7で行うことが有利である。ジアゾ化反応液が酸性であり、また、カップリング反応の進行により反応系内はさらに酸性化してしまうため、反応液の好ましいpH条件へのpH値の調整を塩基の添加によって行う。塩基としては上記と同じものが使用できる。
上記一般式(9)で表される化合物と上記一般式(10)で表される化合物とは、ほぼ化学量論量で用いる。
上記一般式(11)で表される化合物のジアゾ化もそれ自体公知の方法で実施され、例えば、無機酸媒質中、例えば−5〜50℃、好ましくは10〜40℃の温度で亜硝酸エステル類(例えば亜硝酸イソペンチルが挙げられる)、亜硝酸塩(例えば亜硝酸ナトリウムや亜硝酸カリウムが挙げられる)、亜硝酸イソアミル、ニトロシル硫酸などのジアゾ化剤を使用して実施される。
上記一般式(11)で表される化合物のジアゾ化物と上記式(12)で表される化合物とのカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水又は水性有機媒体中、例えば−5〜50℃、好ましくは10〜40℃の温度、且つ、弱酸性からアルカリ性のpH値で行うことが有利である。好ましくは弱酸性から弱アルカリ性のpH値、例えばpH5〜10で実施され、pH値の調整は塩基の添加によって実施される。塩基としては上記と同じものが使用できる。
上記一般式(11)で表される化合物と上記式(12)で表される化合物とは、ほぼ化学量論量で用いる。
上記一般式(11)で表される化合物のジアゾ化物と上記式(12)で表される化合物とのカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水又は水性有機媒体中、例えば−5〜50℃、好ましくは10〜40℃の温度、且つ、弱酸性からアルカリ性のpH値で行うことが有利である。好ましくは弱酸性から弱アルカリ性のpH値、例えばpH5〜10で実施され、pH値の調整は塩基の添加によって実施される。塩基としては上記と同じものが使用できる。
上記一般式(11)で表される化合物と上記式(12)で表される化合物とは、ほぼ化学量論量で用いる。
上記一般式(1)で表されるアゾ化合物の塩は、無機又は有機陽イオンとの塩である。そのうち、無機の陽イオンとの塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩が挙げられ、好ましい無機塩は、リチウム、ナトリウム、カリウムの塩、及びアンモニウム塩である。また、有機の陽イオンとの塩としては、4級アンモニウムイオンとの塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明のアゾ化合物の遊離酸、その互変異性体、及びそれらの各種の塩が混合物であってもよい。例えばナトリウム塩とアンモニウム塩との混合物、遊離酸とナトリウム塩との混合物、リチウム塩、ナトリウム塩、及びアンモニウム塩の混合物等、いずれの組み合わせを用いてもよい。塩の種類によって溶解性等の物性値が異なる場合もあり、必要に応じて適宜塩の種類を選択すること、又は複数の塩等を含む場合にはその比率を変化させることにより、目的に適う物性を有する混合物を得ることもできる。
本発明の上記式(1)で表されるアゾ化合物の所望の塩を合成する方法としては、上記式(1)で表される化合物の合成反応における最終工程の終了後、所望の無機塩又は有機の4級アンモニウム塩を反応液に加えて塩析する方法;該反応液に塩酸等の鉱酸を加えて反応液から該アゾ化合物を遊離酸の形で単離した後、得られた遊離酸を、必要に応じて水、酸性の水、水性有機媒体等で洗浄して、付着した無機塩等の不純物を除去し、再度、水性の媒体中(好ましくは水中)で、該遊離酸に所望の無機塩基又は有機の4級アンモニウム塩に対応する有機塩基を加えて塩形成する方法;等が挙げられる。このような方法により、目的とするアゾ化合物の塩を、溶液又は析出固体の状態として得ることができる。ここで酸性の水とは、例えば硫酸、塩酸等の鉱酸や酢酸等の有機酸を水に溶解し、酸性にしたものをいう。また、水性有機媒体とは、いずれも水と混和可能な、有機物質及び/又は有機溶剤等と、水との混和物をいう。
この水と混和可能な有機物質や有機溶剤としては、後述する水溶性有機溶剤等が挙げられる。
上記式(1)で表されるアゾ化合物を所望の塩とする際に用いる無機塩の例としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属のハロゲン塩;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;塩化アンモニウム、臭化アンモニウム等のアンモニウムイオンのハロゲン塩;水酸化アンモニウム(アンモニア水)等のアンモニウムイオンの水酸化物;等が挙げられる。
また、有機陽イオンの塩の例としては、例えばジエタノールアミン塩酸塩、トリエタノールアミン塩酸塩等の4級アンモニウムイオンのハロゲン塩等が挙げられる。
この水と混和可能な有機物質や有機溶剤としては、後述する水溶性有機溶剤等が挙げられる。
上記式(1)で表されるアゾ化合物を所望の塩とする際に用いる無機塩の例としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属のハロゲン塩;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;塩化アンモニウム、臭化アンモニウム等のアンモニウムイオンのハロゲン塩;水酸化アンモニウム(アンモニア水)等のアンモニウムイオンの水酸化物;等が挙げられる。
また、有機陽イオンの塩の例としては、例えばジエタノールアミン塩酸塩、トリエタノールアミン塩酸塩等の4級アンモニウムイオンのハロゲン塩等が挙げられる。
<水溶液>
本発明は、上記一般式(1)で表される化合物若しくはその互変異性体又はその塩を少なくとも1種含有する水溶液にも関する。
上記水溶液は、(i)防腐剤と、(ii)一般式(1)で表されるアゾ化合物若しくはその互変異性体又はその塩を少なくとも1種含有し、(ii)の含有率が1質量%〜25質量%であることが好ましい。
上記水溶液は、更に、(iii)pH調整剤を含有することが好ましい。
本発明の水溶液において、主たる溶媒は水であり、好ましくは全溶媒中の水の含有量が50質量%〜100質量%であり、より好ましくは全溶媒中の水の含有量が60質量%〜100質量%である。また、本発明の水溶液は、水以外に、水混和性有機溶剤、及び親油性媒体を含んでいてもよい。本発明の水溶液においては、一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩は、溶媒中に溶解又は分散しており、好ましくは溶解している。
本発明の水溶液において、一般式(1)で表されるアゾ化合物又はその塩の含有量は、水溶液の全質量に対して、1質量%〜30質量%であり、好ましくは1質量%〜25質量%であリ、より好ましくは2質量%〜20質量%である。アゾ化合物及びその塩の含有量を上記の範囲とすることで水溶液の貯蔵安定性が良好でありかつインクジェット用水溶性インクの調液が容易という効果がある。
本発明の水溶液は25℃でのpHが7.0〜9.0であることが好ましく、7.5〜8.5であることがより好ましい。pHを上記の範囲とすることで水溶液中のアゾ化合物及びその塩の高い溶液安定性を付与できることとインクジェット用水溶性インクの調液が容易という効果がある。
本発明は、上記一般式(1)で表される化合物若しくはその互変異性体又はその塩を少なくとも1種含有する水溶液にも関する。
上記水溶液は、(i)防腐剤と、(ii)一般式(1)で表されるアゾ化合物若しくはその互変異性体又はその塩を少なくとも1種含有し、(ii)の含有率が1質量%〜25質量%であることが好ましい。
上記水溶液は、更に、(iii)pH調整剤を含有することが好ましい。
本発明の水溶液において、主たる溶媒は水であり、好ましくは全溶媒中の水の含有量が50質量%〜100質量%であり、より好ましくは全溶媒中の水の含有量が60質量%〜100質量%である。また、本発明の水溶液は、水以外に、水混和性有機溶剤、及び親油性媒体を含んでいてもよい。本発明の水溶液においては、一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩は、溶媒中に溶解又は分散しており、好ましくは溶解している。
本発明の水溶液において、一般式(1)で表されるアゾ化合物又はその塩の含有量は、水溶液の全質量に対して、1質量%〜30質量%であり、好ましくは1質量%〜25質量%であリ、より好ましくは2質量%〜20質量%である。アゾ化合物及びその塩の含有量を上記の範囲とすることで水溶液の貯蔵安定性が良好でありかつインクジェット用水溶性インクの調液が容易という効果がある。
本発明の水溶液は25℃でのpHが7.0〜9.0であることが好ましく、7.5〜8.5であることがより好ましい。pHを上記の範囲とすることで水溶液中のアゾ化合物及びその塩の高い溶液安定性を付与できることとインクジェット用水溶性インクの調液が容易という効果がある。
本発明の水溶液は、一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩が水溶性である場合には、水性媒体に溶解して調製することが好ましく、一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩が油溶性である場合には、水性媒体及び親油性媒体に溶解及び/又は分散させて調製することが好ましい。水性媒体とは、水を主体に含む溶媒であり、所望により水混和性有機溶剤等の有機溶媒が含まれる。この有機溶媒は、粘度低下剤としての機能を有していてもよい。親油性媒体とは、有機溶媒を主体とするものである。水混和性有機溶剤及び親油性媒体については後述する。
<防腐剤>
水溶液は、腐敗による不溶解物の生成が問題となることがある。これを防止するために、本発明の水溶液には防腐剤を添加する。
本発明に使用可能な防腐剤としては、種々のものが使用可能である。
防腐剤としては、重金属イオンを含有する無機物系の防腐剤(銀イオン含有物など)や塩類をまず挙げることができる。有機系の防腐剤としては、第4級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等)、フェノール誘導体(フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、キシレノール、ビスフェノール等)、フェノキシエーテル誘導体(フェノキシエタノール等)、ヘテロ環化合物(ベンゾトリアゾール、プロキセル)、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等)、酸アミド類、カルバミン酸、カルバメート類、アミジン・グアニジン類、ピリジン類(ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド等)、ジアジン類、トリアジン類、ピロール類、イミダゾール類、オキサゾール・オキサジン類、チアゾール類チアジアジン類、チオ尿素類、チオセミカルバジド類、ジチオカルバメート類、スルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、スルファミド類、抗生物質類(ペニシリン、テトラサイクリン等)、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、及びその塩など種々のものが使用可能である。また、防腐剤としては防菌防微ハンドブック(技報堂:1986)、防菌防黴剤事典(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載のものも使用し得る。
防腐剤としてはフェノール誘導体、ヘテロ環化合物が好ましく、ヘテロ環化合物がより好ましく、ヘテロ環化合物(プロキセルXL−II:商品名、富士フイルムイメージングカラーランツ社製、プロキセルGXL(S):商品名、富士フイルムイメージングカラーランツ社製)が更に好ましい。
防腐剤は単独で添加することも、2種以上を組み合わせ水溶液に添加することもできる。これらの防腐剤は油溶性の構造、水溶性の構造のものなど種々のものが使用可能であるが、好ましくは水溶性の防腐剤である。
中でも、少なくとも1種の防腐剤が、ヘテロ環化合物であることが好ましい。本発明では、防腐剤を2種以上併用して使用すると、本発明の効果が更に良好に発揮される。例えば、ヘテロ環化合物と抗生物質の組み合わせ、ヘテロ環化合物とフェノール誘導体との組み合わせ等が好ましく挙げられる。2種の防腐剤を組み合わせる場合の含有量比は、特に限定的ではないが、防腐剤A(ヘテロ環化合物)/防腐剤B(フェノール誘導体)=0.01〜100(質量比)の範囲が好ましい。
水溶液への防腐剤の添加量は広い範囲で使用可能であるが、好ましくは、0.001〜10質量%、より好ましくは、0.1〜5質量%である。防腐剤の含有量を上記の範囲とすることで水溶液中の菌の増殖を抑制するという効果がある。
水溶液は、腐敗による不溶解物の生成が問題となることがある。これを防止するために、本発明の水溶液には防腐剤を添加する。
本発明に使用可能な防腐剤としては、種々のものが使用可能である。
防腐剤としては、重金属イオンを含有する無機物系の防腐剤(銀イオン含有物など)や塩類をまず挙げることができる。有機系の防腐剤としては、第4級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等)、フェノール誘導体(フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、キシレノール、ビスフェノール等)、フェノキシエーテル誘導体(フェノキシエタノール等)、ヘテロ環化合物(ベンゾトリアゾール、プロキセル)、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等)、酸アミド類、カルバミン酸、カルバメート類、アミジン・グアニジン類、ピリジン類(ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド等)、ジアジン類、トリアジン類、ピロール類、イミダゾール類、オキサゾール・オキサジン類、チアゾール類チアジアジン類、チオ尿素類、チオセミカルバジド類、ジチオカルバメート類、スルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、スルファミド類、抗生物質類(ペニシリン、テトラサイクリン等)、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、及びその塩など種々のものが使用可能である。また、防腐剤としては防菌防微ハンドブック(技報堂:1986)、防菌防黴剤事典(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載のものも使用し得る。
防腐剤としてはフェノール誘導体、ヘテロ環化合物が好ましく、ヘテロ環化合物がより好ましく、ヘテロ環化合物(プロキセルXL−II:商品名、富士フイルムイメージングカラーランツ社製、プロキセルGXL(S):商品名、富士フイルムイメージングカラーランツ社製)が更に好ましい。
防腐剤は単独で添加することも、2種以上を組み合わせ水溶液に添加することもできる。これらの防腐剤は油溶性の構造、水溶性の構造のものなど種々のものが使用可能であるが、好ましくは水溶性の防腐剤である。
中でも、少なくとも1種の防腐剤が、ヘテロ環化合物であることが好ましい。本発明では、防腐剤を2種以上併用して使用すると、本発明の効果が更に良好に発揮される。例えば、ヘテロ環化合物と抗生物質の組み合わせ、ヘテロ環化合物とフェノール誘導体との組み合わせ等が好ましく挙げられる。2種の防腐剤を組み合わせる場合の含有量比は、特に限定的ではないが、防腐剤A(ヘテロ環化合物)/防腐剤B(フェノール誘導体)=0.01〜100(質量比)の範囲が好ましい。
水溶液への防腐剤の添加量は広い範囲で使用可能であるが、好ましくは、0.001〜10質量%、より好ましくは、0.1〜5質量%である。防腐剤の含有量を上記の範囲とすることで水溶液中の菌の増殖を抑制するという効果がある。
また、本発明の水溶液には、前記一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩とともに他の染料を併用して、より好ましい色相に調整してもよい。併用する染料としては、任意の染料(例えば、イエロー染料、マゼンタ染料、シアン染料など)が用いられ得る。
〔着色組成物〕
本発明の着色組成物は、上記一般式(1)で表される色素を含有する。
本発明の着色組成物は、上記一般式(1)で表される色素を含有する。
一般式(1)で表される色素の着色組成物中での含有量は、0.2〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、1.0〜8.0質量%が特に好ましい。
本発明の着色組成物は、全染料を好ましくは、0.2〜20質量%含有し、より好ましくは、0.5〜10質量%含有し、特に好ましくは1.0〜8.0質量%含有する。
本発明の着色組成物は、全染料を好ましくは、0.2〜20質量%含有し、より好ましくは、0.5〜10質量%含有し、特に好ましくは1.0〜8.0質量%含有する。
本発明の着色組成物はpH調整剤により、25℃での着色組成物のpHが7.0〜10.0に調整されていることが好ましく、pHが7.5〜9.5に調整されていることがより好ましい。pHが7.0以上である場合は染料の溶解性が向上してノズルの詰まりを防止できる。また、pHが10.0以下であればインクの長期貯蔵安定性に優れる傾向がある。
着色組成物に用いられるpH調整剤としては、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが好ましく、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウムがより好ましい。
本発明の着色組成物の用途は、特に制限されるべきものではなく、インクジェットなどの印刷用のインク組成物、感熱記録材料におけるインクシート、電子写真用のカラートナー、LCD、PDPなどのディスプレイやCCDなどの撮像素子で用いられるカラーフィルター、各種繊維の染色のための染色液などの調製に好ましく用いることができるが、特にインクジェット記録用インク組成物が好ましい。
着色組成物の製造方法は、上記水溶液を用いることができる。
着色組成物は、ブラックインクが好適であるが、ブラックインクに制限されるべきものではなく、他の染料あるいは顔料との混合により任意の色のインクを包含することができる。
着色組成物の製造方法は、少なくとも水溶液を用いて上記粘度範囲の所望のインク組成物を作製する工程(以下、調液工程ともいう)を含む。
調液工程とは、上記のようにして得られた水溶液を特定の粘度を有し、かつ所望の用途のインク組成物に調液する工程であり、最終製品であってもよいし、中間製品であってもよい。この調液工程には水溶液を媒体、好ましくは水性媒体で希釈する工程が少なくとも含まれる。油溶性染料を含む水溶液は、この希釈工程で使用する媒体に特に制限はないが、水性媒体中に乳化分散され、水性インク組成物として調製されることが好ましい。当該媒体には、必要な濃度の各種成分が含まれていてもよいし、当該成分を別途水溶液に添加するようにしてもよいし、それら両者を組みあわせてもよい。
本発明により製造された着色組成物は、染料濃度が高濃度な水溶液を用いて製造されたために通常の方法で製造された着色組成物よりも染料の溶解性が向上し、ひいては吐出安定性が向上する。
着色組成物に用いられるpH調整剤としては、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが好ましく、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウムがより好ましい。
本発明の着色組成物の用途は、特に制限されるべきものではなく、インクジェットなどの印刷用のインク組成物、感熱記録材料におけるインクシート、電子写真用のカラートナー、LCD、PDPなどのディスプレイやCCDなどの撮像素子で用いられるカラーフィルター、各種繊維の染色のための染色液などの調製に好ましく用いることができるが、特にインクジェット記録用インク組成物が好ましい。
着色組成物の製造方法は、上記水溶液を用いることができる。
着色組成物は、ブラックインクが好適であるが、ブラックインクに制限されるべきものではなく、他の染料あるいは顔料との混合により任意の色のインクを包含することができる。
着色組成物の製造方法は、少なくとも水溶液を用いて上記粘度範囲の所望のインク組成物を作製する工程(以下、調液工程ともいう)を含む。
調液工程とは、上記のようにして得られた水溶液を特定の粘度を有し、かつ所望の用途のインク組成物に調液する工程であり、最終製品であってもよいし、中間製品であってもよい。この調液工程には水溶液を媒体、好ましくは水性媒体で希釈する工程が少なくとも含まれる。油溶性染料を含む水溶液は、この希釈工程で使用する媒体に特に制限はないが、水性媒体中に乳化分散され、水性インク組成物として調製されることが好ましい。当該媒体には、必要な濃度の各種成分が含まれていてもよいし、当該成分を別途水溶液に添加するようにしてもよいし、それら両者を組みあわせてもよい。
本発明により製造された着色組成物は、染料濃度が高濃度な水溶液を用いて製造されたために通常の方法で製造された着色組成物よりも染料の溶解性が向上し、ひいては吐出安定性が向上する。
水溶液を作製する際には、濾過により固形分であるゴミを除く工程(濾過工程)を加えることが好ましい。この作業には濾過フィルターを使用するが、このときの濾過フィルターとは、有効径が1μm以下、好ましくは0.3μm以下のフィルターを用いる。フィルターの材質としては種々のものが使用できるが、特に水溶性染料の水溶液の場合には、水系の溶媒用に作製されたフィルターを用いるのが好ましい。中でも特にゴミの出にくい、ポリマー材料で作製されたジャケット型のフィルターを用いるのが好ましい。濾過法としては送液によりジャケットを通過させてもよいし、加圧濾過、減圧濾過のいずれの方法も利用可能である。
本発明では、粘度低下剤を用いていてもよく、上記濾過処理を抵抗なく行うことができる。
本発明では、粘度低下剤を用いていてもよく、上記濾過処理を抵抗なく行うことができる。
水溶液を作製する工程や調液工程において、染料やその他の成分を溶解する方法としては、攪拌による溶解、超音波照射による溶解、振とうによる溶解等種々の方法が使用可能である。中でも特に攪拌法が好ましく使用される。攪拌を行う場合、当該分野では公知の流動攪拌や反転アジターやディゾルバを利用した剪断力を利用した攪拌など、種々の方式が利用可能である。一方では、磁気攪拌子のように、容器底面との剪断力を利用した攪拌法も好ましく利用できる。
次に、本発明の水溶液及び着色組成物に用いられる染料について説明する。この染料としては、特に制限はないが、λmaxが500nmから700nmにあり、かつ吸光度1.0に規格化した希薄溶液の吸収スペクトルにおける半値幅(Wλ,1/2)が100nm以上、好ましくは120nm以上500nm以下、更に好ましくは120nm以上350nm以下である一般式(1)で表されるアゾ化合物を少なくとも1種含むことが好ましい。
この一般式(1)で表される色素単独で、画像品質の高い「(しまりのよい)黒」=観察光源によらず、かつB,G,Rのいずれかの色調が強調されにくい黒を実現できる場合は、この染料を単独で水溶液又はインク組成物の原料として使用することも可能であるが、通常、インク組成物としてはこの染料の吸収が低い領域をカバーする染料と併用するのが一般的である。通常、一般式(1)で表されるアゾ化合物を用いるインク組成物の場合は、イエロー領域に主吸収(λmaxが350nmから500nm)を有する他の染料と併用するのが好ましい。また、更に他の染料と併用してインク組成物を作製することも可能である。
他の染料は、水溶液に用いることができるが、好ましくはインク組成物の調製のときに混合して用いることが保存安定性の観点から好ましい。
他の染料は、水溶液に用いることができるが、好ましくはインク組成物の調製のときに混合して用いることが保存安定性の観点から好ましい。
本発明のインク組成物は、インクジェット記録以外の用途に使用することもできる。例えば、ディスプレイ画像用材料、室内装飾材料の画像形成材料及び屋外装飾材料の画像形成材料などに使用が可能である。
ディスプレイ画像用材料としては、ポスター、壁紙、装飾小物(置物や人形など)、商業宣伝用チラシ、包装紙、ラッピング材料、紙袋、ビニール袋、パッケージ材料、看板、交通機関(自動車、バス、電車など)の側面に描画や添付した画像、ロゴ入りの洋服、等各種の物を指す。本発明の染料をディスプレイ画像の形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像の他、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
室内装飾材料としては、壁紙、装飾小物(置物や人形など)、照明器具の部材、家具の部材、床や天井のデザイン部材等各種の物を指す。本発明の染料を画像形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像の他、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
屋外装飾材料としては、壁材、ルーフィング材、看板、ガーデニング材料屋外装飾小物(置物や人形など)、屋外照明器具の部材等各種の物を指す。本発明の染料を画像形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像のみならず、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
以上のような用途において、パターンが形成されるメディアとしては、紙、繊維、布(不織布も含む)、プラスチック、金属、セラミックス等種々の物を挙げることができる。染色形態としては、媒染、捺染、若しくは反応性基を導入した反応性染料の形で色素を固定化することもできる。この中で、好ましくは媒染形態で染色されることが好ましい。
本発明の着色組成物は、必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有しうる。その他の添加剤としては、後述のインクジェット記録用インクに使用しうる添加剤が挙げられる。
[インクジェット記録用インク]
次に本発明のインクジェット記録用インクについて説明する。
本発明のインクジェット記録用インクは、本発明の着色組成物を含有する。
インクジェット記録用インクは、親油性媒体や水性媒体中に前記一般式(1)で表される化合物を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いたインクである。
必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
次に本発明のインクジェット記録用インクについて説明する。
本発明のインクジェット記録用インクは、本発明の着色組成物を含有する。
インクジェット記録用インクは、親油性媒体や水性媒体中に前記一般式(1)で表される化合物を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いたインクである。
必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
本発明のインクジェット記録用インク100質量部中、前記一般式(1)で表される色素を0.2質量部以上10質量部以下含有するのが好ましく、0.5質量部以上6質量部以下含有するのがより好ましい。また、本発明のインクジェット記録用インクには、前記一般式(1)で表される色素とともに、他の色素を併用してもよい。2種類以上の色素を併用する場合は、色素の含有量の合計が前記範囲となっているのが好ましい。
本発明のインクジェット記録用インクは、粘度が30mPa・s以下であるのが好ましい。また、その表面張力は25mN/m以上70mN/m以下であるのが好ましい。粘度及び表面張力は、種々の添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、防黴剤、防錆剤、分散剤及び界面活性剤を添加することによって、調整できる。
本発明のインクジェット記録用インクは、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。
本発明のインク組成物は、印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピングなどの記録方法に使用でき、特にインクジェット記録方法における使用に適する。
[インクジェット記録方法]
本発明は、本発明の着色組成物又はインクジェット記録用インクを用いて、画像形成するインクジェット記録方法にも関する。
本発明は、本発明の着色組成物又はインクジェット記録用インクを用いて、画像形成するインクジェット記録方法にも関する。
[インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物]
本発明のインクジェット記録用インクカートリッジは、上記した本発明のインクジェット記録用インクを充填したものである。また、本発明のインクジェット記録物は、上記した本発明のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したものである。
本発明のインクジェット記録用インクカートリッジは、上記した本発明のインクジェット記録用インクを充填したものである。また、本発明のインクジェット記録物は、上記した本発明のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したものである。
以下に、本発明のインクを用いてインクジェットプリントをするのに用いられる記録紙及び記録フィルムについて説明する。
記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。
記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バックコート層を含む)には、ポリマーラテックスを添加してもよい。ポリマーラテックスは、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマーラテックスについては、特開昭62−245258号、同62−136648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマーラテックスを媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマーラテックスをバックコート層に添加しても、カールを防止することができる。
本発明のインクは、インクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、機器、操作等は本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特に断りのない限り「%」及び「部」は、「質量%」及び「質量部」を表し、分子量とは質量平均分子量のことを示す。
〔化合物1−1の合成〕
国際公開第2012/081640号記載の[実施例1]の(工程1)〜(工程6)により得られた化合物(1)−2を1部、水20部に溶解し、濃塩酸0.6部を添加し、氷冷して5℃にした後、亜硝酸ナトリウム0.08部を水1部に溶解した溶液を添加し、15℃に昇温して同温度にて30分攪拌した。ここに尿素0.05部を添加して5分間撹拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。
別に化合物(1)−3を0.5部、水20部に溶解し、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加してpHを7.8に調整し、ここに上述のジアゾニウム塩溶液を室温にて添加した。その際、pH7.5〜8.5になるように10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。同温度にて、2時間撹拌し、メタノール200部を15分間かけて添加し、析出している固体を濾過分離した。得られた固体を水50部で溶解し、2−プロパノール100部を滴下し、析出している固体を濾過分離し、乾燥することにより本発明の化合物1−1を0.6部、ナトリウム塩として得た。
国際公開第2012/081640号記載の[実施例1]の(工程1)〜(工程6)により得られた化合物(1)−2を1部、水20部に溶解し、濃塩酸0.6部を添加し、氷冷して5℃にした後、亜硝酸ナトリウム0.08部を水1部に溶解した溶液を添加し、15℃に昇温して同温度にて30分攪拌した。ここに尿素0.05部を添加して5分間撹拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。
別に化合物(1)−3を0.5部、水20部に溶解し、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加してpHを7.8に調整し、ここに上述のジアゾニウム塩溶液を室温にて添加した。その際、pH7.5〜8.5になるように10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。同温度にて、2時間撹拌し、メタノール200部を15分間かけて添加し、析出している固体を濾過分離した。得られた固体を水50部で溶解し、2−プロパノール100部を滴下し、析出している固体を濾過分離し、乾燥することにより本発明の化合物1−1を0.6部、ナトリウム塩として得た。
1H NMR(400MHz in DMSO−d6;δppm;J Hz)2.01(4H,tt),2.20(6H,s),2.20(2H,tt),2.26(3H,s),2.58(2H,t),2.63(4H,t),2.66(3H,s),3.18−3.35(6H,m),4.11(2H,t),7.12(4H,dd),7.38(1H,d),7.64(4H,dd),7.74(2H,s),7.81(1H,s),8.07(1H,dd),8.50(1H,d),8.52(1H,s),8.56(1H,s),8.66(1H,s),10.19(1H,s),10.32(1H,s)
〔化合物1−14の合成〕
上記化合物(1)−2を1部、水20部に溶解し、濃塩酸0.6部を添加し、氷冷して5℃にした後、亜硝酸ナトリウム0.08部を水1部に溶解した溶液を添加し、15℃に昇温して同温度にて30分攪拌した。ここに尿素0.05部を添加して5分間撹拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。
別に化合物(1)−4を0.3部、水20部に溶解し、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加してpHを8.0に調整し、ここに上述のジアゾニウム塩溶液を室温にて添加した。その際、pH7.5〜8.5になるように10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。同温度にて、2時間撹拌し、メタノール200部を15分間かけて添加し、析出している固体を濾過分離した。得られた固体を水50部で溶解し、2−プロパノール100部を滴下し、析出している固体を濾過分離した。この操作を2回繰り返し行った後、乾燥することにより本発明の化合物1−14を0.2部、ナトリウム塩として得た。
上記化合物(1)−2を1部、水20部に溶解し、濃塩酸0.6部を添加し、氷冷して5℃にした後、亜硝酸ナトリウム0.08部を水1部に溶解した溶液を添加し、15℃に昇温して同温度にて30分攪拌した。ここに尿素0.05部を添加して5分間撹拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。
別に化合物(1)−4を0.3部、水20部に溶解し、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加してpHを8.0に調整し、ここに上述のジアゾニウム塩溶液を室温にて添加した。その際、pH7.5〜8.5になるように10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。同温度にて、2時間撹拌し、メタノール200部を15分間かけて添加し、析出している固体を濾過分離した。得られた固体を水50部で溶解し、2−プロパノール100部を滴下し、析出している固体を濾過分離した。この操作を2回繰り返し行った後、乾燥することにより本発明の化合物1−14を0.2部、ナトリウム塩として得た。
1H NMR(400MHz in DMSO−d6;δppm;J Hz)2.03(4H,tt),2.21(6H,s),2.20(4H,tt),2.60(2H,t),2.67(6H,s),,3.18−3.35(6H,m),4.11(2H,t),7.14(1H,s),7.44(1H,s),7.60(1H,d),7.63(1H,s),7.65(1H,s),7.74(2H,d),7.82(1H,s),8.04(2H,d),8.07(1H,d),8.50(1H,s),8.51(1H,s),8.58(1H,s),8.67(1H,s),10.18(1H,s),10.30(1H,s)
〔化合物2−2〕
国際公開第2012/081640号記載の方法で得た化合物(2)−1を1部、水15部に溶解し、濃塩酸0.5部を添加し、氷冷して5℃にした後、亜硝酸ナトリウム0.09部を水1部に溶解した溶液を添加し、15℃に昇温して同温度にて30分攪拌した。ここに尿素0.05部を添加して5分間撹拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。
別に化合物(1)−3を0.6部、水20部に溶解し、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加してpHを7.5に調整し、ここに上述のジアゾニウム塩溶液を室温にて添加した。その際、pH7.5〜8.5になるように10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。同温度にて、2時間撹拌し、2−プロパノール150部を15分間かけて添加し、析出している固体を濾過分離した。得られた固体を乾燥することにより本発明の化合物2−2を0.8部、ナトリウム塩として得た。
国際公開第2012/081640号記載の方法で得た化合物(2)−1を1部、水15部に溶解し、濃塩酸0.5部を添加し、氷冷して5℃にした後、亜硝酸ナトリウム0.09部を水1部に溶解した溶液を添加し、15℃に昇温して同温度にて30分攪拌した。ここに尿素0.05部を添加して5分間撹拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。
別に化合物(1)−3を0.6部、水20部に溶解し、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加してpHを7.5に調整し、ここに上述のジアゾニウム塩溶液を室温にて添加した。その際、pH7.5〜8.5になるように10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。同温度にて、2時間撹拌し、2−プロパノール150部を15分間かけて添加し、析出している固体を濾過分離した。得られた固体を乾燥することにより本発明の化合物2−2を0.8部、ナトリウム塩として得た。
1H NMR(400MHz in DMSO−d6;δppm;J Hz)2.04(4H,tt),2.21(6H,s),2.50−2.72(4H,m),2.63(3H,s),3.16−3.30(4H,m),6.97(1H,d),7.41(2H,d),7.44(1H,s),7.45(1H,d),7.54(2H,d),7.62(1H,d),7.73(1H,d),7.74(1H,s),7.92(1H,d),8.04(1H,d),8.49(1H,s),8.85(1H,s),10.16(1H,s),10.66(1H,s)
〔比較例1〜3〕
下記化合物を国際公開第2012/081640号に記載の方法で合成した。
下記化合物を国際公開第2012/081640号に記載の方法で合成した。
下記化合物を特表2013−504647号公報に記載の方法で合成した。
下記化合物を特開2009−84346号公報に記載の方法で合成した。
下記化合物を国際公開第2011/086974号に記載の方法で合成した。
〔インク組成物の調製〕
化合物1−1を1g、超純水9gに溶解し、10%水溶液を得た後、超純水を5.0g、グリセリンを1.6g、トリエチレングリコールを0.2g、プロピレングリコールを0.1g、1,2−ヘキサンジオールを0.4g、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを1.6g、オルフィンE1010(日信化学株式会社製)を0.3g、2−ピロリドンを0.8g、炭酸水素リチウムを0.02g加え、常温において30分間攪拌した後、4mol/L水酸化リチウム水溶液を用いて、pHを8.2に調整し、得られた溶液を目開き有効径1.0μmのメンブランフィルターを用いて濾過することにより、インク組成物A1−1を得た。
化合物1−1を化合物1−2〜1−8、1−10〜1−19、1−21、1−23、1−41〜1−53、2−1〜2−8、2−10、2−11、2−13、2−14、2−18にそれぞれ置き換える以外はインク組成物A1−1の調製と同様にしてインク組成物A1−2〜A1−8、A1−10〜A1−19、A1−21、A1−23、A1−41〜A1−53、A2−1〜A2−8、A2−10、A2−11、A2−13、A2−14、A2−18を得た。
また、化合物1−1を比較化合物1、2、4〜6にそれぞれ置き換える以外はインク組成物A1−1の調製と同様にして、インク組成物B1、B2、B4〜B6を得た。
化合物1−1を比較化合物3に置き換える以外はインク組成物A1−1の調製と同様にしてインク組成物を調製しようとしたが、10%水溶液を調製することができなかった。
化合物1−1を1g、超純水9gに溶解し、10%水溶液を得た後、超純水を5.0g、グリセリンを1.6g、トリエチレングリコールを0.2g、プロピレングリコールを0.1g、1,2−ヘキサンジオールを0.4g、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを1.6g、オルフィンE1010(日信化学株式会社製)を0.3g、2−ピロリドンを0.8g、炭酸水素リチウムを0.02g加え、常温において30分間攪拌した後、4mol/L水酸化リチウム水溶液を用いて、pHを8.2に調整し、得られた溶液を目開き有効径1.0μmのメンブランフィルターを用いて濾過することにより、インク組成物A1−1を得た。
化合物1−1を化合物1−2〜1−8、1−10〜1−19、1−21、1−23、1−41〜1−53、2−1〜2−8、2−10、2−11、2−13、2−14、2−18にそれぞれ置き換える以外はインク組成物A1−1の調製と同様にしてインク組成物A1−2〜A1−8、A1−10〜A1−19、A1−21、A1−23、A1−41〜A1−53、A2−1〜A2−8、A2−10、A2−11、A2−13、A2−14、A2−18を得た。
また、化合物1−1を比較化合物1、2、4〜6にそれぞれ置き換える以外はインク組成物A1−1の調製と同様にして、インク組成物B1、B2、B4〜B6を得た。
化合物1−1を比較化合物3に置き換える以外はインク組成物A1−1の調製と同様にしてインク組成物を調製しようとしたが、10%水溶液を調製することができなかった。
〔色相の評価〕
インクジェットプリンタ Stylus Color 880(商標)(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を使用し、インク組成物A1−1〜A1−8、A1−10〜A1−19、A1−21、A1−23、A1−41〜A1−53、A2−1〜A2−8、A2−10、A2−11、A2−13、A2−14、A2−18、比較用インク組成物B1、B2、B4〜B6をそれぞれインクジェットプリンタカートリッジに充填して、インクジェット専用記録媒体(専用紙A:写真用紙クリスピア<高光沢>(商品名、セイコーエプソン株式会社製)、専用紙B:キヤノン写真用紙・光沢 プロ[プラチナグレード](商品名、キヤノン株式会社製)、又は専用紙C:画彩 写真仕上げPro(商品名、富士フイルム株式会社製))に、OD(Optical Density)が、0.9〜1.1の範囲に入るように印刷 Duty を調整して印刷を行って印刷物を得た。
目視にて、全ての印刷物が黒色として引き締まっているものをA、いずれかの印刷物が黒色として引き締まっていないものをB、全ての印刷物が黒色として引き締まっていないものをC、として評価した。
インクジェットプリンタ Stylus Color 880(商標)(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を使用し、インク組成物A1−1〜A1−8、A1−10〜A1−19、A1−21、A1−23、A1−41〜A1−53、A2−1〜A2−8、A2−10、A2−11、A2−13、A2−14、A2−18、比較用インク組成物B1、B2、B4〜B6をそれぞれインクジェットプリンタカートリッジに充填して、インクジェット専用記録媒体(専用紙A:写真用紙クリスピア<高光沢>(商品名、セイコーエプソン株式会社製)、専用紙B:キヤノン写真用紙・光沢 プロ[プラチナグレード](商品名、キヤノン株式会社製)、又は専用紙C:画彩 写真仕上げPro(商品名、富士フイルム株式会社製))に、OD(Optical Density)が、0.9〜1.1の範囲に入るように印刷 Duty を調整して印刷を行って印刷物を得た。
目視にて、全ての印刷物が黒色として引き締まっているものをA、いずれかの印刷物が黒色として引き締まっていないものをB、全ての印刷物が黒色として引き締まっていないものをC、として評価した。
〔溶液安定性の評価〕
上記で得られた化合物に水、B.R. Buffer(Britton-Robinson buffer)を加え、pHを9.5、2.4mmol/Lになるように調整した。得られた水溶液を60℃で1週間静置し、高速液体クロマトグラフィーにて残存率を測定し、下記判断基準により評価した。
[判定基準]
評価A:純度が80%以上
評価B:純度が70%以上80%未満
評価C:純度が55%以上70%未満
評価D:純度が55%未満
上記で得られた化合物に水、B.R. Buffer(Britton-Robinson buffer)を加え、pHを9.5、2.4mmol/Lになるように調整した。得られた水溶液を60℃で1週間静置し、高速液体クロマトグラフィーにて残存率を測定し、下記判断基準により評価した。
[判定基準]
評価A:純度が80%以上
評価B:純度が70%以上80%未満
評価C:純度が55%以上70%未満
評価D:純度が55%未満
〔耐オゾン性の評価〕
色相評価にて用いた専用紙B:キヤノン写真用紙・光沢 プロ[プラチナグレード](商品名、キヤノン株式会社製)の印刷物を、オゾンウエザーメーターOMS−H型(商品名、(株)スガ試験機製)を用い、24℃、相対湿度60%RH、オゾン濃度10ppmの条件下にて、印刷物を24時間曝露した。
曝露後、それぞれの印刷物のODを、反射濃度計(「Spectrolino」(商品名) Gretag社製)を用いて測定し、次式により光学濃度残存率(ROD)を求め、下記判定基準により、評価した。
ROD(%)=(D/D0)×100
D:曝露試験後のOD
D0:曝露試験前のOD
(但し、測定条件は、Filter:Red,光源:D50,視野角:2度)
[判定基準]
評価A:RODが85%以上
評価B:RODが70%以上85%未満
評価C:RODが55%以上70%未満
評価D:RODが55%未満
色相評価にて用いた専用紙B:キヤノン写真用紙・光沢 プロ[プラチナグレード](商品名、キヤノン株式会社製)の印刷物を、オゾンウエザーメーターOMS−H型(商品名、(株)スガ試験機製)を用い、24℃、相対湿度60%RH、オゾン濃度10ppmの条件下にて、印刷物を24時間曝露した。
曝露後、それぞれの印刷物のODを、反射濃度計(「Spectrolino」(商品名) Gretag社製)を用いて測定し、次式により光学濃度残存率(ROD)を求め、下記判定基準により、評価した。
ROD(%)=(D/D0)×100
D:曝露試験後のOD
D0:曝露試験前のOD
(但し、測定条件は、Filter:Red,光源:D50,視野角:2度)
[判定基準]
評価A:RODが85%以上
評価B:RODが70%以上85%未満
評価C:RODが55%以上70%未満
評価D:RODが55%未満
〔観察光源依存性の評価〕
(補色染料インク原液の調製)
下記補色染料1 100gと化合物1−1 100gを超純水900gに室温で撹拌しながら溶解後、防腐剤(プロキセルXL−II:フジフイルムイメージングカララント社製)を固形分として0.1g添加した。4mol/L水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pHを8.2に調整し、引き続き、有効径0.2μmのメンブランフィルターを用いて不要物のろ過を行い、補色染料原液−1を得た。同様にして下記補色染料2〜4を用いて、補色染料原液−2〜4を得た。
(補色染料インク原液の調製)
下記補色染料1 100gと化合物1−1 100gを超純水900gに室温で撹拌しながら溶解後、防腐剤(プロキセルXL−II:フジフイルムイメージングカララント社製)を固形分として0.1g添加した。4mol/L水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pHを8.2に調整し、引き続き、有効径0.2μmのメンブランフィルターを用いて不要物のろ過を行い、補色染料原液−1を得た。同様にして下記補色染料2〜4を用いて、補色染料原液−2〜4を得た。
(インク原液の調製)
化合物1−1 100gを超純水900gに室温で撹拌しながら溶解後、防腐剤(プロキセルXL−II:フジフイルムイメージングカララント社製)を固形分として0.1gを添加した。4mol/L水酸化リチウム水溶液を用いて、pHを8.2に調整し、引き続き、有効径0.2μmのメンブランフィルターを用いて不要物のろ過を行い、インク原液1−1を得た。
化合物1−1を化合物1−2〜1−8、1−10〜1−19、1−21、1−23、1−41〜1−53、2−1〜2−8、2−10、2−11、2−13、2−14、2−18にそれぞれ置き換える以外はインク原液1−1の調製と同様にしてインク原液1−2〜1−8、1−10〜1−19、1−21、1−23、2−1〜2−8、2−10、2−11、2−13、2−14、2−18を得た。
また、化合物1−1を比較化合物1、2、4〜6にそれぞれ置き換える以外はインク原液1−1の調製と同様にして、比較用インク原液1、2、4〜6を得た。
化合物1−1を比較化合物3に置き換える以外はインク原液1−1の調製と同様にしてインク原液を調製しようとしたが、調製することができなかった。
(インク組成物の調製)
インク原液1−1を7.0g、補色染料原液−1をXg、超純水を(8.0−X)g、グリセリンを1.6g、トリエチレングリコールを0.2g、プロピレングリコールを0.1g、1,2−ヘキサンジオールを0.4g、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを1.6g、オルフィンE1010(日信化学株式会社製)を0.3g、2−ピロリドンを0.8g、炭酸水素リチウムを0.02g加え、常温において30分間攪拌した後、4mol/L水酸化リチウム水溶液を用いて、pHを8.2に調整し、得られた溶液を目開き有効径1.0μmのメンブランフィルターを用いて濾過することにより、インク組成物101−1を得た。なおXは、印画物において570〜700nmの吸収の極大値と400〜570nmの吸収の極大値とが等しくなるようにXの値を調整した。同様にして、補色染料原液−2〜4を用いたインク組成物101−2〜4を得た。
また、インク原液1−1の代わりに、インク原液1−2〜1−8、1−10〜1−19、1−21、1−23、2−1〜2−8、2−10、2−11、2−13、2−14、2−18、比較用インク原液1、2、4〜6をそれぞれ用いる以外は同様に表3〜7に記載した各インク組成物を得た。
化合物1−1 100gを超純水900gに室温で撹拌しながら溶解後、防腐剤(プロキセルXL−II:フジフイルムイメージングカララント社製)を固形分として0.1gを添加した。4mol/L水酸化リチウム水溶液を用いて、pHを8.2に調整し、引き続き、有効径0.2μmのメンブランフィルターを用いて不要物のろ過を行い、インク原液1−1を得た。
化合物1−1を化合物1−2〜1−8、1−10〜1−19、1−21、1−23、1−41〜1−53、2−1〜2−8、2−10、2−11、2−13、2−14、2−18にそれぞれ置き換える以外はインク原液1−1の調製と同様にしてインク原液1−2〜1−8、1−10〜1−19、1−21、1−23、2−1〜2−8、2−10、2−11、2−13、2−14、2−18を得た。
また、化合物1−1を比較化合物1、2、4〜6にそれぞれ置き換える以外はインク原液1−1の調製と同様にして、比較用インク原液1、2、4〜6を得た。
化合物1−1を比較化合物3に置き換える以外はインク原液1−1の調製と同様にしてインク原液を調製しようとしたが、調製することができなかった。
(インク組成物の調製)
インク原液1−1を7.0g、補色染料原液−1をXg、超純水を(8.0−X)g、グリセリンを1.6g、トリエチレングリコールを0.2g、プロピレングリコールを0.1g、1,2−ヘキサンジオールを0.4g、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを1.6g、オルフィンE1010(日信化学株式会社製)を0.3g、2−ピロリドンを0.8g、炭酸水素リチウムを0.02g加え、常温において30分間攪拌した後、4mol/L水酸化リチウム水溶液を用いて、pHを8.2に調整し、得られた溶液を目開き有効径1.0μmのメンブランフィルターを用いて濾過することにより、インク組成物101−1を得た。なおXは、印画物において570〜700nmの吸収の極大値と400〜570nmの吸収の極大値とが等しくなるようにXの値を調整した。同様にして、補色染料原液−2〜4を用いたインク組成物101−2〜4を得た。
また、インク原液1−1の代わりに、インク原液1−2〜1−8、1−10〜1−19、1−21、1−23、2−1〜2−8、2−10、2−11、2−13、2−14、2−18、比較用インク原液1、2、4〜6をそれぞれ用いる以外は同様に表3〜7に記載した各インク組成物を得た。
インクジェットプリンタ Stylus Color 880(商標)(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を使用し、インク組成物101−1〜4をそれぞれ用いて、インクジェット専用記録媒体(写真用紙クリスピア<高光沢>(商品名、セイコーエプソン株式会社製))に、1平方インチ当たり1.5〜2.2mgの打ち込み量になるようにブラックのベタ印字を行い、印画物を得た。得られた印刷物の反射スペクトルを分光吸収測定器(島津製作所製、UV−2400)で測定した。反射スペクトルR(λ)は、380nm〜780nmを5nm刻みで測定したものを用いた。
観察光源は、以下の15光源を用いた。
D50、A、D65、F1、F2、F3、F4、F5、F6、F7、F8、F9、F10、F11、F12
これらの光源スペクトルP(λ)は、「Technical Report Colorimetry 3rd Edition (CIE 15:2004)」のTable T.1. およびTable T6. 1.記載のスペクトルを発光スペクトル用いた。
X,Y,Z表色形における等色関数(CIE 1986)の
観察光源は、以下の15光源を用いた。
D50、A、D65、F1、F2、F3、F4、F5、F6、F7、F8、F9、F10、F11、F12
これらの光源スペクトルP(λ)は、「Technical Report Colorimetry 3rd Edition (CIE 15:2004)」のTable T.1. およびTable T6. 1.記載のスペクトルを発光スペクトル用いた。
X,Y,Z表色形における等色関数(CIE 1986)の
は、「Technical Report Colorimetry 3rd Edition (CIE 15:2004)」のTable T.5.記載のものを用いた。
以下の式に従い、印画物の3刺激値X,Y,Zを算出した。
以下の式に従い、印画物の3刺激値X,Y,Zを算出した。
光源のホワイトポイントにおける3刺激値Xn,Yn,Znを以下で定義した。
以下の式に従い、それぞれの色素の反射スペクトルと光源に対するCIE LAB空間における測色値L*,a*,b*を算出した。
ただし、上記式で用いている関数fは以下で定義される。
色相1(L1*,a1*,b1*)と色相2(L2*,a2*,b2*)間の色差ΔEを以下のように定義し、標準光源D50に対するそれぞれの光源との間の色差を計算し、それら色差の最大値をΔEmaxとした。
(判定基準)
A:ΔEmax<3
B:3≦ΔEmax<5
C:5≦ΔEmax
A:ΔEmax<3
B:3≦ΔEmax<5
C:5≦ΔEmax
Claims (11)
- 下記一般式(1)で表されるアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩。
一般式(1)中、R1はヒドロキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、アルキルスルホニル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、又はスルファモイル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、及びアルキルスルホニル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
R1が複数存在する場合、複数のR1は同じでも異なっていてもよい。
n1は0〜2の整数を表す。
R2はスルホ基、リン酸基、又はカルボキシル基を表す。
R2が複数存在する場合、複数のR2は同じでも異なっていてもよい。
ただし、R2はアゾ基に対するオルト位には結合しない。
n2は1〜3の整数を表す。
R3はアルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、又はアルキル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、及びアルキル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
R3が複数存在する場合、複数のR3は同じでも異なっていてもよい。
ただし、n個の環Bには、それぞれR3として、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、及びアルキル基から選ばれる少なくとも1つが置換する。
n3は1又は2を表す。n個存在するn3はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
環Bは、ベンゼン環又はナフタレン環を表す。n個存在する環Bはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
nは2又は3を表す。
Gは下記一般式(a)〜(m)から選ばれる基を表す。
R6〜R17、R19〜R40はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はイオン性親水性基を表す。上記アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、及びヘテロ環基は更に置換基を有していてもよい。
R8とR9、R10とR11はそれぞれ結合して芳香環を形成してもよい。
R18は酸素原子又は硫黄原子を表す。
ただし、一般式(1)で表される化合物は、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種を1分子あたりに合計でn+1個以上有する。 - Gが一般式(d)、(f)、(g)、(i)、又は(m)である請求項1に記載のアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩。
- nが3である請求項1又は2に記載のアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩。
- 前記一般式(1)又は(1−1)が、下記一般式(2)で表される請求項1〜3のいずれか1項に記載のアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩。
一般式(2)中、R21はヒドロキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、アルキルスルホニル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、又はスルファモイル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、及びアルキルスルホニル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
R21が複数存在する場合、複数のR21は同じでも異なっていてもよい。
n21は0〜2の整数を表す。
R22はスルホ基、リン酸基、又はカルボキシル基を表す。
R22が複数存在する場合、複数のR22は同じでも異なっていてもよい。
ただし、R22はアゾ基に対するオルト位には結合しない。
n22は1〜3の整数を表す。
R23〜R28はそれぞれ独立に、水素原子、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、又はアルキル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、及びアルキル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
ただし、R24、R26、及びR28は、それぞれ独立に、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、又はアルキル基を表す。
G2は、前記一般式(a)〜(m)から選ばれる基を表す。
ただし、一般式(2)で表される化合物は、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種を1分子あたりに合計で4個以上有する。 - G又はG2が一般式(m)である請求項1〜4のいずれか1項に記載のアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩。
- 前記一般式(1)又は(2)が、下記一般式(3)で表される請求項1〜5のいずれか1項に記載のアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩。
一般式(3)中、R21はヒドロキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、アルキルスルホニル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、又はスルファモイル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、及びアルキルスルホニル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
R21が複数存在する場合、複数のR21は同じでも異なっていてもよい。
n21は0〜2の整数を表す。
R22はスルホ基、リン酸基、又はカルボキシル基を表す。
R22が複数存在する場合、複数のR22は同じでも異なっていてもよい。
ただし、R22はアゾ基に対するオルト位には結合しない。
n22は1〜3の整数を表す。
R23〜R28はそれぞれ独立に、水素原子、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、又はアルキル基を表し、上記アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、及びアルキル基は、ヒドロキシ基、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
ただし、R24、R26、及びR28は、それぞれ独立に、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、又はアルキル基を表す。
R31及びR32はそれぞれ独立に、アルキル基、カルボキシル基、スルホ基、又はハロゲン原子を表す。
R31及びR32は複数存在する場合はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
n31及びn32はそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。
ただし、一般式(3)で表される化合物は、スルホ基、リン酸基、及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種を1分子あたりに合計で4個以上有する。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載のアゾ化合物、若しくはその互変異性体、又はそれらの塩を含有する着色組成物。
- 請求項7に記載の着色組成物を含むインクジェット記録用インク。
- 請求項8に記載のインクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法。
- 請求項8に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェットプリンタカートリッジ。
- 請求項8に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したインクジェット記録物。
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