JP7073233B2 - アゾ化合物、インク組成物、記録方法及び着色体 - Google Patents
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Description
1)
下記式(1)で表されるアゾ化合物若しくはその互変異性体又はそれらの塩。
2)
上記式(1)が、下記式(2)で表される1)に記載のアゾ化合物若しくはその互変異性体又はそれらの塩。
3)
上記式(2)において、R1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子、(C1~C4)アルコキシ基又はスルホ基を表し、R3~R5はそれぞれ独立して、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基又はニトロ基を表し、R6は、スルホ(C1~C4)アルキルチオ基を表し、R7は、(C1~C4)アルキルカルボニルアミノ基を表し、R8は、スルホ(C1~C4)アルキルチオ基を表し、R9は、(C1~C4)アルキルカルボニルアミノ基を表す2)に記載のアゾ化合物若しくはその互変異性体又はそれらの塩。
4)
上記式(2)において、R1は、メトキシ基もしくは水素原子を表し、R2は、スルホ基を表し、R3~R5はそれぞれ独立して、水素原子もしくはスルホ基を表し、R6は、スルホ(C1~C4)アルキルチオ基を表し、R7は、アセチルアミノ基を表し、R8は、スルホ(C1~C4)アルキルチオ基を表し、R9は、アセチルアミノ基を表す2)又は3)に記載のアゾ化合物若しくはその互変異性体又はそれらの塩。
5)
上記式(2)において、R1が水素原子、R2がスルホ基、R3がスルホ基、R4が水素原子、R5がスルホ基、R6がスルホプロピルチオ基、R7がアセチルアミノ基、R8がスルホプロピルチオ基、R9がアセチルアミノ基である2)~4)のいずれか一項に記載のアゾ化合物若しくはその互変異性体又はそれらの塩。
6)
1)~5)のいずれか一項に記載のアゾ化合物若しくはその互変異性体又はそれらの塩を少なくとも1種類含む水性インク組成物。
7)
水溶性有機溶剤をさらに含む6)に記載の水性インク組成物。
8)
6)又は7)に記載の水性インク組成物をインクとして用い、該インクのインク滴を記録信号に応じて吐出させて記録メディアに記録を行うインクジェット記録方法。
9)
記録メディアが、シート状記録メディアである8)に記載のインクジェット記録方法。
10)
シート状記録メディアが、多孔性白色無機物を含むインク受容層を有するシ-トである9)に記載のインクジェット記録方法。
11)
6)又は7)に記載の水性インク組成物を含む容器を装填したインクジェットプリンタ。
12)
a)1)~5)のいずれか一項に記載のアゾ化合物若しくはその互変異性体又はそれらの塩、
b)6)又は7)に記載の水性インク組成物、又は、
c)8)~10)のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法、のいずれかにより着色された着色体。
便宜上、本明細書においては、「アゾ化合物若しくはその互変異性体又はそれらの塩」の全てを含めて「アゾ化合物」と簡略して記載することがある。上記互変異性体としては、例えば、下記式(3)及び(4)で表される構造等が挙げられる。なお、式(3)及び(4)中、R1~R9、は、上記式(1)におけるものと同じで良い。
R1が水素原子又はメトキシ基、
R2がスルホ基、
R3が水素原子又はスルホ基又はニトロ基、
R4が水素原子又はスルホ基又はニトロ基、
R5が水素原子又はスルホ基又はニトロ基、
R6がスルホ基又はカルボキシ基で置換された(C1~C4)アルキルチオ基、
R7が(C1~C4)アルキルカルボニルアミノ基、
R8がスルホ基又はカルボキシ基で置換された(C1~C4)アルキルチオ基、
R9が(C1~C4)アルキルカルボニルアミノ基、
の組合せ。
R1が水素原子又はメトキシ基、
R2がスルホ基、
R3がスルホ基、
R4がスルホ基、
R5が水素原子又はスルホ基又はニトロ基、
R6がスルホ(C1~C4)アルキルチオ基、
R7が(C1~C4)アルキルカルボニルアミノ基、
R8がスルホ(C1~C4)アルキルチオ基、
R9が(C1~C4)アルキルカルボニルアミノ基、
の組合せ。
R1が水素原子又はメトキシ基、
R2がスルホ基、
R3がスルホ基、
R4がスルホ基、
R5が水素原子又はスルホ基、
R6がスルホ(C1~C4)アルキルチオ基、
R7が(C1~C3)アルキルカルボニルアミノ基
R8がスルホ(C1~C4)アルキルチオ基、
R9が(C1~C3)アルキルカルボニルアミノ基
の組合せ。
R1が水素原子又はメトキシ基、
R2がスルホ基、
R3がスルホ基、
R4がスルホ基、
R5が水素原子又はスルホ基、
R6がスルホ(C1~C4)アルキルチオ基、
R7がアセチルアミノ基、
R8がスルホ(C1~C4)アルキルチオ基、
R9がアセチルアミノ基、
の組合せ。
R1が水素原子又はメトキシ基、
R2がスルホ基、
R3がスルホ基、
R4がスルホ基、
R5が水素原子、
R6が3-スルホプロピルチオ基、
R7がアセチルアミノ基、
R8が3-スルホプロピルチオ基、
R9がアセチルアミノ基、
の組合せ。
上記のインク調製剤は、それぞれ単独又は混合して用いられる。
a)上記1)~5)のいずれか一項に記載のアゾ化合物若しくはその互変異性体又はそれらの塩、
b)上記6)又は7)に記載の水性インク組成物、又は、
c)上記8)~10)のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法、のいずれかにより着色された着色体を示す。
着色される着色体については、特に制限は無いが、上記のインクジェット記録方法に用いる記録メディア等が好ましく挙げられる。
[実施例1]
(工程1-1)
ヒドロキノン50.0部をN-メチルピロリドン650部に溶解し、炭酸ナトリウム125.8部を加え、ここに1,3-プロパンスルトン110.9部を約30分間かけて滴下した。滴下後75~80℃で3時間反応後、室温まで冷却し析出した固体を濾過で分離した。これを乾燥することにより下記式(14)で表される化合物を白色固体として136部得た。
酢酸260部に上記(工程1-1)にて得られた式(14)で表される化合物を55部添加後、20℃以下まで冷却し、ここに硝酸16.9部を添加した。添加後室温に戻し、同温度で5時間反応させた。この溶液をアセトン500部に添加し1時間撹拌した後、ろ過により固体を分離した。得られた固体を再度アセトン500部に添加し30分撹拌した後、ろ過により固体を分離することにより、下記式(15)で表される化合物をウェットケーキとして57.9部得た。
水120部に上記(工程1-2)にて得られた式(15)で表される化合物のウェットケーキ29部を添加後、25%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.0~8.0とした。ここに活性炭1.6部、無水塩化鉄(III)0.6部を添加し、60℃まで加熱後、ヒドラジン一水和物7.8部を約30分かけて滴下した。80℃に加熱後、同温度で3時間反応させた。40℃まで冷却後、不要物を濾過により除去し、濾液を室温まで冷却した。35%塩酸によりpH7.0とし、90℃で1時間撹拌した後室温に戻すことで、下記式(16)で表される化合物12.3部を含む水溶液として161部得た。
水50部に下記式(17)で表されるアニリン-2,5-ジスルホン酸5.1部を添加後、25%水酸化ナトリウム水溶液の添加によりpH4.0~5.0として水溶液を得た。35%塩酸6.3部を添加後、40%亜硝酸ナトリウム水溶液4.2部を添加し約30分反応した。ここにスルファミン酸0.8部を添加し5分間撹拌しジアゾ反応液を得た。一方、水100部に国際公開2012/081640号公報に記載の方法で得られる式(18)の化合物5.7部を添加後、25%水酸化ナトリウム水溶液の添加によりpH4.0~5.0として水溶液を得た。この水溶液を上記にて得られたジアゾ反応液に約5分間で滴下した。滴下後、15%炭酸ナトリウム水溶液の添加によりpHを2.0~4.0に保持しながら3時間反応後、塩化ナトリウムを添加して35%塩酸によりpH0.8~1.0として酸塩析した。析出した固体を濾過分取し下記式(19)で表される化合物を含むウェットケーキを24.8部得た。
水80部に上記(工程1-4)にて得られた式(19)で表される化合物のウェットケーキ全量を添加後、25%水酸化ナトリウム水溶液の添加によりpH6.0~7.0として水溶液を得た。35%塩酸5.63部を添加後、40%亜硝酸ナトリウム水溶液3.8部を添加し約30分反応した。ここにスルファミン酸0.8部を添加し5分間撹拌しジアゾ反応液を得た。一方、水100部に国際公開2012/081640号公報に記載の方法で得られる上記式(18)の化合物5.7部を添加後、25%水酸化ナトリウム水溶液の添加によりpH4.0~5.0として水溶液を得た。この水溶液を上記にて得られたジアゾ反応液に約5分間で滴下した。滴下後、15%炭酸ナトリウム水溶液の添加によりpHを2.0~2.5に保持しながら3時間反応後、塩化ナトリウムを添加し、35%塩酸の添加によりpH0.8~1.0として酸塩析した。析出した固体を濾過分取し下記式(20)で表される化合物を含むウェットケーキを33.2部得た。
水100部に上記(工程1-4-1)にて得られた式(20)で表される化合物のウェットケーキ33.2部を添加し撹拌して溶解した。35%塩酸4.7部を添加後、40%亜硝酸ナトリウム水溶液3.2部を添加し、約30分撹拌した。ここにスルファミン酸0.4部を添加し5分間撹拌しジアゾ反応液を得た。一方、(工程1-3)に記載の方法で得られた式(16)で表される化合物4.1部を含む水溶液53.5部を添加後、25%水酸化ナトリウム水溶液の添加によりpH4.0~5.0として水溶液を得た。この水溶液を上記にて得られたジアゾ反応液に約5分間で滴下した。滴下後、15%炭酸ナトリウム水溶液の添加によりpHを2.0~2.5に保持しながら3時間反応後、塩化ナトリウムを添加し、35%塩酸の添加によりpH0.8~1.0として酸塩析した。析出した固体を濾過分取し下記式(21)で表される化合物を含むウェットケーキを36.7部得た。
水80部に上記(工程1-5)にて得られた式(21)で表される化合物のウェットケーキ36.7部を添加し撹拌して溶解した。35%塩酸6.3部を添加後、40%亜硝酸ナトリウム水溶液2.3部を添加し、約30分撹拌した。ここにスルファミン酸0.5部を添加し5分間撹拌しジアゾ反応液を得た。一方、水80部に、国際公開2012/081640号公報に記載の方法で得られる下記式(22)の化合物4.0部を添加し、5%水酸化ナトリウム水溶液の添加によりpH6.0~7.0として水溶液を得た。この水溶液に、上記で得たジアゾ反応液を15~30℃、約30分間かけて滴下した。この際、15%炭酸ナトリウム水溶液を加えて反応液のpHを6.5~7.5に保持し、同温度及びpHの調整を維持しながら、さらに2時間反応した。反応液に塩化ナトリウムを加えて塩析し、析出した固体を濾過分離し、ウェットケーキ20.3部を得た。得られたウェットケーキを水40部に溶解し、35%塩酸でpHを7.0~7.5とした後、メタノール400部を添加し、析出した固体を濾過分取した。得られたウェットケーキを再度水40部に溶解後、メタノール300部を添加した。析出した固体を濾過分離し、乾燥することにより本発明の下記式(23)で表される化合物を黒色粉末として1.6部ナトリウム塩として得た。λmaxは608nmであった。
上記で得られた本発明のアゾ化合物式(23)を色素として用い、下記表5に示した組成を混合して溶液とすることにより、本発明のインク組成物を得た。得られたインク組成物を0.45μmのメンブランフィルターで濾過して夾雑物を除き、試験用のインクを調製した。なお、この試験用インクのpHは8.0~9.5の範囲であった。又、下記表5中、「界面活性剤」は、日信化学株式会社製の商品名サーフィノールRTM104PG50を使用した。式(23)を用いたインクを実施例2とした。
本発明のアゾ化合物のかわりに、国際公開2012/081640号(実施例3)に記載の色素を用いる以外は、実施例1と同様にして比較用のインクを調製した。このインクの調製を比較例1とする。比較例1に用いた化合物の構造式を下記式(24)に示す。
上記実施例2及び比較例1で調製した各インクを、インクジェットプリンタ(キヤノン株式会社製、商品名:PIXUSRTM ip7230)を用いて、下記光沢紙にインクジェット記録を行った。記録の際は、100%、85%、70%、55%、40%、25%濃度の6段階の階調が得られるように画像パターンを作り、ハーフトーンの記録物を得た。得られた記録物を試験片として用い、下記する試験を行った。
光沢紙2:セイコーエプソン株式会社製、商品名:写真用紙クリスピア
光沢紙3:セイコーエプソン株式会社製、商品名:PM写真用紙
光沢紙4:ブラザー工業株式会社製、商品名:BP71G
本発明の水性インク組成物による記録画像につき、ブロンジング性について評価を行った。その結果を表6に示した。試験方法を下記に示す。
[1)ブロンジング性評価]
記録画像を目視にて確認し、ブロンジング現象の有無を確認した。以下に判定基準を示す。
×:全階調部分でブロンジング現象を確認
△:全階調ではないがブロンジング現象を確認
〇:全階調部分でブロンジング現象が確認されない
Claims (8)
- 請求項1に記載のアゾ化合物若しくはその互変異性体又はそれらの塩を少なくとも1種類含む水性インク組成物。
- 水溶性有機溶剤をさらに含む請求項2に記載の水性インク組成物。
- 請求項2又は3に記載の水性インク組成物をインクとして用い、該インクのインク滴を記録信号に応じて吐出させて記録メディアに記録を行うインクジェット記録方法。
- 記録メディアが、シート状記録メディアである請求項4に記載のインクジェット記録方法。
- シート状記録メディアが、多孔性白色無機物を含むインク受容層を有するシ-トである請求項5に記載のインクジェット記録方法。
- 請求項2又は3に記載の水性インク組成物を含む容器を装填したインクジェットプリンタ。
- a)請求項1に記載のアゾ化合物若しくはその互変異性体又はそれらの塩、
b)請求項2又は3に記載の水性インク組成物、又は、
c)請求項4~6のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法、のいずれかにより着色された着色体。
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WO2008056626A1 (fr) | 2006-11-08 | 2008-05-15 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Composé azoïque, composition d'encre, procédé d'enregistrement et corps coloré |
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