JPWO2008056626A1 - アゾ化合物、インク組成物、記録方法および着色体 - Google Patents

アゾ化合物、インク組成物、記録方法および着色体 Download PDF

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Abstract

本発明は下記式(1)(式中、基Aは置換フェニル基を、R1は(C1〜C4)アルキル基などを、R2はシアノ基などを、R3およびR4はそれぞれ独立してスルホ基などを、R5からR10はそれぞれ独立してスルホ基などを表す。)で表されるアゾ化合物またはその塩、それを含むインク組成物等に関するもので、該アゾ化合物は、水を主要成分とする媒体に対する溶解性が高く、その高濃度水溶液およびインクを長期間保存した場合でも安定であり、これで記録された場合、黒色の記録画像を与え、該画像の濃度が非常に高く、かつ、画像の堅牢性、特に耐光性と耐オゾンガス性が共に優れるので、該アゾ化合物は黒色インク用色素等として有用である。

Description

本発明は、新規なアゾ化合物またはその塩、これらを含有するインク組成物およびそれによる着色体に関する。
各種のカラー記録法の中でも代表的方法の一つであるインクジェットプリンタによる記録方法は、インクの小滴を発生させこれを種々の被記録材料(紙、フィルム、布帛等)に付着させ記録を行うものである。この方法は、記録ヘッドと被記録材料とが直接接触しないため音の発生が少なく静かであり、また小型化、高速化が容易という特長の為近年急速に普及しつつあり、今後とも大きな伸長が期待されている。従来、万年筆およびフェルトペン用のインク、およびインクジェット記録用インクとしては、水溶性染料を水性媒体中に溶解した水性インクが使用されており、これらの水性インクにおいてはペン先やインク吐出ノズルでのインクの目詰まりを防止すべく一般に水溶性有機溶剤が添加されている。そしてこれらのインクにおいては、十分な濃度の記録画像を与えること、ペン先やノズルの目詰まりを生じないこと、被記録材上での乾燥性がよいこと、滲みが少ないこと、保存安定性に優れること等が要求される。また使用される水溶性染料には特に水への溶解度が高いこと、インクに添加される水溶性有機溶剤への溶解度が高いことが要求される。更に、形成される画像には耐水性、耐光性、耐オゾンガス性、耐湿性等の画像堅牢性が求められている。
これらのうちで、耐オゾンガス性とは、空気中に存在する酸化作用を持つオゾンガスなどが記録紙中で染料に作用し、印刷された画像を変退色させるという現象に対する耐性のことである。オゾンガスの他にも、この種の作用を持つ酸化性ガスとしては、NOx、SOx等が挙げられるが、これらの酸化性ガスの中でもオゾンガスがインクジェット記録画像の変退色現象をより促進させる主原因物質とされている。写真画質インクジェット専用紙の表面に設けられるインク受容層には、インクの乾燥を早めまた高画質でのにじみを少なくする為に、多孔性白色無機物等の素材を用いているものが多く、このような記録紙上でオゾンガスによる変退色が顕著に見られる。この酸化性ガスによる変退色現象はインクジェット画像に特徴的なものであるため、耐オゾンガス性の向上はインクジェット記録方法における最も重要な課題の1つとなっている。
今後、インクを用いた印刷方法の使用分野を拡大すべく、インクジェット記録用に用いられるインク組成物およびそれによって着色された着色体には、耐光性、耐オゾンガス性、耐湿性および耐水性の更なる向上が強く求められている。
種々の色相のインクが種々の染料から調製されているが、それらのうち黒色インクはモノカラーおよびフルカラー画像の両方に使用される重要なインクである。これら黒色インク用の染料として今日まで多くのものが提案されているが、市場の要求を充分に満足する製品を提供するには至っていない。提案されている色素の多くはアゾ色素であり、そのうちC.I.Food Black2等のジスアゾ色素については、画像の光学濃度が低い、耐水性や耐湿性が不良である、耐光性および耐ガス性が十分でない等の問題がある。共役系を延ばしたポリアゾ色素については、一般に水溶性が低く記録画像が部分的に金属光沢を有するブロンジング現象が発生しやすい、耐光性および耐ガス性が十分でない等の問題がある。また、同様に数多く提案されているアゾ含金色素の場合、耐光性が良好なものもあるが、金属イオンを含むため生物への安全性や環境問題に対し好ましくない、耐オゾンガス性が極めて弱い等の問題がある。
近年最も重要な課題となっている耐オゾンガス性について改良されたインクジェット用黒色インク用化合物(色素)としては、例えば特許文献1および2に記載の化合物が挙げられる。これらの化合物は耐オゾンガス性が市場要求を十分に満たすものではなく、耐光性に関しても十分ではない。また、ベンズイミダゾロピリドン骨格を有するアゾ化合物としては、特許文献3〜6等に記載がある。特許文献3にはモノアゾ化合物が具体的に開示され、特許文献4および5にはベンズイミダゾロピリドン骨格を左右対称に有するトリスアゾ化合物も具体的に開示されている。しかしテトラキスアゾ化合物は具体的に開示されていない。
特開2003−183545号 特開2003−201412号 国際公開特許2004−050768号 ドイツ国公開特許2004488号 ドイツ国公開特許2023295号 特開平05−134435号
本発明は、水を主要成分とする媒体に対する溶解性が高く、高濃度水溶液およびインクを長期間保存した場合でも安定であり、印字された画像の濃度が非常に高く、印字された画像の堅牢性、特に耐光性と耐オゾンガス性が共に優れた黒色の記録画像を与え、また、合成が容易でありかつ安価である黒色インク用色素(化合物)、およびそれを含むインク組成物、特にインクジェット用黒色インク組成物、該インクによるインクジェット記録方法および該色素による着色体を提供する事を目的とする。
本発明者らは前記したような課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記式(1)で表されるアゾ化合物が前記課題を解決するものであることを見出し、本発明に至ったものである。即ち本発明は、
(1)下記式(1)で表されるアゾ化合物またはその塩、
Figure 2008056626
(式中、基Aは置換フェニル基であり、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基、アセチルアミノ基、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、スルファモイル基、(C1〜C4)アルキル基、(C1〜C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基およびカルボキシ基からなる群から選択される基で置換されていても良い)および(C1〜C4)アルキルスルホニル基(ヒドロキシ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されていても良い)からなる群から選択される少なくとも一つの置換基を有する、
1は(C1〜C4)アルキル基(カルボキシ基で置換されていても良い)、フェニル基(スルホ基で置換されていても良い)、またはカルボキシ基を表す、
2はシアノ基、カルバモイル基またはカルボキシ基を表す、
3およびR4はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、塩素原子またはスルホ基を表す、
5からR10はそれぞれ独立して水素原子、カルボキシ基、スルホ基、アセチルアミノ基、(C1〜C4)アルキル基または(C1〜C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されていても良い)を表す)、
(2)基Aの置換基の少なくともひとつがスルホ基またはカルボキシ基であり、R5およびR6、R7およびR8、およびR9およびR10の3種類の置換基の組合せのうち、少なくともそれぞれの組合せの一方の置換基がスルホ基またはスルホプロポキシ基である上記(1)に記載のアゾ化合物、
(3)下記式(2)で表される上記(1)に記載のアゾ化合物、
Figure 2008056626
{式中、R5はスルホ基、スルホエトキシ基、スルホプロポキシ基またはスルホブトキシ基を、R7およびR9はスルホエトキシ基、スルホプロポキシ基またはスルホブトキシ基を、R6、R8およびR10はそれぞれ独立して水素原子、アセチルアミノ基、メチル基、エチル基、メトキシ基またはエトキシ基を、R11、R12およびR13はそれぞれ独立して、水素原子、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基、アセチルアミノ基、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、スルファモイル基、(C1〜C4)アルキル基、(C1〜C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基およびカルボキシ基からなる群から選択される基で置換されていても良い)、または(C1〜C4)アルキルスルホニル基(ヒドロキシ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されていても良い)を表し、R11、R12およびR13 の少なくとも何れか一つは水素原子以外の基を表す}、
(4)R1がメチル基、R2がシアノ基またはカルバモイル基、R3が水素原子、R4がスルホ基である上記(1)または(3)に記載のアゾ化合物、
(5)R11、R12およびR13が、R11、R12およびR13 の少なくとも何れか一つは水素原子以外の基を表すことを条件に、それぞれ独立して、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、スルホプロピルスルホニル基またはアセチルアミノ基、R1がメチル基、R2がシアノ基またはカルバモイル基、R3が水素原子、R4がスルホ基、R5がスルホ基またはスルホプロポキシ基、R7およびR9がスルホプロポキシ基、R6、R8およびR10がそれぞれ独立して水素原子またはメチル基である上記(3)に記載のアゾ化合物、
(6)R11〜R13のベンゼン環上の置換位置がアゾ基の置換位置を1位とした場合に、R11が2位または3位、R12が4位およびR13が5位であり、R11が水素原子、スルホ基またはカルボキシ基であり、R12が水素原子、スルホ基、アセチルアミノ基またはスルホプロピルスルホニル基であり、R13が水素原子またはスルホ基であり、R11、R12およびR13 の少なくとも何れか一つは水素原子以外の基であり、R1がメチル基またはn−プロピル基であり、R2がシアノ基またはカルバモイル基であり、R3が水素原子であり、R4がスルホ基であり、R5がスルホ基またはスルホプロポキシ基であり、R6が水素原子またはメチル基であり、R7およびR9がスルホプロポキシ基であり、R8およびR10がメチル基である上記(3)に記載のアゾ化合物、
(7)R12がスルホ基でその置換位置がアゾ基に対してパラ位、R11およびR13が水素原子、R1がメチル基、R2がシアノ基またはカルバモイル基、R3が水素原子、R4がスルホ基、R5がスルホ基、R6が水素原子であり、R7およびR9がスルホプロポキシ基、R8およびR10がメチル基である上記(3)に記載のアゾ化合物、
(8)上記(1)から(7)のいずれか一項に記載のアゾ化合物を少なくとも1種含有することを特徴とするインク組成物、
(9)上記(8)に記載のインク組成物を、インクジェットにより被記録材に付着させることを特徴とするインクジェット記録方法、
(10)インクジェット記録方法における被記録材が情報伝達用シートである上記(9)に記載のインクジェット記録方法、
(11)情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有するものである上記(10)に記載のインクジェット記録方法、
(12)上記(8)に記載のインク組成物を含む容器を装填したインクジェットプリンタ、
(13)上記(1)から(7)のいずれか一項に記載のアゾ化合物によって着色された着色体、
に関する。
式(1)のアゾ化合物およびその互変異性体、またはそれらの塩(以下これらを纏めて単にアゾ化合物という)は水溶解性に優れるので、インク組成物製造過程でのメンブランフィルターによるろ過性が良好であり、記録液の保存時の安定性や吐出安定性にも優れている。又、このアゾ化合物を含有する本発明のインク組成物は長期間保存後の結晶析出、物性変化、色変化等もなく、貯蔵安定性が良好である。又、本発明のアゾ化合物を含有するインク組成物は、インクジェット記録用、筆記用具用として好適に用いられ、普通紙およびインクジェット専用紙に記録した場合の記録画像の印字濃度が非常に高く、さらに各種堅牢性、特に耐光性と耐オゾンガス性が共に優れている。マゼンタ、シアンおよびイエロー染料を用いたインク組成物と共に用いることで各種堅牢性に優れ、保存性の優れたフルカラーのインクジェット記録が可能である。このように本発明のインク組成物はインクジェット記録用ブラックインクとして極めて有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
式(1)で表されるアゾ化合物の互変異性体としては、式(1)の化合物以外に下記式(3)および(4)が考えられ、これらの化合物も本発明に含まれる。
Figure 2008056626
(式中、基AおよびR1〜R10は式(1)におけるものと同じ意味を有する。)
Figure 2008056626
(式中、基AおよびR1〜R10は式(1)におけるものと同じ意味を有する。)
本発明において、(C1〜C4)アルキル基の例としては例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはt−ブチルが挙げられる。また、(C1〜C4)アルコキシ基の例としては例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシまたはt−ブトキシが挙げられる。これらのアルキル基またはアルコキシ基においては直鎖のアルキル基が好ましい。
1において、カルボキシ基で置換されていても良い(C1〜C4)アルキル基の例としては例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル等が挙げられ、好ましいものとしては直鎖の非置換(C1−C4)アルキル、t−ブチルまたはカルボキシメチルが挙げられる。より好ましくは非置換の(C1−C3)アルキル、最も好ましくはメチルである。
式(1)等におけるR1において、スルホ基で置換されていても良いフェニル基の例としては例えば、フェニル、3−スルホフェニル、4−スルホフェニル、2,4−ジスルホフェニル、3,5−ジスルホフェニル等が挙げられ、フェニルまたは4−スルホフェニルが好ましい。最も好ましいのは4−スルホフェニルである。
本発明において、ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されていても良い(C1〜C4)アルコキシ基の例としては例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−ヒドロキシプロポキシ、3−ヒドロキシプロポキシ、メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、n−プロポキシエトキシ、イソプロポキシエトキシ、n−ブトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、エトキシプロポキシ、n−プロポキシプロポキシ、イソプロポキシブトキシ、n−プロポキシブトキシ、2−ヒドロキシエトキシエトキシ、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシ等が挙げられる。
式(1)における基Aの置換基において、ヒドロキシ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されていても良い(C1〜C4)アルキルスルホニル基の例としては例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ヒドロキシエチルスルホニル、2−ヒドロキシプロピルスルホニル、2−スルホエチルスルホニル、3−スルホプロピルスルホニル、2−カルボキシエチルスルホニル、3−カルボキシプロピルスルホニル等が挙げられる。該(C1〜C4)アルキルスルホニル基としては、スルホ置換(C1〜C4)アルキルスルホニル基が好ましく、スルホプロピルスルホニルがより好ましい。
式(1)における好ましい基Aの置換基としては、シアノ、カルボキシ、スルホ、スルファモイル、メチルスルホニル、2−ヒドロキシエチルスルホニル、3−スルホプロピルスルホニル、アセチルアミノ、ニトロ、メチル、メトキシ、エチル、エトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−スルホエトキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシ、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ等であり、より好ましくは、シアノ、カルボキシ、スルホ、スルファモイル、メチルスルホニル、ヒドロキシエチルスルホニル、3−スルホプロピルスルホニル、アセチルアミノまたはニトロであり、さらに好ましくは、カルボキシまたはスルホである。
式(1)における好ましい基Aとしては、少なくとも一つのスルホ置換を有するフェニル基を挙げることができ、より好ましくはモノまたはジスルホ置換フェニル、または、カルボキシ、アセチルアミノおよびスルホ(C1−C4)アルキルスルホニルから選ばれる一つの置換基およびモノまたはジスルホ置換を有するフェニル基を挙げることができ、更に好ましくはモノまたはジスルホ置換フェニルである。モノスルホ置換フェニルとしてはp−スルホフェニルが好ましく、ジスルホ置換フェニルではo−およびp−ジスルホ置換フェニル、またはo−およびm−ジスルホ置換フェニルが好ましく、o−およびp−ジスルホ置換フェニルがより好ましい。
本発明において好ましいR5〜R10としては、それぞれ独立に、カルボキシ、スルホ、アセチルアミノ、メチル、メトキシ、エチル、エトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−スルホエトキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシ、カルボキシメトキシまたは2−カルボキシエトキシであり、より好ましくは、スルホ、メチル、メトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−スルホエトキシ、3−スルホプロポキシまたはカルボキシメトキシであり、さらに好ましくは、スルホ、メチル、メトキシまたは3−スルホプロポキシである。また、R6は水素原子も好ましい。
好ましいR5とR6 の組み合わせはR5 がスルホ、またはスルホ(C1−C4)アルコキシ、好ましくはスルホ(C2−C4)アルコキシ、より好ましくはスルホプロポキシであり、R6 が水素原子、または(C1−C4)アルキル基、好ましくはメチルである組合せである。 また、置換位置はR5 がアゾ基に対してオルト位で、R6 がR5 に対してパラ位が好ましい。特に、式(2)で示される置換位置が好ましい。 R〜R10 の好ましい組み合わせとしては、R7およびR9 がスルホ(C1−C4)アルコキシ、好ましくはスルホ(C2−C4)アルコキシ、より好ましくは3−スルホプロポキシで、R8およびR10 が(C1−C4)アルキル基、好ましくはメチルである。好ましいR5とR6 の組み合わせと好ましいR〜R10 の組み合わせはより好ましい。
5〜R10のより好ましい組み合わせとしては、R5がスルホまたは3−スルホプロポキシ、R6が水素原子またはメチル、R7およびR9が3−スルホプロポキシでR8およびR10がメチルである。
本発明において好ましいR1は、非置換直鎖(C1−C4)アルキル、t−ブチル、カルボキシメチル、フェニル、4−スルホフェニル、カルボキシであり、より好ましくは、非置換直鎖(C1−C3)アルキル、カルボキシメチル、4−スルホフェニルである。さらに好ましくは、非置換直鎖(C1−C3)アルキル、最も好ましくはメチルである。好ましいRはシアノまたはカルバモイルである。また、好ましいR3およびR4は、それぞれ独立に水素原子、メチルまたはスルホである。
本発明において好ましいR1〜Rの組み合わせは、R1が非置換直鎖(C1−C3)アルキル基、より好ましくはメチルで、R2がシアノまたはカルバモイルであり、R3およびR4は、それぞれ独立に水素原子、メチルまたはスルホであり、好ましいR3とR4の組み合わせは、一方が水素原子、他方がスルホの場合である。
上記式(1)の好ましい化合物の一つとしては、式(1)の分子内にスルホ基を5または6個有する化合物を挙げることができる。また、前記好ましい基Aを有する化合物も好ましいものの一つであり、該化合物が式(1)の分子内にスルホ基を5または6個有する化合物はより好ましい。また、上記式(1)において、好ましいR1〜Rの組み合わせを有する化合物も好ましい化合物の一つであり、該化合物が式(1)の分子内にスルホ基を5または6個有する化合物はより好ましい。
また、他の好ましい化合物の一つとして、該好ましい基Aと、好ましいR1〜Rの組み合わせを有する化合物を挙げることができ、この場合においても、式(1)の分子内にスルホ基を5または6個有する化合物はより好ましい。
また、上記のそれぞれの好ましい化合物において、更に、好ましいR5およびR6の組み合わせ、より好ましくは、上記好ましいR〜R10の組み合わせを有する化合物は更に好ましい化合物である。
その中で、より好ましい化合物の一つは下記式(2)で表される化合物である。
式(2)
Figure 2008056626
上記式(2)において、R1〜R10は上記式(1)と同じ意味を表し、好ましい基および好ましい基の組み合わせも前記式(1)の場合と同じである。
上記式(2)におけるR11〜R13は、それぞれ独立に、水素原子または前記式(1)における基Aにおける置換基と同じものを表し、少なくとも何れか一つは水素原子以外の基を表す。好ましい基および好ましい基の組合せも、前記基Aにおける置換基と同じであり、基Aの置換基が一つの場合は、R11〜R13の中の2つが水素原子の場合に該当し、基Aの置換基が二つの場合は、R11〜R13の中の1つが水素原子の場合に該当し、基Aの置換基が三つの場合は、R11〜R13の全てが水素原子以外の基を表す場合に該当する。
また、R11〜R13の置換位置としては、アゾ基の置換位置を1位とした場合に、R11が2位または3位に、R12が4位に、およびR13が5位に置換したものが好ましい。この場合、少なくとも一つが水素原子以外の基であり、好ましくは少なくとも一つがスルホまたはカルボキシ、より好ましくはスルホである。更に好ましくは、R11またはR12 のうち、何れか一方がスルホ、他方が水素原子、スルホ、カルボキシ、アセチルアミノまたはスルホ(C1−C4)アルコキシ、より好ましくは水素原子またはスルホである。
さらに、R11が2位または3位に置換した水素原子、スルホまたはカルボキシであり、R12が4位に置換した水素原子、スルホ、アセチルアミノまたはスルホプロピルスルホニルであり、R13が5位に置換した水素原子またはスルホである組合せが特に好ましい。この場合、少なくとも一つが水素原子以外の基であり、好ましくは少なくとも一つがスルホまたはカルボキシ、より好ましくはスルホである。更に好ましくは、R12 がスルホの場合である。
式(2)において特に好ましいものは、R11〜R13の置換位置が上記のように特定されたものであり、式(2)における好ましい置換基は前記式(1)におけるのと同じである。最も好ましい化合物としては、Rがシアノまたはカルバモイル、RおよびR5 がスルホ、R3、R、R11 およびR13 が水素原子、RおよびRがスルホプロポキシ、R、RおよびR10 がメチル、 12 が4位に置換したスルホであるか、またはRがシアノ、Rがスルホ、R3 およびR13 が水素原子、R5、RおよびRがスルホプロポキシ、R、R、RおよびR10 がメチル、 11 が2位に置換したスルホ、 12 が4位に置換したスルホである化合物である。
前記式(1)で示されるアゾ化合物の塩は、無機または有機の陽イオンの塩である。そのうち無機塩の具体例としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩が挙げられ、好ましい無機塩は、リチウム、ナトリウム、カリウムの塩およびアンモニウム塩であり、又、有機の陽イオンの塩としては例えば下記式(5)で示される有機の陽イオンとの塩があげられるがこれらに限定されるものではない。また遊離酸、その互変異性体、およびそれらの各種の塩が混合物であってもよく、例えばナトリウム塩とアンモニウム塩の混合物、遊離酸とナトリウム塩の混合物、リチウム塩、ナトリウム塩およびアンモニウム塩の混合物など、いずれの組み合わせを用いても良い。塩の種類によって溶解性などの物性値が異なる場合も有り、必要に応じて適宜塩の種類を選択したり、複数の塩などを含む場合にはその比率を変化させることにより目的に適う物性を有する混合物を得ることもできる。
式(5)
Figure 2008056626
式中、Z1、Z2、Z3、Z4は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基およびヒドロキシアルコキシアルキル基よりなる群から選択される基を表す。
式(5)におけるZ1、Z2、Z3、Z4のアルキル基の具体例としてはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどが挙げられ、ヒドロキシアルキル基の具体例としてはヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル等のヒドロキシ−(C1〜C4)アルキル基が挙げられ、ヒドロキシアルコキシアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−ヒドロキシエトキシプロピル、2−ヒドロキシエトキシプロピル、4−ヒドロキシエトキシブチル、3−ヒドロキシエトキシブチル、2−ヒドロキシエトキシブチル等のヒドロキシ(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基が挙げられ、これらのうちヒドロキシエトキシ(C1〜C4)アルキル基が好ましい。特に好ましいものとしては水素原子;メチル;ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル基等のヒドロキシ(C1〜C4)アルキル基;ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−ヒドロキシエトキシプロピル、2−ヒドロキシエトキシプロピル、4−ヒドロキシエトキシブチル、3−ヒドロキシエトキシブチル、2−ヒドロキシエトキシブチル基等のヒドロキシエトキシ(C1〜C4)アルキル基が挙げられる。
式(5)のZ1、Z2、Z3 およびZ4の具体例を表1に示す。
Figure 2008056626
式(1)で示される本発明のテトラキスアゾ化合物は、例えば次のような方法で合成することができる。また、各工程における化合物の構造式は遊離酸の形で表すものとする。なお下記の式(6)〜(13)中で用いた基AおよびR1〜R10については前記式(1)におけるのとそれぞれ同じ意味を表す。
下記式(6)で表される化合物を常法によりジアゾ化し、得られたジアゾ化合物と下記式(7)で表される化合物とを常法によりカップリング反応させ、下記式(8)で表される化合物を得る。
式(6)
Figure 2008056626

式(7)
Figure 2008056626

式(8)
Figure 2008056626
得られた上記式(8)の化合物を常法によりジアゾ化した後、得られたジアゾ化合物と下記式(9)で表される化合物とを常法によりカップリング反応させ下記式(10)で表される化合物を得る。
式(9)
Figure 2008056626

式(10)
Figure 2008056626
得られた上記式(10)の化合物を常法によりジアゾ化した後、得られたジアゾ化合物と下記式(11)で表される化合物とを常法によりカップリング反応させ下記式(12)で表される化合物を得る。
式(11)
Figure 2008056626

式(12)
Figure 2008056626
得られた上記式(12)の化合物を常法によりジアゾ化した後、得られたジアゾ化合物と下記式(13)で表される化合物とを常法によりカップリング反応させる事により、前記式(1)で表される本発明のアゾ化合物を得ることができる。なお、下記式(13)で表される化合物は、特許文献4に記載の方法に準じて合成することができる。
式(13)
Figure 2008056626
式(6)の化合物のジアゾ化はそれ自体公知の方法で実施され、たとえば無機酸媒質中、例えば−5〜30℃、好ましくは0〜15℃ の温度で亜硝酸塩、たとえば亜硝酸ナトリウムのごとき亜硝酸アルカリ金属塩を使用して実施される。式(6)の化合物のジアゾ化物と式(7)の化合物とのカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水または水性有機媒体中、例えば−5〜30℃、好ましくは0〜25℃ の温度ならびに酸性から中性のpH値、たとえばpH1〜6で行うことが有利である。ジアゾ化反応液が酸性であるため、またカップリング反応の進行により反応系内は更に酸性化してしまうため、反応液の好ましいpH条件へのpH値の調整を塩基の添加によって行う。塩基としては、たとえば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、酢酸ナトリウムのごとき酢酸塩、アンモニアまたは有機アミンなどが使用できる。式(6)の化合物と式(7)の化合物とは、ほぼ化学量論量で用いる。
式(8)の化合物のジアゾ化はそれ自体公知の方法で実施され、たとえば無機酸媒質中、例えば−5〜40℃、好ましくは5〜30℃ の温度で亜硝酸塩、たとえば亜硝酸ナトリウムのごとき亜硝酸アルカリ金属塩を使用して実施される。式(8)の化合物のジアゾ化物と式(9)の化合物とのカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水または水性有機媒体中、例えば−5〜40℃、好ましくは10〜30℃ の温度ならびに酸性から中性のpH値、たとえばpH2〜7で行うことが有利である。ジアゾ化反応液が酸性であるため、またカップリング反応の進行により反応系内は更に酸性化してしまうため、反応液の好ましいpH条件へのpH値の調整を塩基の添加によって行う。塩基としては、上記と同じものが使用できる。式(8)の化合物と式(9)の化合物とは、ほぼ化学量論量で用いる。
式(10)の化合物のジアゾ化はそれ自体公知の方法で実施され、たとえば無機酸媒質中、例えば−5〜50℃、好ましくは5〜40℃ の温度で亜硝酸塩、たとえば亜硝酸ナトリウムのごとき亜硝酸アルカリ金属塩を使用して実施される。式(10)の化合物のジアゾ化物と式(11)の化合物とのカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水または水性有機媒体中、例えば−5〜50℃、好ましくは10〜40℃ の温度ならびに酸性から中性のpH値、たとえばpH2〜7で行うことが有利である。ジアゾ化反応液が酸性であるため、またカップリング反応の進行により反応系内は更に酸性化してしまうため、反応液の好ましいpH条件へのpH値の調整を塩基の添加によって行う。塩基としては、上記と同じものが使用できる。式(10)の化合物と式(11)の化合物とは、ほぼ化学量論量で用いる。
式(12)の化合物のジアゾ化もそれ自体公知の方法で実施され、たとえば無機酸媒質中例えば−5〜50℃、好ましくは10〜40℃ の温度で亜硝酸塩、たとえば亜硝酸ナトリウムのごとき亜硝酸アルカリ金属塩を使用して実施される。式(12)の化合物のジアゾ化物と式(13)の化合物のカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水または水性有機媒体中、例えば−5〜50℃、好ましくは10〜40℃ の温度ならびに弱酸性からアルカリ性のpH値で行うことが有利である。好ましくは弱酸性から弱アルカリ性のpH値、たとえばpH5〜10で実施され、pH値の調整は塩基の添加によって実施される。塩基としては、たとえば水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、酢酸ナトリウムのごとき酢酸塩、あるいはアンモニアまたは有機アミンなどが使用できる。式(12)と(13)の化合物は、ほぼ化学量論量で用いる。
前記式(1)の化合物の好適な具体例として、特に限定されるものではないが、下記表2および3に記載の各式で示される化合物が挙げられる。各表においてスルホおよびカルボキシなどの酸性官能基は遊離酸の形で記載するものとする。
Figure 2008056626
Figure 2008056626
式(1)のアゾ化合物を所望の塩とするには、カップリング反応後、所望の無機塩または有機の陽イオンの塩を反応液に添加することにより塩析するか、或いは、該反応液への鉱酸の添加により遊離酸の形で該アゾ化合物を分離し、必要に応じ、これを水、酸性化した水または/および水性有機媒体などで洗浄することにより無機塩を除去後、これを水性の媒体中で所望の無機または有機の塩基により中和する。後者においては、対応する所望の塩を溶液の形で得ることが出来る。また、前者の場合は、塩析により析出した所望の塩を濾過分離等の手段で固体として分離し、必要に応じて、水または/および水性有機媒体からの再結晶および濾過分離等の手段で精製し、必要に応じて乾燥することにより、所望の塩を固体の形で得ることができる。
上記において、酸性の水とは、例えば硫酸、塩酸などの鉱酸や酢酸などの有機酸を水に溶解し、酸性にしたものをいう。また水性有機媒体とは、水と混和可能な有機物質または/および水と混和可能な有機溶剤と水との混合溶液を言う。水と混和可能な有機溶剤の具体例としては後述する水溶性有機溶剤などが挙げられる。通常溶剤として分類されない有機物質であっても水と混和可能なものであれば必要に応じて水に溶解して水性有機媒体として使用することが可能である。
無機塩の例としては塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等アルカリ金属塩、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム等のアンモニウム塩が挙げられ、有機の陽イオンの塩の例としては、前記した式(5)で表される有機アミンのハロゲン塩等が挙げられる。
無機の塩基の例としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられ、有機の塩基の例としては、有機アミン、例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの前記した式(5)で表される有機アンモニウムイオンの形成に使用されるアミン類等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明の化合物の代表的な使用法としては、インク組成物のためのブラック色素としての使用が挙げられる。液体の媒体中に本発明のアゾ化合物を溶解した溶液、例えば、本発明のアゾ化合物を含む水性組成物は、各種材料の着色に使用することができる。例えば繊維類の染色用に、インク組成物の製造用に、またはインク組成物として使用することが出来る。
例えば、本発明のアゾ化合物を含む反応液、例えば後述する実施例1(4)における反応液などは、インク組成物の製造に直接使用する事が出来る。しかし、通常は、まずこれを乾燥、例えばスプレー乾燥させて該アゾ化合物を分離するか、または、該反応液への塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム等の無機塩類の添加による塩析、該反応液への塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸の添加による酸析、あるいは前記した塩析と酸析を組み合わせた酸塩析によって本発明のアゾ化合物を析出させ、濾過分離等によりこれを取り出し、次にこれを用いてインク組成物を調製する。
本発明のインク組成物は、本発明のアゾ化合物を通常0.1〜20質量%、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%含有する、水を主要な媒体とする組成物である。本発明のインク組成物には、さらに水溶性有機溶剤を例えば0〜30質量%、インク調製剤を例えば0〜15質量%、好ましくは0〜10質量%含有していても良い。なお、インク組成物のpHとしては、保存安定性を向上させる点で、pH5〜11が好ましく、pH7〜10がより好ましい。また、インク組成物の表面張力としては、25〜70mN/mが好ましく、25〜60mN/mがより好ましい。さらに、インク組成物の粘度としては、30mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下がより好ましい。本発明のインク組成物のpHおよび表面張力は後記するようなpH調整剤および界面活性剤で適宜調整することができる。
本発明のインク組成物は、前記のように本発明のアゾ化合物を水または水溶性有機溶剤(水と混和可能な有機溶剤)に溶解し、必要に応じインク調製剤を添加することにより製造することができる。このインク組成物をインクジェットプリンタ用のインクとして使用する場合、本発明のアゾ化合物としては、金属陽イオンの塩化物、硫酸塩等の無機物の含有量が少ないものを用いるのが好ましく、その含有量の目安は例えば1質量%以下(対色素総質量)程度である。無機物の少ない本発明のアゾ化合物を製造するには、例えば逆浸透膜による通常の方法または本発明のアゾ化合物の乾燥品あるいはウェットケーキをメタノール等のアルコールおよび水の混合溶媒中で撹拌し、濾過分離後乾燥するなどの方法で脱塩処理すればよい。
前記インク組成物の調製に使用する水溶性有機溶剤の具体例としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等の(C1〜C4)アルカノール;N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;2−ピロリドン、N−メチルピロリジン−2−オン等のラクタム;1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オンまたは1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿素類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等の脂肪族ケトンまたは脂肪族ケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール等の(C2〜C6)アルキレン単位を有するモノ−、オリゴ−またはポリアルキレングリコールまたはチオグリコール;グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(好ましくはトリオール);エチレングリコールモノメチルエーテルまたはモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルまたはモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルまたはモノエチルエーテル等の多価アルコールのモノまたはジ(C1〜C4)アルキルエーテル;γ−ブチロラクトンまたはジメチルスルホキシド等があげられる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記インク組成物の調製において用いられるインク調製剤は、例えば防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、染料溶解剤、酸化防止剤、界面活性剤などがあげられる。以下にこれらの薬剤について説明する。
防黴剤の具体例としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンおよびその塩等が挙げられる。これらはインク組成物中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
防腐剤の例としては、例えば有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。
有機ハロゲン系化合物の具体例としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられる。
ピリジンオキシド系化合物の具体例としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられる。
イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。
その他の防腐防黴剤の具体例として、ソルビン酸ソーダ、安息香酸ナトリウム、無水酢酸ソーダ等があげられる。
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずに、インクのpHを例えば5〜11の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。その具体例としては、例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミンなどのアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム(アンモニア水)、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩、ケイ酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム等の無機塩基;および酢酸カリウム等の有機酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。
キレート試薬の具体例としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
防錆剤の具体例としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグルコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトなどが挙げられる。
水溶性紫外線吸収剤の例としては、例えばスルホン化したベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾ−ル系化合物、サリチル酸系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物が挙げられる。
水溶性高分子化合物の具体例としては、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等があげられる。
染料溶解剤の具体例としては、例えばε−カプロラクタム、エチレンカーボネート、尿素などが挙げられる。
酸化防止剤の例としては、例えば、各種の有機系および金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤の例としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、複素環類、等が挙げられる。
界面活性剤の例としては、例えばアニオン系、カチオン系、ノニオン系などの公知の界面活性剤が挙げられる。
アニオン界面活性剤の例としてはアルキルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸およびその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩などが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体などがある。
両性界面活性剤の具体例としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体などがある。
ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどのアセチレングリコール(アルコール)系(例えば、日信化学工業株式会社製、商品名サーフィノール104、105、82、465、オルフィンSTGなど)、などが挙げられる。これらのインク調製剤は、単独もしくは混合して用いられる。
本発明のインク組成物は前記各成分を任意の順序で混合、撹拌することによって得られる。得られたインク組成物は、所望により、狭雑物を除く為にメンブランフィルター等で濾過を行ってもよい。また、インク組成物としての黒の色味を調整するため、本発明のアゾ化合物以外に、種々の色相を有する他の色素を混合してもよい。その場合は、他の色相を有する黒や、イエロー、マゼンタ、シアン、およびレッドやブルーなどのその他の色の色素を混合して用いることができる。
本発明のインク組成物は、各種分野において使用することができるが、筆記用水性インク、水性印刷インク、情報記録インク等に好適である。特にインクジェット用インク(組成物)として適しており、後述する本発明のインクジェット記録方法において好適に使用される。
次に、本発明のインクジェット記録方法について説明する。本発明のインクジェット記録方法は、前記本発明のインク組成物を用いて記録を行うことを特徴とする。本発明のインクジェット記録方法においては、前記本発明のインク組成物をインクジェットにより、小滴として吐出させ、被記録材料に付着させることにより、被記録材料に記録を行う。インクジェットに使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的やインクジェットの方式に応じて適宜選択することができる。インクジェットの方式としては、公知の方法、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等を採用することができる。なお、前記インクジェット方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式も含まれる。また、画質の改良などのため、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いる方式や無色透明のインクを用いる方式等も含まれる。
本発明のアゾ化合物を含む水性組成物は、セルロースからなる材料を染色することも可能である。また、その他カルボンアミド結合を有する材料にも染色が可能で、皮革、織物、紙などの染色に幅広く用いることができる。
本発明の着色体は前記の本発明のアゾ化合物で着色されたものは何れをも含む。通常はこれを含有する本発明の水性組成物、特に本発明のインク組成物で種々の物品を着色することにより得ることができる。より好ましくは本発明のインク組成物を用いてインクジェットプリンタによって、被記録材料等の種々の物品を着色することにより得ることができる。着色されうるものとしては、例えば紙、フィルム等の情報伝達用シート、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等が挙げられる。このうち情報伝達用シートとしては、表面処理されたもの、具体的には紙、合成紙、フィルム等の基材にインク受容層を設けたものが好ましい。インク受容層は、例えば上記基材にカチオン系ポリマーを含浸あるいは塗工することにより、また多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックスなどのインク中の色素を吸収し得る多孔性白色無機物をポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に上記基材表面に塗工することにより設けられる。このようなインク受容層を設けたものは通常インクジェット専用紙(フィルム)、光沢紙(フィルム)等と呼ばれ、例えばプロフェッショナルフォトペーパー、スーパーフォトペーパー、マットフォトペーパー(いずれもキヤノン株式会社製)、写真用紙(光沢)、PMマット紙、クリスピア(いずれもセイコーエプソン株式会社製)、アドバンスフォトペーパー、プレミアムプラスフォト用紙、プレミアム光沢フィルム、フォト用紙(いずれも日本ヒューレット・パッカード株式会社製)、フォトライクQP(コニカ株式会社製)等として市販品が入手可能である。なお、普通紙も利用できることはもちろんである。
これらのうち、特に多孔性白色無機物を表面に塗工した情報伝達用シートに記録した画像がオゾンガスによって変退色が大きくなることが知られているが、本発明のインク組成物は耐オゾンガス性が優れているため、このような被記録材への記録の際に特に効果を発揮する。
本発明のインクジェット記録方法で、情報伝達用シート等の被記録材に記録するには、インクジェットにより、本発明のインク組成物の小滴を被記録材に付着させればよい。例えば上記のインク組成物を含有する容器をインクジェットプリンタの所定位置にセットし、通常の方法で、インクを吐出させ、被記録材に記録すればよい。本発明のインクジェット記録方法では、黒色の本発明のインク組成物を、公知のマゼンタインク組成物、シアンインク組成物、イエローインク組成物、必要に応じて、グリーンインク組成物、ブルー(またはバイオレット)インク組成物およびレッド(またはオレンジ)インク組成物と併用することができる。各色のインク組成物は、それぞれの容器に注入され、その容器は、本発明のインクジェット記録用水性ブラックインク組成物を含有する容器と同様に、インクジェットプリンタの所定位置に装填され、本発明のインク組成物と共に、フルカラーでの記録等に使用される。
本発明のアゾ化合物は水溶解性に優れ、このアゾ化合物を含有する本発明のインク組成物は長期間保存後の結晶析出、物性変化、色変化等もなく、貯蔵安定性が良好である。又、本発明のアゾ化合物を含有する記録用ブラックインク組成物は、インクジェット記録用、筆記具用として適しており、該インク組成物で、普通紙およびインクジェット専用紙に記録した場合、その記録画像は印字濃度の高い黒色を呈し、さらにその耐オゾンガス性および耐光性に優れ、ブロンジング現象も起こさない。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、本文中「部」および「%」とあるのは、特別の記載のない限り質量基準である。又、下記の各式において、スルホなどの酸性官能基は遊離酸の形で記載するものとする。また、溶解度は水に対する室温(通常20〜30℃)での溶解度である。
実施例1
(1)下記式(14)の化合物(C.I.Acid Yellow 9)5.4部を水40部に懸濁し、そこへの水酸化ナトリウムの添加によりpH値を4.0〜5.0とし溶解した。この溶液に35%塩酸6.0部の添加後、15〜25℃ で40%亜硝酸ナトリウム水溶液2.9部を添加し、ジアゾ化した。
式(14)
Figure 2008056626
このジアゾ懸濁液を、特開2004−083492に記載の方法で得られる下記式(15)の化合物3.6部を水30部に、水酸化ナトリウムの添加によりpH4.5〜5.5として溶解した溶液に、15〜25℃で約30分かけ滴下した。滴下中は炭酸ナトリウムの添加により溶液のpH値を4.0〜5.0に保持した。その後2時間攪拌し、35%塩酸の添加により酸析し、析出物を濾過分離して、下記式(16)のジスアゾ化合物を含むウェットケーキを得た。

式(15)
Figure 2008056626

式(16)
Figure 2008056626
(2)上記(1)で得られた式(16)のジスアゾ化合物を含むウェットケーキを水130部に溶解した。そこに、35%塩酸4.0部の添加後、20〜35℃で40%亜硝酸ナトリウム水溶液2.4部を添加し、ジアゾ化した。このジアゾ懸濁液を、式(15)の化合物2.9部を水25部に、水酸化ナトリウムの添加によりpH4.5〜5.5として溶解した溶液に、15〜25℃で約30分かけ滴下した。滴下中は炭酸ナトリウムの添加により溶液のpH値を3.5〜4.5に保持した。その後該溶液を2時間攪拌し、塩化ナトリウムの添加により塩析し、析出物を濾過分離して、下記式(17)のトリスアゾ化合物を含むウェットケーキを得た。
式(17)
Figure 2008056626
(3)2−(シアノメチル)ベンズイミダゾールとアセト酢酸エチルをエタノール中、ナトリウムメトキシドの存在下に加熱反応させ、反応液への希塩酸の添加により酸析して、下記式(18)の化合物8.9部を得た。それを6%発煙硫酸64部中に15〜25℃でゆっくり添加した。添加後、得られた液を同温度で2時間撹拌した後、190部の氷水中に約10分で滴下した。析出した結晶を濾過分離し、それを、希塩酸に塩化ナトリウムを溶解させた溶液で洗浄し、乾燥して、下記式(19)の化合物10.7部を得た。

式(18)
Figure 2008056626

式(19)
Figure 2008056626
(4)前記(2)で得られた式(17)のトリスアゾ化合物を含むウェットケーキを水150部に水酸化ナトリウムの添加によりpH値を6.0〜7.0として溶解し、ここに40%亜硝酸ナトリウム水溶液2.1部を添加後、この溶液を35%塩酸4.7部と水40部の混合液中に20〜35℃で滴下しジアゾ化した。このジアゾ懸濁液を、上記(3)で得られた式(19)の化合物3.0部を、水50部に水酸化ナトリウムの添加によりpH値を8.0〜9.0として溶解した溶液に、20〜35℃で滴下した。滴下中は炭酸ナトリウムの添加によりpH値を7.0〜8.0に保持した。滴下後、得られた液を同温度で6時間撹拌し、塩化ナトリウムの添加により塩析し、析出物を濾過分離した。得られたウェットケーキを水150部に溶解後、メタノール120部の添加により晶析し、析出物を濾過分離した。得られたウェットケーキを更に水150部に溶解後、メタノール180部の添加により晶析し、析出物を濾過分離し、乾燥して本発明の下記式(20)のアゾ化合物(表2におけるNo.1の化合物)9.6部をナトリウム塩として得た。この化合物のpH7〜8の水溶液中での最大吸収波長(λmax)は580nmであり、溶解度は100g/L以上であった。

式(20)
Figure 2008056626
実施例2
(1)前記式(19)の化合物6.0部を95%硫酸40部に溶解し、60℃に加熱後1.5時間撹拌した。室温に冷却後、得られた反応液を120部の氷水中に滴下し、続いて塩化ナトリウムの添加後、結晶を濾過分離した。塩化ナトリウムを溶解させた希塩酸水で結晶をロート上で洗浄後、乾燥して下記式(21)の化合物5.1部を得た。
式(21)
Figure 2008056626
(2)実施例1の(4)において、式(19)の化合物3.0部を上記式(21)の化合物3.2部に代える以外は実施例1と同様にして、本発明の下記式(22)のアゾ化合物(表2におけるNo.2の化合物)9.7部をナトリウム塩として得た。この化合物のpH7〜8の水溶液中での最大吸収波長(λmax)は573nmであり、溶解度は100g/L以上であった。

式(22)
Figure 2008056626
実施例3
(1)水30部に2−アミノベンゼン−1,5−ジスルホン酸3.9部を溶解し、そこに35%塩酸2.2部を添加後、液温を0〜5℃とし、そこに40%亜硝酸ナトリウム水溶液2.7部を滴下しジアゾ化した。このジアゾ溶液に、前記式(15)の化合物4.3部を水50部に水酸化ナトリウムの添加によりpH値を4.5〜5.5として溶解させた液を約20分かけて滴下した。滴下後、得られた液を10〜20℃で4時間撹拌し、下記式(23)の化合物を含む溶液を得た。

式(23)
Figure 2008056626
(2)実施例1の(1)において、式(14)の化合物5.4部を使用する代わりに上記(1)で得られた式(23)の化合物を含む溶液を使用する以外は実施例1と同様にして、本発明の下記式(24)のアゾ化合物(表2におけるNo.6の化合物)8.9部をナトリウム塩として得た。この化合物のpH7〜8の水溶液中での最大吸収波長(λmax)は581nmであり、溶解度は100g/L以上であった。
式(24)
Figure 2008056626
実施例4〜6
(A)インクの調製
下記する各成分を混合し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過する事により夾雑物を除去することにより黒色の本発明のインク組成物を得た。
水はイオン交換水を使用した。インク調製時において、インクのpHは水酸化ナトリウムにてpH7〜9に調整し、その後イオン交換水を加えることにより総量100部とした。
表4
上記各実施例1〜3で得られた化合物 4.0部
グリセリン 5.0部
尿素 5.0部
N−メチル−2−ピロリドン 4.0部
イソプロピルアルコール 3.0部
ブチルカルビトール 2.0部
界面活性剤 0.1部
(商品名サーフィノール104 日信化学工業株式会社製)
水+水酸化ナトリウム 76.9部
計 100.0部
表4において、上記実施例1〜3で得られた各化合物として前記式(20)、(22)および(24)の各化合物を用いた。それぞれ得られた本発明のインク組成物およびそれを用いた試験をそれぞれ実施例4、5および6とする。
これらの水性インク組成物は、貯蔵中、沈殿分離が生ぜず、また長期間保存後においても物性の変化は生じなかった。
比較例1
水溶性インクジェット用色素として、特許文献1の表1−1の1の色素(下記式(25))を用いる以外は、前記表4(実施例4〜6)と同様の組成で比較例1のインク組成物を調製した。

式(25)
Figure 2008056626
比較例2
比較例1と同様に、水溶性インクジェット用色素として、特許文献3の実施例1で説明される色素AN−250(下記式(26))を用いる以外は前記表4(実施例4〜6)と同様の組成で比較例2のインク組成物を調製した。

式(26)
Figure 2008056626
(B)インクジェットプリント
上記で得られたインク組成物を使用し、インクジェットプリンタ(商品名 PIXUS iP4100 Canon社製 )により、専用光沢紙1(キヤノン株式会社製、商品名:プロフェッショナルフォトペーパー PR−101)、専用光沢紙2(EPSON株式会社製、商品名:写真用紙<光沢> KA420PSK)の2種の紙にインクジェット記録を行った。
印刷の際は、反射濃度が数段階の階調で得られるように画像パターンを作り、黒色の印字物を得た。
耐光性試験、耐オゾンガス性試験の評価は測色機(SpectroEye GRETAG−MACBETH社製)を用い、試験前の印刷物の反射濃度D値が1.0に最も近い階調部分を用いて行った。
(C)記録画像の評価
本発明の水性インク組成物による記録画像において、耐光性試験後および耐オゾンガス性試験後の濃度変化について評価を行った。尚、試験は専用光沢紙1、2について行った。その結果を表5に示した。具体的な試験方法は下記に示した。
1)耐光性試験
キセノンウェザオメーター(Ci4000 ATLAS社製)を用い、0.36W/平方メートル照度、湿度60%RH、温度24℃の条件で50時間照射した。試験終了後、上記の測色機を用いて測色し、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で求め以下の基準で評価を行った。
○ 残存率:90%以上
△ 残存率:90%未満で80%以上
× 残存率:80%未満
結果を表5に示す。
2)耐オゾンガス性試験
オゾンウェザオメーター(スガ試験機社製)を用いてオゾン濃度を12ppm、湿度60%RH、温度24℃で印刷サンプルを4時間放置した。試験終了後、上記の測色機を用いて測色し、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で求め以下の基準で評価を行った。
○ 残存率:70%以上
△ 残存率:60%以上70%未満
× 残存率:60%未満
結果を表5に示す。
表5
耐光性 耐オゾンガス性
実施例4 (式(20))
専用光沢紙1 ○ ○
専用光沢紙2 ○ ○
実施例5 (式(22))
専用光沢紙1 ○ ○
専用光沢紙2 ○ ○
実施例6 (式(24))
専用光沢紙1 ○ ○
専用光沢紙2 ○ ○
比較例1 (式(25))
専用光沢紙1 × ×
専用光沢紙2 △ ○
比較例2 (式(26))
専用光沢紙1 × ×
専用光沢紙2 △ ○
表5の結果より明らかなように、本発明のアゾ化合物を含有するインク組成物により記録された画像は、従来の黒色染料(比較例)の画像と比較して耐オゾンガス性では同等かそれ以上の堅牢性を示し、いずれの専用光沢紙においても良好な結果が得られた。すなわち比較例1および2は専用光沢紙1を用いた場合に色素残存率が60%未満であるのに対して本発明の実施例4〜6はいずれの専用光沢紙を用いた場合にも70%以上の色素残存率を示した。また耐光性においてはより明確に差が現れ、本発明のアゾ化合物を含有するインク組成物である実施例4〜6はいずれの専用光沢紙を用いた場合においても色素残存率が90%以上を示したが、比較例1および2は専用光沢紙2を用いた場合にはいずれも90%未満80%以上、さらに専用光沢紙1を用いた場合にはいずれも80%未満の色素残存率であり、これらの結果に比べて本発明の実施例4〜6は著しく良好な結果が得られた。これにより本発明のアゾ化合物により記録された画像の堅牢度は極めて優れていることがわかる。
また本発明のアゾ化合物は溶解度が高く安定なので、高濃度のインクが設計できる。
本発明のアゾ化合物を含有するインク組成物はインクジェット記録用、筆記用具用ブラックインク液として好適に用いられる。

Claims (13)

  1. 下記式(1)で表されるアゾ化合物またはその塩
    Figure 2008056626

    {式中、基Aは置換フェニル基であり、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基、アセチルアミノ基、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、スルファモイル基、(C1〜C4)アルキル基、(C1〜C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基およびカルボキシ基からなる群から選択される基で置換されていても良い)、および(C1〜C4)アルキルスルホニル基(ヒドロキシ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されていても良い)からなる群から選択される少なくとも一つの置換基を有する、
    1は(C1〜C4)アルキル基(カルボキシ基で置換されていても良い)、フェニル基(スルホ基で置換されていても良い)、またはカルボキシ基を表す、
    2はシアノ基、カルバモイル基またはカルボキシ基を表す、
    3およびR4はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、塩素原子またはスルホ基を表す、
    5からR10はそれぞれ独立して水素原子、カルボキシ基、スルホ基、アセチルアミノ基、(C1〜C4)アルキル基または(C1〜C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されていても良い)を表す}。
  2. 基Aの置換基の少なくともひとつがスルホ基またはカルボキシ基であり、R5およびR6、R7およびR8、およびR9およびR10の3種類の置換基の組合せのうち、少なくともそれぞれの組合せの一方の置換基がスルホ基またはスルホプロポキシ基である請求項1に記載のアゾ化合物。
  3. 下記式(2)で表される請求項1に記載のアゾ化合物
    Figure 2008056626

    {式中、R5はスルホ基、スルホエトキシ基、スルホプロポキシ基またはスルホブトキシ基を、R7およびR9はスルホエトキシ基、スルホプロポキシ基またはスルホブトキシ基を、R6、R8およびR10はそれぞれ独立して水素原子、アセチルアミノ基、メチル基、エチル基、メトキシ基またはエトキシ基を、R11、R12およびR13はそれぞれ独立して、水素原子、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基、アセチルアミノ基、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、スルファモイル基、(C1〜C4)アルキル基、(C1〜C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基およびカルボキシ基からなる群から選択される基で置換されていても良い)、または(C1〜C4)アルキルスルホニル基(ヒドロキシ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されていても良い)をそれぞれ表し、 R11、R12およびR13 の少なくとも何れか一つは水素原子以外の基を表す}。
  4. 1がメチル基、R2がシアノ基またはカルバモイル基、R3が水素原子、R4がスルホ基である請求項1または3に記載のアゾ化合物。
  5. 11、R12およびR13が、R11、R12およびR13 の少なくとも何れか一つは水素原子以外の基を表すことを条件に、それぞれ独立して、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、スルホプロピルスルホニル基またはアセチルアミノ基、R1がメチル基、R2がシアノ基またはカルバモイル基、R3が水素原子、R4がスルホ基、R5がスルホ基またはスルホプロポキシ基、R7およびR9がスルホプロポキシ基、R6、R8およびR10がそれぞれ独立して水素原子またはメチル基である請求項3に記載のアゾ化合物。
  6. 11〜R13のベンゼン環上の置換位置がアゾ基の置換位置を1位とした場合に、R11が2位または3位、R12が4位およびR13が5位であり、R11が水素原子、スルホ基またはカルボキシ基であり、R12が水素原子、スルホ基、アセチルアミノ基またはスルホプロピルスルホニル基であり、R13が水素原子またはスルホ基であり、R11、R12およびR13 の少なくとも何れか一つは水素原子以外の基であり、R1がメチル基またはn−プロピル基であり、R2がシアノ基またはカルバモイル基であり、R3が水素原子であり、R4がスルホ基であり、R5がスルホ基またはスルホプロポキシ基であり、R6が水素原子またはメチル基であり、R7およびR9がスルホプロポキシ基であり、R8およびR10がメチル基である請求項3に記載のアゾ化合物。
  7. 12がスルホ基でその置換位置がアゾ基に対してパラ位、R11およびR13が水素原子、R1がメチル基、R2がシアノ基またはカルバモイル基、R3が水素原子、R4がスルホ基、R5がスルホ基、R6が水素原子であり、R7およびR9がスルホプロポキシ基、R8およびR10がメチル基である請求項3に記載のアゾ化合物。
  8. 請求項1に記載のアゾ化合物を少なくとも1種含有することを特徴とするインク組成物。
  9. 請求項8に記載のインク組成物を、インクジェットにより被記録材に付着させることを特徴とするインクジェット記録方法。
  10. インクジェット記録方法における被記録材が情報伝達用シートである請求項9に記載のインクジェット記録方法。
  11. 情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有するものである請求項10に記載のインクジェット記録方法。
  12. 請求項8に記載のインク組成物を含む容器を装填したインクジェットプリンタ。
  13. 請求項1に記載のアゾ化合物によって着色された着色体。
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