JP5382783B2 - アゾ化合物、インク組成物、記録方法及び着色体 - Google Patents
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Description
1)
下記式(1)で表されるアゾ化合物又はその塩、
nは0乃至2の整数であり、
R1はカルボキシ基;C1−C4アルキル基;カルボキシ基で置換されたC1−C4アルキル基;フェニル基;又は、スルホ基で置換されたフェニル基;であり、
R2はシアノ基;カルバモイル基;又はカルボキシ基;であり、
R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子;塩素原子;スルホ基;C1−C4アルキル基;又は、C1−C4アルコキシ基;であり、
R5からR7はそれぞれ独立に、水素原子;塩素原子;ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;置換基として、ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルコキシ基;モノ又はジC1−C4アルキルアミノ基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたモノ又はジC1−C4アルキルアミノ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;置換基として、ヒドロキシ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;N’−C1−C4アルキルウレイド基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたN’−C1−C4アルキルウレイド基;フェニルアミノ基;置換基として、塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で、ベンゼン環が置換されたフェニルアミノ基;ベンゾイルアミノ基;置換基として、塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で、ベンゼン環が置換されたベンゾイルアミノ基;フェニルスルホニルアミノ基;又は、置換基として、塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で、ベンゼン環が置換されたフェニルスルホニルアミノ基;をそれぞれ表し、
X、Y、及びZはそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、又は下記式(22)で表される基を表し、
基Aは、フェニル基;又は、置換されたフェニル基;を表し、
基Bは、フェニレン基;又は、置換されたフェニレン基;を表す。]、
下記式(2)で表される上記1)に記載のアゾ化合物又はその塩、
下記式(3)で表される上記1)又は2)に記載のアゾ化合物又はその塩、
基Aが下記式(4)で表される基である、上記1)乃至3)のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩、
R10から12はそれぞれ独立に、水素原子;塩素原子;ヒドロキシ基;ニトロ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;置換基として、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;置換基として、ヒドロキシ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;C1−C4アルキルスルホニル基;又は、置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルキルスルホニル基;を表す。]、
基Bが下記式(5)で表される基である、上記1)乃至4)のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩、
R13から15は、それぞれ独立に水素原子;スルホ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;又は、置換基として、ヒドロキシ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;を表す。]、
下記式(101)で表される上記1)に記載のアゾ化合物又はその塩、
R10から12はそれぞれ独立に、水素原子;塩素原子;ヒドロキシ基;ニトロ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;置換基として、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ヒドロキシ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;C1−C4アルキルスルホニル基;又は、置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルキルスルホニル基;を表し、
R13から15は、それぞれ独立に水素原子;スルホ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;又は、置換基として、ヒドロキシ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;を表す。]、
R8が水素原子;スルホ基で置換されたフェニル基;カルボキシ基で置換されたフェニル基;C1−C4アルキル基;又は、置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルキル基;である上記1)乃至6)のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩、
8)
R1がメチル基、R2がシアノ基又はカルバモイル基、R3及びR4のいずれか一方が水素原子、他方がスルホ基である上記1)乃至7)のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩、
9)
R5及び7が、それぞれ独立に水素原子;塩素原子;C1−C4アルキル基;スルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;又は、ベンゾイルアミノ基;を表し、
R6が水素原子である、上記1)乃至8)のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩、
10)
R5がスルホプロポキシ基又はスルホブトキシ基、R6が水素原子、R7が水素原子、メチル基、アセチルアミノ基又はベンゾイルアミノ基である上記1)乃至9)のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩、
11)
X、Y及びZが、R9が水素原子である式(22)で表される基であり、
R8が2−スルホエチル基である上記1)乃至10)のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩、
12)
nが1であり、
R1がC1−C4アルキル基であり、
R2がシアノ基であり、
R3又はR4のいずれか一方が水素原子、他方がスルホ基であり、
R5がスルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基であり、
R6が水素原子であり、
R7が塩素原子;C1−C4アルキル基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;又はベンゾイルアミノ基;であり、
R5、R6及びR7の置換位置が、ベンズイミダゾロピリドン環と結合するアゾ基の置換位置を1位として、それぞれ2位、6位及び5位であり、
X、Y及びZが、R9が水素原子で表される式(22)で表される基であり、
R8がスルホ基で置換されたC1−C4アルキル基;であり、
R10からR12はそれぞれ独立に水素原子;ニトロ基;スルホ基;カルボキシ基;又は、C1−C4アルコキシ基;であり、
R13はスルホ基;C1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;又は、スルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;であり、
R14は水素原子であり、
R15は水素原子;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;又は、スルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;である、
上記6)に記載のアゾ化合物又はその塩、
13)
nが1、
R1がメチル基、
R2がシアノ基、
R3及びR4のいずれか一方が水素原子、他方がスルホ基、
R5がスルホプロポキシ基、
R6が水素原子、
R7がメチル基、
R5、R6及びR7の置換位置が、ベンズイミダゾロピリドン環と結合するアゾ基の置換位置を1位として、それぞれ2位、6位及び5位であり、
X、Y及びZはいずれも、R9が水素原子である式(22)で表される基、
R8が2−スルホエチル基、
R10乃至R12のうち二つがスルホ基で一つが水素原子であり、
R13がスルホプロポキシ基、R14が水素原子、R15がメチル基である、上記6)に記載のアゾ化合物又はその塩、
14)
上記1)乃至13)のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩を、色素として少なくとも1種含有するインク組成物、
15)
上記14)に記載のインク組成物をインクとして用い、該インクのインク滴を記録信号に応じて吐出させて、被記録材へ記録を行うインクジェット記録方法、
16)
被記録材が情報伝達用シートである上記15)に記載のインクジェット記録方法、
17)
情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有するインク受容層を有するシートである上記16)に記載のインクジェット記録方法、
18)
上記14)に記載のインク組成物を含む容器を装填したインクジェットプリンタ、
19)
上記1)乃至13)のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩によって着色された着色体、
に関する。
本発明のアゾ化合物は水溶解性に優れるので、インク組成物を製造する過程でのメンブランフィルターによるろ過性が良好であり、該化合物を含有するインク組成物又は、インクジェットプリンタにおける吐出安定性にも優れている。
又、本発明のアゾ化合物を含有するインク組成物は、各種記録用、特にインクジェット記録用として好適に用いられ、インクジェット専用紙に記録した画像の印字濃度が非常に高く、演色性に優れ、さらに耐光性と耐オゾンガス性が共に優れている。
このように本発明のアゾ化合物又はその塩、及びこれを含有するインク組成物は、インクジェット記録用ブラックインクとして極めて有用である。
本発明のアゾ化合物又はその塩は、黒色色素である。以下、便宜上、「本発明のアゾ化合物又はその塩」の両者を含めて、単に「本発明のアゾ化合物」と簡略して記載する。
上記式(1)で表されるアゾ化合物は互変異性体を有し、この互変異性体としては、式(1)で表される化合物以外に下記式(6)及び(7)等が考えられる。これらの互変異性体も本発明に含まれる。なお、下記式(6)及び(7)において、n、X、Y、Z、基A、基B、R1乃至R8、及びR5乃至R7が置換している環は、破線で表される環を含めて上記式(1)におけるのと同じ意味を有する。
式(1)における好ましいR1の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、t−ブチル、フェニルであり、より好ましくはメチル、n−プロピル、フェニルであり、さらに好ましくはメチルである。
また、上記のN’−C1−C4アルキルウレイド基としては、非置換であるより置換基を有するものが好ましい。
より好ましい組み合わせとしては、上記のうち、R5がスルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;R6が水素原子;R7がC1−C4アルキル基;の組み合わせが挙げられる。
また、式(22)中、R9は、水素原子又はC1−C4アルキル基を表す。
R9におけるC1−C4アルキル基としては、上記R1におけるC1−C4アルキル基と、好ましいもの等を含めて同じものがあげられる。
上記のうち、R9としては水素原子が好ましい。
また、上記のうち、基Aの置換基としては、ニトロ基、スルホ基、カルボキシ基、又はC1−C4アルコキシ基が好ましく、中でもスルホ基が特に好ましい。
基Aの置換基が2つのとき、2つの置換基の置換位置は、基Aに結合するアゾ基の置換位置を1位として、上記組合せにおける前者の置換基が2位、後者の置換基が4位に、それぞれ置換するのが好ましい。
上記のうち、基Bの置換基としては、スルホ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、又は、ヒドロキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基、又はスルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基が好ましい。
基Bにおける置換基の置換位置は、Yに結合する結合手の置換位置を1位、基Aに結合するアゾ基との結合手の置換位置を4位として、置換基が1つのとき2位、2つのとき2位及び5位、3つのとき2位、5位及び6位に置換したものが好ましい。
上記式(4)中、R10からR12におけるC1−C4アルキル基としては、好ましいもの等を含めて上記R1におけるC1−C4アルキル基と同じものが挙げられる。
R10からR12の置換位置は特に制限されないが、好ましくはアゾ基の置換位置を1位として、2つが水素原子の場合には他の1つが4位;1つが水素原子の場合には他の2つが2位及び4位、2位及び5位、より好ましくは2位及び4位;である。
また、下記(i)の組合せのとき、R12の置換位置は、アゾ基の置換位置を1位として4位が好ましい。
また、下記(ii)の組合せのとき、同様に、R10及びR12の置換位置はそれぞれ、2位及び4位であるのが好ましい。
(i)
R10及びR11が水素原子、R12がニトロ基、スルホ基、カルボキシ基、又はC1−C4アルコキシ基(好ましくは、R12がスルホ基)である組合せ。
(ii)
R10がニトロ基、スルホ基、カルボキシ基、又はC1−C4アルコキシ基(好ましくは、R10がスルホ基)、R11が水素原子、R12がニトロ基、スルホ基、カルボキシ基、又はC1−C4アルコキシ基(好ましくは、R12がニトロ基、スルホ基、又はC1−C4アルコキシ基、より好ましくはスルホ基)である組合せ。
R13の置換位置は、特に制限されないが、Yに結合する結合手の置換位置を1位、基Aに結合するアゾ基との結合手の置換位置を4位、R15の置換位置を5位、R14の置換位置を6位として、2位又は3位であり、2位が好ましい。
式(101)中、n、X、Y、Z、及びR1からR8は、上記式(1)におけるのと同じ意味を表し、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。また、R10からR12、及びR13からR15は、それぞれ上記式(4)及び式(5)におけるのと同じ意味を表し、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
また、式(101)中、R5からR7の置換位置は、式(2)と同じであるのが好ましく、式(3)と同じであるのがより好ましい。
式(8)中、Z1、Z2、Z3、Z4におけるアルキル基の具体例としてはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル等が挙げられる。
ヒドロキシアルキル基の具体例としてはヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル等のヒドロキシC1−C4アルキル基が挙げられる。
ヒドロキシアルコキシアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−ヒドロキシエトキシプロピル、2−ヒドロキシエトキシプロピル、4−ヒドロキシエトキシブチル、3−ヒドロキシエトキシブチル、2−ヒドロキシエトキシブチル等ヒドロキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキル基が挙げられる。
これらのうち、ヒドロキシエトキシC1−C4アルキルが好ましい。
特に好ましいものとしては水素原子;メチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル等のヒドロキシC1−C4アルキル基、ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−ヒドロキシエトキシプロピル、2−ヒドロキシエトキシプロピル、4−ヒドロキシエトキシブチル、3−ヒドロキシエトキシブチル、2−ヒドロキシエトキシブチル等のヒドロキシエトキシC1−C4アルキル基が挙げられる。
下記式(9)で表される化合物を常法によりジアゾ化し、これと下記式(10)で表される化合物を常法によりカップリング反応させ下記式(11)で表される化合物を得る。
各表においてスルホ基及びカルボキシ基等の官能基は、便宜上、遊離酸の形で記載する。
酸化防止剤の例としては、例えば、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤の例としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類又は複素環類等が挙げられる。
アニオン界面活性剤の例としてはアルキルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸塩又はジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体又はポリ4−ビニルピリジン誘導体等がある。
両性界面活性剤の具体例としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、又はイミダゾリン誘導体等がある。
ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレンアルコール系;その他の具体例として例えば、日信化学社製、商品名サーフィノール104、105、82、465、オルフィンSTG等が挙げられる。
これらのインク調製剤は、単独もしくは混合して用いられる。
公知の方法、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式;ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式);電気信号を音響ビームに変えインクに照射し、その放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式;インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット、すなわちバブルジェット(登録商標)方式;等を採用することができる。
なお、前記インクジェット記録方法には、フォトインクと称する、インク中の色素濃度(色素含有量)の低いインクを、小さい体積で多数射出する方式;実質的に同じ色相でインク中の色素濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式;及び無色透明のインクを用いる方式等も含まれる。
着色されうる被記録材として特に制限はないが、例えば紙、フィルム等の情報伝達用シート、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等が挙げられ、中でも情報伝達用シートが好ましい。
情報伝達用シートとしては、表面処理されたもの、具体的には紙、合成紙、フィルム等の基材にインク受容層を設けたものが好ましい。インク受容層は、例えば上記基材にカチオン系ポリマーを含浸あるいは塗工する方法;又は多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックス等のインク中の色素を吸収し得る無機微粒子をポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に上記基材表面に塗工する方法;等により設けられる。このようなインク受容層を設けたものは通常インクジェット専用紙、インクジェット専用フィルム、光沢紙、又は光沢フィルム等と呼ばれる。
上記のような多孔性白色無機物を表面に塗工したシートとして代表的な市販品の一例を挙げると、キヤノン(株)製 商品名:プロフェッショナルフォトペーパー、スーパーフォトペーパー、及びマットフォトペーパー;セイコーエプソン(株)製 商品名:写真用紙クリスピア(高光沢)、写真用紙(光沢)、フォトマット紙;日本ヒューレット・パッカード(株)製 商品名:アドバンスフォト用紙(光沢);富士フィルム(株)製 商品名:画彩写真仕上げPro;等がある。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の黒色インク組成物と、例えば公知のマゼンタ、シアン、イエロー、及び必要に応じて、グリーン、ブルー(又はバイオレット)及びレッド(又はオレンジ)等の各色のインク組成物とを併用することもできる。
各色のインク組成物は、それぞれの容器に注入され、その各容器を本発明の黒色インク組成物を含有する容器と同様にインクジェットプリンタの所定の位置にセットしてインクジェット記録に使用される。
本発明のアゾ化合物は水溶解性に優れるので、インク組成物を製造する過程でのメンブランフィルターによるろ過性が良好であり、該化合物を含有するインク組成物又は該インク組成物から調製されるインクの保存時の安定性や吐出安定性にも優れている。すなわち、本発明のアゾ化合物を含有する本発明のインク組成物は長期間保存後の固体析出、物性変化、色変化等もなく、貯蔵安定性が良好である。又、本発明のアゾ化合物を含有するインク組成物は、インクジェット記録用、筆記用具用として好適に用いられ、普通紙及びインクジェット専用紙に記録した場合、記録画像の印字濃度が非常に高く、高濃度溶液を印字した場合でもその画像にブロンジングを起こさず、演色性に優れ、さらに耐水性、耐湿性等の各種堅牢性、特に耐光性と耐オゾンガス性が共に優れている。本発明の黒色インク組成物をマゼンタ、シアン及びイエローインク組成物と併用することで各種堅牢性に優れ、保存性の優れたフルカラーのインクジェット記録が可能である。このように本発明のインク組成物はインクジェット記録用ブラックインクとして極めて有用である。
本文中「部」及び「%」とあるのは、特別の記載のない限り質量基準である。
又、下記の各式において、スルホ及びカルボキシ等の官能基は遊離酸の形で表記するものとする。
また以下に記載するpH値及び反応温度は、いずれも反応系内における測定値を示す。
また合成した化合物の最大吸収波長(λmax)はpH7〜8の水溶液中で測定し、測定した化合物については実施例中に測定値を記載した。
なお合成した本発明のアゾ化合物は、いずれも水に対して100g/L以上の溶解度を示した。
(1)
6−ニトロベンゾチアゾール40部を30%発煙硫酸240部中にゆっくり加えた。この反応液を100〜110℃で2時間撹拌した後、400部の氷水中に約10分間で滴下した。析出した固体を濾過分離し、乾燥して、下記式(13)で表される化合物45部を得た。得られた該化合物を水440部に加え、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH7〜8にした後、活性炭4.4部、無水塩化第二鉄0.8部を加え、攪拌下、80%ヒドラジン1水和物30.6部を70℃〜80℃で約30分かけて滴下した。滴下後、反応液を85〜95℃で3時間撹拌し、室温まで冷却した。不溶物を濾過分離して除去した後、50%硫酸を加えて酸析し、析出固体を濾過分離し、下記式(14)で表される化合物を含むウェットケーキを得た。
特許文献8に記載の方法で得られた下記式(15)で表される化合物を含む水溶液に25%水酸化ナトリウム水溶液を加えpH3〜4とし、式(15)で表される化合物を含有する水溶液を調製した。
一方、攪拌下、氷水300部に塩化シアヌル12.9部を加えて懸濁し、反応温度0〜5℃で先に調製した式(15)で表される化合物を含有する水溶液を加えた。この間、反応系内に炭酸ナトリウムを加えてpH値を3.5〜4.5に保持し、同温度で1時間攪拌した後、液温を40〜50℃とし、この液に前記式(14)で表される化合物を含むウェットケーキを加えた。この間、反応系内に炭酸ナトリウムを加えてpH値を6.0〜7.0に保持し、同温度で1時間攪拌した後、液温を70〜80℃とし、この液に2−アミノエタンスルホン酸35部を加えた。この間、反応系内に炭酸ナトリウムを加えてpH値を7.5〜8.5に保持し、同温度で1時間攪拌し、室温まで冷却した。反応液に35%塩酸を加えて酸析し、析出固体を濾過分離、乾燥し、下記式(16)で表される化合物を含む固体を得た。
実施例1(2)で得られた式(16)で表される化合物を含む固体を85%燐酸300部に加え、攪拌下、5〜10℃で40%ニトロシル硫酸25部を10分で滴下し、3時間反応することにより、ジアゾ反応液を得た。
水200部に下記式(17)で表される化合物6.1部、スルファミン酸7.0部、次いで水酸化ナトリウムを加えてpH5.0〜5.5とすることにより水溶液を得た。
得られた水溶液に上記のジアゾ反応液を反応温度20〜30℃、約30分間で滴下した。
滴下終了後、同温度で1時間撹拌し、アセトン500部を加えた後、析出固体を濾過分離することにより、下記式(18)で表される化合物を含むウェットケーキを得た。なお下記式(17)で表される化合物は、特開2004−083492号に記載の方法で得た。
実施例1(3)で得られた式(18)で表される化合物を含むウェットケーキを水150部に溶解し、35%塩酸4.1部を加え、反応温度20〜25℃で40%亜硝酸ナトリウム水溶液1.8部を約5分間で滴下し、1時間反応することにより、ジアゾ反応液を得た。
一方、水55部に特許文献8に記載の方法で得られた下記式(19)で表される化合物2.4部、及び水酸化ナトリウムを加えてpH7.5〜8.0とすることにより水溶液を得た。この水溶液に、上記のようにして得られたジアゾ反応液を、反応温度20〜30℃、30分間で滴下した。この間、反応系内に炭酸ナトリウムを加えてpH値を7.0〜8.0に保持した。
滴下終了後、同温度で2時間撹拌し、塩化ナトリウムを加えて塩析し、析出した固体を濾過分離することによりウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを水160部に溶解し、アセトン350部を加えた後、析出した固体を濾過分離することによりウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを水110部に溶解し、アセトン280部を加えた後、析出した固体を濾過分離し、乾燥することにより本発明の下記式(20)で表される化合物4.3部をナトリウム塩として得た。
λmax:595nm。
(A)インクの調製
下記表6に記載した各成分を混合することにより黒色の本発明のインク組成物を得た後、0.45μmのメンブランフィルターで夾雑物を濾別し、試験用のインクを得た。このインクの調製を実施例2とする。
インク調製の際、水はイオン交換水を使用した。又インク調製時において、インクのpHは水酸化ナトリウムにてpH7〜9に調整し、その後イオン交換水を加えることにより総量100部とした。
実施例1で得られた化合物 3.5部
グリセリン 5.0部
尿素 5.0部
N−メチル−2−ピロリドン 4.0部
イソプロピルアルコール 3.0部
ブチルカルビトール 2.0部
界面活性剤 0.1部
(商品名サーフィノール104 日信化学社製)
水+水酸化ナトリウム 77.4部
計 100.0部
比較対象の黒色色素として、特許文献8の実施例2−6に開示された下記式(21)で表される色素を実施例の化合物の代わりに用いる以外は、実施例2と同様にして、比較用のインクを調製した。
上記で得られた各インクを使用し、Canon社製インクジェットプリンタ、商品名 PIXUS iP4100により、情報記録シート(インクジェット専用紙)としてHP社製、商品名:アドバンスフォト用紙(光沢)にインクジェット記録を行った。記録の際は、反射濃度が数段階の階調で得られるように画像パターンを作り、黒色の記録物を得た。得られた記録物を試験片として用い、以下の評価試験を行った。
実施例2及び比較例の各インクを用いて得た各試験片は、耐光性及び耐オゾンガス性のそれぞれに対して、試験前後の画像の濃度変化について評価を行った。尚、各試験片は、印刷後24時間以上室温で乾燥したものを用いた。
試験片の濃度変化は、GRETAG−MACBETH社製の測色機、商品名:SpectroEyeを用い、試験前のプリント画像のブラック反射濃度Dk値が1.1〜1.3の範囲にある階調部分を測色することにより測定した。ブラック反射濃度Dkの測定には濃度基準としてDINを用い、視野角は2度とした。
試験結果を表7に示した。
具体的な試験方法は下記の通りである。
スガ試験機社製、商品名:オゾンウェザオメーターに試験片を設置し、オゾン濃度を40ppm、湿度60%RH、温度24℃の条件下に24時間放置した。オゾン暴露前と暴露後のそれぞれの試験片について、CIEのL*、a*、b*を測定し、下記式を用いて色差ΔEを算出した。尚、ΔL*、Δa*、Δb*は、それぞれ試験前後のL*、a*、b*の差を意味する。
ΔE=[(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2]1/2
試験結果は、以下の基準で評価を行った。評価結果を表7に記す。
◎:ΔEが10未満
○:ΔEが10以上20未満
△:ΔEが20以上30未満
×:ΔEが30以上
スガ試験機(株)社製、商品名 低温キセノンウェザオメーターXL75に試験片を設置し、10万Lux照度、湿度60%RH、温度24℃の条件で各試験片に168時間照射を行った。キセノン光の暴露前と暴露後のそれぞれの各試験片について、CIEのL*、a*、b*を測定し、下記式を用いて色差ΔEを算出した。尚、ΔL*、Δa*、Δb*は、それぞれ試験前後のL*、a*、b*の差を意味する。
ΔE=[(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2]1/2
試験結果は、以下の基準で評価を行った。評価結果を表7に記す。
○:ΔEが10未満
△:ΔEが10以上20未満
×:ΔEが20以上
上記測色システムを用い、各試験片中の最も濃く記録されている部分について、ブラックの反射濃度Dk値を測定した。実測値を下記表8に示す。Dk値は、大きい方が印字濃度が高い(濃い)ため、優れることを示す。
4)演色性評価
黒色としての色相が観測光源によって変化するかどうかを確認する為に、D65光源、F10光源及びA光源で、それぞれCIEのL*、a*、b*を測定した。この3つの光源で測定されたL*、a*、b*について、D65光源とF10光源の色差ΔE1及びF10光源とA光源の色差ΔE2を以下の式から算出した。なお、ΔL1*、Δa1*、及びΔb1*は、D65光源とF10光源におけるL*、a*、及びb*の差を、ΔL2*、Δa2*、及びΔb2*は、F10光源とA光源におけるL*、a*、及びb*の差を、それぞれ表す。ΔE1及びΔE2は、小さいほうが演色性に優れることを示す。
ΔE1=[(ΔL1*)2+(Δa1*)2+(Δb1*)2]1/2
ΔE2=[(ΔL2*)2+(Δa2*)2+(Δb2*)2]1/2
得られたΔE1、ΔE2値を下記表8に記す。
耐オゾンガス性 耐光性
実施例2 ◎ ○
比較例 ○ ○
Dk値 演色性ΔE1 演色性ΔE2
実施例2 2.01 3.9 2.6
比較例 1.84 6.2 19.1
また、表8の結果より明らかなように、実施例2は、比較例に対して、明確に印字濃度が高く、更に、演色性においても非常に良好であることが判る。
以上の結果から、本発明のアゾ化合物を含有するインクにより得られた記録画像は、従来のものと比較して耐オゾンガス性に優れ、特にインクジェット記録用のブラックに要求される高い印字濃度と良好な演色性を有することが判る。従って、本発明のアゾ化合物及びこれを含有するインク組成物は、記録用、特にインクジェット記録用途に極めて好適である。
Claims (19)
- 下記式(1)で表されるアゾ化合物又はその塩、
nは0乃至2の整数であり、
R1はカルボキシ基;C1−C4アルキル基;カルボキシ基で置換されたC1−C4アルキル基;フェニル基;又は、スルホ基で置換されたフェニル基;であり、
R2はシアノ基;カルバモイル基;又はカルボキシ基;であり、
R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子;塩素原子;スルホ基;C1−C4アルキル基;又は、C1−C4アルコキシ基;であり、
R5からR7はそれぞれ独立に、水素原子;塩素原子;ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;置換基として、ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルコキシ基;モノ又はジC1−C4アルキルアミノ基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたモノ又はジC1−C4アルキルアミノ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;置換基として、ヒドロキシ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;N’−C1−C4アルキルウレイド基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたN’−C1−C4アルキルウレイド基;フェニルアミノ基;置換基として、塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で、ベンゼン環が置換されたフェニルアミノ基;ベンゾイルアミノ基;置換基として、塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で、ベンゼン環が置換されたベンゾイルアミノ基;フェニルスルホニルアミノ基;又は、置換基として、塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で、ベンゼン環が置換されたフェニルスルホニルアミノ基;をそれぞれ表し、
X、Y、及びZは下記式(22)で表される基を表し、
R8は水素原子;フェニル基;置換基として、ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたフェニル基;C1−C4アルキル基;又は、置換基として、ヒドロキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルキル基;をそれぞれ表し、
基Aは、フェニル基;又は、置換されたフェニル基;を表し、
基Bは、フェニレン基;又は、置換されたフェニレン基;を表す。]。 - 基Aが下記式(4)で表される基である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩、
R10から12はそれぞれ独立に、水素原子;塩素原子;ヒドロキシ基;ニトロ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;置換基として、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;置換基として、ヒドロキシ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;C1−C4アルキルスルホニル基;又は、置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルキルスルホニル基;を表す。]。 - 下記式(101)で表される請求項1に記載のアゾ化合物又はその塩、
R10から12はそれぞれ独立に、水素原子;塩素原子;ヒドロキシ基;ニトロ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;置換基として、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ヒドロキシ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;C1−C4アルキルスルホニル基;又は、置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルキルスルホニル基;を表し、
R13から15は、それぞれ独立に水素原子;スルホ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;又は、置換基として、ヒドロキシ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;を表す。]。 - R8が水素原子;スルホ基で置換されたフェニル基;カルボキシ基で置換されたフェニル基;C1−C4アルキル基;又は、置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の基で置換されたC1−C4アルキル基;である請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩。
- R1がメチル基、R2がシアノ基又はカルバモイル基、R3及びR4のいずれか一方が水素原子、他方がスルホ基である請求項1乃至7のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩。
- R5及び7が、それぞれ独立に水素原子;塩素原子;C1−C4アルキル基;スルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;又は、ベンゾイルアミノ基;を表し、
R6が水素原子である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩。 - R5がスルホプロポキシ基又はスルホブトキシ基、R6が水素原子、R7が水素原子、メチル基、アセチルアミノ基又はベンゾイルアミノ基である請求項1乃至9のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩。
- R 8が2−スルホエチル基である請求項1乃至10のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩。
- nが1であり、
R1がC1−C4アルキル基であり、
R2がシアノ基であり、
R3又はR4のいずれか一方が水素原子、他方がスルホ基であり、
R5がスルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基であり、
R6が水素原子であり、
R7が塩素原子;C1−C4アルキル基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;又はベンゾイルアミノ基;であり、
R5、R6及びR7の置換位置が、ベンズイミダゾロピリドン環と結合するアゾ基の置換位置を1位として、それぞれ2位、6位及び5位であり、
X、Y及びZが、R9が水素原子で表される式(22)で表される基であり、
R8がスルホ基で置換されたC1−C4アルキル基;であり、
R10からR12はそれぞれ独立に水素原子;ニトロ基;スルホ基;カルボキシ基;又は、C1−C4アルコキシ基;であり、
R13はスルホ基;C1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;又は、スルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;であり、
R14は水素原子であり、
R15は水素原子;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;又は、スルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;である、
請求項6に記載のアゾ化合物又はその塩。 - nが1、
R1がメチル基、
R2がシアノ基、
R3及びR4のいずれか一方が水素原子、他方がスルホ基、
R5がスルホプロポキシ基、
R6が水素原子、
R7がメチル基、
R5、R6及びR7の置換位置が、ベンズイミダゾロピリドン環と結合するアゾ基の置換位置を1位として、それぞれ2位、6位及び5位であり、
X、Y及びZはいずれも、R9が水素原子である式(22)で表される基、
R8が2−スルホエチル基、
R10乃至R12のうち二つがスルホ基で一つが水素原子であり、
R13がスルホプロポキシ基、R14が水素原子、R15がメチル基である、請求項6に記載のアゾ化合物又はその塩。 - 請求項1乃至13のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩を、色素として少なくとも1種含有するインク組成物。
- 請求項14に記載のインク組成物をインクとして用い、該インクのインク滴を記録信号に応じて吐出させて、被記録材へ記録を行うインクジェット記録方法。
- 被記録材が情報伝達用シートである請求項15に記載のインクジェット記録方法。
- 情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有するインク受容層を有するシートである請求項16に記載のインクジェット記録方法。
- 請求項14に記載のインク組成物を含む容器を装填したインクジェットプリンタ。
- 請求項1乃至13のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩によって着色された着色体。
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