JPWO2007032377A1 - アゾ化合物、インク組成物、記録方法及び着色体 - Google Patents

アゾ化合物、インク組成物、記録方法及び着色体 Download PDF

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Abstract

本発明は下記式(1)
【化1】
Figure 2007032377

(式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、N−フェニルアミノスルホニル基等を、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、N−フェニルアミノスルホニル基等を、nは0又は1を、それぞれ表す。)
で表されるアゾ化合物又はその塩、それを含有するインク組成物、記録方法及び着色体に関するもので、該アゾ化合物を含有するインク組成物は長期保存安定性に優れ、該インク組成物による記録物は耐光性及び耐オゾンガス性優れる。

Description

本発明は、新規なアゾ化合物又はその塩、これらを含有するインク組成物およびそれによる着色体に関する。
各種のカラー記録法の中でも代表的方法の一つであるインクジェットプリンタによる記録方法は、インクの小滴を発生させこれを種々の被記録材料(紙、フィルム、布帛等)に付着させ記録を行うものである。この方法は、記録ヘッドと被記録材料とが直接接触しないため音の発生が少なく静かであり、また小型化、高速化が容易という特長の為近年急速に普及しつつあり、今後とも大きな伸長が期待されている。従来、万年筆、フェルトペン等用のインク及びインクジェット記録用インクとしては、水溶性染料を水性媒体中に溶解した水性インクが使用されており、これらの水性インクにおいてはペン先やインク吐出ノズルでのインクの目詰まりを防止すべく一般に水溶性有機溶剤が添加されている。そしてこれらのインクにおいては、十分な濃度の記録画像を与えること、ペン先やノズルの目詰まりを生じないこと、被記録材上での乾燥性がよいこと、滲みが少ないこと、保存安定性に優れること等が要求される。また使用される水溶性染料には特に水への溶解度が高いこと、インクに添加される水溶性有機溶剤への溶解度が高いことが要求される。更に、形成される画像には耐水性、耐光性、耐オゾンガス性、耐湿性等の画像堅牢性が求められている。
これらのうちで、耐オゾンガス性とは、空気中に存在する酸化作用を持つオゾンガスなどが記録紙中で染料に作用し、印刷された画像を変退色させるという現象に対する耐性のことである。オゾンガスの他にも、この種の作用を持つ酸化性ガスとしては、NOx、SOx等が挙げられるが、これらの酸化性ガスの中でもオゾンガスがインクジェット記録画像の変退色現象をより促進させる主原因物質とされている。写真画質インクジェット専用紙の表面に設けられるインク受容層には、インクの乾燥を早めまた高画質でのにじみを少なくする為に、多孔性白色無機物等の素材を用いているものが多く、このような記録紙上でオゾンガスによる変退色が顕著に見られる。この酸化性ガスによる変退色現象はインクジェット画像に特徴的なものであるため、耐オゾンガス性の向上はインクジェット記録方法における最も重要な課題の1つとなっている。
今後、インクを用いた印刷方法の使用分野を拡大すべく、インクジェット記録用に用いられるインク組成物及びそれによって着色された着色体には、耐光性、耐オゾンガス性、耐湿性、耐水性の更なる向上が強く求められている。
種々の色相のインクが種々の染料から調製されているが、それらのうち黒色インクはモノカラーおよびフルカラー画像の両方に使用される重要なインクである。これら黒色インク用の染料として今日まで多くのものが提案されているが、市場の要求を充分に満足する製品を提供するには至っていない。提案されている多くの色素はアゾ色素であり、そのうちC.I.Food Black2等のジスアゾ色素については、画像の光学濃度が低い、耐水性や耐湿性が不良である、耐ガス性が十分でない等の問題がある。共役系を延ばしたポリアゾ色素については、一般に水溶性が低く記録画像が部分的に金属光沢を有するブロンジング現象が発生しやすい、耐ガス性が十分でない等の問題がある。また、同様に数多く提案されているアゾ含金色素の場合、金属イオンを含むため生物への安全性や環境問題の観点から好ましくなく、更に耐オゾンガス性が極めて低い等の問題がある。
近年最も重要な課題となっている耐オゾンガス性について改良されたインクジェット用黒色インク用化合物(色素)としては、例えば特許文献1に記載のジスアゾ化合物が挙げられる。しかし、これらの化合物の耐オゾンガス性は市場要求を十分に満たすものではない。また、特許文献2、3にも黒色インク用化合物(色素)としてH酸(4−アミノ−5−ナフトール−2,7−ジスルホン酸)又はK酸(4−アミノ−5−ナフトール−1,7−ジスルホン酸)のアミノ基側にγ酸(6−アミノ−4−ナフトール−2−スルホン酸)又はJ酸(7−アミノ−4−ナフトール−2−スルホン酸)残基がアゾ結合し、ヒドロキシル基側にフェニル基又はナフチル基誘導体がアゾ結合しているトリスアゾ化合物が記載されているが、市場の要求、特に耐オゾンガス性に対する要求を十分に満たしているものではない。
特開2003−183545号 特開昭62−109872号 特開2003−201412号
本発明は、水を主要成分とする媒体に対する溶解性が高く、高濃度水溶液及びインクを長期間保存した場合でも安定であり、印字された画像の濃度が非常に高く、写真画質インクジェット専用紙に高濃度溶液を印字した場合でもその画像にブロンジングを起こさず、印字された画像の堅牢性、特に耐オゾンガス性に優れた黒色の記録画像を与え、また、合成が容易でありかつ安価である黒色インク用色素化合物とそのインク組成物を提供する事を目的とする。
本発明者らは前記したような課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のテトラキスアゾ化合物が前記課題を解決するものであることを見出し、本発明に至ったものである。即ち本発明は、
(1)下記式(1)で表されるアゾ化合物またはその塩、
Figure 2007032377
(式(1)中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、N−フェニルアミノスルホニル基、ヒドロキシル基で置換されても良い(C1〜C4)アルキルスルホニル基、ホスホノ基、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、(C1〜C4)アルキル基(ヒドロキシル基および(C1〜C4)アルコキシル基よりなる群から選択される基で置換されていても良い)、(C1〜C4)アルコキシル基(ヒドロキシル基、(C1〜C4)アルコキシル基、スルホ基およびカルボキシル基よりなる群から選択される基で置換されていても良い)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基又はフェニルスルホニルアミノ基(フェニル基はハロゲン原子、アルキル基およびニトロ基よりなる群から選択される基で置換されていても良い)を、
、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、N−フェニルアミノスルホニル基、ヒドロキシル基で置換されても良い(C1〜C4)アルキルスルホニル基、ホスホノ基、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、(C1〜C4)アルキル基(ヒドロキシル基又は(C1〜C4)アルコキシル基で置換されていても良い)、(C1〜C4)アルコキシル基(ヒドロキシル基、(C1〜C4)アルコキシル基、スルホ基およびカルボキシル基よりなる群から選択される基で置換されていても良い)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基又はフェニルスルホニルアミノ基(フェニル基はハロゲン原子、アルキル基およびニトロ基よりなる群から選択される基で置換されていても良い)を、
nは0又は1を、それぞれ表す。)、
(2)Rがスルホ基またはカルボキシル基であり、Rの置換位置がアゾ基に対しオルト位の場合、ニトロ基の置換位置がアゾ基に対しパラ位であり、Rの置換位置がアゾ基に対しパラ位の場合、ニトロ基の置換位置がアゾ基に対しオルト位であり、Rが水素原子である(1)に記載のアゾ化合物又はその塩、
(3)Rがスルホ基で置換位置がアゾ基に対しオルト位、ニトロ基の置換位置がアゾ基に対しパラ位、Rが水素原子、nが1である(1)に記載のアゾ化合物又はその塩、
(4)R及びRがスルホ基である(1)から(3)のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩、
(5)Rが水素原子、R及びRがスルホ基、Rがヒドロキシル基である(1)から(4)のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩、
(6)Rがスルホ基又はカルボキシル基であり、Rが水素原子であり、Rが3−スルホプロポキシ基、カルボキシメトキシ基、スルホ基、2−ヒドロキシエトキシ基よりなる群から選択される基であり、Rがメチル基、アセチルアミノ基、水素原子、2−ヒドロキシエトキシ基、スルホ基よりなる群から選択される基であり、Rが水素原子、トルエンスルホニルアミノ基、スルホ基よりなる群から選択される基であり、Rが水素原子又はスルホ基であり、R及びRがそれぞれ独立にスルホ基又はヒドロキシル基であり、nが1である(1)に記載のアゾ化合物又はその塩、
(7)Rがスルホ基で置換位置がアゾ基に対しオルト位、ニトロ基の置換位置がアゾ基に対しパラ位、Rが水素原子、Rが水素原子、R及びRがスルホ基、Rがヒドロキシル基で置換位置がアゾ基に対してペリ位、nが1である(1)に記載のアゾ化合物又はその塩、
(8)Rがスルホ基で置換位置がアゾ基に対しオルト位、ニトロ基の置換位置がアゾ基に対しパラ位、Rが水素原子、Rが3−スルホプロポキシ基、Rがメチル基、Rが水素原子、R及びRがスルホ基、Rがヒドロキシル基で置換位置がアゾ基に対してペリ位、nが1である(1)に記載のアゾ化合物又はその塩、
(9)(1)から(8)のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩を少なくとも1種含むことを特徴とするインク組成物、
(10)(9)に記載のインク組成物を用いることを特徴とするインクジェットプリント記録方法、
(11)インクジェットプリント記録方法における被記録材が情報伝達用シートである(10)に記載のインクジェットプリント記録方法、
(12)情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有するものである(11)に記載のインクジェットプリント記録方法、
(13)(9)に記載のインク組成物を含む容器を装填したインクジェットプリンタ、
(14)(1)から(8)のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩によって着色された着色体、
(15) Rはヒドロキシ(C1〜C4)アルコキシル基、スルホ(C1〜C4)アルコキシル基、カルボキシル(C1〜C4)アルコキシル基又はスルホ基、Rは水素原子、ヒドロキシ(C1〜C4)アルコキシル基、スルホ基、(C1〜C4)アルキル基又は(C1〜C4)アシルアミノ基、Rは水素原子又は(C1〜C4)アルキル基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基、R及びRはスルホ基、及びRは水素原子、ヒドロキシル基又はスルホ基である上記(1)〜(3)に記載のアゾ化合物又はその塩、
に関する。
本発明のアゾ化合物又はその塩(以下両者を纏めて単にアゾ化合物という)は水溶解性に優れるので、インク組成物製造過程でのメンブランフィルターによるろ過性が良好であり、記録液の保存時の安定性や吐出安定性にも優れている。又、このアゾ化合物を含有する本発明のインク組成物は長期間保存後の結晶析出、物性変化、色変化等もなく、貯蔵安定性が良好である。又、本発明のアゾ化合物を含有するインク組成物は、インクジェット記録用、筆記用具用として好適に用いられ、普通紙及びインクジェット専用紙に記録した場合の記録画像の印字濃度が非常に高く、高濃度溶液を印字した場合でもその画像にブロンジングを起こさず、さらに各種堅牢性、特に耐オゾンガス性に優れている。マゼンタ、シアン及びイエロー染料を用いたインク組成物と共に用いることで各種堅牢性に優れ、保存性の優れたフルカラーのインクジェット記録が可能である。このように本発明のインク組成物はインクジェット記録用ブラックインクとして極めて有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において「アルキル」又は「アシル」の用語は特に限定はないが、通常アルキル基としては「(C1〜C4)アルキル」また、アシルとしては「(C2〜C5)脂肪族アシル若しくは(C7〜C11)芳香族アシル」が好ましい。また、「ハロゲン」の用語も特に限定はないが、通常「塩素原子」又は「臭素原子」が好ましい。
〜Rにおいて、N−アルキルアミノスルホニル基の例としては例えば、N−メチルアミノスルホニル、N−エチルアミノスルホニル、N−(n−プロピル)アミノスルホニル、N−(i−プロピル)アミノスルホニル、N−(n−ブチル)アミノスルホニル、N−(i−ブチル)アミノスルホニル、N−(sec−ブチル)アミノスルホニル、N−(t−ブチル)アミノスルホニル、N,N−ジメチルアミノスルホニル、N,N−ジエチルアミノスルホニル、N,N−ジ(n−プロピル)アミノスルホニル又はN,N−ジ(n−ブチル)アミノスルホニル等のN−(C1〜C4)アルキルアミノスルホニル基が挙げられる。
〜Rにおいて、ヒドロキシル基で置換されても良い(C1〜C4)アルキルスルホニル基の例としては例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ヒドロキシエチルスルホニル、2−ヒドロキシプロピルスルホニル等が挙げられる。
〜Rにおいて、アシル基の例としては例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ベンゾイル又はナフトイル等が挙げられ、(C2〜C5)脂肪族アシル基又は(C7〜C11)芳香族アシルが好ましい。
〜Rにおいて、ヒドロキシル基又は(C1〜C4)アルコキシル基で置換されても良い(C1〜C4)アルキル基の例としては例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、メトキシエチル、2−エトキシエチル、n−プロポキシエチル、イソプロポキシエチル、n−ブトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシプロピル、n−プロポキシプロピル、イソプロポキシブチル、n−プロポキシブチル又はn−ブチロキシブチル等が挙げられる。
〜Rにおいて、ヒドロキシル基、(C1〜C4)アルコキシル基、スルホ基及びカルボキシル基よりなる群から選択される基で置換されても良い(C1〜C4)アルコキシル基の例としては例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−ヒドロキシプロポキシ、3−ヒドロキシプロポキシ、メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、n−プロポキシエトキシ、イソプロポキシエトキシ、n−ブトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、エトキシプロポキシ、n−プロポキシプロポキシ、イソプロポキシブトキシ、n−プロポキシブトキシ、2−ヒドロキシエトキシエトキシ、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシ、3−スルホプロポキシ又は4−スルホブトキシ等が挙げられ、ヒドロキシ基、スルホ基およびカルボキシル基よりなる群から選択される基で置換された(C1〜C4)アルコキシ基が好ましく、スルホ(C1〜C4)アルコキシ基がより好ましい。
〜Rにおいて、アシルアミノ基の例としては例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ、ベンゾイルアミノ又はナフトイルアミノ等が挙げられる。
〜Rにおいて、アルキルスルホニルアミノ基の例としては例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノ又はブチルスルホニルアミノ等が挙げられる。
〜Rにおいて、ハロゲン原子、アルキル基およびニトロ基よりなる群から選択される基で置換されても良いフェニルスルホニルアミノ基の例としては例えば、ベンゼンスルホニルアミノ、トルエンスルホニルアミノ、クロロベンゼンスルホニルアミノ又はニトロベンゼンスルホニルアミノ等が挙げられ、トルエンスルホニルアミノがより好ましい。
式(1)における好ましいR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、カルボキシル、スルホ、スルファモイル、N−メチルアミノスルホニル、N−フェニルアミノスルホニル、メチルスルホニル、ヒドロキシエチルスルホニル、ホスホノ、ニトロ、アセチル、ベンゾイル、ウレイド、メチル、メトキシ、エチル、エトキシ、プロピル、プロポキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−メトキシエトキシ、2−エトキシエトキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシ、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等であり、より好ましくは、水素原子、塩素原子、シアノ、スルファモイル、アセチル、メチルスルホニル、ヒドロキシエチルスルホニル、ニトロ、カルボキシル又はスルホであり、さらに好ましくは、水素原子、カルボキシル又はスルホである。さらに好ましいRは、カルボキシル又はスルホであり、スルホが特に好ましい。Rは水素原子が特に好ましい。置換位置は、Rの置換位置がアゾ基に対しオルト位の場合、ニトロ基の置換位置がアゾ基に対しパラ位であり、Rの置換位置がアゾ基に対しパラ位の場合、ニトロ基の置換位置がアゾ基に対しオルト位であることが好ましい。
式(1)におけるR および Rで置換されたフェニル基としてはp−ニトロ-o−スルホフェニル、p−スルホ−o−ニトロフェニル又はp−ニトロ-o−カルボキシフェニルが好ましく、前2者がより好ましく、p−ニトロ-o−スルホフェニルが最も好ましい。
好ましいR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、塩素原子、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシル、スルホ、スルファモイル、N−メチルアミノスルホニル、N−フェニルアミノスルホニル、メチルスルホニル、ヒドロキシエチルスルホニル、ニトロ、アセチル、ベンゾイル、ウレイド、メチル、メトキシ、エチル、エトキシ、プロピル、プロポキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−メトキシエトキシ、2−エトキシエトキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシ、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等であり、より好ましくは、水素原子、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、3−スルホプロポキシ、カルボキシル、スルホであり、さらに好ましくは、水素原子、メチル、3−スルホプロポキシ、カルボキシル、スルホである。好ましいR としてはヒドロキシ(C1〜C4)アルコキシ基、カルボキシ(C1〜C4)アルコキシ基又はスルホ基が挙げられ、スルホ(C1〜C4)アルコキシ基又はカルボキシ(C1〜C4)アルコキシ基がより好ましく、スルホ(C1〜C4)アルコキシ基が最も好ましい。好ましいR としては水素原子、(C1〜C4)アルキル基又は(C1〜C4)アシル基が挙げられ、(C1〜C4)アルキル基がより好ましい。いずれか一方の好ましいものに、他方の好ましいものを組み合わせた場合はより好ましい。R及びRの置換位置は、左側のアゾ基の置換位置を1として、2および5位に置換するのが好ましい。
好ましいR〜Rは、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシル、スルホ、スルファモイル、N−メチルアミノスルホニル、N−フェニルアミノスルホニル、メチルスルホニル、ヒドロキシエチルスルホニル、ホスホ、ニトロ、アセチル、ベンゾイル、ウレイド、メチル、メトキシ、エチル、エトキシ、プロピル、プロポキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−メトキシエトキシ、2−エトキシエトキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシ、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ等であり、より好ましくは、水素原子、ヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、スルファモイル、ヒドロキシエチルスルホニル、ニトロ、メチル、メトキシ、エチル又はエトキシであり、更に好ましくは水素原子、ヒドロキシル、カルボキシル、スルホ又はスルファモイルである。好ましいR としては水素原子又は、(C1〜C4)アルキル基で置換されていてもよいフェニルスルホニルアミノが挙げられ、より好ましくは水素原子である。好ましいR及びRとしてはスルホが挙げられる。好ましいRとしては水素原子、スルホ又ヒドロキシルが挙げられ、ヒドロキシルがより好ましい。Rの置換位置はアゾ基に対してペリ位(8位)が好ましい。これらの好ましいR〜Rの組み合わせはより好ましい。
〜Rの最も好ましい組み合わせはRが水素原子、R及びRがスルホ、Rがヒドロキシルであり、Rの置換位置はアゾ基に対してペリ位である場合である。
nは0又は1のいずれでもよいが、1が好ましい。
前記式(1)で示されるアゾ化合物の塩は、無機又は有機の陽イオンの塩である。そのうち無機塩の具体例としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩が挙げられ、好ましい無機塩は、リチウム、ナトリウム、カリウムの塩およびアンモニウム塩であり、又、有機の陽イオンの塩としては例えば下記式(2)で示される化合物の塩があげられるがこれらに限定されるものではない。
Figure 2007032377
式(2)においてZ、Z、Z及びZは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基およびヒドロキシアルコキシアルキル基よりなる群から選択される基を表す。
式(2)におけるZ、Z、Z又はZのアルキル基の具体例としてはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどが挙げられ、ヒドロキシアルキル基の具体例としてはヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル等のヒドロキシ−(C1〜C4)アルキル基が挙げられ、ヒドロキシアルコキシアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−ヒドロキシエトキシプロピル、2−ヒドロキシエトキシプロピル、4−ヒドロキシエトキシブチル、3−ヒドロキシエトキシブチル、2−ヒドロキシエトキシブチル等のヒドロキシ(C1〜C4)アルコキシ−(C1〜C4)アルキル基が挙げられ、これらのうちヒドロキシエトキシ−(C1〜C4)アルキル基が好ましい。特に好ましいものとしては水素原子;メチル;ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル等のヒドロキシ−(C1〜C4)アルキル基;ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−ヒドロキシエトキシプロピル、2−ヒドロキシエトキシプロピル、4−ヒドロキシエトキシブチル、3−ヒドロキシエトキシブチル、2−ヒドロキシエトキシブチル等のヒドロキシエトキシ−(C1〜C4)アルキル基が挙げられる。これらのZ、Z、Z又はZ の好ましい組み合わせとしてはいずれか2者が水素原子又は/及び(C1〜C4)アルキル基であり、残りの2者がヒドロキシ(C1〜C4)アルキル基又はいずれか1者が水素原子であり、残りの3者がヒドロキシ(C1〜C4)アルキル基である場合が好ましい。
式(2)のZ、Z、Z、Z の具体例を表1に示す。
Figure 2007032377
式(1)で示される本発明のアゾ化合物は、例えば次のような方法で合成することができる。また、各工程における化合物の構造式は遊離酸の形で表すものとする。
下記式(3)で表される化合物
Figure 2007032377
(式(3)中、nは式(1)におけるのと同じ意味を有する。)
とp−トルエンスルホニルクロライドとをアルカリ存在下で反応させることにより、下記式(4)
Figure 2007032377
(式(4)中、nは前記と同じ意味を有する。)
で表される化合物を得る。得られた式(4)の化合物を常法によりジアゾ化した後、該ジアゾ化物を4−アミノ−5−ナフトール−1,7−ジスルホン酸と酸性条件下でカップリング反応させることにより、下記式(5)
Figure 2007032377
(式(5)中、nは前記と同じ意味を有する。)
で表される化合物を得る。得られた式(5)の化合物に、下記式(6)
Figure 2007032377
(式(6)中、R及びRは式(1)におけるのと同じ意味を有する。)
で表される化合物を常法によりジアゾ化したものをカップリング反応させ、下記式(7)
Figure 2007032377
(式(7)中、R、R及びnは前記と同じ意味を有する。)
で表される化合物を得る。得られた式(7)の化合物をアルカリ条件下、加水分解し、下記式(8)
Figure 2007032377
(式(8)中、R、R及びnは前記と同じ意味を有する。)
で表される化合物を得る。
次いで下記式(9)
Figure 2007032377
(式(9)中、R〜Rは式(1)におけるのと同じ意味を有する。)で表される化合物を常法によりジアゾ化し、該ジアゾ化物と、下記式(10)
Figure 2007032377
(式(10)中、R及びRは式(1)におけるのと同じ意味を有する。)で表される化合物とをカップリング反応させて下記式(11)
Figure 2007032377
(式(11)中、RからRは前記と同じ意味を有する。)で表されるモノアゾ化合物を得る。得られた式(11)の化合物を常法によりジアゾ化し、該ジアゾ化物と、先に得られた式(8)の化合物とをカップリング反応させる事により式(1)で表される本発明のアゾ化合物又はその塩を得ることができる。
式(1)に示した本発明の化合物の好適な具体例として、特に限定されるものではないが、下記式で示される化合物が挙げられる。各表においてスルホ基及びカルボキシル基は遊離酸の形で表すものとする。
Figure 2007032377
Figure 2007032377
前記式(3)の化合物とp−トルエンスルホニルクロリドとの反応はそれ自体公知の方法で実施され、水又は水性有機媒体中、例えば20〜100℃、好ましくは30〜80℃の温度ならびに中性からアルカリ性のpH値で行うことが有利である。好ましくは中性から弱アルカリ性のpH値、たとえばpH7〜10で実施される。このpH値の調整は塩基の添加によって実施される。塩基としては、たとえば水酸化リチウム、水酸化ナトリウムのごときアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのごときアルカリ金属炭酸塩、酢酸ナトリウムのごとき酢酸塩などが使用できる。式(3)の化合物とp−トルエンスルホニルクロリドは、ほぼ化学量論量で用いる。
式(4)の化合物のジアゾ化はそれ自体公知の方法で実施される。たとえば無機酸媒質中、例えば−5〜30℃、好ましくは5〜15℃の温度で亜硝酸塩、たとえば亜硝酸ナトリウムのごとき亜硝酸アルカリ金属塩を使用して実施される。式(4)の化合物のジアゾ化物と4−アミノ−5−ナフトール−1,7−ジスルホン酸とのカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。例えば該カップリング反応を、水又は水性有機媒体中、例えば−5〜30℃、好ましくは0〜25℃の温度ならびに酸性から中性好ましくは酸性から弱酸性のpH値、たとえばpH1〜4のpH値で行うのが有利である。通常カップリング反応系内は強く酸性化するので、塩基の添加によって、好ましくは酸性から弱酸性のpH値、たとえばpH1〜4に反応系内を保つのが好ましい。塩基としては、たとえば水酸化リチウム、水酸化ナトリウムのごときアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのごときアルカリ金属炭酸塩、酢酸ナトリウムのごとき酢酸塩、アンモニア又は有機アミンなどが使用できる。式(4)の化合物と4−アミノ−5−ナフトール−1,7−ジスルホン酸とは、ほぼ化学量論量で用いる。
式(6)の化合物のジアゾ化もそれ自体公知の方法で実施され、たとえば無機酸媒質中例えば−5〜30℃、好ましくは0〜15℃の温度で亜硝酸塩、たとえば亜硝酸ナトリウムのごとき亜硝酸アルカリ金属塩を使用して実施される。式(6)の化合物のジアゾ化物と式(5)の化合物のカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水又は水性有機媒体中、例えば−5〜50℃、好ましくは10〜40℃の温度ならびに弱酸性からアルカリ性のpH値、たとえばpH5〜10で行うことが有利である。pH値の調整は塩基の添加によって実施される。塩基としては、たとえば水酸化リチウム、水酸化ナトリウムのごときアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムのごときアルカリ金属炭酸塩、酢酸ナトリウムのごとき酢酸塩、あるいはアンモニア又は有機アミンなどが使用できる。式(5)と(6)の化合物は、ほぼ化学量論量で用いる。
式(7)の化合物の加水分解による式(8)の化合物の製造もそれ自体公知の方法で実施される。有利には水性アルカリ性媒質中で加熱する方法であり、たとえば式(7)の化合物を含有する溶液に水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを加えpHを9.5以上としたのち、例えば20〜150℃の温度、好ましくは30〜100℃の温度に加熱することによって実施される。このとき反応溶液のpH値は9.5〜11.5に維持することが好ましい。このpH値の調整は塩基の添加によって実施される。塩基は前記したものを用いることができる。
式(9)の化合物のジアゾ化もそれ自体公知の方法で実施される。たとえば該ジアゾ化は無機酸媒質中例えば−5〜30℃、好ましくは0〜15℃の温度で亜硝酸塩、たとえば亜硝酸ナトリウムのごとき亜硝酸アルカリ金属塩を使用して実施される。式(9)の化合物のジアゾ化物と式(10)の化合物のカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水又は水性有機媒体中、例えば−5〜50℃、好ましくは5〜40℃の温度ならびに酸性から中性のpH値で行うことが有利である。たとえばpH1〜7で実施され、pH値の調整は塩基の添加によって実施される。塩基としては、たとえば水酸化リチウム、水酸化ナトリウムのごときアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムのごときアルカリ金属炭酸塩、酢酸ナトリウムのごとき酢酸塩、あるいはアンモニア又は有機アミンなどが使用できる。式(9)と(10)の化合物は、ほぼ化学量論量で用いる。
式(11)の化合物のジアゾ化もそれ自体公知の方法で実施され、たとえば無機酸媒質中例えば−5〜30℃、好ましくは0〜25℃若しくは5〜25℃の温度で、亜硝酸塩、たとえば亜硝酸ナトリウムのごとき亜硝酸アルカリ金属塩を使用して実施される。式(11)の化合物のジアゾ化物と式(8)の化合物のカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水又は水性有機媒体中、例えば−5〜50℃、好ましくは10〜40℃の温度ならびに弱酸性からアルカリ性、好ましくは弱酸性から弱アルカリ性のpH値、たとえばpH6〜11,好ましくはpH6〜10のpH値で該カップリング反応を行うことが有利である。pH値の調整は塩基の添加によって実施される。塩基としては、たとえば水酸化リチウム、水酸化ナトリウムのごときアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムのごときアルカリ金属炭酸塩、酢酸ナトリウムのごとき酢酸塩、あるいはアンモニア又は有機アミンなどが使用できる。式(8)と(11)の化合物は、ほぼ化学量論量で用いる。
本発明の式(1)で示されるアゾ化合物は、カップリング反応後、反応液のpHを中性に調整後、塩化ナトリウム等の塩の添加により、塩析し、ナトリウム塩等の塩若しくは塩とフリーの酸との混合物として得られる。得られた化合物は、必要に応じて、水へ溶解し、アルコール(メタノール、2−プロパノール等)を加えて行う晶析を、適宜1〜3回程度行うことにより金属陽イオンの塩化物及び/又は硫酸塩等の無機塩を除去することができ、該無機塩含量の少ない目的のアゾ化合物を得ることが出来る。また、カップリング反応後、該反応液に鉱酸を添加することにより遊離酸の形で単離する事もできる。単離された化合物を水又は酸性化した水で洗浄することにより無機塩を除去する事が出来る。次に、この様にして得られる低い塩含有率を有する遊離酸型色素(化合物)は、水性媒体中で所望の無機又は有機の塩基により中和することで対応する塩の溶液とすることが出来る。無機の塩基の例としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられ、有機の塩基の例としては、有機アミン、例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの前記した式(2)で表されるアルカノールアミン類等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
次に、本発明のアゾ化合物の代表的な用途について説明する。
本発明のアゾ化合物は黒色の色素として、常法により、各種の物品の染色に使用することが出来る。代表的な使用法は、該化合物を液体の媒体、好ましくは水性媒体に溶解し、水性組成物として、染色に使用するものである。該アゾ化合物を含む水性組成物は、セルロースからなる材料を染色することが可能である。また、該水性組成物はカルボンアミド結合を有する材料の染色も可能である。従って該水性組成物は、皮革、織物、紙等の染色に幅広く用いることができる。また、該水性組成物の典型的なものとしてはインク組成物が挙げられる。
前記式(1)で示される本発明のアゾ化合物を含む反応液、例えば後述する実施例1(3)における35%塩酸によりpH7.0〜8.0とする前の反応液などは、場合によりそのまま上記水性組成物、特にインク組成物の製造に使用することが出来る。しかし、通常は、まずこの反応液を乾燥、例えばスプレー乾燥させて単離するか、後記実施例のように、必要に応じてpHを調整し、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム等の無機塩類によって塩析するか、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸によって酸析するか、あるいは前記した塩析と酸析を組み合わせた酸塩析することによって本発明のアゾ化合物を単離し、必要に応じて無機塩類の除去を行い、次にこれを用いて上記水性組成物、特にインク組成物を調製するのが好ましい。該水性組成物における本発明のアゾ化合物の含量は目的に応じて種々に変えることが可能で、該水性組成物全体に対して通常1〜25質量%程度である。該水性組成物は、そのほか水溶性有機溶剤を0〜30質量%、その他の添加剤0〜20質量%程度含んでもよく、残部は水である。
以下に、該水性組成物の最も典型的な組成物であるインク組成物についてより詳しく説明する。
本発明のインク組成物は、本発明の式(1)で示されるアゾ化合物を通常0.1〜20質量%、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%含有する水を主要な媒体とする組成物である。本発明のインク組成物には、さらに水溶性有機溶剤を例えば0〜30質量%、好ましくは2〜25質量%、インク調製剤を例えば0〜10質量%、好ましくは0〜7質量%、場合によっては0〜5質量%含有していても良い。通常水溶性有機溶剤は2〜25質量%、好ましくは5〜20%含有するのが好ましい。なお、インク組成物のpHとしては、保存安定性を向上させる点で、pH5〜11が好ましく、pH7〜10がより好ましい。また、インク組成物の表面張力としては、25〜70mN/mが好ましく、25〜60mN/mがより好ましい。さらに、インク組成物の粘度としては、30mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下がより好ましい。本発明のインク組成物のpH及び表面張力は後記するpH調整剤及び界面活性剤で適宜調整することが可能である。
本発明のインク組成物は、前記の式(1)で示されるアゾ化合物を水又は水溶性有機溶剤(水と混和可能な有機溶剤)に溶解し、必要に応じインク調製剤を添加したものである。このインク組成物をインクジェットプリンタ用のインクとして使用する場合、本発明のアゾ化合物としては、金属陽イオンの塩化物又は硫酸塩等の無機塩類などの無機物の含有量が少ないものを用いるのが好ましく、その含有量の目安は例えば1質量%以下(対色素原体)程度である。無機物の少ない本発明のアゾ化合物を製造するには、例えば逆浸透膜による通常の方法又は本発明のアゾ化合物の乾燥品あるいはウェットケーキを、前記の無機塩類の除去方法を適用するか、又はメタノール等のアルコール及び水の混合溶媒中で撹拌し、濾過分取、乾燥するなどの方法で脱塩処理すればよい。
前記インク組成物の調製に用いうる水溶性有機溶剤の具体例としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール若しくは第三ブタノール等のC1〜C4アルカノール、N,N−ジメチルホルムアミド若しくはN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド、2−ピロリドン若しくはN−メチルピロリジン−2−オン等のラクタム、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン若しくは1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿素類、アセトン若しくはメチルエチルケトン、又は2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール、テトラヒドロフラン若しくはジオキサン等の環状エーテル、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール若しくは1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール若しくはジプロピレングリコール、又はポリエチレングリコール若しくはポリプロピレングリコール、又は、チオジグリコール若しくはジチオジグリコール等の、(C2〜C6)アルキレン単位を有するモノ、オリゴ若しくはポリアルキレングリコール、又はチオグリコール、又は、グリセリン若しくはヘキサン−1,2,6−トリオール等のトリオール等、の多価アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル若しくはエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル若しくはジエチレングリコールモノエチルエーテル、又はトリエチレングリコールモノメチルエーテル若しくはトリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの(C1〜C4)アルキルエーテル、γ−ブチロラクトン又はジメチルスルホキシド等があげられる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記インク組成物の調製において用いられるインク調製剤は、例えば防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、染料溶解剤、酸化防止剤、界面活性剤などがあげられる。以下にこれらの薬剤について説明する。
防黴剤の具体例としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。これらはインク組成物中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
防腐剤の例としては、例えば有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系又は無機塩系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物の具体例としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられ、ピリジンオキシド系化合物の具体例としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられ、無機塩系化合物の具体例としては、例えば無水酢酸ソーダが挙げられ、イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド又は2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐防黴剤の具体例として、ソルビン酸ソーダ又は安息香酸ナトリウム等があげられる。
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずに、インクのpHを例えば5〜11の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。その具体例としては、例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミン若しくはN−メチルジエタノールアミンなどのアルカノールアミン又は酢酸カリウム等の有機塩基、或いは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩、水酸化アンモニウム(アンモニア)、ケイ酸ナトリウム又はリン酸二ナトリウム等の無機塩基などが挙げられる。
キレート試薬の具体例としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウムなどがあげられる。
防錆剤の具体例としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグルコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール又はジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトなどがあげられる。
水溶性紫外線吸収剤の例としては、例えばスルホン化したベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾ−ル系化合物、サリチル酸系化合物、桂皮酸系化合物又はトリアジン系化合物が挙げられる。
水溶性高分子化合物の具体例としては、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン又はポリイミン等があげられる。
染料溶解剤の具体例としては、例えばε−カプロラクタム、エチレンカーボネート又は尿素などが挙げられる。
酸化防止剤の例としては、例えば、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤の例としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類又は複素環類、等が挙げられる。
界面活性剤の例としては、例えばアニオン系、カチオン系、ノニオン系などの公知の界面活性剤が挙げられる。アニオン界面活性剤の例としてはアルキルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸およびその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸又はジオクチルスルホ琥珀酸塩などが挙げられる。カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体又はポリ4−ビニルピリジン誘導体などがある。両性界面活性剤の具体例としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体などがある。ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどのアセチレングリコール系(例えば、日信化学社製サーフィノール104、105、82、465、オルフィンSTGなど)、などが挙げられる。これらのインク調製剤は、単独もしくは混合して用いられる。
本発明のインク組成物は前記各成分を任意の順序で混合、撹拌することによって得られる。得られたインク組成物は、所望により、狭雑物を除く為にメンブランフィルター等で濾過を行ってもよい。また、インク組成物としての黒の色味を調整するため、本発明の式(1)で示されるアゾ化合物以外に、種々の色相を有する他の色素を混合してもよい。その場合は、他の色相を有する黒色や、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、その他の色の色素を用いることができる。
本発明のインク組成物は、各種分野において使用することができるが、筆記用水性インク、水性印刷インク、情報記録インク等に好適であり、インクジェット用インクとして用いることが、特に好ましく、後述する本発明のインクジェット記録方法において好適に使用される。
次に、本発明のインクジェット記録方法について説明する。本発明のインクジェット記録方法は、前記本発明のインク組成物を用いて記録を行うことを特徴とする。本発明のインクジェット記録方法においては、前記インク組成物を含有するインクジェット用インクを用いてインクジェットにより受像材料に記録を行えばよい。その際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。インクジェットにより記録する方法としては、公知のインクジェット記録方式が使用でき、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等を採用することができる。なお、前記インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
本発明の着色体は前記の本発明の化合物又はこれを含有する水性組成物、好ましくはインク組成物で着色されたものである。より好ましくは本発明のインク組成物を用いてインクジェットプリンタによって着色されたものである。着色されるものとしては、例えば紙、フィルム等の情報伝達用シート、繊維又は/及び布(原材料はセルロース、ナイロン又は/及び羊毛等何れでもよい)、皮革、カラーフィルター用基材等が挙げられる。このうち情報伝達用シートとしては、表面処理されたものが好ましく、具体的には紙(合成紙を含む)又はフィルム等の基材にインク受容層を設けたものが好ましい。インク受容層は、例えば上記基材にカチオン系ポリマーを含浸あるいは塗工することにより、また多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックスなどのインク中の色素を吸収し得る多孔性白色無機物をポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に上記基材表面に塗工することにより設けられる。このようなインク受容層を設けたものは通常インクジェット専用紙(フィルム)、光沢紙(フィルム)等と呼ばれ、例えばピクトリコ(商品名、旭硝子株式会社製)、プロフェッショナルフォトペーパー、スーパーフォトペーパー、マットフォトペーパー(いずれも商品名、キヤノン株式会社製)、PM写真用紙(光沢)、PMマット紙(いずれも商品名、セイコーエプソン株式会社製)、プレミアムプラスフォト用紙、プレミアム光沢フィルム、フォト用紙(商品名、いずれも日本ヒューレット・パッカード株式会社製)、フォトライクQP(商品名、コニカ株式会社製)等として市販品が入手可能である。なお、普通紙も利用できることはもちろんである。
これらのうち、特に多孔性白色無機物を表面に塗工した情報伝達用シートに記録した画像がオゾンガスによって変退色が大きくなることが知られているが、本発明のインク組成物は耐オゾンガス性が優れているため、このような被記録材への記録の際に特に効果を発揮する。
本発明のインクジェット記録方法で、情報伝達用シート等の被記録材に記録するには、例えば上記のインク組成物を含有する容器をインクジェットプリンタの所定位置にセットし、通常の方法で、被記録材に記録すればよい。本発明のインクジェット記録方法では、黒色の本発明のインク組成物は、公知のマゼンタインク組成物、シアンインク組成物、イエローインク組成物、更に必要に応じて、グリーンインク組成物、ブルー(又はバイオレット)インク組成物及びレッド(又はオレンジ)インク組成物等の中から、適宜選択される一種又は二種以上と併用されてもよい。併用される各色のインク組成物は、それぞれの容器に注入され、その容器を、本発明のインクジェット記録用水性ブラックインク組成物を含有する容器と同様に、インクジェットプリンタの所定位置に装填されて使用される。
本発明のアゾ化合物は水溶解性に優れ、このアゾ化合物を含有する本発明のインク組成物は長期間保存後の結晶析出、物性変化、色変化等もなく、貯蔵安定性が良好である。又、本発明のアゾ化合物を含有する記録用ブラックインク組成物は、インクジェット記録用又は筆記具用として用いられ、普通紙及びインクジェット専用紙に記録した場合その記録画像は印字濃度の高い黒色を呈し、さらにその耐オゾンガス性、耐光性およびブロンジング性が優れている。なお、本明細書において便宜上「ブロンジング性が優れている」と記載した場合、ブロンジングを起こさない又は起こし難いことを表す。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、本文中「部」及び「%」とあるのは、特別の記載のない限り質量基準である。又、下記の各式において、スルホン基は遊離酸の形で表記するものとする。
実施例1
(1)2−アミノ−5−ナフトール−1,7−ジスルホン酸6.4部とp−トルエンスルホニルクロライド4.1部とを水中で、pH8.0〜8.5、温度70℃で1時間反応させた後、反応液を酸性にして塩析し、析出物をろ過分取し、式(12)の化合物を得た。得られた該化合物8.8部を水90部中に、炭酸ナトリウムでpH6.0〜8.0に調整しながら溶解した。得られた溶液に35%塩酸6.8部を添加した後、0〜5℃に冷却し、そこに40%亜硝酸ナトリウム水溶液3.6部を添加し、式(12)の化合物をジアゾ化した。
Figure 2007032377
このジアゾ懸濁液に、4−アミノ−5−ヒドロキシナフタレン−1,7−ジスルホン酸5.8部を水60部に懸濁した液を添加した後、得られた懸濁液を、10〜20℃で、そのpH値を炭酸ナトリウムにて2.4〜2.8に保持しながら4時間攪拌した。次いで、該液のpH値を炭酸ナトリウムにて7.0〜8.5として懸濁物を溶解し、式(13)のモノアゾ化合物を含む溶液を得た。
Figure 2007032377
(2)水50部に4−ニトロアニリン−2−スルホン酸ナトリウム5.2部を溶解し、ここに0〜5℃で35%塩酸6.4部、40%亜硝酸ナトリウム水溶液4.0部を添加しジアゾ化した。このジアゾ懸濁液を、上記反応にて得られた式(13)のモノアゾ化合物を含む溶液に、該溶液の温度10〜20℃で、該溶液のpH値を炭酸ナトリウムにて8.0〜9.0に保持しながら滴下した。滴下終了後、15〜30℃で2時間、pH8.0〜9.0で攪拌し、式(14)のジスアゾ化合物を含む溶液を得た。
Figure 2007032377
上記で得られた溶液を、70℃に加熱後、水酸化ナトリウムにてpH値を10.5〜11.0に保持しながら1.5時間攪拌した。該溶液を室温まで冷却後、35%塩酸の添加によりpH7.0〜8.0とし、次いで塩化ナトリウムを加えて塩析を行い、析出物を濾過分取して式(15)の化合物を含むウェットケーキを得た。
Figure 2007032377
(3)特開2005−068416に記載の方法で得られる下記式(16)の化合物10.9部(反応液から35%塩酸にてpH値を0.5以下として酸析し、析出物を濾過分取し乾燥させたもの)を水100部に分散し、分散液のpHを水酸化ナトリウムの添加によりpH6.0〜7.0として分散物を溶解し、得られた溶液に0〜5℃で、35%塩酸5.9部及び40%亜硝酸ナトリウム水溶液2.9部を添加し、式(16)の化合物をジアゾ化した。得られたジアゾ懸濁液を、上記(2)の反応にて得られた式(15)の化合物を含むウェットケーキを水140部に溶解した溶液に、該溶液の温度15〜30℃において、該溶液のpH値を炭酸ナトリウムにて8.0〜9.0に保持しながら滴下した。滴下終了後、温度15〜30℃、pH8.0〜9.0で2時間攪拌し、次いで、70℃に加熱後、水酸化ナトリウムにてpH値を10.5〜11.0に保持しながら1.5時間攪拌した。
得られた溶液を室温まで冷却後、35%塩酸の添加によりpH7.0〜8.0とし、次に塩化ナトリウムの添加により塩析し、析出物を濾過分取した。
得られたウェットケーキを水200部に溶解し、次いでメタノール300部の添加により晶析させ、析出物をろ過分取した。更に得られたウェットケーキを水150部に溶解後、2−プロパノール200部の添加により晶析させ、析出物をろ過分取、乾燥して本発明の式(17)のアゾ化合物(表2におけるNo.3の化合物)16.0部をナトリウム塩として得た。
この化合物のpH7〜8の水溶液中での最大吸収波長(λmax)は626nmであり、溶解度は100g/L以上であった。
Figure 2007032377
Figure 2007032377
実施例2
(A)インクの調製
下記する各成分を混合することにより黒色の本発明のインク組成物を得、0.45μmのメンブランフィルターで濾過する事により夾雑物を除いた。
また水はイオン交換水を使用した。インク調製時において、インクのpHは水酸化アンモニウムにてpH7〜9に調整し、その後イオン交換水を加えることにより総量100部とした。
表3
Figure 2007032377
表3において、上記実施例1で得られた化合物とは、式(17)の化合物を示す。この水性インク組成物は、長期間保存後においても、沈殿分離が生ぜず、物性の変化も生じなかった。
(B)インクジェットプリント
上記で得られたインク組成物を使用し、インクジェットプリンタ(商品名 BJ−S630 Canon社製 )により、専用光沢紙2種(1.専用光沢紙PR:プロフェッショナルフォトペーパー PR−101(商品名)キヤノン社製、 2.専用光沢紙PM:PM写真用紙(光沢)KA420PSK(商品名)EPSON社製)にインクジェット記録を行った。
印刷の際は、反射濃度が数段階の階調で得られるように画像パターンを作り、ハーフトーンの黒色印字物を得た(印刷時はグレースケールモードを用いているため、黒色記録液以外のイエロー、シアン、マゼンタの各記録液は併用されていない)。耐光性試験、耐オゾンガス性試験の評価は測色機(SpectroEye GRETAG−MACBETH社製)を用い、試験前の印刷物の反射濃度D値が1.0に最も近い階調部分を用いて行った。
(C)記録画像の評価
本発明の水性インク組成物による記録画像につき、耐光性試験後の濃度変化および耐オゾンガス性試験後の濃度変化について評価を行った。尚、試験は前記のインクジェットプリントを行った専用光沢紙PR及び専用光沢紙PMについて行った。その結果を(表4)に示した。具体的な試験方法は下記に示した。
1)耐光性試験
キセノンウェザオメーター(Ci4000 ATLAS社製)を用い、印刷サンプルとの間に空気層が生じるように2mm厚のガラス板を設置して、0.36W/平方メートルの照度で湿度60%RH、温度24℃という条件で50時間照射した。試験終了後、上記の測色機を用いて測色した。色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算し評価した。判定は以下の基準で行った。
○ 残存率:95%以上
△ 残存率:95%未満で90%以上
× 残存率:90%未満
2)耐オゾンガス性試験
オゾンウェザオメーター(スガ試験機社製)を用いてオゾン濃度を40ppm、湿度60%RH、温度24℃で印刷サンプルを4時間放置した。試験終了後上記の測色機を用いて測定した。色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求め評価した。判定は以下を基準に行った。
○ 残存率:70%以上
△ 残存率:60%以上70%未満
× 残存率:60%未満
比較例1
比較対象は水溶性インクジェット用色素として、特許文献1の表1−1の1の色素(下記式(18))を用いて実施例2と同様のインク組成でインク組成物を調製した。得られた記録画像の印字濃度評価、耐光性評価および耐オゾンガス性評価の結果を(表4)に示した。
Figure 2007032377
比較例2
同様に、比較対象には水溶性インクジェット用色素として、特許文献3の実施例1で説明される色素AN−250(下記式(19))を用いて実施例2と同様のインク組成でインク組成物を調製した。得られた記録画像の印字濃度評価、耐光性評価および耐オゾンガス性評価の結果を(表4)に示した。
Figure 2007032377
表4
Figure 2007032377
表4の結果より明らかなように、本発明のアゾ化合物を含有するインク組成物により記録された画像は、従来の黒色染料(比較例)の画像と比較して耐光性では同等か又はそれ以上の堅牢性を示した。また耐オゾンガス性においてはより明確に差が現れた。すなわち本発明の実施例2においてはいずれの専用光沢紙においても色素残存率が70%以上を示したが、比較例1では専用光沢紙PRにおいては色素残存率が60%未満、専用光沢紙PMにおいては60%以上70%未満であり、さらに比較例2においてはいずれの光沢紙を用いた場合でも色素残存率は60%未満であった。これにより本発明のアゾ化合物により記録された画像の耐オゾンガス堅牢度は極めて優れていることがわかる。
また本発明のアゾ化合物は溶解度が高く安定なので、高濃度のインクが設計できる。
本発明のアゾ化合物を含有する水性組成物、特に水性インク組成物は、貯蔵安定性が良好であり、かつ、該インク組成物による記録物は耐光性及び耐オゾンガス性に優れることから、インクジェット記録用及び/又は筆記用具用ブラックインク液として好適に用いられる。

Claims (15)

  1. 下記式(1)で表されるアゾ化合物またはその塩
    Figure 2007032377
    (式(1)中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、N−フェニルアミノスルホニル基、ヒドロキシル基で置換されても良い(C1〜C4)アルキルスルホニル基、ホスホノ基、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、(C1〜C4)アルキル基(ヒドロキシル基および(C1〜C4)アルコキシル基よりなる群から選択される基で置換されていても良い)、(C1〜C4)アルコキシル基(ヒドロキシル基、(C1〜C4)アルコキシル基、スルホ基およびカルボキシル基よりなる群から選択される基で置換されていても良い)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基又はフェニルスルホニルアミノ基(フェニル基はハロゲン原子、アルキル基およびニトロ基よりなる群から選択される基で置換されていても良い)を、
    、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、N−フェニルアミノスルホニル基、ヒドロキシル基で置換されても良い(C1〜C4)アルキルスルホニル基、ホスホノ基、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、(C1〜C4)アルキル基(ヒドロキシル基又は(C1〜C4)アルコキシル基で置換されていても良い)、(C1〜C4)アルコキシル基(ヒドロキシル基、(C1〜C4)アルコキシル基、スルホ基又はカルボキシル基で置換されていても良い)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基又はフェニルスルホニルアミノ基(フェニル基はハロゲン原子、アルキル基又はニトロ基で置換されていても良い)を、
    nは0又は1を、それぞれ表す。)
  2. がスルホ基またはカルボキシル基であり、Rの置換位置がアゾ基に対しオルト位の場合、ニトロ基の置換位置がアゾ基に対しパラ位であり、Rの置換位置がアゾ基に対しパラ位の場合、ニトロ基の置換位置がアゾ基に対しオルト位であり、Rが水素原子である請求項1に記載のアゾ化合物又はその塩
  3. がスルホ基で置換位置がアゾ基に対しオルト位、ニトロ基の置換位置がアゾ基に対しパラ位、Rが水素原子、nが1である請求項1に記載のアゾ化合物又はその塩
  4. 及びRがスルホ基である請求項1に記載のアゾ化合物又はその塩
  5. が水素原子、R及びRがスルホ基、Rがヒドロキシル基である請求項1に記載のアゾ化合物又はその塩
  6. がスルホ基又はカルボキシル基であり、Rが水素原子であり、Rが3−スルホプロポキシ基、カルボキシメトキシ基、スルホ基、2−ヒドロキシエトキシ基よりなる群から選択される基であり、Rがメチル基、アセチルアミノ基、水素原子、2−ヒドロキシエトキシ基、スルホ基よりなる群から選択される基であり、Rが水素原子、トルエンスルホニルアミノ基、スルホ基よりなる群から選択される基であり、Rが水素原子又はスルホ基であり、R及びRがそれぞれ独立にスルホ基又はヒドロキシル基であり、nが1である請求項1に記載のアゾ化合物又はその塩
  7. がスルホ基で置換位置がアゾ基に対しオルト位、ニトロ基の置換位置がアゾ基に対しパラ位、Rが水素原子、Rが水素原子、R及びRがスルホ基、Rがヒドロキシル基で置換位置がアゾ基に対してペリ位、nが1である請求項1に記載のアゾ化合物又はその塩
  8. がスルホ基で置換位置がアゾ基に対しオルト位、ニトロ基の置換位置がアゾ基に対しパラ位、Rが水素原子、Rが3−スルホプロポキシ基、Rがメチル基、Rが水素原子、R及びRがスルホ基、Rがヒドロキシル基で置換位置がアゾ基に対してペリ位、nが1である請求項1に記載のアゾ化合物又はその塩
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩を少なくとも1種含むことを特徴とするインク組成物
  10. 請求項9に記載のインク組成物を用いることを特徴とするインクジェットプリント記録方法
  11. インクジェットプリント記録方法における被記録材が情報伝達用シートである請求項10に記載のインクジェットプリント記録方法
  12. 情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有するものである請求項11に記載のインクジェットプリント記録方法
  13. 請求項9に記載のインク組成物を含む容器を装填したインクジェットプリンタ
  14. 請求項1から8のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩によって着色された着色体
  15. はヒドロキシ(C1〜C4)アルコキシル基、スルホ(C1〜C4)アルコキシル基、カルボキシル(C1〜C4)アルコキシル基又はスルホ基、Rは水素原子、ヒドロキシ(C1〜C4)アルコキシル基、スルホ基、(C1〜C4)アルキル基又は(C1〜C4)アシルアミノ基、Rは水素原子又は(C1〜C4)アルキル基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基、R及びRはスルホ基、及びRは水素原子、ヒドロキシル基又はスルホ基である請求項1に記載のアゾ化合物又はその塩。
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