JP3963979B2 - 偏光素子又は偏光板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な偏光素子又は偏光板および新規な二色性色素に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置やサングラス、ゴーグルなどに使用されている偏光素子は、ポリビニルアルコールのような高分子物質に、沃素又は染料等の二色性分子を溶解叉は吸着し、その膜を1方向に引き伸ばして二色性分子を配列させる方法によって製造されている。又、1軸方向に引き伸ばした高分子膜に二色性分子を吸着させる方法によっても製造される。しかし、これらの方法によって得られる偏光素子の偏光軸は1方向に固定されており、又平板状のものしか製造できない。液晶表示を含む多様な表示素子を製造するためには、延伸操作を必要とせず、微細なパターン状に任意の方向の偏光性を示す偏光素子や曲面状の偏光素子が求められている。
【0003】
従来この目的のために、ガラスあるいは高分子膜表面を布や紙等で1方向に擦るラビング処理を施した後に、二色性分子をその表面に吸着させる方法が提案されている(ジェー.エフ.ドライヤー(J.F.Dreyer)、ジャーナル・オブ・フィジックス・アンド・コロイドケミストリー(J.Phys.Colloid Chem.)、52頁、808(1948)参照)。又、直線偏光によって容易に分子軸変化を起こす光活性分子層を設け、二色性分子をその表面に吸着させる光化学的方法も提案されている(特開平7−261024号)。
【0004】
ところで、現在、市場で要望されている偏光板はグレイ調の偏光板である。二色性分子として染料を使用する場合、このグレイ調の偏光板用の染料としては、通常青色系染料を主体とし、これに赤色系染料、黄色系染料を添加した混合染料が使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ラビング法や光化学的方法で使用される染料のうち、青色染料は製造が煩雑であったり、色相的に好ましくない等の問題があり、又製造の容易なものや色相的に好ましいものは偏光性能が劣るという問題がある。本発明は、このような問題のない青色染料を有する偏光素子または偏光板の開発を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成した。すなわち、本発明は、
(1)下記式(1)
【0007】
【化4】
Figure 0003963979
【0008】
(式中、Q1 は、スルホン酸基を1個又は2個有し、さらに水酸基又は低級アルコキシ基を有していてもよいナフチル基を、Q2 、Q3 はそれぞれ独立にフェニレン基又はナフチレン基(これらの基は置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基、スルホン酸基から選ばれた1種又は2種の置換基を1個又は2個有する)を、R1 は水素原子、低級アルキル基、アセチル基、ベンゾイル基又は置換もしくは無置換のフェニル基を、R2 は水素原子又は下記式(2)
【0009】
【化5】
Figure 0003963979
【0010】
の基を、R3 、R4 はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、スルホン酸基、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を、mは0又は1を、nは1又は2を表す。但しmが0の場合は、R2 は水素原子ではない。)で表される化合物又はその銅化物を含む層を有する偏光素子または偏光板、
(2)(1)の式(1)で表される化合物のうち少なくとも一種、及びシー.アイ.ダイレクト.イエロー 12、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ 39、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ72、シー.アイ.ダイレクト.レッド 39、シー.アイ.ダイレクト.レッド 79、シー.アイ.ダイレクト.レッド81、シー.アイ.ダイレクト.レッド 83、シー.アイ.ダイレクト.レッド 89 、シー.アイ.ダイレクト.バイオレット 48、シー.アイ.ダイレクト.ブルー 67、シー.アイ.ダイレクト.ブルー 90、シー.アイ.ダイレクト.グリーン 59、シー.アイ.アシッド.レッド 37から選ばれる化合物(色素)のうち少なくとも一種を含有する混合物を含む層を有する偏光素子又は偏光板、
(3)(1)の式(1)の化合物又はその銅化物を含む層又は(2)の混合物を含む層が光活性分子を有する層に接している(1)又は(2)の偏光素子又は偏光板、
(4)(1)の式(1)の化合物又はその銅化物を含む層又は(2)の混合物を含む層がラビング処理された基材のラビング処理面に接している(1)又は(2)の偏光素子又は偏光板、
(5)下記式(3)
【0011】
【化6】
Figure 0003963979
【0012】
(式(3)において、Q21は、スルホン酸基を1個又は2個有し、さらに水酸基又は低級アルコキシ基を有していてもよいナフチル基を、Q22、Q23はそれぞれ独立にフェニレン基又はナフチレン基(これらの基は置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基、スルホン酸基から選ばれた1種又は2種の置換基を1個又は2個有する)を、R21は水素原子、低級アルキル基、アセチル基、ベンゾイル基又は置換もしくは無置換のフェニル基を、R23、R24はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、スルホン酸基、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を、qは0又は1を、rは1又は2を表す。)
で表される化合物又はその銅化物、
に関する。
【発明の実施の形態】
【0013】
本発明においては、偏光素子又は偏光板用の二色性分子(それ自身叉は集合体で一定方向に配列することにより、偏光性を示す化合物)として式(1)で表される化合物を使用する。式(1)において、mは0又は1であるが、1が好ましい。Q1 はナフチル基である。アゾ基との結合位置はα位が好ましい。このナフチル基は置換基としてスルホン酸基、水酸基、低級アルコキシ基から選ばれた1から3個の置換基を有していることが好ましく、スルホン酸基を1個又は2個有し、さらに水酸基又は低級アルコキシ基を有していることがより好ましい。低級アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等のC1〜C4のアルコキシ基があげられる。Q1 の好ましい置換基としては、スルホン酸基、水酸基である。スルホン酸基2個と水酸基1個が特に好ましい。又、これらの置換基の置換位置としては、アゾ基との結合位置を1位として、スルホン酸基は3位、6位が好ましく、又水酸基は8位が好ましい。
【0014】
2 、Q3 はフェニレン基又はナフチレン基である。フェニレン基は1、4ーフェニレン基が好ましく、ナフチレン基は1、4ーナフチレン基が好ましい。このフェニレン基は低級アルキル基、低級アルコキシ基で、ナフチレン基は、スルホン酸基、低級アルコキシ基で置換されていることが好ましい。低級アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等のC1〜C4のアルキル基があげられる。低級アルコキシ基としては、例えば前記のようなC1〜C4のアルコキシ基が挙げられる。Q2 、Q3 が同時に又はどちらか一方がフェニレン基の場合、より好ましい置換基としてはメチル基、メトキシ基である。Q2 、Q3 が同時に又はどちらか一方がナフチレン基の場合、より好ましい置換基としてはスルホン酸基、メトキシ基である。Q2 、Q3 が同時に1、4ーフェニレン基で、各フェニレン基がメチル基、メトキシ基で置換されているものが特に好ましい。この場合、Q2 ではQ3 側のアゾ基の結合位置を1位としてメチル基の結合位置は5位、メトキシ基の結合位置は2位が特に好ましく、Q3 ではナフトール側のアゾ基の結合位置を1位としてメチル基の結合位置は5位、メトキシ基の結合位置は2位が特に好ましい。
【0015】
式(1)において、R1 は水素原子、低級アルキル基、アセチル基、ベンゾイル基、置換もしくは無置換のフェニル基であり、R2 は水素原子、式(2)で表される基である。低級アルキル基としては、例えば前記のようなC1〜C4のアルキル基が挙げられる。置換フェニル基としては、例えばスルホン酸基、アミノ基で置換されたフェニル基等があげられる。式(1)において、R1 は水素原子が好ましく、−R2 は式(2)で表される基が好ましい。nは1又は2であるが、1が好ましい。1ーナフトール類に結合している−NHR1 、−R2 、スルホン酸基の結合位置としては、−NHR1 は6位が好ましく、−R2 は5位が好ましく、スルホン酸基は3位が好ましい。
【0016】
式(2)の基における−R3 、−R4 はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、スルホン酸基、低級アルキル基、低級アルコキシ基である。低級アルキル基、低級アルコキシ基としては、例えば前記のようなC1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基が挙げられる。−R3 はスルホン酸基、低級アルコキシ基が好ましく、スルホン酸基が特に好ましい。−R4 は水素原子が好ましい。−R3 の結合位置はアゾ基に対してメタ位、又はパラ位が好ましく、メタ位が特に好ましい。
【0017】
式(3)で表される化合物は新規化合物である。式(3)において、qは0又は1であるが、1が好ましい。Q21はナフチル基である。アゾ基との結合位置はα位が好ましい。このナフチル基は置換基としてスルホン酸基、水酸基、低級アルコキシ基から選ばれた1から3個の置換基を有していることが好ましく、スルホン酸基を1個又は2個有し、さらに水酸基又は低級アルコキシ基を有していることがより好ましい。低級アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等のC1〜C4のアルコキシ基があげられる。Q1 の好ましい置換基としては、スルホン酸基、水酸基である。スルホン酸基2個と水酸基1個が特に好ましい。又、これらの置換基の置換位置としては、アゾ基との結合位置を1位として、スルホン酸基は3位、6位が好ましく、又水酸基は8位が好ましい。
【0018】
22、Q23はフェニレン基又はナフチレン基である。フェニレン基は1、4ーフェニレン基が好ましく、ナフチレン基は1、4ーナフチレン基が好ましい。このフェニレン基は低級アルキル基、低級アルコキシ基で、ナフチレン基はスルホン酸基、低級アルコキシ基で置換されていることが好ましい。低級アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等のC1〜C4のアルキル基があげられる。低級アルコキシ基としては、例えば前記のようなC1〜C4のアルコキシ基が挙げられる。Q22、Q23が同時に又はどちらか一方がフェニレン基の場合、より好ましい置換基としてはメチル基、メトキシ基である。Q22、Q23が同時に又はどちらか一方がナフチレン基の場合、より好ましい置換基としてはスルホン酸基、メトキシ基である。Q22、Q23が同時に1、4ーフェニレン基で、各フェニレン基がメチル基、メトキシ基で置換されているものが特に好ましい。
【0019】
式(3)において、R21は水素原子、低級アルキル基、アセチル基、ベンゾイル基、置換もしくは無置換のフェニル基である。低級アルキル基としては、例えば前記のようなC1〜C4のアルキル基が挙げられる。置換フェニル基としては、例えば前記のような基があげられる。式(3)において、R21は水素原子が好ましく、nは1又は2であるが1が好ましい。1ーナフトール類と結合している−NHR21、フェニルアゾ基、スルホン酸基の結合位置としては、−NHR1 は6位が好ましく、フェニルアゾ基は5位が好ましく、スルホン酸基は3位が好ましい。
【0020】
式(3)のフェニルアゾ基における−R23、−R24はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、スルホン酸基、低級アルキル基、低級アルコキシ基である。低級アルキル基、低級アルコキシ基としては、例えば前記のようなC1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基が挙げられる。−R23はスルホン酸基、低級アルコキシ基が好ましく、スルホン酸基が特に好ましい。−R24は水素原子が好ましい。−R23の結合位置はアゾ基に対しメタ位、パラ位が好ましく、メタ位が特に好ましい。
【0021】
次に、式(1)で表される化合物のうち代表的な化合物の例を下記する(式中、SはSO3 Hまたはその遊離酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン類の塩を意味する。以下の文中においても同じである。)。これらの代表的な化合物のうち、好ましいものとしては、例えば式(1)において、Q1 、Q2 、Q3、R1 、R2 、の好ましい組み合わせの化合物としては、例えばQ1 が8−ナフトール−3,6−ジスルホン酸−1−イル基、Q2 、Q3 は両方とも2−低級アルコキシ−5−低級アルキル基−1,4−フェニレン基、mは1であり、−R1 は水素原子、無置換のフェニル基、R2 は式(2)で表される基(但し、R3 、R4 は、スルホン酸基、水素原子であり、nは1である。)である化合物、具体的にはNo.1、No.3、No.4等の化合物があげられる。
【0022】
【化7】
Figure 0003963979
【0023】
【化8】
Figure 0003963979
【0024】
【化9】
Figure 0003963979
【0025】
【化10】
Figure 0003963979
【0026】
【化11】
Figure 0003963979
【0027】
【化12】
Figure 0003963979
【0028】
この式(1)で表される化合物は、一般的には次の方法によって製造できる。即ち、式(4)
1 −NH2 (4)
〔式(4)において、Q1 は前記と同じ意味を表す。置換基が水酸基の場合には次のジアゾ化、カップリング反応において、目的とする化合物を得るために必要ならばトシル化されていてもよい。〕で表される化合物を常法により温度−10〜40℃でジアゾ化し、下記部分構造式(5)
−Q2 −NH2 (5)
に対応するアミン類と温度−10〜40℃、pH2〜6でカップリングし、式(6)
1 −N=N−Q2 −NH2 (6)
(式(6)において、Q1 、Q2 は前記と同じ意味を表す。)で表される化合物を得る。
【0029】
更に式(6)の化合物を常法により温度−10〜40℃でジアゾ化し、下記部分構造式(7)
−Q3 −NH2 (7)
に対応するアミン類と温度−10〜40℃、pH2〜6でカップリングし、式(8)
1 −N=N−Q2 −N=N−Q3 −NH2 (8)
(式(8)において、Q1 、Q2 、Q3 は前記と同じ意味を表す。)で表される化合物を得る。
【0030】
更に式(8)の化合物を常法により温度−10〜40℃でジアゾ化し、式(14)
【0031】
【化13】
Figure 0003963979
【0032】
(ここで、R1 、R2 、nは前記と同じ意味を表す。)で表される化合物と温度−10〜40℃、pH2〜6でカップリングし、式(1)においてmが1である化合物が得られる。この式(1)の化合物がトシル化されている場合にはアルカリ浴中で加熱し、脱トシレートすることにより、式(1)で表される化合物が得られる。また、式(1)の化合物のアゾ結合位置のオルト位に水酸基、低級アルコキシ基がある場合には、更に硫酸銅等を用いて常法により銅化すると、式(1)の化合物の銅錯体が得られる。目的とする化合物によっては、式(5)の化合物を使用せずに式(4)の化合物のジアゾ化物を、式(7)の化合物と温度−10〜40℃、pH2〜6でカップリングし、次にその化合物のジアゾ化物を、式(14)の化合物と温度−10〜40℃、pH7〜10でカップリングすれば、式(1)において mが0である化合物を得ることができる。式(3)で表される化合物も上記と同様な製法により得ることができる。もちろん、これ以外の製造ル−トによっても、式(1)で表される化合物を製造することができる。
【0033】
式(1)で表される化合物は、通常ナトリウム塩として使用するが、それらは遊離酸として、あるいは、カリウム塩、リチウム塩、セシウム塩、アンモニウム塩、アルキルアミン類、エタノ−ルアミン類の塩としても使用することができる。これらの塩は化合物の遊離酸にアルカリ金属の水酸化物、炭酸化物またはアンモニア水、アミン類を加えることにより得ることができる。
【0034】
式(4)で表される化合物の例としては、以下のような置換されたナフチルアミンが挙げられるがこの限りではない。
【0035】
【化14】
Figure 0003963979
【0036】
式(5)及び式(7)に対応するアミン類の例としては、以下のような置換されたアニリンや置換されたナフチルアミンが挙げられるがこの限りではない。
【0037】
【化15】
Figure 0003963979
【0038】
式(14)で表される化合物の中でR2 が式(2)で表される化合物は、対応するアニリン類を常法により、−5〜20℃でジアゾ化し、対応するナフトール類と温度−10〜40℃、pH1〜6でカップリングすることにより、得ることができる。この式(14)で表される化合物の例としては、以下のような置換されたナフトール類が挙げられるがこの限りではない。
【0039】
【化16】
Figure 0003963979
【0040】
【化17】
Figure 0003963979
【0041】
【化18】
Figure 0003963979
【0042】
式(1)で表される化合物は単独で使用される他、それら同士、あるいは他の色素と配合することにより、各種の色相を有する偏光素子または偏光板を製造することができる。偏光素子または偏光板として、偏光軸を直交させた時に黒色を呈する化合物(色素)の配合が単板透過率、偏光率とも優れており好ましい。配合する色素としては、例えばシー.アイ.ダイレクト.イエロー12、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ39、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ72、シー.アイ.ダイレクト.レッド 39、シー.アイ.ダイレクト.レッド 79、シー.アイ.ダイレクト.レッド 81、シー.アイ.ダイレクト.レッド 83、シー.アイ.ダイレクト.レッド 89 、シー.アイ.ダイレクト.バイオレット 48、シー.アイ.ダイレクト.ブルー 67、シー.アイ.ダイレクト.ブルー 90、シー.アイ.ダイレクト.グリーン 59、シー.アイ.アシッド.レッド 37等が挙げられ、さらに特開平1−161202号、特開平1−172906号、特開平1−172907号、特開平1−183602号、特開平1−248105号、特開平1−265205号、特開平7−261024号、の各公報記載の色素等が挙げられる。これらの色素は前記したような遊離酸、あるいはアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン類の塩として用いられる。
【0043】
本発明の偏光素子または偏光板を製造するには、例えば次のようにすればよい。上記の式(1)で表される化合物単独、または、他の色素との混合物を水、メタノール、エタノールなどの親水性溶媒もしくはその含水溶媒に溶解して二色性分子の溶液を得る。濃度は、好ましくは0.1〜15w/w%、より好ましくは2.0〜12w/w%程度である。又、この溶液に界面活性剤を加えることもできる。界面活性剤としては、カチオン系、ノニオン系、アニオン系のいずれでも使用できるが、ノニオン界面活性剤が好ましい。次に、この二色性分子の溶液を、直線偏光を照射した光活性分子層を有する基板、またはラビング処理した基板上にグラビアコーター等により、又は該基板表面に直接滴下してから、回転塗布法により均一に塗布し、乾燥して上記色素からなる均一の厚みを持つ二色性分子の層を設ける。あるいは、この二色性分子の溶液に、該基板を浸漬した後、これを引き上げる。均一の二色性分子の濃度を得るために、引き上げる速度は一定に保つことが好ましい。二色性分子層の厚さは、偏光特性の向上という観点から、薄い方が好ましく、例えば10μ以下、特に0.1〜2μであることが好ましい。
【0044】
直線偏光を照射した基板上の光活性分子層に本発明で使用する二色性分子の溶液を付着させた基板およびラビング処理後に本発明で使用する二色性分子の溶液を付着させた基材は乾燥され、固体状態の二色性分子層が形成されることにより、本発明の偏光素子(板)が得られる。溶媒の種類、二色性分子の種類、塗布した二色性分子の溶液の量、二色性分子の濃度などによって乾燥条件は異なるが、温度としては室温〜100℃、好ましくは室温〜60℃、湿度は20〜80%RH、好ましくは30〜70%RH程度がよい。
【0045】
このようにして調製された異方性吸着二色性分子層は、例えばアモルフォスや結晶等の固体状態にあるが、その二色性分子層は通常機械的強度に劣るので、通常その表面に保護層が設けられる。この保護層は、通常二色性分子層を紫外線硬化性や熱硬化性の透明な高分子膜でコーティングしたり、あるいはポリエステルフィルムやトリアセチルセルロースフィルム等の透明な高分子膜でラミネートすること等の被覆法により設けられる。
【0046】
本発明の偏光素子(板)を製造する際に、直線偏光照射前の光活性分子層やラビング処理面にコロナ放電処理や紫外線照射を行うことによってさらに偏光特性を高めることが可能である。コロナ放電処理を行う装置としては市販の各種コロナ放電処理機が適用可能である。コロナ放電処理の条件は、基板の種類、コロナ放電処理後に塗布する二色性分子層の組成や膜厚、光活性分子層を処理する場合その組成や厚さ等の条件によって異なるが、1回当たりの処理に際しては、エネルギー密度として20〜400W・min・m-2、好ましくは50〜300W・min・m-2程度である。叉は1回の処理で不十分な場合は2回以上処理を行うことができる。又、紫外線照射を行う場合、使用する紫外線の波長は、特に制限はないが、例えば300nm以下の遠紫外線が好ましい。又、紫外線照射は酸素気流下に行なうことが好ましい。紫外線照射を行う装置としては市販の各種紫外線照射器が適用可能である。紫外線照射の条件は、基板の種類、紫外線照射後に塗布する二色性分子層の組成や膜厚、光活性分子層を処理する場合その組成や厚さ等の条件によって異なるが、照射時間は長くても数分程度で十分である。
【0047】
本発明に用いられる基板としては、光活性分子が結合もしくは塗布しうるもの、あるいはラビング処理できるものであればよく、例えばシリカ系ガラス、硬質ガラス等のガラス板、石英板等や、ABS樹脂、アセタール樹脂、(メタ)アクリル樹脂、トリアセチルセルロース、塩素化ポリエーテル、エチレン−酢ビ共重合体、ふっ素樹脂、アイオノマー、メチルペンテンポリマー、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリルスルホン、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、AS樹脂、塩化ビニル樹脂、アルキド樹脂、アリル樹脂、アミノ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン等の各種素材のプラスチック板やシート(フィルム)、あるいはそれらの表面に、酸化珪素、酸化スズ、酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化クロム、酸化亜鉛などの金属酸化物や、窒化珪素、炭化珪素などを被覆したものが用いられる。あるいはまた、反射能の高い金属薄膜で表面を被覆した基板(フィルム)も用いることができる。これらの基板は平面状のもののみならず、曲面状のものであってもよい。
【0048】
本発明で使用する光活性分子は、直線偏光によって分子軸配向変化を起こす分子のことである。ここでいう分子軸配向変化とは、直線偏光の光エネルギーを吸収したのちに、その分子軸の方向が変わる現象である。このための光活性分子としては、C=C、C=N、N=Nから選ばれた少なくとも一つの二重結合を含み、その二重結合が非芳香族性である分子が有効に使用される。この光活性分子の吸収する光の波長は可視光域のものにとどまらず、肉眼では観察されない紫外線や赤外線の領域のものも含まれる。この光活性分子の層に、該分子が吸収する波長範囲を含む直線偏光を照射すると容易に分子軸配向変化を起こす。このような光活性分子やこの光活性分子を基板上に設ける方法の具体例は、例えばPCT公開パンフレットWO 95/07474号に記載されている。
【0049】
次に、基板上に設けられた光活性分子層に直線偏光を照射する操作を説明する。照射する偏光の波長は、光活性分子が吸収する波長であれば特に制限はなく、例えば可視光線のみならず紫外線や赤外線の領域の光線でもよい。光源としては、水銀灯、キセノン灯、蛍光灯、ケミカルランプ、ヘリウム−カドミウムレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、ヘリウム−ネオンレーザ、半導体レーザ、さらには、太陽光などのいずれでもよく、光活性分子の吸収波長領域や光照射時間、あるいは照射面積などによって選択すればよい。直線偏光とするには、これらの光源から発する光に直線偏光素子や直線偏光板を組み合わせればよい。このための偏光素子や偏光板としては、例えばグラントムソンプリズムなどのプリズム系素子、二色性分子を溶解または吸着して延伸した高分子膜からなる偏光素子や偏光板があげられる。さらには、本発明によって製造される偏光素子(板)も利用することができる。ここで使用する直線偏光の露光エネルギーは、波長、光活性分子の構造、結合状態、照射温度などにより異なるが、1mJ/cm2 から10J/cm2 の範囲が望ましい。尚、レーザを光源とする場合は、レーザビーム自体が直線偏光であれば偏光素子(板)を必要としない。詳細はPCT公開パンフレットWO 95/07474号に記載されている。
【0050】
偏光パターンを光活性分子層に焼き付けるためには、希望する複数の偏光軸があってもよいマスクパターンを通して直線偏光を光活性分子層に照射すればよい。レンズ等を用いて直線偏光を発散させたり集光することにより、パターンを大きく拡大したり、逆にきわめて微細なパターンとすることができる。又、レーザを光源とする場合であって、レーザビーム自体が直線偏光であれば、ファラデー素子のような偏光面回転素子と組み合わせることによって、きわめて微細なパターンを自在に描画できる。さらに、光活性分子の直線偏光による分子軸配向変化は可逆的であるから、マスクパターンごとに異なる偏光軸の直線偏光を照射することによりパターンを自由に重ね書きすることができる。尚、複雑なパターンを有する偏光素子(板)を一枚製造すれば、その偏光素子(板)をマスクパターンとすることにより、従来困難であった複雑なパターンを有する偏光素子(板)を、直線偏光照射という簡便な方法で多数製造することができる。詳細はPCT公開パンフレットWO 95/07474号に記載されている。
【0051】
このようにして得られる一定方向に分子軸の配列した光活性分子層に二色性分子を吸着させるだけで、即ち、光活性分子層の上に二色性分子層を設けるだけで、二色性分子の分子軸が、光活性分子の分子軸の配列方向、即ち光活性分子層に照射した直線偏光の偏光軸で規定された方向に配列し、かつ偏光軸が固定されて偏光素子(板)としての性質が発揮される。
【0052】
ラビング処理した基材を得る方法としては、ラビング剤としては、布、紙、皮革、綿、フェルト、バフ等を、場合によりクレー、ジルコニア、アルミナ等の研磨剤と共に用い、基材表面を一定方向にラビングする(擦る)方法があげられる。ラビングの程度はラビング剤によって異なるが、ラビングの回数は1〜30回が望ましい。
【0053】
【実施例】
以下合成例、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明がこれらの合成例、実施例に限定されるものではない。合成例、実施例中、部は特に限定しない限り重量部を示す。また、偏光率はJIS Z 8701により視感度補正透過率(Y)を求め、次の計算式により算出した。
偏光率(Y%)={(Y2 −Y1 )/(Y2 +Y1 )}1/2 ×100
(Y2 :平行透過率(%)、Y1 :直交透過率(%))
なお、有彩色の偏光板の場合、極大吸収波長 λmax での偏光率(λmax )は極大吸収波長での平行透過率T2 λmax (%)、直交透過率T1 λmax (%)を用いて次式によって算出した。
偏光率(λmax %)={(T2 −T1 )/(T2 +T1 )}1/2 ×100
(T2 :平行透過率λmax (%)、T1 :直交透過率λmax (%))
以下の実施例において、基板の光活性分子層に直線偏光を照射した後、二色性分子の層を設ける方法を、「光照射法」、基板をラビング処理した後、二色性分子の層を設ける方法を、「ラビング法」と記す。
【0054】
合成例1 上記No.1で表される化合物の合成法。
式(15)
【0055】
【化19】
Figure 0003963979
【0056】
で表される化合物22.05部を水165部に溶解し、亜硝酸ナトリウム3.6部、濃塩酸11部でジアゾ化した後、過剰の亜硝酸ナトリウムをスルファミン酸を加えて分解した。この中へ塩酸水溶液に溶解した、p−クレシジン6.85部を加え、酢酸ナトリウムでpH4としてカップリングさせた。反応終了後、ろ過して下記式(16)
【0057】
【化20】
Figure 0003963979
【0058】
で表されるモノアゾ化合物 31.0部を含むプレスケ−キを得た。このプレスケーキを水200部の中に加え、水酸化ナトリウムで中和して溶解し、亜硝酸ナトリウム3.6部を加えた溶液を、5%塩酸水溶液400部中に約20℃で滴下してジアゾ化した。ジアゾ化終了後、過剰の亜硝酸ナトリウムをスルファミン酸を加えて分解した。このジアゾニウム塩の懸濁液に、塩酸水溶液に溶解した、p−クレシジン6.85部を加え、酢酸ナトリウムでpH4としてカップリングさせた。反応終了後、ろ過して下記式(17)
【0059】
【化21】
Figure 0003963979
【0060】
で表されるジスアゾ化合物 36.5部を含むプレスケ−キを得た。このプレスケーキを水400部の中に加え、水酸化ナトリウムで中和して溶解し、亜硝酸ナトリウム3.6部を加えた溶液に、5%塩酸水溶液400部を約20℃で滴下してジアゾ化した。ジアゾ化終了後、過剰の亜硝酸ナトリウムをスルファミン酸を加えて分解した。このジアゾニウム塩の懸濁液を、式(18)
【0061】
【化22】
Figure 0003963979
【0062】
で表される化合物 21.0部を炭酸ナトリウム水溶液にて溶解した中にpH8〜10、約20℃で加えカップリングさせた。反応終了後、水酸化ナトリウム15部を加え、加熱し、75〜85℃とし3時間攪拌した。放冷後、塩酸で中和し塩化ナトリウムを加えて塩析し、ろ過、乾燥して化合物No.1で表されるテトラキスアゾ化合物 47.3部を得た。この化合物を逆浸透膜法により脱塩精製して使用した。
【0063】
式(18)で表される化合物は次のように合成した。即ち、メタニル酸 17.3部を常法によりジアゾ化し、J酸 23.9部と酸性カップリングし、塩化ナトリウムを加えて塩析し、沈澱をろ過して、式(18)で表される化合物 40.0部を得た。
【0064】
合成例2 No.2で表される化合物の合成
上記No.1で表される化合物45部を含んだプレスケーキを水500部に溶解し、この中に、モノエタノールアミン15部、硫酸銅(CuSO4 ・5H2 0)13.7部を加え、加熱し90〜98℃にて銅化反応させた。反応終了後、塩化ナトリウム80部を加えて塩析し、ろ過、乾燥して化合物No.2で表されるテトラキスアゾ銅錯塩化合物42.5部を得た。この化合物を常法により脱塩精製して使用した。
【0065】
以下、実施例1〜25において使用した化合物No.1〜18は上記と同様な方法でジアゾ化、カップリングをおこなうことにより得ることができる。
【0066】
実施例1
4−メタクリロイルオキシアゾベンゼンをベンゼンに溶解して20重量%溶液とし、アゾビスイソブチロニトリルを開始剤として脱気下で60℃で12時間重合させる。得られたアゾベンゼンを有する高分子10部とトルエン90部よりなる溶液を硬質ガラス上に回転塗布する。この基板を105℃で10分加熱して乾燥させる。
【0067】
光源は500W/hの超高圧水銀ランプを使用し、さらに偏光板を通して直線偏光とする。この直線偏光を、偏光板の偏光軸に対し平行に置いた上記基板の塗布面上に室温で、50cmの距離から1分間照射する。ついで、直線偏光を照射した面上に、化合物No.1で表される化合物 7.0部にエマルゲン108(ノニオン界面活性剤:(株)花王製)0.2部を加え92.8部の蒸留水で希釈した水溶液を回転塗布後、25℃、50%RHの条件で乾燥して本発明の偏光素子(板)を得る。この本発明の偏光素子(板)を偏光板を通して観察すると明暗のコントラストが現れる。そして偏光板を回転させると90度毎に明暗が反転し、通常の偏光板と同じ挙動を示す。偏光軸を直交させた時の色は青で、この偏光素子(板)の極大吸収波長(λmax )は603nm、極大吸収波長(λmax )における偏光率(λmax )は62%であった。
【0068】
実施例2
4−メタクリロイルオキシアゾベンゼンを、実施例1と同様にして重合を行う。得られた高分子10部とトルエン90部よりなる溶液をポリエステルテレフタレートフィルム上に回転塗布し、105℃で10分加熱乾燥した後、このフィルム上に移動速度12m/min、設定エネルギー150W・min・m-2でコロナ放電処理を実施する。次いで実施例1と同様の方法で直線偏光を照射する。ついで、直線偏光を照射した面上に、化合物No.1で表される化合物7.0部にエマルゲン108(ノニオン界面活性剤:(株)花王製)0.2部を加え92.8部の蒸留水で希釈した水溶液を回転塗布後、25℃、50%RHの条件で乾燥して本発明の偏光素子(板)を得る。この本発明の偏光素子(板)を偏光板を通して観察すると明暗のコントラストが現れる。そして偏光板を回転させると90度毎に明暗が反転し、通常の偏光板と同じ挙動を示す。偏光軸を直交させた時の色は青で、この偏光素子(板)の極大吸収波長(λmax )は603nm、極大吸収波長(λmax )における偏光率(λmax )は85%であった。
【0069】
実施例3
トリアセチルセルロースフィルムの全面を縦方向にフェルトで10回ラビングし、その後一定間隔で横方向に20回ラビングした後、水洗、乾燥した。このフィルム上に移動速度12m/min、設定エネルギー150W・min・m-2でコロナ放電処理を実施する。この面上に化合物No.1で表される化合物7.0部にエマルゲン108(ノニオン界面活性剤:(株)花王製)0.2部を加え92.8部の蒸留水で希釈した水溶液を回転塗布後、25℃、50%RHの条件で乾燥して本発明の偏光素子(板)を得る。この本発明の偏光素子(板)を偏光板を通して観察すると一定間隔毎に明暗のコントラストが現れる。そして偏光板を回転させると90度毎に一定間隔の明暗が反転し、通常の偏光板と同じ挙動を示す。偏光軸を直交させた時の色は青で、この偏光素子(板)の極大吸収波長(λmax )は603nm、極大吸収波長(λmax )における偏光率(λmax )は84%であった。
【0070】
実施例4
実施例2で用いた化合物N0.1の代わりに、化合物No.2で表される化合物7.0部を用いて、実施例2と同様な方法で本発明の偏光素子(板)を得る。この本発明の偏光素子(板)を偏光板を通して観察すると明暗のコントラストが現れる。そして偏光板を回転させると90度毎に明暗が反転し、通常の偏光板と同じ挙動を示す。偏光軸を直交させた時の色は青で、この偏光素子(板)の極大吸収波長(λmax )は620nm、極大吸収波長(λmax )における偏光率(λmax )は83%であった。
【0071】
実施例5
実施例2で用いた化合物N0.1の代わりに、化合物No.11で表される化合物7.0部を用いて、実施例2と同様な方法で本発明の偏光素子(板)を得る。この本発明の偏光素子(板)を偏光板を通して観察すると明暗のコントラストが現れる。そして偏光板を回転させると90度毎に明暗が反転し、通常の偏光板と同じ挙動を示す。偏光軸を直交させた時の色は青で、この偏光素子(板)の極大吸収波長(λmax )は618nm、極大吸収波長(λmax )における偏光率(λmax )は84%であった。
【0072】
実施例6
実施例2で用いた化合物N0.1の代わりに、化合物N0.1 4.5部、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ 72 2.5部、シー.アイ.ダイレクト.ブルー 67 1.5部を配合し、実施例2と同様な方法で本発明の偏光素子(板)を得る。この本発明の偏光素子(板)を偏光板を通して観察すると明暗のコントラストが現れる。そして偏光板を回転させると90度毎に明暗が反転し、通常の偏光板と同じ挙動を示す。偏光軸を直交させた時の色は黒で、この偏光素子(板)の偏光率(Y%)は90%であった。
【0073】
実施例7〜12
実施例2(光照射法)、実施例3(ラビング法)と同様な方法により、表1に示す化合物を使用し本発明の偏光素子(板)を得る。その結果を表1に示す。なお、表1中、色は偏光軸を直交させた時の色を示し、偏光率λmax (%)は極大吸収波長(λmax )における偏光率(λmax )の値である。
【0074】
【表1】
Figure 0003963979
【0075】
実施例13〜25
実施例2(光照射法)、実施例3(ラビング法)、と同様な方法により、表2に示す化合物を配合し、本発明の偏光素子(板)を得る。その結果を表3に示す。なお、表3中、色は偏光軸を直交させた時の色を示し、偏光率λmax (%)は極大吸収波長(λmax )における偏光率(λmax )、また無彩色(黒)場合には偏光率(Y%)の値である。。
【0076】
【表2】
Figure 0003963979
【0077】
Figure 0003963979
【0078】
【表3】
Figure 0003963979
【0079】
【発明の効果】
本発明の偏光素子(板)は、予め基板表面層に光活性分子を結合もしくは分散し、ついでこの光活性分子が吸収する波長を含む直線偏光を照射したのち、この光活性分子層に本発明による色素を含んだ1種または2種以上の二色性分子を吸着させることにより、または基板表面層をラビング処理した後に本発明による色素を含んだ1種または2種以上の二色性分子を吸着させることにより、偏光軸を任意の方向に精密、微細に制御できる、各種色相で高い偏光特性を示す偏光素子(板)が容易に、かつ安価に製作できるようになった。

Claims (7)

  1. 式(1)で示される化合物
    Figure 0003963979
    (式(1)中、Qは、スルホン酸基を1個又は2個有し、さらに水酸基又は低級アルコキシ基を有するナフチル基を、Q、Qはそれぞれ独立にフェニレン基又はナフチレン基(これらの基は置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基、スルホン酸基から選ばれた1種又は2種の置換基を1個又は2個有する)を、Rは水素原子、低級アルキル基、アセチル基、ベンゾイル基又は置換もしくは無置換のフェニル基を、mは0又は1を、nは1又は2を表す。)
    又は、式(3)で表される末端ナフチル基の5位、7位又は8位のいずれかが置換もしくは無置換(R23、R24ともに水素原子)のフェニルアゾ基で置換された化合物
    Figure 0003963979
    (式(3)において、Q21は、スルホン酸基を1個又は2個有し、さらに水酸基又は低級アルコキシ基を有していてもよいナフチル基を、Q22、Q23はそれぞれ独立にフェニレン基又はナフチレン基(これらの基は置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基、スルホン酸基から選ばれた1種又は2種の置換基を1個又は2個有する)を、R21は水素原子、低級アルキル基、アセチル基、ベンゾイル基又は置換もしくは無置換のフェニル基を、5位、7位又は8位に置換されているフェニルアゾ基の、R23、R24は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、スルホン酸基、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を、qは0又は1を、rは1又は2を表す。)
    又は、式(1)または式(3)化合物の銅化物を含む層を有する偏光素子又は偏光板。
  2. 式(1−2)で示される化合物
    Figure 0003963979
    (式(1−2)中、Q、Qはそれぞれ独立にフェニレン基又はナフチレン基(これらの基は置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基、スルホン酸基から選ばれた1種又は2種の置換基を1個または2個有する)をRは水素原子、低級アルキル基、アセチル基、ベンゾイル基又は置換もしくは無置換のフェニル基を、mは0又は1を、nは1又は2を表す。)
    又は、式(3−2)で表される末端ナフチル基の5位、7位又は8位のいずれかが置換もしくは無置換(R23、R24ともに水素原子)のフェニルアゾ基で置換された化合物
    Figure 0003963979
    (式(3−2)において、Q22、Q23はそれぞれ独立にフェニレン基又はナフチレン基(これらの基は置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基、スルホン酸基から選ばれた1種又は2種の置換基を1個又は2個有する)を、R21は水素原子、低級アルキル基、アセチル基、ベンゾイル基又は置換もしくは無置換のフェニル基を、5位、7位又は8位に置換されているフェニルアゾ基の、R23、R24は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、スルホン酸基、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を、qは0又は1を、rは1又は2を表す。)
    又は、式(1)または式(3)化合物の銅化物を含む層を有する偏光素子又は偏光板。
  3. 請求項1の式(1)または式(3)またはそれらの銅化物で表される化合物のうち少なくとも一種、及びシー.アイ.ダイレクト.イエロー12、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ39、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ72、シー.アイ.ダイレクト.レッド39、シー.アイ.ダイレクト.レッド79、シー.アイ.ダイレクト.レッド81、シー.アイ.ダイレクト.レッド83、シー.アイ.ダイレクト.レッド89、シー.アイ.ダイレクト.バイオレット48、シー.アイ.ダイレクト.ブルー67、シー.アイ.ダイレクト.ブルー90、シー.アイ.ダイレクト.グリーン59、シー.アイ.アシッド.レッド37から選ばれる化合物(色素)のうち少なくとも一種を含有する混合物を含む層を有する偏光素子又は偏光板。
  4. 請求項1又は2の化合物を含む層又は請求項3の混合物を含む層が光活性分子を有する層に接している請求項1乃至請求項3の偏光素子又は偏光板。
  5. 請求項1又は2の化合物を含む層又は請求項3の混合物を含む層がラビング処理された基材のラビング処理面に接している請求項1乃至請求項3の偏光素子又は偏光板。
  6. 下記式(3−3)で表される、末端ナフチル基の5位又は8位のいずれかが置換もしくは無置換(R23、R24ともに水素原子)のフェニルアゾ基で置換された化合物又はその銅化物。
    Figure 0003963979
    (式(3−3)において、Q21は、スルホン酸基を1個又は2個有し、さらに水酸基又は低級アルコキシ基を有していてもよいナフチル基を、Q22、Q23はそれぞれ独立にフェニレン基又はナフチレン基(これらの基は置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基、スルホン酸基から選ばれた1種又は2種の置換基を1個又は2個有する)を、R21は水素原子、低級アルキル基、アセチル基、ベンゾイル基又は置換もしくは無置換のフェニル基を、R23、R24は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、スルホン酸基、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を、qは0又は1を、rは1又は2を表す。)
  7. 下記式(3−4)で表される、末端ナフチル基の5位又は8位いずれかが置換もしくは無置換(R23,R24ともに水素原子)のフェニルアゾ基で置換された化合物又はその銅化物。
    Figure 0003963979
    (式(3−4)において、Q22、Q23はそれぞれ独立にフェニレン基又はナフチレン基(これらの基は置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基、スルホン酸基から選ばれた1種又は2種の置換基を1個又は2個有する)を、R21は水素原子、低級アルキル基、アセチル基、ベンゾイル基又は置換もしくは無置換のフェニル基を、R23、R24は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、スルホン酸基、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を、qは0又は1を、rは1又は2を表す。)
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