JP2003327858A - アゾ化合物又はその塩、及びそれらの偏光膜への適用 - Google Patents

アゾ化合物又はその塩、及びそれらの偏光膜への適用

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JP2003327858A
JP2003327858A JP2003039500A JP2003039500A JP2003327858A JP 2003327858 A JP2003327858 A JP 2003327858A JP 2003039500 A JP2003039500 A JP 2003039500A JP 2003039500 A JP2003039500 A JP 2003039500A JP 2003327858 A JP2003327858 A JP 2003327858A
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Yoshiteru Ota
義輝 太田
Shigetoshi Hayashi
成年 林
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温且つ高湿条件での耐久性に優れるアゾ化
合物又はその塩の提供。 【解決手段】 下式(I)又は(II)で示されるアゾ
化合物、又はその塩。 【化1】 【化2】 (式中、Aは1〜3個のスルホを有するナフチル、又は
スルホ及びカルボキシルから選ばれる1〜2個の水溶性
基を有し、更に低級アルキル又は低級アルコキシを有し
てもよいフェニルを表す。Dは−NHCO−又は−N=
N−を表す。R1〜R6は、それぞれ独立に水素、低級ア
ルキル又は低級アルコキシを表す。R7は低級アルキル
等で置換されていてもよいアミノを表す。R8は水素又
はスルホを表す。m及びnはそれぞれ独立に0又は1を
表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アゾ化合物又はそ
の塩、及びそれらの偏光膜への適用に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】偏光膜としては、延伸配向したポリビニ
ルアルコール又はその誘導体のフィルムなどの偏光膜基
材に、偏光材料としてのヨウ素や二色性染料を含有せし
めて製造されるものや、ポリ塩化ビニルフィルムの脱塩
酸又はポリビニルアルコール系フィルムの脱水によりポ
リエンを生成配向せしめたフィルムなどが公知である。
これらのうち、ヨウ素系偏光膜は、初期偏光性能には優
れるものの、熱に対する耐久性及び水に対する耐久性が
劣るため、高温且つ高湿の状態ではその性能が低下する
という問題がある。熱に対する耐久性及び水に対する耐
久性を向上させるために、ホルマリン又はホウ酸を含む
水溶液で処理したり、透湿度の低い高分子フィルムを保
護膜として用いたりする方法などが考えられているが、
未だ十分とはいえない。一方、偏光材料として二色性染
料を用いる染料系偏光膜は一般にヨウ素系偏光膜に比べ
て初期偏光性能が劣る傾向がある。染料系偏光膜に用い
られる二色性染料としては、例えば、下式で示されるア
ゾ染料が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平3−12606号公報[第4頁、
式(2)で表される化合物。下記構造を有する]
【0004】
【化5】
【0005】しかしながら、上記公知のアゾ染料を用い
て得られる偏光膜は、高温且つ高湿条件下における耐久
性等の観点から、必ずしも満足できるものではなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
偏光膜用の染料として用いた場合に、高温且つ高湿条件
下での耐久性に優れるアゾ化合物を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、特定構造のアゾ化合物又はその塩が上記目的を達
成することを見出して、本発明を完成するに至った。即
ち、本発明は、下式(I)又は下式(II)で示される
アゾ化合物又はその塩を提供するものである。
【0008】
【化6】
【0009】
【化7】
【0010】(式中、Aはナフチル又はフェニルを表
し、該ナフチルは1〜3個のスルホを有し、該フェニル
はスルホ及びカルボキシルから選ばれる1〜2個の水溶
性基を有し、更に低級アルキル又は低級アルコキシを有
していてもよい。Dは−NHCO−又は−N=N−を表
す。R1〜Rは、それぞれ独立に、水素、低級アルキ
ル又は低級アルコキシを表す。Rは無置換アミノ、低
級アルキルで置換されたアミノ、−CHCH−CO
OHで置換されたアミノ又は−CH=CH−COOHで
置換されたアミノを表す。Rは、水素又はスルホを表
す。m及びnは、それぞれ独立に、0又は1を表す。)
更に、本発明は、上記のアゾ化合物又はその塩を偏光膜
基材に含有してなる染料系偏光膜をも提供するものであ
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】上式(I)又は(II)における
Aは、ナフチル又はフェニルである。Aで表されるナフ
チルは1〜3個のスルホ(−SOH)を有する。ま
た、Aで表されるフェニルはスルホ及びカルボキシルか
ら選ばれる1〜2個の水溶性基を有し、更に低級アルキ
ル又は低級アルコキシを有していてもよい。該低級アル
キル及び低級アルコキシとしては、炭素数1〜4の直鎖
状又は分岐状の基が好ましい。低級アルキルの具体例と
しては、メチル、エチル又はプロピル等が挙げられる。
低級アルコキシの具体例としては、メトキシ、エトキシ
又はプロポキシ等が挙げられる。
【0012】Aで表される1〜3個のスルホを有するナ
フチルの具体例としては、5−、6−、7−若しくは8
−スルホ−2−ナフチル、4−、5−、6−若しくは7
−スルホ−1−ナフチル、1,5−、6,8−、4,8
−、5,7−若しくは3,6−ジスルホ−2−ナフチ
ル、3,6−若しくは4,6−ジスルホ−1−ナフチ
ル、又は1,5,7−、3,6,8−若しくは4,6,
8−トリスルホ−2−ナフチル等が挙げられる。これら
のナフチルのうち、染色性の観点からは、スルホを2〜
3個有するナフチルが好ましく、1,5−ジスルホ−2
−ナフチル、6,8−ジスルホ−2−ナフチル、4,8
−ジスルホ−2−ナフチル、5,7−ジスルホ−2−ナ
フチル又は3,6−ジスルホ−2−ナフチル等のジスル
ホ−2−ナフチルが特に好ましい。Aで表されるスルホ
及びカルボキシルから選ばれる1〜2個の水溶性基を有
するフェニルとしては、例えば、2−、3−若しくは4
−スルホフェニル、2−、3−若しくは4−カルボキシ
フェニル、2,4−若しくは2,5−ジスルホフェニ
ル、3,5−ジカルボキシフェニル、2−カルボキシ−
4−若しくは−5−スルホフェニル、又は2−若しくは
3−メチル−4−スルホフェニル等が挙げられる。これ
らのフェニルのうち、染色性の観点からは、スルホを有
するフェニルが好ましく、4−スルホフェニルが特に好
ましい。
【0013】R1〜Rは、それぞれ独立に水素、低級
アルキル又は低級アルコキシである。該低級アルキル及
び低級アルコキシとしては、先にAで表されるフェニル
における置換基として例示したアルキル基及びアルコキ
シ基が挙げられる。R1〜R としては、それぞれ独立
に水素又はメチルが好ましい。R及びRとしては、
それぞれ独立に水素、メチル又はメトキシが好ましい。
は、無置換アミノ、低級アルキルで置換されたアミ
ノ、−CHCH−COOHで置換されたアミノ又は
−CH=CH−COOHで置換されたアミノを表す。上
記アミノの置換基の低級アルキルとしては、例えばメチ
ル、エチル又はプロピル等の炭素数1〜4の直鎖状又は
分岐状のアルキル基が挙げられる。
【0014】Rは、水素又はスルホ(−SOH)を
表す。Rとしては、水素が好ましい。
【0015】m及びnは、それぞれ独立に0又は1を表
す。nは1である場合が好ましい。
【0016】アゾ化合物(I)若しくは(II)又はそ
の塩は、例えば、以下に述べる方法によって製造するこ
とができる。第一に、m及びnが1である式(I)で示
されるアゾ化合物の製造法につき、説明する。下式
(V)
【0017】
【化8】
【0018】(式中、A、D、R、R、R
、R及びRは、前記の定義である。)で示され
るアゾ化合物を酸性の水性媒体中、5〜40℃の条件下
で亜硝酸ナトリウムと反応させてジアゾ化し、得られた
ジアゾ化合物を、下式(VI)
【0019】
【化9】
【0020】(式中、R及びRは前記の定義であ
る。)で示されるナフトール化合物と、水性媒体中、5
〜40℃、pH6〜11の条件下で反応させることによ
り、m及びnが共に1であるアゾ化合物(I)を得るこ
とができる。式(V)で示されるアゾ化合物は、下式
(VII)
【0021】
【化10】
【0022】(式中、A、D、R、R、R及びR
は前記の定義である。)で示されるアゾ化合物を酸性
の水性媒体中、5〜40℃の条件下で亜硝酸ナトリウム
と反応させてジアゾ化し、得られたジアゾ化合物を、下
式(VIII)
【0023】
【化11】
【0024】(式中、R及びRは前記の意味を表
す。)で示される化合物と、水性媒体中、5〜40℃、
pH6〜11の条件下で反応させることにより得ること
ができる。式(VII)で示されるアゾ化合物は、下式
(IX)
【0025】
【化12】
【0026】(式中、A、D、R及びRは前記の意
味を表す。)で示される化合物を、酸性の水性媒体中、
5〜40℃の条件下で亜硝酸ナトリウムと反応させてジ
アゾ化し、得られたジアゾ化合物を、下式(X)
【0027】
【化13】
【0028】(式中、R及びRは前記の意味を表
す。)で示される化合物と、水性媒体中、5〜40℃、
pH6〜11の条件下で反応させることにより得ること
ができる。第二に、m及び/又はnが0であるアゾ化合
物(1)は、上述した第一の製造法において、不要の工
程を適宜省略することにより製造することができる。ま
た、式(II)で示されるアゾ化合物は、式(I)にお
いてRがメトキシであるアゾ化合物を、常法により銅
と錯体化することにより、製造することができる。
【0029】アゾ化合物(I)又は(II)の塩として
は、例えば、
【0030】
【化14】
【0031】
【化15】
【0032】
【化16】
【0033】
【化17】
【0034】
【化18】
【0035】
【化19】
【0036】
【化20】
【0037】
【化21】
【0038】
【化22】
【0039】
【化23】
【0040】等が挙げられる。
【0041】アゾ化合物(I)又は(II)の塩として
は、リチウム塩やナトリウム塩、カリウム塩のようなア
ルカリ金属塩、アンモニウム塩、又はエタノールアミン
塩やアルキルアミン塩のような有機アミン塩等が挙げら
れる。アゾ化合物(I)又は(II)を偏光膜基材に含
有させる場合は、ナトリウム塩の形で用いるのが好まし
い。
【0042】本発明のアゾ化合物(I)若しくは(I
I)又はその塩を偏光膜基材に含有させて偏光膜とする
場合、他の二色性有機染料を併用することにより、更に
色相を補正することができる。この場合、二色性及び耐
久性が高い有機染料を併用することが好ましい。
【0043】又、高分子フィルムに2種類以上の二色性
染料を吸着配向させてなる中性色の偏光膜において、2
枚の偏光膜をその配向方向が直交するように重ねた状態
(直交位)で可視領域、特に400〜700nmの波長
範囲における特定波長の色漏れがあると、偏光膜を液晶
パネルに装着したときの暗状態において液晶表示の色相
が変わってしまうことがある。そのため、上記波長範囲
における直交位の透過率(直交透過率)を一様に低くし
て、液晶表示の変色を防止することが必要である。そし
て、本発明のアゾ化合物(I)若しくは(II)又はそ
の塩の一種以上と下記に示す二色性有機染料の一種以上
とを偏光膜基材に吸着配向させることにより、400〜
700nmの波長領域をカバーすることができるので、
偏光性能及び色相に優れた中性色偏光膜の製造が可能と
なる。
【0044】上記二色性有機染料の具体例としては、特
開平2−96102号公報、特開平5−53014号公
報、特開平5−53015号公報、特開平6−1228
31号公報、特開平6−337312号公報、特開平7
−159615号公報、特開平8−225750号公
報、特開平8−291259号公報、特開平8−302
219号公報、特開平9−132726号公報、特開平
9−302249号公報、特開平9−302250号公
報や特開平10−259311号公報に記載の染料、又
は以下に示すカラー・インデックス・ジェネリック・ネ
ーム(Color IndexGeneric Name)で表される染料が例示
される。
【0045】シー・アイ・ダイレクト・イエロー 12 シー・アイ・ダイレクト・イエロー 28 シー・アイ・ダイレクト・イエロー 44 シー・アイ・ダイレクト・オレンジ 26 シー・アイ・ダイレクト・オレンジ 39 シー・アイ・ダイレクト・オレンジ 107 シー・アイ・ダイレクト・レッド 2 シー・アイ・ダイレクト・レッド 31 シー・アイ・ダイレクト・レッド 79 シー・アイ・ダイレクト・レッド 81 シー・アイ・ダイレクト・レッド 117 シー・アイ・ダイレクト・レッド 247
【0046】本発明の染料系偏光膜は、アゾ化合物
(I)若しくは(II)又はその塩からなる、又は、更
に他の有機染料を含んでなる二色性染料を、偏光膜基材
である高分子フィルムに公知の方法で含有させることに
よって、製造することができる。この高分子フィルムと
しては、例えば、ポリビニルアルコール系の樹脂、ポリ
酢酸ビニル樹脂、エチレン/酢酸ビニル(EVA)樹
脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂等からなるものが
利用される。ここでいうポリビニルアルコール系の樹脂
には、ポリ酢酸ビニルの部分又は完全ケン化物であるポ
リビニルアルコール自体の他、ケン化EVA樹脂のよう
な、酢酸ビニルと他の共重合可能な単量体、例えば、エ
チレンやプロピレンのようなオレフィン類、クロトン酸
やアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸のような不飽
和カルボン酸類、不飽和スルホン酸類、ビニルエーテル
類等との共重合体のケン化物、さらにはポリビニルアル
コールをアルデヒドで変性したポリビニルホルマールや
ポリビニルアセタール等も包含される。偏光膜基材とし
ては、ポリビニルアルコール系のフィルム、特にポリビ
ニルアルコールフィルムが、染料の吸着性及び配向性の
点から好適に用いられる。
【0047】このような高分子フィルムに上記染料を含
有させるにあたっては、通常、高分子フィルムを染色す
る方法が採用される。染色は、例えば次のようにして行
うことができる。先ず、前記染料を水に溶解して染浴を
調製する。染浴中の染料濃度は特に制限されないが、通
常は0.0001〜10重量%の範囲から選択される。
又、必要により染色助剤を用いてもよく、例えば、芒硝
を染浴中で0.1〜10重量%用いるのが好適である。
このようにして調製した染浴に高分子フィルムを浸漬
し、染色を行う。染色温度は、好ましくは40〜80℃
である。染料の配向は、高分子フィルムを延伸すること
によって行われる。延伸する方法としては、例えば湿式
法や乾式法等のいずれの方法を採用してもよい。高分子
フィルムの延伸は、染色の前に行っても、染色の後に行
ってもよい。
【0048】染料を含有させ、配向させた高分子フィル
ムは、必要に応じて、公知の方法によりホウ酸処理等の
後処理が施される。このような後処理は、偏光膜の光線
透過率、偏光度及び耐久性を向上させる目的で行われ
る。ホウ酸処理は、用いる高分子フィルムの種類や用い
る染料の種類によって異なるが、一般的には1〜15重
量%、好ましくは5〜10重量%範囲の濃度のホウ酸水
溶液を用いて、30〜80℃、好ましくは50〜80℃
の温度範囲で行われる。更に必要に応じて、カチオン系
高分子化合物を含む水溶液でフィックス処理を併せて行
ってもよい。
【0049】このようにして得られる染料系偏光膜は、
その片面又は両面に、光学的透明性及び機械的強度に優
れる保護膜を貼合して、偏光板とすることができる。保
護膜を形成する材料は、従来から使用されているもので
よく、例えば、セルロースアセテート系フィルムやアク
リル系フィルムのほか、四フッ化エチレン/六フッ化プ
ロピレン共重合体のようなフッ素樹脂系フィルム、ポリ
エステル系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、ポリ
アミド系フィルム等が用いられる。
【0050】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの例により、何ら限定されるも
のではない。例中の「%」及び「部」は、特記ない限
り、重量%及び重量部である。
【0051】実施例1 下式(11)
【0052】
【化24】
【0053】で示されるモノアゾ化合物450部と亜硝
酸ナトリウム14部を水8500部に加えた後、常温で
35%塩酸37部を加えて2時間攪拌し、ジアゾ化合物
の反応液を得た。別途、2,5−ジメトキシアニリン1
80部を水1100部とN−メチル−2−ピロリジノン
740部の混合液に加え、室温で攪拌した。苛性ソーダ
水でpHを8に維持しながら、先に得たジアゾ化合物の
反応液を1時間かけて添加し、添加終了後、更に1時間
攪拌してカップリング反応を行い、下式(12)
【0054】
【化25】
【0055】で示されるビスアゾ化合物を得た。次い
で、式(12)で示されるビスアゾ化合物240部と亜
硝酸ナトリウム55部を水2400部とN−メチル−2
−ピロリジノン1200部の混合液に加えた後、常温で
35%塩酸21部を加えて2時間攪拌し、第二ジアゾ化
合物の反応液を得た。別途、4−アミノ−5−ヒドロキ
シナフタレン−1,3−ジスルホン酸140部を水11
00部とN−メチル−2−ピロリジノン760部の混合
液に加え、室温で攪拌した。苛性ソーダ水でpHを7に
維持しながら、先に得た第二ジアゾ化合物の反応液を1
時間かけて添加し、添加終了後、更に1時間攪拌してカ
ップリング反応を行い、前記式(3)で示されるトリス
アゾ化合物の塩を得た。この塩の水性媒体中における極
大吸収波長は、623nmであった。
【0056】実施例2 実施例1で用いたモノアゾ化合物(11)に代えて、下
式(13)
【0057】
【化26】
【0058】で示されるビスアゾ化合物を用いる以外は
実施例1に準拠して、前記式(4)で示されるテトラキ
スアゾ化合物の塩を得た。この塩の水性媒体中における
極大吸収波長は、625nmであった。
【0059】実施例3 ビスアゾ化合物(12)に代えて、下式(14)
【0060】
【化27】
【0061】で示されるビスアゾ化合物を用いる以外は
実施例1に準拠して、前記式(2)で示されるトリスア
ゾ化合物の塩を得た。この塩の水性媒体中における極大
吸収波長は、621nmであった。
【0062】実施例4 ビスアゾ化合物(12)に代えて、4−(4−アミノフ
ェニルアゾ)ベンゼンスルホン酸を用いる以外は実施例
1に準拠して、前記式(1)で示されるジスアゾ化合物
の塩を得た。この塩の水性媒体中における極大吸収波長
は、562nmであった。
【0063】実施例5 ビスアゾ化合物(12)に代えて、下式(15)
【0064】
【化28】
【0065】で示されるビスアゾ化合物を用いる以外は
実施例1に準拠して、前記式(6)で示されるトリスア
ゾ化合物の塩を得た。この塩の水性媒体中における極大
吸収波長は、629nmであった。
【0066】実施例6 ビスアゾ化合物(12)に代えて、下式(16)
【0067】
【化29】
【0068】で示されるビスアゾ化合物を用い、且つ、
4−アミノ−5−ヒドロキシナフタレン−1,3−ジス
ルホン酸に代えて、4−アミノ−5−ヒドロキシナフタ
レン−1−スルホン酸を用いる以外は実施例1に準拠し
て、前記式(7)で示されるトリスアゾ化合物の塩を得
た。この塩の水性媒体中における極大吸収波長は、60
5nmであった。 実施例7 ビスアゾ化合物(12)に代えて、ビスアゾ化合物(1
4)を用い、4−アミノ−5−ヒドロキシナフタレン−
1,3−ジスルホン酸に代えて、4−アミノ−5−ヒド
ロキシナフタレン−1−スルホン酸を用いる以外は実施
例1に準拠して、前記式(8)で示されるトリスアゾ化
合物の塩を得た。この塩の水性媒体中における極大吸収
波長は、623nmであった。
【0069】実施例8 厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルム[クラレ
ビニロン#7500、(株)クラレ製品]を縦一軸に5
倍延伸して、偏光膜基材とした。このポリビニルアルコ
ールフィルムを緊張状態に保ったまま、実施例1で得た
トリスアゾ化合物の塩(3)を0.025%、芒硝(染
色助剤)を0.2%の濃度とした70℃の水溶液に浸漬
した。次に78℃の7.5%ホウ酸水溶液に5分間浸漬
後、取出し、20℃の水で20秒間洗浄し、50℃で乾
燥して偏光膜を得た。得られた偏光膜のλmax(膜の
延伸方向の透過率が最小となる波長。以下、同じ)は6
60nmであった。この偏光膜は、高温・高湿の状態で長
時間にわたる耐久性を示し、高い偏光性能を有してい
た。
【0070】実施例9 アゾ化合物の塩を下表1に記載のアゾ化合物の塩に変更
する以外は、実施例5と同様にして偏光膜を得た。得ら
れた偏光膜のλmaxを下表1に示した。これらの偏光
膜は、高温・高湿の状態でも長時間にわたる耐久性を示
し、高い偏光性能を有していた。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】本発明のアゾ化合物又はその塩を含有す
る染料系偏光膜は、高温・高湿状態における耐久性に優
れるので、カーナビゲーション等の車載用表示装置に好
適に用いられる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式(I)若しくは下式(II)で示され
    るアゾ化合物又はその塩。 【化1】 【化2】 (式中、Aはナフチル又はフェニルを表し、該ナフチル
    は1〜3個のスルホを有し、該フェニルはスルホ及びカ
    ルボキシルから選ばれる1〜2個の水溶性基を有し、更
    に低級アルキル又は低級アルコキシを有していてもよ
    い。Dは−NHCO−又は−N=N−を表す。R1〜R
    は、それぞれ独立に、水素、低級アルキル又は低級ア
    ルコキシを表す。Rは無置換アミノ、低級アルキルで
    置換されたアミノ、−CHCH−COOHで置換さ
    れたアミノ又は−CH=CH−COOHで置換されたア
    ミノを表す。Rは水素又はスルホを表す。m及びn
    は、それぞれ独立に、0又は1を表す。)
  2. 【請求項2】下式(III)若しくは下式(IV)で示さ
    れる請求項1に記載のアゾ化合物又はその塩。 【化3】 【化4】 (式中、pは0又は1を表す。A、D、R1〜R及び
    mは前記と同じ定義である。)
  3. 【請求項3】Aが、2〜3個のスルホを有する2−ナフ
    チルであるか、又は、スルホ及びカルボキシルから選ば
    れる1〜2個の水溶性基を有するフェニルである請求項
    1又は2に記載のアゾ化合物又はその塩。
  4. 【請求項4】R1〜R4が、それぞれ独立に、水素又はメ
    チルであり、R及びRが、それぞれ独立に、水素、
    メチル又はメトキシである請求項1〜3のいずれかに記
    載のアゾ化合物又はその塩。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のアゾ化合
    物又はその塩を偏光膜基材に含有してなる染料系偏光
    膜。
  6. 【請求項6】偏光膜基材が、ポリビニルアルコール系の
    樹脂からなるフィルムである請求項5に記載の染料系偏
    光膜。
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