JP2009293016A - インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009293016A
JP2009293016A JP2009108766A JP2009108766A JP2009293016A JP 2009293016 A JP2009293016 A JP 2009293016A JP 2009108766 A JP2009108766 A JP 2009108766A JP 2009108766 A JP2009108766 A JP 2009108766A JP 2009293016 A JP2009293016 A JP 2009293016A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
group
substituted
general formula
unsubstituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009108766A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009293016A5 (ja
JP5602387B2 (ja
Inventor
Yukako Tamanuki
有歌子 玉貫
Hiroshi Tomioka
洋 冨岡
Eiichi Nakada
栄一 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2009108766A priority Critical patent/JP5602387B2/ja
Publication of JP2009293016A publication Critical patent/JP2009293016A/ja
Publication of JP2009293016A5 publication Critical patent/JP2009293016A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5602387B2 publication Critical patent/JP5602387B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】耐光性に優れた画像を与え、さらには色調に優れた画像を形成でき、かつ、インクとしての信頼性を十分満足させることができるインクジェット用インクを提供すること。
【解決手段】少なくとも、第1の色材及び第2の色材の、2つの色材を含有するインクジェット用インクであって、前記第1の色材が、イエローインクに用いる色材の一般式(I)で表される化合物であり、前記第2の色材が、一般式(II)で表される化合物及び/又は一般式(III)で表される化合物であり、第1の色材及び第2の色材を特定の質量比率で含有することを特徴とするインクジェット用インク。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録方法の課題としては、得られた記録物の画像保存性に劣ることが挙げられる。一般に、インクジェット記録方法で得られた記録物は、銀塩写真と比較して、その画像保存性が低い。具体的には、記録物が、光、湿度、熱、空気中に存在する環境ガスなどに長時間さらされた際に、記録物上の色材が劣化し、画像の色調変化や褪色が発生しやすいといった問題がある。
画像保存性の中でも特に、画像の耐光性を向上させるために、従来から数多くの提案がなされている。例えば、シアン、マゼンタ、及びイエローの各インクの中でも特に画像の耐光性が低いイエローインクにおいて、画像の耐光性を向上させることができ、かつ発色性に優れた画像を形成することができる色材が提案されている(特許文献1参照)。また、画像の堅牢性に優れるとされる複数の異なる色材を併用したインクにより、画像の耐光性を向上させることに関する提案がある(特許文献2参照)。
一方、インクジェット記録装置の機構の中で、インクと接触するインクカートリッジやインク供給経路を構成する部材から溶出した物質が、不純物としてインク中に混入することによって生じるインクの汚染の問題がある。すなわち、インク中に混入した不純物によって、安定した画像の形成が損なわれるという問題がある。この問題に対しては、例えば、インクカートリッジ中のインク吸収体から溶出するケイ素量と、安定なインクジェット記録を行うための条件を規定することに関する提案がある(特許文献3参照)。
国際公開第2006/082669号パンフレット 特開2005−146244号公報 特開平11−198399号公報
しかし、本発明者らの検討の結果、上記で挙げたような特許文献に記載された技術を用いたとしても、以下の課題があることがわかった。
近年、画像保存性に対する要求が特に高まってきており、特許文献1に記載された色材を含有してなるインクを用いても、形成した画像の耐光性は、もはや十分なものとは言えなくなってきている。さらに、特許文献1に記載された色材は、高い光学濃度を与える一方で、画像の色調が緑味を帯びており、シアンやマゼンタのインクと併用する場合に、レッドの色再現範囲が大きく損失するという別の課題があった。また、特許文献2に記載された技術について本発明者らが検討したところ、上記特許文献1に記載された色材と、それとは異なる色材とを併用しても、形成した画像がやはり緑味を帯びていることがわかった。このことは、従来の技術では、シアンやマゼンタのインクと併用する場合に、レッドの色再現範囲が大きく損失するという課題が依然として解決されておらず、未だ色調に優れるインクの提供がなされていないことを示している。
さらに、インク中には、色材などの製造中に除去できずに残留した物質などに由来する不純物や、インクカートリッジやインク供給経路を構成する部材からインク中に溶出したと考えられる不純物が存在する場合がある。インク中に混入したこれらの物質は、インク供給経路の目詰まりやインク供給特性、さらにはインク保存安定性の低下の要因となるため、特に、近年必要とされる高画質な記録を行う上では、信頼性の観点から解決すべき課題とされている。しかし、一般にこのような物質を除去することは困難であったり、除去可能であったとしても非常にコストがかかったりするため、過度な精製行程の追加は、安価にユーザーに商品を供給する上での妨げとなり、実用化に際しての重大な問題となる。
インクへの不純物の混入は、従来から解決すべき課題として認識されており、その対応策も提案されてはいるものの、必ずしも十分な解決策とはなってはいない。特に、例えば5pL(ピコリットル)以下といった小液滴としてインクが吐出されるような、近年のインクジェット記録方法の高精細化に伴い、この課題はより顕著に発生するようになってきている。このような状況のもとで、先に挙げた特許文献3に記載された技術を用いたとしても、必ずしも十分な解決策とはなっていない。これは、特許文献3に記載された発明においては、インク中の原因物質の含有量を一定量以下に抑えるという思想に終始しているためと考えられる。
したがって、本発明の目的は、耐光性に優れた画像を与え、さらには色調に優れた画像を形成でき、かつ、インクとしての信頼性を十分満足させることができるイエローのインクジェット用インクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクジェット用インクを用いたインクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置を提供することにある。
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明にかかるインクジェット用インクは、少なくとも、第1の色材及び第2の色材の、2つの色材を含有するインクジェット用インクであって、前記第1の色材が、下記一般式(I)で表される化合物であり、前記第2の色材が、下記一般式(II)で表される化合物及び/又は下記一般式(III)で表される化合物であり、前記第2の色材のインク中における含有量(質量%)が、前記第1の色材のインク中における含有量(質量%)に対して、質量比率で、0.002以上0.50以下であることを特徴とする。
Figure 2009293016
(一般式(I)中、R1、R2、Y1、及びY2はそれぞれ独立に、一価の基であり、X1及びX2はそれぞれ独立に、ハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基であり、Z1及びZ2はそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、M1は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
Figure 2009293016
(一般式(II)中、R3及びY3はそれぞれ独立に、一価の基であり、X3はハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基であり、Z3は、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基である。)
Figure 2009293016
(一般式(III)中、R4及びY4はそれぞれ独立に、一価の基であり、X4はハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基であり、Z4及びZ5はそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、M2は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
本発明によれば、耐光性に優れた画像を与え、さらには色調に優れた画像を形成でき、かつ、インクとしての信頼性を十分満足させることができるイエローのインクジェット用インクを提供することができる。また、本発明の別の実施態様によれば、前記インクジェット用インクを用いたインクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置を提供することができる。
インクジェット記録装置の斜視図である。 インクジェット記録装置の機構部の斜視図である。 インクジェット記録装置の断面図である。 インクカートリッジをヘッドカートリッジに装着する状態の斜視図である。 ヘッドカートリッジの分解斜視図である。 ヘッドカートリッジにおける記録素子基板を示す正面図である。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を挙げて、詳細に説明する。
なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、以下の記載において、第1の色材である、一般式(I)で表される化合物、及び一般式(IV)で表される化合物は、それぞれ「一般式(I)の化合物」、及び「一般式(IV)の化合物」と省略して記載することがある。また、第2の色材である、一般式(II)で表される化合物、及び一般式(III)で表される化合物は、それぞれ「一般式(II)の化合物」、及び「一般式(III)の化合物」と省略して記載することがある。さらに、第2の色材である、一般式(V)で表される化合物、及び一般式(VI)で表される化合物は、それぞれ「一般式(V)の化合物」、及び「一般式(VI)の化合物」と省略して記載することがある。
本発明者らは、上述の従来技術の課題を踏まえて、イエローインクに用いる色材について、詳細な検討を行う必要があると考えた。
前記したように、インクジェット用インクとして広く用いられるイエロー、マゼンタ、及びシアンの各インクの中でも特に、イエローインクが、形成される画像の耐光性に劣る傾向がある。そこで、本発明者らはイエローインクに用いる色材について様々な検討を行った。その結果、特に、上記特許文献1に記載されている下記一般式(I)の化合物、及び、その中でも特に下記一般式(IV)の化合物が、耐光性及び発色性が優れることに着目した。
さらに、本発明者らは、色材として一般式(I)の化合物のみを含有するインクを調製し、該インクを用いて形成した種々の画像や、インクとしての信頼性の検討を行った。その結果、色材として一般式(I)の化合物のみを含有するインクを用いて得られた記録物の画像保存性は、ある一定以上の性能を有するものの、特に画像の耐光性においては、近年の高い要求を満足させるのには未だ不十分であるとの結論に至った。特に、該インクを用いて形成したイエロー画像の色調は緑味を帯びており、また、該インクと種々の色相角を有するシアンインクやマゼンタインクとを組み合わせて形成した画像における色再現範囲、特にはレッドの領域が、大きく損失することもわかった。さらに、該インクをインクジェット記録装置に搭載した状態でインクジェット記録装置を使用せずに長期間放置させると、インクジェット記録装置によっては吐出性の低下やインクの保存安定性の低下が起こることがわかった。
これらの現象について本発明者らが詳細に検討した結果、一般式(I)の化合物の含有量が比較的少ないインクでは、形成した画像の画像保存性、特に耐光性に劣ることがわかった。その一方で、一般式(I)の化合物の含有量が多いインクでは、形成した画像の耐光性は比較的優れるものの、色調が緑味を帯びており、シアンやマゼンタのインクと併用させた場合に、レッドの領域が大きく損失するという問題があった。また、一般式(I)の化合物の含有量が多いインクをインクジェット記録装置に搭載した状態でインクジェット記録装置を使用せずに長期間放置した後に、記録ヘッドを観察したところ、ノズル内部に異物が発生しているものがあった。この異物について検討した結果、インクカートリッジやインク供給経路を構成する部材から溶出したか、又は色材中に含まれていたと考えられる金属やケイ素などのイオンに由来するものであることがわかった。このような異物が発生している記録ヘッドを使用すると、異物によって吐出性が低下することや、また、異物に起因してインクの保存安定性が低下することがわかった。
すなわち、一般式(I)の化合物を含有するインクを用いて形成した画像について、優れた耐光性と色再現範囲、さらにインクとしての信頼性を満足するという全ての性能を両立させることは、従来の技術では不十分であった。より具体的には、下記の3つの性能を同時に満足するインクの提供は、従来の技術では十分に達成できなかった。上記特定の色材を含むインク画像の耐光性を近年要求される高いレベルを満足させるまで向上させ、かつ、該インクとシアンやマゼンタのインクとを併用して形成した画像のレッドの色再現範囲を広げ、さらにインクとしての信頼性を満足したものにすることである。
本発明者らは、一般式(I)の化合物を使用した場合に生じる上記の技術課題を解決するために検討を行い、本発明を為すに至った。すなわち、本発明では、第1の色材である下記一般式(I)で表される化合物と、第2の色材である下記一般式(II)で表される化合物及び/又は下記一般式(III)で表される化合物とを特定の質量比率で含有するインクにより、上記技術課題の解決を図る。
Figure 2009293016
(一般式(I)中、R1、R2、Y1、及びY2はそれぞれ独立に、一価の基であり、X1及びX2はそれぞれ独立に、ハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基である。また、Z1及びZ2はそれぞれ独立に、水素原子及び下記の置換基からなる群から選ばれる。置換基の群は、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基である。また、M1は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
Figure 2009293016
(一般式(II)中、R3及びY3はそれぞれ独立に、一価の基であり、X3はハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基である。また、Z3は、水素原子及び下記の置換基からなる群から選ばれる。置換基の群は、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基である。)
Figure 2009293016
(一般式(III)中、R4及びY4はそれぞれ独立に、一価の基であり、X4はハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基である。また、Z4及びZ5はそれぞれ独立に、水素原子及び下記の置換基からなる群から選ばれる。置換基の群は、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基である。また、M2は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
本発明においては特に、第1の色材として、下記一般式(IV)で表される化合物を用い、かつ、第2の色材として、下記一般式(V)で表される化合物及び/又は下記一般式(VI)で表される化合物を用いることが好ましい。
Figure 2009293016
(一般式(IV)中、R5、R6、Y1及びY2はそれぞれ独立に、一価の基であり、X1及びX2はそれぞれ独立に、ハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基であり、nは1以上の整数である。また、M1は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
Figure 2009293016
(一般式(V)中、R7及びY3はそれぞれ独立に、一価の基であり、X3はハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基であり、nは1以上の整数である。)
Figure 2009293016
(一般式(VI)中、R8及びY4はそれぞれ独立に、一価の基であり、X4はハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基であり、nは1以上の整数である。また、Zは、水素原子及び下記の置換基からなる群から選ばれる。置換基の群は、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基である。また、M2は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
上記したように、インクに用いる色材を、特定の構造を有する化合物の組み合わせとし、これらの色材を特定の質量比率でインク中に含有させることで、本発明の効果が特に顕著に得られる。以下に、本発明のインクジェット用インクについて詳細に説明する。
<インク>
以下、本発明にかかるインクジェット用インク(以下、単にインクと呼ぶこともある)を構成する成分や、インクの物性などについて詳細に述べる。
(色材)
〔第1の色材:一般式(I)で表される化合物、及び、一般式(IV)で表される化合物〕
本発明のインクは、耐光性及び発色性に優れるという特徴を有する、下記一般式(I)の化合物を、第1の色材として含有することが必要である。下記一般式(I)の化合物の中でも特に、下記一般式(IV)の化合物を使用することが好ましい。以下、これらの一般式について説明する。
Figure 2009293016
(一般式(I)中、R1、R2、Y1、及びY2はそれぞれ独立に、一価の基であり、X1及びX2はそれぞれ独立に、ハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基である。また、Z1及びZ2はそれぞれ独立に、水素原子及び下記の置換基からなる群から選ばれる。置換基の群は、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基である。また、M1は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
Figure 2009293016
(一般式(IV)中、R5、R6、Y1及びY2はそれぞれ独立に、一価の基であり、X1及びX2はそれぞれ独立に、ハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基であり、nは1以上の整数である。また、M1は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
一般式(I)におけるR1、R2、Y1及びY2、並びに、一般式(IV)におけるR5、R6、Y1及びY2は、それぞれ独立に一価の基であり、具体的には以下の置換基のいずれかとすることができる。水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基。ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基。アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基)、アシルアミノ基(アミド基)、アミノカルボニルアミノ基(ウレイド基)、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基。アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基。アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、アゾ基、及びイミド基が挙げられる。これらの基は、さらに置換基を有してもよい。
上記した中でも特に、下記に挙げる群から選ばれるものが好ましい。好ましい群を構成するものとしては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基。及び、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、及びアルコキシカルボニル基である。これらの中でも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、及びヘテロ環基である場合がより好ましい。さらには、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、及びアルキルスルホニル基のいずれかであることが特に好ましい。
以下に、一般式(I)におけるR1、R2、Y1及びY2、並びに、一般式(IV)におけるR5、R6、Y1及びY2を構成するものについて、さらに詳しく説明する。
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子などが挙げられ、中でも、塩素原子又は臭素原子が好ましく、特には、塩素原子が好ましい。
アルキル基としては、炭素数が1乃至30の置換又は無置換のアルキル基が挙げられる。具体的なものとしては、メチル、エチル、ブチル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、ヒドロキシエチル、シアノエチル、及び4−スルホブチルなどが挙げられる。
シクロアルキル基としては、炭素数が5乃至30の置換又は無置換のシクロアルキル基が挙げられる。具体的なものとしては、シクロヘキシル、シクロペンチル、及び4−n−ドデシルシクロヘキシルなどが挙げられる。
アラルキル基としては、炭素数が7乃至30の置換又は無置換のアラルキル基が挙げられる。具体的なものとしては、ベンジル及び2−フェネチルなどが挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数が2乃至30の置換又は無置換のアルケニル基が挙げられる。具体的なものとしては、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル、2−シクロペンテン−1−イル、及び2−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられる。
アルキニル基としては、炭素数2乃至30の置換又は無置換のアルキニル基が挙げられる。具体的なものとしては、エチニル及びプロパルギルなどが挙げられる。
アリール基としては、炭素数6乃至30の置換又は無置換のアリール基が挙げられる。具体的なものとしては、フェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、及びo−ヘキサデカノイルアミノフェニルなどが挙げられる。
ヘテロ環基は、5員環又は6員環であり、置換又は無置換の、芳香族又は非芳香族のヘテロ環化合物から1個の水素原子を取り除いた一価の基であり、これらはさらに縮環していてもよい。中でも、炭素数3乃至50の5員環又は6員環である芳香族のヘテロ環基であることが好ましい。へテロ環基の具体的なものとしては、置換位置を限定しないで例示すると、下記のものが挙げられる。ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン。ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール。チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール。イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、及びチアゾリンなどである。
アルコキシ基としては、炭素数が1乃至30の置換又は無置換のアルコキシ基が挙げられる。具体的なものとしては、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−オクチルオキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシ、及び3−カルボキシプロポキシなどが挙げられる。
アリールオキシ基としては、炭素数6乃至30の置換又は無置換のアリールオキシ基が挙げられる。具体的なものとしては、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、及び2−テトラデカノイルアミノフェノキシなどが挙げられる。
シリルオキシ基としては、炭素数3乃至20のシリルオキシ基が挙げられる。具体的なものとしては、トリメチルシリルオキシ、及びt−ブチルジメチルシリルオキシなどが挙げられる。
ヘテロ環オキシ基としては、炭素数2乃至30の置換又は無置換のヘテロ環オキシ基が挙げられる。具体的なものとしては、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、及び2−テトラヒドロピラニルオキシなどが挙げられる。
アシルオキシ基としては、ホルミルオキシ基、炭素数2乃至30の置換又は無置換のアルキルカルボニルオキシ基、及び炭素数6乃至30の置換又は無置換のアリールカルボニルオキシ基が挙げられる。具体的なものとしては、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、及びp−メトキシフェニルカルボニルオキシなどが挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、炭素数1乃至30の置換又は無置換のカルバモイルオキシ基が挙げられる。具体的なものとしては、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシなどが挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素数2乃至30の置換又は無置換アルコキシカルボニルオキシ基が挙げられる。具体的なものとしては、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、及びn−オクチルカルボニルオキシなどが挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素数7乃至30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が挙げられる。具体的なものとしては、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、及びp−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシなどが挙げられる。
アミノ基としては、炭素数1乃至30の置換又は無置換のアルキルアミノ基、及び炭素数6乃至30の置換又は無置換のアリールアミノ基が挙げられる。具体的なものとしては、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ、ヒドロキシエチルアミノ、カルボキシエチルアミノ、スルフォエチルアミノ、及び3,5−ジカルボキシアニリノなどが挙げられる。
アシルアミノ基としては、ホルミルアミノ基、炭素数1乃至30の置換又は無置換のアルキルカルボニルアミノ基、及び炭素数6乃至30の置換又は無置換のアリールカルボニルアミノ基が挙げられる。具体的なものとしては、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、及び3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノなどが挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基としては、炭素数1乃至30の置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ基が挙げられる。具体的なものとしては、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノなどが挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素数2乃至30の置換又は無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が挙げられる。具体的なものとしては、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、及びN−メチル−メトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭素数7乃至30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が挙げられる。具体的なものとしては、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、及びm−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノなどが挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、炭素数0乃至30の置換又は無置換のスルファモイルアミノ基が挙げられる。具体的なものとしては、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、及びN−n−オクチルアミノスルホニルアミノなどが挙げられる。
アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基としては、炭素数1乃至30の置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6乃至30の置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基が挙げられる。具体的なものとしては、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、及びp−メチルフェニルスルホニルアミノなどが挙げられる。
アルキルチオ基としては、炭素数1乃至30の置換又は無置換のアルキルチオ基が挙げられる。具体的なものとしては、メチルチオ、エチルチオ、及びn−ヘキサデシルチオなどが挙げられる。
アリールチオ基としては、炭素数6乃至30の置換又は無置換のアリールチオ基が挙げられる。具体的なものとしては、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、及びm−メトキシフェニルチオなどが挙げられる。
ヘテロ環チオ基としては、炭素数2乃至30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基が挙げられる。具体的なものとしては、2−ベンゾチアゾリルチオ、及び1−フェニルテトラゾール−5−イルチオなどが挙げられる。
スルファモイル基としては、炭素数0乃至30の置換又は無置換のスルファモイル基が挙げられる。具体的なものとしては、下記のものが挙げられる。すなわち、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、及びN−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイルなどである。
アルキルスルフィニル基及びアリールスルフィニル基としては、炭素数1乃至30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、及び炭素数が6乃至30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基が挙げられる。具体的なものとしては、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、及びp−メチルフェニルスルフィニルなどが挙げられる。
アルキルスルホニル基及びアリールスルホニル基としては、炭素数1乃至30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、及び炭素数が6乃至30の置換又は無置換のアリールスルホニル基が挙げられる。具体的なものとしては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、及びp−トルエンスルホニルなどが挙げられる。
アシル基としては、下記のものが挙げられる。すなわち、ホルミル基、炭素数2乃至30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7乃至30の置換又は無置換のアリールカルボニル基。及び炭素数4乃至30の置換又は無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基などである。具体的なものとしては、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2−ピリジルカルボニル、及び2−フリルカルボニルなどが挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、炭素数7乃至30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基が挙げられる。具体的なものとしては、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、及びp−t−ブチルフェノキシカルボニルなどが挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、炭素数2乃至30の置換又は無置換のアルコキシカルボニル基が挙げられる。具体的なものとしては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、及びn−オクタデシルオキシカルボニルなどが挙げられる。
カルバモイル基としては、炭素数1乃至30の置換又は無置換のカルバモイル基が挙げられる。具体的なものとしては、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、及びN−(メチルスルホニル)カルバモイルなどが挙げられる。
ホスフィノ基としては、炭素数2乃至30の置換又は無置換のホスフィノ基が挙げられる。具体的なものとしては、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、及びメチルフェノキシホスフィノなどが挙げられる。
ホスフィニル基としては、炭素数2乃至30の置換又は無置換のホスフィニル基が挙げられる。具体的なものとしては、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、及びジエトキシホスフィニルなどが挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、炭素数2乃至30の置換又は無置換のホスフィニルオキシ基が挙げられる。具体的なものとしては、ジフェノキシホスフィニルオキシ、及びジオクチルオキシホスフィニルオキシなどが挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、炭素数2乃至30の置換又は無置換のホスフィニルアミノ基が挙げられる。具体的なものとしては、ジメトキシホスフィニルアミノ、及びジメチルアミノホスフィニルアミノなどが挙げられる。
シリル基としては、炭素数3乃至30の置換又は無置換のシリル基が挙げられる。具体的なものとしては、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、及びフェニルジメチルシリルなどが挙げられる。
アゾ基の具体的なものとしては、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、及び2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾなどが挙げられる。
イミド基の具体的なものとしては、N−スクシンイミド、及びN−フタルイミドなどが挙げられる。
上記に挙げたそれぞれの置換基は、さらに置換されていてもよい。この場合の置換基としては、例えば、下記に挙げるような置換基からなる群から選択すればよい。炭素数1乃至12の直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭素数7乃至18の直鎖又は分岐鎖アラルキル基、炭素数2乃至12の直鎖又は分岐鎖アルケニル基、炭素数2乃至12の直鎖又は分岐鎖アルキニル基。及び炭素数3乃至12の直鎖又は分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3乃至12の直鎖又は分岐鎖シクロアルケニル基である。これらの置換基は、染料の溶解性やインクの安定性を優れたものとするために、分岐鎖を有するものがより好ましく、さらには不斉炭素を有するものが特に好ましい。
上記置換基群に包含される置換基やその他に使用可能な置換基として挙げられる、本発明の一般式(I)におけるR1、R2、Y1及びY2、並びに、一般式(IV)におけるR5、R6、Y1及びY2における置換基の具体例としては、下記のものが挙げられる。メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、sec−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、及びシクロペンチルなどの置換又は無置換のアルキル基;塩素原子、及び臭素原子などのハロゲン原子;フェニル、4−t−ブチルフェニル、及び2,4−ジ−t−アミルフェニルなどのアリール基;イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、及び2−ベンゾチアゾリルなどのヘテロ環基;シアノ基;ヒドロキシル基;ニトロ基;カルボキシ基;アミノ基;メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、及び2−メチルスルホニルエトキシなどのアルキルオキシ基;フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルボニルフェノキシ、及び3−メトキシカルボニルフェニルオキシなどのアリールオキシ基;アセトアミド、ベンズアミド、及び4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミドなどのアシルアミノ基;メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、及びメチルブチルアミノなどのアルキルアミノ基;フェニルアミノ、及び2−クロロアニリノなどのアニリノ基;フェニルウレイド、メチルウレイド、及びN,N−ジブチルウレイドなどのウレイド基;N,N−ジプロピルスルファモイルアミノなどのスルファモイルアミノ基;メチルチオ、オクチルチオ、及び2−フェノキシエチルチオなどのアルキルチオ基;フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、及び2−カルボキシフェニルチオなどのアリールチオ基;メトキシカルボニルアミノなどのアルキルオキシカルボニルアミノ基;メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、及びp−トルエンスルホニルアミノなどのアルキル又はアリールスルホニルアミノ基;N−エチルカルバモイル、及びN,N−ジブチルカルバモイルなどのカルバモイル基;N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、及びN−フェニルスルファモイルなどのスルファモイル基;メチルスルホニル、オクチルスルホニル、フェニルスルホニル、及びp−トルエンスルホニルなどのスルホニル基;メトキシカルボニル、及びブチルオキシカルボニルなどのアルキルオキシカルボニル基;1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、及び2−テトラヒドロピラニルオキシなどのヘテロ環オキシ基;フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、及び2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾなどのアゾ基;アセトキシなどのアシルオキシ基;N−メチルカルバモイルオキシ、及びN−フェニルカルバモイルオキシなどのカルバモイルオキシ基;トリメチルシリルオキシ、及びジブチルメチルシリルオキシなどのシリルオキシ基;フェノキシカルボニルアミノなどのアリールオキシカルボニルアミノ基;N−スクシンイミド、及びN−フタルイミドなどのイミド基;2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、及び2−ピリジルチオなどのヘテロ環チオ基;3−フェノキシプロピルスルフィニルなどのスルフィニル基;フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、及びフェニルホスホニルなどのホスホニル基;フェノキシカルボニルなどのアリールオキシカルボニル基;アセチル、3−フェニルプロパノイル、及びベンゾイルなどのアシル基;カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホノ基、及び4級アンモニウム基などのイオン性親水性基が挙げられる。
一般式(IV)におけるR5及びR6はそれぞれ独立に、一価の基であるが、一般式(IV)の化合物が親水性を有するためには、これらの基がイオン性親水性基であることが好ましい。このようなイオン性親水性基の具体例としては、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、若しくはホスホノ基、又はこれらの塩、或いは四級アンモニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、スルホン酸基、カルボキシル基、又は水酸基が特に好ましい。これらのイオン性親水性基のカウンターイオンとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、又は有機アンモニウムイオンなどが挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属イオンが特に好ましく、イオン性親水性基がスルホン酸基である場合はリチウム塩、また、イオン性親水性基がカルボキシル基である場合はナトリウム塩又はカリウム塩であることが好ましい。
一般式(I)におけるX1及びX2、並びに一般式(IV)におけるX1及びX2は、ハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基である。
ここで、ハメット則及びハメットの置換基定数σp値(以下、「ハメットのσp値」と呼ぶ)について説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応や平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために、1935年にL.P.Hammettにより提唱された経験則であり、今日では広く妥当性が認められている。ハメット則により求められる置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に記載がある。例えば、J.A.Dean編、Lange's Handbook of Chemistry 第12版、1979年、McGraw-Hillや、化学の領域、増刊、122号、96〜103頁、1979年、南光堂に詳細な記載がある。
なお、本発明においては、各置換基をハメットのσp値により規定している。しかし、本発明では、上記したような文献に具体的にσp値が記載された置換基のみに限定されるものではない。本発明は、上記したような文献にσp値が記載されていない置換基であっても、ハメット則に基づいてσp値を算出した場合に、その範囲内に含まれるであろう置換基をも含む。一般式(I)の化合物及び一般式(IV)の化合物はいずれもベンゼン誘導体ではないが、本発明においては、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を用いるものとする。以下に、本発明の一般式(I)の化合物又は一般式(IV)の化合物の有する置換基において、ハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基として用いることができる置換基の具体例を、ハメットのσp値の範囲ごとに列挙する。
ハメットのσp値が0.60以上の電子吸引性基としては、以下のものが挙げられる。シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル基)。
ハメットのσp値が0.45以上の電子吸引性基としては、上記に加えて、以下のものが挙げられる。
アシル基(例えば、アセチル基)、アルコキシカルボニル基(例えば、ドデシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、m−クロロフェノキシカルボニル基)。アルキルスルフィニル基(例えば、n−プロピルスルフィニル基)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基)。スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフロロメチル基)。
ハメットのσp値が0.30以上の電子吸引性基としては、上記に加えて、以下のものが挙げられる。
アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイル基)。ハロゲン化アルコキシ基(例えば、トリフロロメチルオキシ基)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、ペンタフロロフェニルオキシ基)。スルホニルオキシ基(例えば、メチルスルホニルオキシ基)、ハロゲン化アルキルチオ基(例えば、ジフロロメチルチオ基)。2つ以上のσp値が0.15以上の電子吸引性基で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル基、ペンタクロロフェニル基)。複素環(例えば、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−フェニル−2−ベンズイミダゾリル基)。
ハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基は、上記に加えて、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素)などが挙げられる。
一般式(I)におけるZ1及びZ2はそれぞれ独立に、以下に挙げる置換基のいずれかである。すなわち、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基のいずれかである。
アルキル基としては、先に一般式(I)におけるR1、R2、Y1及びY2、並びに、一般式(IV)におけるR5、R6、Y1及びY2の説明で挙げたアルキル基と同じものが挙げられる。アルケニル基としては、先に一般式(I)におけるR1、R2、Y1及びY2、並びに、一般式(IV)におけるR5、R6、Y1及びY2の説明で挙げたアルケニル基と同じものが挙げられる。アルキニル基としては、先に一般式(I)におけるR1、R2、Y1及びY2、並びに、一般式(IV)におけるR5、R6、Y1及びY2の説明で挙げたアルキニル基と同じものが挙げられる。アラルキル基としては、先に一般式(I)におけるR1、R2、Y1及びY2、並びに、一般式(IV)におけるR5、R6、Y1及びY2の説明で挙げたアラルキル基と同じものが挙げられる。アリール基としては、先に一般式(I)におけるR1、R2、Y1及びY2、並びに、一般式(IV)におけるR5、R6、Y1及びY2の説明で挙げたアリール基と同じものが挙げられる。へテロ環基としては、先に一般式(I)におけるR1、R2、Y1及びY2、並びに、一般式(IV)におけるR5、R6、Y1及びY2の説明で挙げたヘテロ環基と同じものが挙げられる。
また、これらの置換基はさらに置換されていてもよい。そして、この場合の置換基は、先に一般式(I)におけるR1、R2、Y1及びY2、並びに、一般式(IV)におけるR5、R6、Y1及びY2の説明で挙げた置換基をさらに置換する基として挙げた基と、同じものが挙げられる。
一般式(I)及び一般式(IV)におけるM1はそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。前記アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、及びカリウムなどが挙げられる。前記有機アンモニウムとしては、例えば、アセトアミド、ベンズアミド、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、及びフェニルアミノなどが挙げられる。一般式(IV)におけるnはそれぞれ独立に1以上の整数であり、1乃至5の整数であることが好ましく、さらには2であることが好ましい。
前記一般式(I)の化合物又は一般式(IV)の化合物の好ましい具体例としては、下記の例示化合物1〜14が挙げられる。なお、下記の例示化合物は、遊離酸の形で記載する。勿論、本発明は、前記一般式(I)又は一般式(IV)の構造及びその定義に包含されるものであれば、下記の例示化合物に限られるものではない。本発明においては、下記の例示化合物の中でも、特に、例示化合物5を用いることが好ましい。
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
〔第2の色材:一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、及び、一般式(VI)で表される化合物〕
本発明のインクは、第1の色材として使用する上記で説明した前記一般式(I)の化合物又は前記一般式(IV)の化合物に加えて、発色性に優れるという特徴を有する第2の色材を含有してなることが必要である。本発明では、第2の色材として、下記一般式(II)の化合物及び/又は下記一般式(III)の化合物を用いる。下記一般式(II)の化合物の中でも特に下記一般式(V)の化合物、また、下記一般式(III)の化合物の中でも特に下記一般式(VI)の化合物を使用することが好ましい。
本発明においては、第2の色材として、一般式(II)の化合物及び/又は一般式(III)の化合物、特に好ましくは一般式(V)の化合物及び/又は一般式(VI)の化合物は、単独でも、又は複数を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、さらに、一般式(II)の化合物及び一般式(III)の化合物、特に好ましくは一般式(V)の化合物及び一般式(VI)の化合物を併用することが好ましい。
また、下記一般式(II)の化合物及び下記一般式(III)の化合物は、前記一般式(I)の化合物と組み合わせて用いることで相乗効果が発揮され、以下のような効果を得ることができる。すなわち、これらの色材を含有させることで、好ましいイエローの色調を有するインクとすることができるだけではなく、さらに耐光性に優れた画像を与え、加えて、インクとしての信頼性を十分満足させることができる。以下、これらの一般式について説明する。
Figure 2009293016
(一般式(II)中、R3及びY3はそれぞれ独立に、一価の基であり、X3はハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基である。また、Z3は、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基である。)
Figure 2009293016
(一般式(III)中、R4及びY4はそれぞれ独立に、一価の基であり、X4はハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基である。また、Z4及びZ5はそれぞれ独立に、下記に挙げる群から選ばれる。すなわち、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基から選ばれる。また、M2は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
Figure 2009293016
(一般式(V)中、R7及びY3はそれぞれ独立に、一価の基であり、X3はハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基であり、nは1以上の整数である。)
Figure 2009293016
(一般式(VI)中、R8及びY4はそれぞれ独立に、一価の基であり、X4はハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基であり、nは1以上の整数である。また、Zは、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基である。また、M2は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
一般式(II)におけるY3及びR3、一般式(III)におけるY4及びR4、一般式(V)におけるY3及びR7、並びに一般式(VI)におけるY4及びR8は、それぞれ独立に一価の基である。これらの基の具体例としては、前記一般式(I)におけるR1、R2、Y1及びY2、並びに、一般式(IV)におけるR5、R6、Y1及びY2の具体例として挙げたものと同じものが挙げられる。これらの基がさらに置換基を有する場合、上記の一般式(I)におけるR1、R2、Y1及びY2、並びに、一般式(IV)におけるR5、R6、Y1及びY2への置換基として挙げられたものと同じものが挙げられる。
一般式(V)におけるR7、及び一般式(VI)におけるR8はそれぞれ独立に、一価の基であるが、化合物が親水性を有するためには、これらはイオン性親水性基であることが好ましい。イオン性親水性基の具体例としては、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、若しくはホスホノ基、又はこれらの塩、或いは四級アンモニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、スルホン酸基、カルボキシル基、又は水酸基が特に好ましい。これらのイオン性親水性基のカウンターイオンとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、又は有機アンモニウムイオンなどが挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属イオンが特に好ましく、イオン性親水性基がスルホン酸基である場合はリチウム塩、また、イオン性親水性基がカルボキシル基である場合はナトリウム塩又はカリウム塩であることが好ましい。
一般式(II)におけるX3、一般式(III)におけるX4、一般式(V)におけるX3、及び一般式(IV)におけるX4はそれぞれ独立に、ハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基である。これらの基の具体例としては、前記一般式(I)におけるX1及びX2、並びに一般式(IV)におけるX1及びX2の具体例として挙げたものと同じものが挙げられる。
一般式(II)におけるZ3、一般式(III)におけるZ4及びZ5、並びに一般式(VI)におけるZはそれぞれ独立に、下記に挙げる群から選ばれる。すなわち、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基である。これらの基の具体例としては、前記一般式(I)におけるZ1及びZ2の具体例として挙げたものと同じものが挙げられる。一般式(V)におけるn、及び一般式(VI)におけるnはそれぞれ独立に1以上の整数であり、1乃至5の整数であることが好ましく、さらには2であることが好ましい。
一般式(III)におけるM2及び一般式(VI)におけるM2はそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。これらの具体例としては、前記一般式(I)におけるM1及び前記一般式(IV)におけるM1の具体例として挙げたものと同じものが挙げられる。
前記一般式(II)の化合物又は一般式(V)の化合物の好ましい具体例は、下記の例示化合物15〜28が挙げられる。なお、下記の例示化合物は遊離酸の形で記載する。勿論、本発明は、前記一般式(II)又は一般式(V)の構造及びその定義に包含されるものであれば、下記の例示化合物に限られるものではない。本発明においては、下記の例示化合物の中でも、例示化合物19を用いることが特に好ましい。
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
前記一般式(III)の化合物又は一般式(VI)の化合物の好ましい具体例は、下記の例示化合物29〜45が挙げられる。なお、下記の例示化合物は遊離酸の形で記載する。勿論、本発明は、前記一般式(III)又は一般式(VI)の構造及びその定義に包含されるものであれば、下記の例示化合物に限られるものではない。本発明においては、下記の例示化合物の中でも、例示化合物33を用いることが特に好ましい。
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
〔色材の検証方法〕
本発明で用いる色材がインク中に含まれているか否かの検証には、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた下記(1)〜(3)の検証方法が適用できる。
(1)ピークの保持時間
(2)(1)のピークについての最大吸収波長
(3)(1)のピークについてのマススペクトルのM/Z(posi)、M/Z(nega)
高速液体クロマトグラフィーの分析条件は、以下に示す通りである。純水で約1,000倍に希釈した液体(インク)を測定用サンプルとした。そして、下記の条件で高速液体クロマトグラフィーでの分析を行い、ピークの保持時間(retention time)、及び、ピークの極大吸収波長を測定した。
・カラム:SunFire C18(日本ウォーターズ製)2.1mm×150mm
・カラム温度:40℃
・流速:0.2mL/min
・PDA:200nm〜700nm
・移動相及びグラジエント条件:下記表1
Figure 2009293016
また、マススペクトルの分析条件は以下に示す通りである。得られたピークについて、下記の条件でマススペクトルを測定し、最も強く検出されたM/Zをposi、negaそれぞれに対して測定する。
・イオン化法
・ESI
キャピラリ電圧:3.5kV
脱溶媒ガス:300℃
イオン源温度:120℃
・検出器
posi:40V 200〜1500amu/0.9sec
nega:40V 200〜1500amu/0.9sec
上記した方法及び条件下で、それぞれの色材の代表例として、第1の色材の具体例である例示化合物5、第2の色材の具体例である例示化合物19及び例示化合物33について測定を行った。その結果、得られた保持時間、極大吸収波長、M/Z(posi)、M/Z(nega)の値を表2に示した。未知のインクについて、上記と同様の方法及び条件下で測定を行って、表2に示す値に該当する場合、本発明において用いる化合物に該当すると判断できる。
Figure 2009293016
〔色材の含有量〕
インク全質量を基準とした、第2の色材の含有量(質量%)は、第1の色材の含有量(質量%)に対して、質量比率で、(第2の色材/第1の色材)=0.002以上0.50以下であることが必要である。より具体的には、{〔一般式(II)、一般式(III)、一般式(V)、及び一般式(VI)の化合物の含有量〕/〔一般式(I)、及び一般式(IV)の化合物の含有量〕}=0.002以上0.50以下であることが必要である。質量比率が0.002未満であると、インクの保存安定性が得られず、0.50を超えると、記録耐久性が得られない。色材の含有量の質量比率を上記範囲となるように構成することで、第1の色材が有する耐光性と、第2の色材が有する耐光性との組み合わせから予測される性能を上回る高いレベルの耐光性を有する画像を形成することができる。また、好ましい色調の画像が得られ、インクとしての信頼性も満足できる。
第1の色材と第2の色材とを特定の質量比率で用いることで、相乗効果が発揮され、予測を上回る耐光性を有する画像を形成できる理由を本発明者らは以下のように推測している。第1の色材は、もともと水性媒体に対する溶解性が低い傾向があるため、これらの化合物を含有するインクを記録媒体に付与すると、その直後から速やかに色材の会合や凝集が起こる。会合や凝集は、画像を形成している記録媒体上の色材の堅牢性を向上させる傾向がある。しかし、その一方で、過度の会合や凝集は、分子構造が本来有する耐光性の能力を低下させる場合がある。これに対し、第1の色材と第2の色材とを共存させることで、記録媒体上で、第1の色材が耐光性に関して最適な会合や凝集の状態を形成し、これにより、画像の耐光性が向上したものと考えられる。
また、第1の色材と第2の色材とを特定の質量比率で用いることで、相乗効果が発揮され、インクの信頼性が達成される理由を本発明者らは以下のように推測している。上記で述べた通り、インク中には、インクカートリッジやインク供給経路を構成する部材から溶出したと考えられる不純物が混入し、インク供給経路の目詰まりやインク供給特性の低下、インク保存安定性の低下の原因となる場合がある。このような不純物の主成分は金属やケイ素などのイオンであり、ひとたびインク中に溶解した金属やケイ素などのイオンが何らかの要因により析出して、ノズル内やその近傍に付着することで、インク供給特性が低下するものと考えられる。また、金属やケイ素などのイオンの析出によりインク成分の溶解状態が不安定となることで、インクの保存安定性が低下するものと考えられる。本発明者らの検討の結果、第2の色材をインク中に添加することにより、このような金属やケイ素などのイオンの析出が効果的に抑制されることがわかった。これらの化合物がインク中に混入した金属やケイ素などのイオンと錯体を形成してキレートさせることにより、これらの金属やケイ素などのイオンがインク中に安定して溶解することができるようになる。その結果、金属やケイ素などのイオンの析出が抑制され、インク供給特性も安定となり、インクの保存安定性も良好になるものと考えられる。つまり、色材として第1の色材のみを使用することでは達成が困難であったインクの信頼性に関して、第2の色材を併用することにより、予想を上回る効果が得られ、十分な信頼性を達成することができるのである。
インク中の第1の色材[一般式(I)の化合物、好ましくは一般式(IV)の化合物]の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.0質量%以上8.0質量%以下であることが好ましい。また、インク中の第2の色材[一般式(II)及び/又は一般式(III)の化合物、好ましくは一般式(V)及び/又は一般式(VI)の化合物]の含有量は、以下のようにすることが好ましい。すなわち、第2の色材の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.004質量%以上3.5質量%以下であることが好ましい。さらには、0.01質量%以上1.0質量%以下、特には0.01質量%以上0.86質量%以下、最も好適には、0.01質量%以上0.24質量%以下となるようにする。なお、この場合の第2の色材の含有量は、他の色材との関連において、下記のようにすることが、より好ましい。一般式(II)、一般式(III)、一般式(V)及び一般式(VI)の化合物のいずれかを単独で用いる場合はその含有量が、また、これらから選ばれる2種以上を併用する場合はその合計含有量が、それぞれ上記の範囲を満足するように構成することが好ましい。第1の色材及び/又は第2の色材の含有量を上記範囲とすることで、画像の耐光性と色調を満足させるだけではなく、保存安定性や記録耐久性といった、インクの信頼性の点も満足させることが可能となる。
また、インク中の第1の色材と、第2の色材との含有量の合計(質量%)が、インク全質量を基準として、1.10質量%以上9.00質量%以下であることが好ましい。含有量の合計が1.10質量%未満であると、耐光性及び発色性が十分に得られない場合があり、含有量の合計が9.00質量%を超えると、耐固着性などのインクジェット特性が得られない場合がある。
本発明においてはさらに、第2の色材の含有量(質量%)は、第1の色材の含有量(質量%)に対して、質量比率で、(第2の色材/第1の色材)=0.002以上0.43以下であることが好ましい。色材の含有量の質量比率を上記範囲となるように構成することで、第1の色材が有する耐光性と第2の色材が有する耐光性との組み合わせから予測される性能をはるかに上回る高いレベルの耐光性を有する画像を形成することができる。また、より好ましい色調の画像を得ることができる。特に、第2の色材の含有量(質量%)は、第1の色材の含有量(質量%)に対して、質量比率で、(第2の色材/第1の色材)=0.002以上0.25以下、中でも特に0.002以上0.12以下であることが好ましい。色材の含有量の質量比率をこの範囲とすることで、上記の含有量の質量比率においても特に高いレベルの耐光性を有する画像を形成することができる。さらには特に好ましい色調の画像を得ることができ、加えて、インクとしての信頼性も十分に満足することが可能となる。
なお、本発明のインクジェット用インクがイエローインクである場合、イエローインクとして好ましい色調とは、以下の二つのことを意味する。すなわち、イエローインクのみを用いて形成した画像が赤味や緑味を帯びていないことを意味する。さらに、これに加えて、イエローインクを用いて形成する2次色の画像、つまりレッドやグリーンの画像を形成する際に、レッド及びグリーンの色再現範囲をいずれも大きく損失することがない色調を有することを意味する。より具体的なものとしては、イエローインクのみを用いて形成した画像の色相角が、85°以上92°以下、さらには88°以上90°以下であることが好ましい。
(インクのpH)
本発明のインクは、pHが7.0以上10.0以下であることが好ましい。インクのpHが10.0を超えると、インクカートリッジやインクジェット記録装置の、インクと接触する部材を構成する材料において、その材料の種類によっては、以下の問題が起こる場合があるためである。すなわち、不純物がインク中に溶出して、インクの性能が低下する場合がある。また、インクと接触する部材を構成する材料が劣化する場合がある。さらに、長期間連続して記録を行う際に、記録ヘッドの発熱部接液面の劣化(溶解)や、配線の断線が起きる場合がある。一方、インクのpHが7.0未満であると、一般式(I)の化合物又は一般式(IV)の化合物の溶解性が低下するため、インクの保存安定性が低下する場合がある。
(水性媒体)
本発明のインクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上90.0質量%以下、さらには10.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲より少ないと、インクをインクジェット記録装置に用いる場合に吐出安定性などの信頼性が得られない場合がある。また、水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲より多いと、インクの粘度が上昇して、インクの供給不良が起きる場合がある。
水溶性有機溶剤は、具体的なものとしては、例えば、以下のものを用いることができる。メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの炭素数1乃至4のアルキルアルコール類。ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類。アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトン又はケトアルコール類。テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類。エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、チオジグリコールなどのグリコール類。1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオールなどのアルキレン基が2乃至6個の炭素原子を持つアルキレングリコール類。ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン。ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの低級アルキルエーテルアセテート類。エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類。N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなど。勿論、本発明はこれらに限られるものではない。これらの水溶性有機溶剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
(その他の添加剤)
本発明のインクは、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、エチレン尿素などの尿素誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。さらに、本発明のインクは必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性ポリマーなど、種々の添加剤を含有してもよい。
<その他のインク>
本発明のインクは、インクジェット記録方法などに好適に用いられるが、フルカラーの画像などを形成するために、本発明のインクを、本発明のインクとは別の色調を有するインクと組み合わせて用いることができる。本発明のインクは、例えば、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、レッドインク、グリーンインク及びブルーインクなどから選択される少なくともいずれか1種のインクと共に用いることが好ましい。また、これらのインクと実質的に同一の色調を有する、所謂淡インクをさらに組み合わせて用いることもできる。これらのインク又は淡インクの色材は、公知の染料であっても、新規に合成された色材であっても用いることができる。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法であって、該インクが、上記で説明した本発明のインクジェット用インクであることを特徴とする。本発明のインクジェット記録方法は、インクに力学的エネルギーを作用することによりインクを吐出する記録方法や、インクに熱エネルギーを作用することによりインクを吐出する記録方法などに適用できる。特に、本発明は、熱エネルギーを利用するインクジェット記録方法を適用することが好ましい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクを収容してなるインク収容部を備えたインクカートリッジであって、収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクジェット用インクであることを特徴とする。
<記録ユニット>
本発明の記録ユニットは、インクを収容してなるインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えた記録ユニットであって、収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクジェット用インクであることを特徴とする。本発明の記録ユニットの好適なものとしては、特に、前記記録ヘッドが、記録信号に対応した熱エネルギーをインクに作用することによりインクを吐出する方式であるものを挙げることができる。さらに、本発明においては、金属やケイ素、及びこれらの酸化物を含有する発熱部接液面を有する記録ヘッドである場合に、より好ましい効果が得られる。前記発熱部接液面を構成する金属及び/又は金属酸化物の具体例としては、例えば、Ta、Zr、Ti、Ni、若しくはAlなどの金属、又はこれらの金属の酸化物などが挙げられる。
<インクジェット記録装置>
本発明のインクジェット記録装置は、インクを収容してなるインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置であって、収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクジェット用インクであることを特徴とする。本発明のインクジェット記録装置の好適なものとしては、特に、前記記録ヘッドが、記録信号に対応した熱エネルギーをインクに作用することによりインクを吐出する方式であるものを挙げることができる。
以下に、本発明の一例のインクジェット記録装置について、機構部の概略構成を説明する。インクジェット記録装置は、各機構の役割から、給紙部、搬送部、キャリッジ部、排紙部、クリーニング部、及びこれらを保護し、意匠性を持たせる外装部などで構成される。
図1は、インクジェット記録装置の斜視図である。また、図2及び図3は、インクジェット記録装置の内部機構を説明する図であり、図2は右上部からの斜視図、図3はインクジェット記録装置の側断面図をそれぞれ示す。
給紙を行う際には、給紙トレイM2060を含む給紙部において、記録媒体の所定枚数のみが給紙ローラM2080と分離ローラM2041から構成されるニップ部に送られる。記録媒体はニップ部で分離され、最上位の記録媒体のみが搬送される。搬送部に搬送された記録媒体は、ピンチローラホルダM3000及びペーパーガイドフラッパーM3030に案内されて、搬送ローラM3060とピンチローラM3070とのローラ対に搬送される。搬送ローラM3060とピンチローラM3070とのローラ対は、LFモータE0002の駆動により回転し、この回転により記録媒体がプラテンM3040上を搬送される。
記録媒体に画像を形成する際には、キャリッジ部は、記録ヘッドH1001(図4;詳細な構成は後述する)を目的の画像を形成する位置に配置して、電気基板E0014からの信号にしたがって記録媒体にインクを吐出する。記録ヘッドH1001により記録を行いながらキャリッジM4000が列方向に走査する主走査と、搬送ローラM3060により記録媒体を行方向に搬送する副走査とを交互に繰り返すことにより、記録媒体に画像を形成する。画像が形成された記録媒体は、排紙部において、第1の排紙ローラM3110と拍車M3120とのニップに挟まれた状態で搬送されて、排紙トレイM3160に排出される。
なお、クリーニング部は、画像を形成する前後の記録ヘッドH1001をクリーニングする。キャップM5010で記録ヘッドH1001の吐出口をキャッピングした状態で、ポンプM5000を作動すると、記録ヘッドH1001の吐出口から不要なインクなどが吸引されるようになっている。また、キャップM5010を開いた状態で、キャップM5010の内部に残っているインクなどを吸引することにより、残インクによる固着やその他の弊害が起こらないようになっている。
(記録ヘッドの構成)
ヘッドカートリッジH1000の構成について説明する。図4は、ヘッドカートリッジH1000の構成を示した図であり、また、ヘッドカートリッジH1000に、インクカートリッジH1900を装着する様子を示した図である。ヘッドカートリッジH1000は、記録ヘッドH1001と、インクカートリッジH1900を搭載する手段、及びインクカートリッジH1900から記録ヘッドにインクを供給する手段を有しており、キャリッジM4000に対して着脱可能に搭載される。
インクジェット記録装置は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、淡マゼンタ、淡シアン、及びグリーンの各インクで画像を形成する。したがって、インクカートリッジH1900も7色分が独立に用意されている。なお、上記において、少なくともひとつのインクに、本発明のインクを用いる。そして、図4に示すように、それぞれのインクカートリッジH1900が、ヘッドカートリッジH1000に対して着脱可能となっている。なお、インクカートリッジH1900の着脱は、キャリッジM4000にヘッドカートリッジH1000を搭載した状態でも行うことができる。
図5は、ヘッドカートリッジH1000の分解斜視図である。ヘッドカートリッジH1000は、記録素子基板、プレート、電気配線基板H1300、カートリッジホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700、シールゴムH1800などで構成される。記録素子基板は第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101で構成され、プレートは第1のプレートH1200及び第2のプレートH1400で構成される。
第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101はSi基板であり、その片面にインクを吐出するための複数の記録素子(ノズル)がフォトリソグラフィ技術により形成されている。各記録素子に電力を供給するAlなどの電気配線は成膜技術により形成されており、個々の記録素子に対応した複数のインク流路はフォトリソグラフィ技術により形成されている。さらに、複数のインク流路にインクを供給するためのインク供給口が裏面に開口するように形成されている。
図6は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101の構成を説明する正面拡大図である。H2000〜H2600は、それぞれ異なるインク色に対応する記録素子の列(以下、ノズル列ともいう)である。第1の記録素子基板H1100には、イエローインクのノズル列H2000、マゼンタインクのノズル列H2100、及びシアンインクのノズル列H2200の3色分のノズル列が形成されている。第2の記録素子基板H1101には、淡シアンインクのノズル列H2300、ブラックインクのノズル列H2400、グリーンインクのノズル列H2500、及び淡マゼンタインクのノズル列H2600の4色分のノズル列が形成されている。
各ノズル列は、記録媒体の搬送方向(副走査方向)に1,200dpi(dot/inch;参考値)の間隔で並ぶ768個のノズルによって構成されている。そして、各ノズルからは、それぞれ約2ピコリットルのインクが吐出される。このため、各吐出口における開口面積は、およそ100μm2に設定されている。本発明のヘッドの吐出としては、近年の高画質化に伴い、好ましくは5ピコリットル以下である。ただしこれに限定されるものではない。
以下、図4及び図5を参照して説明する。第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101は第1のプレートH1200に接着固定されている。ここには、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101にインクを供給するためのインク供給口H1201が形成されている。さらに、第1のプレートH1200には、開口部を有する第2のプレートH1400が接着固定されている。この第2のプレートH1400は、電気配線基板H1300と第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101とが電気的に接続されるように、電気配線基板H1300を保持する。
電気配線基板H1300は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101に形成されている各ノズルからインクを吐出するための電気信号を印加する。この電気配線基板H1300は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し、インクジェット記録装置からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301とを有する。外部信号入力端子H1301は、カートリッジホルダーH1500の背面側に位置決め固定されている。
インクカートリッジH1900を保持するカートリッジホルダーH1500には、流路形成部材H1600が、例えば、超音波溶着により固定され、インクカートリッジH1900から第1のプレートH1200に通じるインク流路H1501を形成する。インクカートリッジH1900と係合するインク流路H1501のインクカートリッジ側端部には、フィルターH1700が設けられており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るようになっている。また、インクカートリッジH1900との係合部にはシールゴムH1800が装着され、係合部からのインクの蒸発を防止し得るようになっている。
さらに、上記したように、カートリッジホルダー部と記録ヘッド部H1001とを接着などで結合することで、ヘッドカートリッジH1000が構成される。なお、カートリッジホルダー部は、カートリッジホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700、及びシールゴムH1800から構成される。また、記録ヘッド部H1001は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300及び第2のプレートH1400から構成される。
なお、ここでは記録ヘッドの一形態として、電気信号に応じた膜沸騰をインクに生じさせるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体(記録素子)を用いて記録を行うサーマルインクジェット方式の記録ヘッドについて述べた。この代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4,723,129号明細書、同第4,740,796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は、所謂、オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用することができる。
サーマルインクジェット方式は、オンデマンド型に適用することが特に有効である。オンデマンド型の場合には、インクを保持する液流路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加する。このことによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、インクに膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応したインク内の気泡を形成できる。この気泡の成長及び収縮により吐出口を介してインクを吐出することで、少なくともひとつの滴を形成する。駆動信号をパルス形状とすると、即時、適切に気泡の成長及び収縮が行われるので、特に応答性に優れたインクの吐出が達成でき、より好ましい。
また、本発明のインクは、前記のサーマルインクジェット方式に限らず、下記に述べるような、力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置においても好ましく用いることができる。かかる形態のインクジェット記録装置は、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備えてなる。そして、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクをノズルから吐出する。
インクジェット記録装置は、上記したように、記録ヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、それらが分離不能に一体になったものを用いてもよい。さらに、インクカートリッジは、記録ヘッドに対して分離可能又は分離不能に一体化されてキャリッジに搭載されるもの、また、インクジェット記録装置の固定部位に設けられて、チューブなどのインク供給部材を介して記録ヘッドにインクを供給するものでもよい。また、記録ヘッドに対して、好ましい負圧を作用させるための構成をインクカートリッジに設ける場合には、以下の構成とすることができる。すなわち、インクカートリッジのインク収容部に吸収体を配置した形態、又は可撓性のインク収容袋とこれに対してその内容積を拡張する方向の付勢力を作用するばね部とを有した形態などとすることができる。また、インクジェット記録装置は、上記したようなシリアル型の記録方式を採るもののほか、記録媒体の全幅に対応した範囲にわたって記録素子を整列させてなるラインプリンタの形態をとるものであってもよい。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。また、文中の記載で「部」及び「%」とあるものは特に断りのない限り質量基準である。
<色材の調製>
[例示化合物5の合成]
以下に示す合成フロー及び手順にしたがって、例示化合物5(カリウム塩)を合成した。
Figure 2009293016
(1)化合物bの合成
炭酸水素ナトリウム25.5g及びイオン交換水150mLを混合して40℃に加温し、これに塩化シアヌル(東京化成製;化合物a)25.0gを10分ごとに5等分して添加し、1時間撹拌して溶液を調製した。得られた溶液を、ヒドラジン一水和物52.8mL及びイオン交換水47mLの混液(8℃)中に、内温が10℃を超えないようにして滴下した。その後、内温を50℃に昇温して、30分撹拌した。析出した結晶をろ過して、23.4gの化合物b(ヒドラジン誘導体、融点>300℃)を得た。収率は94.7%であった。
(2)化合物cの合成
上記で得られた化合物b(ヒドラジン誘導体)35.0gをエチレングリコール420mLに懸濁し、内温を50℃にして撹拌した。これに、濃塩酸59mLを添加し、次にピバロイルアセトニトリル(東京化成製)60.1gを添加し、温度50℃で10時間撹拌した。これに、濃塩酸95mL、メタノール145mLを添加して、さらに8時間撹拌した。室温になるまで冷却した後、析出した結晶をろ別し、81.6gの化合物c(5−アミノピラゾール誘導体、融点=233〜235℃)を得た。収率は94.2%であった。
(3)化合物eの合成
化合物d(東京化成製)90.57gを、水500mLに懸濁して、これに、130mLの濃塩酸を添加し、添加後の内温が5℃以下になるまで冷却した。次に、亜硝酸ナトリウム36.23gを含む70mLの水溶液を内温4〜6℃の範囲で滴下し、さらに内温を5℃以下として30分撹拌した。次に、159gの亜硫酸ナトリウム及び636mLの水を、内温を20℃以下に保ちながら添加し、さらに内温を25℃として250mLの濃塩酸を添加し、続いて内温を90℃として1時間撹拌した。その後、内温を室温まで冷却した後、ろ過を行い、200mLの水で洗浄した後、風乾して、80.0gの化合物eを得た。
(4)化合物fの合成
上記で得た23.3gの化合物eを、209mLのエタノールに懸濁して、これに、トリエチルアミン28mLを室温で滴下した。その後、これに、12.2gのエトキシメチレンマロノニトリル(ALDRICH製)を数回に分けて添加した。さらに、3時間還流を行った後、室温まで冷却して、ろ過を行い、400mLのイソプロピルアルコールで洗浄した後、乾燥して、23.57gの化合物fを得た。
(5)例示化合物5の合成
内温を4℃以下として硫酸32.4mLに酢酸145.56mLを添加し、内温を7℃以下として撹拌下で40質量%のニトロシル硫酸15.9mL(ALDRICH製)を滴下した。これに、上記で得た32.4gの化合物fを数回に分けて添加し、内温を10℃として60分撹拌した。その後、尿素1.83gを添加した18.8gの化合物cを470mLのメタノールに懸濁した溶液中に、内温を0℃未満として化合物fのジアゾニウム塩を滴下して、内温を0℃未満として30分撹拌した。その後、反応液の内温を室温まで昇温した後、ろ過を行い、メタノールで洗浄し、さらに水で洗浄して、粗結晶を得た。得られた粗結晶をメタノール400mLに懸濁して、還流下で60分撹拌した後、室温まで冷却して、ろ過を行い、メタノール、水、メタノールの順序でそれぞれ洗浄した後、75℃で一晩乾燥して、例示化合物5の遊離酸型結晶34.4gを得た。得られた結晶を水に溶解して10質量%の水溶液(25℃:pH≒8.3:KOH水溶液で調整)とした後、内温50℃でイソプロパノールを添加して晶析した後、冷却して、ろ過を行い、さらにイソプロパノールで洗浄して、乾燥した。このようにして、35.0gの例示化合物5(カリウム塩)を得た。
[例示化合物19の合成]
以下に示す合成フロー及び手順にしたがって、例示化合物19(カリウム塩)を合成した。
Figure 2009293016
(1)化合物iの合成
5−アミノ−3−tert−ブチルピラゾール(化合物h)に塩酸を加え、化合物iを得た。
(2)化合物eの合成
化合物d(東京化成製)90.57gを、水500mLに懸濁して、これに、130mLの濃塩酸を添加し、添加後の内温が5℃以下になるまで冷却した。次に、亜硝酸ナトリウム36.23gを含む70mLの水溶液を内温4〜6℃の範囲で滴下し、さらに内温を5℃以下として30分撹拌した。次に、159gの亜硫酸ナトリウム及び636mLの水を、内温を20℃以下に保ちながら添加し、さらに内温を25℃として250mLの濃塩酸を添加し、続いて内温を90℃として1時間撹拌した。その後、内温を室温まで冷却した後、ろ過を行い、200mLの水で洗浄した後、風乾して、80.0gの化合物eを得た。
(3)化合物fの合成
上記で得た23.3gの化合物eを、209mLのエタノールに懸濁して、これに、トリエチルアミン28mLを室温で滴下した。その後、これに、12.2gのエトキシメチレンマロノニトリル(ALDRICH製)を数回に分けて添加した。さらに、3時間還流を行った後、室温まで冷却して、ろ過を行い、400mLのイソプロピルアルコールで洗浄した後、乾燥して、23.57gの化合物fを得た。
(4)例示化合物19の合成
内温を4℃以下として硫酸32.4mLに酢酸145.56mLを添加し、内温を7℃以下として撹拌下で40質量%のニトロシル硫酸15.9mL(ALDRICH製)を滴下した。これに、上記で得た32.4gの化合物fを数回に分けて添加し、内温を10℃として60分撹拌した。その後、尿素1.83gを添加した7.00gの化合物iを470mLのメタノールに懸濁した溶液中に、内温を0℃未満として化合物fのジアゾニウム塩を滴下して、内温を0℃未満として30分撹拌した。その後、反応液の内温を室温まで昇温した後、ろ過を行い、メタノールで洗浄し、さらに水で洗浄して、粗結晶を得た。得られた粗結晶をメタノール400mLに懸濁して、還流下で60分撹拌した後、室温まで冷却して、ろ過を行い、メタノール、水、メタノールの順序でそれぞれ洗浄した後、75℃で一晩乾燥して、例示化合物19の遊離酸型結晶25.8gを得た。得られた結晶を水に溶解して10質量%の水溶液(25℃:pH≒8.3:KOH水溶液で調整)とした後、内温50℃でイソプロパノールを添加して晶析した後、冷却して、ろ過を行い、さらにイソプロパノールで洗浄して、乾燥した。このようにして、24.0gの例示化合物19(カリウム塩)を得た。
[例示化合物33の合成]
以下に示す合成フロー及び手順にしたがって、例示化合物33(カリウム塩)を合成した。
Figure 2009293016
(1)化合物jの合成
炭酸水素ナトリウム51.0g及びイオン交換水150mLを混合して40℃に加温し、これに水酸化ナトリウム水溶液を添加して、液体のpHを8.0(40℃)に調整した。これに塩化シアヌル(東京化成製;化合物a)25.0gを10分ごとに5等分して添加し、1時間撹拌して溶液を調製した。得られた溶液を、ヒドラジン一水和物26.4mL及びイオン交換水47mLの混液(8℃)中に、内温が10℃を超えないようにして滴下した。その後、内温を50℃に昇温して、30分撹拌した。析出した結晶をろ過して、20.5gの化合物j(ヒドラジン誘導体、融点>300℃)を得た。
(2)化合物kの合成
上記で得られた化合物j(ヒドラジン誘導体)30.0gをエチレングリコール420mLに懸濁し、内温を50℃にして撹拌した。これに、濃塩酸59mLを添加し、次にピバロイルアセトニトリル(東京化成製)60.1gを添加し、温度50℃で10時間撹拌した。これに、濃塩酸95mL、メタノール145mLを添加して、さらに8時間撹拌した。室温になるまで冷却した後、析出した結晶をろ別し、60.6gの化合物k(5−アミノピラゾール誘導体、融点>200℃)を得た。
(3)化合物eの合成
化合物d(東京化成製)90.57gを、水500mLに懸濁して、これに、130mLの濃塩酸を添加し、添加後の内温が5℃以下になるまで冷却した。次に、亜硝酸ナトリウム36.23gを含む70mLの水溶液を内温4〜6℃の範囲で滴下し、さらに内温を5℃以下として30分撹拌した。次に、159gの亜硫酸ナトリウム及び636mLの水を、内温を20℃以下に保ちながら添加し、さらに内温を25℃として250mLの濃塩酸を添加し、続いて内温を90℃として1時間撹拌した。その後、内温を室温まで冷却した後、ろ過を行い、200mLの水で洗浄した後、風乾して、80.0gの化合物eを得た。
(4)化合物fの合成
上記で得た23.3gの化合物eを、209mLのエタノールに懸濁して、これに、トリエチルアミン28mLを室温で滴下した。その後、これに、12.2gのエトキシメチレンマロノニトリル(ALDRICH製)を数回に分けて添加した。さらに、3時間還流を行った後、室温まで冷却して、ろ過を行い、400mLのイソプロピルアルコールで洗浄した後、乾燥して、23.57gの化合物fを得た。
(5)例示化合物33の合成
内温を4℃以下として硫酸32.4mLに酢酸145.56mLを添加し、内温を7℃以下として撹拌下で40質量%のニトロシル硫酸15.9mL(ALDRICH製)を滴下した。これに、上記で得た32.4gの化合物fを数回に分けて添加し、内温を10℃として60分撹拌した。その後、尿素1.83gを添加した9.0gの化合物kを470mLのメタノールに懸濁した溶液中に、内温を0℃未満として化合物fのジアゾニウム塩を滴下して、内温を0℃未満として30分撹拌した。その後、反応液の内温を室温まで昇温した後、ろ過を行い、メタノールで洗浄し、さらに水で洗浄して、粗結晶を得た。得られた粗結晶をメタノール400mLに懸濁して、還流下で60分撹拌した後、室温まで冷却して、ろ過を行い、メタノール、水、メタノールの順序でそれぞれ洗浄した後、75℃で一晩乾燥して、例示化合物33の遊離酸型結晶29.1gを得た。得られた結晶を水に溶解して10質量%の水溶液(25℃:pH≒8.3:KOH水溶液で調整)とした後、内温50℃でイソプロパノールを添加して晶析した後、冷却して、ろ過を行い、さらにイソプロパノールで洗浄して、乾燥した。このようにして、27.8gの例示化合物33(カリウム塩)を得た。
<インクの調製>
上記で得られたイエロー色材である例示化合物5、19、及び33、並びにC.I.ダイレクトイエロー132を用いて、下記のようにしてインクをそれぞれ調製した。先ず、下記表3に示した各成分をそれぞれ混合して、十分撹拌した。その後、ポアサイズ0.2μmのフィルターにて加圧ろ過を行い、実施例及び比較例の各インクを調製した。また、インク中における第1の色材の含有量(質量%)に対するインク中における第2の色材の含有量(質量%)の質量比率(第2の色材/第1の色材)を下記表3に示した。
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
Figure 2009293016
<評価>
(1)耐光性
上記で得られた各インクをそれぞれ、熱エネルギーを利用したインクジェット記録装置(商品名:PIXUS iP8600;キヤノン製)に搭載した。記録条件を、温度23℃、相対湿度55%、記録密度2,400dpi×1,200dpi、吐出量2.5pLとした。ここで、以下のようにして、記録物の作製の際に用いる記録媒体を作製した。先ず、低密度ポリエチレン70部、高密度ポリエチレン20部、及び酸化チタン10部を含む樹脂組成物を、坪量155g/m2の基紙の両面に25g/m2となるように塗布することで、樹脂で被覆した支持体を作製した。そして、前記支持体上に、アルミナ水和物及びポリビニルアルコールを主成分としたインク受容層を形成した。このようにして、隙間タイプのインク受容層を備えてなり、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.49−1にしたがって測定した3分後の表面pHが5.0である記録媒体を作製した。
得られた記録媒体に記録デューティを50%とした画像を形成して、画像を温度23℃、相対湿度55%で24時間自然乾燥した。このようにして得られた記録物の画像の部分について、光学濃度を測定した(「試験前の光学濃度」とする)。さらに、この記録物を、スーパーキセノン試験機(商品名:SX−75;スガ試験機製)を用いて、照射強度100キロルクス、槽内温度24℃、相対湿度60%で72時間曝露した。その後、記録物の画像の部分について、光学濃度を測定した(「試験後の光学濃度」とする)。なお、光学濃度は、分光光度計(Spectorolino;Gretag Macbeth製)を用いて、光源:D50、視野:2°の条件で測定した。得られた試験前の光学濃度及び試験後の光学濃度の各値から、下記式に基づいて光学濃度の残存率を算出して、耐光性の評価を行った。耐光性の基準は以下の通りである。評価結果を表4に示した。本発明においては、下記の評価基準でAA、A及びBを許容できるレベル、Cを許容できないレベルとした。
Figure 2009293016
AA:光学濃度の残存率が95%以上。
A:光学濃度の残存率が90%以上95%未満。
B:光学濃度の残存率が80%以上90%未満。
C:光学濃度の残存率が80%未満。
(2)色調
上記で得られた各インクをそれぞれ、熱エネルギーを利用したインクジェット記録装置(商品名:PIXUS iP8600;キヤノン製)に搭載した。記録条件を、温度23℃、相対湿度55%、記録密度2,400dpi×1,200dpi、吐出量2.5pLとした。そして、上記と同様の記録媒体に記録デューティを60%とした画像を形成して、画像を温度23℃、相対湿度55%で24時間自然乾燥した。このようにして得られた記録物の画像の部分について、分光光度計(Spectorolino;Gretag Macbeth製)を用いて色相角を測定し、色調の評価を行った。色調の評価基準は以下の通りである。評価結果を表4に示した。本発明においては、下記の評価基準でAA、A及びBを許容できるレベル、Cを許容できないレベルとした。
AA:色相角が88°以上90°以下。
A:色相角が85°以上88°未満、又は90°より大きく92°以下。
B:色相角が83°以上85°未満、又は92°より大きく94°以下。
C:色相角が83°未満、又は94°より大きい。
(3)保存安定性
上記で得られた各インクをそれぞれ、インクジェット記録装置(商品名:PIXUS iP8600;キヤノン製)用のインクカートリッジに充填し、インクカートリッジ内のインクが蒸発しないようにインク供給口を閉じた。このインクカートリッジを密閉容器に入れて、温度60℃の恒温槽の中で3ヶ月間保存した。その後、インクカートリッジを恒温槽から取り出し、上記インクジェット記録装置のヘッドカートリッジに装着した。そして、ヘッドカートリッジの吐出口を露出した状態で、温度35℃、湿度10%で2週間保存した。その後、ヘッドカートリッジを上記と同様のインクジェット記録装置に装着して、吸引を所定の回数行い、回復性を確認することで、インクの保存安定性の評価を行った。なお、吸引とは、前記インクジェット記録装置(商品名:PIXUS iP8600;キヤノン製)に具備された機能の一つである、「プリントヘッドのクリーニング」のことである。保存安定性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表4に示した。本発明においては、下記の評価基準でAA及びAを許容できるレベル、B及びCを許容できないレベルとした。
AA:4回以下の吸引で全ての吐出口が問題なく吐出できる状態に回復した。
A:5回の吸引で全ての吐出口が問題なく吐出できる状態に回復した。
B:6回の吸引で全ての吐出口が問題なく吐出できる状態に回復した。
C:7回以上の吸引を行っても吐出できない吐出口があった。
(4)記録耐久性
上記で得られたインクをそれぞれ、熱エネルギーを利用したインクジェット記録装置(商品名:BJ F890;キヤノン製)のマゼンタインクの位置に搭載した。そして、A4サイズの記録媒体(商品名:オフィスプランナー:キヤノン製)の全面に記録デューティを100%とした画像を記録して、記録耐久性の評価を行った。記録耐久性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表4に示した。本発明においては、下記の評価基準でAA及びAを許容できるレベル、B及びCを許容できないレベルとした。
AA:20,000枚の記録を行ってもヨレやカスレが生じなかった。
A:15,000枚〜19,999枚の記録を行うと、微小ヨレによる若干のかすれが生じた。
B:10,000枚〜14,999枚の記録を行うと、微小ヨレによる若干のかすれが生じた。
C:10,000枚の記録に至る前に、かすれが生じたか、断線による不吐出が生じた。
Figure 2009293016
なお、実施例5及び6のインクは、記録耐久性の評価が共にAランクであったが、実施例6のインクのほうが、記録のかすれの程度がやや劣っていた。また、実施例9及び10のインクは、記録耐久性の評価が共にAランクであったが、実施例10のインクのほうが、記録のかすれの程度がやや劣っていた。また、実施例14〜17のインクは、記録耐久性の評価がいずれもAランクであったが、実施例16及び17のインクは、実施例14及び15のインクと比較して、記録のかすれの程度がやや劣っていた。また、実施例15のインクで形成した画像の色調は、他のAAランクのものよりもやや劣っていた。

Claims (10)

  1. 少なくとも、第1の色材及び第2の色材の、2つの色材を含有するインクジェット用インクであって、
    前記第1の色材が、下記一般式(I)で表される化合物であり、前記第2の色材が、下記一般式(II)で表される化合物及び/又は下記一般式(III)で表される化合物であり、前記第2の色材のインク中における含有量(質量%)が、前記第1の色材のインク中における含有量(質量%)に対して、質量比率で、0.002以上0.50以下であることを特徴とするインクジェット用インク。
    Figure 2009293016
    (一般式(I)中、R1、R2、Y1、及びY2はそれぞれ独立に、一価の基であり、X1及びX2はそれぞれ独立に、ハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基であり、Z1及びZ2はそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、M1は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
    Figure 2009293016
    (一般式(II)中、R3及びY3はそれぞれ独立に、一価の基であり、X3はハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基であり、Z3は、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基である。)
    Figure 2009293016
    (一般式(III)中、R4及びY4はそれぞれ独立に、一価の基であり、X4はハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基であり、Z4及びZ5はそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、M2は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
  2. 前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(IV)で表される化合物であり、前記一般式(II)で表される化合物が、下記一般式(V)で表される化合物であり、前記一般式(III)で表される化合物が、下記一般式(VI)で表される化合物である請求項1に記載のインクジェット用インク。
    Figure 2009293016
    (一般式(IV)中、R5、R6、Y1及びY2はそれぞれ独立に、一価の基であり、X1及びX2はそれぞれ独立に、ハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基であり、nは1以上の整数であり、M1は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
    Figure 2009293016
    (一般式(V)中、R7及びY3はそれぞれ独立に、一価の基であり、X3はハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基であり、nは1以上の整数である。)
    Figure 2009293016
    (一般式(VI)中、R8及びY4はそれぞれ独立に、一価の基であり、X4はハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基であり、nは1以上の整数であり、Zは、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、M2は水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
  3. 前記第1の色材の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、1.0質量%以上8.0質量%以下である請求項1又は2に記載のインクジェット用インク。
  4. 前記第2の色材の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.004質量%以上3.5質量%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  5. 前記第2の色材のインク中における含有量(質量%)が、前記第1の色材のインク中における含有量(質量%)に対して、質量比率で、0.002以上0.43以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  6. 前記第2の色材のインク中における含有量(質量%)が、前記第1の色材のインク中における含有量(質量%)に対して、質量比率で、0.002以上0.12以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  7. インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法において、前記インクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット用インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  8. インクを収容してなるインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記インクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット用インクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  9. インクを収容してなるインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えた記録ユニットにおいて、前記インクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット用インクであることを特徴とする記録ユニット。
  10. インクを収容してなるインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置において、前記インクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット用インクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
JP2009108766A 2008-05-02 2009-04-28 インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置 Active JP5602387B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009108766A JP5602387B2 (ja) 2008-05-02 2009-04-28 インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008120087 2008-05-02
JP2008120087 2008-05-02
JP2009108766A JP5602387B2 (ja) 2008-05-02 2009-04-28 インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009293016A true JP2009293016A (ja) 2009-12-17
JP2009293016A5 JP2009293016A5 (ja) 2012-06-07
JP5602387B2 JP5602387B2 (ja) 2014-10-08

Family

ID=41541492

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009108766A Active JP5602387B2 (ja) 2008-05-02 2009-04-28 インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5602387B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011078363A1 (ja) 2009-12-24 2011-06-30 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 移動通信方法及び交換局
WO2012090826A1 (ja) 2010-12-28 2012-07-05 富士フイルム株式会社 着色組成物及びアゾ化合物
JP2013173883A (ja) * 2012-02-27 2013-09-05 Fujifilm Corp 顔料組成物、顔料分散物、着色組成物、インク、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法及び顔料組成物の製造方法
JP2022502415A (ja) * 2018-09-26 2022-01-11 メレオ バイオファーマ 1 リミテッド ヒドラジン化合物の調製のための合成方法
US11649213B2 (en) 2018-09-26 2023-05-16 Mereo Biopharma 1 Limited Synthetic method for the preparation of a 3-[5-amino-4-(3-cyanobenzoyl)-pyrazol compound

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007063520A (ja) * 2004-10-20 2007-03-15 Fujifilm Corp 色素、インク、インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクシート、カラートナー及びカラーフィルター
JP2007203636A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Fujifilm Corp インクジェット記録用セット、及びインクジェット記録方法
JP2007302810A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Seiko Epson Corp インク組成物、インクセット、該インクセットを用いたインクジェット記録方法および記録物

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007063520A (ja) * 2004-10-20 2007-03-15 Fujifilm Corp 色素、インク、インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクシート、カラートナー及びカラーフィルター
JP2007203636A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Fujifilm Corp インクジェット記録用セット、及びインクジェット記録方法
JP2007302810A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Seiko Epson Corp インク組成物、インクセット、該インクセットを用いたインクジェット記録方法および記録物

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011078363A1 (ja) 2009-12-24 2011-06-30 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 移動通信方法及び交換局
WO2012090826A1 (ja) 2010-12-28 2012-07-05 富士フイルム株式会社 着色組成物及びアゾ化合物
CN103282444A (zh) * 2010-12-28 2013-09-04 富士胶片株式会社 着色组合物和偶氮化合物
US8623101B2 (en) 2010-12-28 2014-01-07 Fujifilm Corporation Coloring composition, azo compound and ink
CN103282444B (zh) * 2010-12-28 2014-10-29 富士胶片株式会社 着色组合物和偶氮化合物
JP2013173883A (ja) * 2012-02-27 2013-09-05 Fujifilm Corp 顔料組成物、顔料分散物、着色組成物、インク、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法及び顔料組成物の製造方法
JP2022502415A (ja) * 2018-09-26 2022-01-11 メレオ バイオファーマ 1 リミテッド ヒドラジン化合物の調製のための合成方法
US11649213B2 (en) 2018-09-26 2023-05-16 Mereo Biopharma 1 Limited Synthetic method for the preparation of a 3-[5-amino-4-(3-cyanobenzoyl)-pyrazol compound

Also Published As

Publication number Publication date
JP5602387B2 (ja) 2014-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1988133B1 (en) Ink jet ink, ink jet recording method, ink cartridge, recording unit and ink jet recording apparatus
JP5586865B2 (ja) インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
JP4436455B2 (ja) インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
JP5044039B2 (ja) インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
JP5605993B2 (ja) インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置
JP5522502B2 (ja) インクジェット記録用インクセット、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置
JP5971639B2 (ja) インクジェット記録用水性インクセット、インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JP4390290B2 (ja) インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
JP2011111611A (ja) インクジェット記録用水性インクセット、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置
JP2010037504A (ja) インクセット、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
JP5602387B2 (ja) インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
JP5637666B2 (ja) インク組成物、インクジェット記録用インク組成物、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物
JP4966553B2 (ja) インクセットおよびインクジェット記録方法
JP6108111B2 (ja) インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、記録物及びコンポジットブラック
JP5757803B2 (ja) インクセット、インクカートリッジ、インクジェットプリンター、インクジェット記録方法及び記録物
JP2010106066A (ja) インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
JP2010037505A (ja) インクセット、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
JP5541555B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置およびインクジェット記録用インクの安定化方法
JP4941785B2 (ja) インクジェット記録用水性インク、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置
JP5458490B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置およびインクジェット記録用インクの安定化方法
JP4941777B2 (ja) インクジェット記録用水性ブラックインク、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置
JP2010159312A (ja) インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
JP2012193331A (ja) インクセット、インクカートリッジ、インクジェットプリンター、インクジェット記録方法及び記録物
JP2010100719A (ja) インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
JP2014034643A (ja) インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120424

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120424

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20130228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140722

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140820

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5602387

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151