JP2014034641A - インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Yoshiaki Shibuya
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亮佑 長尾
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美奈子 河部
Masayuki Ikegami
正幸 池上
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Abstract

【課題】1次色及び2次色のいずれであっても耐光性に優れ、好ましい色調を有する画像を記録可能であるとともに、耐固着性に優れ、かつ、記録ヘッドの耐久性を向上させることが可能なインクを提供する。
【解決手段】第1の色材及び第2の色材を含有するインクジェット用のインクである。第1の色材が、下記一般式(I)で表される化合物であり、第2の色材が、下記一般式(II)で表される化合物である。
Figure 2014034641

【選択図】なし

Description

本発明は、インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、インク小滴を普通紙などの記録媒体に付与して画像を形成する記録方法であり、その低価格化、記録速度の向上により、急速に普及が進んでいる。一方、インクジェット記録方法の問題点として、得られた記録物の画像保存性に劣ることが挙げられる。一般に、インクジェット記録方法で得られた記録物は、銀塩写真と比較してその画像保存性が低い。特に、記録物が、光、湿度、熱、空気中に存在するオゾンガスなどの環境ガスに長時間さらされた際に、記録物の色材が劣化し、画像の色調変化や褪色が発生しやすいといった問題がある。
近年、インク滴の極小化や、多色インクの導入に伴う色域の向上などにより、これまで以上に画像の高画質化が進んでいる。そして、色材やインクに対する要求はさらに高まっており、吐出安定性、耐固着性、記録ヘッドの耐久性、及び画像の発色性や保存性の向上など、より厳しい特性を有することが要求されている。
従来、画像の耐光性を向上させるための提案が数多くなされている。例えば、耐光性及び発色性が良好な画像を記録しうる色材として、特定のビスアゾ化合物が提案されている(特許文献1)。
特開2004−083903号公報
特許文献1に記載されたビスアゾ化合物を含有するイエローインクを単独で用いると、耐光性の良好な画像を記録することはできる。しかし、本発明者らの検討によれば、このイエローインクとシアンインクとを併用して記録した2次色の画像においては、イエロー成分の耐光性が顕著に低下することが判明した。さらに、このイエローインクを用いると、記録ヘッドのヒーターの保護層が溶解しやすく、記録ヘッドの耐久性が低下することも判明した。
したがって、本発明の目的は、1次色及び2次色のいずれであっても耐光性に優れ、好ましい色調を有する画像を記録可能であるとともに、耐固着性に優れ、かつ、記録ヘッドの耐久性を向上させることが可能なインクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、第1の色材及び第2の色材を含有するインクジェット用のインクであって、前記第1の色材が、下記一般式(I)で表される化合物であり、前記第2の色材が、下記一般式(II)で表される化合物であることを特徴とするインクが提供される。
Figure 2014034641
(前記一般式(I)中、R1は1価の基を表し、R2は−OR3又は−NHR4を表し(R3及びR4は水素原子又は1価の基を表す)、R5はアルキル基、アリール基、又は1価のトリアジン環基を表し、R6はアリーレン基又は2価のヘテロ環基を表し、R7は2価の連結基を表し、mは0又は1を表す)
Figure 2014034641
(前記一般式(II)中、R9は1価の基を表し、R10は−OR11又は−NHR12を表し(R11及びR12は水素原子又は1価の基を表す)、R13はアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表し、R14はアリーレン基又は2価のヘテロ環基を表し、R14’はアリール基又はヘテロ環基を表し、R15は2価の連結基を表し、nは0又は1を表す)
本発明によれば、1次色及び2次色のいずれであっても耐光性に優れ、好ましい色調を有する画像を記録可能であるとともに、耐固着性に優れ、かつ、記録ヘッドの耐久性を向上させることが可能なインクを提供することができる。また、本発明によれば、このインクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用のインクのことを、単に「インク」と記載することがある。
本発明者らは、特許文献1に記載されているビスアゾ化合物が、耐光性に優れ、好ましい色調を有する画像を記録可能であることに着目し、種々検討を行った。具体的には、色材として一般式(I)で表される化合物のみを含有するインクを調製し、その信頼性や記録される画像の特性などについて検討を行った。その結果、一般式(I)で表される化合物のみを色材として含有するインクで記録した1次色画像は、ある一定以上の耐光性を有するものの、このインクとシアンインクとを併用して記録した2次色画像は、光によるイエロー成分の褪色が顕著であることが判明した。また、一般式(I)で表される化合物のみを色材として含有するインクをインクジェット記録装置に搭載し、所定の記録を繰り返すことにより、記録ヘッドのヒーターの耐久性を調べた。その結果、ヒーターの保護層の削れに起因した吐出性の低下が発生することが判明した。
すなわち、一般式(I)で表される化合物を用いても、近年の要求を満足する耐光性に優れるとともに好ましい色相を有する画像を、イエローインク単独のみならず、シアンやマゼンタなどの他色のインクと併用しても記録しうるインクを得ることはできなかった。さらに、耐固着性や記録ヘッドの耐久性を向上させるなどの信頼性に優れたインクを得ることも、従来の技術では困難であった。本発明者らは、上記のような課題を解決すべく検討を行った結果、特定の構造を有する第1の色材と第2の色材とを併用するといった本発明の構成を見出すに至った。
<インク>
本発明のインクは、第1の色材及び第2の色材を含有する。そして、第1の色材が一般式(I)で表される化合物であり、第2の色材が一般式(II)で表される化合物である。以下、本発明のインクを構成する各成分について詳細に説明する。
(第1の色材:一般式(I)で表される化合物)
本発明のインクは、下記一般式(I)で表される化合物を第1の色材として含有する。
Figure 2014034641
一般式(I)中のR1は、1価の基を表す。1価の基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基(塩型でもよい)、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホン酸基(塩型でもよい)、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを挙げることができる。
アルキル基には、置換又は無置換のアルキル基が含まれる。置換又は無置換のアルキル基としては、炭素数1乃至30のアルキル基が好ましい。置換基としては、前述の1価の基の具体例として挙げたものと同様のものを挙げることができる。それらの中でも、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、スルホン酸基(塩型でもよい)、カルボキシ基(塩型でもよい)が好ましい。アルキル基としては、メチル、エチル、ブチル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、ヒドロキシエチル、シアノエチル、4−スルホブチル、4−カルボキシブチルなどを挙げることができる。
シクロアルキル基には、置換又は無置換のシクロアルキル基が含まれる。置換又は無置換のシクロアルキル基としては、炭素数5乃至30のシクロアルキル基が好ましい。シクロアルキル基としては、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシルなどを挙げることができる。
アラルキル基には、置換又は無置換のアラルキル基が含まれる。置換又は無置換のアラルキル基としては、炭素数7乃至30のアラルキル基が好ましい。アラルキル基としては、ベンジル、2−フェネチルなどを挙げることができる。
アルケニル基には、直鎖、分岐、又は環状の、置換又は無置換のアルケニル基が含まれる。置換又は無置換のアルケニル基としては、炭素数2乃至30のアルケニル基が好ましい。アルケニル基としては、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルなどを挙げることができる。
アルキニル基には、置換又は無置換のアルキニル基が含まれる。置換又は無置換のアルキニル基としては、炭素数2乃至30のアルキニル基が好ましい。アルキニル基としては、エチニル、プロパルギルなどを挙げることができる。
アリール基には、置換又は無置換のアリール基が含まれる。置換又は無置換のアリール基としては、炭素数6乃至30のアリール基が好ましい。アリール基としては、フェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニルなどを挙げることができる。
ヘテロ環基には、置換又は無置換の、芳香族又は非芳香族のヘテロ環化合物から1個の水素原子を取り除いた1価の基が含まれる。置換又は無置換のヘテロ環基としては、炭素数3乃至30の、5員又は6員の芳香族ヘテロ環基が好ましい。このような芳香族ヘテロ環基としては、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリルなどを挙げることができる。
アルコキシ基には、置換又は無置換のアルコキシ基が含まれる。置換又は無置換のアルコキシ基としては、炭素数1乃至30のアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−オクチルオキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシなどを挙げることができる。
アリールオキシ基には、置換又は無置換のアリールオキシ基が含まれる。置換又は無置換のアリールオキシ基としては、炭素数6乃至30のアリールオキシ基が好ましい。アリールオキシ基としては、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシなどを挙げることができる。
シリルオキシ基としては、炭素数3乃至20のシリルオキシ基が好ましい。シリルオキシ基としては、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシなどを挙げることができる。
ヘテロ環オキシ基には、置換又は無置換のヘテロ環オキシ基が含まれる。置換又は無置換のヘテロ環オキシ基としては、炭素数2乃至30のヘテロ環オキシ基が好ましい。ヘテロ環オキシ基としては、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシなどを挙げることができる。
アシルオキシ基としては、ホルミルオキシ基、炭素数2乃至30の置換又は無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6乃至30の置換又は無置換のアリールカルボニルオキシ基が好ましい。アシルオキシ基としては、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシなどを挙げることができる。
カルバモイルオキシ基には、置換又は無置換のカルバモイルオキシ基が含まれる。置換又は無置換のカルバモイルオキシ基としては、炭素数1乃至30のカルバモイルオキシ基が好ましい。カルバモイルオキシ基としては、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシなどを挙げることができる。
アルコキシカルボニルオキシ基には、置換又は無置換のアルコキシカルボニルオキシ基が含まれる。置換又は無置換のアルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素数2乃至30のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。アルコキシカルボニルオキシ基としては、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシなどを挙げることができる。
アリールオキシカルボニルオキシ基には、置換又は無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が含まれる。置換又は無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素数7乃至30のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。アリールオキシカルボニルオキシ基としては、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−(n−ヘキサデシルオキシ)フェノキシカルボニルオキシなどを挙げることができる。
アルキルアミノ基には、置換又は無置換のアルキルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアルキルアミノ基としては、炭素数1乃至30のアルキルアミノ基が好ましい。アルキルアミノ基としては、メチルアミノ、ジメチルアミノなどを挙げることができる。
アニリノ基には、置換又は無置換のアニリノ基が含まれる。置換又は無置換のアニリノ基としては、炭素数6乃至30のアニリノ基が好ましい。アニリノ基としては、アニリノ、N−メチルアニリノ、ジフェニルアミノなどを挙げることができる。
アシルアミノ基としては、ホルミルアミノ基、炭素数1乃至30の置換又は無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6乃至30の置換又は無置換のアリールカルボニルアミノ基が好ましい。アシルアミノ基としては、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノなどを挙げることができる。
アミノカルボニルアミノ基には、置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ基としては、炭素数1乃至30のアミノカルボニルアミノ基が好ましい。アミノカルボニルアミノ基としては、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノなどを挙げることができる。
アルコキシカルボニルアミノ基には、置換又は無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素数2乃至30のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。アルコキシカルボニルアミノ基としては、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノなどを挙げることができる。
アリールオキシカルボニルアミノ基には、置換又は無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭素数7乃至30のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。アリールオキシカルボニルアミノ基としては、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−(n−オクチルオキシ)フェノキシカルボニルアミノなどを挙げることができる。
スルファモイルアミノ基には、置換又は無置換のスルファモイルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のスルファモイルアミノ基としては、炭素数0乃至30のスルファモイルアミノ基が好ましい。スルファモイルアミノ基としては、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N,N−オクチルアミノスルホニルアミノなどを挙げることができる。
アルキルスルホニルアミノ基には、置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基としては、炭素数1乃至30のアルキルスルホニルアミノ基が好ましい。アルキルスルホニルアミノ基としては、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノなどを挙げることができる。
アリールスルホニルアミノ基には、炭素数6乃至30の置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基としては、炭素数6乃至30のアリールスルホニルアミノ基が好ましい。アリールスルホニルアミノ基としては、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノなどを挙げることができる。
アルキルチオ基には、置換又は無置換のアルキルチオ基が含まれる。置換又は無置換のアルキルチオ基としては、炭素数1乃至30のアルキルチオ基が好ましい。アルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオなどを挙げることができる。
アリールチオ基には、置換又は無置換のアリールチオ基が含まれる。置換又は無置換のアリールチオ基としては、炭素数6乃至30のアリールチオ基が好ましい。アリールチオ基としては、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオなどを挙げることができる。
ヘテロ環チオ基には、置換又は無置換のヘテロ環チオ基が含まれる。置換又は無置換のヘテロ環チオ基としては、炭素数2乃至30のヘテロ環チオ基が好ましい。ヘテロ環チオ基としては、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオなどを挙げることができる。
スルファモイル基には、置換又は無置換のスルファモイル基が含まれる。置換又は無置換のスルファモイル基としては、炭素数0乃至30のスルファモイル基が好ましい。スルファモイル基としては、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)などを挙げることができる。
アルキルスルフィニル基には、置換又は無置換のアルキルスルフィニル基が含まれる。置換又は無置換のアルキルスルフィニル基としては、炭素数1乃至30のアルキルスルフィニル基が好ましい。アルキルスルフィニル基としては、メチルスルフィニル、エチルスルフィニルなどを挙げることができる。
アリールスルフィニル基には、置換又は無置換のアリールスルフィニル基が含まれる。置換又は無置換のアリールスルフィニル基としては、炭素数6乃至30のアリールスルフィニル基が好ましい。アリールスルフィニル基としては、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニルなどを挙げることができる。
アルキルスルホニル基には、置換又は無置換のアルキルスルホニル基が含まれる。置換又は無置換のアルキルスルホニル基としては、炭素数1乃至30のアルキルスルホニル基が好ましい。アルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル、エチルスルホニルなどを挙げることができる。
アリールスルホニル基には、置換又は無置換のアリールスルホニル基が含まれる。置換又は無置換のアリールスルホニル基としては、炭素数6乃至30のアリールスルホニル基が好ましい。アリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニルなどを挙げることができる。
アシル基としては、ホルミル基、炭素数2乃至30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7乃至30の置換又は無置換のアリールカルボニル基、炭素数4乃至30の置換又は無置換の、炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基が好ましい。アシル基としては、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−(n−オクチルオキシ)フェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニルなどを挙げることができる。
アリールオキシカルボニル基には、置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基が含まれる。置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基としては、炭素数7乃至30のアリールオキシカルボニル基が好ましい。アリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−(t−ブチル)フェノキシカルボニルなどを挙げることができる。
アルコキシカルボニル基には、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。置換又は無置換のアルコキシカルボニル基としては、炭素数2乃至30のアルコキシカルボニル基が好ましい。アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニルなどを挙げることができる。
カルバモイル基には、置換又は無置換のカルバモイル基が含まれる。置換又は無置換のカルバモイル基としては、炭素数1乃至30のカルバモイル基が好ましい。カルバモイル基としては、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイルなどを挙げることができる。
イミド基には、置換又は無置換のイミド基が含まれる。置換又は無置換のイミド基としては、炭素数4乃至30のイミド基が好ましい。イミド基としては、スクシンイミド、フタルイミド、グルタルイミド、ヘキサンイミドなどを挙げることができる。
ホスフィノ基には、置換又は無置換のホスフィノ基が含まれる。置換又は無置換のホスフィノ基としては、炭素数2乃至30のホスフィノ基が好ましい。ホスフィノ基としては、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノなどを挙げることができる。
ホスフィニル基には、置換又は無置換のホスフィニル基が含まれる。置換又は無置換のホスフィニル基としては、炭素数2乃至30のホスフィニル基が好ましい。ホスフィニル基としては、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニルなどを挙げることができる。
ホスフィニルオキシ基には、置換又は無置換のホスフィニルオキシ基が含まれる。置換又は無置換のホスフィニルオキシ基としては、炭素数2乃至30のホスフィニルオキシ基が好ましい。ホスフィニルオキシ基としては、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシなどを挙げることができる。
ホスフィニルアミノ基には、置換又は無置換のホスフィニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のホスフィニルアミノ基としては、炭素数2乃至30のホスフィニルアミノ基が好ましい。ホスフィニルアミノ基としては、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノなどを挙げることができる。
シリル基には、置換又は無置換のシリル基が含まれる。置換又は無置換のシリル基としては、炭素数3乃至30のシリル基の好ましい。シリル基としては、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリルなどを挙げることができる。
上述の1価の基の中で水素原子を有するものは、この水素原子が前述の1価の基で置換されていてもよい。そのような置換基としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基などが挙げられる。その具体例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基などを挙げることができる。
一般式(I)中のR2は、−OR3又は−NHR4を表す。また、R3及びR4は水素原子又は1価の基を表す。この1価の基としては、前述のR1で表される1価の基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。R2としては、−OH又は−NH2が好ましく、−NH2がさらに好ましい。
一般式(I)中のR5は、アルキル基、アリール基、又は1価のトリアジン環基を表す。R5で表されるアルキル基には、置換又は無置換のアルキル基が含まれる。R5で表されるアルキル基としては、前述のR1で表される1価の基のうちのアルキル基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。R5で表されるアリール基には、置換又は無置換のアリール基が含まれる。R5で表されるアリール基としては、前述のR1で表される1価の基のうちのアリール基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。R5で表される1価のトリアジン環基には、置換又は無置換のトリアジン環基が含まれる。なお、R5の各基が置換基を有する場合、置換基としては、前述のR1で表される1価の基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。
一般式(I)中のR6は、アリーレン基又は2価のヘテロ環基を表す。R6で表されるアリーレン基には、置換又は無置換のアリーレン基が含まれる。置換若しくは無置換のアリーレン基としては、炭素数6乃至30のアリーレン基が好ましい。置換基の例としては、前述のR1で表される1価の基について例示したものと同様のものを挙げることができる。前記アリーレン基としては、フェニレン、ナフチレンなどを挙げることができる。
6で表される2価のヘテロ環基は5員環又は6員環であることが好ましい。これらの2価のヘテロ環はさらに縮環していてもよく、芳香族ヘテロ環であっても、非芳香族ヘテロ環であってもよい。一般的に、ヘテロ環基はI型とII型に分類することができる。I型のヘテロ環基は、酸性核として知られている。I型のヘテロ環基としては、5−ピラゾロン環、5−アミノピラゾール環、オキサゾロン環、バルビツール酸環、ピリドン環、ローダニン環、ピラゾリジンジオン環、ピラゾロピリドン環、メルドラム酸環などを挙げることができる。なかでも、5−ピラゾロン環、及び5−アミノピラゾール環が好ましい。II型のヘテロ環基は、塩基性核として知られている。II型のヘテロ環基としては、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどを挙げることができる。なかでも、芳香族ヘテロ環基が好ましく、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールがさらに好ましく、耐光性の観点からチアジアゾールが特に好ましい。2価のヘテロ環基は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、前述のR1で表される1価の基について例示したものと同様のものを挙げることができる。
一般式(I)中のR7は、2価の連結基を表し、mは0又は1を表す。mが0である場合、2つのR6が互いに結合した構造であることを意味する。
7で表される2価の連結基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレンなどのアルキレン基;エテニレン、プロぺニレンなどのアルケニレン基;エチニレン、プロピニレンなどのアルキニレン基;フェニレン、ナフチレンなどのアリーレン基;6−クロロ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイル基、キノキサリン−2,3−ジイル基などの2価のヘテロ環基;−O−;−CO−;−NR9−(R9は水素原子、アルキル基又はアリール基);−S−;−SO2−;−SO−;及びこれらの組み合わせなどを挙げることができる。
アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、2価のヘテロ環基、R9で表されるアルキル基及びアリール基は、いずれも置換基を有していてもよい。置換基としては、前述のR1で表される1価の基について例示したものと同様のものを挙げることができる。R9で表されるアルキル基及びアリール基としては、前述のR1で表される1価の基のうちのアルキル基及びアリール基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。
一般式(I)中のR7は、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のアルケニレン基、炭素数10以下のアルキニレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、2価のヘテロ環基、−O−、−S−、又はこれらの組み合わせであることがさらに好ましい。これらのなかでも、−S−とアルキレン基との組み合わせであることが、一般式(I)で表される化合物の安定性の観点から特に好ましい。
7で表される2価の連結基の総炭素数は、0乃至50であることが好ましく、0乃至30であることがさらに好ましく、0乃至10であることが特に好ましい。
一般式(I)で表される化合物のなかでも、下記一般式(III)で表される化合物が好ましい。
Figure 2014034641
一般式(III)中、R1は1価の基を表し、R2は−OR3又は−NHR4を表す(R3及びR4は水素原子又は1価の基を表す)。R6はアリーレン基又は2価のヘテロ環基を表し、R7は2価の連結基を表し、mは0又は1を表す。R8はイオン性基を表し、xは1又は2を表す。
一般式(III)中のR1乃至R4、R6、及びR7は、前記一般式(I)中のR1乃至R4、R6、及びR7と同義であり、好ましい基及びその組み合わせも、前記一般式(I)中のR1乃至R4、R6、及びR7と同様である。一般式(III)中、R8で表されるイオン性基は塩型であってもよい。イオン性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基などを挙げることができる。塩を形成する場合のカウンターイオンとしては、アルカリ金属;アンモニア(NH3);有機アンモニウムなどのカチオンを挙げることができる。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを挙げることができる。有機アンモニウムとしては、メチルアミン、エチルアミンなどの炭素数1以上3以下のアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの炭素数1以上4以下のモノ、ジ又はトリアルカノールアミン類などの有機アンモニウムなどを挙げることができる。なお、一般式(I)で表される化合物が、1価の基や置換基としてイオン性基を有する場合にも、R8と同様に塩型であってもよく、この場合のカウンターイオンとしては、上述のカチオンと同様のものを挙げることができる。
本発明においては、一般式(I)で表される化合物が、以下の構造を有するものであることが特に好ましい。R2はアミノ基であることが好ましい。R6はヘテロ環基であることが好ましく、チアジアゾールであることがさらに好ましい。また、R7はアルキレン基又はヘテロ原子を含むアルキレン基であることが好ましく、ヘテロ原子を含むアルキレン基であることがさらに好ましい。
一般式(I)で表される化合物の好適例を遊離酸型で表すと、以下に示す例示化合物1乃至41を挙げることができる。勿論、本発明においては、一般式(I)の構造及びその定義に包含されるものであれば、以下に示す例示化合物に限定されない。本発明においては、以下に示す例示化合物のなかでも、例示化合物10〜22、27〜31、33、34、41が好ましく、例示化合物11がさらに好ましい。
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(第2の色材:一般式(II)で表される化合物)
第1の色材とともに用いられる第2の色材は、下記一般式(II)で表される化合物である。
Figure 2014034641
一般式(II)中、R9は1価の基を表し、R10は−OR11又は−NHR12を表す。ただし、R11及びR12は水素原子又は1価の基を表す。R13はアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表し、R14はアリーレン基又は2価のヘテロ環基を表す。R14’はアリール基又はヘテロ環基を表し、R15は2価の連結基を表し、nは0又は1を表す。
一般式(II)中のR9乃至R15は、一般式(I)中のR1乃至R7と同義であり、好ましい基及びその組み合わせも、一般式(I)中のR1乃至R7と同様である。また、一般式(II)中、R14’で表されるアリール基及びヘテロ環基としては、一般式(I)中のR6で表されるアリーレン基及び2価のヘテロ環基に対応するアリール基及びヘテロ環基を挙げることができる。
第2の色材は、一般式(II)で表される化合物のなかでも、下記一般式(IV)で表される化合物が好ましい。
Figure 2014034641
一般式(IV)中、R9は1価の基を表し、R10は−OR11又は−NHR12を表す。ただし、R11及びR12は水素原子又は1価の基を表す。R14はアリーレン基又は2価のヘテロ環基を表し、R14’はアリール基又はヘテロ環基を表す。R15は2価の連結基を表し、nは0又は1を表し、R16はイオン性基を表し、yは1又は2を表す。
一般式(IV)中のR9乃至R12、R14、R14’、及びR15は、一般式(II)中のR9乃至R12、R14、R14’、及びR15と同義である。また、一般式(IV)中のR9乃至R12、R14、R14’、及びR15で表される好ましい基及びその組み合わせも、一般式(II)中のR9乃至R12、R14、R14’、及びR15と同様である。また、一般式(II)中のR16は、一般式(I)中のR8と同義であり、好ましい基も一般式(I)中のR8と同様である。なお、一般式(IV)で表される化合物が1価の基や置換基としてイオン性基を有する場合にも、R16と同様に塩型であってもよい。
本発明においては、一般式(II)で表される化合物が、以下の構造を有するものであることが特に好ましい。R10はアミノ基であることが好ましい。R14はヘテロ環基であることが好ましく、チアジアゾールであることがさらに好ましい。また、R15は、アルキレン基又はヘテロ原子を含むアルキレン基であることが好ましく、ヘテロ原子を含むアルキレン基であることがさらに好ましい。
一般式(II)で表される化合物の好適例を遊離酸型で表すと、以下に示す例示化合物42乃至82を挙げることができる。勿論、本発明においては、一般式(II)の構造及びその定義に包含されるものであれば、以下に示す例示化合物に限定されない。本発明においては、以下に示す例示化合物のなかでも、例示化合物51〜63、68〜72、74、75、82が好ましく、例示化合物52がさらに好ましい。
Figure 2014034641
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(第1の色材及び第2の色材の組み合わせ)
本発明においては、第1の色材の構造と、第2の色材の構造とが類似していることが好ましい。すなわち、一般式(I)及び一般式(II)中、R5とR13、R6とR14とR14’、R1とR9、及びR2とR10が、それぞれ同一又は類似であることが好ましい。さらに、一般式(III)で表される化合物と、一般式(IV)で表される化合物とを組み合わせて用いることで、記録ヘッドの耐久性を特に顕著に向上させることができる。特に、第1の色材が例示化合物11であるとともに、第2の色材が例示化合物52であることが好ましい。
本発明者らは、第1の色材(ビスアゾ化合物)と、これに類似した構造を有する第2の色材(モノアゾ化合物)とを併用することで、好ましい色調と高い耐光性を有する画像を記録可能になること、及び記録ヘッドの耐久性が飛躍的に向上することを見出した。さらに、本発明者らは、第1の色材と第2の色材とを併用することで、2次色の画像におけるイエロー成分の耐光性を改善しうることを見出した。第1の色材と第2の色材とを併用することで、記録ヘッドの耐久性と、2次色の画像におけるイエロー成分の耐光性が向上する理由について、本発明者らは以下のように推測している。
第1の色材及び第2の色材は、いずれも溶解状態で、2価の連結基(一般式(I)及び(II)中のR7)を中心に180°折れ曲った構造を取ることが、分子軌道計算により得られる結果などから示唆される。第1の色材は、その分子構造が、疎水性が相対的に高い中心部分に、親水性が相対的に高い末端部分の構造が2つ対称に結合しているものであるので、溶解性に関して、末端部分と、中央部分とのバランスが良好である。一方、第2の色材は、第1の色材の分子構造と類似しているものの、第1の色材には存在する末端部分の構造が1つ欠けているので、第1の色材と比較して溶解性が低い。このため、インクに溶解している第2の色材は、インクの吐出の際に相対的に析出しやすく、このようにして析出した第2の色材が記録ヘッドのヒーター部分の保護層に付着する。保護層に付着した第2の色材は、第1の色材が保護層を溶解するのを抑制し、記録ヘッドの耐久性の向上につながると推測される。本発明のインクは、特に、インクに熱エネルギーを付与して吐出する方式の記録ヘッドで使用されることで、より好ましい保護層の溶解抑制効果を得ることができる。
また、シアンインクと他色のインクとを併用して記録した画像が劣化するのは、シアンインク中の染料(シアン色材)が、高い反応性を有する一重項酸素を生成する触媒として働くためであることが知られている。シアン色材のなかでも、特にフタロシアニン系色材は触媒効果が高いため、発生する一重項酸素により、併用した他色のインクの色材を著しく劣化させる。特に、イエローインクに用いられるイエロー色材は元来耐光性が低いため、シアンインクとイエローインクとを併用して記録した2次色の画像の耐光性を向上させることが要求されている。
第1の色材は、単独では凝集しにくい構造を有している。これに対して、本発明のインクでは、その構造が、第1の色材の構造に類似しているとともに第1の色材に比して相対的に小さい第2の色材をさらに含有させることで、第1の色材がより凝集しやすくなると考えられる。これにより、2次色の画像の耐光性が向上すると本発明者らは推察している。
(インクの色調)
第1の色材及び第2の色材はイエローの色相を有するので、別の色相の色材をあまりに多く添加しなければ、本発明のインクはイエローインクとなる。本発明においては、1次色画像が好ましいイエローの色調を持つと同時に、マゼンタインクとの2次色画像における色再現範囲の拡大のため、やや赤みを帯びたイエローの色調にすることが好ましい。このためには、イエローインクのみを用いて記録した1次色の画像の色相角が、好ましくは80°以上92°以下、最も好ましくは84°以上87°以下であるように、インク中の第1の色材及び第2の色材の含有量を調整することが好ましい。
(色材の含有量)
インク中の第1の色材(一般式(I)で表される化合物)の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.0質量%以上6.0質量%以下であることが好ましい。第1の色材の含有量が1.0質量%未満であると、イエローインク単独で記録した1次色の画像の耐光性が相対的に劣る傾向にある。一方、第1の色材の含有量が6.0質量%を超えると、記録ヘッドの耐久性が低下する傾向にある。
また、インク中の第2の色材(一般式(II)で表される化合物)の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.02質量%以上1.00質量%以下であることが好ましい。第2の色材の含有量が0.02質量%未満であると、シアンインクとともに記録した2次色の画像のイエロー成分の耐光性が高いレベルで十分に得られない場合がある。一方、第2の色材の含有量が1.00質量%を超えると、イエローインクとして最も好ましい色調からのずれが生じる場合がある。
また、インク全質量を基準とした、第2の色材の含有量(質量%)が、第1の色材の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.010倍以上0.200倍以下であることが好ましい。第2の色材と第1の色材の質量比率を上記範囲とすることで、シアンインクとともに記録した2次色の画像の耐光性がさらに向上する。また、第2の色材と第1の色材の質量比率を上記範囲とすることで、イエローインクとして好ましい色調を得ることができる。また、インク全質量を基準とした、第2の色材の含有量(質量%)が、第1の色材の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.015倍以上0.100倍以下であることがさらに好ましい。第2の色材と第1の色材の質量比率を上記範囲とすることで、より高いレベルで諸性能を保ちつつ、イエローインクとして好ましい色調を得ることができる。
第1の色材と第2の色材の合計の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、1.10質量%以上6.00質量%以下であることが好ましい。第1の色材と第2の色材の合計の含有量が1.10質量%未満であると、耐光性が十分に得られない場合や、イエローインクとして好ましい色調からのずれが生じる場合がある。一方、第1の色材と第2の色材の合計の含有量が6.00質量%を超えると、耐固着性が低下する場合がある。
(色材の検証方法)
本発明で用いる色材が各インク中に含まれているか否かを検証するには、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた下記(1)〜(3)の検証方法を適用することができる。
(1)ピークの保持時間
(2)(1)のピークについての極大吸収波長
(3)(1)のピークについてのマススペクトルのM/Z(posi)、M/Z(nega)
高速液体クロマトグラフィーの分析条件は、以下に示す通りである。純水で約1,000倍に希釈した液体(インク)を測定用サンプルとする。そして、下記の条件で高速液体クロマトグラフィーでの分析を行い、ピークの保持時間(retention time)、及びピークの極大吸収波長を測定する。
・カラム:SunFire C18(日本ウォーターズ製)2.1mm×150mm
・カラム温度:40℃
・流速:0.2mL/min
・PDA:200nm〜700nm
・移動相及びグラジエント条件:表1
Figure 2014034641
また、マススペクトルの分析条件は以下に示す通りである。得られたピークについて、下記の条件でマススペクトルを測定し、最も強く検出されたM/Zをposi及びnegaのそれぞれに対して測定する。
・イオン化法:ESI
・キャピラリ電圧:3.5kV
・脱溶媒ガス:300℃
・イオン源温度:120℃
・検出器:
posi;40V 200〜1500amu/0.9sec
nega;40V 200〜1500amu/0.9sec
上記した方法及び条件下で、一般式(I)で表される化合物の具体例である例示化合物11について測定を行った。さらに、同一の方法及び条件下で、一般式(II)で表される化合物の具体例である例示化合物55について測定を行った。その結果、得られた保持時間、極大吸収波長、M/Z(posi)、及びM/Z(nega)の値を表2に示す。未知のインクについて、上記と同様の方法及び条件下で測定を行って、得られた測定値が表2に示す値に該当する場合、本発明のインクに用いる化合物を含有すると判断することができる。
Figure 2014034641
(水性媒体)
本発明のインクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上90.0質量%以下、さらには10.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲より少ないと、インクをインクジェット記録装置に用いる場合に吐出安定性などの信頼性が得られない場合がある。また、水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲より多いと、インクの粘度が上昇して、インクの供給不良が起きる場合がある。
(その他の添加剤)
本発明のインクは、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。さらに、本発明のインクは、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。
(その他のインク)
また、フルカラーの画像などを形成するために、本発明のインクと、本発明のインクとは別の色相を有するその他のインクとを組み合わせて用いることができる。その他のインクとしては、例えば、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、レッドインク、グリーンインク、及びブルーインクからなる群より選択される少なくとも一種のインクを挙げることができる。また、これらのインクと実質的に同一の色相を有する、いわゆる淡インクをさらに組み合わせて用いることもできる。その他のインクや淡インクに用いられる色材は、公知の染料であっても、新規に合成された染料であってもよい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22,24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
図2は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<色材の合成>
(化合物A)
(a)
下記式(1)で表される化合物13.3gをメタノール100mLに溶解させて得た溶液に、水酸化カリウム4.5gを水に溶解させて得た水溶液20mLと、1,2−ジブロムエタン10.0gとを加えた。2時間還流した後、析出した結晶をろ過して下記式(2)で表される化合物13.0gを得た。
Figure 2014034641
Figure 2014034641
(b)
下記式(3)で表される化合物59.8g、ピバロイルアセトニトリル32.0g、炭酸水素ナトリウム65.0g、水340mL、及びエタノール340mLの混合液を2時間加熱した後、塩酸60mLを加えた。さらに2時間加温した後、析出した結晶をろ過して下記式(4)で表される化合物61.0gを得た。
Figure 2014034641
Figure 2014034641
(c)
前記手順(b)で得た式(4)で表される化合物6.0g、メタノール80mL、酢酸ソーダ30gの混合液を10℃以下に冷却した。また、前記手順(a)で得た式(2)で表される化合物6.0g及び亜硝酸ナトリウムを混合してジアゾ液を得た。このジアゾ液を、10℃以下で混合液に加え、室温で2時間撹拌した。析出した結晶をろ過した後、セファデックス(商品名)を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、さらに塩酸を添加してpHを1.0以下に調整して、遊離酸型として下記式(5)で表される化合物A 3.5gを得た。
Figure 2014034641
(d)
前記手順(c)で得た遊離酸型の化合物Aに水酸化カリウム水溶液を添加してpHを8.0に調整し、カリウム塩型の化合物Aを得た。
(化合物B)
(e)
前記手順(a)と同様の操作を行って、前記式(2)で表される化合物13.0gを得た。
(f)
下記式(6)で表される化合物59.8g、ピバロイルアセトニトリル32.0g、炭酸水素ナトリウム65.0g、水340mL、及びエタノール340mLの混合液を2時間加熱した後、塩酸60mLを加えた。さらに2時間加温した後、析出した結晶をろ過して下記式(7)で表される化合物61.0gを得た。
Figure 2014034641
Figure 2014034641
(g)
前記手順(f)で得た式(7)で表される化合物6.0g、メタノール80mL、及び酢酸ソーダ30gの混合液を10℃以下に冷却した。また、前記手順(e)で得た式(2)で表される化合物3.0g及び亜硝酸ナトリウムを混合してジアゾ液を得た。このジアゾ液を10℃以下で混合液に加え、室温で2時間撹拌した。析出した結晶をろ過した後、セファデックス(商品名)を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、さらに塩酸を添加してpHを1.0以下に調整して、遊離酸型として下記式(8)で表される化合物B 4.3gを得た。
Figure 2014034641
(h)
前記手順(g)で得た遊離酸型の化合物Bに水酸化カリウム水溶液を添加してpHを8.0に調整し、カリウム塩型の化合物Bを得た。
(化合物C)
(i)
下記式(9)で表される化合物13.3gをメタノール100mLに溶解させて得た溶液に、水酸化カリウム4.5gを水に溶解させて得た水溶液20mLと、1,2−ジブロムエタン10.0gとを加えた。2時間還流した後、析出した結晶をろ過して下記式(10)で表される化合物13.0gを得た。
Figure 2014034641
Figure 2014034641
(j)
前記手順(f)と同様の操作を行って、前記式(7)で表される化合物61.0gを得た。
(k)
前記手順(j)で得た式(4)で表される化合物6.0g、メタノール80mL、及び酢酸ソーダ30gの混合液を10℃以下に冷却した。また、前記手順(i)で得た式(10)で表される化合物3.0g及び亜硝酸ナトリウムを混合してジアゾ液を得た。このジアゾ液を10℃以下で混合液に加え、室温で2時間撹拌した。析出した結晶をろ過した後、セファデックス(商品名)を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、さらに塩酸を添加してpHを1.0以下に調整して、遊離酸型として下記式(11)で表される化合物C 4.0gを得た。
Figure 2014034641
(l)
前記手順(k)で得た遊離酸型の化合物Cに水酸化カリウム水溶液を添加してpHを8.0に調整し、カリウム塩型の化合物Cを得た。
(化合物D)
(m)
上記式(1)で表される化合物6.7g及び下記式(12)で表される化合物6.7gをメタノール100mLに溶解させて溶液を得た。得られた溶液に、水酸化カリウム4.5gを溶解させて得た水溶液20mLと、1,2−ジブロムエタン10.0gとを加えた。2時間還流した後、析出した結晶をろ過して下記式(13)で表される化合物13.0gを得た。
Figure 2014034641
Figure 2014034641
(n)
前記手順(b)と同様の操作を行って、前記式(4)で表される化合物61.0gを得た。
(o)
前記手順(n)で得た式(4)で表される化合物3.0g、メタノール80mL、酢酸ソーダ30gの混合液を10℃以下に冷却した。また、前記手順(m)で得た式(13)で表される化合物3.0g及び亜硝酸ナトリウムを混合してジアゾ液を得た。このジアゾ液を、10℃以下で混合液に加え、室温で2時間撹拌した。析出した結晶をろ過した後、セファデックス(商品名)を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、さらに塩酸を添加してpHを1.0以下に調整して、遊離酸型として下記式(14)で表される化合物D 3.5gを得た。
Figure 2014034641
(p)
前記手順(o)で得た遊離酸型の化合物Dに水酸化カリウム水溶液を添加してpHを8.0に調整し、カリウム塩型の化合物Dを得た。
(化合物E)
(q)
前記手順(m)と同様の操作を行って、前記式(13)で表される化合物13.0gを得た。
(r)
前記手順(f)と同様の操作を行って、前記式(7)で表される化合物61.0gを得た。
(s)
前記手順(r)で得た式(7)で表される化合物3.0g、メタノール80mL、酢酸ソーダ30gの混合液を10℃以下に冷却した。また、前記手順(q)で得た式(13)で表される化合物3.0g及び亜硝酸ナトリウムを混合してジアゾ液を得た。このジアゾ液を、10℃以下で混合液に加え、室温で2時間撹拌した。析出した結晶をろ過した後、セファデックス(商品名)を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、さらに塩酸を添加してpHを1.0以下に調整して、遊離酸型として下記式(15)で表される化合物E 4.3gを得た。
Figure 2014034641
(t)
前記手順(s)で得た遊離酸型の化合物Eに水酸化カリウム水溶液を添加してpHを8.0に調整し、カリウム塩型の化合物Eを得た。
<インクの調製>
表3−1〜3−3の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ0.20μmのフィルターで加圧ろ過して各インクを調製した。なお、表3−1〜3−3中の「アセチレノールE100」は、ノニオン性界面活性剤(川研ファインケミカル製)の商品名である。表3−1〜3−3の下段には、インク中の、第1の色材の含有量(%)及び第2の色材の含有量(%)を示した。さらに、第1の色材の含有量(%)に対する、第2の色材の含有量(%)の質量比率を「第2/第1の質量比率(倍)」として示した。
Figure 2014034641
Figure 2014034641
Figure 2014034641
<評価>
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置に搭載した。L、a、b、及び光学濃度は、分光光度計(商品名「Spectrolino」、Gretag Macbeth製)を用いて、光源:D50、視野:2°の条件で測定した。なお、L、a及びbは、CIE(国際照明委員会)により規定されたL***表示系におけるL*、a*、及びb*である。本発明においては、下記の各項目の評価基準で、(AA、)A及びBを許容できるレベル、Cを許容できないレベルとした。評価結果を表4に示す。
(色調)
インクジェット記録装置(商品名「PIXUS iP8600」、キヤノン製)を用いて、温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体に、記録デューティが100%であるベタ画像を記録した記録物を作製した。なお、記録媒体としては、商品名「キヤノン写真用紙・光沢プロ[プラチナグレード]PT101」(キヤノン製)を用いた。本実施例においては、このインクジェット記録装置を用いた場合、1/600インチ×1/600インチの単位領域に22ngのインクを付与して記録したベタ画像を「記録デューティが100%である」と定義する。得られた記録物を、温度23℃、相対湿度55%の環境で24時間乾燥させた。得られた記録物のベタ画像のL、a及びbを測定した。得られたa及びbの値から、下記式に基づき色相角(H°)を求め、以下に示す評価基準にしたがって色調を評価した。
*≧0、b*≧0(第一象現)では、H°=tan-1(b*/a*
*≦0、b*≧0(第二象現)では、H°=180+tan-1(b*/a*
*≦0、b*≦0(第三象現)では、H°=180+tan-1(b*/a*
*≧0、b*≦0(第四象現)では、H°=360+tan-1(b*/a*
AA:H°が84以上87以下であった。
A:H°が80以上84未満、又は、87超92以下であった。
B:H°が80未満、又は、92超であった。
(1次色の耐光性)
前記「色調」の評価の場合と同様の条件で、記録デューティが100%であるベタ画像を記録した記録物を作製し、乾燥させた。得られた記録物におけるベタ画像の光学濃度を測定した(耐光性試験前の光学濃度)。この記録物をスーパーキセノン試験機(商品名「SX−75」、スガ試験機製)中に載置し、槽内温度24℃、相対湿度60%、照射強度100キロルクスで168時間、キセノン光の照射を行った。その後、記録物におけるベタ画像の光学濃度を測定した(耐光性試験後の光学濃度)。得られた耐光性試験前の光学濃度及び耐光性試験後の光学濃度の値から、光学濃度の残存率=耐光性試験後の光学濃度/耐光性試験前の光学濃度×100%を算出し、以下に示す評価基準にしたがって耐光性を評価した。
A:光学濃度の残存率が80%以上であった。
B:光学濃度の残存率が75%以上80%未満であった。
C:光学濃度の残存率が75%未満であった。
(2次色の耐光性)
インクジェット記録装置(商品名「PIXUS iP8600」、キヤノン製)に、上記で得た各インクを充填したカートリッジと、市販のシアンインクのカートリッジ(商品名「BCI−7C」、キヤノン製)を搭載した。そして、温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体に、各インクの記録デューティをそれぞれ100%(合計200%)としたベタ画像を記録した記録物を作製した。なお、記録媒体としては、商品名「キヤノン写真用紙・光沢プロ[プラチナグレード]PT101」(キヤノン製)を用いた。得られた記録物を、温度23℃、相対湿度55%の環境で24時間乾燥させた。その後、前記「1次色の耐光性」の評価の場合と同様にして光学濃度の残存率を算出し、以下に示す評価基準にしたがって耐光性を評価した。
A:光学濃度の残存率が79%以上であった。
B:光学濃度の残存率が77%以上79%未満であった。
C:光学濃度の残存率が77%未満であった。
(耐久性)
インクジェット記録装置(商品名「BJF890」、キヤノン製)のマゼンタインクのポジションにインクカートリッジを搭載した。このインクジェット記録装置を使用し、温度23℃、相対湿度55%の環境で、A4サイズの記録媒体の全面に記録デューティが100%であるベタ画像を記録した記録物を20,000枚分作製した。本実施例においては、このインクジェット記録装置を用いた場合、1/600インチ×1/600インチの単位領域に22ngのインクを付与して記録したベタ画像を「記録デューティが100%である」と定義する。その後、20,000枚目の記録物を目視で確認して、以下に示す評価基準にしたがって耐久性を評価した。
A:20,000枚目の記録物が正常に記録されていた。
B:20,000枚目の記録物に、わずかな乱れがあった。
C:20,000枚目の記録物にひどい乱れがあった、又は、インクの不吐出が生じていた。
(耐固着性)
インクジェット記録装置(商品名「PIXUS iP8600」、キヤノン製)にインクカートリッジを搭載し、回復操作(クリーニング)を行った。その後、キャリッジが動作している途中で電源ケーブルを引き抜くことにより、記録ヘッドにキャッピングが行われていない状態とした。この状態のまま、インクジェット記録装置を温度30℃、相対湿度10%の条件で14日間放置した。その後、このインクジェット記録装置を用いて、回復操作を行いながらノズルチェックパターンを記録した。得られたノズルチェックパターンを目視で観察し、以下に示す評価基準にしたがって耐固着性を評価した。
A:3回以下の回復操作により、全ての吐出口が吐出可能な状態になった。
B:回復操作を3回行った後に、インクの吐出ができない吐出口がわずかにあった。
C:回復操作を3回行った後に、インクの吐出ができない吐出口が多数あった。
Figure 2014034641

Claims (8)

  1. 第1の色材及び第2の色材を含有するインクジェット用のインクであって、
    前記第1の色材が、下記一般式(I)で表される化合物であり、
    前記第2の色材が、下記一般式(II)で表される化合物であることを特徴とするインク。
    Figure 2014034641
    (前記一般式(I)中、R1は1価の基を表し、R2は−OR3又は−NHR4を表し(R3及びR4は水素原子又は1価の基を表す)、R5はアルキル基、アリール基、又は1価のトリアジン環基を表し、R6はアリーレン基又は2価のヘテロ環基を表し、R7は2価の連結基を表し、mは0又は1を表す)
    Figure 2014034641
    (前記一般式(II)中、R9は1価の基を表し、R10は−OR11又は−NHR12を表し(R11及びR12は水素原子又は1価の基を表す)、R13はアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表し、R14はアリーレン基又は2価のヘテロ環基を表し、R14’はアリール基又はヘテロ環基を表し、R15は2価の連結基を表し、nは0又は1を表す)
  2. 前記第1の色材が、下記一般式(III)で表される化合物であり、
    前記第2の色材が、下記一般式(IV)で表される化合物である請求項1に記載のインク。
    Figure 2014034641
    (前記一般式(III)中、R1は1価の基を表し、R2は−OR3又は−NHR4を表し(R3及びR4は水素原子又は1価の基を表す)、R6はアリーレン基又は2価のヘテロ環基を表し、R7は2価の連結基を表し、mは0又は1を表し、R8はイオン性基を表し、xは1又は2を表す)
    Figure 2014034641
    (前記一般式(IV)中、R9は1価の基を表し、R10は−OR11又は−NHR12を表し(ただし、R11及びR12は水素原子又は1価の基を表す)、R14はアリーレン基又は2価のヘテロ環基を表し、R14’はアリール基又はヘテロ環基を表し、R15は2価の連結基を表し、nは0又は1を表し、R16はイオン性基を表し、yは1又は2を表す)
  3. 前記第1の色材の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、1.0質量%以上6.0質量%以下である請求項1又は2に記載のインク。
  4. 前記第2の色材の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.02質量%以上1.00質量%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインク。
  5. インク全質量を基準とした、前記第2の色材の含有量(質量%)が、前記第1の色材の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.010倍以上0.200倍以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインク。
  6. インク全質量を基準とした、前記第2の色材の含有量(質量%)が、前記第1の色材の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.015倍以上0.100倍以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインク。
  7. インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
    前記インクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  8. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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