JP6200926B2 - インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物 - Google Patents

インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物 Download PDF

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Description

本発明は、疎水性が高く、特定の構造を有する水溶性染料と、水とを含むインクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物に関する。
インクジェット記録方法は、周知のごとくインクの小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う方法である。この印刷方法は、安価な装置で高解像度、高品位な画像を高速かつ簡便に印刷をする事ができ、特にカラー印刷においては、近年写真に代わりうる画像形成方法として技術開発が行われている。
インクジェット記録方法を用いてカラー画像を形成する場合、少なくともイエローインク、マゼンタインク、シアンインク、及びブラックインクを用いるのが一般的である。これらのインクには粘度、表面張力等の物性値が適正範囲内にあること、ノズルの目詰まり、保存安定性に優れ、かつ高い濃度の記録画像を与えること、また耐光性、耐オゾン性、耐水性、耐湿性に優れていること等の性質が要求される。
これらの性能は、水又は水と水溶性有機溶剤との混合液を主溶媒とする水性インクを用いることにより、要求される水準を満たすことが多いが、特に色調、鮮やかさ、耐光性、耐オゾン性、耐水性、耐湿性等は着色剤に左右されるところが大きく、従来さまざまな染料の研究がされてきている。
近年、特にインクジェット記録用のマゼンタ染料の耐湿性に関する検討が行われてきており、例えば特許文献1及び特許文献2には、特定の置換基を有するキサンテン染料を含有するインクジェット記録用インクが記載されている。
特開2013−249339号公報 特開2011−148973号公報
しかしながら、インクジェット記録用インクの分野においては更なる性能の向上が求められており、耐湿性をより向上させることができるインクジェット記録用インクが要求されている。また、キサンテン化合物を含む着色組成物は調液する際の撹拌及び振盪によって発泡し、すぐに印画するとスジができるという問題があり、消泡性に優れたインクジェット記録用インクが要求されている。
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、印画濃度、消泡性、及び耐湿性に優れたインクジェット記録用インクを提供することを目的とする。また、上記インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、特定の染料母核を有する水溶性染料において、疎水性の高い置換基を導入し分子全体を疎水的(具体的には、後述するLogKOWの推算値が9以上)にすることによって、上記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は下記の事項に関するものである。
<1>
LogKOWの推算値が9以上であり、かつスルホ基を少なくとも2つ有する水溶性染料と水とを含有するインクジェット記録用インクであって、上記水溶性染料の母核が、キサンテン誘導体である、インクジェット記録用インク。
<2>
上記キサンテン誘導体が、下記一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物である<1>に記載のインクジェット記録用インク。
Figure 0006200926

Figure 0006200926

一般式(1)及び一般式(2)中、R 101 、R 103 、R 104 、R 105 、R 106 、R 108 、R 109 、R 110 、R 111 、R 112 、R 113 、R 114 、R 115 、R 116 、R 117 、R 118 、R 119 、R 120 、R 201 、R 202 、R 204 、R 205 、R 206 、R 207 、R 209 、R 210 、R 211 、R 212 、R 213 、R 214 、R 215 、R 216 、R 217 、R 218 、R 219 及びR 220 は各々独立に水素原子又は置換基を表し、X 、X 、X 及びX は各々独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基、置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールアミノ基、置換若しくは無置換のヘテリルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のアミノカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のウレイド基、置換若しくは無置換のアシル基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは無置換のスルファモイル基、メルカプト基、置換若しくは無置換のアルキルチオ基、置換若しくは無置換のアリールチオ基、又はスルホ基を表す。
ただし、一般式(1)におけるR 101 、R 103 、R 104 、R 105 、R 106 、R 108 、R 109 、R 110 、R 112 、R 115 、X 及びX のうちいずれか少なくとも1つは−SO Mを表し、一般式(2)におけるR 201 、R 202 、R 204 、R 205 、R 206 、R 207 、R 209 、R 210 、R 212 、R 215 、X 及びX のうちいずれか少なくとも1つは−SO Mを表す。
Mは、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、又はアルキルアンモニウムイオンを表す。
<3>
上記キサンテン誘導体が上記一般式(1)で表される化合物であり、
上記一般式(1)におけるR 101 、R 105 、R 106 及びR 110 は各々独立に置換若しくは無置換のアルキル基を表し、R 103 、R 104 、R 108 、R 109 、R 111 、R 112 、R 113 、R 114 、R 115 、R 116 、R 117 、R 118 、R 119 及びR 120 は各々独立に水素原子又は置換基を表し、X 及びX は各々独立に、−NHCOR 21 、−NHSO 22 、又は−SO NR 23 24 を表す。R 21 、R 22 、R 23 及びR 24 は、各々独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルケニル基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す、<2>に記載のインクジェット記録用インク。
<4>
上記X 及びX が各々独立に、−NHCOR 21 を表す、<3>に記載のインクジェット記録用インク。
21 は、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルケニル基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。
<5>
上記水溶性染料が、下記(1)〜(5)のいずれかの構造を有する<1>〜<4>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
(1)炭素数4以上のアルキル基又は炭素数4以上のアルキレン基を2つ以上有する。
(2)分子内に下記疎水基群Aから選ばれる少なくとも1種の構造を2つ以上有する。
疎水基群A:
Figure 0006200926

(3)下記疎水基群Bから選ばれる少なくとも1種の構造を3つ以上有する。
疎水基群B:
Figure 0006200926

(4)少なくとも2つのトリメチルベンゼン環、及び少なくとも2つのナフタレン環を有する。
(5)少なくとも2つのトリメチルベンゼン環、及び少なくとも4つのベンゼン環を有する。
<6>
<1>〜<5>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法。
<7>
<1>〜<5>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェットプリンタカートリッジ。
<8>
<1>〜<5>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したインクジェット記録物。
本発明は上記<1>〜<8>に記載した事項に関するものであるが参考のためにその他の事項についても記載した。
[1]
LogKOWの推算値が9以上であり、かつスルホ基を少なくとも2つ有する水溶性染料と水とを含有するインクジェット記録用インクであって、上記水溶性染料の母核が、キサンテン誘導体、トリアリールメタン誘導体、アントラキノン誘導体、又はアントラピリドン誘導体である、インクジェット記録用インク。
[2]
上記水溶性染料の母核がキサンテン誘導体である[1]記載のインクジェット記録用インク。
[3]
上記キサンテン誘導体が、下記一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物である[2]に記載のインクジェット記録用インク。
Figure 0006200926
Figure 0006200926
一般式(1)及び一般式(2)中、R101、R103、R104、R105、R106、R108、R109、R110、R111、R112、R113、R114、R115、R116、R117、R118、R119、R120、R201、R202、R204、R205、R206、R207、R209、R210、R211、R212、R213、R214、R215、R216、R217、R218、R219及びR220は各々独立に水素原子又は置換基を表し、X、X、X及びXは各々独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基、置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールアミノ基、置換若しくは無置換のヘテリルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のアミノカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のウレイド基、置換若しくは無置換のアシル基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは無置換のスルファモイル基、メルカプト基、置換若しくは無置換のアルキルチオ基、置換若しくは無置換のアリールチオ基、又はスルホ基を表す。
ただし、一般式(1)におけるR101、R103、R104、R105、R106、R108、R109、R110、R112、R115、X及びXのうちいずれか少なくとも1つは−SOMを表し、一般式(2)におけるR201、R202、R204、R205、R206、R207、R209、R210、R212、R215、X及びXのうちいずれか少なくとも1つは−SOMを表す。
Mは、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、又はアルキルアンモニウムイオンを表す。
[4]
上記キサンテン誘導体が上記一般式(1)で表される化合物であり、
上記一般式(1)におけるR101、R105、R106及びR110は各々独立に置換若しくは無置換のアルキル基を表し、R103、R104、R108、R109、R111、R112、R113、R114、R115、R116、R117、R118、R119及びR120は各々独立に水素原子又は置換基を表し、X及びXは各々独立に、−NHCOR21、−NHSO22、又は−SONR2324を表す。R21、R22、R23及びR24は、各々独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルケニル基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す、[3]に記載のインクジェット記録用インク。
[5]
上記X及びXが各々独立に、−NHCOR21で表される化合物である、[4]に記載のインクジェット記録用インク。
21は、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルケニル基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。
[6]
上記水溶性染料が、下記(1)〜(5)のいずれかの構造を有する[1]〜[5]のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
(1)炭素数4以上のアルキル基又は炭素数4以上のアルキレン基を2つ以上有する。
(2)分子内に下記疎水基群Aから選ばれる少なくとも1種の構造を2つ以上有する。疎水基群A:
Figure 0006200926
(3)下記疎水基群Bから選ばれる少なくとも1種の構造を3つ以上有する。
疎水基群B:
Figure 0006200926
(4)少なくとも2つのトリメチルベンゼン環、及び少なくとも2つのナフタレン環を有する。
(5)少なくとも2つのトリメチルベンゼン環、及び少なくとも4つのベンゼン環を有する。
[7]
[1]〜[6]のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法。
[8]
[1]〜[6]のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェットプリンタカートリッジ。
[9]
[1]〜[6]のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したインクジェット記録物。
本発明によれば、印画濃度、消泡性、及び耐湿性に優れたインクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明における置換基の具体例を、置換基群Aとして定義する。
(置換基群A)
ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基が例として挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。
アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、置換若しくは無置換のアラルキル基が挙げられ、置換若しくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。例えばベンジル基及び2−フェネチル基を挙げられる。
アルケニル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を包含する。
アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。非芳香族のヘテロ環基の例としては、モルホリニル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
シリルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から20の置換若しくは無置換のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
ヘテロ環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、トリアジニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
ヘテロ環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルフィニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、炭素数6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
アリール又はヘテロ環アゾ基としては、好ましくは炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換若しくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基等が挙げられる。
イミド基としては、好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
シリル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられる。
イオン性親水性基としては、スルホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基、4級アンモニウム基などが挙げられる。特に好ましくはスルホ基、カルボキシル基である。またイオン性親水性基はカチオン又はアニオンを含んでいてもよく、カチオン又はアニオンを含む状態を塩の状態と呼ぶ。カルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対カチオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、ナトリウム塩又はナトリウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、ナトリウム塩が最も好ましい。
なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、水溶性インク中では塩はイオンに解離して存在している。
本発明は、LogKOWの推算値が9以上であり、かつ−SOMを少なくとも2つ有する水溶性染料と水とを含有するインクジェット記録用インクであって、上記水溶性染料の母核が、キサンテン誘導体、トリアリールメタン誘導体、アントラキノン誘導体、又はアントラピリドン誘導体であるインクジェット記録用インクに関する。
Mは、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、又はアルキルアンモニウムイオンを表す。
〔LogKOW〕
LogKOWとは、親疎水性を表すパラメータであり、オクタノール/水分配比率を示す。LogKOW値が大きいほど疎水的であることを示す。
(LogKOWの計算方法)
LogKOWは「EPI Suite」の「Version4.11」のソフトを使用して、推算値として計算した。「EPI Suite」とは、化学物質の構造をもとに各物質の物性値を予測・算出する推算ツールである。
この際、スルホン酸やカルボン酸、アンモニウム塩などのイオン性基は、−SO は−SOHとして、−SOMはーSOHとして、−CO は−COHとして、−COMは−COHとして、=NH−は=N−として計算した。
なお、「EPI Suite」のダウンロードの方法や使用方法は、インターネットで入手することができる。
〔水溶性染料〕
本発明におけるインクジェット記録用インクに含まれる水溶性染料(以下、本発明の水溶性染料とも記載する)は、LogKOWの推算値が9以上であり、かつスルホ基を少なくとも2つ以上有する。本発明の水溶性染料の母核としては、キサンテン誘導体、トリアリールメタン誘導体、アントラキノン誘導体、又はアントラピリドン誘導体である。
スルホ基は、−SOH、−SOM(Mは1価のカウンターカチオン)、−SO のいずれの形態であってもよい。Mは、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)、アンモニウムイオン、又はアルキルアンモニウムイオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン)を表すことが好ましい。
本発明の水溶性染料の母核は、キサンテン誘導体、トリアリールメタン誘導体、アントラキノン誘導体、又はアントラピリドン誘導体である。
各色素構造を形成しうる具体的な色素化合物については「新版染料便覧」(有機合成化学協会編;丸善、1970)、「カラーインデックス」(The Society of Dyers and colourists)、「色素ハンドブック」(大河原他編;講談社、1986)などに記載されている。
母核は、特に滲みの改良効果が認められたことから、キサンテン誘導体であることが好ましい。
本発明の水溶性染料はLogKOWの推算値が9以上であり、かつ−SOMを少なくとも2つ以上有する。一般的な染料では、分子内に−SOMを2つ以上有すると、LogKOWの推算値は9以上にならないものが多い。また、水溶性をさらに付与するためには、分子中に−SOM又は−COMを多く有することが好ましいが、−SOM、−COMなどの水溶性を付与する基が多ければ多いほどLogKOWの推算値は小さくなる。
LogKOWの推算値を9以上にまで疎水化し、かつ水溶性を保つために、本発明者らは染料1分子中の炭素数を増やすことに着目した。炭素数は、分子中の母核種、置換基や連結基によって異なるが、分子中のスルホ基が2つの場合は炭素数46以上が好ましく、分子中のスルホ基が3つの場合は炭素数53以上が好ましい。炭素数を増やす手法としては、例えば以下の手法を適用し、場合によっては組み合わせることで、1分子中の炭素数を増加させ、分子全体を疎水化できる。
(1)分子内に炭素数4以上のアルキル基又は炭素数4以上のアルキレン基を2つ以上有する。
アルキル基としては、直鎖、分岐、環状(シクロアルキル基)のいずれであってもよい。
アルキレン基としては、直鎖、分岐、環状(シクロアルキレン基)のいずれであってもよい。
分子内に、炭素数6以上の直鎖又は分岐のアルキル基を有するとインク中に泡が発生しやすく、インクジェット印画する際に打適性が悪化するという場合がある。インク中の泡の発生を抑えるという点も考慮すると、炭素数4〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を2つ以上有するか、または炭素数6以上のシクロアルキル基、アルキレン基又はシクロアルキレン基を有することが好ましい。
炭素数4〜6の直鎖又は分岐のアルキル基としては、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基又はn−ヘキシル基が挙げられる。
炭素数6以上のシクロアルキル基としては、シクロヘキシル基、ノルボルニル基又はジシクロデカニル基が挙げられる。
炭素数6以上のアルキレン基としては、ヘキシレン基、オクチレン基、ノニレン基、デカニレン基、ウンデカニレン基又はドデカニレン基が挙げられる。
炭素数6以上のシクロアルキレン基としては、シクロヘキシレン基、ノルボルニレン基又はジシクロデカニレン基が挙げられる。
(2)分子内に下記疎水基群Aから選ばれる少なくとも1種の構造を2つ以上有する。
疎水基群A:
Figure 0006200926
なお、上記構造中のいずれか少なくとも1つの水素原子が外れて水溶性染料の母核に結合していることが好ましい。また、上記構造中の水素原子は置換基により置換されていてもよい。分子内に上記構造から選ばれる複数種を有していてもよい。
(3)分子内に下記疎水基群Bから選ばれる少なくとも1種の構造を3つ以上有する。
疎水基群B:
Figure 0006200926
なお、上記構造中のいずれか少なくとも1つの水素原子が外れて水溶性染料の母核に結合していることが好ましい。また、上記構造中の水素原子は置換基により置換されていてもよい。分子内に上記構造から選ばれる複数種を有していてもよい。
(4)少なくとも2つのトリメチルベンゼン環、及び少なくとも2つのナフタレン環を有する。
(5)少なくとも2つのトリメチルベンゼン環、及び少なくとも4つのベンゼン環を有する。
水溶性を付与する目的で分子内に、−SOM、−COM、−OHなどの親水的な基を有するほど、染料分子は親水化し、インクの打滴性能は向上するが、LogKOWの推算値が小さくなるため耐湿性が低下する。上記の分子設計を組み合わせることで分子全体を疎水化し、水溶性を付与しつつ耐湿性も向上できる化合物が設計できる。
LogKOWは10〜15であると、耐湿性がより良化し、11〜15であるとさらに良化する。
本発明の水溶性染料は水に対して、1〜70質量%溶解することが好ましく、2〜50質量%溶解することがより好ましい。水溶性染料中、イオン性親水基の数としては、2〜5であり、より好ましくは2〜3である。
キサンテン誘導体は下記の一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
〔一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物〕
一般式(1):
Figure 0006200926
一般式(2):
Figure 0006200926
一般式(1)及び一般式(2)中、R101、R103、R104、R105、R106、R108、R109、R110、R111、R112、R113、R114、R115、R116、R117、R118、R119、R120、R201、R202、R204、R205、R206、R207、R209、R210、R211、R212、R213、R214、R215、R216、R217、R218、R219及びR220は各々独立に水素原子又は置換基を表し、X、X、X及びXは各々独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基、置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールアミノ基、置換若しくは無置換のヘテリルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のアミノカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のウレイド基、置換若しくは無置換のアシル基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは無置換のスルファモイル基、メルカプト基、置換若しくは無置換のアルキルチオ基、置換若しくは無置換のアリールチオ基、又はスルホ基を表す。
ただし、一般式(1)におけるR101、R103、R104、R105、R106、R108、R109、R110、R112、R115、X及びXのうちいずれか少なくとも1つは−SOMを表し、一般式(2)におけるR201、R202、R204、R205、R206、R207、R209、R210、R212、R215、X及びXのうちいずれか少なくとも1つは−SOMを表す。
Mは、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、又はアルキルアンモニウムイオンを表す。
一般式(1)及び一般式(2)中、R101、R103、R104、R105、R106、R108、R109、R110、R111、R112、R113、R114、R115、R116、R117、R118、R119、R120、R201、R202、R204、R205、R206、R207、R209、R210、R211、R212、R213、R214、R215、R216、R217、R218、R219及びR220は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R101、R103、R104、R105、R106、R108、R109、R110、R111、R112、R113、R114、R115、R116、R117、R118、R119、R120、R201、R202、R204、R205、R206、R207、R209、R210、R211、R212、R213、R214、R215、R216、R217、R218、R219及びR220が置換基を表す場合の置換基としては、上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
一般式(1)及び一般式(2)中、R101、R105、R106、R110、R111、R113、R114、R116、R117、R118、R119、R120、R201、R202、R204、R205、R206、R207、R209、R210、R211、R213、R214、R216、R217、R218、R219及びR220は、原材料の入手性と合成の容易性の観点から、各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、カルボキシル基、又はハロゲン原子を表すことが好ましく、より好ましくは置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルコキシ基であり、特に好ましくは置換若しくは無置換のアルキル基である。アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましい。また、各基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
一般式(1)及び一般式(2)中、R104、R109、R112、R115、R212及びR215は、原材料の入手性と合成の容易性、耐光性、耐オゾン性、印画濃度、及び彩度の観点から、各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアシルアミノ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルウレイド基、置換若しくは無置換のアリールウレイド基、スルホ基、カルボキシル基、又はハロゲン原子を表すことが好ましく、より好ましくは置換若しくは無置換のアシルアミノ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルウレイド基、置換若しくは無置換のアリールウレイド基、又はスルホ基であり、特に好ましくはスルホ基である。また、各基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
一般式(1)中、R103及びR108は、原材料の入手性と合成の容易性の観点から、各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアシルアミノ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルウレイド基、置換若しくは無置換のアリールウレイド基、スルホ基、カルボキシル基、又はハロゲン原子を表すことが好ましく、より好ましくは水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又はスルホ基であり、特に好ましくは置換若しくは無置換のアルキル基である。アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。また、各基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
一般式(1)及び一般式(2)中、X、X、X及びXは各々独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基、置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールアミノ基、置換若しくは無置換のヘテリルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、又は置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のアミノカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のウレイド基、置換若しくは無置換のアシル基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは無置換のスルファモイル基、メルカプト基、置換若しくは無置換のアルキルチオ基、置換若しくは無置換のアリールチオ基、又はスルホ基を表す。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のアルキル基を表す場合のアルキル基としては、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましい。アルキル基としては直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい。アルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基が好ましい。また、アルキル基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、イオン性親水性基が好ましく、カルボキシル基又はスルホ基がより好ましく、カルボキシル基が更に好ましい。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のアリール基を表す場合のアリール基としては、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基がより好ましい。アリール基としては具体的には、フェニル基、ナフチル基が好ましい。また、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、イオン性親水性基が好ましく、カルボキシル基又はスルホ基がより好ましく、カルボキシル基が更に好ましい。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のアルコキシ基を表す場合のアルコキシ基としては、炭素数1〜18のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜8のアルコキシ基がより好ましい。アルコキシ基としては直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい。アルコキシ基としては具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基が好ましい。また、アルコキシ基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、イオン性親水性基が好ましく、カルボキシル基又はスルホ基がより好ましく、カルボキシル基が更に好ましい。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のアリールオキシ基を表す場合のアリールオキシ基としては、炭素数6〜14のアリールオキシ基が好ましく、炭素数6〜10のアリールオキシ基がより好ましく、フェニルオキシ基が更に好ましい。また、アリールオキシ基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、イオン性親水性基が好ましく、カルボキシル基又はスルホ基がより好ましく、カルボキシル基が更に好ましい。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基を表す場合のヘテロ環オキシ基に含まれるヘテロ環基としてはトリアジン基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、又はチアジアゾリル基が好ましい。また、ヘテロ環オキシ基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のスルファモイル基が好ましく、置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルファモイル基がより好ましく、イオン性親水性基(好ましくはカルボキシル基又はスルホ基、より好ましくはカルボキシル基)が置換した、アルキルアミノ基又はアルキルスルファモイル基が特に好ましい。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のアルキルアミノ基を表す場合のアルキルアミノ基としては、ジアルキルアミノ基であってもモノアルキルアミノ基でもよいが、合成の容易性、水への溶解性の観点から、モノアルキルアミノ基であることが好ましい。アルキルアミノ基中のアルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。また、アルキルアミノ基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のアリールアミノ基を表す場合のアリールアミノ基としては、ジアリールアミノ基であってもモノアリールアミノ基でもよいが、合成の容易性、水への溶解性の観点から、モノアリールアミノ基であることが好ましい。炭素数6〜14のアリールアミノ基が好ましく、炭素数6〜10のアリールアミノ基がより好ましく、フェニルアミノ基が更に好ましい。また、アリールアミノ基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のヘテリルアミノ基を表す場合のヘテリルアミノ基に含まれるヘテロ環基としてはトリアジン基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、又はチアジアゾリル基が好ましい。また、ヘテリルアミノ基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のスルファモイル基が好ましい。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基を表す場合のアルキルカルボニルアミノ基としては、合成の容易性、水への溶解性の観点から、モノアルキルカルボニルアミノ基であることが好ましい。アルキルカルボニルアミノ基中のアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。また、アルキルカルボニルアミノ基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
、X、X及び、Xが置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基を表す場合のアリールカルボニルアミノ基としては、合成の容易性、水への溶解性の観点から、モノアリールカルボニルアミノ基であることが好ましい。アリールカルボニルアミノ基中のアリール基としては、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基がより好ましい。具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。また、アリールカルボニルアミノ基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、アルキル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ホスホノ基、又はアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基であり、より好ましくはシクロヘキシルオキシ基)が特に好ましい。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基を表す場合のアルキルスルホニル基としては、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキルスルホニル基がより好ましく、メチルスルホニル基が更に好ましい。また、アルキルスルホニル基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のアリールスルホニル基を表す場合のアリールスルホニル基としては、炭素数6〜14のアリールスルホニル基が好ましく、炭素数6〜10のアリールスルホニル基がより好ましく、フェニルスルホニル基が更に好ましい。またアリールスルホニル基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、カルボキシル基が特に好ましい。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のアミノカルボニルオキシ基を表す場合のアミノカルボニルオキシ基としては、炭素数1〜18のアミノカルボニルオキシ基が好ましく、炭素数1〜8のアミノカルボニルオキシ基がより好ましい。アミノカルボニルオキシ基としては、無置換のアミノカルボニルオキシ基、ジメチルアミノカルボニルオキシ基、フェニルアミノカルボニルオキシ基が具体的に挙げられ、無置換のアミノカルボニルオキシ基、ジメチルアミノカルボニルオキシ基が好ましい。また、アミノカルボニルオキシ基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、イオン性親水性基が好ましく、カルボキシル基又はスルホ基がより好ましく、カルボキシル基が更に好ましい。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基を表す場合のアルキルスルホニルアミノ基としては、炭素数1〜10のアルキルスルホニルアミノ基が好ましく、炭素数4〜10のアルキルスルホニルアミノ基がより好ましい。具体的には、ヘキシルスルホニルアミノ基、ヘプチルスルホニルアミノ基、シクロヘキシルスルホニルアミノ基などが挙げられる。また、アルキルスルホニルアミノ基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基を表す場合のアリールスルホニルアミノ基としては、炭素数6〜14のアリールスルホニルアミノ基が好ましく、炭素数6〜10のアリールスルホニルアミノ基がより好ましく、フェニルスルホニルアミノ基、ナフチルスルホニルアミノ基が更に好ましい。またアリールスルホニルアミノ基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルキル基、又はアシルアミノ基が特に好ましい。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のウレイド基を表す場合、置換ウレイド基が有する置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、シクロアルキル基、直鎖若しくは分岐状のアルキル基、又はアリール基が好ましく、シクロアルキル基又はアリール基がより好ましい。これらの置換基はさらに上記置換基群Aから選ばれる置換基で繰り返し置換されていてもよく、さらなる置換基としては、アルキル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、又はウレイド基が好ましい。置換ウレイド基としては、ジ置換ウレイド基であってもモノ置換ウレイド基でもよいが、合成の容易性、水への溶解性の観点から、モノ置換ウレイド基であることが好ましい。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のアシル基を表す場合のアシル基としては、炭素数1〜18のアシル基が好ましく、炭素数1〜8のアシル基がより好ましい。アシル基中のアルキル基としては直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい。アシル基としては、アセチル基、ベンソイル基が具体的に挙げられ、アセチル基が好ましい。また、アシル基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、イオン性親水性基が好ましく、カルボキシル基又はスルホ基がより好ましく、カルボキシル基が更に好ましい。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のカルバモイル基を表す場合、置換カルバモイル基が有する置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、直鎖若しくは分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基が好ましく、シクロアルキル基、アリール基がより好ましい。置換カルバモイル基としては、ジ置換カルバモイル基であってもモノ置換カルバモイル基でもよいが、合成の容易性、水への溶解性の観点から、モノ置換カルバモイル基であることが好ましい。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基を表す場合のアルコキシカルボニル基としては、炭素数1〜18のアルコキシカルボニル基が好ましく、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基がより好ましい。アルコキシカルボニル基としては直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい。アルコキシカルボニル基としては具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、又は2−エチルヘキシルオキシカルボニル基が好ましい。また、アルコキシカルボニル基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、イオン性親水性基が好ましく、カルボキシル基又はスルホ基がより好ましく、カルボキシル基が更に好ましい。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基を表す場合のアリールオキシカルボニル基としては、炭素数6〜14のアリールオキシカルボニル基が好ましく、炭素数6〜10のアリールオキシカルボニル基がより好ましく、フェニルオキシカルボニル基が更に好ましい。また、アリールオキシカルボニル基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、イオン性親水性基が好ましく、カルボキシル基又はスルホ基がより好ましく、カルボキシル基が更に好ましい。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のスルファモイル基を表す場合、置換スルファモイル基が有する置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、直鎖若しくは分岐状のアルキル基、アリール基又はシクロアルキル基が好ましく、シクロアルキル基又はアリール基がより好ましい。これらの置換基はさらに上記置換基群Aから選ばれる置換基で繰り返し置換されていてもよく、さらなる置換基としては、アルキル基、カルボキシル基又はヒドロキシル基が好ましい。
置換スルファモイル基としては、ジ置換スルファモイル基であってもモノ置換スルファモイル基でもよいが、合成の容易性、水への溶解性の観点から、モノ置換スルファモイル基であることが好ましい。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のアルキルチオ基を表す場合のアルキルチオ基としては、炭素数1〜18のアルキルチオ基が好ましく、炭素数1〜8のアルキルチオ基がより好ましい。アルキルチオ基としては具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基が挙げられ、メチルチオ基、エチルチオ基が好ましく、メチルチオ基がより好ましい。また、アルキルチオ基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、イオン性親水性基が好ましく、カルボキシル基又はスルホ基がより好ましく、カルボキシル基が更に好ましい。
、X、X及びXが置換若しくは無置換のアリールチオ基を表す場合のアリールチオ基としては、炭素数6〜14のアリールチオ基が好ましく、炭素数6〜10のアリールチオ基がより好ましく、フェニルチオ基が更に好ましい。また、アリールチオ基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、イオン性親水性基が好ましく、カルボキシル基又はスルホ基より好ましく、カルボキシル基が更に好ましい。
、X、X及びXは各々独立に、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基、置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールアミノ基、置換若しくは無置換のヘテリルアミノ基、置換若しくは無置換のアシルアミノ基、置換若しくは無置換のアシルオキシ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、又は置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のアミノカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のウレイド基、置換若しくは無置換のスルファモイル基、置換若しくは無置換のアルキルチオ基、置換若しくは無置換のアリールチオ基、又はスルホ基を表すことがより好ましい。
一般式(1)におけるR101、R103、R104、R105、R106、R108、R109、R110、R112、R115、X及びXのうちいずれか1つは−SOMを表し、一般式(2)におけるR201、R202、R204、R205、R206、R207、R209、R210、R212、R215、X及びXのうちいずれか1つは−SOMを表す。
−SOMにより、水溶性を付与し、インクジェット印画するときの打滴性能を満足している。水溶性が十分でないと、インクジェット印画するときに、インクが詰まって打滴できなかったり、画像にスジが入って印画できなかったりする場合がある。
水溶性をさらに付与するために、分子内中に、さらに−SOM又は−COMを有することがより好ましい。ただし、−SOM、−COMなどの水溶性を付与する基が多ければ多いほどLogKOWの推算値は小さくなる。
一般式(1)で表される化合物は、原料入手性、合成容易性の観点から、R101、R105、R106及びR110は各々独立に置換若しくは無置換のアルキル基を表し、R103、R104、R108、R109、R111、R112、R113、R114、R115、R116、R117、R118、R119及びR120は各々独立に水素原子又は置換基を表し、X及びXは各々独立に、−NHCOR21、−NHSO22、又は−SONR2324を表す。R21、R22、R23及びR24は、各々独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルケニル基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表すことが好ましい。
101、R105、R106及びR110が表すアルキル基としては、直鎖、分岐、環状(シクロアルキル基)のいずれであってもよい。直鎖又は分岐状のアルキル基の場合、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましい。シクロアルキル基を表す場合、炭素数5〜10のシクロアルキル基が好ましく、炭素数6〜7のシクロアルキル基がより好ましい。
また、アルキル基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
21、R22、R23及びR24が置換若しくは無置換のアリール基を表す場合のアリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。また、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
21、R22、R23及びR24が置換若しくは無置換のアルケニル基を表す場合のアルケニル基としては、炭素数3〜12のアルケニル基が好ましく、炭素数3〜8のアルケニル基がより好ましい。また、アルケニル基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
21、R22、R23及びR24が置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す場合のヘテロ環基としては、ベンゾチアゾール環基、ピリジン環基、ピリミジン環基、トリアジン環基などが挙げられる。また、ヘテロ環基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
21、R22、R23及びR24は、各々独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表すことが好ましい。
及びXは−NHCOR21を表すことが好ましい。
以下に本発明の水溶性染料のうち、染料母核がキサンテン誘導体である化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるわけではない。下記具体的化合物の構造式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Buはターシャルブチル基を表す。
Figure 0006200926
Figure 0006200926
Figure 0006200926
Figure 0006200926
Figure 0006200926

Figure 0006200926
Figure 0006200926
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各染料は、特開2011−148973号公報に従って合成できる。
[インクジェット記録用インク]
次に本発明のインクジェット記録用インクについて説明する。
本発明のインクジェット記録用インクは、LogKOWの推算値が9以上であり、かつ−SOMを少なくとも2つ以上有する水溶性染料と水とを含有する。
インクジェット記録用インクは、水を含む媒体中に本発明の水溶性染料を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。インクジェット記録用インクは、好ましくは水性媒体を用いたインクである。
インクジェット記録用インクは必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
本発明で使用することができる添加剤としては、特開2013−133394公報〔0091〕〜〔0101〕記載の添加剤を使用することができる。使用形態や使用方法などについては、上記特許文献に記載されている内容を好ましく使用することができる。
本発明のインクジェット記録用インク100質量部中、本発明の水溶性染料を0.2質量%以上10質量%以下含有するのが好ましく、1質量%以上6質量%以下含有するのがより好ましい。また、本発明のインクジェット記録用インクには、本発明の水溶性染料とともに、他の色素を併用してもよい。2種類以上の色素を併用する場合は、色素の含有量の合計が上記範囲となっているのが好ましい。
本発明のインクジェット記録用インクは、粘度が30mPa・s以下であるのが好ましい。また、その表面張力は25mN/m以上70mN/m以下であるのが好ましい。粘度及び表面張力は、種々の添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、防黴剤、防錆剤、分散剤及び界面活性剤を添加することによって、調整できる。
本発明のインクジェット記録用インクは、様々な色調のインク用いることができるが、マゼンタ色調インクに用いることが好ましい。また、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。
適用できる色素としては、任意のものを使用することが出来る。例えば、特開2013−133394公報〔0105〕〜〔0108〕記載の色素などが挙げられる。
本発明のインクジェット記録用インクは、印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピングなどの記録方法に使用でき、特にインクジェット記録方法における使用に適する。
[インクジェット記録方法]
本発明は、本発明のインクジェット記録用インクを用いて、画像形成するインクジェット記録方法にも関する。
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。
画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり耐候性を改善する目的からポリマー微粒子分散物(ポリマーラテックスともいう)を併用してもよい。ポリマーラテックスを受像材料に付与する時期については、着色剤を付与する前であっても,後であっても、また同時であってもよく、したがって添加する場所も受像紙中であっても、インク中であってもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物として使用しても良い。具体的には、特願2000−363090号、同2000−315231号、同2000−354380号、同2000−343944号、同2000−268952号、同2000−299465号、同2000−297365号等の各明細書に記載された方法を好ましく用いることができる。
[インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物]
本発明のインクジェット記録用インクカートリッジは、上記した本発明のインクジェット記録用インクを充填したものである。また、本発明のインクジェット記録物は、上記した本発明のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したものである。
本発明のインクジェット記録用インクを用いてインクジェットプリントをするのに用いられる記録紙及び記録フィルムについては、例えば、特開2013−133394公報〔0112〕〜〔0121〕に記載のものを適用することができる。
本発明のインクジェット記録用インクは、インクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いることができる。インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
以下、実施例を示して本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部である。
(合成例1)(例示化合物(1−9)Na塩の合成)
例示化合物(1−9)は例えば下記スキームに従い、合成することができる。
Figure 0006200926
(中間体(X)の合成)
3',6'-ジクロロスピロ[3H−2,1−ベンゾオキサチオール−3,9'−[9H]キサンテン]1,1−ジオキシド(中外化成製、DCSF(商品名))(化合物(A))20g、2,4−ジアミノメシチレン−6−スルホン酸46g(東京化成製)(化合物(B))、ジアザビシクロウンデセン(略称、DBU)30g、塩化亜鉛6.7gをエチレングリコール250gに添加し、150℃で6時間反応させた。得られた反応液を室温に冷却し、アセトニトリル1Lに注ぎ入れ、得られた結晶をカラムクロマトグラフィ(充填剤:セファデックスLH−20(ファルマシア製)、展開溶媒:水/メタノール)で精製し、中間体(X)を得た。収量7.7g、収率19%、MS(m/z)=836([M−1]、100%)。
(例示化合物(1−9)の合成)
中間体(X)8.3gをN,N−ジメチルアセトアミド50mLに溶解させ、内温を0℃まで冷却した。ここに4−tert−ブチルシクロヘキサンカルボン酸塩化物(化合物(C))(文献記載の方法、例えばJournal ofOrganic Chemistry, 1964年29巻1285〜1289頁記載の方法で合成)4.4gを内温5℃以下に保ちながらゆっくりと滴下した。その後、内温10℃で2時間反応させた後に、酢酸エチル750mLに注ぎ入れた。析出した結晶をろ取し、得られた結晶をカラムクロマトグラフィ(充填剤:セファデックスLH−20(ファルマシア製)、展開溶媒:メタノール)で精製し、希水酸化ナトリウム水溶液で中和し、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮することで、例示化合物(1−9)を得た。収量4.2g(収率36%)、MS(m/z)=1123([M−2Na+H]、100%)。希薄水溶液中における吸収スペクトルの吸収極大波長は531nmであった。
(合成例2)(例示化合物(1−18)Na塩の合成)
例示化合物(1−9)Na塩の合成における中間体(X)4gを、N,N−ジメチルアセトアミド56mLに溶解させ、内温を0℃まで冷却した。ここにクロロぎ酸フェニル(東京化成製)4.8mLを、内温を5℃以下に保ちながら滴下した後に、室温で90分反応させた。再度内温を0℃まで冷却し、2,4,6−トリメチルアニリン(東京化成製)6.4gをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解した液を内温10℃以下で滴下した後に、室温で30分撹拌した。得られた反応液を大過剰の酢酸エチルに注ぎ入れ、析出した固体をろ別した。得られた固体を水に溶解させ、希水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に調整し、得られた水溶液をカラムクロマトグラフィ(充填剤:セファデックスLH−20(ファルマシア製)、展開溶媒:水/メタノール)で精製した。ロータリーエバポレーターで濃縮したのちに、再度水に溶解させ、強酸性イオン交換樹脂(アンバーライトIR120−H(商品名)、オレガノ社製)を通液させた後に、希水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7に調整し、メンブレンフィルターを用いて除塵ろ過を行ったのちに、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮乾固して、例示化合物(1−18)を得た。収量4.9g、MS(m/z)=1158([M−1]、100%)。例示化合物(1−18)の希薄水溶液中での吸収スペクトルの吸収極大波長は531nmであった。
Figure 0006200926
(例示化合物(1−31)の合成)
例示化合物(1−31)は下記スキームに従って合成することができる。
Figure 0006200926
(中間体(A)の合成)
3',6'-ジクロロスピロ[3H−2,1−ベンゾオキサチオール−3,9'−[9H]キサンテン]1,1−ジオキシド(中外化成製、DCSF(商品名))30g、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレンジアミン(DAM)(東京化成製)63g、塩化亜鉛11gをエチレングリコール265gに添加して、150℃で6時間反応させた。反応液を室温まで冷却し、0.6M塩酸300mLを滴下して結晶を析出させ、析出した結晶をろ別し、水300mLで洗浄した。得られた結晶を60℃で12時間乾燥し、中間体(A)の結晶を得た。収量23g、収率50%、MS(m/z)=633([M+1]、100%)。
(中間体(B)の合成)
中間体(A)23gを、10%発煙硫酸420gに添加して、室温にて72時間反応させた。反応液を5Lの10%食塩水に注ぎ入れ、析出した結晶をろ別した。ろ別した結晶を500mLのメタノールに溶解させ、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液を用いてpH7に調整し、析出した硫酸ナトリウムをろ過により取り除いた。ろ液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(充填剤:セファデックスLH−20(ファルマシア製)、展開溶媒:メタノール)で精製し、中間体(B)の結晶を得た。収量21g、収率68%、MS(m/z)=793([M−2Na+H]、100%)。
(例示化合物(1−31)の合成
中間体(B)8.3gをN,N−ジメチルアセトアミド50mLに溶解させ、内温を0℃まで冷却した。ここにアビエチン酸塩化物(化合物(D)文献記載の方法、例えば, Tetrahedron Asymmetry,2014年25巻1292〜1297頁記載の方法で合成)7.0gを内温5℃以下に保ちながらゆっくりと滴下した。その後、内温10℃で2時間反応させた後に、酢酸エチル750mLに注ぎ入れた。析出した結晶をろ取し、得られた結晶をカラムクロマトグラフィ(充填剤:セファデックスLH−20(ファルマシア製)、展開溶媒:メタノール)で精製し、希水酸化ナトリウム水溶液で中和し、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮することで、例示化合物(1−31)を得た。収量6.2g(収率46%)、MS(m/z)=1315([M−2Na+H]、100%)。希薄水溶液中における吸収スペクトルの吸収極大波長は530nmであった。
その他の例示化合物に関しても、上記方法に準じて合成することができる。
〔実施例1〕
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=9に調製し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しマゼンタ用インク液1を調製した。
インク液1の組成:
染料化合物(例示化合物(1−1)) 3.50g
ジエチレングリコール 10.65g
グリセリン 14.70g
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 12.70g
トリエタノールアミン 0.65g
オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 0.9g
〔実施例2〜26、比較例1〜5〕
染料を、下記表1に示すように変更した以外は、インク液1の調製と同様にして、インク液2〜26、比較用のインク液として以下に示す比較化合物1〜比較化合物5を用いたインク液をそれぞれ調製した。
調製したインク液1〜26、比較用インク液1〜5をインクジェット記録用インクとして用いた。
(画像記録及び評価)
各実施例及び比較例のインクジェット記録用インクについて、下記評価を行った。その結果を表1及び表2に示した。
なお、表1及び表2において、印画濃度、耐湿性は、各インクジェット記録用インクをインクカートリッジに装填し、インクジェットプリンター(キヤノン製ピクサスiP8600、商品名)でフォト光沢紙(キヤノン製写真用紙プロフェッショナルPT−201、商品名)に画像を記録した後で評価したものである。
<印画濃度>
印画したサンプルの100%濃度部分のX−Rite310TR(商品名、エックスライト社製)を用いて濃度測定し、2.3以上をA、2.2以上2.3未満をB、2.2未満をCの3段階で評価した。
<耐湿性>
インクジェット記録の際、チェック柄のパターン(濃度100%と0%の1.5mm角を有する正方形を交互に組み合わせたパターン)を作成し、コントラストの高いマゼンタ−ホワイトのチェック柄の印画物を得た。印画後、24時間乾燥を行ったチェック柄の印画物を80℃、相対湿度70%RHの環境下で14日間放置し、着色部分からホワイト部分へのにじみの程度を目視で評価し、にじまない場合をA、少しにじむ場合をB、大きくにじむ場合をCとして、三段階で評価した。
<消泡性>
(インク作成時の作業性の評価)
作成したインク液を、15秒間振盪させてのちに静置し、泡が消えるまでの時間を測定し、作業性を評価した。3分未満でほぼ泡が消える場合をA、3分以上10分未満で泡がほぼ消える場合をB、10分以上かかっても泡が消えない場合をCの3段階で評価した。
Figure 0006200926
Figure 0006200926
用いた化合物を以下に示す。なお、化合物の下に記載してあるLogKOWの値は、スルホ基及びカルボキシル基については、塩ではなく「SOH」、「COOH」の形で計算した値を示している。
Figure 0006200926
Figure 0006200926

Figure 0006200926
Figure 0006200926
Figure 0006200926
Figure 0006200926

Figure 0006200926

Figure 0006200926
Figure 0006200926
Figure 0006200926

Claims (8)

  1. LogKOWの推算値が9以上であり、かつスルホ基を少なくとも2つ有する水溶性染料と水とを含有するインクジェット記録用インクであって、前記水溶性染料の母核が、キサンテン誘導体である、インクジェット記録用インク。
  2. 前記キサンテン誘導体が、下記一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物である請求項に記載のインクジェット記録用インク。
    Figure 0006200926

    Figure 0006200926

    一般式(1)及び一般式(2)中、R101、R103、R104、R105、R106、R108、R109、R110、R111、R112、R113、R114、R115、R116、R117、R118、R119、R120、R201、R202、R204、R205、R206、R207、R209、R210、R211、R212、R213、R214、R215、R216、R217、R218、R219及びR220は各々独立に水素原子又は置換基を表し、X、X、X及びXは各々独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基、置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールアミノ基、置換若しくは無置換のヘテリルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のアミノカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、置換若しくは無置換のウレイド基、置換若しくは無置換のアシル基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは無置換のスルファモイル基、メルカプト基、置換若しくは無置換のアルキルチオ基、置換若しくは無置換のアリールチオ基、又はスルホ基を表す。
    ただし、一般式(1)におけるR101、R103、R104、R105、R106、R108、R109、R110、R112、R115、X及びXのうちいずれか少なくとも1つは−SOMを表し、一般式(2)におけるR201、R202、R204、R205、R206、R207、R209、R210、R212、R215、X及びXのうちいずれか少なくとも1つは−SOMを表す。
    Mは、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、又はアルキルアンモニウムイオンを表す。
  3. 前記キサンテン誘導体が前記一般式(1)で表される化合物であり、
    前記一般式(1)におけるR101、R105、R106及びR110は各々独立に置換若しくは無置換のアルキル基を表し、R103、R104、R108、R109、R111、R112、R113、R114、R115、R116、R117、R118、R119及びR120は各々独立に水素原子又は置換基を表し、X及びXは各々独立に、−NHCOR21、−NHSO22、又は−SONR2324を表す。R21、R22、R23及びR24は、各々独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルケニル基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す、請求項に記載のインクジェット記録用インク。
  4. 前記X及びXが各々独立に、−NHCOR21 を表す、請求項に記載のインクジェット記録用インク。
    21は、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルケニル基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。
  5. 前記水溶性染料が、下記(1)〜(5)のいずれかの構造を有する請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
    (1)炭素数4以上のアルキル基又は炭素数4以上のアルキレン基を2つ以上有する。
    (2)分子内に下記疎水基群Aから選ばれる少なくとも1種の構造を2つ以上有する。
    疎水基群A:
    Figure 0006200926

    (3)下記疎水基群Bから選ばれる少なくとも1種の構造を3つ以上有する。
    疎水基群B:
    Figure 0006200926

    (4)少なくとも2つのトリメチルベンゼン環、及び少なくとも2つのナフタレン環を有する。
    (5)少なくとも2つのトリメチルベンゼン環、及び少なくとも4つのベンゼン環を有する。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェットプリンタカートリッジ。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したインクジェット記録物。
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