JP7069908B2 - インクジェットインク組成物およびインクセット - Google Patents
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Description
本発明に係るインクジェットインク組成物の一態様は、
下記一般式(1)で表される化合物である第1の染料と、下記一般式(2)で表される化合物である第2の染料と、を含み、1000倍希釈における最大吸光度が0.10以上0.80以下である。
水素原子又は置換基を表し、R101及びR102は各々独立に置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、置換若しくは無置換のモノアルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のモノアリールアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のジアリールアミノカルボニル基、又は置換若しくは無置換のアルキルアリールアミノカルボニル基を表す。
適用例1または適用例2において、
前記一般式(1)で表される化合物である染料の含有量が、インク組成物の全質量に対して0.1質量%以上1.2質量%以下であることができる。
適用例1ないし適用例3のいずれか1例において、
前記一般式(1)で表される化合物において、前記R1、R3、R5、R6、R8及びR10が各々独立に炭素数1以上6以下のアルキル基を表すことができる。
適用例1ないし適用例4のいずれか1例において、
マゼンタインクと共に用いられるライトマゼンタインクであることができる。
本発明に係るインクセットの一態様は、
ライトマゼンタインクとマゼンタインクを含むインクセットであって、
前記ライトマゼンタインクが、適用例1ないし適用例5のいずれか1例に記載のインクジェットインク組成物である。
本発明の一実施形態に係るインクジェットインク組成物は、一般式(1)で表される化合物である第1の染料と、一般式(2)で表される化合物である第2の染料と、を含み、1000倍希釈における最大吸光度が0.10以上0.80以下であることを特徴とする。
本実施形態に係るインクジェットインク組成物は、下記一般式(1)で表される化合物である第1の染料を含む。なお、一般式(1)で表される染料は、塩を形成していてもよい。
ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基が例として挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
アルキル基としては、好ましくは、炭素数1~30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、t-ブチル基、n-オクチル基、エイコシル基、2-クロロエチル基、2-シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4-n-ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5~30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5~30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン-2-イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン-3-イル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2~30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3~30の置換若しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3~30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2-シクロペンテン-1-イル基、2-シクロヘキセン-1-イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5~30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン-1-イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト-2-エン-4-イル基等が挙げられる。
ニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1~30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n-ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
キルカルボニル基、炭素数7~30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2~30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2-クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p-n-オクチルオキシフェニルカルボニル基、2-ピリジルカルボニル基、2-フリルカルボニル基等が挙げられる。
特に好ましくはスルホ基、カルボキシル基である。またカルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対カチオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例えば、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、ナトリウム塩又はナトリウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、ナトリウム塩が最も好ましい。
アリール基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、カルボキシル基、又はハロゲン原子を表すことが好ましく、より好ましくは置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルコキシ基であり、特に好ましくは置換若しくは無置換のアルキル基である。アルキル基としては、炭素数1~6のアルキル基が好ましく、炭素数1~3のアルキル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。また、各基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
R101及びR102が置換若しくは無置換のアルキル基を表す場合のアルキル基としては、炭素数1~6のアルキル基が好ましく、炭素数1~3のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましい。また、アルキル基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、アリール基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
R101及びR102が置換若しくは無置換のアリール基を表す場合のアリール基としては、炭素数6~14のアリール基が好ましく、炭素数6~10のアリール基がより好ましく、フェニル基が更に好ましい。また、アリール基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
R101及びR102が置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す場合のヘテロ環基としてはトリアジン基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、又はチアジアゾリル基が好ましい。また、ヘテロ環基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のスルファモイル基が好ましい。
R101及びR102が置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基を表す場合のアルキルスルホニル基としては、炭素数1~6のアルキルスルホニル基が好ましく、炭素数1~3のアルキルスルホニル基がより好ましく、メチルスルホニル基が更に好ましい。また、アルキルスルホニル基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
R101及びR102が置換若しくは無置換のアリールスルホニル基を表す場合のアリールスルホニル基としては、炭素数6~14のアリールスルホニル基が好ましく、炭素数6~10のアリールスルホニル基がより好ましく、フェニルスルホニル基が更に好ましい。また、アリールスルホニル基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、カルボキシル基が特に好ましい。
R101及びR102が置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基を表す場合のアルコキシカルボニル基としては、-COOR201で表されることが好ましい。ここでR201は炭素数1~6のアルキル基を表し、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、イソプロピル基がより好ましい。また、アルコキシカルボニル基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
R101及びR102が置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基を表す場合のアリールオキシカルボニル基としては、-COOR202で表されることが好ましい。ここでR202は炭素数6~14のアリール基を表し、炭素数6~10のアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。また、アリールオキシカルボニル基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、ニトロ基が特に
好ましい。
R101及びR102が置換若しくは無置換のモノアルキルアミノカルボニル基を表す場合のモノアルキルアミノカルボニル基としては、-CONHR203で表されることが好ましい。ここでR203は炭素数1~12のアルキル基を表し、炭素数1~10のアルキル基が好ましく、炭素数1~6のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、ドデシル基、シクロヘキシル基が更に好ましく、イソプロピル基が特に好ましい。また、モノアルキルアミノカルボニル基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、フェニル基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ヒドロキシル基が特に好ましい。
R101及びR102が置換若しくは無置換のジアルキルアミノカルボニル基を表す場合のジアルキルアミノカルボニル基としては、-CONR204R205で表されることが好ましい。ここでR204及びR205は各々独立に炭素数1~10のアルキル基を表し、炭素数1~6のアルキル基が好ましく、メチル基、イソプロピル基がより好ましい。
また、ジアルキルアミノカルボニル基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、カルボキシル基、好ましくは炭素数2~6のアルキルオキシカルボニル基であり、より好ましくはエチルオキシカルボニル基等のアルキルオキシカルボニル基が特に好ましい。
R101及びR102が置換若しくは無置換のモノアリールアミノカルボニル基を表す場合のモノアリールアミノカルボニル基としては、-CONHR206で表されることが好ましい。ここでR206は炭素数6~14のアリール基を表し、炭素数6~12のアリール基が好ましく、炭素数6~10のアリール基がより好ましい。具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。また、モノアリールアミノカルボニル基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ホスホノ基、好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基であり、より好ましくはシクロヘキシルオキシ基等のアルコキシ基が特に好ましい。
R101及びR102が置換若しくは無置換のジアリールアミノカルボニル基を表す場合のジアリールアミノカルボニル基としては、-CONR207R208で表されることが好ましい。ここでR207及びR208は各々独立に炭素数6~14のアリール基を表し、炭素数6~10のアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。また、ジアリールアミノカルボニル基が置換基を有する場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
i-Prはイソプロピル基を表し、n-Buはn-ブチル基を表す。また、R及びMにおける比はモル比である。
本実施形態に係るインクジェットインク組成物は、染料として、下記一般式(2)で表される化合物である第2の染料を含む。なお、一般式(2)で表される染料は、塩を形成していてもよい。
シ基で置換されたフェノキシ基が好ましく、カルボキシ基で置換されたフェノキシ基がより好ましい。カルボキシ基で置換されたフェノキシ基は、良好な耐ガス性の改善効果を備え、2つのカルボキシ基で置換されたフェノキシ基は、より良好な耐ガス性を有しているため、特に好ましい。
ことがより好ましく、1.0質量%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態に係るインクジェットインク組成物は、水溶性有機溶剤を含んでもよい。水溶性有機溶剤としては、特に限定されないが、揮発性の水溶性有機溶剤が好ましく用いられる。
本実施形態に係るインクジェットインク組成物は、界面活性剤を含むことが好ましい。本実施形態に係るインクジェットインク組成物が界面活性剤を含むことにより、インクの動的表面張力や濡れ性を調整し、吐出安定性を向上させることができる。
HLB値=20×(親水基の質量%) ・・・(H)
としては、特に限定されないが、例えば、S-144、S-145(商品名、旭硝子株式会社製);FC-170C、FC-430、フロラード-FC4430(商品名、住友スリーエム株式会社製);FSO、FSO-100、FSN、FSN-100、FS-300(商品名、Dupont社製);FT-250、251(商品名、株式会社ネオス製)などが挙げられる。フッ素系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係るインクジェットインク組成物は、水をさらに含んでもよい。
本実施形態に係るインクジェットインク組成物は、pH調整剤を含んでもよい。pH調整剤は、インクのpH値の調整を容易にすることができる。pH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリプロパノールアミン等の有機塩基、アジピン酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸等が挙げられる。pH調整剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
本実施形態に係るインクジェットインク組成物は、その保存安定性及びヘッドからの吐出安定性を良好に維持するため、目詰まり改善のため、又はインクの劣化を防止するため、溶解助剤、粘度調整剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、及び分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート化剤等の、種々の添加剤を適宜
添加することもできる。
本実施形態に係るインクジェットインク組成物は、前述した成分を任意の順序で混合し、必要に応じて濾過等をして不純物を除去することにより得られる。各成分の混合方法としては、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。濾過方法としては、遠心濾過、フィルター濾過等を必要に応じて行なうことができる。
本実施形態に係るインクジェットインク組成物は、記録品質とインクジェット用インクとしての信頼性とのバランスの観点から、20℃における表面張力が20mN/m以上50mN/mであることが好ましく、25mN/m以上40mN/m以下であることがより好ましい。なお、表面張力の測定は、自動表面張力計CBVP-Z(商品名、協和界面科学社製)を用いて、20℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
本実施形態に係るインクジェットインク組成物は、公知のインクジェット記録装置のインクカートリッジに収容し、インクの液滴を吐出させ、紙等の記録媒体に該液滴を付着させて画像を記録することができる。インクジェット記録装置としては、電気信号に基づいて振動可能な電歪素子が搭載されるとともに、前記電歪素子の振動によってインクを吐出することができるように構成されたインクジェット記録装置が好ましい。記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、紙、厚紙、繊維製品、皮革、シートまたはフィルム、プラスチック、ガラス、セラミックス、金属等が挙げられる。
本実施形態に係るインクジェットインク組成物は、ライトマゼンタインクとマゼンタインクを含むインクセットとして用いることができる。この場合、染料の含有量が質量基準
で多い方のインク組成物を濃インク組成物であるマゼンタインクとし、濃インク組成物よりも染料の含有量が質量基準で少ないインク組成物を淡インク組成物であるライトマゼンタインクとする。
以下、本発明を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す配合量で各成分を混合攪拌し、孔径10μmのメンブレンフィルターで加圧濾過を行って、各インク組成物を得た。なお、表1中の数値は、インク中での含有量(質量%)を表し、水はインク組成物の全質量が100質量%となるように添加した。
6-0155記載の方法を参考にして、次のようにして合成した。
中間体(A)23.0g(特開2011-148973号公報の第17頁の段落番号0065記載の方法で合成)を、10%発煙硫酸420gに添加して、室温にて48時間反応させた。反応液を大過剰の酢酸エチルに注ぎ入れ、析出した結晶をろ別した。ろ別した結晶を500mLのメタノールに溶解させ、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液を用いてpH7に調整し、析出した硫酸ナトリウムをろ過により取り除いた。ろ液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(充填剤:セファデックスLH-20(商品名、ファルマシア製)、展開溶媒:メタノール)で精製し、中間体(B)の結晶を得た。収量21.0g、収率68%、MS(m/z)=793([M-2Na+H]-、100%)。
3.2.1.発色性の評価(ABSの測定)
各インクを超純水で1000倍希釈し、紫外可視分光光度計を用い、下記条件で紫外可視吸収スペクトルの最大ピークの最大吸光度を測定した。なお、紫外可視分光光度計で測定して得られた紫外可視吸収スペクトルにおいて「最大ピーク」とは、測定した波長域において1つのピーク(極大値)のみを有する場合にはそのピークを意味し、複数のピークを有する場合には、複数のピークの中でピーク頂点の吸光度(ABS)が最も高いピークを意味する。
パラメーターファイル
測光モード:ABS
測定範囲:800-300nm
データ取込間隔:0.5nm
UV/Visバンド幅:2.0nm
NIRバンド幅:8.0nm
UV/Visレスポンス:0.06sec
NIRレスポンス:0.06sec
走査速度:400nm/min
光源切換:340nm
回折格子切換:850nm
光源:D2/WI
フィルター切換:ステップ
補正:ベースライン
下記の評価機のインク収容容器にインクを充填後、以下の条件で各インクをベタ印刷した領域のOD(Optical Density)値の初期値からの変化を測定し、以下の評価基準で耐オゾン性を評価した。なお、濃色判断は16階調中16階調目、淡色判断は16階調中1階調目のOD変化を、初期からの相対光学濃度ROD(Relative
Optical Density)で判断した。
(試験条件)
評価機:商品名「EP―808AW」、セイコーエプソン株式会社製
記録媒体:セイコーエプソン株式会社製、写真用紙<光沢>、色補正なし
印刷解像度:1440dpi×720dpi
曝露条件:23℃、相対湿度50%、オゾン濃度5ppm
測定条件:測色器X-Rite i1(商品名、X-Rite社)、
光源フィルター無し、光源:D50、視野角2度
サンプルパッチ:各色16階調を印字、
(評価基準)
A:RODが曝露時間40時間経過時までに70%まで減少しない。
B:RODが70%まで減少するのが24時間を超え、40時間以下である。
C:RODが70%まで減少するのが24時間未満である。
マゼンタ染料1とマゼンタ染料2の両方を含む実施例では、いずれも濃色および淡色の耐オゾン性の評価がAまたはBであり、耐オゾン性に優れていた。特に、マゼンタ染料1の含有量が高い方が濃色の耐オゾン性に優れる結果となり、マゼンタ染料1とマゼンタ染料2の含有量が共に0.60%であった実施例1では、濃色および淡色の耐オゾン性の評価が共にAであった。
あった。一方、マゼンタ染料2のみを含む比較例2では、濃色の耐オゾン性の評価がCであった。実施例5に示すように、比較例1に含有量が0.1%となるようにマゼンタ染料2を添加すると、淡色の耐オゾン性の評価がBに向上した。また、実施例4に示すように、比較例2に含有量が0.1%となるようにマゼンタ染料1を添加すると、濃色の耐オゾン性の評価がBに向上した。このように、マゼンタ染料1とマゼンタ染料2の両染料を含むことにより、濃色および淡色の耐オゾン性の評価が向上し、オゾンガスに曝露されるような環境放置における退色バランスが改善された。
Claims (5)
- 下記一般式(1)で表される化合物である第1の染料と、下記一般式(2)で表される化合物である第2の染料と、を含み、
前記第1の染料の含有量が、インク組成物の全質量に対して0.1質量%以上1.2質量%以下であり、
1000倍希釈における最大吸光度が0.10以上0.80以下であり、
マゼンタインクと共に用いられるライトマゼンタインクである、インクジェットインク組成物。
一般式(1)中、R1、R3、R4、R5、R6、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20は各々独立に水素原子又は置換基を表し、R101及びR102は各々独立に置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、置換若しくは無置換のモノアルキルア
ミノカルボニル基、置換若しくは無置換のジアルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のモノアリールアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のジアリールアミノカルボニル基、又は置換若しくは無置換のアルキルアリールアミノカルボニル基を表す。
一般式(2)中、AM1は、炭素数1もしくは2のアルキレン基、フェニレン基を含有する炭素数1もしくは2のアルキレン基又は下記一般式(3)で表される基を表し、XM1は、アミノ基、ヒドロキシ基、塩素原子、又はスルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたフェノキシ基を表す。
一般式(3)中、RM1は、水素原子又はアルキル基を表す。 - 前記一般式(1)で表される化合物である染料の含有量が、インク組成物の全質量に対して0.1質量%以上1.0質量%以下である、請求項1または請求項2に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記一般式(1)で表される化合物において、前記R1、R3、R5、R6、R8及びR10が各々独立に炭素数1以上6以下のアルキル基を表す、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- ライトマゼンタインクとマゼンタインクを含むインクセットであって、
前記ライトマゼンタインクが、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のインクジェットインク組成物である、インクセット。
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