JP2018053190A - 水溶液、着色組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、及びインクカートリッジ - Google Patents

水溶液、着色組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、及びインクカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】印画品質に優れる水性インクを提供し得る染料水溶液であって、長期保存した際の貯蔵安定性、並びに長期保存後に上記染料水溶液を用いて調製した水性インクの印画品質、及び吐出安定性に優れる水溶液等を提供する。【解決手段】特定のスルホフタレイン化合物(例えば、例示化合物1−25)と、水混和性有機溶剤とを含む水溶液であって、水混和性有機溶剤に対する特定のスルホフタレイン化合物の溶解度が25℃において30(g/100g溶剤)以下であり、その含有量が水溶液全量に対して5〜25質量%である水溶液、該水溶液を用いた着色組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、及びインクカートリッジ。【選択図】なし

Description

本発明は、水溶液、着色組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、及びインクカートリッジに関する。
インクジェット記録方法は、周知のごとくインクの小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う方法である。この印刷方法は、安価な装置で高解像度、高品位な画像を高速かつ簡便に印刷をする事ができ、特にカラー印刷においては、近年写真に代わりうる画像形成方法として技術開発が行われている。
たとえば、特許文献1には、染料として特定の連結基(−NHCO−)を有するキサンテン化合物を含有するインクジェット記録用インクが記載されている。また、特許文献2には、染料として特定位置にアミノ基を有するキサンテン化合物を含有するインクジェット記録用インクに適した染料組成物が記載されている。
特許第5451556号公報 特開2014−201714号公報
しかしながら、インクの分野において更なる性能の向上が求められている。特に、色相、彩度、印画濃度、画像堅牢性などの印画品質に優れる水性インクを提供し得る高濃度の染料水溶液であって、長期保存した際の貯蔵安定性、並びに長期保存後に上記染料水溶液を用いて調製した水性インクの印画品質、及び吐出安定性について更なる性能の向上が求められる。
本発明は、印画品質に優れる水性インクを提供し得る染料水溶液であって、長期保存した際の貯蔵安定性、並びに長期保存後に上記染料水溶液を用いて調製した水性インクの印画品質、及び吐出安定性に優れる、水溶液、上記水溶液を用いた着色組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、及びインクカートリッジを提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、特定の構造(−NHSO−)を有するキサンテン化合物と、上記キサンテン化合物の溶解度が25℃において10(g/100g溶剤)以下の水混和性有機溶剤とを含有する水溶液を用いることで、上記目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の上記課題は、以下の手段により解決された。
<1>
下記一般式(1)で表される化合物と、水混和性有機溶剤とを含む水溶液であって、
上記水混和性有機溶剤に対する上記一般式(1)で表される化合物の溶解度が25℃において30(g/100g溶剤)以下であり、
上記一般式(1)で表される化合物の含有量が上記水溶液全量に対して5〜25質量%である、水溶液。
Figure 2018053190
一般式(1)中、R、R、R及びR10は各々独立にアルキル基を表す。R、R、R17、R18、R19及びR20は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R、R、R及びRは各々独立に水素原子、アルキル基又は下記一般式(A)で表される置換基を表し、R、R、R及びRのうち少なくとも1つは下記一般式(A)で表される置換基を表す。Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。
Figure 2018053190
一般式(A)中、Xは下記一般式(X1)、一般式(X2)又は一般式(X3)で表される置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
Figure 2018053190
一般式(X1)中、R401、R402、R403、R404及びR405は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R401、R402、R403、R404及びR405は下記条件(i)又は(ii)を満たす。*は硫黄原子に結合する結合手を表す。
条件(i):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
Figure 2018053190
一般式(X2)中、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507は下記条件(iii)又は(iv)を満たす。*は硫黄原子に結合する結合手を表す。
条件(iii):R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(iv):R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
Figure 2018053190
一般式(X3)中、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607は下記条件(v)又は(vi)を満たす。*は硫黄原子に結合する結合手を表す。
条件(v):R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(vi):R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
<2>
上記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物である<1>に記載の水溶液。
Figure 2018053190
一般式(2)中、R、R、R及びR10は各々独立にアルキル基を表す。R、R、R17、R18、R19及びR20は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R及びRは各々独立に水素原子又はアルキル基を表す。R401、R402、R403、R404及びR405は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R401、R402、R403、R404及びR405は下記条件(i−1)又は(ii−1)を満たす。R406、R407、R408、R409及びR410は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R406、R407、R408、R409及びR410は下記条件(i−2)又は(ii−2)を満たす。Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。
条件(i−1):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii−1):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
条件(i−2):R406、R407、R408、R409及びR410のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii−2):R406、R407、R408、R409及びR410のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
<3>
上記一般式(2)中のR401、R402、R403、R404及びR405が上記条件(ii−1)を満たし、R406、R407、R408、R409及びR410が上記条件(ii−2)を満たす<2>に記載の水溶液。
<4>
上記一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(2’)で表される化合物である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の水溶液。
Figure 2018053190
一般式(2’)中、R401及びR406はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、又はメチル基を表す。Mは水素原子、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、又はアンモニウムイオンを表す。
<5>
上記一般式(2’)におけるR401及びR406がヒドロキシル基である<4>に記載の水溶液。
<6>
上記水混和性有機溶剤の総含有量が、上記水溶液全量に対して1〜70質量%である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の水溶液。
<7>
上記水混和性有機溶剤が多価アルコール類を含む<1>〜<6>のいずれか1つに記載の水溶液。
<8>
上記水混和性有機溶剤がグリセリンを含む<1>〜<7>のいずれか1つに記載の水溶液。
<9>
上記グリセリンの含有量が上記水溶液全量に対して5〜30質量%である<8>に記載の水溶液。
<10>
上記水混和性有機溶剤が、更にグリコール誘導体を含む<7>〜<9>のいずれか1つに記載の水溶液。
<11>
更に、防腐剤としてチアゾール系化合物又はベンゾトリアゾール系化合物を含む<1>〜<10>のいずれか1つに記載の水溶液。
<12>
上記防腐剤の含有量が、上記水溶液全量に対して0.01〜0.5質量%である<11>に記載の水溶液。
<13>
更に、ベタイン化合物を含む<1>〜<12>のいずれか1つに記載の水溶液。
<14>
上記ベタイン化合物の含有量が、上記水溶液全量に対して1〜10質量%である<13>に記載の水溶液。
<15>
<1>〜<14>のいずれか1つに記載の水溶液を用いた着色組成物。
<16>
<1>〜<14>のいずれか1つに記載の水溶液、又は<15>に記載の着色組成物を用いたインクジェット記録用インク。
<17>
<16>に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成するインクジェット記録方法。
<18>
<16>に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェット記録用インクカートリッジ。
本発明によれば、印画品質に優れる水性インクを提供し得る染料水溶液であって、長期保存した際の貯蔵安定性、並びに長期保存後に上記染料水溶液を用いて調製した水性インクの印画品質、及び吐出安定性に優れる、水溶液、上記水溶液を用いた着色組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、及びインクカートリッジを提供することができる。
例示化合物(1−11)のジメチルスルホキシド−d6中でのH−NMR(nuclear magnetic resonance)スペクトルを示す図である。 例示化合物(1−18)のジメチルスルホキシド−d6中でのH−NMRスペクトルを示す図である。 例示化合物(1−26)のジメチルスルホキシド−d6中でのH−NMRスペクトルを示す図である。 例示化合物(1−30)のジメチルスルホキシド−d6中でのH−NMRスペクトルを示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明における置換基の具体例を、置換基群Aとして定義する。
(置換基群A)
ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基が例として挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。
アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、置換若しくは無置換のアラルキル基が挙げられ、置換若しくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。例えばベンジル基及び2−フェネチル基を挙げられる。
アルケニル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を包含する。
アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。非芳香族のヘテロ環基の例としては、モルホリニル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
シリルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から20の置換若しくは無置換のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
ヘテロ環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、トリアジニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
ヘテロ環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルフィニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、炭素数6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
アリール又はヘテロ環アゾ基としては、好ましくは炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換若しくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基等が挙げられる。
イミド基としては、好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
シリル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられる。
イオン性親水性基としては、スルホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基、4級アンモニウム基などが挙げられる。特に好ましくはスルホ基、カルボキシル基である。またイオン性親水性基はカチオン又はアニオンを含んでいてもよく、カチオン又はアニオンを含む状態を塩の状態と呼ぶ。カルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対カチオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、ナトリウム塩又はナトリウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、ナトリウム塩が最も好ましい。
なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、水溶性インク中では塩はイオンに解離して存在している。
〔水溶液〕
本発明の水溶液は、一般式(1)で表される化合物と、水混和性有機溶剤とを含む水溶液であって、
水混和性有機溶剤に対する一般式(1)で表される化合物の溶解度が25℃において30(g/100g溶剤)以下であり、
一般式(1)で表される化合物の含有量が水溶液全量に対して5〜25質量%である、水溶液である。
<一般式(1)で表される化合物>
一般式(1)で表される化合物について説明する。一般式(1)で表される化合物は染料として用いられる。
Figure 2018053190
一般式(1)中、R、R、R及びR10は各々独立にアルキル基を表す。R、R、R17、R18、R19及びR20は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R、R、R及びRは各々独立に水素原子、アルキル基又は下記一般式(A)で表される置換基を表し、R、R、R及びRのうち少なくとも1つは下記一般式(A)で表される置換基を表す。Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。
Figure 2018053190
一般式(A)中、Xは下記一般式(X1)、一般式(X2)又は一般式(X3)で表される置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
Figure 2018053190
一般式(X1)中、R401、R402、R403、R404及びR405は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R401、R402、R403、R404及びR405は下記条件(i)又は(ii)を満たす。*は硫黄原子に結合する結合手を表す。
条件(i):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
Figure 2018053190
一般式(X2)中、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507は下記条件(iii)又は(iv)を満たす。*は硫黄原子に結合する結合手を表す。
条件(iii):R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(iv):R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
Figure 2018053190
一般式(X3)中、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607は下記条件(v)又は(vi)を満たす。*は硫黄原子に結合する結合手を表す。
条件(v):R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(vi):R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
一般式(1)中、R17、R18、R19及びR20は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R17、R18、R19及びR20が置換基を表す場合、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
17、R18、R19及びR20は水素原子を表すことが好ましい。
一般式(1)中、R、R、R及びR10は各々独立にアルキル基を表し、原材料の入手性と合成の容易性の観点から、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基またはエチル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。また、R、R、R及びR10が表すアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
一般式(1)中、R及びRは各々独立に水素原子又は置換基を表す。R及びRが置換基を表す場合の置換基としては、アルキル基又はイオン性親水性基が好ましい。
アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基又はエチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
イオン性親水性基としては、カルボキシル基、スルホ基又はホスホノ基が好ましい。イオン性親水性基の対カチオンとしては、水素原子(プロトン)、アルカリ金属カチオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオン)、アンモニウムイオンなどが挙げられるが、合成の容易性(染料粉末としての取り扱いの容易さ)の観点からアルカリ金属カチオンであることが好ましい。
及びRは、各々独立に水素原子、スルホ基又はカルボキシル基を表すことが好ましく、水素原子又はスルホ基を表すことがより好ましく、水素原子を表すことが更に好ましい。
一般式(1)中、R、R、R及びRは各々独立に水素原子、アルキル基又は上記一般式(A)で表される置換基を表し、R、R、R及びRのうち少なくとも1つは上記一般式(A)で表される置換基を表す。
、R、R及びRがアルキル基を表す場合、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基またはエチル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。また、R、R、R及びRが表すアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
及びRが各々独立に一般式(A)で表される置換基を表し、かつR及びRがアルキル基を表す場合、又は、R及びRが各々独立に一般式(A)で表される置換基を表し、かつR及びRがアルキル基を表す場合が好ましく、R及びRが各々独立に一般式(A)で表される置換基を表し、かつR及びRがアルキル基を表す場合がより好ましい。
一般式(A)中、Xは上記一般式(X1)、一般式(X2)又は一般式(X3)で表される置換基を表す。
なお、一般式(X1)、一般式(X2)又は一般式(X3)におけるカルボキシル基の対カチオンとしては、水素原子(プロトン)、アルカリ金属カチオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオン)、アンモニウムイオンなどが挙げられるが、アルカリ金属カチオンであることが好ましい。
一般式(X1)中、R401、R402、R403、R404及びR405は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R401、R402、R403、R404及びR405は下記条件(i)又は(ii)を満たす。
条件(i):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
一般式(X1)中、R401、R402、R403、R404及びR405は上記条件(ii)を満たすことが好ましい。すなわち、R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表すことが好ましい。
上記条件(ii)において、R401、R402、R403、R404、及びR405がカルボキシル基以外の置換基を表す場合の置換基としては、上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、又はアルキル基であることが好ましい。
401、R402、R403、R404、及びR405がハロゲン原子を表す場合のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。その中でも特に塩素原子、臭素原子が好ましく、原料の入手性から塩素原子が最も好ましい。
401、R402、R403、R404、及びR405がアルキル基を表す場合、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましく、、原料の入手性からメチル基が特に好ましい。また、アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
401、R402、R403、R404、及びR405がカルボキシル基以外の置換基を表す場合の置換基としては、塩素原子、ヒドロキシル基、又はメチル基であることがより好ましい。
一般式(X1)中、R401、R402、R403、R404及びR405が上記条件(ii)を満たす場合は、R402及びR404がカルボキシル基を表すことが好ましい。
さらに、R401が水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、又はメチル基を表し、R403及びR405が水素原子を表すことがより好ましく、R401が塩素原子、ヒドロキシル基、又はメチル基を表し、R403及びR405が水素原子を表すことがさらに好ましく、R401がヒドロキシル基を表し、R403及びR405が水素原子を表すことが特に好ましい。
一般式(X1)中、R401、R402、R403、R404及びR405が上記条件(i)を満たす場合、R401、R402、R403、R404及びR405のうちヒドロキシル基の数は、1〜3個が好ましく、1〜2個がより好ましく、1個が更に好ましい。カルボキシル基の数は1〜3個がより好ましく、1〜2個が更に好ましい。
上記条件(i)において、R403がヒドロキシル基を表し、かつR402がカルボキシル基を表す場合、又は、R401がヒドロキシル基を表し、かつR402がカルボキシル基を表す場合が好ましく、R401がヒドロキシル基を表し、かつR402がカルボキシル基を表す場合がより好ましい。
401、R402、R403、R404、及びR405がヒドロキシル基、カルボキシル基以外の置換基を表す場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、アルキル基又はアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基が更に好ましく、メチル基又はメトキシ基が特に好ましい。また、R401、R402、R403、R404、及びR405が置換基を表す場合の置換基としては、上記とは別の態様として、カルボキシル基、塩素原子、ニトロ基、又はトリフルオロメチル基が挙げられ、カルボキシル基、塩素原子、又はニトロ基がより好ましく、カルボキシル基が更に好ましい。特に、R401がヒドロキシル基を表し、かつR402がカルボキシル基を表す場合に、R404が上記した置換基(カルボキシル基、塩素原子、ニトロ基、又はトリフルオロメチル基)であることが好ましい。
一般式(X1)で表される基の具体例を以下に示すが、これらに限定されない。下記具体的化合物の構造式中、Meはメチル基を表す。*は硫黄原子に結合する結合手を表す。
Figure 2018053190
Figure 2018053190
一般式(X2)中、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507は下記条件(iii)又は(iv)を満たす。
条件(iii):R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(iv):R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
一般式(X2)中、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507は条件(iv)を満たすことが好ましい。すなわち、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表すことが好ましい。
上記条件(iv)において、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507がカルボキシル基以外の置換基を表す場合の置換基としては、上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、又はアルキル基であることが好ましい。
501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507がハロゲン原子を表す場合のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。その中でも特に、塩素原子、臭素原子が好ましく、塩素原子が最も好ましい。
501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507がアルキル基を表す場合、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。また、アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507がカルボキシル基以外の置換基を表す場合の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、又はメチル基であることがより好ましい。
一般式(X2)中、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507が上記条件(iii)を満たす場合、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうちヒドロキシル基の数は、1〜3個が好ましく、1〜2個がより好ましく、1個が更に好ましい。カルボキシル基の数は1〜2個がより好ましく、1個が更に好ましい。
504がヒドロキシル基を表し、かつR503がカルボキシル基を表す場合、又は、R504がヒドロキシル基を表し、かつR505がカルボキシル基を表す場合が好ましく、R504がヒドロキシル基を表し、かつR503がカルボキシル基を表す場合がより好ましい。
上記条件(iii)において、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507がヒドロキシル基、カルボキシル基以外の置換基を表す場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、アルキル基又はアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基が更に好ましく、メチル基又はメトキシ基が特に好ましい。
一般式(X2)で表される基の具体例を以下に示すが、これらに限定されない。*は硫黄原子に結合する結合手を表す。
Figure 2018053190
Figure 2018053190
一般式(X3)中、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607は下記条件(v)又は(vi)を満たす。*は硫黄原子に結合する結合手を表す。
条件(v):R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(vi):R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
一般式(X3)中、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607は条件(vi)を満たすことが好ましい。すなわち、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表すことが好ましい。
上記条件(vi)において、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607がカルボキシル基以外の置換基を表す場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、又はアルキル基であることが好ましい。
601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607がハロゲン原子を表す場合のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。その中でも特に、塩素原子、臭素原子が好ましく、塩素原子が最も好ましい。
601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607がアルキル基を表す場合、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。また、アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607がカルボキシル基以外の置換基を表す場合の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、又はメチル基であることがより好ましい。
一般式(X3)中、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607が上記条件(v)を満たす場合、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうちヒドロキシル基の数は、1〜3個が好ましく、1〜2個がより好ましく、1個が更に好ましい。カルボキシル基の数は1〜2個がより好ましく、1個が更に好ましい。
606がヒドロキシル基を表し、かつR605がカルボキシル基を表す場合、又は、R603がヒドロキシル基を表し、かつR602がカルボキシル基を表す場合が好ましく、R606がヒドロキシル基を表し、かつR605がカルボキシル基を表す場合がより好ましい。
上記条件(v)において、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607がヒドロキシル基、カルボキシル基以外の置換基を表す場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、アルキル基又はアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基が更に好ましく、メチル基又はメトキシ基が特に好ましい。
一般式(X3)で表される基の具体例を以下に示すが、これらに限定されない。*は硫黄原子に結合する結合手を表す。
Figure 2018053190
Figure 2018053190
一般式(1)中、Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。Mが一価のカウンターカチオンを表す場合の一価のカウンターカチオンとしては、アルカリ金属カチオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオン)、アンモニウムイオンなどが挙げられるが、アルカリ金属カチオンであることが好ましい。その中でも、特にリチウムイオン、ナトリウムイオンが好ましく、ナトリウムイオンが最も好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2018053190
一般式(2)中、R、R、R及びR10は各々独立にアルキル基を表す。R、R、R17、R18、R19及びR20は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R及びRは各々独立に水素原子又はアルキル基を表す。R401、R402、R403、R404及びR405は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R401、R402、R403、R404及びR405は下記条件(i−1)又は(ii−1)を満たす。R406、R407、R408、R409及びR410は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R406、R407、R408、R409及びR410は下記条件(i−2)又は(ii−2)を満たす。Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。
条件(i−1):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii−1):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
条件(i−2):R406、R407、R408、R409及びR410のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii−2):R406、R407、R408、R409及びR410のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
Figure 2018053190
一般式(3)中、R、R、R及びR10は各々独立にアルキル基を表す。R、R、R17、R18、R19及びR20は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R及びRは各々独立に水素原子又はアルキル基を表す。R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507は下記条件(iii−1)又は(iv−1)を満たす。R508、R509、R510、R511、R512、R513及びR514は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R508、R509、R510、R511、R512、R513及びR514は下記条件(iii−2)又は(iv−2)を満たす。Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。
条件(iii−1):R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(iv−1):R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
条件(iii−2):R508、R509、R510、R511、R512、R513及びR514のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(iv−2):R508、R509、R510、R511、R512、R513及びR514のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
Figure 2018053190
一般式(4)中、R、R、R及びR10は各々独立にアルキル基を表す。R、R、R17、R18、R19及びR20は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R及びRは各々独立に水素原子又はアルキル基を表す。R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607は下記条件(v−1)又は(vi−1)を満たす。R608、R609、R610、R611、R612、R613及びR614は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R608、R609、R610、R611、R612、R613及びR614は下記条件(v−2)又は(vi−2)を満たす。Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。
条件(v−1):R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(vi−1):R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
条件(v−2):R608、R609、R610、R611、R612、R613及びR614のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(vi−2):R608、R609、R610、R611、R612、R613及びR614のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
一般式(2)中のR、R、R、R、R、R10、R17、R18、R19、R20、及びMは各々一般式(1)中のR、R、R、R、R、R10、R17、R18、R19、R20、及びMと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(2)中のR及びRは各々独立に水素原子又はアルキル基を表し、アルキル基を表すことが好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基またはエチル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。また、アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
一般式(2)中のR401、R402、R403、R404及びR405は、上記条件(ii−1)を満たすことが好ましい。すなわち、R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表すことが好ましい。R401、R402、R403、R404及びR405の好ましい範囲は、各々一般式(X1)中のR401、R402、R403、R404及びR405と同様である。
一般式(2)中のR406、R407、R408、R409及びR410は、上記条件(ii−2)を満たすことが好ましい。すなわち、R406、R407、R408、R409及びR410のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表すことが好ましい。R406、R407、R408、R409及びR410の好ましい範囲は、各々一般式(2)中のR401、R402、R403、R404及びR405と同様である。
一般式(3)中のR、R、R、R、R、R10、R17、R18、R19、R20、及びMは各々一般式(1)中のR、R、R、R、R、R10、R17、R18、R19、R20、及びMと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(3)中のR及びRは各々独立に水素原子又はアルキル基を表し、アルキル基を表すことが好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基またはエチル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。また、アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
一般式(3)中のR501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507は、上記条件(iv−1)を満たすことが好ましい。すなわち、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表すことが好ましい。R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507の好ましい範囲は、各々一般式(X2)中のR501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507と同様である。
一般式(3)中のR508、R509、R510、R511、R512、R513及びR514は、上記条件(iv−2)を満たすことが好ましい。すなわち、R508、R509、R510、R511、R512、R513及びR514のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表すことが好ましい。R508、R509、R510、R511、R512、R513及びR514の好ましい範囲は、各々一般式(3)中のR501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507と同様である。
一般式(4)中のR、R、R、R、R、R10、R17、R18、R19、R20、及びMは各々一般式(1)中のR、R、R、R、R、R10、R17、R18、R19、R20、及びMと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(4)中のR及びRは各々独立に水素原子又はアルキル基を表し、アルキル基を表すことが好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基またはエチル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。また、アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
一般式(4)中のR601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607は、上記条件(vi−1)を満たすことが好ましい。すなわち、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表すことが好ましい。R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607の好ましい範囲は、各々一般式(X3)中のR601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607と同様である。
一般式(4)中のR608、R609、R610、R611、R612、R613及びR614は、上記条件(vi−2)を満たすことが好ましい。すなわち、R608、R609、R610、R611、R612、R613及びR614のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表すことが好ましい。R608、R609、R610、R611、R612、R613及びR614の好ましい範囲は、各々一般式(4)中のR601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607と同様である。
上記一般式(1)で表される化合物は、上記一般式(2)で表される化合物であることがより好ましく、上記一般式(2)中のR401、R402、R403、R404及びR405が上記条件((ii−1)を満たし、R406、R407、R408、R409及びR410が上記条件(ii−2)を満たすことがより好ましい。
上記一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物は、下記一般式(2’)で表される化合物であることが更に好ましい。
Figure 2018053190
一般式(2’)中、R401及びR406はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、又はメチル基を表す。Mは水素原子、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、又はアンモニウムイオンを表す。
上記一般式(2’)中、R401及びR406はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、又はメチル基を表す。
401及びR406がハロゲン原子を表す場合のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。その中でも特に塩素原子、臭素原子が好ましく、塩素原子が最も好ましい。
401及びR406は、水素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、又はメチル基であることが好ましく、水素原子、ヒドロキシル基であることがより好ましく、その中でもヒドロキシル基が最も好ましい。
上記一般式(2’)中、Mは水素原子、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、又はアンモニウムイオンを表す。
Mはアルカリ金属カチオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオン)であることが好ましく、特にリチウムイオン、ナトリウムイオンが好ましく、ナトリウムイオンが最も好ましい。
以下に一般式(1)で表される化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるわけではない。下記具体的化合物の構造式中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
Figure 2018053190
Figure 2018053190
Figure 2018053190
Figure 2018053190
Figure 2018053190
Figure 2018053190
なお一般式(1)で表される化合物の具体的な合成法は実施例にて例示する。
本発明の水溶液中の一般式(1)で表される化合物の含有量は、水溶液全量に対して5〜25質量%であり、6〜15質量%であることが好ましく、7〜12質量%であることがより好ましい。
水溶液中に含まれる一般式(1)で表される化合物の含有量を5質量%以上にすることで、インクジェット記録用インクの処方設計が容易になる。また、25質量%以下にすることで、水溶液に長期貯蔵安定性を付与できる。
〔水混和性有機溶剤〕
本発明の水溶液は、水混和性有機溶剤を含む。
水混和性有機溶剤とは、25℃の水に対する溶解度が10質量%以上である有機溶剤をいう。
本発明において用いられる水混和性有機溶剤は、上記一般式(1)で表される化合物の25℃における溶解度が、30(g/100g溶剤)以下である。ここで溶解度とは溶剤100g中にある一定の温度で溶解可能な溶質の質量を表し、単位は「g/100g溶剤」である。
水混和性有機溶剤に対する一般式(1)で表される化合物の25℃における溶解度は、より好ましくは20(g/100g溶剤)以下であり、更に好ましくは10(g/100g溶剤)以下である。
本発明の水溶液に水混和性有機溶剤を用いることで、冷寒地での貯蔵安定性(本発明の水溶液の凍結防止)が可能となる。凍結後に再溶解することで、水溶液中に不溶解物の発生抑制及び水溶液物性の変化調整効果が確認でき、更に、本発明の水溶液を用いて、インクジェット記録用インクを調液(製造)する際の混液変動等に伴う工程不安定化を抑制できる。また、インク処方設計上も液物性規格のコントロールや品質トラブルの制約を受けにくい。
上記水混和性有機溶剤の例としては、以下の溶剤が挙げられる。本発明では下記溶剤の中から適宜選択して水混和性有機溶剤として用いることができる。
・アルコール類(モノアルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ドデカノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、及びアセチレンアルコール類)、
・多価アルコール類(例、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのエチレンジオール類;2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メトキシ−1,2−プロパンジオールなどのプロパンジオール類;2−ブテン−1,4−ジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジールなどのブタンジオール類;2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールなどのペンタンジオール類;1,2−ヘキサンジオールなどのヘキサンジオール類;1,2,6−トリメチル−1,7−ヘプタンジオール、2,4,6−トリエチル−1,7−ヘプタンジオールなどのヘプタンジオール類;3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールなどのオクタンジオール類;その他、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコールなどのアルキレンジオール類;グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール、トリメチロールプロパンなどのポリオール類)、
・グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、
・アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、及び、
・その他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、3−メチルスルホラン、3−スルホレン、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ピロリドン−5−カルボン酸、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン、ジアセトンアルコール、4−ピコリン)。
なお、水混和性有機溶剤は、2種類以上を併用してもよい。
水混和性有機溶剤としては、グリセリン、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、エチレングリコールモノブチルエーテル(EGmBE)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGmBE)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGmME)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGmPE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどが好ましい。
水混和性有機溶剤は多価アルコール類を含むことが好ましく、なかでもグリセリンを含むことがより好ましい。グリセリンは、水に溶け易く、保湿剤としても優れ、臭気毒性も殆どなく、水溶液の凍結防止能が高く、安価に入手できる一方、上記一般式(1)で表される化合物の溶解能が低く、要求特性を制御し易いためである。
また、水混和性有機溶剤は、アルコール類又は多価アルコール類を含むことが好ましく、多価アルコール類を含むことがより好ましい。
水混和性有機溶剤は、更にグリコール誘導体を含むことが好ましい。
水混和性有機溶剤として多価アルコール類を含む場合、多価アルコール類の含有量は本発明の水溶液全量に対して30質量%未満であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることが更に好ましい。水混和性有機溶剤の含有量を上記範囲とすることにより、インクジェット記録用インクの連続打滴性に適した粘度、表面張力となり、高品位な印画が可能であるとともに、染料の析出を抑制しインクヘッドの詰まりを抑制するとともに、ヘッド詰まり等のクリーニングに適したインク液が得られる。
水混和性有機溶剤としてグリコール誘導体を含む場合、グリコール誘導体の含有量は本発明の水溶液全量に対して30質量%未満であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることが更に好ましい。
水混和性有機溶剤は市販されているものを使用することができ、また通常の方法で合成することもできる。
本発明の水溶液において、上記水混和性有機溶剤の総含有量が上記水溶液全量に対して1〜70質量%であることが好ましく、5〜65質量%であることがより好ましく、5〜60質量%であることが更に好ましい。水混和性有機溶剤の総含有量が1質量%以上であると、本発明の水溶液の凍結防止となり、30質量%以下であると、インクジェット記録用インクの調液が容易となる。
<防腐剤>
本発明の水溶液は更に防腐剤を含んでもよい。
本発明において、防腐剤とは微生物、特に細菌及び真菌(カビ)の発生、発育を防止する機能を有するものを言う。
本発明に使用可能な防腐剤としては、種々のものが使用可能である。
防腐剤としては、重金属イオンを含有する無機物系の防腐剤(銀イオン含有物など)、塩類をまず挙げることができる。有機系の防腐剤としては、第4級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等)、フェノール誘導体(フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、キシレノール、ビスフェノール等)、フェノキシエーテル誘導体(フェノキシエタノール等)、複素環化合物(ベンゾトリアゾール、プロキセル(PROXEL)、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等)、アルカンジオール類(ペンチレングリコール(1,2−ペンタンジオール)、イソペンチルジオール(3−メチル−1,3−ブタンジオール)、ヘキサンジオール(1,2−ヘキサンジオール)等)、カプリリルグリコール(1,2−オクタンジオール)等)、酸アミド類、カルバミン酸、カルバメート類、アミジン・グアニジン類、ピリジン類(ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド等)、ジアジン類、トリアジン類、ピロール・イミダゾール類、オキサゾール・オキサジン類、チアゾール・チアジアジン類、チオ尿素類、チオセミカルバジド類、ジチオカルバメート類、スルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、スルファミド類、抗生物質類(ペニシリン、テトラサイクリン等)、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、及びその塩など種々のものが使用可能である。防腐剤として好ましくは複素環化合物、フェノール誘導体、フェノキシエーテル誘導体、及びアルカンジオール類からなる群より選ばれる防腐剤を少なくとも1種用いることが好ましい。また、防腐剤としては防菌防微ハンドブック(技報堂:1986)、防菌防黴剤事典(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載のものも使用し得る。
これらの化合物は油溶性の構造、水溶性の構造のものなど種々のものが使用可能であるが、好ましくは水溶性の化合物である。
本発明の水溶液は、2種以上の防腐剤を含有してもよい。本発明では、これらの防腐剤を2種以上併用して使用すると、水溶液及び上記水溶液を用いた着色組成物又はインクジェット記録用インクを使用して画した記録画像の保存安定性、特に色相安定性が向上し、また長期保存後の水溶液を用いたインクジェット記録用インクを使用してインクジェットプリンターで印画する際のインク吐出安定性が格段に向上するなど、本発明の効果が更に良好に発揮される。これは、2種以上の防腐剤に菌が接触することにより、個々の防腐剤に対する菌の耐性獲得が抑制されるためであると考えられる。
2種以上の防腐剤を組み合わせる場合、それらの防腐剤は異なった化学構造の骨格を有するものであることが好ましい。また、2種以上の防腐剤を含有する場合には、少なくとも1種の防腐剤が、複素環化合物、フェノール誘導体、フェノキシエーテル誘導体、又はアルカンジオール類であることが好ましく、なかでも複素環化合物であることが好ましい。例えば、複素環化合物とフェノキシエーテル誘導体の組み合わせ、複素環化合物とフェノール誘導体との組み合わせ、複素環化合物とアルカンジオール類との組み合わせ等が好ましく挙げられる。
更に、複素環化合物としては、チアゾール系化合物又はベンゾトリアゾール系化合物であることが好ましい。
チアゾール系化合物は、防腐剤のなかでも、特に防黴剤として機能する。チアゾール系化合物としては、ベンズイソチアゾリン、イソチアゾリン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−(チオシアノメチルチオ)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズチアゾール及び3−アリルオキシ−1,2−ベンズイソチアゾール−1,1−オキシド等を挙げることができる。また、チアゾール系防黴剤としてアーチ・ケミカルズ(株)より製造販売されているProxel(商標)シリーズ(BDN,BD20,GXL,LV,XLII及びUltra10等)を使用することもできる。
ベンゾトリアゾール系化合物は、防腐剤のなかでも、特に防錆剤として機能し、例えば、インクジェットヘッドを構成する金属材料(特に、42合金(42%ニッケルを含有するニッケル−鉄合金))がインクとの接触を原因の一つとする錆の発生を防止することができる。ベンゾトリアゾール系化合物としては、1H−ベンゾトリアゾール、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール及びこれらのナトリウム塩又はカリウム塩等を挙げることができる。
2種以上の防腐剤を組み合わせる場合の含有量比は、特に限定的ではないが、各防腐剤のそれぞれの含有量が、防腐剤の総含有量の1質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましい。また各防腐剤のそれぞれの含有量が、防腐剤の総含有量の99質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、80質量%以下であることが更に好ましい。この値とすることで、それぞれの防腐剤の効果を効率的に得ることができ、また防腐剤間の相乗効果も得やすくなる。また、防腐剤の効果を維持しつつ、インクに触れた人、特に防腐剤に対して敏感な人が、かぶれ等を生じる可能性も低減できる。
防腐剤の本発明の水溶液中の含有量(防腐剤を2種以上含有する場合にはその総含有量)は広い範囲で使用可能であるが、好ましくは水溶液全量に対して0.001〜10質量%、より好ましくは0.005〜2.0質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。0.001〜10質量%とすることで、防腐剤の効果をより効率的に得ることができ、また析出物の発生を抑制できる。
本発明の水溶液において、一般式(1)で表される化合物と防腐剤との質量比(一般式(1)で表される化合物/防腐剤)は、90/10〜100/1であることが好ましい。
上記の範囲とすることで本発明の水溶液中に一般式(1)で表される化合物が安定に溶解し、且つ、細菌及び真菌(カビ)の発生、発育を防止する効果を両立できることになる。
<ベタイン化合物>
本発明の水溶液は、必要に応じてベタイン化合物を含有することが好ましい。本発明の水溶液にベタイン化合物を含有させることによりインクジェット記録用インクの処方設計及び製造時の調液が容易になるため好ましい。
更に、本発明の水溶液をインクジェット記録用インクとして調液後使用した際に、インクジェット印画物の耐湿度性(滲み)が向上する。
本発明で好ましく使用されるベタイン化合物は、界面活性能を有するベタイン型界面活性剤であることが好ましい。
ここで言うベタイン化合物とは、分子中にカチオン性の部位とアニオン性の部位を両方とも有する化合物を表す。
カチオン性の部位としてはアミン性の窒素原子、ヘテロ芳香族環の窒素原子、炭素との結合を4つ有するホウ素原子、リン原子などを挙げることができる。この中で好ましくはアミン性の窒素原子もしくはヘテロ芳香族環の窒素原子である。中でも特に第4級の窒素原子であることが好ましい。
アニオン性の部位としては、水酸基、チオ基、スルホンアミド基、スルホ基、カルボキシル基、イミド基、リン酸基、ホスホン酸基などを挙げることができる。この中でも特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。分子全体としての荷電は、カチオン、アニオン、中性のいずれでもよいが、好ましくは中性である。
ベタイン化合物としては、下記一般式(W−1)で表される化合物で表される化合物が好ましく用いられる。
一般式(W−1)
(R)−N−[L−(COOM
式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。Lはq+1価の連結基を表す。Mは水素原子、又は一価のカウンターカチオンを表し、式中のN原子からなるアンモニウムイオンの対イオンとなる場合は、カチオンとして存在しない基を表す。qは1以上の整数を表し、rは1以上4以下の整数を表す。pは0以上3以下の整数を表し、p+rは3もしくは4である。p+rが4である場合は、N原子はプロトン化されたアンモニウム原子(=N=)となる。qが2以上の時は、COOMは同じでも異なっていてもよい。rが2以上の時はL−(COOM)qは同じでも異なっていてもよい。pが2以上の時は、Rは同じでも異なっていてもよい。
式中、Rは水素原子、アルキル基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数1ないし20の基である。例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、セチル基、ステアリル基、オレイル基など)、アリール基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数6ないし20の基である。例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、クミル基、ドデシルフェニル基など)、ヘテロ環基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数2ないし20の基である。例えばピリジル基、キノリル基など)を表し、それぞれが互いに連結して環状構造を形成してもよい。この中で特に好ましくはアルキル基である。
Lはq+1価の連結基を表す。この例としては、アルキレン基、アリーレン基等を基本的な構成単位として含むq+1価の連結基が好ましい。連結主鎖部に酸素原子、硫黄原子、窒素原子などのヘテロ原子を含有してもよい。
RもしくはLには種々の置換基が置換可能である。例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等が挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜12、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジフェニルアミノ、ジベンジルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ等が挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等が挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等が挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等が挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等が挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等が挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ等が挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル等が挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド等が挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド等が挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含むものであり具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、アゼピニル等が挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。)等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されても良い。また置換基が二つ以上ある場合は、同一でも異なっていても良い。また、可能な場合には互いに連結して環を形成していても良い。また、RもしくはLを介して、ベタイン構造が複数含まれていてもよい。
は水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。
なお、Mが式中のN原子からなるアンモニウムイオンの対イオンとなる場合は、カチオンとして存在しない基を表す。
一価のカウンターカチオンとしては、アルカリ金属カチオン(たとえばナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、セシウムイオン)、アンモニウムイオン、アミン性の有機カチオン(1ないし3級アミンの場合、プロトン化されたものを表す。たとえばプロトン化されたメチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロオクタン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ピリジン、ピラジン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン等。4級アンモニウム塩の場合、たとえばテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルンモニウムイオン、トリメチルベンジルアンモニウムイオン、メチルピリジニウムイオン、ベンジルピリジニウムイオン等。)を表す。
は、アルカリ金属イオン又は水素原子を表すことが好ましい。
qは1以上(好ましくは5以下、より好ましくは2以下)の整数を表し、rは1以上4以下(好ましくは1または2)の整数を表す。pは0以上3以下(好ましくは1または2)の整数を表し、p+rは3もしくは4である。p+rが4の場合、N原子は4級アンモニウムカチオンとなり、COOMのうちの1つが解離状態のアニオンとなる。qが2以上の時はCOOMは同じでも異なっていてもよい。rが2以上の時はL−(COOM)qは同じでも異なっていてもよい。pが2以上の時はRは同じでも異なっていてもよい。
本発明に使用するベタイン化合物としては、一般式(W−1)で表される化合物の中でも、特に下記一般式(W−2)又は(W−3)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 2018053190

一般式(W−2)中、Ra〜Rcは、上記一般式(W−1)中のRと同義であり、好ましい範囲も同様である。Lは2価の連結基を表し、上記一般式(W−1)中のLが2価の連結基である場合と同様である。
一般式(W−2)で表されるベタイン化合物においては、Ra〜RcもしくはL中の少なくとも1つに、炭素数8以上の基を含有することが好ましい。中でも特に、Ra〜Rcに炭素数8以上の長鎖アルキル基が含有されるものが好ましい。その中でも、炭素数12以上の長鎖アルキル基が含有されるものが好ましく、特に炭素数14〜18の長鎖アルキル基が含有されるものが最も好ましい。
一般式(W−3)
(R)−N−[L−(COOM1a
式中、R、L、q、は一般式(W−1)におけるR、L、qと同義あり、好ましい範囲も同様である。M1aはアルカリ金属イオン又は水素原子である。uは1以上3以下の整数を表す。sは0以上2以下の整数を表す。但し、s+uは3である。sが2の時はRは同じでも異なっていてもよい。qが2以上の時はCOOM1aは同じでも異なっていてもよい。uが2以上の時はL−(COOM1aは同じでも異なっていてもよい。
一般式(W−3)中、M1aはアルカリ金属イオン又は水素原子を表す。
1aがアルカリ金属イオンを表す場合のアルカリ金属イオンとしては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、セシウムイオン等が挙げられる。
uは1以上3以下(好ましくは1または2)の整数を表す。sは0以上2以下(好ましくは1または2)の整数を表し、s+uは3である。
さらに、RまたはLに炭素数8以上の炭化水素基が含まれていることが好ましい。
上記一般式(W−1)又は上記一般式(W−3)で表される化合物は、下記一般式(W−4)で表される化合物が最も好ましい。
一般式(W−4)
R−N−(L−COOM
R、L及びMは先述の一般式(W−1)中のR、L及びMと同様である。二つの(L−COOM)は同じでも異なっていてもよい(二つの、L及びMは同じでも異なっていてもよい)。Rは特にアルキル基が好ましく、Lはアルキレン基であることが好ましい。
中でも特に、Rに炭素数8以上の長鎖アルキル基が含有されるものが好ましい。
その中でも、炭素数12以上の長鎖アルキル基が含有されるものが好ましく、特に炭素数14〜18の長鎖アルキル基が含有されるものが最も好ましい。
上記ベタイン化合物の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるわけではない。下記具体的化合物の構造式中、(n)は直鎖型であることを表す。
Figure 2018053190
上記以外のベタイン化合物の具体例としては特開2005−298744号公報の段落番号0033〜0043に記載の具体例化合物が挙げられる。
ベタイン化合物の好ましい含有量は、好ましくは本発明の水溶液全量に対して0.1〜10質量%であり、より好ましくは1〜6質量%である。
含有量を0.1質量%以上とすることでインクジェット記録用インクとして使用した際の印画物の画質及び保存安定性が向上し、10質量%以下とすることで本発明の水溶液の製造時の工程安定化が確保される。
2種以上を併用する場合、最大使用量の化合物は最小使用量の化合物に対して、1〜10000倍の質量比で使用されることが好ましい。
<その他の成分>
本発明の水溶液は、上記の成分の他に必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。例えばなど界面活性剤が挙げられる。
〔界面活性剤〕
本発明の着色組成物は、界面活性剤を含有させることができる。本発明で使用される界面活性剤としては脂肪酸塩類、高級アルコールのエステル塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類、高級アルコールのリン酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤、脂肪族アミン塩類、4級アンモニウム塩類等のカチオン界面活性剤、高級アルコールのエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、アセチレングリコール及びそのエチレンオキサイド付加物等のノニオン界面活性剤、アミノ酸型、ベタイン型等の両性界面活性剤、フッ素系、シリコン系化合物等が挙げられる。これらは単独であるいは2種以上を用いることができる。
本発明の着色組成物に界面活性剤を含有させ、表面張力等のインクの液物性を調整することで、インクの吐出安定性を向上させ、画像の耐水性の向上や印字したインクの滲みの防止などに優れた効果を持たせることができる。また、上記の界面活性剤は2種類以上併用してもよい。
本発明で用いる着色組成物は、吐出安定性の向上、混色時の滲みの防止、ひげ防止などのような印字品質を向上しつつ、吐出時にハード表面へのインクの付着等による印字不良も防ぐ観点から、界面活性剤を0.005〜5質量%含有することが好ましく、より好ましくは0.005〜3質量%含有する。着色組成物中の界面活性剤の含有量が0.005〜5質量%の範囲にあると、吐出安定性の低下、混色時の滲みの発生、ひげ発生などの印字品質の低下が起こらず、吐出時、ノズル周辺部へのインクの付着等による印字不良を抑えることができる。
本発明の着色組成物は、水性媒体中に染料を溶解させ、更に界面活性剤を特定量添加し、必要に応じてその他の添加剤を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。本発明における「水性媒体」とは、水又は水と少量の水混和性有機溶剤との混合物に、必要に応じて湿潤剤、安定剤、防腐剤等の添加剤を添加したものを意味する。
本発明の着色組成物を調液する際には、水溶性の着色組成物の場合、まず水に溶解することが好ましい。そのあと、各種溶剤や添加物を添加し、溶解、混合して均一なインク液とする。
このときの溶解方法としては、攪拌による溶解、超音波照射による溶解、振とうによる溶解等種々の方法が使用可能である。中でも特に攪拌法が好ましく使用される。攪拌を行う場合、公知の流動攪拌や反転アジターやディゾルバを利用した剪断力を利用した攪拌など、種々の方式が利用可能である。一方では、磁気攪拌子のように、容器底面との剪断力を利用した攪拌法も好ましく利用できる。
〔着色組成物〕
本発明の着色組成物は、上記水溶液を用いた着色組成物である。すなわち、本発明の着色組成物は、上記水溶液を用いて調製されたものであり、上記水溶液を含むものである。また、上記水溶液そのものを着色組成物として用いてもよい。
本発明の着色組成物は、更に、媒体を含有させることができるが、媒体として溶媒を用いた場合は特にインクジェット記録用インクとして好適である。上記媒体としては、親油性媒体又は水性媒体が挙げられ、好ましくは、水性媒体を用いる場合である。
着色組成物中に含まれる上記一般式(1)で表される化合物の含有量は、用いられる一般式(1)で表される化合物の種類、及び着色組成物を製造するために用いる溶媒成分の種類等により決められるが、着色組成物中の一般式(1)で表される化合物の含有量が、着色組成物の総質量に対して0.1〜20質量%含まれることが好ましく、0.2〜20質量%含まれることがより好ましく、1〜20質量%含まれることが更に好ましく、1〜10質量%含まれることが特に好ましく、2〜6質量%含まれることが最も好ましい。
着色組成物中に含まれる一般式(1)で表される化合物の含有量を1質量%以上にすることで、印刷したときの記録媒体上におけるインクの印画濃度を良好にできる。また、着色組成物中に含まれる一般式(1)で表される化合物の合計量を10質量%以下にすることで、インクジェット記録方法に用いた場合に着色組成物の吐出性を良好にでき、しかもインクジェットノズルが目詰まりしにくい等の効果が得られる。
本発明の着色組成物は、必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を奏する範囲内において含有してもよい。
本発明の着色組成物は、インクジェット記録用インクとして好適に用いられる。
[インクジェット記録用インク]
本発明のインクジェット記録用インクは、本発明の水溶液又は本発明の着色組成物を用いたインクジェット記録用インクである。すなわち、本発明のインクジェット記録用インクは、上記水溶液又は着色組成物を用いて調製されたものであり、上記水溶液又は着色組成物を含むものである。また、上記水溶液又は着色組成物そのものをインクジェット記録用インクとして用いてもよい。インクジェット記録用インクは、好ましくは水性媒体を用いたインクである。
インクジェット記録用インクは必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を奏する範囲内において含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤、ベタイン化合物等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加することができる。
水性媒体は、水を主成分とし、所望により、水混和性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。なお、水混和性有機溶剤は、二種類以上を併用してもよい。
本発明においては、インク中に混入する無機イオンの合計質量をインク総重量に対して2質量%以下に抑えることが好ましい。
ここでいう無機イオンとは、染料のカウンターイオンの無機イオン、ベタイン界面活性剤に含まれる不純物である無機塩由来の無機イオン、ベタイン化合物のイオン当量からはずれたイオン成分のカウンターイオンとなる無機イオン、pH調節に使用する無機塩類から導入される無機イオン、キレート剤、防腐剤などのインク添加剤から導入される無機イオンの総和を表す。ただし、本発明においては、アンモニウムイオンを揮発性の化合物として取り扱い、この無機イオンから除外する。
無機イオン総量としては、インクの2質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1質量%以下、特に好ましくは、0.5質量%以下である。
無機イオンのインク中の含有量を極力低減させるためには、種々の手法を用いることができる。
例えば、特開2004−285269号公報に記載の方法で実施することができる。
第一に、インクに使用する素材(例えば、ベタイン化合物)に含有される無機イオンを素材合成時に除去する方法を挙げることができる。水溶性インク素材の場合、特に水溶性を向上させる目的でイオン解離性基を数多く導入する場合が多い。このとき、素材合成時に多量の無機物を含んだり、カウンターイオンとして必然的に無機イオンが含まれてきたりする。前者のイオンを除くためには、イオン選択性透過膜を用いた電気分解透析法による脱塩精製法や、イオン交換樹脂による方法、ゲル濾過法による脱塩精製などを行うことができる。
また、合成時に積極的にイオン交換する方法も使用することができる。たとえば、過剰のアンモニアや有機アミン類を添加して金属イオンと交換する方法や、アニオンの場合ならば有機カルボン酸と交換する方法を挙げることができる。また、合成時における脱塩法として有機溶媒により積極的に塩を析出させ濾過により除去する方法も利用できる。
第二に、この脱塩精製を、インク原材料の状態、すなわち各種素材を水などの溶媒に溶解した上記水溶液の状態で行うことも好ましい。場合によっては、完成インクでの脱塩精製も可能である。
本発明のインクジェット記録用インクは、粘度が30mPa・s以下であるのが好ましい。また、その表面張力は25mN/m以上70mN/m以下であるのが好ましい。粘度及び表面張力は、種々の添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、防黴剤、防錆剤、分散剤及び界面活性剤を添加することによって、調整できる。
本発明のインクジェット記録用インクは、様々な色調のインク用いることができるが、マゼンタ色調インクに用いることが好ましい。また、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。
本発明のインクジェット記録用インクは、印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピングなどの記録方法に使用でき、特にインクジェット記録方法における使用に適する。
[インクジェット記録方法]
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。
画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり耐候性を改善する目的からポリマー微粒子分散物(ポリマーラテックスともいう)を併用してもよい。ポリマーラテックスを受像材料に付与する時期については、着色剤を付与する前であっても,後であっても、また同時であってもよく、したがって添加する場所も受像紙中であっても、インク中であってもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物として使用しても良い。具体的には、特願2000−363090号、同2000−315231号、同2000−354380号、同2000−343944号、同2000−268952号、同2000−299465号、同2000−297365号等の各明細書に記載された方法を好ましく用いることができる。
[インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物]
本発明のインクジェット記録用インクカートリッジは、上記した本発明のインクジェット記録用インクを充填したものである。また、インクジェット記録物は、上記した本発明のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したものである。
本発明のインクジェット記録用インクは、インクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
以下、実施例を示して本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部である。
(染料の合成例)
(例示化合物(1−11)の合成)
例示化合物(1−11)は、例えば下記スキームに従い、合成することができる。
Figure 2018053190
(中間体(B)の合成)
中間体(A)23.0g(特開2011−148973号公報の第17頁の段落番号0065記載の方法で合成)を、10%発煙硫酸420gに添加して、室温にて48時間反応させた。反応液を大過剰の酢酸エチルに注ぎ入れ、析出した結晶をろ別した。ろ別した結晶を500mLのメタノールに溶解させ、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液を用いてpH7に調整し、析出した硫酸ナトリウムをろ過により取り除いた。ろ液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(充填剤:セファデックスLH−20(ファルマシア製)、展開溶媒:メタノール)で精製し、中間体(B)の結晶を得た。収量21.0g、収率68%、マススペクトル(MS)(m/z)=793([M−2Na+H]、100%)。
(例示化合物(1−11)の合成)
中間体(B)3.0gを超純水15mLに溶解させ、内温を10℃以下に冷却した。5−クロロスルホニルサリチル酸(独国特許DE264786号記載の方法で合成)2.55gを粉体添加し、内温10℃以下のまま、10%NaOH水溶液を用いて反応液のpHを8.0に保ち、pHの変化がなくなるまで滴下を続けた。得られた反応液を大過剰のイソプロピルアルコールに注ぎ入れ、析出した固体をろ別した。得られた固体を水/メタノール:1/1混合溶媒20mLに溶解し、カラムクロマトグラフィ(充填剤:セファデックスLH−20(ファルマシア製)、展開溶媒:水/メタノール)で精製したのちに、透析膜(分画分子量3500、Spectra/Por3 Dialysis Membrane(商品名、スペクトラム=ラボラトリー社製))を用いて、無機塩及び残留有機溶媒を除去した。得られた水溶液を、希水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に調整し、メンブレンフイルターで除塵ろ過を行い、得られた水溶液をロータリーエバポレーターで濃縮乾固することで例示化合物(1−11)の緑色光沢結晶を得た。収量1.5g、収率33%。MS(m/z)=1191([M−1]、100%)。例示化合物(1−11)の希薄水溶液中での吸収スペクトルの吸収極大波長は532nm、モル吸光係数は87000であった。例示化合物(1−11)のジメチルスルホキシド−d6中でのH−NMRスペクトルを図1に示す。
(例示化合物(1−30)の合成)
例示化合物(1−30)は、たとえば下記スキームに従い、合成することができる。
Figure 2018053190
前述の例示化合物(1−11)の合成中間体として得られた中間体(B)3.0gを超純水15mLに溶解させた。5−クロロスルホニル−テレフタル酸ジメチル(独国特許DE278091号記載の方法で合成)2.2gを粉体添加し、10%NaOH水溶液を用いて反応液のpHを5〜7に保ち、pHの変化がなくなるまで滴下を続けた。反応終了後、続けて50%NaOH水溶液3mLを加えて、1時間攪拌した。得られた反応液を大過剰のエタノールに注ぎ入れ、析出した固体をろ別した。得られた固体を水/メタノール:1/1混合溶媒20mLに溶解し、カラムクロマトグラフィ(充填剤:セファデックスLH−20(ファルマシア製)、展開溶媒:水/メタノール)で精製したのちに、透析膜(分画分子量3500、Spectra/Por3 Dialysis Membrane(商品名、スペクトラム=ラボラトリー社製))を用いて、無機塩及び残留有機溶媒を除去した。得られた水溶液を、希水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に調整し、メンブレンフイルターで除塵ろ過を行い、得られた水溶液をロータリーエバポレーターで濃縮乾固することで例示化合物(1−30)の緑色光沢結晶を得た。収量3.7g、収率70%。MS(m/z)=1247([M−1]、100%)。例示化合物(1−30)の希薄水溶液中での吸収スペクトルの吸収極大波長は532nm、モル吸光係数は82000であった。例示化合物(1−30)のジメチルスルホキシド−d6中でのH−NMRスペクトルを図4に示す。
(例示化合物(1−18)の合成)
例示化合物(1−18)は、例えば下記スキームに従い、合成することができる。
Figure 2018053190
前述の例示化合物(1−11)の合成中間体として得られた中間体(B)3.0gを超純水15mLに溶解させ、内温を10℃以下に冷却した。5−クロロスルホニル−3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(独国特許DE264786号記載の方法で合成)2.2gを粉体添加し、内温10℃以下のまま、10%NaOH水溶液を用いて反応液のpHを7.5に保ち、pHの変化がなくなるまで滴下を続けた。得られた反応液を大過剰のイソプロピルアルコールに注ぎ入れ、析出した固体をろ別した。得られた固体を水/メタノール:1/1混合溶媒20mLに溶解し、カラムクロマトグラフィ(充填剤:セファデックスLH−20(ファルマシア製)、展開溶媒:水/メタノール)で精製したのちに、透析膜(分画分子量3500、Spectra/Por3 Dialysis Membrane(商品名、スペクトラム=ラボラトリー社製))を用いて、無機塩及び残留有機溶媒を除去した。得られた水溶液を、希水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に調整し、メンブレンフイルターで除塵ろ過を行い、得られた水溶液をロータリーエバポレーターで濃縮乾固することで例示化合物(1−18)の緑色光沢結晶を得た。収量1.2g、収率24%。MS(m/z)=1291([M−1]、100%)。例示化合物(1−18)の希薄水溶液中での吸収スペクトルの吸収極大波長は532nm、モル吸光係数は85000であった。例示化合物(1−18)のジメチルスルホキシド−d6中でのH−NMRスペクトルを図2に示す。
(例示化合物(1−25)の合成)
例示化合物(1−25)は、例えば下記スキームに従い、合成することができる。
Figure 2018053190
前述の例示化合物(1−11)の合成中間体として得られた中間体(B)3.0gを超純水15mLに溶解させ、内温を10℃以下に冷却した。6−クロロスルホニル−2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸(独国特許DE278091号記載の方法で合成)2.2gを粉体添加し、内温10℃以下のまま、10%NaOH水溶液を用いて反応液のpHを7.5に保ち、pHの変化がなくなるまで滴下を続けた。得られた反応液を大過剰のイソプロピルアルコールに注ぎ入れ、析出した固体をろ別した。得られた固体を水/メタノール:1/1混合溶媒20mLに溶解し、カラムクロマトグラフィ(充填剤:セファデックスLH−20(ファルマシア製)、展開溶媒:水/メタノール)で精製したのちに、透析膜(分画分子量3500、Spectra/Por3 Dialysis Membrane(商品名、スペクトラム=ラボラトリー社製))を用いて、無機塩及び残留有機溶媒を除去した。得られた水溶液を、希水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に調整し、メンブレンフイルターで除塵ろ過を行い、得られた水溶液をロータリーエバポレーターで濃縮乾固することで例示化合物(1−25)の緑色光沢結晶を得た。収量1.3g、収率26%。MS(m/z)=1291([M−1]、100%)。例示化合物(1−25)の希薄水溶液中での吸収スペクトルの吸収極大波長は532nm、モル吸光係数は83000であった。
(例示化合物(1−26)の合成)
例示化合物(1−26)は、例えば下記スキームに従い、合成することができる。
Figure 2018053190
前述の例示化合物(1−11)の合成中間体として得られた中間体(B)3.0gを超純水15mLに溶解させ、内温を10℃以下に冷却した。5−クロロスルホニル−4−ヒドロキシイソフタル酸(独国特許DE264786号記載の方法で合成)2.7gを粉体添加し、内温10℃以下のまま、10%NaOH水溶液を用いて反応液のpHを7.5に保ち、pHの変化がなくなるまで滴下を続けた。得られた反応液を大過剰のイソプロピルアルコールに注ぎ入れ、析出した固体をろ別した。得られた固体を水/メタノール:1/1混合溶媒20mLに溶解し、カラムクロマトグラフィ(充填剤:セファデックスLH−20(ファルマシア製)、展開溶媒:水/メタノール)で精製したのちに、透析膜(分画分子量3500、Spectra/Por3 Dialysis Membrane(商品名、スペクトラム=ラボラトリー社製))を用いて、無機塩及び残留有機溶媒を除去した。得られた水溶液を、希水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に調整し、メンブレンフイルターで除塵ろ過を行い、得られた水溶液をロータリーエバポレーターで濃縮乾固することで例示化合物(1−26)の緑色光沢結晶を得た。収量1.8g、収率36%。MS(m/z)=1279([M−1]、100%)。例示化合物(1−26)の希薄水溶液中での吸収スペクトルの吸収極大波長は534nm、モル吸光係数は95000であった。例示化合物(1−26)のジメチルスルホキシド−d6中でのH−NMRスペクトルを図3に示す。
その他の染料に関しても、上記方法に準じて合成することができる。
〔実施例1〕
(水溶液1の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し水溶液1を調製した。
水溶液1の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 10.00g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.3g
グリセリン 28.6g
脱イオン水 残部
(インクジェット記録用インク1の調製)
上記水溶液1に有機溶剤、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記水溶液1を脱イオン水で希釈し、インクジェット記録用インク1を調製した。
インクジェット記録用インク1(合計100g)の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.11g
グリセリン 10.00g
トリエチレングリコール 2.00g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.00g
2−ピロリドン 2.00g
サーフィノール(界面活性剤、日信化学工業(株)製) 1.00g
脱イオン水 残部
〔実施例2〕
(水溶液2の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し水溶液2を調製した。
水溶液2の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 10.0g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.3g
グリセリン 28.6g
ベタイン−1(下記構造のベタイン化合物) 5.7g
脱イオン水 残部
Figure 2018053190
(インクジェット記録用インク2の調製)
上記水溶液2に有機溶剤、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記水溶液2を脱イオン水で希釈し、インクジェット記録用インク2を調製した。
インクジェット記録用インク2(合計100g)の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.11g
ベタイン−1 2.00g
トリエチレングリコール 2.00g
グリセリン 10.00g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.00g
2−ピロリドン 2.00g
サーフィノール(界面活性剤、日信化学工業(株)製) 1.00g
脱イオン水 残部
〔実施例3〕
(水溶液3の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し水溶液3を調製した。
水溶液3の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 10.0g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.3g
グリセリン 28.6g
ベタイン−2(下記構造のベタイン化合物) 5.7g
脱イオン水 残部
Figure 2018053190
(インクジェット記録用インク3の調製)
上記水溶液3に有機溶剤、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記水溶液3を脱イオン水で希釈し、インクジェット記録用インク3を調製した。
インクジェット記録用インク3(合計100g)の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.11g
ベタイン−2 2.00g
トリエチレングリコール 2.00g
グリセリン 10.00g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.00g
2−ピロリドン 2.00g
サーフィノール(界面活性剤、日信化学工業(株)製) 1.00g
脱イオン水 残部
〔実施例4〕
(水溶液4の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し水溶液4を調製した。
水溶液4の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 10.0g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.3g
グリセリン 28.6g
ベタイン−3(下記構造のベタイン化合物) 5.7g
脱イオン水 残部
Figure 2018053190
(インクジェット記録用インク4の調製)
上記水溶液4に有機溶剤、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記水溶液4を脱イオン水で希釈し、インクジェット記録用インク4を調製した。
インクジェット記録用インク4(合計100g)の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.11g
ベタイン−3 2.00g
トリエチレングリコール 2.00g
グリセリン 10.00g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.00g
2−ピロリドン 2.00g
サーフィノール(界面活性剤、日信化学工業(株)製) 1.00g
脱イオン水 残部
〔実施例5〕
(水溶液5の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し水溶液5を調製した。
水溶液5の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 10.00g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.3g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 28.6g
脱イオン水 残部
(インクジェット記録用インク5の調製)
上記水溶液5に有機溶剤、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記水溶液5を脱イオン水で希釈し、インクジェット記録用インク5を調製した。
インクジェット記録用インク5(合計100g)の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.11g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.00g
グリセリン 10.00g
トリエチレングリコール 2.00g
2−ピロリドン 2.00g
サーフィノール(界面活性剤、日信化学工業(株)製) 1.00g
脱イオン水 残部
〔実施例6〕
(水溶液6の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し水溶液6を調製した。
水溶液6の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 10.0g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.3g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 28.6g
ベタイン−1 5.7g
脱イオン水 残部
(インクジェット記録用インク6の調製)
上記水溶液6に有機溶剤、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記水溶液6を脱イオン水で希釈し、インクジェット記録用インク6を調製した。
インクジェット記録用インク6(合計100g)の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.11g
ベタイン−1(上記構造のベタイン化合物) 2.00g
トリエチレングリコール 2.00g
グリセリン 10.00g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.00g
2−ピロリドン 2.00g
サーフィノール(界面活性剤、日信化学工業(株)製) 1.00g
脱イオン水 残部
〔実施例7〕
(水溶液7の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し水溶液7を調製した。
水溶液7の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 10.0g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.3g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 28.6g
ベタイン−2 5.7g
脱イオン水 残部
(インクジェット記録用インク7の調製)
上記水溶液7に有機溶剤、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記水溶液7を脱イオン水で希釈し、インクジェット記録用インク7を調製した。
インクジェット記録用インク7(合計100g)の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.11g
ベタイン−2(上記構造のベタイン化合物) 2.00g
トリエチレングリコール 2.00g
グリセリン 10.00g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.00g
2−ピロリドン 2.00g
サーフィノール(界面活性剤、日信化学工業(株)製) 1.00g
脱イオン水 残部
〔実施例8〕
(水溶液8の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し水溶液8を調製した。
水溶液8の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 10.0g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.3g
グリセリン 28.6g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 28.6g
脱イオン水 残部
(インクジェット記録用インク8の調製)
上記水溶液8に有機溶剤、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記水溶液8を脱イオン水で希釈し、インクジェット記録用インク8を調製した。
インクジェット記録用インク8(合計100g)の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.11g
トリエチレングリコール 2.00g
グリセリン 10.00g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.00g
2−ピロリドン 2.00g
サーフィノール(界面活性剤、日信化学工業(株)製) 1.00g
脱イオン水 残部
〔実施例9〕
(水溶液9の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し水溶液9を調製した。
水溶液9の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 10.0g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.3g
グリセリン 28.6g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 28.6g
ベタイン−1 5.7g
脱イオン水 残部
(インクジェット記録用インク9の調製)
上記水溶液9に有機溶剤、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記水溶液9を脱イオン水で希釈し、インクジェット記録用インク9を調製した。
インクジェット記録用インク9(合計100g)の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.11g
ベタイン−1 2.00g
トリエチレングリコール 2.00g
グリセリン 10.00g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.00g
2−ピロリドン 2.00g
サーフィノール(界面活性剤、日信化学工業(株)製) 1.00g
脱イオン水 残部
〔実施例10〕
(水溶液10の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し水溶液10を調製した。
水溶液10の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 10.0g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.3g
グリセリン 28.6g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 28.6g
ベタイン−2 5.7g
脱イオン水 残部
(インクジェット記録用インク10の調製)
上記水溶液10に有機溶剤、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記水溶液10を脱イオン水で希釈し、インクジェット記録用インク10を調製した。
インクジェット記録用インク10(合計100g)の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.11g
ベタイン−2 2.00g
トリエチレングリコール 2.00g
グリセリン 10.00g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.00g
2−ピロリドン 2.00g
サーフィノール(界面活性剤、日信化学工業(株)製) 1.00g
脱イオン水 残部
〔実施例11〜20〕
例示化合物(1−11)の代わりに、例示化合物(1−18)を用いた以外は、実施例1〜10と同様の操作により水溶液11〜20及びインクジェット記録用インク11〜20を調製した。
〔実施例21〜30〕
例示化合物(1−11)の代わりに、例示化合物(1−19)を用いた以外は、実施例1〜10と同様の操作により水溶液21〜30及びインクジェット記録用インク21〜30を調液した。
〔実施例31〜40〕
例示化合物(1−11)の代わりに、例示化合物(1−20)を用いた以外は、実施例1〜10と同様の操作により水溶液31〜40及びインクジェット記録用インク31〜40を調液した。
〔実施例41〜50〕
例示化合物(1−11)の代わりに、例示化合物(1−25)を用いた以外は、実施例1〜10と同様の操作により水溶液41〜50及びインクジェット記録用インク41〜50を調液した。
〔実施例51〜60〕
例示化合物(1−11)の代わりに、例示化合物(1−26)を用いた以外は、実施例1〜10と同様の操作により水溶液51〜60及びインクジェット記録用インク51〜60を調液した。
〔実施例61〜70〕
例示化合物(1−11)の代わりに、例示化合物(1−29)を用いた以外は、実施例1〜10と同様の操作により水溶液61〜70及びインクジェット記録用インク61〜70を調液した。
〔実施例71〜80〕
例示化合物(1−11)の代わりに、例示化合物(1−30)を用いた以外は、実施例1〜10と同様の操作により水溶液71〜80及びインクジェット記録用インク71〜80を調液した。
〔実施例81〜90〕
例示化合物(1−11)の代わりに、例示化合物(1−34)を用いた以外は、実施例1〜10と同様の操作により水溶液81〜90及びインクジェット記録用インク81〜90を調液した。
〔実施例91〜100〕
例示化合物(1−11)の代わりに、例示化合物(1−35)を用いた以外は、実施例1〜10と同様の操作により水溶液91〜100及びインクジェット記録用インク91〜100を調液した。
〔実施例101〜110〕
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの使用量0.3gを0.1gへ変更した以外は、実施例51〜60と同様の操作により水溶液101〜110及びインクジェット記録用インク101〜110を調液した。実施例101〜110の評価結果は、実施例51〜60と同様であった。
〔実施例111〜120〕
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの使用量0.3gを0.2gへ変更した以外は、実施例51〜60と同様の操作により水溶液111〜120及びインクジェット記録用インク111〜120を調液した。実施例111〜120の評価結果は、実施例51〜60と同様であった。
〔実施例121〜130〕
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの使用量0.3gを0.4gへ変更した以外は、実施例51〜60と同様の操作により水溶液121〜130及びインクジェット記録用インク121〜130を調液した。実施例121〜130の評価結果は、実施例51〜60と同様であった。
〔実施例131〜140〕
プロキセルXLIIの代わりに、プロキセルGXLを用いた以外は、実施例51〜60と同様の操作により水溶液131〜140及びインクジェット記録用インク131〜140を調液した。実施例131〜140の評価結果は、実施例51〜60と同様であった。
〔実施例141〜150〕
水溶液の調製におけるプロキセルXLII0.3gの代わりに、プロキセルXLII0.1g+プロキセルGXL0.1gを用いた以外は、実施例51〜60と同様の操作により水溶液141〜150及びインクジェット記録用インク141〜150を調液した。実施例141〜150の評価結果は、実施例51〜60と同様であった。
〔実施例151〜160〕
プロキセルXLIIの代わりに、フェノキシエタノールを用いた以外は、実施例51〜60と同様の操作により水溶液151〜160及びインクジェット記録用インク151〜160を調液した。実施例151〜160の評価結果は、実施例51〜60と同様であった。
〔実施例161〜170〕
プロキセルXLIIの代わりに、ペンチレングリコールを用いた以外は、実施例51〜60と同様の操作により水溶液161〜170及びインクジェット記録用インク161〜170を調液した。実施例161〜170の評価結果は、実施例51〜60と同様であった。
〔実施例171〜180〕
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの代わりに、フェノキシエタノール0.1g+ペンチレングリコール0.1gを用いた以外は、実施例51〜60と同様の操作により水溶液171〜180及びインクジェット記録用インク171〜180を調液した。実施例171〜180の評価結果は、実施例51〜60と同様であった。
〔実施例181〜190〕
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの使用量0.3gを0.1gへ変更した以外は、実施例71〜80と同様の操作により水溶液181〜190及びインクジェット記録用インク181〜190を調液した。実施例181〜190の評価結果は、実施例71〜80と同様であった。
〔実施例191〜200〕
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの使用量0.3gを0.3gへ変更した以外は、実施例71〜80と同様の操作により水溶液191〜200及びインクジェット記録用インク191〜200を調液した。実施例191〜200の評価結果は、実施例71〜80と同様であった。
〔実施例201〜210〕
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの使用量0.3gを0.4gへ変更した以外は、実施例71〜80と同様の操作により水溶液201〜210及びインクジェット記録用インク201〜210を調液した。実施例201〜210の評価結果は、実施例71〜80と同様であった。
〔実施例211〜220〕
プロキセルXLIIの代わりに、プロキセルGXLを用いた以外は、実施例71〜80と同様の操作により水溶液211〜220及びインクジェット記録用インク211〜220を調液した。実施例211〜220の評価結果は、実施例71〜80と同様であった。
〔実施例221〜230〕
水溶液の調製におけるプロキセルXLII0.3gの代わりに、プロキセルXLII0.1g+プロキセルGXL0.1gを用いた以外は、実施例71〜80と同様の操作により水溶液221〜230及びインクジェット記録用インク221〜230を調液した。実施例221〜230の評価結果は、実施例71〜80と同様であった。
〔実施例231〜240〕
プロキセルXLIIの代わりに、フェノキシエタノールを用いた以外は、実施例71〜80と同様の操作により水溶液231〜240及びインクジェット記録用インク231〜240を調液した。実施例231〜240の評価結果は、実施例71〜80と同様であった。
〔実施例241〜250〕
プロキセルXLIIの代わりに、ペンチレングリコールを用いた以外は、実施例71〜80と同様の操作により水溶液241〜250及びインクジェット記録用インク241〜250を調液した。実施例241〜250の評価結果は、実施例71〜80と同様であった。
〔実施例251〜260〕
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの代わりに、フェノキシエタノール0.1g+ペンチレングリコール0.1gを用いた以外は、実施例71〜80と同様の操作により水溶液251〜260及びインクジェット記録用インク251〜260を調液した。実施例251〜260の評価結果は、実施例71〜80と同様であった。
なお、実施例181〜260の評価結果の下記表への記載は省略した。
水混和性有機溶剤として用いた、グリセリンおよび/またはトリエチレングリコールモノブチルエーテルを添加しない以外は、実施例1〜10と同様の操作により比較水溶液1〜10及び比較インクジェット記録用インク1〜10を調液した。具体的には以下のようにして比較例1〜10の比較水溶液1〜10及び比較インクジェット記録用インク1〜10を調液した。
〔比較例1〕
(比較水溶液1の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し比較水溶液1を調製した。
比較水溶液1の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 10.00g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.3g
脱イオン水 残部
(比較インクジェット記録用インク1の調製)
上記比較水溶液1に有機溶剤、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記比較水溶液1を脱イオン水で希釈し、比較インクジェット記録用インク1を調製した。
比較インクジェット記録用インク1(合計100g)の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.11g
トリエチレングリコール 2.00g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.00g
2−ピロリドン 2.00g
サーフィノール(界面活性剤、日信化学工業(株)製) 1.00g
脱イオン水 残部
〔比較例2〕
(比較水溶液2の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し比較水溶液2を調製した。
比較水溶液2の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 10.0g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.3g
ベタイン−1 5.7g
脱イオン水 残部
(比較インクジェット記録用インク2の調製)
上記比較水溶液2に有機溶剤、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記比較水溶液2を脱イオン水で希釈し、比較インクジェット記録用インク2を調製した。
比較インクジェット記録用インク2(合計100g)の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.11g
ベタイン−1 2.00g
トリエチレングリコール 2.00g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.00g
2−ピロリドン 2.00g
サーフィノール(界面活性剤、日信化学工業(株)製) 1.00g
脱イオン水 残部
〔比較例3〕
(比較水溶液3の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し比較水溶液3を調製した。
比較水溶液3の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 10.0g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.3g
ベタイン−2 5.7g
脱イオン水 残部
(比較インクジェット記録用インク3の調製)
上記比較水溶液3に有機溶剤、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記比較水溶液3を脱イオン水で希釈し、比較インクジェット記録用インク3を調製した。
比較インクジェット記録用インク3(合計100g)の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.11g
ベタイン−2 2.00g
トリエチレングリコール 2.00g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.00g
2−ピロリドン 2.00g
サーフィノール(界面活性剤、日信化学工業(株)製) 1.00g
脱イオン水 残部
〔比較例4〕
(比較水溶液4の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し比較水溶液4を調製した。
比較水溶液4の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 10.0g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.3g
ベタイン−3 5.7g
脱イオン水 残部
(比較インクジェット記録用インク4の調製)
上記比較水溶液4に有機溶剤、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記比較水溶液4を脱イオン水で希釈し、比較インクジェット記録用インク4を調製した。
比較インクジェット記録用インク4(合計100g)の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.11g
ベタイン−3 2.00g
トリエチレングリコール 2.00g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.00g
2−ピロリドン 2.00g
サーフィノール(界面活性剤、日信化学工業(株)製) 1.00g
脱イオン水 残部
〔比較例5〕
(比較水溶液5の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し比較水溶液5を調製した。
比較水溶液5の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 10.00g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.3g
脱イオン水 残部
(インクジェット記録用インク5の調製)
上記比較水溶液5に有機溶剤、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記比較水溶液5を脱イオン水で希釈し、比較インクジェット記録用インク5を調製した。
インクジェット記録用インク5(合計100g)の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.11g
グリセリン 10.00g
トリエチレングリコール 2.00g
2−ピロリドン 2.00g
サーフィノール(界面活性剤、日信化学工業(株)製) 1.00g
脱イオン水 残部
〔比較例6〕
(比較水溶液6の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し比較水溶液6を調製した。
比較水溶液6の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 10.0g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.3g
ベタイン−1 5.7g
脱イオン水 残部
(比較インクジェット記録用インク6の調製)
上記比較水溶液6に有機溶剤、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記比較水溶液6を脱イオン水で希釈し、比較インクジェット記録用インク6を調製した。
比較インクジェット記録用インク6(合計100g)の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.11g
ベタイン−1(上記構造のベタイン化合物) 2.00g
トリエチレングリコール 2.00g
グリセリン 10.00g
2−ピロリドン 2.00g
サーフィノール(界面活性剤、日信化学工業(株)製) 1.00g
脱イオン水 残部
〔比較例7〕
(比較水溶液7の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し比較水溶液7を調製した。
比較水溶液7の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 10.0g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.3g
ベタイン−2 5.7g
脱イオン水 残部
(比較インクジェット記録用インク7の調製)
上記比較水溶液7に有機溶剤、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記比較水溶液7を脱イオン水で希釈し、比較インクジェット記録用インク7を調製した。
比較インクジェット記録用インク7(合計100g)の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.11g
ベタイン−2(上記構造のベタイン化合物) 2.00g
トリエチレングリコール 2.00g
グリセリン 10.00g
2−ピロリドン 2.00g
サーフィノール(界面活性剤、日信化学工業(株)製) 1.00g
脱イオン水 残部
〔比較例8〕
(比較水溶液8の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し比較水溶液8を調製した。
比較水溶液8の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 10.0g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.3g
脱イオン水 残部
(比較インクジェット記録用インク8の調製)
上記比較水溶液8に有機溶剤、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記比較水溶液8を脱イオン水で希釈し、比較インクジェット記録用インク8を調製した。
比較インクジェット記録用インク8(合計100g)の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.11g
トリエチレングリコール 2.00g
2−ピロリドン 2.00g
サーフィノール(界面活性剤、日信化学工業(株)製) 1.00g
脱イオン水 残部
〔比較例9〕
(比較水溶液9の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し比較水溶液9を調製した。
比較水溶液9の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 10.0g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.3g
ベタイン−1 5.7g
脱イオン水 残部
(比較インクジェット記録用インク9の調製)
上記比較水溶液9に有機溶剤、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記比較水溶液9を脱イオン水で希釈し、比較インクジェット記録用インク9を調製した。
比較インクジェット記録用インク9(合計100g)の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.11g
ベタイン−1 2.00g
トリエチレングリコール 2.00g
2−ピロリドン 2.00g
サーフィノール(界面活性剤、日信化学工業(株)製) 1.00g
脱イオン水 残部
〔比較例10〕
(比較水溶液10の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し比較水溶液10を調製した。
比較水溶液10の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 10.0g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.3g
ベタイン−2 5.7g
脱イオン水 残部
(比較インクジェット記録用インク10の調製)
上記比較水溶液10に有機溶剤、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記比較水溶液10を脱イオン水で希釈し、比較インクジェット記録用インク10を調製した。
比較インクジェット記録用インク10(合計100g)の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、LONZA(株)製) 0.11g
ベタイン−2 2.00g
トリエチレングリコール 2.00g
2−ピロリドン 2.00g
サーフィノール(界面活性剤、日信化学工業(株)製) 1.00g
脱イオン水 残部
〔比較例11〜20〕
例示化合物(1−11)の代わりに、比較化合物(1)を用いた以外は、実施例1〜10と同様の操作により比較水溶液11〜20及び比較インクジェット記録用インク11〜20を調液した。
〔比較例21〜30〕
例示化合物(1−11)の代わりに、比較化合物(2)を用いた以外は、実施例1〜10と同様の操作により比較水溶液21〜30及び比較インクジェット記録用インク21〜30を調液した。
〔比較例31〜40〕
例示化合物(1−11)の代わりに、比較化合物(3)を用いた以外は、実施例1〜10と同様の操作により比較水溶液31〜40及び比較インクジェット記録用インク31〜40を調液した。
〔比較例41〜50〕
例示化合物(1−11)の代わりに、比較化合物(4)を用いた以外は、実施例1〜10と同様の操作により比較水溶液41〜50及び比較インクジェット記録用インク41〜50を調液した。
〔比較例51〜60〕
例示化合物(1−11)の代わりに、比較化合物(5)を用いた以外は、実施例1〜10と同様の操作により比較水溶液51〜60及び比較インクジェット記録用インク51〜60を調液した。
Figure 2018053190

(防腐性)
日水製薬(株)製の細菌検査用フードスタンプ(生菌数用及び真菌用)のキャップをとり、寒天培地面に充分な実施例及び比較例の水溶液を塗布した。キャップをしないまま10時間放置することにより、菌の付着を促した。その後でキャップをし、生菌数用フードスタンプについては36℃の恒温槽中で2日間、真菌用フードスタンプについては23℃の恒温槽中で5日間、培養した。目視観察により、以下の基準にて評価を行った。結果を表1〜7に示した。
A・・・黴の発生なし
B・・・黴の発生あり
また実施例及び比較例のインクジェット記録用インクについても、同様に防腐性を評価したところ、それぞれ水溶液と同じ結果であった。
(水溶液及び比較水溶液の貯蔵安定性)
実施例及び比較例の水溶液に関して、(1)60℃、3日間、(2)−10℃、3日間、(1)⇒(2)条件のサイクル試験を3回繰り返して水溶液の貯蔵安定性の試験を行い、下記判定基準により評価した。
目視及び0.2μmのろ過にて溶解状態を保っているものをA、染料の析出又は液分離等、水溶液の状態に変化が起きたものをBの2段階で評価した。
(画像記録及び評価)
実施例及び比較例のインクジェット記録用インクについて下記評価を行った。
なお、各評価は、各インクジェット記録用インクをインクカートリッジに装填し、インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製;PM−700C)で写真用紙(エプソン(株)製写真紙<光沢>)に画像を記録した後で評価したものである。
<色相>
印画したサンプルを目視で観測し、純色のマゼンタである場合をA、やや赤みがかった赤色に近いマゼンタをB、明らかに赤紫色の場合をCの三段階で評価した。
<彩度>
印画物の彩度(C)を、色特性に測定に基づき、下記式によって算出した。印加電圧50%における印画画像部分について、反射濃度計(商品名 X−Rite 310TR、Xrite社製)を用いて、CIE L表色系(国際照明委員会規格(1976年)/又はJIS規格Z8781−4:2013)における明度Lと色度a及びbを測定し、得られた値から下記算出式に基づいて彩度(C)を求め、評価を行い、下記判定基準により評価した。
Figure 2018053190
A: Cが90以上の場合
B: Cが80以上90未満の場合
C: Cが80未満の場合
<印画濃度>
インクジェットプリンター(商品名PM−700C、セイコーエプソン株式会社製)を使用し、上記に示したインクジェット記録用インクを用いて、インクジェット専用記録媒体{写真用紙<光沢>(商品名、セイコーエプソン株式会社製)}にマゼンタ(Magenta)色のOD(Optical Density)値が0.1〜2.0の範囲で階段状に濃度が変化した単色の画像パターンを印字させた。
写真用紙に印画濃度(ODmax)における反射濃度を画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、印画濃度が2.0以上の場合をA、1.8以上2.0未満の場合をB、1.8未満の場合をCとして、三段階で評価した。
<耐光性>
記録した直後の画像濃度Ciを測定した後、ウェザーメーター(アトラスC.165)を用いて、画像にキセノン光(10万ルクス)を28日間照射した後、再び画像濃度Cf1を測定し、キセノン光照射前後の画像濃度から色素残存率を算出し評価した。画像濃度は反射濃度計(商品名 X−Rite 310TR、Xrite社製)を用いて測定した。色素残存率は、初期の画像濃度が1.0±0.2の画像部分を用いて測定した。
次式より色素残存率を求め、下記判定基準により評価した。
色素残存率(%)=(Cf1/Ci)×100
A: 色素残存率が90%以上の場合
B: 色素残存率が80%以上90%未満の場合
C: 色素残存率が80%未満の場合
<耐オゾン性>
シーメンス型オゾナイザーの二重ガラス管内に乾燥空気を通しながら、5kV交流電圧を印加し、これを用いてオゾンガス濃度が5±0.1ppm、室温、暗所に設定されたボックス内に、画像を形成したフォト光沢紙を3日間放置し、オゾンガス下放置後の画像濃度を反射濃度計(商品名 X−Rite 310TR、Xrite社製)を用いて測定し、初期の画像濃度Ciとオゾンガス下放置後の画像濃度Cf2から色素残存率を算出し評価した。なお、色素残存率は、初期の画像濃度が1.0±0.2の画像部分を用いて測定した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
次式より色素残存率を求め、下記判定基準により評価した。
色素残存率(%)=(Cf2/Ci)×100
A: 色素残存率が85%以上の場合
B: 色素残存率が80%以上85%未満の場合
C: 色素残存率が80%未満の場合
<耐湿性>
高湿条件下での画像のにじみについては、マゼンタの1mm×1mmの正方形を、正方形同士の間に0.5mmの白地隙間が形成されるように配置した、3cm×3cmの印字パターンを作製し、この画像サンプルを45℃相対湿度80%の条件下、7日間保存後に白地隙間におけるマゼンタ染料のにじみを観察した。
具体的には、上記高湿条件に晒す前と晒した後の印刷物のOD値を、反射濃度計(「Spectrilino」(商品名:Gretag社製)を用いて測定し、印字直後に対する白地のマゼンタ濃度増加がステータスAのグリーンフィルターにおいて、0.02未満の場合をA、0.02以上0.05未満の場合をB、0.05以上0.10未満の場合をC、0.10以上の場合をDとした。
<吐出安定性>
実施例及び比較例のインクジェット記録用インクをインクジェット記録装置(商品名:商品名PM−700C、セイコーエプソン株式会社製)用のインクカートリッジに充填し、カートリッジをインクジェット記録装置にセットし全ノズルからのインクの吐出を確認した後、A4の紙100枚に出力した。
そして、実施例及び比較例の水溶液を40℃、相対湿度80%の条件下、2週間保存(「強制保存試験」ともいう)後に、それぞれの水溶液を用いてインクジェット記録用インクを調液し、再び上記実験を行い、強制保存試験に供す前(調液直後)の水溶液を用いて調液したインクジェット記録用インクのインク吐出性との差異が在るか否かを評価した。
強制保存試験前後で、以下の基準で差異を評価した。
A:強制保存試験前後で印字の乱れに差異が見られなかった。
B:強制保存試験前後で印字の乱れに差異が見られた。
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上記結果から明らかなように、本発明の水溶液及びインクジェット記録用インクは、長期保存した際の貯蔵安定性、並びに長期保存後に上記染料水溶液を用いて調製した水性インクの印画品質、及び吐出安定性に優れる。
染料として使用した化合物の25℃における、グリセリンに対する溶解度とトリエチレングリコールモノブチルエーテルに対する溶解度を以下に示す。
Figure 2018053190

Claims (18)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物と、水混和性有機溶剤とを含む水溶液であって、
    前記水混和性有機溶剤に対する前記一般式(1)で表される化合物の溶解度が25℃において30(g/100g溶剤)以下であり、
    前記一般式(1)で表される化合物の含有量が前記水溶液全量に対して5〜25質量%である、水溶液。
    Figure 2018053190

    一般式(1)中、R、R、R及びR10は各々独立にアルキル基を表す。R、R、R17、R18、R19及びR20は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R、R、R及びRは各々独立に水素原子、アルキル基又は下記一般式(A)で表される置換基を表し、R、R、R及びRのうち少なくとも1つは下記一般式(A)で表される置換基を表す。Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。
    Figure 2018053190

    一般式(A)中、Xは下記一般式(X1)、一般式(X2)又は一般式(X3)で表される置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
    Figure 2018053190

    一般式(X1)中、R401、R402、R403、R404及びR405は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R401、R402、R403、R404及びR405は下記条件(i)又は(ii)を満たす。*は硫黄原子に結合する結合手を表す。
    条件(i):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
    条件(ii):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
    Figure 2018053190

    一般式(X2)中、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507は下記条件(iii)又は(iv)を満たす。*は硫黄原子に結合する結合手を表す。
    条件(iii):R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
    条件(iv):R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
    Figure 2018053190

    一般式(X3)中、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607は下記条件(v)又は(vi)を満たす。*は硫黄原子に結合する結合手を表す。
    条件(v):R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
    条件(vi):R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
  2. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1に記載の水溶液。
    Figure 2018053190

    一般式(2)中、R、R、R及びR10は各々独立にアルキル基を表す。R、R、R17、R18、R19及びR20は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R及びRは各々独立に水素原子又はアルキル基を表す。R401、R402、R403、R404及びR405は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R401、R402、R403、R404及びR405は下記条件(i−1)又は(ii−1)を満たす。R406、R407、R408、R409及びR410は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R406、R407、R408、R409及びR410は下記条件(i−2)又は(ii−2)を満たす。Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。
    条件(i−1):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
    条件(ii−1):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
    条件(i−2):R406、R407、R408、R409及びR410のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
    条件(ii−2):R406、R407、R408、R409及びR410のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
  3. 前記一般式(2)中のR401、R402、R403、R404及びR405が前記条件(ii−1)を満たし、R406、R407、R408、R409及びR410が前記条件(ii−2)を満たす請求項2に記載の水溶液。
  4. 前記一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(2’)で表される化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の水溶液。
    Figure 2018053190

    一般式(2’)中、R401及びR406はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、又はメチル基を表す。Mは水素原子、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、又はアンモニウムイオンを表す。
  5. 前記一般式(2’)におけるR401及びR406がヒドロキシル基である請求項4に記載の水溶液。
  6. 前記水混和性有機溶剤の総含有量が、前記水溶液全量に対して1〜70質量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の水溶液。
  7. 前記水混和性有機溶剤が多価アルコール類を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の水溶液。
  8. 前記水混和性有機溶剤がグリセリンを含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の水溶液。
  9. 前記グリセリンの含有量が前記水溶液全量に対して5〜30質量%である請求項8に記載の水溶液。
  10. 前記水混和性有機溶剤が、更にグリコール誘導体を含む請求項7〜9のいずれか1項に記載の水溶液。
  11. 更に、防腐剤としてチアゾール系化合物又はベンゾトリアゾール系化合物を含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の水溶液。
  12. 前記防腐剤の含有量が、前記水溶液全量に対して0.01〜0.5質量%である請求項11に記載の水溶液。
  13. 更に、ベタイン化合物を含む請求項1〜12のいずれか1項に記載の水溶液。
  14. 前記ベタイン化合物の含有量が、前記水溶液全量に対して1〜10質量%である請求項13に記載の水溶液。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の水溶液を用いた着色組成物。
  16. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の水溶液、又は請求項15に記載の着色組成物を用いたインクジェット記録用インク。
  17. 請求項16に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成するインクジェット記録方法。
  18. 請求項16に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェット記録用インクカートリッジ。
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