JP2018162365A - 着色組成物、インク、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、及びインクジェットプリンタカートリッジ - Google Patents

着色組成物、インク、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、及びインクジェットプリンタカートリッジ Download PDF

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一成 八木
貴志 齊藤
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貴志 齊藤
勇太 ▲高▼▲崎▼
勇太 ▲高▼▲崎▼
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Abstract

【課題】高濃度なコンクインクを提供でき、インクの貯蔵安定性、耐光性、耐オゾン性、及び耐湿性を向上させることができる着色組成物等を提供する。
【解決手段】特定のスルホフタレイン化合物の質量基準の含有量Wと、式(2)で表される化合物の質量基準の含有量Wとの比であるW/Wが2.33以上10000以下である着色組成物。更に、着色組成物を含むインク、及びインクジェット記録用インク、これを用いるインクジェット記録方法、並びに、これを充填したインクジェットプリンタカートリッジ。
Figure 2018162365

(M201はアルカリ金属原子又は水素原子を表す。R201、R202、R203、R204及びR205は各々独立に水素原子又は置換基を表す)
【選択図】なし

Description

本発明は、着色組成物、インク、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、及びインクジェットプリンタカートリッジに関する。
インクジェット記録方法は、周知のごとくインクジェット記録用インクの小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う方法である。この印刷方法は、安価な装置で高解像度、高品位な画像を高速かつ簡便に印刷をする事ができ、特にカラー印刷においては、近年写真に代わりうる画像形成方法として技術開発が行われている。
たとえば、特許文献1には、特定の構造を有するキサンテン誘導体を染料として用いたインクジェット記録用インクが記載されている。
国際公開第2017/006939号
近年では、インクジェット記録方法により得られる画像について、今まで以上に高いレベルの性能を達成することが要求されており、具体的には、光、オゾン、及び湿度等に対する画像堅牢性の更なる向上が求められている。
また、インクジェット記録方法においては、インクジェットプリンターの記録ヘッドのノズルからインクジェット記録用インクを記録媒体へ吐出させる工程があり、実用を考えると、インクジェット記録用インクを長期間貯蔵した後も、問題なく吐出できることが望ましい。すなわちインクジェット記録用インクは貯蔵安定性に優れることが望ましい。
また、インクジェット記録用インクは、高濃度の染料水溶液(コンクインク)を水などで適宜薄めて調製される場合があるが、コンクインクは、保管場所削減、輸送費用削減の観点から、より染料の濃度を高濃度化できること(すなわち、水性インクの場合は、染料の水に対する溶解度を向上できること)が望ましい。
本発明の目的は、高濃度なコンクインクを提供でき、インクの貯蔵安定性、並びに、耐光性、耐オゾン性、及び耐湿性を向上させることができる着色組成物、上記着色組成物を含むインク、及びインクジェット記録用インク、上記インクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法、並びに上記インクジェット記録用インクを充填したインクジェットプリンタカートリッジを提供することにある。
本発明者らは、上記課題の解決のために鋭意検討し、一般式(1)で表される化合物と、一般式(2)で表される化合物とを特定の質量比で含有する着色組成物により、上記課題を解決できることを見出した。一般式(1)で表される化合物は、キサンテン骨格に由来する高い印画濃度を特長とし、分子に導入したスルホ基とカルボキシル基の効果によって、高い画像堅牢性(耐光性、耐オゾン性、及び耐湿性)を有している。また、一般式(2)で表される化合物を添加することにより、高い画像堅牢性を維持したまま、一般式(1)で表される化合物の水への溶解度、及びインクの貯蔵安定性が大きく向上することが分かった。
本発明により上記課題が解決できるメカニズムの詳細は不明であるが、以下のように推測している。
インク中の一般式(1)で表される化合物(染料)の結晶析出のメカニズムは、一般式(1)で表される化合物の複数の凝集体が成長することで、凝集体が結晶核へと成長して結晶析出すると考えている。インク中に、一般式(1)で表される化合物に加えて、一般式(1)で表される化合物の一般式(A1)で表される置換基のR131、R132、R133、R134及びR135が置換したベンゼン環と近しい化学構造を有する、一般式(2)で表される化合物が存在することで、染料の凝集成長過程を阻害していると推測している。
本発明は以下の通りである。
[1]
下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物とを含有し、下記一般式(1)で表される化合物の質量基準の含有量Wと、下記一般式(2)で表される化合物の質量基準の含有量Wとの比であるW/Wが2.33以上10000以下である、着色組成物。
Figure 2018162365
一般式(1)中、R101、R105、R106及びR110は各々独立に置換基を有していても良いアルキル基を表す。R104、R109、R111、R112、R113、R114、R115、R116、R117、R118、R119及びR120は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R104、R109、R112及びR115のうち少なくとも2つはイオン性親水性基を表す。R102、R103、R107及びR108は各々独立に水素原子、置換基を有していても良いアルキル基又は下記一般式(A1)で表される置換基を表す。ただし、R102、R103、R107及びR108のうち少なくとも2つは下記一般式(A1)で表される置換基を表す。
Figure 2018162365
一般式(A1)中、R131、R132、R133、R134及びR135は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R131、R132、R133、R134及びR135は下記条件(i)又は(ii)を満たす。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
条件(i):R131、R132、R133、R134及びR135のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii):R131、R132、R133、R134及びR135のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
Figure 2018162365
一般式(2)中、M201はアルカリ金属原子又は水素原子を表す。R201、R202、R203、R204及びR205は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R201、R202、R203、R204及びR205は下記条件(2−i)又は(2−ii)を満たす。
条件(2−i):R201、R202、R203、R204及びR205のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(2−ii):R201、R202、R203、R204及びR205のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
[2]
上記一般式(A1)中のR131と上記一般式(2)中のR201とが同じであり、
上記一般式(A1)中のR132と上記一般式(2)中のR202とが同じであり、
上記一般式(A1)中のR133と上記一般式(2)中のR203とが同じであり、
上記一般式(A1)中のR134と上記一般式(2)中のR204とが同じであり、かつ
上記一般式(A1)中のR135と上記一般式(2)中のR205とが同じである、
[1]に記載の着色組成物。
[3]
上記一般式(1)中のR104、R109、R112及びR115のうち2つが表すイオン性親水性基がスルホ基である[1]又は[2]に記載の着色組成物。
[4]
上記W/Wが9以上10000以下である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の着色組成物。
[5]
上記一般式(A1)中のR131、R132、R133、R134及びR135が、上記条件(i)を満たす[1]〜[4]のいずれか1項に記載の着色組成物。
[6]
[1]〜[5]のいずれか1項に記載の着色組成物を含むインク。
[7]
[1]〜[5]のいずれか1項に記載の着色組成物を含むインクジェット記録用インク。
[8]
[7]に記載のインクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法。
[9]
[7]に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェットプリンタカートリッジ。
本発明によれば、高濃度なコンクインクを提供でき、インクの貯蔵安定性、並びに、耐光性、耐オゾン性、及び耐湿性を向上させることができる着色組成物、上記着色組成物を含むインク、及びインクジェット記録用インク、上記インクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法、並びに上記インクジェット記録用インクを充填したインクジェットプリンタカートリッジを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明における置換基の具体例を、置換基群Aとして定義する。
(置換基群A)
ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基が例として挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。
アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、置換若しくは無置換のアラルキル基が挙げられ、置換若しくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。例えばベンジル基及び2−フェネチル基を挙げられる。
アルケニル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を包含する。
アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。非芳香族のヘテロ環基の例としては、モルホリニル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
シリルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から20の置換若しくは無置換のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
ヘテロ環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、トリアジニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
ヘテロ環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルフィニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、炭素数6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
アリール又はヘテロ環アゾ基としては、好ましくは炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換若しくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基等が挙げられる。
イミド基としては、好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
シリル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられる。
イオン性親水性基としては、スルホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基、4級アンモニウム基などが挙げられる。特に好ましくはスルホ基、カルボキシル基である。またイオン性親水性基はカチオン又はアニオンを含んでいてもよく、カチオン又はアニオンを含む状態を塩の状態と呼ぶ。カルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対カチオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、ナトリウム塩又はナトリウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、ナトリウム塩が最も好ましい。
なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、水溶性インク中では塩はイオンに解離して存在している。
〔一般式(1)で表される化合物〕
下記一般式(1)で表される化合物について説明する。
Figure 2018162365
一般式(1)中、R101、R105、R106及びR110は各々独立に置換基を有していても良いアルキル基を表す。R104、R109、R111、R112、R113、R114、R115、R116、R117、R118、R119及びR120は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R104、R109、R112及びR115のうち少なくとも2つはイオン性親水性基を表す。R102、R103、R107及びR108は各々独立に水素原子、置換基を有していても良いアルキル基又は下記一般式(A1)で表される置換基を表す。ただし、R102、R103、R107及びR108のうち少なくとも2つは下記一般式(A1)で表される置換基を表す。
Figure 2018162365
一般式(A1)中、R131、R132、R133、R134及びR135は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R131、R132、R133、R134及びR135は下記条件(i)又は(ii)を満たす。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
条件(i):R131、R132、R133、R134及びR135のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii):R131、R132、R133、R134及びR135のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
一般式(1)中、R111、R113、R114、R116、R117、R118、R119及びR120は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R111、R113、R114、R116、R117、R118、R119及びR120が置換基を表す場合、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
111、R113、R114、R116、R117、R118、R119及びR120は水素原子を表すことが好ましい。
一般式(1)中、R101、R105、R106及びR110は各々独立に置換基を有していても良いアルキル基を表す。R101、R105、R106及びR110が表すアルキル基としては、原材料の入手性と合成の容易性の観点から、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基またはエチル基が更に好ましい。また、R101、R105、R106及びR110が表すアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
一般式(1)中、R104、R109、R112及びR115は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R104、R109、R112及びR115が置換基を表す場合の置換基としては、アルキル基又はイオン性親水性基が好ましい。
アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基又はエチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
イオン性親水性基としては、カルボキシル基、スルホ基又はホスホノ基が好ましく、カルボキシル基又はスルホ基がより好ましく、スルホ基が更に好ましい。イオン性親水性基は塩の状態であってもよく、塩の状態である場合は、対カチオンとしては、アルカリ金属カチオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオン)、アンモニウムイオンなどが好ましく挙げられるが、合成の容易性(染料粉末としての取り扱いの容易さ)の観点からアルカリ金属カチオンであることが好ましい。
ただし、R104、R109、R112及びR115のうち少なくとも2つはイオン性親水性基を表す。R104、R109、R112及びR115のうち2つのみがイオン性親水性基を表し、他の2つはイオン性親水性基を表さないことが好ましい。
112及びR115がイオン性親水性基を表し、かつR104及びR109が水素原子を表す場合、又は、R104及びR109がイオン性親水性基を表し、かつR112及びR115が水素原子を表す場合が好ましく、R112及びR115がイオン性親水性基を表し、かつR104及びR109が水素原子を表す場合がより好ましい。
104及びR109は、各々独立に水素原子、スルホ基又はカルボキシル基を表すことが好ましく、水素原子又はスルホ基を表すことがより好ましい。
112及びR115は、各々独立に水素原子、スルホ基又はカルボキシル基を表すことが好ましく、水素原子又はスルホ基を表すことがより好ましい。
一般式(1)中、R102、R103、R107及びR108は各々独立に水素原子、置換基を有していても良いアルキル基又は一般式(A1)で表される置換基を表す。
102、R103、R107及びR108がアルキル基を表す場合、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基またはエチル基が更に好ましい。また、R102、R103、R107及びR108がアルキル基を表す場合、このアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
ただし、R102、R103、R107及びR108のうち少なくとも2つは一般式(A1)で表される置換基を表す。R102、R103、R107及びR108のうち2つのみが一般式(A1)で表される置換基を表し、他の2つは一般式(A1)で表される置換基を表さないことが好ましい。
102及びR107が各々独立に一般式(A1)で表される置換基を表し、かつR103及びR108がアルキル基を表す場合、又は、R103及びR108が各々独立に一般式(A1)で表される置換基を表し、かつR102及びR107がアルキル基を表す場合が好ましく、R102及びR107が各々独立に一般式(A1)で表される置換基を表し、かつR103及びR108がアルキル基を表す場合がより好ましい。
一般式(A1)中、R131、R132、R133、R134及びR135は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R131、R132、R133、R134及びR135は下記条件(i)又は(ii)を満たす。
条件(i):R131、R132、R133、R134及びR135のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii):R131、R132、R133、R134及びR135のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
なお、一般式(A1)におけるカルボキシル基は塩の状態であっても良く、その場合の対カチオンとしては、アルカリ金属カチオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオン)、アンモニウムイオンなどが挙げられるが、アルカリ金属カチオンであることが好ましい。
一般式(A1)中、R131、R132、R133、R134及びR135は上記条件(i)を満たすことが好ましい。すなわち、R131、R132、R133、R134及びR135のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表すことが好ましい。
131、R132、R133、R134及びR135のうちヒドロキシル基の数は、1〜3個が好ましく、1〜2個がより好ましく、1個が更に好ましい。カルボキシル基の数は1〜3個がより好ましく、1〜2個が更に好ましい。
133がヒドロキシル基を表し、かつR132がカルボキシル基を表す場合、又は、R131がヒドロキシル基を表し、かつR132がカルボキシル基を表す場合が好ましく、R131がヒドロキシル基を表し、かつR132がカルボキシル基を表す場合がより好ましい。
131、R132、R133、R134及びR135が置換基を表す場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、アルキル基又はアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基が更に好ましく、メチル基又はメトキシ基が特に好ましい。また、R131、R132、R133、R134及びR135が置換基を表す場合の置換基としては、上記とは別の態様として、カルボキシル基、塩素原子、ニトロ基、又はトリフルオロメチル基が挙げられ、カルボキシル基、塩素原子、又はニトロ基がより好ましく、カルボキシル基が更に好ましい。特に、R131がヒドロキシル基を表し、かつR132がカルボキシル基を表す場合に、R134が上記した置換基(カルボキシル基、塩素原子、ニトロ基、又はトリフルオロメチル基)であることが好ましい。
一般式(A1)中、R131、R132、R133、R134及びR135が上記条件(ii)を満たす場合は、R132及びR134がカルボキシル基を表すことが好ましい。
一般式(A1)で表される基の具体例を以下に示すが、これらに限定されない。下記具体的化合物の構造式中、Meはメチル基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
Figure 2018162365
上記一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(S−1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2018162365
一般式(S−1)中、R101、R105、R106及びR110は各々独立に置換基を有していても良いアルキル基を表す。R104、R109、R111、R112、R113、R114、R115、R116、R117、R118、R119及びR120は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R104、R109、R112及びR115のうち少なくとも2つはイオン性親水性基を表す。R103及びR108は各々独立に水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基を表す。R131、R132、R133、R134及びR135は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R131、R132、R133、R134及びR135は下記条件(i−1)又は(ii−1)を満たす。R136、R137、R138、R139及びR140は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R136、R137、R138、R139及びR140は下記条件(i−2)又は(ii−2)を満たす。
条件(i−1):R131、R132、R133、R134及びR135のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii−1):R131、R132、R133、R134及びR135のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
条件(i−2):R136、R137、R138、R139及びR140のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii−2):R136、R137、R138、R139及びR140のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
一般式(S−1)中のR101、R104、R105、R106、R109、R110、R111、R112、R113、R114、R115、R116、R117、R118、R119及びR120は各々一般式(1)中のR101、R104、R105、R106、R109、R110、R111、R112、R113、R114、R115、R116、R117、R118、R119及びR120と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(S−1)中のR103及びR108は各々独立に水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基を表し、置換基を有していても良いアルキル基を表すことが好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基またはエチル基が更に好ましい。また、アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
一般式(S−1)中のR131、R132、R133、R134及びR135は、上記条件(i−1)を満たすことが好ましい。すなわち、R131、R132、R133、R134及びR135のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表すことが好ましい。R131、R132、R133、R134及びR135の好ましい範囲は、各々一般式(A1)中のR131、R132、R133、R134及びR135と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(S−1)中のR136、R137、R138、R139及びR140は、上記条件(i−2)を満たすことが好ましい。すなわち、R136、R137、R138、R139及びR140のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表すことが好ましい。R136、R137、R138、R139及びR140の好ましい範囲は、各々一般式(S−1)中のR131、R132、R133、R134及びR135と同様である。
以下に一般式(1)で表される化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるわけではない。下記具体的化合物の構造式中、Meはメチル基を表す。
Figure 2018162365
Figure 2018162365
なお一般式(1)で表される化合物は公知の方法(例えば、国際公開第2017/006939号に記載の方法)を参照して合成することができる。
本発明の着色組成物は、一般式(1)で表される化合物を1種のみ含有しても良いし、2種以上含有しても良い。
〔一般式(2)で表される化合物〕
下記一般式(2)で表される化合物について説明する。
Figure 2018162365
一般式(2)中、M201はアルカリ金属原子又は水素原子を表す。R201、R202、R203、R204及びR205は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R201、R202、R203、R204及びR205は下記条件(2−i)又は(2−ii)を満たす。
条件(2−i):R201、R202、R203、R204及びR205のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(2−ii):R201、R202、R203、R204及びR205のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
一般式(2)中のR201、R202、R203、R204及びR205は、各々一般式(A1)中のR131、R132、R133、R134及びR135と同義であり、好ましい範囲も同様である。したがって、一般式(2)中のR201、R202、R203、R204及びR205は上記条件(2−i)を満たすことが好ましい。
一般式(2)中のM201がアルカリ金属原子を表す場合は、ナトリウム、リチウム又はカリウムであることが好ましく、ナトリウムであることがより好ましい。
本発明の着色組成物においては、溶解性向上の観点から、
一般式(A1)中のR131と一般式(2)中のR201とが同じであり、
一般式(A1)中のR132と一般式(2)中のR202とが同じであり、
一般式(A1)中のR133と一般式(2)中のR203とが同じであり、
一般式(A1)中のR134と一般式(2)中のR204とが同じであり、かつ
一般式(A1)中のR135と一般式(2)中のR205とが同じであることが好ましい。
以下に一般式(2)で表される化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるわけではない。下記具体的化合物の構造式中、Meはメチル基を表す。
Figure 2018162365
一般式(2)で表される化合物は、公知の方法で合成することができるし、市販されているものを用いることもできる。
本発明の着色組成物は、一般式(2)で表される化合物を1種のみ含有しても良いし、2種以上含有しても良い。
〔着色組成物〕
本発明の着色組成物は、一般式(1)で表される化合物と、一般式(2)で表される化合物とを含有し、一般式(1)で表される化合物の質量基準の含有量Wと、一般式(2)で表される化合物の質量基準の含有量Wとの比であるW/Wが2.33以上10000以下である。なお、「W/W」は、WをWで除した値を表す。
画像堅牢性の観点から、W/Wの下限値は9以上であることが好ましく、19以上であることがより好ましい。また、画像堅牢性の観点から、W/Wの上限値は1000以下であることが好ましい。W/Wは9以上10000以下であることが好ましく、19以上1000以下であることが特に好ましい。
一般式(1)で表される化合物の質量基準の含有量Wは、着色組成物中に含まれる一般式(1)で表される化合物の合計の質量基準の含有量である。すなわち、着色組成物中に含まれる一般式(1)で表される化合物が1種のみの場合はその質量基準の含有量をWとし、2種以上ある場合はそれらの質量基準の含有量の合計をWとする。
一般式(2)で表される化合物の質量基準の含有量Wは、着色組成物中に含まれる一般式(2)で表される化合物の合計の質量基準の含有量である。すなわち、着色組成物中に含まれる一般式(2)で表される化合物が1種のみの場合はその質量基準の含有量をWとし、2種以上ある場合はそれらの質量基準の含有量の合計をWとする。
本発明の着色組成物は、更に媒体を含有させることができるが、媒体として溶媒を用いた場合は特にインクジェット記録用インクとして好適である。本発明の着色組成物は、媒体として、親油性媒体又は水性媒体を用いて、それらの中に、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。本発明の着色組成物には、媒体を除いたインク用組成物も含まれる。
本発明において、着色組成物中に含まれる一般式(1)で表される化合物の含有量は、用いられる一般式(1)における置換基の種類、及び着色組成物を製造するために用いる溶媒成分の種類等により決められるが、着色組成物中の一般式(1)で表される化合物の含有量が、着色組成物の総質量に対して1〜20質量%含まれることが好ましく、1〜10質量%含まれることがより好ましく、2〜6質量%含まれることが更に好ましい。
着色組成物中に含まれる一般式(1)で表される化合物の含有量を1質量%以上にすることで、印刷したときの記録媒体上におけるインクの印画濃度を良好にできる。また、着色組成物中に含まれる一般式(1)で表される化合物の合計量を10質量%以下にすることで、インクジェット記録方法に用いた場合に着色組成物の吐出性を良好にでき、しかもインクジェットノズルが目詰まりしにくい等の効果が得られる。
本発明の着色組成物は、必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有しうる。その他の添加剤としては、後述のインクジェット記録用インクに使用しうる添加剤が挙げられる。
[インク、インクジェット記録用インク]
次に本発明のインク及びインクジェット記録用インクについて説明する。
本発明のインクは、本発明の着色組成物を含むものであり、前述のコンクインクであっても良いし、インクジェット記録用インクであっても良い。
本発明のインクジェット記録用インクは、本発明の着色組成物を含む。
本発明のインク又はインクジェット記録用インクが本発明の着色組成物を含むとは、本発明のインク又はインクジェット記録用インク中に、一般式(1)で表される化合物と、一般式(2)で表される化合物とを含有し、インク又はインクジェット記録用インク中での一般式(1)で表される化合物の質量基準の含有量Wと、一般式(2)で表される化合物の質量基準の含有量Wとの比であるW/Wが2.33以上10000以下であるということである。本発明のインク又はインクジェット記録用インク中におけるW/Wの好ましい範囲は着色組成物の場合と同様である。また、前述のように、本発明の着色組成物は更に媒体等を含有してもよいので、本発明のインク又はインクジェット記録用インクにも媒体等を含有してもよい。したがって、本発明のインク又はインクジェット記録用インクは、本発明の着色組成物そのものでもよいし、本発明の着色組成物に更に他の成分を加えたものでもよい。
インクジェット記録用インクは、親油性媒体又は水性媒体中に一般式(1)で表される化合物を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。インクジェット記録用インクは、好ましくは水性媒体を用いたインクである。
インクジェット記録用インクは必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤、ベタイン化合物等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。添加剤の詳細については国際公開第2017/006939号に記載されており、本発明においてもこれを参照することができる。
水性媒体は、水を主成分とし、所望により、水混和性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。なお、水混和性有機溶剤は、二種類以上を併用してもよい。
本発明のインクジェット記録用インク100質量部中、一般式(1)で表される化合物を0.2質量部以上10質量部以下含有するのが好ましく、1質量部以上6質量部以下含有するのがより好ましい。また、本発明のインクジェット記録用インクには、一般式(1)で表される化合物とともに、他の色素を併用してもよい。2種類以上の色素を併用する場合は、色素の含有量の合計が上記範囲となっているのが好ましい。
本発明のインクジェット記録用インクは、粘度が30mPa・s以下であるのが好ましい。また、その表面張力は25mN/m以上70mN/m以下であるのが好ましい。粘度及び表面張力は、種々の添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、防黴剤、防錆剤、分散剤及び界面活性剤を添加することによって、調整できる。
本発明のインクジェット記録用インクは、様々な色調のインク用いることができるが、マゼンタ色調インク(マゼンタインク)に用いることが好ましい。また、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク(シアンインク)、及びイエロー色調インク(イエローインク)を用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インク(ブラックインク)及びグレー色調インク(グレーインク)を用いてもよい。
本発明のインクジェット記録用インクは、印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピングなどの記録方法に使用でき、特にインクジェット記録方法における使用に適する。
[インクセット]
本発明の着色組成物を含むインクを含むインクセットについて説明する。
上記インクセットは、マゼンタインク、シアンインク、及びイエローインクを含むインクセットであって、マゼンタインクが本発明の着色組成物を含むものであることが好ましい。
上記インクセットは、更に、ブラックインク又はグレーインクを含むことも好ましい。
[インクジェット記録方法]
本発明は、本発明のインクジェット記録用インクを用いて、画像形成するインクジェット記録方法にも関する。
インクジェット記録方法では、インクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。
[インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物]
本発明のインクジェットプリンタカートリッジは、本発明のインクジェット記録用インクを充填したものである。また、インクジェット記録物は、本発明のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したものである。
以下、実施例を示して本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部である。
[実施例001〜015、比較例001〜005]
(コンクインクの調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=9に調製し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しコンクインクC1〜C15及びCR1〜CR5を調製した。これらのインクはマゼンタインクとして用いることができる。
表1に記載のマゼンタ染料 表1に記載の量
表1に記載の添加物 表1に記載の量
上記で作成したインクを−20℃で2週間保存した後に、析出物の観察および粘度の測定を行った。析出物が少なく、粘度の上昇が少ないものがインクの貯蔵安定性が良い。なお、粘度は、粘度計(TOKI社、RE−80L)を用いて、25℃における粘度を測定した。
〔評価方法〕
1.析出物
インクをろ紙(アドバンテック社、型番5B)を用いて吸引ろ過し、ろ紙上に残った析出物の有無を目視で観察した。
A:析出物が観測されない
B:析出物が観測された
2.インクの粘度
A:−20℃で2週間保存後の粘度上昇が、保存前の粘度の10%未満である。
B:−20℃で2週間保存後の粘度上昇が、保存前の粘度の10%以上、25%未満である。
C:−20℃で2週間保存後の粘度上昇が、保存前の粘度の25%以上である。
Figure 2018162365
比較例003及び004で用いたAR289(Acid Red 289)の構造式を以下に示す。
Figure 2018162365
比較例005で用いた化合物(3−1)の構造式を以下に示す。
Figure 2018162365
表1に示した結果より、本発明のインクである実施例001〜015のインクは、比較例001〜005のインクに対して、インクの貯蔵安定性に優れていることが分かる。なお、上記実施例より、本発明のインクは、高濃度なコンクインクを提供でき、インクの貯蔵安定性に優れるものであることが分かる。
[実施例101〜115、比較例101〜105]
(インクジェット記録用インクの調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=9に調製し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しインクジェット記録用インクIJ1〜IJ15及びIJR1〜IJR5を調製した。これらのインクジェット記録用インクはマゼンタインクとして用いることができる。
表2に記載のコンクインク 25.00g
ジエチレングリコール 10.65g
グリセリン 14.70g
ジエチレングリコールモノエチルエーテル 12.70g
トリエタノールアミン 0.65g
オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 0.9g
なお、使用したコンクインクは、前述の実施例001〜015及び比較例001〜005で調製したコンクインクC1〜C15及びCR1〜CR5であり、調製直後(−20℃で2週間保存する前)のコンクインクを使用した。
上記で作成したインクジェット記録用インクを−20℃で2週間保存した後に、前述の実施例001〜015及び比較例001〜005と同様に、析出物の観察および粘度の測定を行い、更にインクジェットプリンター((商品名PM−700C、セイコーエプソン株式会社製)に、インクジェット記録用インクをセットした上、フォト光沢紙(セイコーエプソン(株)製PM写真紙<光沢>)にベタ画像を印画した。析出物が少なく、粘度の上昇が少なく、印画物のかすれが少ないものがインクの貯蔵安定性が良い。
〔評価方法〕
1.析出物及び2.インクの粘度については前述と同様に評価した。
3.印画物のかすれ
印画物のかすれを目視で観察した。
A:印画像にかすれがない。
B:印画像にかすれが観測される。
インクジェット記録用インクIJ1〜IJ15及びIJR1〜IJR5について、更に以下の評価も行った。
なお、耐オゾン性、耐湿性及び耐光性は、調製直後(−20℃で2週間保存する前)のインクジェット記録用インクをインクカートリッジに装填し、インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製;PM−700C)でフォト光沢紙(セイコーエプソン(株)製PM写真紙<光沢>)に画像を記録した後で評価したものである。
<耐光性>
記録した直後の画像濃度Ciを測定した後、ウェザーメーター(アトラスC.165)を用いて、画像にキセノン光(10万ルクス)を14日間照射した後、再び画像濃度Cf1を測定し、キセノン光照射前後の画像濃度から色素残存率を算出し評価した。画像濃度は反射濃度計(商品名 X−Rite 310TR、Xrite社製)を用いて測定した。色素残存率は、初期の画像濃度が1.0±0.2の画像部分を用いて測定した。
次式より色素残存率を求め、下記判定基準により評価した。
色素残存率(%)=(Cf1/Ci)×100
AA: 色素残存率が95%以上の場合
A: 色素残存率が90%以上95%未満の場合
B: 色素残存率が80%以上90%未満の場合
C: 色素残存率が80%未満の場合
<耐オゾン性>
シーメンス型オゾナイザーの二重ガラス管内に乾燥空気を通しながら、5kV交流電圧を印加し、これを用いてオゾンガス濃度が5±0.1ppm、20℃、暗所に設定されたボックス内に、画像を形成したフォト光沢紙を3日間放置し、オゾンガス下放置後の画像濃度を反射濃度計(商品名 X−Rite 310TR、Xrite社製)を用いて測定し、初期の画像濃度Ciとオゾンガス下放置後の画像濃度Cf2から色素残存率を算出し評価した。なお、色素残存率は、初期の画像濃度が1.0±0.2の画像部分を用いて測定した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
次式より色素残存率を求め、下記判定基準により評価した。
色素残存率(%)=(Cf2/Ci)×100
AA: 色素残存率が90%以上の場合
A: 色素残存率が85%以上90%未満の場合
B: 色素残存率が80%以上85%未満の場合
C: 色素残存率が80%未満の場合
<耐湿性>
高湿条件下での画像のにじみについては、マゼンタの1mm×1mmの正方形を、正方形同士の間に0.5mmの白地隙間が形成されるように配置した、3cm×3cmの印字パターンを作製し、この画像サンプルを35℃相対湿度90%の条件下、168時間保存後に白地隙間におけるマゼンタ染料のにじみを観察した。
具体的には、上記高湿条件(35℃相対湿度90%)に晒す前(印字直後)と上記高湿条件に168時間晒した後の印刷物のOD(Optical Density)値を、反射濃度計(「Spectrilino」(商品名:Gretag社製)を用いて測定し、印字直後に対する白地のマゼンタ濃度増加がステータスAのグリーンフィルターにおいて、0.02未満の場合をAA、0.02以上0.05未満の場合をA、0.05以上の場合をBとした。
更に、インクジェット記録用インクIJ1〜IJ15及びIJR1〜IJR5を用いて以下の評価も行った。
<濃度変化>
−20℃で2週間保存した後のコンクインクの上澄みを用いたこと以外は、インクジェット記録用インクIJ1〜IJ15及びIJR1〜IJR5と同様にインクジェット記録用インクIJ1f〜IJ15f及びIJR1f〜IJR5fを調製し、インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製;PM−700C)でフォト光沢紙(セイコーエプソン(株)製PM写真紙<光沢>)に画像を記録した。画像濃度を反射濃度計(商品名 X−Rite 310TR、Xrite社製)を用いて測定した。
濃度低下は、調製直後(−20℃で2週間保存する前)のコンクインクを用いて調製したインクジェット記録用インクIJ1〜IJ15及びIJR1〜IJR5の画像濃度が1.0±0.2となるインク打ち込み量の画像部分を基準として、−20℃で2週間保存した後のコンクインクを用いて調製したインクジェット記録用インクIJ1f〜IJ15f及びIJR1f〜IJR5fの同じインク打ち込み量である画像部分の画像濃度と比較した。
A: 濃度低下が1割未満
B: 濃度低下が1割以上
Figure 2018162365
表2に示した結果より、本発明のインクジェット記録用インクである実施例101〜115のマゼンタインクは、比較例101〜105のインクに対して、インクの貯蔵安定性に優れ、更に得られる印画物の耐光性、耐オゾン性、耐湿性にも優れていることが分かる。また、本発明のインクはコンクインクとして調製し一定期間冷蔵保管した後にインクジェット記録用インクとした場合であっても、画像の濃度変化が少ないことが分かる。上記実施例より、本発明のインクジェット記録用インクは、インクの貯蔵安定性に優れ、更に耐光性、耐オゾン性、及び耐湿性を向上させることができるものであることが分かる。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物とを含有し、下記一般式(1)で表される化合物の質量基準の含有量Wと、下記一般式(2)で表される化合物の質量基準の含有量Wとの比であるW/Wが2.33以上10000以下である、着色組成物。
    Figure 2018162365
    一般式(1)中、R101、R105、R106及びR110は各々独立に置換基を有していても良いアルキル基を表す。R104、R109、R111、R112、R113、R114、R115、R116、R117、R118、R119及びR120は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R104、R109、R112及びR115のうち少なくとも2つはイオン性親水性基を表す。R102、R103、R107及びR108は各々独立に水素原子、置換基を有していても良いアルキル基又は下記一般式(A1)で表される置換基を表す。ただし、R102、R103、R107及びR108のうち少なくとも2つは下記一般式(A1)で表される置換基を表す。
    Figure 2018162365

    一般式(A1)中、R131、R132、R133、R134及びR135は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R131、R132、R133、R134及びR135は下記条件(i)又は(ii)を満たす。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
    条件(i):R131、R132、R133、R134及びR135のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
    条件(ii):R131、R132、R133、R134及びR135のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
    Figure 2018162365

    一般式(2)中、M201はアルカリ金属原子又は水素原子を表す。R201、R202、R203、R204及びR205は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R201、R202、R203、R204及びR205は下記条件(2−i)又は(2−ii)を満たす。
    条件(2−i):R201、R202、R203、R204及びR205のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
    条件(2−ii):R201、R202、R203、R204及びR205のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
  2. 前記一般式(A1)中のR131と前記一般式(2)中のR201とが同じであり、
    前記一般式(A1)中のR132と前記一般式(2)中のR202とが同じであり、
    前記一般式(A1)中のR133と前記一般式(2)中のR203とが同じであり、
    前記一般式(A1)中のR134と前記一般式(2)中のR204とが同じであり、かつ
    前記一般式(A1)中のR135と前記一般式(2)中のR205とが同じである、
    請求項1に記載の着色組成物。
  3. 前記一般式(1)中のR104、R109、R112及びR115のうち2つが表すイオン性親水性基がスルホ基である請求項1又は2に記載の着色組成物。
  4. 前記W/Wが9以上10000以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色組成物。
  5. 前記一般式(A1)中のR131、R132、R133、R134及びR135が、前記条件(i)を満たす請求項1〜4のいずれか1項に記載の着色組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色組成物を含むインク。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色組成物を含むインクジェット記録用インク。
  8. 請求項7に記載のインクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法。
  9. 請求項7に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェットプリンタカートリッジ。
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