JPWO2017006939A1 - 化合物、着色組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物 - Google Patents
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Abstract
Description
インクジェット記録方法を用いてカラー画像を形成する場合、少なくともイエローインク、マゼンタインク、シアンインク、及びブラックインクを用いるのが一般的である。これらのインクには粘度、表面張力等の物性値が適正範囲内にあること、ノズルの目詰まり、保存安定性に優れ、かつ高い濃度の記録画像を与えること、また耐光性、耐オゾン性、耐水性、耐湿性に優れていること等の性質が要求される。
また、特許文献2には、アリールスルホニルアミノ基が置換したキサンテン化合物が記載されている。
本発明は以下の通りである。
下記一般式(1)で表される化合物。
[2]
上記一般式(1)が下記一般式(2)で表される[1]に記載の化合物。
[3]
上記一般式(1)が下記一般式(3)で表される[1]に記載の化合物。
[4]
上記一般式(1)が下記一般式(4)で表される[1]に記載の化合物。
[5]
上記R4、R9、R12及びR15は各々独立に水素原子又はイオン性親水性基を表す[1]〜[4]のいずれか1項に記載の化合物。
[6]
R4、R9、R12及びR15のうち少なくとも1つはイオン性親水性基を表す[1]〜[5]のいずれか1項に記載の化合物。
[7]
上記R1、R5、R6及びR10が各々独立に炭素数1〜6のアルキル基を表す[1]〜[6]のいずれか1項に記載の化合物。
[8]
上記R11、R13、R14、R16、R17、R18、R19及びR20が水素原子を表す[1]〜[7]のいずれか1項に記載の化合物。
[9]
上記R12及びR15が各々独立に水素原子又はスルホ基を表す[1]〜[8]のいずれか1項に記載の化合物。
[10]
上記R4及びR9が各々独立に水素原子又はスルホ基を表す[1]〜[9]のいずれか1項に記載の化合物。
[11]
上記R3及びR8が各々独立に炭素数1〜6のアルキル基を表す[1]〜[10]のいずれか1項に記載の化合物。
[12]
上記R401及びR406が各々独立にヒドロキシル基を表す[2]に記載の化合物。
[13]
[1]〜[12]のいずれか1項に記載の化合物を含有する着色組成物。
[14]
[1]〜[12]のいずれか1項に記載の化合物を含有するインクジェット記録用インク。
[15]
[14]に記載のインクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法。
[16]
[14]に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェットプリンタカートリッジ。
[17]
[14]に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したインクジェット記録物。
まず、本発明における置換基の具体例を、置換基群Aとして定義する。
ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基が例として挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
下記一般式(1)で表される化合物について説明する。
R11、R13、R14、R16、R17、R18、R19及びR20は水素原子を表すことが好ましい。
アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基又はエチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
イオン性親水性基としては、カルボキシル基、スルホ基又はホスホノ基が好ましい。イオン性親水性基の対カチオンとしては、水素原子(プロトン)、アルカリ金属カチオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオン)、アンモニウムイオンなどが挙げられるが、合成の容易性(染料粉末としての取り扱いの容易さ)の観点からアルカリ金属カチオンであることが好ましい。
R4、R9、R12及びR15は各々独立に水素原子又はイオン性親水性基を表すことが好ましい。
R4、R9、R12及びR15のうち少なくとも1つはイオン性親水性基を表すことが好ましく、2つ以上がイオン性親水性基を表すことがより好ましい。
R12及びR15がイオン性親水性基を表し、かつR4及びR9が水素原子を表す場合、又は、R4及びR9がイオン性親水性基を表し、かつR12及びR15が水素原子を表す場合が好ましく、R12及びR15がイオン性親水性基を表し、かつR4及びR9が水素原子を表す場合がより好ましい。
R4及びR9は、各々独立に水素原子、スルホ基又はカルボキシル基を表すことが好ましく、水素原子又はスルホ基を表すことがより好ましい。
R12及びR15は、各々独立に水素原子、スルホ基又はカルボキシル基を表すことが好ましく、水素原子又はスルホ基を表すことがより好ましい。
R2、R3、R7及びR8がアルキル基を表す場合、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましい。また、R2、R3、R7及びR8が表すアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
R2及びR7が各々独立に一般式(A)で表される置換基を表し、かつR3及びR8がアルキル基を表す場合、又は、R3及びR8が各々独立に一般式(A)で表される置換基を表し、かつR2及びR7がアルキル基を表す場合が好ましく、R2及びR7が各々独立に一般式(A)で表される置換基を表し、かつR3及びR8がアルキル基を表す場合がより好ましい。
なお、一般式(X1)、一般式(X2)又は一般式(X3)におけるカルボキシル基の対カチオンとしては、水素原子(プロトン)、アルカリ金属カチオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオン)、アンモニウムイオンなどが挙げられるが、アルカリ金属カチオンであることが好ましい。
R401、R402、R403、R404及びR405のうちヒドロキシル基の数は、1〜3個が好ましく、1〜2個がより好ましく、1個が更に好ましい。カルボキシル基の数は1〜3個がより好ましく、1〜2個が更に好ましい。
R401はヒドロキシル基を表すことが好ましい。
R403がヒドロキシル基を表し、かつR402がカルボキシル基を表す場合、又は、R401がヒドロキシル基を表し、かつR402がカルボキシル基を表す場合が好ましく、R401がヒドロキシル基を表し、かつR402がカルボキシル基を表す場合がより好ましい。
R401、R402、R403、R404、R405が置換基を表す場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、アルキル基又はアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基が更に好ましく、メチル基又はメトキシ基が特に好ましい。また、R401、R402、R403、R404、R405が置換基を表す場合の置換基としては、上記とは別の態様として、カルボキシル基、塩素原子、ニトロ基、トリフルオロメチル基が挙げられ、カルボキシル基、塩素原子、ニトロ基がより好ましく、カルボキシル基が更に好ましい。特に、R401がヒドロキシル基を表し、かつR402がカルボキシル基を表す場合に、R404が上記した置換基であることが好ましい。
R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうちヒドロキシル基の数は、1〜3個が好ましく、1〜2個がより好ましく、1個が更に好ましい。カルボキシル基の数は1〜2個がより好ましく、1個が更に好ましい。
R504がヒドロキシル基を表し、かつR503がカルボキシル基を表す場合、又は、R504がヒドロキシル基を表し、かつR505がカルボキシル基を表す場合が好ましく、R504がヒドロキシル基を表し、かつR503がカルボキシル基を表す場合がより好ましい。
R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうちヒドロキシル基の数は、1〜3個が好ましく、1〜2個がより好ましく、1個が更に好ましい。カルボキシル基の数は1〜2個がより好ましく、1個が更に好ましい。
R606がヒドロキシル基を表し、かつR605がカルボキシル基を表す場合、又は、R603がヒドロキシル基を表し、かつR602がカルボキシル基を表す場合が好ましく、R606がヒドロキシル基を表し、かつR605がカルボキシル基を表す場合がより好ましい。
一般式(2)中のR3及びR8は各々独立に水素原子又はアルキル基を表し、アルキル基を表すことが好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましい。また、アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
一般式(2)中のR401、R402、R403、R404及びR405は、一般式(X1)中のR401、R402、R403、R404及びR405と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(2)中のR406、R407、R408、R409及びR410は、一般式(2)中のR401、R402、R403、R404及びR405と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(3)中のR3及びR8は各々独立に水素原子又はアルキル基を表し、アルキル基を表すことが好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましい。また、アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
一般式(3)中のR501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507は、各々一般式(X2)中のR501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(3)中のR508、R509、R510、R511、R512、R513及びR514は、各々一般式(3)中のR501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(4)中のR3及びR8は各々独立に水素原子又はアルキル基を表し、アルキル基を表すことが好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましい。また、アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
一般式(4)中のR601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607は、各々一般式(X3)中のR601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(4)中のR608、R609、R610、R611、R612、R613及びR614は、各々一般式(4)中のR601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607と同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明の着色組成物は少なくとも一種の上記一般式(1)で表される化合物を含有する。本発明の着色組成物は、媒体を含有させることができるが、媒体として溶媒を用いた場合は特にインクジェット記録用インクとして好適である。本発明の着色組成物は、媒体として、親油性媒体や水性媒体を用いて、それらの中に、上記一般式(1)で表される化合物を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。本発明の着色組成物には、媒体を除いたインク用組成物も含まれる。
次に本発明のインクジェット記録用インクについて説明する。
本発明のインクジェット記録用インクは、本発明の上記一般式(1)で表される化合物を含有する。
インクジェット記録用インクは、親油性媒体や水性媒体中に一般式(1)で表される化合物を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。インクジェット記録用インクは、好ましくは水性媒体を用いたインクである。
インクジェット記録用インクは必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤、ベタイン化合物等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
適用できる黒色材としては、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラアゾ染料のほか、カーボンブラックの分散体を挙げることができる。
本発明は、本発明の着色組成物又はインクジェット記録用インクを用いて、画像形成するインクジェット記録方法にも関する。
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。
本発明のインクジェット記録用インクカートリッジは、上記した本発明のインクジェット記録用インクを充填したものである。また、本発明のインクジェット記録物は、上記した本発明のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したものである。
記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。
支持体には、そのままインク受容層及びバックコート層を設けてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、インク受容層及びバックコー卜層を設けてもよい。更に支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。本発明では支持体として、両面をポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテン及びそれらのコポリマー)でラミネートした紙及びプラスチックフィルムがより好ましく用いられる。
ポリオレフィン中に、白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛)又は色味付け染料(例えば、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
インク受容層は、顔料及び水性結着剤の他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界面活性剤、その他の添加剤を含有することができる。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
(例示化合物(1−11)の合成)
例示化合物(1−11)は、例えば下記スキームに従い、合成することができる。
中間体(A)23.0g(特開2011−148973号公報の第17頁の段落番号0065記載の方法で合成)を、10%発煙硫酸420gに添加して、室温にて48時間反応させた。反応液を大過剰の酢酸エチルに注ぎ入れ、析出した結晶をろ別した。ろ別した結晶を500mLのメタノールに溶解させ、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液を用いてpH7に調整し、析出した硫酸ナトリウムをろ過により取り除いた。ろ液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(充填剤:セファデックスLH−20(ファルマシア製)、展開溶媒:メタノール)で精製し、中間体(B)の結晶を得た。収量21.0g、収率68%、MS(m/z)=793([M−2Na+H]−、100%)。
中間体(B)3.0gを超純水15mLに溶解させ、内温を10℃以下に冷却した。5−クロロスルホニルサリチル酸(独国特許DE264786号記載の方法で合成)2.55gを粉体添加し、内温10℃以下のまま、10%NaOH水溶液を用いて反応液のpHを8.0に保ち、pHの変化がなくなるまで滴下を続けた。得られた反応液を大過剰のイソプロピルアルコールに注ぎ入れ、析出した固体をろ別した。得られた固体を水/メタノール:1/1混合溶媒20mLに溶解し、カラムクロマトグラフィ(充填剤:セファデックスLH−20(ファルマシア製)、展開溶媒:水/メタノール)で精製したのちに、透析膜(分画分子量3500、Spectra/Por3 Dialysis Membrane(商品名、スペクトラム=ラボラトリー社製))を用いて、無機塩及び残留有機溶媒を除去した。得られた水溶液を、希水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に調整し、メンブレンフイルターで除塵ろ過を行い、得られた水溶液をロータリーエバポレーターで濃縮乾固することで例示化合物(1−11)の緑色光沢結晶を得た。収量1.5g、収率33%。MS(m/z)=1191([M−1]−、100%)。例示化合物(1−11)の希薄水溶液中での吸収スペクトルの吸収極大波長は532nm、モル吸光係数は87000であった。例示化合物(1−11)のジメチルスルホキシド−d6中での1H−NMRスペクトルを図1に示す。
例示化合物(1−18)は、例えば下記スキームに従い、合成することができる。
例示化合物(1−25)は、例えば下記スキームに従い、合成することができる。
例示化合物(1−26)は、例えば下記スキームに従い、合成することができる。
例示化合物(1−1)は例えば下記スキームに従い、合成することができる。
ジクロロスルホフタレイン(中外化成製、DCSF(商品名))20g、2,4−ジアミノメシチレン−6−スルホン酸46g、ジアザビシクロウンデセン(DBU)30g、塩化亜鉛6.7gをエチレングリコール250gに添加し、150℃で6時間反応させた。得られた反応液を室温に冷却し、アセトニトリル1Lに注ぎ入れ、得られた結晶をカラムクロマトグラフィ(充填剤:セファデックスLH−20(ファルマシア製)、展開溶媒:水/メタノール)で精製し、中間体(C)を得た。収量7.7g、収率19%、MS(m/z)=836([M−1]−、100%)。
中間体(C)3.0gを超純水15mLに溶解させ、内温を10℃以下に冷却した。5−クロロスルホニルサリチル酸(独国特許DE264786号記載の方法で合成)2.55gを粉体添加し、内温10℃以下のまま、10%NaOH水溶液を用いて反応液のpHを8.0に保ち、pHの変化がなくなるまで滴下を続けた。得られた反応液を大過剰のイソプロピルアルコールに注ぎ入れ、析出した固体をろ別した。得られた固体を水/メタノール:1/1混合溶媒20mLに溶解し、カラムクロマトグラフィ(充填剤:セファデックスLH−20(ファルマシア製)、展開溶媒:水/メタノール)で精製したのちに、透析膜(分画分子量3500、Spectra/Por3 Dialysis Membrane(商品名、スペクトラム=ラボラトリー社製))を用いて、無機塩及び残留有機溶媒を除去した。得られた水溶液を、希水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に調整し、メンブレンフイルターで除塵ろ過を行い、得られた水溶液をロータリーエバポレーターで濃縮乾固することで例示化合物(1−1)の緑色光沢結晶を得た。収量1.3g、収率28%。MS(m/z)=1191([M−1]−、100%)。例示化合物(1−1)の希薄水溶液中での吸収スペクトルの吸収極大波長は531nm、モル吸光係数は90000であった。
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=9に調製し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しマゼンタ用のインク液1を調製した。
染料(例示化合物(1−1)) 3.50g
ジエチレングリコール 10.65g
グリセリン 14.70g
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 12.70g
トリエタノールアミン 0.65g
オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 0.9g
染料を、下記表1に示すように変更した以外は、インク液1の調製と同様にして、インク液2〜14、比較用のインク液として以下に示す比較化合物1、比較化合物2を用いたインク液をそれぞれ調製した。
調製したインク液1〜14、比較用インク液1及び2をインクジェット記録用インクとして用いた。
各実施例及び比較例のインクジェット記録用インクについて、下記評価を行った。その結果を表1に示した。
なお、表1において、彩度及び耐光性は、各インクジェット記録用インクをインクカートリッジに装填し、インクジェットプリンター(キヤノン製ピクサスiP8600、商品名)でフォト光沢紙(キヤノン(株)製写真用紙プロフェッショナルPT−201、商品名)に画像を記録した後で評価したものである。耐湿性は用紙をフォト光沢紙(キヤノン(株)製写真用紙光沢・ゴールドGL−101、商品名)に変更した以外は上記と同様である。
記録物の彩度(C*)を、色特性に測定に基づき、下記式によって算出した。印加電圧50%における印画画像部分について、反射濃度計(商品名 X−Rite 310TR、Xrite社製)を用いて、CIE L*a*b*表色系(国際照明委員会規格(1976年)/又はJIS規格Z8781−4:2013)における明度L*と色度a*及びb*を測定し、得られた値から下記算出式に基づいて彩度(C*)を求め、評価を行い、下記判定基準により評価した。
B: C*が80以上90未満の場合
C: C*が80未満の場合
記録した直後の画像濃度Ciを測定した後、ウェザーメーター(アトラスC.165)を用いて、画像にキセノン光(10万ルクス)を7日間照射した後、再び画像濃度Cfを測定し、キセノン光照射前後の画像濃度から色素残存率(Cf/Ci×100%)を算出し評価した。画像濃度は反射濃度計(商品名 X−Rite 310TR、Xrite社製)を用いて測定した。色素残存率は、初期の画像濃度が1.0±0.2の画像部分を用いて測定した。
次式より光学濃度残存率(ROD:Relict Optical Density)を求め、下記判定基準により評価した。
ROD(%)=(D/D0)×100
D:暴露試験後のOD(Optical Density、光学濃度)
D0:暴露試験前のOD
A: RODが90%以上95%未満の場合
B: RODが80%以上90%未満の場合
C: RODが80%未満の場合
高湿条件下での画像のにじみについては、マゼンタの1mm×1mmの正方形を、正方形同士の間に0.5mmの白地隙間が形成されるように配置した、3cm×3cmの印字パターンを作製し、この画像サンプルを25℃相対湿度90%の条件下、168時間保存後に白地隙間におけるマゼンタ染料のにじみを観察した。
具体的には、上記高湿条件に晒す前と晒した後の印刷物のOD値を、反射濃度計(「Spectrilino」(商品名:Gretag社製)を用いて測定し、印字直後に対する白地のマゼンタ濃度増加がステータスAのグリーンフィルターにおいて、0.02未満の場合をA、0.02以上0.05未満の場合をB、0.05以上0.10未満の場合をC、0.10以上の場合をDとした。
上記実施例1〜14で作成したインクジェット記録用インクに関して、60℃、14日間の条件でインク貯蔵安定性の評価を実施したところ、染料の析出や分解が生じず、長期経時保存後も性能を担保できることを確認できた。
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=9に調製し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しインク液15を調製した。
染料(例示化合物(1−26)) 3.50g
ジエチレングリコール 10.65g
グリセリン 14.70g
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 12.70g
トリエタノールアミン 0.65g
オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 0.9g
化合物W20質量%水溶液 10.00g
本出願は、2015年7月9日出願の日本特許出願(特願2015−138016)及び2015年10月30日出願の日本特許出願(特願2015−214820)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
Claims (17)
- 下記一般式(1)で表される化合物。
一般式(1)中、R1、R5、R6及びR10は各々独立にアルキル基を表す。R4、R9、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R2、R3、R7及びR8は各々独立に水素原子、アルキル基又は下記一般式(A)で表される置換基を表し、R2、R3、R7及びR8のうち少なくとも1つは下記一般式(A)で表される置換基を表す。
一般式(A)中、Xは下記一般式(X1)、一般式(X2)又は一般式(X3)で表される置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
一般式(X1)中、R401、R402、R403、R404及びR405は各々独立に水素原子又は置換基を表し、少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。*は硫黄原子に結合する結合手を表す。
一般式(X2)中、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507は各々独立に水素原子又は置換基を表し、少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。*は硫黄原子に結合する結合手を表す。
一般式(X3)中、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607は各々独立に水素原子又は置換基を表し、少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。*は硫黄原子に結合する結合手を表す。 - 前記一般式(1)が下記一般式(2)で表される請求項1に記載の化合物。
一般式(2)中、R1、R5、R6及びR10は各々独立にアルキル基を表す。R4、R9、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R3及びR8は各々独立に水素原子又はアルキル基を表す。R401、R402、R403、R404及びR405は各々独立に水素原子又は置換基を表し、少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。R406、R407、R408、R409及びR410は各々独立に水素原子又は置換基を表し、少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。 - 前記一般式(1)が下記一般式(3)で表される請求項1に記載の化合物。
一般式(3)中、R1、R5、R6及びR10は各々独立にアルキル基を表す。R4、R9、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R3及びR8は各々独立に水素原子又はアルキル基を表す。R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507は各々独立に水素原子又は置換基を表し、少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。R508、R509、R510、R511、R512、R513及びR514は各々独立に水素原子又は置換基を表し、少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。 - 前記一般式(1)が下記一般式(4)で表される請求項1に記載の化合物。
一般式(4)中、R1、R5、R6及びR10は各々独立にアルキル基を表す。R4、R9、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R3及びR8は各々独立に水素原子又はアルキル基を表す。R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607は各々独立に水素原子又は置換基を表し、少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。R608、R609、R610、R611、R612、R613及びR614は各々独立に水素原子又は置換基を表し、少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。 - 前記R4、R9、R12及びR15は各々独立に水素原子又はイオン性親水性基を表す請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
- R4、R9、R12及びR15のうち少なくとも1つはイオン性親水性基を表す請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
- 前記R1、R5、R6及びR10が各々独立に炭素数1〜6のアルキル基を表す請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
- 前記R11、R13、R14、R16、R17、R18、R19及びR20が水素原子を表す請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
- 前記R12及びR15が各々独立に水素原子又はスルホ基を表す請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
- 前記R4及びR9が各々独立に水素原子又はスルホ基を表す請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
- 前記R3及びR8が各々独立に炭素数1〜6のアルキル基を表す請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
- 前記R401及びR406が各々独立にヒドロキシル基を表す請求項2に記載の化合物。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物を含有する着色組成物。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物を含有するインクジェット記録用インク。
- 請求項14に記載のインクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法。
- 請求項14に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェットプリンタカートリッジ。
- 請求項14に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したインクジェット記録物。
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