JP2012077190A - インクジェット用インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出安定性、保存安定性に優れ、更には発色性にも優れた画像を与える新規なインクジェット用インクを提供する。更に、堅牢性に優れ、吐出安定性、保存安定性に優れたインクジェット用インクを用いたインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】特定のアゾ顔料、その塩、水和物及びそれらの互変異性体から選択される少なくとも1種と他の染料からなる色材、及び水、水溶性有機溶剤を含有し、該水溶性有機溶剤が前記アゾ顔料に対する貧溶媒を含み、表面張力が、33.0mN/m以上であるインクジェット用インク。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用インク、インクジェット用インクの製造方法、インクジェット記録方法、インクカートリッジ及びイエローインクに関する。
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、具体的には、インクジェット方式の記録材料、感熱転写方式の記録材料、電子写真方式の記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インキ、記録ペン等が盛んに利用されている。これらのカラー画像記録材料では、フルカラー画像を表示あるいは記録する為に、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の色素(染料や顔料)が使用されているが、好ましい色再現域を実現できる吸収特性を有し、かつさまざまな使用条件、環境条件に耐えうる堅牢な色素がないのが実情であり、改善が強く望まれている。
また、複数のインク組成物で形成するカラー画像にあっては、一色でも耐光性に劣るものが存在すると画像の色相が変化しカラー画像の品質が極端に劣化する。よって、カラーインク組成物にあっては、より制御された耐光性が要求される。耐光性に優れたイエロー顔料としては特許文献1にヘテロ環とアゾ基を含有する顔料が開示されている。
更に、異なる2種の色素を用いて、色相の調整や堅牢性の改良がなされている。しかしながら、組合わせる色素の物理化学的性質がそれぞれで異なることから、インクの品質保持や被記録材料へ印字した後の画像に影響を及ぼす場合がある。例えば、色素の極性(親水性や疎水性の性質)で被記録材料への浸透性が異なる。結果として、色相に影響を与える。また、該極性は、インクを構成する水や有機溶媒に対する溶解性が異なる。結果として、インク溶媒に溶解しにくいものから析出しやすく、これは長期保存やヘッドの目詰まりなどに影響するため致命的な問題である。これらの問題を回避しようと様々な検討がされているが上記課題(特に、色味、堅牢性、ブロンズ抑制及び吐出安定性)の両立は達成できてないのが現状である。
特開2010−31224号公報
優れた堅牢性を有するイエロー顔料インクは、より高いレベルで要求性能を満足するものの開発が望まれていた。特に、インクの保存安定性が劣ると、インクジェットヘッドでのインクの目詰まりにより吐出安定性が損なわれるという問題があることがわかった。吐出安定性、保存安定性に優れたイエロー顔料インクの開発が課題となっていた。
本発明者等は上記した実状に鑑みて鋭意検討した結果、特定構造を有するアゾ顔料を特定のイエロー染料と併用することにより、優れた堅牢性を示し、更に、吐出安定性、保存安定性に優れたインクジェット記録用インクを見出した。
以上のようなことから、本発明の課題は、吐出安定性、保存安定性に優れ、更には発色性にも優れた画像を与える新規なインクジェット用インクを提供することである。
更に、堅牢性に優れ、吐出安定性、保存安定性に優れたインクジェット用インクを用いたインクジェット記録方法を提供することである。
本発明者らは、前記したような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に至ったものである。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
〔1〕
水、下記(A)及び、(B)又は(F)を含む色材、及び水溶性有機溶剤を含有し、該水溶性有機溶剤が該(A)に対する貧溶媒を含み、表面張力が、33.0mN/m以上であるインクジェット用インク。
(A)一般式(A−1)で表されるアゾ顔料、その塩、水和物及びそれらの互変異性体から選択される少なくとも1種
Figure 2012077190
(一般式(A−1)中、Qは炭素原子と共に5〜7員のヘテロ環を表し、Wはアルコキシ基、アミノ基、アルキル基又はアリール基を表し、X、及びXはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アシル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を表し、Rは水素原子又は置換基を表し、Rはヘテロ環基を表し、nは1〜4の整数を表す。n=2〜4の場合は、Q、W、X、X、R、及びRはそれぞれ独立であり、Q、W、X、X、R、又はRを介した2〜4量体を表す。)
(B)一般式(B−1)で表される染料から選択される少なくとも1種
Figure 2012077190
(式中、R4 はそれぞれ独立に1価の基を表し、R5 はそれぞれ独立に−OR6 又は−NHR7 を表し、R6 及びR7 はそれぞれ独立に水素原子又は1価の基を表し、X3 は2価の連結基を表し、nは0又は1であり、Arはそれぞれ独立にアリーレン基又は2価のヘテロ環基を表し、Arはそれぞれ独立にアルキル基、アリール基、又は1価のトリアジン環基を表す。)
(F)一般式(F−1)で表される染料から選択される少なくとも1種
Figure 2012077190
(一般式(F−1)中のY及びZは水素原子又は置換基を表し、Gは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、X、R、R及びnは前記一般式(A−1)中のX、R、R及びnと同義である。)
〔2〕
前記一般式(A−1)で表されるアゾ顔料が、下記一般式(A−2)で表されるアゾ顔料であることを特徴とする〔1〕に記載のインクジェット用インク。
Figure 2012077190
(一般式(A−2)中のQ、W、X、R、R及びnは前記一般式(A−1)中のQ、W、X、R、R及びnと同義である。)
〔3〕
前記一般式(A−1)又は一般式(A−2)で表されるアゾ顔料が、下記一般式(A−3)で表されるアゾ顔料であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載のインクジェット用インク。
Figure 2012077190
(一般式(A−3)中のYは水素原子又は置換基を表し、Gは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、W、X、R、R及びnは前記一般式(A−1)中のW、X、R、R及びnと同義である。)
〔4〕
前記一般式(A−1)又は一般式(A−2)で表されるアゾ顔料が、下記一般式(A−4)で表されるアゾ顔料であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のインクジェット用インク。
Figure 2012077190
(一般式(A−4)中、Zは5〜8員含窒素複素環を表し、Y、Y、R11、及びR12は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、G、及びGは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、W、及びWはそれぞれ独立にアルコキシ基、アミノ基、アルキル基又はアリール基を表す。)
〔5〕
W、W、及びWが、それぞれ独立に総炭素数3以下のアルコキシ基、アミノ基、又は総炭素数3以下のアルキルアミノ基であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
〔6〕
G、G、及びGが、それぞれ独立に総炭素数3以下のアルキル基であることを特徴とする〔3〕、〔4〕又は〔5〕に記載のインクジェット記録用インク。
〔7〕
Zが、6員含窒素ヘテロ環であることを特徴とする〔4〕〜〔6〕のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
〔8〕
前記インクジェット用インクの表面張力が、41.0mN/m以下である〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載のインクジェット用インク。
〔9〕
インクジェット方式でインクを吐出するインクジェット記録方法において、前記インクに、〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載のインクジェット用インクを用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明によれば、吐出安定性、保存安定性に優れ、更に、画像の堅牢性が向上した画像を与えることができるインクジェット用インク及びイエローインクを提供することができる。又、かかるインクを、インクカートリッジに残留しているインクジェット用インク等を再利用することで、経済的にかつ環境保護の点からも好ましい手段で製造することができるインクジェット用インクの製造方法を提供することができる。更に、吐出安定性、保存安定性に優れ、更に、画像の堅牢性が向上した画像を与えることができるインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明において置換基群A及び置換基群Bを下記のように定義する。
(置換基群A)
炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18の直鎖又は分岐鎖アラルキル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル)、ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メチルスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルボニルフェノキシ、3−メトキシカルボニルフェニルオキシ、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ)、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、p−トルエンスルホニルアミノ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル、オクチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基)が挙げられる。
(置換基群B)
ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基(塩でもよい)、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基(塩でもよい)、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。等を挙げることができる。
これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基Bから選択される基を挙げることができる。更なる置換基を有する置換基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その具体例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
本発明のインクジェット用インクは、水、下記(A)及び、(B)又は(F)を含む色材、及び水溶性有機溶剤を含有し、該水溶性有機溶剤が該(A)に対する貧溶媒を含み、表面張力が、33.0mN/m以上である。
本発明における貧溶媒とは、前記水溶性有機溶剤と相溶し、かつ顔料溶液に溶解された有機顔料が難溶である溶媒をいう。貧溶媒としては、例えば、水系溶媒(例えば、水、又は塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール等)、ケトン系溶媒(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)、スルホキシド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンスルホキシド、スルホラン等)、エステル系溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、乳酸エチル等)、アミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン等)、芳香族炭化水素系溶媒(例えば、トルエン、キシレン等)、脂肪族炭化水素系溶媒(例えば、オクタン等)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル等)、ハロゲン系溶媒(例えば、四塩化炭素、ジクロロメタン等)、イオン性液体(例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート等)、二硫化炭素溶媒、又はこれらの混合物などが好適に挙げられる。
これらの中でも、水系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒、エステル系溶媒、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒、又はこれらの混合物がより好ましく、水系溶媒、アルコール系溶媒、又はこれらの混合物が特に好ましい。
水系溶媒としては、例えば、水、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などが挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールなどが挙げられる。
(A)一般式(A−1)で表されるアゾ顔料、その塩、水和物及びそれらの互変異性体から選択される少なくとも1種
Figure 2012077190
(一般式(A−1)中、Qは炭素原子と共に5〜7員のヘテロ環を表し、Wはアルコキシ基、アミノ基、アルキル基又はアリール基を表し、X、Xはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アシル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を表し、Rは水素原子又は置換基を表し、Rはヘテロ環基を表し、nは1〜4の整数を表す。n=2〜4の場合は、Q、W、X、X、R、及びRはそれぞれ独立であり、Q、W、X、X、R、又はRを介した2〜4量体を表す。)
(B)一般式(B−1)で表される色素から選択される少なくとも1種
Figure 2012077190
(式中、R4はそれぞれ独立に1価の基を表し、R5 はそれぞれ独立に−OR6 又は−NHR7 を表し、R6 及びR7 はそれぞれ独立に水素原子又は1価の基を表し、X3 は2価の連結基を表し、n3は0又は1であり、Arはそれぞれ独立にアリーレン基又は2価のヘテロ環基を表し、Arはそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表す。)
(F)一般式(F−1)で表される色素から選択される少なくとも1種
Figure 2012077190
(一般式(F−1)中のY及びZは水素原子又は置換基を表し、Gは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、X、R、R及びnは前記一般式(A−1)中のX、R、R及びnと同義である。)
一般に、色材として顔料を含有するインクを用いて形成した画像は、色材として染料を含有するインクを用いて形成した画像よりも、耐光性や耐水性等の堅牢性には優れるが、発色性が十分に得られない場合がある。このため、堅牢性及び発色性を共に優れたものとするために、色材として染料及び顔料を併用することはこれまでにも行われてきた。しかし、本発明者らが検討を行った結果、以下のことがわかった。即ち、染料及び従来顔料を単に併用するだけでは、色材として染料又は顔料を含有する従来のインクと比べて、本発明の目的である優れた発色性及び堅牢性を保ちつつ優れた吐出安定性及び保存安定性という点で大きな効果が得られるレベルには至らないことがわかった。
そこで、本発明者らが更に検討を行った結果、インク中の染料及び顔料の種類やそれらの含有量の比を特定の関係とすることによって、優れた吐出安定性及び保存安定性や、堅牢性を優れたものとする効果がより顕著に得られることがわかった。
以下、好適な実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。以下、本発明においては、インクジェット用インクのことを「インク」、(A)一般式(A−1)で表されるアゾ顔料、その塩、水和物及びそれらの互変異性体から選択される少なくとも1種のことを「イエロー顔料」、「顔料(A)」、又、(B)一般式(B−1)と(F)一般式(F−1)で表される染料から選択される少なくとも1種のことを「イエロー染料」、「染料(B)」と称することがある。本発明にかかるインクは、イエローの色相を有するインクであり、色材として、特定の染料及び特定のイエロー顔料を含有することが必要である。前記イエロー顔料には、(A)一般式(A−1)で表されるアゾ顔料、その塩、水和物及びそれらの互変異性体から選択される少なくとも1種を用いる。また、前記染料には(B)一般式(B−1)又は(F)一般式(F−1)で表される染料から選択される少なくとも1種を用いる。
〔(A)一般式(A−1)で表されるアゾ顔料、その塩、水和物及びそれらの互変異性体〕
一般式(A−1)で表される化合物は、その特異的な構造により色素分子の分子間相互作用を形成しやすく、水又は有機溶媒等に対する溶解性が低く、アゾ顔料とすることができる。
顔料は、水や有機溶媒等に分子分散状態で溶解させて使用する染料とは異なり、溶媒中に分子集合体等の固体粒子として微細に分散させて用いるものである。
Figure 2012077190
(一般式(A−1)中、Qは炭素原子と共に5〜7員のヘテロ環を表し、Wはアルコキシ基、アミノ基、アルキル基又はアリール基を表し、X、及びXはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アシル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を表し、Rは水素原子又は置換基を表し、Rはヘテロ環基を表し、nは1〜4の整数を表す。n=2〜4の場合は、Q、W、X、X、R、及びRはそれぞれ独立であり、Q、W、X、X、R、又はRを介した2〜4量体を表す。)
nが1の時は、Q、W、X、X、R、及びRは1価の基を表し、括弧内で示されるモノ型アゾ顔料を表す。
nが2の時は、Q、W、X、X、R、及びRは1価又は2価の基を表す。但し、少なくとも1つは2価の基を表し、括弧内で示される色素のビス型アゾ顔料を表す。
nが3の時は、Q、W、X、X、R、及びRは1価、2価又は3価の基を表す。但し、少なくとも2つが2価の置換基を表すか、又は、少なくとも1つが3価の基を表し、括弧内で示される色素のトリス型アゾ顔料を表す。
nが4の時は、Q、W、X、X、R、及びRは1価、2価又は3価の基を表す。但し、少なくとも2つが2価の置換基を表すか、少なくとも1つが3価の基を表し、又は、少なくとも1つが4価の基を表し、括弧内で示される色素のテトラ型アゾ顔料を表す。
nは、1〜3の整数が好ましく、更に1又は2が好ましく、その中でも特に2が最も好ましい。nを2とすることで水や有機溶剤に対する溶解性が低下し(実質的に難溶化)、耐水性、耐薬品堅牢性が向上する点で好ましい。
一般式(A−1)において、X、及びXはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アシル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を表す。
及び、Xで表されるアルキル基としては、それぞれ独立に直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基のアルキル基もこのような概念のアルキル基を表す。
詳細には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、好ましくは炭素数1〜8例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i-プロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
、及びXで表される好ましいアシル基としては、それぞれ独立に、ホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合している複素環カルボニル基、が好ましく、特に炭素数1から8のアルキルカルボニル基、炭素数7から18の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から18の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合している複素環カルボニル基が好ましい。例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
、及びXで表される好ましいアルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基としては、それぞれ独立に炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基が好ましく、特に炭素数1から8の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から18の置換又は無置換のアリールスルホニル基が好ましい。例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
その中でも好ましいX、及びXは、それぞれ独立に水素原子、アシル基、アルキルスルホニル基であり、特に好ましくは、水素原子であり、その中でも特にXとXが共に水素原子であることが最も好ましい。X、Xの少なくとも一方又は両方が水素原子の場合、色素分子が分子内及び分子間で水素結合を強固に形成しやすくなり、より安定な分子配列の顔料を構成しやすくなる。これにより、より良好な色相、より高い堅牢性(例えば、耐光、耐ガス、耐熱、耐水、耐薬品等が達成される。
一般式(A−1)において、Wはアルコキシ基、アミノ基、アルキル基又はアリール基を表す。
Wで表されるアルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルコキシ基が好ましく、特に炭素数1から5の置換若しくは無置換のアルコキシ基が好ましい。例えば、メトキシ基、エトキシ基、i-プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
Wで表されるアミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアニリノ基が挙げられ、その中でもアミノ基、炭素数1から8の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から18の置換若しくは無置換のアニリノ基が好ましく、更にアミノ基、炭素数1から4の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から12の置換若しくは無置換のアニリノ基が好ましく、例えば、アミノ基(−NH)、メチルアミノ基(−NHCH)、ジメチルアミノ基{−N(CH}、アニリノ基(−NHPh)、N−メチル−アニリノ基{−N(CH)Ph}、ジフェニルアミノ基{−N(Ph)}等が挙げられる。
例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
Wで表されるアルキル基としては、
直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。詳細には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
Wで表されるアリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基が挙げられ、その中でも、炭素数6から18の置換若しくは無置換のアリール基が好ましく、更に炭素数6から12の置換若しくは無置換のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
Wは、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基)、アミノ基(例えば、−NH基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、シクロプロピル基)又はアリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基)が好ましく、その中でもアルコシキ基、アミノ基、フェニル基又はアルキル基が好ましく、更にアルコキシ基、アミノ基が好ましい。
より好ましくは、総炭素数5以下のアルコキシ基、アミノ基(−NH基)、総炭素数5以下のアルキルアミノ基である。Wが総炭素数5以下のアルコキシ基、アミノ基、総炭素数5以下のアルキルアミノ基の場合、色素分子が分子内及び分子間の少なくとも一方で水素結合を強固に形成しやすくなり、良好な色相、高い堅牢性(例えば、耐光、耐ガス、耐熱、耐水、耐薬品等)の点で好ましい。
色相、光堅牢性、耐溶剤性の点から特に好ましくは、総炭素数3以下のアルコキシ基、アミノ基(−NH基)、総炭素数3以下のアルキルアミノ基であり、その中でも特にメトキシ基(−OCH基)又はエトキシ基(−OC基)が好ましく、良好な色相と光堅牢性向上の点からメトキシ基が最も好ましい。
一般式(A−1)において、Rは水素原子又は置換基を表し、Rが置換基を表す場合の置換基としては、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18の直鎖又は分岐鎖アラルキル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルケニル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル)、ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メチルスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルボニルフェノキシ、3−メトキシカルボニルフェニルオキシ、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ)、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、p−トルエンスルホニルアミノ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル、オクチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基(カルボキシル基、スルホ基など)が挙げられる。
一般式(A−1)において、好ましいRは、置換若しくは無置換の総炭素数1〜8のアシルアミノ基、置換若しくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基であり、より好ましくは、総炭素数1〜8の直鎖アルキル基又は分岐アルキル基であり、更にメチル基、i−プロピル基又はt−ブチル基が好ましく、特にi−プロピル基、t−ブチル基が好ましく、その中でも特にt−ブチル基が最も好ましい。
を総炭素数の小さい(例えば、炭素数1〜4)直鎖アルキル基又は分岐アルキル基にすることで、よりすぐれた色相、着色力、画像堅牢性を達成できる。
一般式(A−1)において、Rはヘテロ環基を表し、それらは更に縮環していてもよい。Rとして好ましくは5〜8員ヘテロ環基であり、より好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、特に好ましくは、炭素数3から10の6員含窒素ヘテロ環基である。
前記Rで表されるヘテロ環基の例には、置換位置を限定しないで例示すると、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、キノキサリニル、ピロリル、インドリル、フリル、ベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、ベンズオキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、チアジアゾリル、イソオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、チアゾリニル、スルホラニルなどが挙げられる。
好ましいヘテロ環基の例は、ピリジル、ピリミジニル、S−トリアジニル、ピリダジニル、ピラジニル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、イミダゾリルであり、より好ましくは、ピリジル、ピリミジニル、S−トリアジニル、ピリダジニル、ピラジニルであり、特に色相、着色力、画像堅牢性の点から、ピリミジニル、S−トリアジニルが好ましく、更に4,6−に置換基を有するピリミジニル、2位に炭素数1〜4のアルコキシ基を有するS−トリアジニルが色相と画像堅牢性の点から好ましく、その中でも特に4,6−に置換基を有するピリミジニルが良好な色相と光堅牢性向上の点から最も好ましい。
一般式(A−1)において、Qは炭素原子と共に5〜7員のヘテロ環を表し、ヘテロ環に脂肪族環、芳香族環、又は他のヘテロ環が縮合していてもよい。Qが炭素原子と共に形成する5〜7員のヘテロ環としては、例えば、チエニル基、フリル基、ピロリル基、インドリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、トリアジニル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基などが挙げられる。各ヘテロ環基には、更に置換基を有していてもよい。
Qが炭素原子と共に表す5〜7員のヘテロ環として好ましくは、5員含窒素ヘテロ環であり、特に好ましくは、下記一般式(a)〜(j)で表されるヘテロ環が最も好ましい。
中でも(a)〜(f)又は(j)が好ましく、更に(a)、(b)、(c)、(e)又は(j)で表されるヘテロ環であることが好ましく、特に(a)、(c)、で表されるヘテロ環であることが好ましく、(a)が色相、着色力、画像堅牢性の点から最も好ましい。なお、下記一般式(a)〜(j)において、「*」は一般式(A−1)におけるアゾ基との結合位置を表す。
Figure 2012077190
一般式(a)〜(j)において、Raは、水素原子又は置換基を表し、Rb及びRcは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。Wは一般式(A−1)中のWと同義であり好ましいものも同じである。
Wは、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、i-プロポキシ基、t−ブトキシ基)、アミノ基(例えば、−NH基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i-プロピル基、t−ブチル基、シクロプロピル基)又はアリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基)が好ましく、その中でもアルコシキ基、アミノ基又はアルキル基が好ましく、更にアルコキシ基、アミノ基が好ましい。
より好ましくは、総炭素数5以下のアルコキシ基、アミノ基(−NH基)、総炭素数5以下のアルキルアミノ基である。Wが総炭素数5以下のアルコキシ基、アミノ基、総炭素数5以下のアルキルアミノ基の場合、良好な色相、高い堅牢性(耐光性、耐ガス性、耐熱性、耐水性、耐薬品性)の点で好ましい。
色相、光堅牢性、耐溶剤性の点から特に好ましくは、総炭素数3以下のアルコキシ基、アミノ基(−NH基)、総炭素数3以下のアルキルアミノ基であり、その中でも特にメトキシ基(−OCH基)又はエトキシ基(−OC基)、アミノ基が好ましく、良好な色相と光堅牢性向上の点からメトキシ基が最も好ましい。
Raとして好ましくは、水素原子、置換若しくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基であり、より好ましくは、水素原子、総炭素数1〜8の直鎖アルキル基及び又は分岐アルキル基であり、特に好ましくは、水素原子、又は総炭素数1〜4の直鎖アルキル基であり、
特に色相・画像堅牢性の点から水素原子、メチル基が好ましく、その中でも特に水素原子が良好な色相と光堅牢性向上の点から最も好ましい。
Rb、及びRcとして好ましくは、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、より好ましくは、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、特に色相・画像堅牢性の点から総炭素数3以下のアルキル基が好ましく、その中でも良好な色相と光堅牢性向上の点からメチル基が最も好ましい。
Q、W、X、X、R、及びRが、更に置換基を有する場合の置換基としては、下記の置換基(以下「置換基J」と称する場合がある)を挙げることができる。
例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基が例として挙げられる。
更に詳しくは、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。詳細には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソi−プロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、置換若しくは無置換のアラルキル基が挙げられ、置換若しくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。例えばベンジル基及び2−フェネチル基を挙げられる。
アルケニル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を包含する。詳細には、アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
シリルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から20の置換若しくは無置換のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
ヘテロ環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
ヘテロ環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルフィニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
アリール又はヘテロ環アゾ基としては、好ましくは炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換若しくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ等が挙げられる。
イミド基としては、好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
シリル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられる。
イオン性親水性基としては、好ましくは、−SOM、−COM:M=Ca、Mg、Ba等のレーキ顔料の形態等が挙げられる。
上記の置換基の中で、水素原子を有するものは、該水素原子が上記の置換基で置換されていても良い。そのような置換基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
本発明の一般式(A−1)で表される顔料の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明の一般式(A−1)で表されるアゾ顔料として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ヘ)を含むものである。
(イ)X、Xはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、シクロプロピル基)、アシル基(例えば、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、又はエチルスルホニル基)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基)が好ましく、その中でも水素原子、アセチル基、メチルスルホニル基が好ましく、特に水素原子が好ましく、その中でも特にXとXが共に水素原子であることが最も好ましい。
(ロ)Wは、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基)、アミノ基(例えば、−NH基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、シクロプロピル基)又はアリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基)が好ましく、その中でもアルコシキ基、アミノ基又はアルキル基が好ましく、更にアルコキシ基、アミノ基が好ましい。
より好ましくは、総炭素数5以下のアルコキシ基、アミノ基(−NH基)、総炭素数5以下のアルキルアミノ基である。Wが総炭素数5以下のアルコキシ基、アミノ基、総炭素数5以下のアルキルアミノ基の場合、良好な色相、高い堅牢性(耐光性、耐ガス性、耐熱性、耐水性、耐薬品性)の点で好ましい。
色相、光堅牢性、耐溶剤性の点から特に好ましくは、総炭素数3以下のアルコキシ基、アミノ基(−NH基)、総炭素数3以下のアルキルアミノ基であり、その中でも特にメトキシ基(−OCH基)又はエトキシ基(−OC基)が好ましく、良好な色相と光堅牢性向上の点からメトキシ基が最も好ましい。
(ハ)Rは、水素原子、又は置換基(例えば、置換若しくは無置換の総炭素数1〜8のアシルアミノ基、置換若しくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基)が好ましく、より好ましくは、総炭素数1〜8の直鎖アルキル基又は分岐アルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜10のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜8のヘテロ環基であり、更にメチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、フェニル環、又はピリジン環が好ましく、その中でも特にt−ブチル基が最も好ましい。
(ニ)Rは、ヘテロ環基を表し、それらは更に縮環していてもよい。Rとして好ましくは5〜8員ヘテロ環基であり、より好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、特に好ましくは、炭素数3から10の6員含窒素ヘテロ環基である。更に好ましいヘテロ環の例は、ピリジン環、ピリミジン環、S−トリアジン環、ピリダジン環、ピラジン環、1,2,4チアジアゾール環、1,3,4チアジアゾール環、イミダゾール環であり、より好ましくは、ピリジン環、ピリミジン環、S−トリアジン環、ピリダジン環、ピラジン環であり、特に好ましくは、ピリミジン環、S−トリアジン環であり、その中でも特にピリミジン環が最も好ましい。
(ホ)Qは、炭素原子と共に5〜7員のヘテロ環をを表し、ヘテロ環に脂肪族環、芳香族環、又は他のヘテロ環が縮合していてもよい。特に好ましいQが炭素原子と共に形成する5〜7員のヘテロ環としては、例えば、チエニル基、フリル基、ピロリル基、インドリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、トリアジニル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基などが挙げられる。各ヘテロ環基には、更に置換基を有していてもよい。特に、Qが炭素原子と共に形成する5〜7員のヘテロ環として好ましくは、5員含窒素ヘテロ環であり、特に好ましくは、下記一般式(a)〜(j)で表されるヘテロ環が最も好ましい。
Figure 2012077190
一般式(a)〜(j)において、Raは、水素原子又は置換基を表し、Rb及びRcは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、基、アリール基又はヘテロ環基を表す。Wは一般式(A−1)中のWと同義であり好ましいものも同じである。
Raとして好ましくは、水素原子、置換若しくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基であり、より好ましくは、水素原子、総炭素数1〜8の直鎖アルキル基及び又は分岐アルキル基であり、特に好ましくは、水素原子、又は総炭素数1〜4の直鎖アルキル基であり、水素原子、メチル基が好ましく、その中でも特に水素原子が最も好ましい。
Rb、及びRcとして好ましくは、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、より好ましくは、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、特に好ましくは総炭素数5以下のアルキル基であり、更に好ましくは総炭素数3以下のアルキル基であり、その中でも特にメチル基が最も好ましい。
更に、Qが炭素原子と共に表す5員のヘテロ環として好ましくは、5員含窒素ヘテロ環であり、特に好ましくは、下記一般式(a)〜(j)で表されるヘテロ環が最も好ましい。
中でも(a)〜(f)又は(j)が好ましく更に(a)、(b)、(c)、(e)、又は(j)が好ましく、特に(a)、又は(c)が好ましく、(a)が色相、着色力、画像堅牢性の点から最も好ましい。
(ヘ)nは、1〜3の整数が好ましく、更に1又は2が好ましく、その中でも特にn=2が最も好ましい。
上記一般式(A−1)で表されるアゾ顔料は、下記一般式(A−2)で表されるアゾ顔料であることが好ましい。
以下、一般式(A−2)により表されるアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩又は水和物について詳細に説明する。
Figure 2012077190
(一般式(A−2)中のQ、W、X、R、R及びnは前記一般式(A−1)中のQ、W、X、R、R及びnと同義である。Q、W、X、X、R、及びRはそれぞれ独立であり、〜4の場合は、Q、W、X、R、又はRを介した2〜4量体を表す。)
以下に、前記Q、W、X、R、R、及びnを更に詳しく説明する。
Qの例は、上記一般式(A−1)中のQの例と同義であり、好ましい例も同じである。
Wの例は、上記一般式(A−1)中のWの例と同義であり、好ましい例も同じである。
の例は、上記一般式(A−1)中のXの例と同義であり、好ましい例も同じである。
、Rの例は、それぞれ独立に上記一般式(A−1)中のR、及びRの例と同義であり、好ましい例も同じである。
nの例は、上記一般式(A−1)中のnの例と同義であり、好ましい例も同じである。
本発明の一般式(A−2)で表される顔料の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明の一般式(A−2)で表されるアゾ顔料として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ヘ)を含むものである。
(イ)Xは水素原子、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソi−プロピル基、t−ブチル基、シクロプロピル基)、アシル基(例えば、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、又はエチルスルホニル基)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基)が好ましく、その中でも水素原子、アセチル基、メチルスルホニル基が好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
(ロ)Wは、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基)、アミノ基(例えば、−NH基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、シクロプロピル基)又はアリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基)が好ましく、その中でもアルコシキ基、アミノ基又はアルキル基が好ましく、更にアルコキシ基、アミノ基が好ましい。
より好ましくは、総炭素数5以下のアルコキシ基、アミノ基(−NH基)、総炭素数5以下のアルキルアミノ基である。Wが総炭素数5以下のアルコキシ基、アミノ基、総炭素数5以下のアルキルアミノ基の場合、良好な色相、高い堅牢性(耐光性、耐ガス性、耐熱性、耐水性、耐薬品性)の点で好ましい。
色相、光堅牢性、耐溶剤性の点から特に好ましくは、総炭素数3以下のアルコキシ基、アミノ基(−NH基)、総炭素数3以下のアルキルアミノ基であり、その中でも特にメトキシ基(−OCH基)又はエトキシ基(−OC基)が好ましく、良好な色相と光堅牢性向上の点からメトキシ基が最も好ましい。
(ハ)Rは、水素原子、又は置換基(例えば、置換若しくは無置換の総炭素数1〜8のアシルアミノ基、置換若しくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基)が好ましく、より好ましくは、総炭素数1〜8の直鎖アルキル基又は分岐アルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜10のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜8のヘテロ環基であり、更にメチル基、イソ−i−プロピル基、t−ブチル基、フェニル環、又はピリジン環が好ましく、その中でも特にt−ブチル基が最も好ましい。
(ニ)Rは、ヘテロ環基を表し、それらは更に縮環していてもよい。Rとして好ましくは5〜8員ヘテロ環基であり、より好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、特に好ましくは、炭素数3から10の6員含窒素ヘテロ環基である。更に好ましいヘテロ環の例は、ピリジン環、ピリミジン環、S−トリアジン環、ピリダジン環、ピラジン環、1,2,4チアジアゾール環、1,3,4チアジアゾール環、イミダゾール環であり、より好ましくは、ピリジン環、ピリミジン環、S−トリアジン環、ピリダジン環、ピラジン環であり、特に好ましくは、ピリミジン環、S−トリアジン環であり、その中でも特にピリミジン環が最も好ましい。
(ホ)Qは、炭素原子と共に5〜7員のヘテロ環を表し、ヘテロ環に脂肪族環、芳香族環、又は他のヘテロ環が縮合していてもよい。特に好ましいQが炭素原子と共に形成する5〜7員のヘテロ環としては、例えば、チエニル基、フリル基、ピロリル基、インドリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、トリアジニル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基などが挙げられる。各ヘテロ環基には、更に置換基を有していてもよい。特に、Qが炭素原子と共に形成する5〜7員のヘテロ環として好ましくは、5員含窒素ヘテロ環であり、特に好ましくは、下記一般式(a)〜(j)で表されるヘテロ環が最も好ましい。
Figure 2012077190
一般式(a)〜(j)において、Raは、水素原子又は置換基を表し、Rb及びRcは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、基、アリール基又はヘテロ環基を表す。Wは一般式(A−1)中のWと同義であり好ましいものも同じである。
Raとして好ましくは、水素原子、置換若しくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基であり、より好ましくは、水素原子、総炭素数1〜8の直鎖アルキル基及び又は分岐アルキル基であり、特に好ましくは、水素原子、又は総炭素数1〜4の直鎖アルキル基であり、水素原子、メチル基が好ましく、その中でも特に水素原子が最も好ましい。
Rb、Rcとして好ましくは、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、より好ましくは、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、特に好ましくは総炭素数5以下のアルキル基であり、更に好ましくは総炭素数3以下のアルキル基であり、その中でも特にメチル基が最も好ましい。
更に、Qが炭素原子と共に表す5員のヘテロ環として好ましくは、5員含窒素ヘテロ環であり、特に好ましくは、下記一般式(a)〜(j)で表されるヘテロ環が最も好ましい。
中でも(a)〜(f)又は(j)が好ましく更に(a)、(b)、(c)、(e)、又は(j)が好ましく、特に(a)、又は(c)が好ましく、(a)が色相、着色力、画像堅牢性の点から最も好ましい。
Qが炭素原子と共に形成する5員のヘテロ環として特に上記一般式(a)、(b)、又は(c)が好ましく、その中でも一般式(a)がもっとも好ましい。
(ヘ)nは、1〜3の整数が好ましく、更に1又は2が好ましく、その中でも特にn=2が最も好ましい。
本発明は、一般式(A−1)及び(A−2)で表されるアゾ顔料の互変異性体もその範囲に含むものである。一般式(A−1)及び(A−2)は、化学構造上取りうる数種の互変異性体の中から極限構造式の形で示しているが、記載された構造以外の互変異性体であってもよく、複数の互変異性体を含有した混合物として用いても良い。
例えば、一般式(A−2)で表される顔料には、下記一般式(A−2’)で表されるアゾ−ヒドラゾンの互変異性体が考えられる。
本発明は、一般式(A−2)で表されるアゾ顔料の互変異性体である以下の一般式(A−2’)で表される化合物もその範囲に含むものである。
Figure 2012077190
(一般式(A−2’)中、R、R、Q、W、X、及びnは一般式(A−2)中のR、R、Q、W、X、及びnと同義である。)
上記一般式(A−1)で表されるアゾ顔料は、下記一般式(A−3)で表されるアゾ顔料であることが好ましい。
以下、一般式(A−3)により表されるアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩又は水和物について詳細に説明する。
Figure 2012077190
(一般式(A−3)中のYは水素原子又は置換基を表し、Gは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、W、X、X、R、R及びnは前記一般式(A−1)中のW、X、X、R、R及びnと同義である。n=2〜4の場合は、Q、W、X、X、R、及びRはそれぞれ独立であり、Q、W、X、X、R、又はRを介した2〜4量体を表す。)
以下に、前記W、X、X、R、R、G、Y及びnを更に詳しく説明する。
Wの例は、上記一般式(A−1)中のWの例と同義であり、好ましい例も同じである。
、及びXの例は、それぞれ独立に上記一般式(A−1)中のX、及びXの例と同義であり、好ましい例も同じである。
、及びRの例は、それぞれ独立に上記一般式(A−1)中のR、及びRの例と同義であり、好ましい例も同じである。
nの例は、上記一般式(A−1)中のnの例と同義であり、好ましい例も同じである。
Gの例は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、特に好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i-プロピル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、ベンジル基、2−フェネチル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、プロパルギル基、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基が好ましく、更に水素原子、メチル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基が好ましく、その中でもメチル基、2−ピリジル基、2,6−ピリミジニル基、2,5−ピラジニル基が好ましく、総炭素数5以下のアルキル基であることが好ましく、総炭素数3以下のアルキル基であることがより好ましく、メチル基が最も好ましい。
Yが置換基を表す場合の例は、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。Yの例として特に好ましくは、水素原子、置換若しくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、水素原子、総炭素数1〜8の直鎖アルキル基又は分岐のアルキル基が好ましく、特に水素原子、又は総炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
本発明の一般式(A−3)で表される顔料の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明の一般式(A−3)で表されるアゾ顔料として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ト)を含むものである。
(イ)X、Xはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、シクロプロピル基)、アシル基(例えば、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、又はエチルスルホニル基)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基)が好ましく、その中でも水素原子、アセチル基、メチルスルホニル基が好ましく、特に水素原子が好ましく、その中でも特にXとXの少なくとも一方が水素原子であることがより好ましく、共に水素原子であることが最も好ましい。XとXの少なくとも一方が水素原子であることにより、色素分子の分子間相互作用だけでなく、分子内相互作用を強固に形成しやすくなる事でより安定な分子配列の顔料を構成しやすくなり、良好な色相、高い堅牢性(耐光性、耐ガス性、耐熱性、耐水性、耐薬品性)の点で好ましい。
(ロ)Wは、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基)、アミノ基(例えば、−NH基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、シクロプロピル基)又はアリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基)が好ましく、その中でもアルコシキ基、アミノ基又はアルキル基が好ましく、更にアルコキシ基、アミノ基が好ましい。
より好ましくは、総炭素数5以下のアルコキシ基、アミノ基(−NH基)、総炭素数5以下のアルキルアミノ基である。Wが総炭素数5以下のアルコキシ基、アミノ基、総炭素数5以下のアルキルアミノ基の場合、良好な色相、高い堅牢性(耐光性、耐ガス性、耐熱性、耐水性、耐薬品性)の点で好ましい。
色相、光堅牢性、耐溶剤性の点から特に好ましくは、総炭素数3以下のアルコキシ基、アミノ基(−NH基)、総炭素数3以下のアルキルアミノ基であり、その中でも特にメトキシ基(−OCH基)又はエトキシ基(−OC基)が好ましく、良好な色相と光堅牢性向上の点からメトキシ基が最も好ましい。
(ハ)Rは、水素原子、又は置換基(例えば、置換若しくは無置換の総炭素数1〜8のアシルアミノ基、置換若しくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基)が好ましく、より好ましくは、総炭素数1〜8の直鎖アルキル基又は分岐アルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜10のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜8のヘテロ環基であり、更にメチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、フェニル環、又はピリジン環が好ましく、その中でも特にt−ブチル基が最も好ましい。
(ニ)Rは、ヘテロ環基を表し、それらは更に縮環していてもよい。Rとして好ましくは5〜8員ヘテロ環基であり、より好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、特に好ましくは、炭素数3から10の6員含窒素ヘテロ環基である。更に好ましいヘテロ環の例は、ピリジン環、ピリミジン環、S−トリアジン環、ピリダジン環、ピラジン環、1,2,4チアジアゾール環、1,3,4チアジアゾール環、イミダゾール環であり、より好ましくは、ピリジン環、ピリミジン環、S−トリアジン環、ピリダジン環、ピラジン環であり、特に好ましくは、ピリミジン環、S−トリアジン環であり、その中でも特にピリミジン環が最も好ましい。
(ホ)Gは、好ましくは、水素原子、総炭素数12以下の、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
より好ましくは総炭素数6以下のアルキル基、総炭素数6以下のシクロアルキル基、総炭素数12以下のアラルキル基、総炭素数12以下のアルケニル基、総炭素数12以下のアルキニル基、総炭素数18以下のアリール基又は総炭素数12以下のヘテロ環基を表す。
更に好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソi−プロピル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、ベンジル基、2−フェネチル基、ビニル基、アリル基、エチニル基若しくはプロパルギル基、ベンジル基、2−フェネチル基、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基を表す。
特に水素原子、メチル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基が好ましく、その中でも、メチル基、2−ピリジル基、2,6−ピリミジニル基、2,5−ピラジニル基が好ましく、メチル基であることが最も好ましい。
(ヘ)Yは、水素原子、アルキル基(例えば、メチル基)アリール基(例えば、フェニル基)、ヘテロ環基(例えば2−ピリジル基)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基)であり、更に水素原子、メチル基、フェニル基、メチルチオ基であり、その中でも水素原子が最も好ましい。
(ト)nは、1〜3の整数が好ましく、更に1又は2が好ましく、その中でも特にn=2が最も好ましい。
一般式(A−1)、(A−2)及び(A−3)において、好ましいnは2又は3のときであり、特に好ましくは、nが2のときである。nが2の場合、着色力が高く耐光性に優れ、かつ耐薬品堅牢性が向上する。
一般式(A−1)、(A−2)及び(A−3)において、n=2の場合のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩又は水和物は、Q、W、X、X、R、又はRを介した2量体を表す。
本発明のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩又は水和物が2量体を表す場合は、例えば、下記一般式(A−4)で表される連結様式が挙げられる。
Figure 2012077190
一般式(A−4)中、
、Gはそれぞれ独立に、前記一般式(A−3)中のGと同義である。
11、R12はそれぞれ独立に、前記一般式(A−3)中のRと同義である。
、Wはそれぞれ独立に、前記一般式(A−3)中のWと同義である。
、Yはそれぞれ独立に、前記一般式(A−3)中のYと同義である。
Zは、前記一般式(A−3)中のRが二価の置換基を表す場合と同義である。
本発明において、一般式(A−3)で表されるアゾ顔料は、上記一般式(A−4)で表されるアゾ顔料であることが最も好ましい。
以下、一般式(A−4)により表されるアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩又は水和物について詳細に説明する。
Figure 2012077190
一般式(A−4)中、Zは5〜8員含窒素ヘテロ環を表し、Y、Y、R11、R12は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、G、Gは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、W、Wはそれぞれ独立にアルコキシ基、アミノ基、アルキル基又はアリール基を表す。
一般式(A−4)において、Zは2価の5〜8員含窒素ヘテロ環を表し、好ましいヘテロ環基の例を置換位置を限定せずには、ピロール環、ピラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアジアゾール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ピリダン環である。より好ましくは、6員含窒素ヘテロ環であり、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、S−トリアジン環が挙げられる。Zとして特に好ましくは、ピリミジン環である。Zが6員含窒素ヘテロ環の場合、色素分子の分子内、分子間作用が、水素結合性、分子の平面性の点からもより向上しやすい点で好ましい。
一般式(A−4)において、Y、Yは、前記一般式(A−2)中のYと同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(A−4)において、G、Gは、前記一般式(A−2)中のGと同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(A−4)において、R11、R12は、前記一般式(A−1)中のRと同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(A−4)において、W、Wは、前記一般式(A−1)中のWと同義であり、好ましい例も同じである。
本発明は、一般式(A−1)で表されるアゾ顔料の互変異性体もその範囲に含むものである。
一般式(A−1)は、化学構造上取りうる数種の互変異性体の中から極限構造式の形で示しているが、記載された構造以外の互変異性体であってもよく、複数の互変異性体を含有した混合物として用いても良い。
例えば、一般式(A−4)で表される顔料には、下記一般式(A−4’)で表されるアゾ−ヒドラゾンの互変異性体が考えられる。
本発明は、一般式(A−4)で表されるアゾ顔料の互変異性体である以下の一般式(A−4’)で表される化合物もその範囲に含むものである。
Figure 2012077190
(一般式(A−4’)中、R11、R12、W、W、Y、Y、G、G及びZは一般式(A−4)中のR11、R12、W、W、Y、Y、G、G及びZと同義である。)
なお、前記一般式(A−4)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明の一般式(A−4)で表されるアゾ顔料として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ホ)を含むものである。
(イ)W、Wはそれぞれ独立に、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基)、アミノ基(例えば、−NH基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、シクロプロピル基)又はアリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基)が好ましく、その中でもアルコシキ基、アミノ基又はアルキル基が好ましく、更にアルコキシ基、アミノ基が好ましく、更に好ましくは、総炭素数5以下のアルコキシ基、アミノ基(−NH基)、総炭素数5以下のアルキルアミノ基であり、特に好ましくは、総炭素数3以下のアルコキシ基、アミノ基(−NH基)、総炭素数3以下のアルキルアミノ基であり、その中でも特にメトキシ基(−OCH基)が最も好ましい。
(ロ)R11、R12はそれぞれ独立に、水素原子、又は置換基(例えば、置換若しくは無置換の総炭素数1〜8のアシルアミノ基、置換若しくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基)が好ましく、より好ましくは、総炭素数1〜8の直鎖アルキル基又は分岐アルキル基であり、更にメチル基、i−プロピル基又はtert−ブチル基が好ましく、その中でも特にtert−ブチル基が最も好ましい。
(ハ)Zは、二価のヘテロ環基を表し、それらは更に縮環していてもよい。Zとして好ましくは5〜8員ヘテロ環基であり、より好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換のヘテロ環、例えば、ピロール環、ピラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアジアゾール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ピリダン環が好ましく、特に好ましくは、炭素数3から10の6員含窒素ヘテロ環基である。更に好ましいヘテロ環の例は、ピリジン環、ピリミジン環、S−トリアジン環、ピリダジン環、ピラジン環であり、より好ましくは、ピリジン環、ピリミジン環、S−トリアジン環、ピリダジン環、ピラジン環であり、更に好ましくは、ピリミジン環、S−トリアジン環であり、その中でも特にピリミジン環が最も好ましい。
(ニ)G、Gはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、特に好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、ベンジル基、2−フェネチル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、プロパルギル基、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基が好ましく、更に水素原子、メチル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基が好ましく、その中でもメチル基、2−ピリジル基、2,6−ピリミジニル基、2,5−ピラジニル基が好ましい。総炭素数5以下のアルキル基がより好ましく、総炭素数3以下のアルキル基がより好ましく、メチル基が最も好ましい。
(ホ)Y、Yはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基(例えば、メチル基)アリール基(例えば、フェニル基)、ヘテロ環基(例えば2−ピリジル基)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基)であり、更に水素原子、メチル基、フェニル基、メチルチオ基であり、その中でも水素原子が最も好ましい。
一般式(A−1)、(A−2)及び(A−3)において、好ましいnは2又は3のときであり、特に好ましくは、nが2のときである。nが2の場合、着色力が高く耐光性に優れ、かつ耐薬品堅牢性が向上する。
本発明の上記一般式(A−1)、(A−2)、(A−3)及び(A−4)で表されるアゾ顔料のうち、好ましくは下記一般式(A−10)〜(A−13)で表されるアゾ顔料である。
Figure 2012077190
上記一般式(A−10)中のR、R、W、n及びQは、上記一般式(A−2)中のR、R、W、n及びQと同義である。
上記一般式(A−11)中のG、R、R、W及びYは、上記一般式(A−3)中のG、R、R、W及びYと同義である。
Figure 2012077190
上記一般式(A−12)中のG、G、R11、R12、W、W、Y及びYは、上記一般式(A−4)中のG、G、R11、R12、W、W、Y及びYと同義である。
11、X12はそれぞれ独立に上記一般式(A−4)中のZが構成するヘテロ環を表し、Het.が構成するヘテロ環中のそれぞれヘテロ原子を表す。
Figure 2012077190
上記一般式(A−13)中、
、G及びGはそれぞれ独立に上記一般式(A−3)中のGと同義である。
、W及びWは、それぞれ独立に上記一般式(A−3)中のWと同義である。
及びYは、それぞれ独立に上記一般式(A−3)中のYと同義である。
11、R12、R13は、それぞれ独立に上記一般式(A−3)中のRと同義である。
11、X12及びX13はそれぞれ独立に上記一般式(A−3)中のRが3価のヘテロ環を表す場合と同義であり、Het.が構成するヘテロ環中のそれぞれヘテロ原子を表す。
上記一般式(A−1)、(A−2)、(A−3)及び(A−4)で表されるアゾ顔料において多数の互変異性体が考えられる。
また、本発明において、一般式(A−1)で表されるアゾ顔料は、分子内水素結合又は分子内交叉水素結合を形成する置換基を有することが好ましい。少なくとも1個以上の分子内交叉水素結合を形成する置換基を有することが好ましく、少なくとも3個以上の分子内水素結合を形成する置換基を有することがより好ましく、少なくとも3個以上の分子内水素結合を形成する置換基を有し、かつ、それらの水素結合の少なくとも2個が分子内交叉水素結合を形成する置換基を有する場合が特に好ましい。
一般式(A−1)、(A−2)、(A−3)及び(A−4)で表されるアゾ顔料のうち、前述したように特に好ましいアゾ顔料の一般式の例としては、上記一般式(A−10)〜(A−13)で表されるアゾ顔料を挙げることができる。
この構造が好ましい要因としては、一般式(A−10)〜(A−13)で示すようにアゾ顔料構造に含有するヘテロ環を構成する窒素原子、水素原子及びヘテロ原子(アゾ基又はその互変異性体であるヒドラゾン基の窒素原子とカルボニル基の酸素原子又はアミノ基の窒素原子)が少なくとも1個以上の分子内の交叉水素結合(分子内水素結合)を容易に形成し易いことが挙げられる。
この構造が好ましい要因としては、上記一般式(A−10)及び(A−11)で示すようにアゾ顔料構造に含有するヘテロ環基を構成する窒素原子、アミノ基の水素原子及びヘテロ原子(アゾ基又はその互変異性体であるヒドラゾン基の窒素原子とカルボニル基の酸素原子又はアミノ基の窒素原子)が少なくとも1個以上の分子内の交叉水素結合を容易に形成し易いことが挙げられる。
更に好ましくは、上記一般式(A−12)及び(A−13)で示すようにアゾ顔料構造に含有するヘテロ環基を構成する窒素原子、アミノ基の水素原子及びヘテロ原子(アゾ基又はその互変異性体であるヒドラゾン基の窒素原子とカルボニル基の酸素原子又はアミノ基の窒素原子)が少なくとも4個以上の分子内水素結合を容易に形成し易く、かつ、少なくとも2個以上の分子内の交叉水素結合を容易に形成し易いことが挙げられる。
その結果、分子の平面性が上がり、更に分子内・分子間相互作用が向上し、例えば一般式(A−12)で表されるアゾ顔料の結晶性が高くなり(高次構造を形成し易くなり)、顔料としての要求性能である、光堅牢性、熱安定性、湿熱安定性、耐水性、耐ガス性及び又は耐溶剤性が大幅に向上するため、最も好ましい例となる。
また、本発明では、一般式(A−1)〜(A−13)で表される化合物中に同位元素(例えば、2H、3H、13C、15N)を含有していても適用できる。
以下に前記一般式(A−1)〜(A−13)で表されるアゾ顔料の具体例を以下に示すが、本発明に用いられるアゾ顔料は、下記の例に限定されるものではない。また、以下の具体例の構造は化学構造上取りうる数種の互変異性体の中から極限構造式の形で示されるが、記載された構造以外の互変異性体構造のものであっても良いことは言うまでもない。
Figure 2012077190
Figure 2012077190
Figure 2012077190
Figure 2012077190
Figure 2012077190
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Figure 2012077190
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Figure 2012077190
Figure 2012077190
Figure 2012077190
Figure 2012077190
Figure 2012077190
Figure 2012077190
本発明では、化合物の構造によって互変異性体が存在する場合においても、本発明においては代表的な形の一つで記載しているが、本発明の記述と異なる互変異性体も本発明のアゾ顔料に含まれる。また、本発明のアゾ顔料の塩、水和物も本発明のアゾ顔料に含まれる。
本発明の一般式(A−1)で表される顔料は、化学構造式が一般式(A−1)又はその互変異性体であれば良く、多形とも呼ばれるいかなる結晶形態の顔料であっても良い。
結晶多形は、同じ化学組成を有するが、結晶中におけるビルディングブロック(分子又はイオン)の配置が異なることを言う。結晶構造によって化学的及び物理的性質が決定され、各多形は、レオロジー、色、及び他の色特性によってそれぞれ区別することができる。また、異なる多形は、X−Ray Diffraction(粉末X線回折測定結果)やX−Ray Analysis(X線結晶構造解析結果)によって確認することもできる。
本発明の一般式(A−1)〜(A−4)で表される顔料に結晶多形が存在する場合、どの多形であってもよく、また2種以上の多形の混合物であっても良いが、結晶型が単一のものを主成分とすることが好ましい。すなわち結晶多が混入していないものが好ましく、単一の結晶型を有するアゾ顔料の含有量はアゾ顔料全体に対し70%〜100%、好ましくは80%〜100%、より好ましくは90%〜100%、更に好ましくは95%〜100、特に好ましくは100%である。単一の結晶型を有するアゾ顔料を主成分とすることで、色素分子の配列に対して規則性が向上し、分子内・分子間相互作用が強まり高次な3次元ネットワークを形成しやすくなる。その結果として色相の向上・光堅牢性・熱堅牢性・湿度堅牢性・酸化性ガス堅牢性及び耐溶剤性等、顔料に要求される性能の点で好ましい。
アゾ顔料における結晶多形の混合比は、単結晶X線結晶構造解析、粉末X線回折(XRD)、結晶の顕微鏡写真(TEM)、IR(KBr法)等の固体の物理化学的測定値から確認できる。
本発明において、一般式(A−1)で表されるアゾ顔料は、酸基のある場合には、酸基の一部あるいは全部が塩型のものであってもよく、塩型の顔料と遊離酸型の顔料が混在していてもよい。上記の塩型の例としてNa、Li、K等のアルカリ金属の塩、アルキル基若しくはヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウムの塩、又は有機アミンの塩が挙げられる。有機アミンの例として、低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換低級アルキルアミン、カルボキシ置換低級アルキルアミン及び炭素数2〜4のアルキレンイミン単位を2〜10個有するポリアミン等が挙げられる。これらの塩型の場合、その種類は1種類に限られず複数種混在していてもよい。
更に、本発明で使用する顔料の構造において、その1分子中に酸基が複数個含まれる場合は、その複数の酸基は塩型あるいは酸型であり互いに異なるものであってもよい。
本発明において、前記一般式(A−1)で表されるアゾ顔料は、結晶中に水分子を含む水和物であっても良い。
次に上記一般式(A−1)で表されるアゾ顔料の製造方法の一例について説明する。例えば、下記一般式(A)で表されるヘテロ環アミンを酸性条件でジアゾニウム化し、下記一般式(B)で表される化合物とカップリング反応を行い、常法による後処理を行って上記一般式(A−1)で表されるアゾ顔料を製造することができる。
Figure 2012077190
(一般式(A)及び(B)中、W、Q、R、R及びX、Xは一般式(A−1)と同義である。)
上記一般式(A)で表されるヘテロ環アミンは、一般的には公知慣用の方法、例えば、Helv.Chim.Acta,41,1958,1052〜1056やHelv.Chim.Acta,42,1959,349〜352等に記載の方法、及び、それに準じた方法で製造することができる。
上記一般式(B)で表される化合物は、国際公開第06/082669号や特開2006−57076号公報に記載の方法、及び、それに準じた方法で製造することができる。
上記一般式(A)で表されるヘテロ環アミンのジアゾニウム化反応は、例えば、硫酸、リン酸、酢酸、塩酸、メタンスルホン酸などの酸性溶媒中、亜硝酸ナトリウム、ニトロシル硫酸、亜硝酸イソアミル等の試薬を15℃以下の温度で10分〜6時間程度反応させることで行うことができる。
カップリング反応は、上述の方法で得られたジアゾニウム塩と上記一般式(B)で表される化合物とを40℃以下、好ましくは、25℃以下で10分〜12時間程度反応させることで行うことができる。
このようにして反応させたものは、結晶が析出しているものもあるが、一般的には反応液に水、あるいはアルコール系溶媒を添加し、結晶を析出させ、結晶を濾取することができる。また、反応液にアルコール系溶媒、水等を添加して結晶を析出させて、析出した結晶を濾取することができる。濾取した結晶を必要に応じて洗浄・乾燥して、一般式(A−1)で表されるアゾ顔料を得ることができる。
上記の製造方法によって、上記一般式(A−1)で表される化合物は粗アゾ顔料(クルード)として得られるが、本発明の顔料として用いる場合、後処理を行うことが望ましい。この後処理の方法としては、例えば、ソルベントソルトミリング、ソルトミリング、ドライミリング、ソルベントミリング、アシッドペースティング等の磨砕処理、溶媒加熱処理などによる顔料粒子制御工程、樹脂、界面活性剤及び分散剤等による表面処理工程が挙げられる。
本発明の一般式(A−1)で表される化合物は後処理として溶媒加熱処理及び/又はソルベントソルトミリングを行うことが好ましい。
溶媒加熱処理に使用される溶媒としては、例えば、水、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の極性非プロトン性有機溶媒、氷酢酸、ピリジン、又はこれらの混合物等が挙げられる。上記で挙げた溶媒に、更に無機又は有機の酸又は塩基を加えても良い。溶媒加熱処理の温度は所望する顔料の一次粒子径の大きさによって異なるが、40〜150℃が好ましく、60〜100℃が更に好ましい。また、処理時間は、30分〜24時間が好ましい。
ソルベントソルトミリングとしては、例えば、粗アゾ顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練磨砕を行うことが挙げられる。上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。当該無機塩の使用量は、粗アゾ顔料に対して3〜20質量倍とするのが好ましく、5〜15質量倍とするのがより好ましい。有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好適に使用でき、混練時の温度上昇により溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、例えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール又はこれらの混合物が挙げられる。当該水溶性有機溶剤の使用量は、粗アゾ顔料に対して0.1〜5質量倍が好ましい。混練温度は、20〜130℃が好ましく、40〜110℃が特に好ましい。混練機としては、例えばニーダーやミックスマーラー等が使用できる。
〔(B)一般式(B−1)で表される染料〕
以下、(B)一般式(B−1)で表される染料について説明する。
Figure 2012077190
(一般式(B−1)中、Rはそれぞれ独立に1価の基を表し、Rはそれぞれ独立に−OR又は−NHRを表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の基を表し、Xは2価の連結基を表し、nは0又は1であり、Arはそれぞれ独立に2価のヘテロ環基を表し、Arはそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表す。)
まず、置換基群Sを以下のように定義する。
(置換基群S)
置換基群Sに含まれる置換基としては、置換可能な基であればよく、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基(塩でもよい)、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基(塩でもよい)、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。等を挙げることができる。
これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Sから選択される基を挙げることができる。更なる置換基を有する置換基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その具体例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
置換基群Sの各基について更に詳しく説明する。
ハロゲン原子は、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
アルキル基は、置換若しくは無置換のアルキル基が含まれる。アルキル基としては、炭素原子数が1〜30の置換若しくは無置換のアルキル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられるが、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、スルホ基(塩の形でもよい)及びカルボキシル基(塩の形でもよい)が好ましい。前記アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、ヒドロキシエチル、シアノエチル及び4−スルホブチルなどが挙げられる。
シクロアルキル基は、置換若しくは無置換のシクロアルキル基が含まれる。シクロアルキル基としては、炭素数が5〜30の置換若しくは無置換のシクロアルキル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記シクロアルキル基の例としては、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシルなどが挙げられる。
アラルキル基は、置換若しくは無置換のアラルキル基が含まれる。アラルキル基としては、炭素数が7〜30の置換若しくは無置換のアラルキル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アラルキルの例としては、ベンジル及び2−フェネチルを挙げられる。
アルケニル基は、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルケニル基が含まれる。アルケニル基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルケニル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アルケニル基の例としては、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられる。
アルキニル基は、置換若しくは無置換のアルキニル基が含まれる。アルキニル基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルキニル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アルキニル基の例としては、エチニル、プロパルギルなどが挙げられる。
アリール基は、置換若しくは無置換のアリール基が含まれる。アリール基としては、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリール基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アリール基の例としては、フェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニルなどが挙げられる。
ヘテロ環基は、置換若しくは無置換のへテロ環基が含まれる。へテロ環基としては、5若しくは6員の、置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のへテロ環化合物から1個の水素原子を取り除いた1価の基が好ましく、炭素数3〜30の5若しくは6員の芳香族へテロ環基がより好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記へテロ環基の例としては、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリルなどが挙げられる。
アルコキシ基は、置換若しくは無置換のアルコキシ基が含まれる。アルコキシ基としては、炭素数が1〜30の置換若しくは無置換のアルコキシ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−オクチルオキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシ及び3−カルボキシプロポキシなどが挙げられる。
アリールオキシ基は、置換若しくは無置換のアリールオキシ基が含まれる。アリールオキシ基としては、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールオキシ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アリールオキシ基の例としては、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシなどが挙げられる。
シリルオキシ基は、置換若しくは無置換のシリルオキシ基が含まれる。シリルオキシ基としては、炭素数3〜20の置換若しくは無置換のシリルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記シリルオキシ基の例としては、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシなどが挙げられる。
ヘテロ環オキシ基は、置換若しくは無置換のへテロ環オキシ基が含まれる。へテロ環オキシ基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記へテロ環オキシ基の例としては、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシなどが挙げられる。
アシルオキシ基は、置換若しくは無置換のアシルオキシ基が含まれる。アルキルオキシ基としては、ホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アシルオキシ基の例としては、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシなどが挙げられる。
カルバモイルオキシ基は、置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基が含まれる。カルバモイルオキシ基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記カルバモイルオキシ基の例としては、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシなどが挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基は、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニルオキシ基が含まれる。アルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アルコキシカルボニルオキシ基の例としては、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシなどが挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基は、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が含まれる。アリールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素数7〜30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アリールオキシカルボニルオキシ基の例としては、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−(n−ヘキサデシルオキシ)フェノキシカルボニルオキシなどが挙げられる。
アミノ基は、置換若しくは無置換のアミノ基が含まれる。アミノ基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアニリノ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アミノ基の例としては、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノなどが挙げられる。
アシルアミノ基は、置換若しくは無置換のアシルアミノ基が含まれる。アシルアミノ基としては、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アシルアミノ基の例としては、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノなどが挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基は、置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基が含まれる。アミノカルボニルアミノ基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アミノカルボニルアミノ基の例としては、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノなどが挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基は、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アルコキシカルボニルアミノ基の例としては、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基は、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が含まれる。アリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭素数7〜30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アリールオキシカルボニルアミノ基の例としては、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−(n−オクチルオキシ)フェノキシカルボニルアミノなどが挙げられる。
スルファモイルアミノ基は、置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基が含まれる。スルファモイルアミノ基としては、炭素数0〜30の置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記スルファモイルアミノ基の例としては、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノなどが挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニルアミノ基は、置換又は無置換の、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基が含まれる。アルキル又はアリールスルホニルアミノ基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノが好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アルキル又はアリールスルホニルアミノ基の例としては、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノなどが挙げられる。
アルキルチオ基は、置換若しくは無置換のアルキルチオ基が含まれる。アルキルチオ基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アルキルチオ基の例としては、メチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオなどが挙げられる。
アリールチオ基は、置換若しくは無置換のアリールチオ基が含まれる。アリールチオ基としては、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールチオ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アリールチオ基の例としては、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオなどが挙げられる。
ヘテロ環チオ基は、置換若しくは無置換のへテロ環チオ基が含まれる。へテロ環チオ基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のヘテロ環チオ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記へテロ環チオ基の例としては、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオなどが挙げられる。
スルファモイル基は、置換若しくは無置換のスルファモイル基が含まれる。スルファモイル基としては、炭素数0〜30の置換若しくは無置換のスルファモイル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記スルファモイル基の例として、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル)などが挙げられる。
アルキル又はアリールスルフィニル基は、置換又は無置換の、アルキル又はアリールスルフィニル基が含まれる。アルキル又はアリールスルフィニル基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールスルフィニル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アルキル又はアリールスルフィニル基の例としては、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニルなどが挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニル基は、置換又は無置換の、アルキル又はアリールスルホニル基が含まれる。アルキル又はアリールスルホニル基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールスルホニル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アルキル又はアリールスルホニル基の例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニルなどが挙げられる。
アシル基は、置換若しくは無置換のアシル基が含まれる。アシル基としては、ホルミル基、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アシル基の例としては、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−(n−オクチルオキシ)フェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニルなどが挙げられる。
アリールオキシカルボニル基は、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基が含まれる。アリールオキシカルボニル基としては、炭素数7〜30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アリールオキシカルボニル基の例としては、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−(t−ブチル)フェノキシカルボニルなどが挙げられる。
アルコキシカルボニル基は、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。アルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アルコキシカルボニル基の例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニルなどが挙げられる。
カルバモイル基は、置換若しくは無置換のカルバモイル基が含まれる。カルバモイル基としては、炭素数1〜30置換若しくは無置換のカルバモイル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記カルバモイル基の例としては、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイルなどが挙げられる。
ホスフィノ基は、置換若しくは無置換のホスフィノ基が含まれる。ホスフィノ基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のホスフィノ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記ホスフィノ基の例としては、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノなどが挙げられる。
ホスフィニル基は、置換若しくは無置換のホスフィニル基が含まれる。R、R及びRが表す炭素数2〜30の置換若しくは無置換のホスフィニル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記ホスフィニル基の例としては、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニルなどが挙げられる。
ホスフィニルオキシ基は、置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基が含まれる。ホスフィニルオキシ基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記ホスフィニルオキシ基の例としては、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシなどが挙げられる。
ホスフィニルアミノ基は、置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基が含まれる。ホスフィニルアミノ基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記ホスフィニルアミノ基の例として、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノなどが挙げられる。
シリル基は、置換若しくは無置換のシリル基が含まれる。シリル基としては、炭素数3〜30の置換若しくは無置換のシリル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記シリル基の例としては、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリルなどが挙げられる。
一般式(B−1)について説明する。
一般式(B−1)において、Rは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基が好ましく、アルキル基がより好ましく、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、t−ブチルが更に好ましく、t−ブチルが特に好ましい。
は−NHRであることが好ましい。
及びRは、水素原子、アルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
一般式(B−1)において、Xは2価の連結基を表す。Xで表される2価の連結基としては、アルキレン基(例、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン)、アルケニレン基(例、エテニレン、プロぺニレン)、アルキニレン基(例、エチニレン、プロピニレン)、アリーレン基(例、フェニレン、ナフチレン)、2価のヘテロ環基(例、1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイル基、キノキサリン−2,3−ジイル基)、−O−、−CO−、−NR−(Rは水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO−、−SO−又はこれらの組み合わせが挙げられる。
アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、2価のヘテロ環基、又はRで表されるアルキル基若しくはアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、前述の置換基Sの項で述べた基が挙げられるが、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、アミノ基、スルホ基(塩の形でもよい)及びカルボキシル基(塩の形でもよい)が好ましい。
としては、好ましくは、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のアルケニレン基、炭素数10以下のアルキニレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、2価のヘテロ環基、−O−、−S−又はこれらの組み合わせである。
で表される2価の連結基の総炭素数は0〜50であることが好ましく、0〜30であることがより好ましく、0〜10であることが最も好ましい。
は0又は1であり、1が好ましい。
Arは2価のヘテロ環基を表す。へテロ環としては、5員又は6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族ヘテロ環であっても非芳香族ヘテロ環であってもよい。具体的には、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。
なかでも、芳香族ヘテロ環基が好ましく、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが好ましく、チアジアゾールが最も好ましい。
Arが表す2価のヘテロ環基は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、置換基群Sの各基が挙げられる。
Arはアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表す。
Arが表すアルキル基及びアリール基は、置換基群Sのアルキル基及びアリール基と同義であり、好ましいものも同じである。
Arとしては、アリール基又は1価のトリアジン環基が好ましく、アリール基がより好ましく、フェニルが更に好ましい。
Arはアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基は、更に置換基を有していてもよく、置換基の例としては、前述の置換基群Sの各基が挙げられ、なかでもスルホ基又はカルボキシル基好ましい。
一般式(B−1)において、複数のR、複数のR、複数のAr及び複数のArは、それぞれ、互いに同一でも異なっていてもよい。
本発明の一般式(B−1)で表される化合物はイエロー染料として用いられる。このため、溶解性を上げる点から、R、R又はRとしてイオン性親水性基を有する、あるいはR、R、R、Ar又はArが有する置換基としてイオン性親水性基を有することが好ましい。
ここで、イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基等が含まれる。イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、及びスルホ基が好ましく、中でもカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましい。アルカリ金属塩の中でも、カリウムイオン、ナトリウムイオン、リチウムイオンが好ましく、ナトリウムイオン、カリウムイオンが最も好ましい。
一般式(B−1)においては、特にArがイオン性親水性基を有していることが好ましい。
以下に、一般式(B―1)で表される色材の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるわけではない。具体例中、Etはエチルを、Phはフェニルを意味する。
Figure 2012077190
Figure 2012077190
Figure 2012077190
Figure 2012077190
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Figure 2012077190
Figure 2012077190
Figure 2012077190
Figure 2012077190
本発明の一般式(B−1)で表される化合物は特開2004-83903号公報に記載の方法により合成できる。
一般式(B−1)で表される化合物は、色再現性の観点から、水溶液中で380〜490nmの最大吸収波長(λmax)を有することが好ましく、400〜480nmのλmaxを有することが更に好ましく、420〜460nmにλmaxを有することが特に好ましい。
〔(F)一般式(F−1)で表される染料〕
以下、一般式(F−1)について詳細に説明する。
Figure 2012077190
(一般式(F−1)中のY及びZは水素原子又は置換基を表し、Gは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、X、R、R及びnは前記一般式(A−1)中のX、R、R及びnと同義である。)
一般式(F−1)におけるX、R、R及びnの例は前記一般式(A−3)中のX、R、R及びnの例と同様のものを挙げることができる。
一般式(F−1)におけるnの好ましい例は、1又は2であり、特に2が好ましい。
Gとして特に好ましくは置換アリール基、又は置換へテロ環基であり、その中でも特に置換アリール基が好ましい。Gが置換基を有する場合の置換基としては、置換基群Aを挙げることができ、中でも、イオン性親水性基が好ましい。
一般式(F−1)中、Xとしては、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアシル基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、又は置換若しくは無置換のアリールスルホニル基が好ましく、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアシル基がより好ましく、その中でも特に水素原子が好ましい。
一般式(F−1)中、Rとしては、置換若しくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、総炭素数1〜8の直鎖アルキル基又は分岐のアルキル基が好ましく、特に2級又は3級アルキル基が好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
一般式(F−1)中、Rとしては、5〜8員含窒素ヘテロ環が好ましく、特にS−トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、又はピロール環が好ましく、その中でもS−トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、又はピラジン環が好ましく、S−トリアジン環が最も好ましい。
一般式(F−1)中、Yとしては、水素原子、置換若しくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基が好ましく、その中でも、水素原子、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基及び又は分岐のアルキル基がより好ましく、水素原子、又は1〜8のアルキル基が特に好ましく、水素原子が最も好ましい。
一般式(F−1)中、Zとしては、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性基が好ましく、更に0.30以上の電子求引性基が好ましく、上限としては1.0以下の電子求引性基である。その中でも、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、又は炭素数0〜12のスルファモイル基が好ましく、シアノ基、又は炭素数1〜12のアルキルスルホニル基が更に好ましく、シアノ基が特に好ましい。
本発明の一般式(F−1)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明の一般式(F−1)で表される染料として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ト)を含むものである。
(イ)Rは置換若しくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基が好ましく、その中でも、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基又は分岐のアルキル基が好ましく、特に2級又は3級アルキル基が好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
(ロ)Rは、5〜8員含窒素ヘテロ環が好ましく、特にS−トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、又はピロール環が好ましく、その中でもS−トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、又はピラジン環が好ましく、S−トリアジン環が最も好ましい。
(ハ)Yは水素原子、置換若しくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、水素原子、総炭素数1〜8の直鎖アルキル基又は分岐のアルキル基が好ましく、特に水素原子、又は総炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
(ニ)Zは、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性基が好ましく、更に0.30以上の電子求引性基が好ましく、上限としては1.0以下の電子求引性基である。その中でも、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、又は炭素数0〜12のスルファモイル基が好ましく、シアノ基、又は炭素数1〜12のアルキルスルホニル基が更に好ましく、シアノ基が特に好ましい。
(ホ)Gは、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基が好ましく、特に好ましくは置換アリール基、又は置換へテロ環基であり、その中でも特に置換アリール基が好ましい。Gが置換基を有する場合の置換基としては、置換基群Aを挙げることができ、中でも、イオン性親水性基が好ましい。
(ヘ)Xは、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアシル基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、又は置換若しくは無置換のアリールスルホニル基が好ましく、特に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアシル基が好ましく、その中でも特に水素原子が好ましい。
(ト)nは1〜3の整数を表し、好ましくは1又は2であり、特に2が最も好ましい。
上記一般式(F−1)で表される染料のうち、好ましくは下記一般式(F−2)で表される染料である。
以下、一般式(F−2)について詳細に説明する。
一般式(F−2)
Figure 2012077190
(一般式(F−2)中のY、及びYはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、G、及びGはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、R11、及びR12は前記一般式(F−1)におけるR、及びRと同義である。Mは水素原子又はカチオンを示す。)
以下に、R11、R12、Y、Y、G、G及びMについて詳細に説明する。
11、R12、Y、及びYの例は、上記一般式(F−1)中で説明したR、R、Y、及びYの例と同じであり好ましい例も同じである。
及びGの例は、上記一般式(F−1)中で説明したGの例と同じであり好ましい例も同じである。
Mは水素原子又はカチオンを示す。
Mで表されるカチオンとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウム又は第4級アンモニウムカチオンであり、好ましくはLi、Na、K、NH、又はNRである。但し、Rはアルキル基及びアリール基であり上述したR、Yで表されるアルキル基及びアリール基の例と同じである。その中でも好ましいMのカチオン例はLi、Na、K、又はNHであり、Li、Na、又はKが特に好ましい。
本発明の一般式(F−2)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明の一般式(F−2)で表される染料として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ニ)を含むものである。
(イ)R11及びR12は同一又は異なっていてもよく、置換若しくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基が好ましく、その中でも、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基又は分岐のアルキル基が好ましく、特に2級又は3級アルキル基が好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
(ロ)Y及びYは同一又は異なっていてもよく、水素原子、置換若しくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基が好ましく、更に水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基が好ましく、その中でも水素原子が最も好ましい。
(ハ)G及びGは、同一又は異なっていてもよく、置換若しくは無置換の総炭素数1〜12アルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、更に置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基が好ましく、特に置換アリール基が好ましい。
(ニ)Mは水素原子又はカチオンが好ましく、特に好ましくは水素原子、アルカリ金属イオン、アンモニウム又は第4級アンモニウムカチオンであり、更に好ましくはLi、Na、K、又はNHである。
本発明において、一般式(F−1)及び(F−2)で表される化合物が親水性を必要とする場合は、分子内に2個以上のイオン性親水性基を有することが好ましく、2〜10個のイオン性親水性基を有することが更に好ましく、3〜6個のイオン性親水性基を有することが特に好ましい。
但し、媒体として水を使用しない場合はイオン性親水性基を有していなくてよい。
イオン性親水性基としては、イオン性解離基である限りいかなるものであってもよい。具体的にはスルホ基、カルボキシル基(それらの塩を含む)、水酸基(塩でもよい)、ホスホノ基(塩でもよい)又は4級アンモニウムを挙げることが出来る。
好ましくはスルホ基、カルボキシル基、又は水酸基(それらの塩を含む)である。
イオン性親水性基が塩の場合、好ましいカウンターカチオンはアルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)、アンモニウム、及び有機のカチオン(例えばピリジニウム、テトラメチルアンモニウム、グアニジニウム)を挙げることができ、その中でもアルカリ金属が好ましく、特にスルホ基の場合はリチウム塩、カルボキシ基の場合はナトリウム塩及び又はカリウム塩が好ましい。
前記一般式一般式(F−1)及び(F−2)で表される水溶性染料の場合は、色再現性の観点から、HO中で380〜490nmの最大吸収波長(λmax)を有することが好ましく、400〜480nmのλmaxを有することが更に好ましく、420〜460nmにλmaxを有することが特に好ましい。
前記一般式(F−1)及び(F−2)で表される染料の具体例(例示染料DYE−1〜21)を以下に示すが、本発明に用いられる染料は、下記の例に限定されるものではない。
また、以下の具体例の構造は遊離の酸の形で示されるが、任意の塩として用いても良いことは言うまでもない。
好ましいカウンターカチオンとしては、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)、アンモニウム、又は有機のカチオン(例えばピリジニウム、テトラメチルアンモニウム、グアニジニウム)を挙げることができる。
Figure 2012077190
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Figure 2012077190
Figure 2012077190
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一般式(F−1)で表される化合物は、例えば特開2007−063520号公報に記載の方法により合成することができる。
前記したように、本発明にかかるインクを用いることで、堅牢性が高く、吐出安定性、保存安定性に優れたものとする効果が顕著に得られる。
〔表面張力〕
本発明者らの検討によれば、上記した、優れた堅牢性、優れた吐出安定性及び保存安定性の効果を同時に得るために、本発明のインクは、その表面張力が、25℃において、33.0mN/m以上であることが必要である。更には、25℃において、37.0mN/m以上とすることが好ましい。本発明にかかるインクの表面張力は41.0mN/m以下とすることが好ましい。インクの表面張力が41.0mN/m以下であれば、インクの記録媒体での定着性が十分に得られ、ブリーディングが十分に抑制でき優れた発色性を得ることができる。
<色材の含有量>
又、インク中における染料の含有量が多すぎる場合、従来の顔料を含有するインクに比べて画像の耐水性等が低下する可能性もある。このため、特に画像の堅牢性を重視したインクとして用いる時は、染料の含有量を適宜決定することが好ましい。本発明のインク中におけるイエロー顔料の含有量A(質量%)とイエロー染料の含有量D(質量%)の比は、以下のようにすることが好ましい。なお、含有量A及びDは、インク全質量を基準とした含有量(質量%)をそれぞれ示す。インク中のイエロー顔料の含有量A(質量%)は、インク中のイエロー染料の含有量D(質量%)に対して、即ち、A/D×100%の値を57%以上83%以下とすることが好ましい。
<インクジェット用インク>
次に、本発明にかかるインクを構成する各成分について、それぞれ説明する。
[色材]
本発明にかかる色材は顔料(A)及び、染料(B)又は(F)を含有する。
すなわち、本発明にかかるインクは色材の1つとして、顔料(A)を含有することが必要である。本発明において、顔料の中でも顔料(A)を用いる理由を以下に述べる。
更に、本発明にかかるインクは上記した顔料(A)に加えて、特定の染料を含有することが必要である。前記特定の染料とは、(B)一般式(B−1)又は(F)一般式(F−1)で表される染料から選択される少なくとも1種である。該染料は、発色性に優れる等の特性を有するものである。
又、水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。本発明にかかるインク中の水の含有量(質量%)は、インクを安定して吐出するために適切な粘度を有し、かつ、ノズル先端における目詰まりを抑制するために、インク全質量を基準として50.0質量%以上90.0質量%以下とすることが好ましい。
[添加剤]
本発明にかかるインクには、上記した成分以外にも、界面活性剤、pH調整剤、キレート剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、消泡剤、及び、水溶性ポリマー等の種々の添加剤を含有してもよい。
界面活性剤は、例えば、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等が挙げられる。アニオン界面活性剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。
アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸又はその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸ジオクチルスルホ琥珀酸塩等。
カチオン界面活性剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。
2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等がある。両性界面活性剤は、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等。
ノニオン界面活性剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアリルキルアルキルエーテル等のエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系(例えば、川研ファインケミカル製アセチレノールEH、日信化学製サーフィノール104、82、465、オルフィンSTG等)等。
本発明にかかるインクは、分散剤として水溶性ポリマーを含有することが好ましい。水溶性ポリマーとしては、水に溶解する水溶解性の樹脂、水に分散する水分散性の樹脂,コロイダルディスパーション樹脂、又はそれらの混合物が挙げられる。水性樹脂として具体的には,アクリル系,スチレン−アクリル系,ポリエステル系,ポリアミド系,ポリウレタン系,フッ素系等の樹脂が挙げられ、好ましくはスチレン−アクリル系の樹脂である。
<インクジェット用インクの製造方法>
本発明にかかるインクは、本発明において必須である以下の構成要件を満足するものであればよい。即ち、色材が、特定の染料、及び、顔料として(A)一般式(A−1)で表されるアゾ顔料、その塩、水和物及びそれらの互変異性体から選択される少なくとも1種を含有することが必要である。前記特定の染料とは、(B)一般式(B−1)で表される染料又は(F)一般式(F−1)で表される染料から選択される少なくとも1種である。又、水溶性有機溶剤として前記(A)一般式(A−1)で表されるアゾ顔料、その塩、水和物及びそれらの互変異性体から選択される少なくとも1種に対する貧溶媒を含有してなり、インクの表面張力が、33.0mN/m以上であることが必要である。本発明にかかるインクは、前記した構成要件を満足するものであればよく、その作製方法やその実施形態については特に限定されない。
本発明のインクジェット用インクは、上記した各成分を用いて常法に従って製造することができる。本発明のインクジェット用インクは、下記に説明するように、インクカートリッジに残留しているインク等を再利用することで、経済的にかつ環境保護の点からも好ましい手段による本発明にかかるインクの製造方法によっても得ることができる。
具体的には、顔料(A)一般式(A−1)で表されるアゾ顔料、その塩、水和物及びそれらの互変異性体から選択される少なくとも1種、及び該(A)一般式(A−1)で表されるアゾ顔料、その塩、水和物及びそれらの互変異性体から選択される少なくとも1種に対する貧溶媒を含有してなるインクを収容するインクカートリッジに、特定の染料を含有するインクを注入する工程を有するインクの製造方法である。上記特定の染料とは、(B)一般式(B−1)又は(F)一般式(F−1)で表される染料から選択される少なくとも1種である。
上記した方法でインクを製造することで、優れた性能を有する顔料である(A)一般式(A−1)で表されるアゾ顔料、その塩、水和物及びそれらの互変異性体から選択される少なくとも1種及び該顔料に対する貧溶媒を含有してなるインクカートリッジを再利用することが可能となり、コストの削減が可能となる。更に、上記した方法によれば、一度インクを含有したインクカートリッジや該インクを収容するインク収容部を有するインクカートリッジへのインクの充填が容易となるという効果も更に得ることができる。
〔インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びインクジェット記録用インクタンク〕
インクジェット記録方法は、インクジェット記録用インクを用い、記録信号に応じて記録ヘッドから記録媒体表面にインクを吐出して、記録媒体表面に画像を形成する方法である。
また、インクジェット記録装置は、インクジェット記録用インクを用い、インク(必要により処理液)を記録媒体表面に吐出する記録ヘッドを備え、記録媒体表面に前記インクを記録ヘッドから吐出することにより、画像を形成する装置である。なお、インクジェット記録装置は、記録ヘッドに、インクを供給することができ、かつ、インクジェット記録装置本体に対して脱着可能なインクジェット記録用インクタンク(以下、「インクタンク」と称す場合がある)を備えていてもよい。この場合、このインクジェット記録用インクタンクには、インクが収納される。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例中、「部」とは質量部を表す。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をより具体的に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、下記実施例によって限定されるものではない。なお、以下の記載で、「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
<インクの評価>
ここでは、本発明の実施態様のひとつであるインクについて下記のような手順で調製し、得られたインクについて下記のようにして評価を行った。
(イエロー顔料分散液1の調製)
顔料(a−1)10部、分散剤12部、オレイン酸Na0.5部イオン交換水79.5部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて分散を行い、遠心分離処理により粗大分子を除去した後、ポアサイズ3μmのミクロフィルター(富士フイルム(株)製にて加圧ろ過し、顔料分散体を調整した。最終的に顔料濃度は10%となるように、水で調整し、顔料分散液(a−1)を得た。分散剤には、国際公開番号WO06/064193の22pに記載されているDispersant solution 10で表される、メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体を用いた。また、顔料分散液(a−2)についても同様に調製した。
(インクの調製)
上記で作成した顔料分散液(a−1,a−2)に、b−1,b−2,b−3、Fの染料等、成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過を行い、表1に示す各成分が表1に示す質量比となるように実施例1〜8及び比較例1〜8のインクを調製した。又、上記で得られた実施例1〜8及び比較例1〜8のインクについて、協和CBVP−2式表面張力計(協和科学)を用いて、25℃におけるインクの表面張力を測定した。測定したインクの表面張力を表1中に示した。
〔堅牢性評価〕
各インクをセイコーエプソン社製PX−V630のイエローインク液のカートリッジに装填し、富士フイルム社製、インクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩」にプリントした。
<光堅牢性>
光堅牢性は印画直後の画像濃度CiをX−rite310(X−Rite社製)にて測定した後、アトラス社製ウェザーメーターを用い画像にキセノン光(10万ルックス)を10日間照射した後、再び画像濃度Cfを測定し、画像残存率Cf/Ci×100を求め評価を行った。
画像残像率について画像濃度が1、1.5、2の3点にて下記の基準に従い評価した。
◎いずれの濃度でも画像残存率が80%以上
○2つの濃度で画像残存率が80%未満
×全ての濃度で80%未満
<オゾン堅牢性>
オゾンガス5ppm(25℃:50%)に設定されたボックス内に10日間放置し、オゾンガス下放置後の画像濃度をX−Rite310を用いて測定した。
画像残像率について画像濃度が1、1.5、2の3点にて下記の基準に従い評価した。
Ci濃度が1、1.5、2の画像について残存率Ci/Cfを求めた。
◎いずれの濃度でも80%以上
○2つの濃度で80%未満
×3つの濃度で80%未満
<吐出安定性>
カートリッジをプリンターにセットし、全ノズルからのインクの突出を確認した後、A4 40枚を出力した。
◎印刷開始から終了まで印字の乱れなし
○印字の乱れがある出力が発生する
×印字の開始から終了まで印字の乱れあり
<分散安定性>
作成したインクを動的光散乱粒径測定装置(日機装(株)マイクロトラックUPA150)を用いて、体積平均径を測定した。インク調液直後と60℃で4日保存後の体積平均径の比((60℃で4日保存後の体積平均径/調液直後の体積平均径)×100)を算出し、下記の評価基準に従い評価した。
◎体積平均径の比が3%以下のもの
○体積平均径の比が3%より大きく20%以下のもの
×体積平均径の比が20%より大きいもの
Figure 2012077190
上記実施例及び比較例で使用した化合物の構造を以下に示す。なお、下記化合物(a−1)及び化合物(a−2)は特開2010−31224号公報に記載の方法に従って合成した。化合物(b−1)〜(b−3)は特開2004−83903号公報に記載の方法に従って合成した。化合物Fは特開2007−063520号公報に記載の方法に従って合成した。
Figure 2012077190
Figure 2012077190
界面活性剤1
日信化学工業製 サーフィノール465
実施例1〜8の評価結果は、比較例1〜8と比べて、堅牢性、吐出安定性及び保存安定性の何れにおいても、より優れた結果となっていた。

Claims (9)

  1. 水、下記(A)及び、(B)又は(F)を含む色材、及び水溶性有機溶剤を含有し、該水溶性有機溶剤が該(A)に対する貧溶媒を含み、表面張力が、33.0mN/m以上であるインクジェット用インク。
    (A)一般式(A−1)で表されるアゾ顔料、その塩、水和物及びそれらの互変異性体から選択される少なくとも1種
    Figure 2012077190
    (一般式(A−1)中、Qは炭素原子と共に5〜7員のヘテロ環を表し、Wはアルコキシ基、アミノ基、アルキル基又はアリール基を表し、X、及びXはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アシル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を表し、Rは水素原子又は置換基を表し、Rはヘテロ環基を表し、nは1〜4の整数を表す。n=2〜4の場合は、Q、W、X、X、R、及びRはそれぞれ独立であり、Q、W、X、X、R、又はRを介した2〜4量体を表す。)
    (B)一般式(B−1)で表される染料から選択される少なくとも1種
    Figure 2012077190
    (式中、R4 はそれぞれ独立に1価の基を表し、R5 はそれぞれ独立に−OR6 又は−NHR7 を表し、R6 及びR7 はそれぞれ独立に水素原子又は1価の基を表し、X3 は2価の連結基を表し、nは0又は1であり、Arはそれぞれ独立にアリーレン基又は2価のヘテロ環基を表し、Arはそれぞれ独立にアルキル基、アリール基、又は1価のトリアジン環基を表す。)
    (F)一般式(F−1)で表される染料から選択される少なくとも1種
    Figure 2012077190
    (一般式(F−1)中のYは水素原子又は置換基を表し、Gは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、X、R、R及びnは前記一般式(A−1)中のX、R、R及びnと同義である。)
  2. 前記一般式(A−1)で表されるアゾ顔料が、下記一般式(A−2)で表されるアゾ顔料であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク。
    Figure 2012077190
    (一般式(A−2)中のQ、W、X、R、R及びnは前記一般式(A−1)中のQ、W、X、R、R及びnと同義である。)
  3. 前記一般式(A−1)又は一般式(A−2)で表されるアゾ顔料が、下記一般式(A−3)で表されるアゾ顔料であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット用インク。
    Figure 2012077190
    (一般式(A−3)中のYは水素原子又は置換基を表し、Gは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、W、X、R、R及びnは前記一般式(A−1)中のW、X、R、R及びnと同義である。)
  4. 前記一般式(A−1)又は一般式(A−2)で表されるアゾ顔料が、下記一般式(A−4)で表されるアゾ顔料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット用インク。
    Figure 2012077190
    (一般式(A−4)中、Zは5〜8員含窒素複素環を表し、Y、Y、R11、及びR12は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、G、及びGは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、W、及びWはそれぞれ独立にアルコキシ基、アミノ基、アルキル基又はアリール基を表す。)
  5. W、W、及びWが、それぞれ独立に総炭素数3以下のアルコキシ基、アミノ基、又は総炭素数3以下のアルキルアミノ基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
  6. G、G、及びGが、それぞれ独立に総炭素数3以下のアルキル基であることを特徴とする請求項3、4又は5に記載のインクジェット記録用インク。
  7. Zが、6員含窒素ヘテロ環であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
  8. 前記インクジェット用インクの表面張力が、41.0mN/m以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット用インク。
  9. インクジェット方式でインクを吐出するインクジェット記録方法において、前記インクに、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット用インクを用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
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