JP2005169427A - 圧延用ロールの外層材および圧延用ロール - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、耐摩耗性、耐肌荒れ性および耐事故性に優れた圧延用ロールの外層材およびそれを用いた圧延用ロールを提供する。
【解決手段】 本発明の圧延用ロールの外層材は、金属組織中に面積%で、0.5〜5%の黒鉛と、0.1〜10%のMC系炭化物と、10〜45%のセメンタイトを有し、前記黒鉛の球状化率が0.5以上であることを特徴とする。また、化学成分が質量%で、C:3.0%を超えて4.0%以下、Si:3.0%以下、Ni:2.3〜5.5%、Cr:1.0〜2.0%、V:0.3〜10.0%、MgまたはCaの1種または2種を0.005〜0.5%含有し、残部Feおよび不純物元素からなり、金属組織中の黒鉛の球状化率が0.5以上であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐摩耗性、耐肌荒れ性および耐事故性に優れた圧延用ロールの外層材およびそれを用いた圧延用ロールに関する。特に熱間薄板圧延機の仕上列の後段に用いるワークロールの外層材として好適なものである。
従来、熱間薄板圧延機の仕上列の後段にはグレン系鋳鉄材を外層材とするロールが使われていた。一般にグレン系ロールは耐焼付性に優れ、絞り圧延事故に遭遇した際でも、被圧延材の焼付きが少なく、その際のクラックの発生進展も少ない利点がある。
しかしながら、Cr、Mo、V、Wなどの合金を多量に含有させ、非常に硬いMC系炭化物を晶析出させたハイス系材を外層材とするロールに比べて耐摩耗性はかなり劣っている。
ロールの耐摩耗性を向上させる手段としては、MC系、M2C系等の硬質炭化物を晶出あるいは析出させる方法が知られている。また、耐焼付性を向上させる手段としては、固体潤滑剤である黒鉛を晶出させる方法が知られている。しかしながら、硬質炭化物を構成する元素であるV、Mo、Wは白銑化元素であり、黒鉛と共存させることは困難であった。また、V等を含有したグレン系ロールを遠心力鋳造法で製造した場合、晶出炭化物と溶湯との比重差により、例えばMC系炭化物は内面側に偏析するという問題があった。
このような問題を解決するために種々の発明がなされ、本出願人も既に特許文献1を提案した。すなわち、特許文献1には、化学成分が質量%で、C:2.0〜4.0%、Si:0.5〜4.0%、Mn:0.1〜1.5%、Ni:2.0〜6.0%、Cr:1.0〜7.0%、V:2.0〜8.0%、残部Feおよび不純物元素からなり、基地組織と、面積%で0.5〜5.0%の黒鉛と、0.2〜10.0%のMC系炭化物と、10.0〜40.0%のセメンタイトとからなる金属組織を有する耐摩耗耐焼付性熱間圧延用ロールが記載されている。
特開平6−335712号公報
前記特許文献1の熱間圧延用ロールは、金属組織中の黒鉛の形状が片状で不均一に晶出しやすいため、ロールの摩耗形態が不均一となり、耐摩耗性や耐肌荒れ性が未だ十分でなかった。また、MC系炭化物の形状が切り欠き係数の低い微細な粒状になりにくく耐事故性も十分でないという問題があった。
したがって、本発明の目的は、これらの問題を解消し、耐摩耗性、耐肌荒れ性および耐事故性に優れた圧延用ロールの外層材およびそれを用いた圧延用ロールを提供することである。
本発明者は、耐焼付性に優れた特許文献1のロール外層材に対して改良を図り、特にMgまたはCaを含有させることにより、黒鉛の形状を微細な球状にするとともに、金属組織中に均一に分散できることを見いだし、耐摩耗性、耐肌荒れ性および耐事故性を向上させ得た。
すなわち、第1の本発明の圧延用ロールの外層材は、金属組織中に面積%で、0.5〜5%の黒鉛と、0.1〜10%のMC系炭化物と、10〜45%のセメンタイトを有し、前記黒鉛の球状化率が0.5以上であることを特徴とする。
前記第1の本発明において、金属組織中に面積%で、円換算で直径3μm以下の黒鉛が1%以上あることを特徴とする。また、黒鉛の粒数が組織観察断面で1cm2あたりに300個以上あることを特徴とする。
また、第2の本発明の圧延用ロールの外層材は、化学成分が質量%で、C:3.0%を超えて4.0%以下、Si:3.0%以下、Ni:2.3〜5.5%、Cr:1.0〜2.0%、V:0.3〜10.0%、MgまたはCaの1種または2種を0.005〜0.5%含有し、残部Feおよび不純物元素からなり、金属組織中の黒鉛の球状化率が0.5以上であることを特徴とする。
前記第2の本発明において、さらに、質量%で、Mn:0.3〜2.0%、Mo:0.2〜3.0%、W:0.1〜3.0%、Nb:0.3〜10.0%、Co:0.1〜10.0%、Ti:0.01〜2.0%、B:0.002〜0.2%、Cu:0.02〜1.0%の1種または2種以上を含有することを特徴とする。
さらに、前記第2の本発明において、金属組織中に面積%で、円換算で直径3μm以下の黒鉛が1%以上あることを特徴とする。また、黒鉛の粒数が組織観察断面で1cm2あたりに300個以上あることを特徴とする。
本発明の外層材はその金属組織に黒鉛を有し、耐事故性を確保するために必要な優れた耐焼付性、破壊靭性値は黒鉛量に応じて向上する。黒鉛量が面積%で0.5%未満では耐焼付性の効果が十分でない。また、黒鉛量が5%を超えると耐焼付き性、破壊靭性値の向上の効果は飽和し、耐摩耗性が低下する。このため、必要とされる黒鉛量は0.5〜5%である。より好ましい黒鉛量は1〜3%である。
耐摩耗性を向上させるためには、硬質な炭化物を分散させる必要がある。特に硬質な炭化物であるMC系炭化物は面積%で0.1〜10%含有する必要がある。硬質炭化物の面積%が0.1%未満では耐摩耗性が十分でない。また黒鉛との共存関係により、10%を超えて硬質炭化物を含有させるのは製造上困難である。より好ましいMC系炭化物の面積%は0.5〜6%である。
セメンタイトはMC系炭化物に比べ軟質であるものの、高価な合金を使用することなく容易に晶出できる。また多量に晶出させることにより、軟質な基地の粒径を微細にし、かつ基地面積率を減少させ、耐摩耗性を向上させることができる。セメンタイトの晶出量は10%未満では黒鉛の晶出が困難になり、45%を超えると靭性が低下する。より好ましいセメンタイトの面積%は15〜40%である。
本発明のロール外層材は、その金属組織中の黒鉛の形状を微細な球状にするとともに、金属組織中に均一に分散できる。本発明の黒鉛の球状化率は0.5以上となる。黒鉛の球状化率が0.5未満であるとロールの摩耗形態が不均一となり、耐摩耗性や耐肌荒れ性が低下する。より好ましい黒鉛の球状化率は0.7〜1.0である。
また、黒鉛の粒サイズが小さく球状でかつ微細に分散すると耐肌荒れ性が向上する。そこで、金属組織中に面積%で、円換算で直径3μm以下の黒鉛が1%以上あることが望ましい。より好ましくは円換算で直径3μm以下の黒鉛が2〜3%である。また黒鉛が多いほど耐摩耗性が向上する。黒鉛の粒数は組織観察断面で1cm2あたりに300個以上あることが望ましい。より好ましくは1cm2あたりに1000〜4000個である。
また、本発明の外層材の基地組織は、実質的にマルテンサイト、ベイナイトまたはパーライトからなるのが好ましい。
本発明のロール外層材の金属組織を達成するためには、外層材の各化学成分の含有範囲(質量%)は以下が望ましい。
C:3.0%を超えて4.0%以下
Cは、Fe、Cr、Vなどと結合してセメンタイトやMC、M2C、M6C、M73系炭化物などの硬質炭化物を生成し耐摩耗性を高めるとともに、黒鉛を晶出して耐焼付性を付与するのに必要な元素である。Cが3.0%以下では炭化物量が不足するとともに黒鉛の晶出量も不足する。4.0%を超えると、セメンタイトや硬質炭化物が多くなりすぎ靭性が低下する。Cの含有量は、好ましくは3.0%を超えて3.4%以下である。
Si:3.0%以下
Siは、黒鉛化促進元素である。外層材中の全Si量が3.0%を超えると、基地が脆化し靭性が低下する。また黒鉛を晶出させるためには、全Si量のうち0.03%以上を接種で添加する必要がある。接種するSi量は、好ましくは全Si量の0.1〜0.5%とする。外層材中の全Si量は、好ましくは0.8〜3.0%であり、より好ましくは1.0〜2.0%である。
Ni:2.3〜5.5%
Niは、黒鉛の晶出および基地組織の焼入れ性を向上させるため有効である。本発明の外層材は鋳造後の焼入れを特に必要としないため、2.3%以上含有すればよい。5.5%を超えるとオーステナイトが安定しすぎて、ベイナイトあるいはマルテンサイトに変態しにくくなる。Niの含有量は、好ましくは3.0〜5.0%であり、より好ましいは、4.0〜5.0%である。
Cr:1.0〜2.0%
Crは、基地組織をベイナイトあるいはマルテンサイトにして硬さを確保し、耐摩耗性を維持するのに有効な元素であり、1.0%以上必要である。Crが2.0%を超えると、黒鉛の晶出を阻害したり基地組織の靭性を低下させる。また、Cr系炭化物(M73系、M236系)を形成し、この炭化物はMC系、M6C系炭化物に比べて硬さが低いため耐摩耗性向上効果が期待できず、かつ脆くなる。このためCrの上限は2.0%とする。
V:0.3〜10.0%
VはCと結合してMC系炭化物を生成する。このMC系炭化物の硬さはHv2500〜3000であり、炭化物の中でも非常に硬質である。このため、Vは耐摩耗性の向上に最も効果のある必須元素の1つである。晶出炭化物だけでなく、基地中の微細な析出炭化物として耐摩耗性の向上に寄与する。しかし、過剰に含有させると黒鉛の晶出を阻害し、靭性が低下する。それとともに、MC系炭化物が粗大化し耐肌荒れ性が低下するので好ましくない。Vの含有量は、好ましくは2.0〜5.0%である。
Mg、Ca:0.005〜0.5%
MgおよびCaは本発明のロール外層材において最も特徴とする元素である。これらは黒鉛を球状化する作用を有するとともに、微細均一に晶出させる。球状黒鉛鋳鉄の黒鉛がMgなどの添加によって球状化されるのと同様に、晶出する黒鉛が球状となると推測される。黒鉛の形状を微細な球状にするとともに、金属組織中に均一に分散させるためには、MgおよびCaの1種または2種を0.005%以上必要である。一方、0.5%を超えるとその効果が飽和し、また大量の添加は溶湯との反応が激しく作業的に困難になる。
本発明の外層材の基本化学成分は上記のとおりであるが、ロールの用途、使用特性などにより以下の種々の化学成分を選択的に添加することができる。
Mn:0.3〜2.0%
Mnは、溶湯の脱酸や不純物であるSをMnSとして固定し、0.3%以上含有で効果がある。Mnが2.0%を超えると残留オーステナイトを生じやすくなり安定して硬さを維持できない。Mnの含有量は、好ましくは0.4〜1.5%であり、より好ましくは0.4〜1.0%である。
Mo:0.2〜3.0%
Moは、Cと結合して硬質のM6C系、M2C系炭化物を生成し、かつ基地組織中に固溶して基地組織を強化するので耐摩耗性の向上に有効であり、0.2%以上含有で効果がある。3.0%を超えると、黒鉛の晶出を阻害するので好ましくない。Moの含有量は、好ましくは0.2〜1.0%である。
W:0.1〜3.0%
WはMoと同様、Cと結合して硬質のM6C系、M2C系炭化物を生成し、かつ基地組織中に固溶して基地組織を強化するので耐摩耗性の向上に有効であり、0.1%以上含有で効果がある。3.0%を超えると、黒鉛の晶出を阻害するので好ましくない。Wの含有量は、好ましくは0.2〜2.0%である。
Nb:0.3〜10.0%
NbはVと同様にCと結合してMC系炭化物を生成する。ロールの外層材を遠心力鋳造法で形成させる場合、NbはMC系炭化物の偏析を少なからず軽減させる効果を有する。遠心力鋳造する際のVの添加量に応じて、Nbの添加の要否を選択すればよい。しかし、過剰に含有させると靭性が低下するとともに、MC系炭化物が粗大化し耐肌荒れ性が低下するので好ましくない。Nbの含有量は、好ましくは2.0〜5.0%である。
Co:0.1〜10.0%
Coは、基地組織の強化に有効な元素であるが、過剰になると靭性を低下させる。そのため、Coの含有量は0.1〜10.0%とする。また、Coにはセメンタイトを不安定化し、黒鉛を晶出しやすくする効果もある。Coの含有量は、好ましくは3.0〜7.0%である。
Ti:0.01〜2.0%
Tiは、黒鉛化阻害元素であるNおよびOと結合して酸窒化物を形成する。Tiは0.01%未満では効果を期待できず、また含まれているNおよびOの量からTiは2.0%で十分である。Tiの含有量は、好ましくは0.05〜0.5%である。
B:0.002〜0.2%
Bは、炭化物を微細化する効果があり、0.002%未満ではその効果が十分に発揮されず、0.2%を超えると、炭化物が不安定になる。Bの含有量は、好ましくは0.01〜0.05%である。
Cu:0.02〜1.0%
CuはCoと同様、セメンタイトを不安定化し、黒鉛を晶出しやすくする効果がある。0.02%未満ではその効果が十分でなく、1.0%を超えると靭性を低下させる。Cuの含有量は、好ましくは0.1〜0.5%である。
上記元素以外は、不純物を除いて残部は実質的にFeである。不純物として主な元素はPおよびSである。靭性の低下を防止するため、Pの含有量は0.1%以下、Sの含有量は0.08%以下が好ましい。
本発明のロールの外層材は、遠心力鋳造法あるいは連続肉盛鋳造法により形成することができる。本発明の効果をより一層発揮させるには遠心力鋳造法の方が好ましい。いずれの方法でも鋳造に際して、Si含有接種剤を用いて接種する必要がある。
表1に示す化学成分(供試材No.1〜No.25)の溶湯を、遠心力鋳造機で高速回転させている円筒金型内に鋳込んで鋳造した。溶湯へのSi、Mg、Caの添加については、炉から出湯後の溶湯に、取鍋にてFe−Si接種剤、Ni−Mg接種剤、Ca−Si接種剤を添加した。このようにして得た供試材を、500℃で10時間加熱し、徐冷することにより、残留オーステナイトの分解と歪み取りを行った。
表1に示す供試材No.1〜No.7は本発明例、供試材No.21〜No.25は比較例である。なお、供試材No.31は従来のグレン系材、供試材No.32は従来のハイス系材である。
これらの供試材から試験片を採取し、画像解析装置(日本アビオニクス株式会社製SPICCA−II)により、組織構成要素の面積%、黒鉛の球状化率、円換算で直径3μm以下の黒鉛が金属組織中に占める面積%、1cm2あたりの黒鉛の粒数を測定した。また破壊靭性値および引張強度を測定した。また、圧延摩耗試験機で摩耗試験を、摩擦熱衝撃試験機で焼付試験を行った。表2にそれぞれの試験結果を示す。
図1は圧延摩耗試験機の概略図を示す。図1において、圧延摩耗試験機は、圧延機1と、圧延材Sを余熱する加熱炉4と、圧延材Sを冷却する冷却水槽5と、圧延材Sの巻取り機6とテンションコントローラ7とから構成される。圧延機1には試験用ロール2、3が組み込まれる。試験用ロールは前記の供試材から作製し、外径60mm、内径40mm、幅40mmの小型スリーブロールを用いた。圧延摩耗試験機に試験用ロールを組み込み、試験条件が、圧延材料:SUS304、圧下率:25%、圧延速度:150m/min、圧延温度:900℃、圧延距離:300m/回、ロール冷却:水冷、ロール数:4重式にて試験を行った。圧延後、試験用ロールの表面に生じた摩耗の深さを触針式表面粗さ計により測定した。
図2は摩擦熱衝撃試験機の概略図を示す。図2において、摩擦熱衝撃試験機は、ラック8に重り9を落下させることによりピニオン10を回動させ、供試材11に噛み込み材12を強く接触させるものである。
図3は黒鉛の球状化率および円換算直径を説明するための図を示す。図3において、15は測定対象物であり、本発明では黒鉛を指す。供試材から採取した試験片を鏡面研摩した。そして、その部分を倍率100倍にて10個所の視野で画像解析を行い、その平均を球状化率及び円換算直径とした。
測定対象物の面積をA、測定対象物の周囲長をLとすると、球状化率は数式(1)で表され、1に近づくほど真円に近くなる。また、黒鉛の円換算での直径は、測定対象物15の面積Aと等しい面積に相当する円Cの直径であり、数式(2)で表される。
表1および表2から、本発明例のロール外層材は、MgまたはCaを含有させることにより、黒鉛の形状を微細な球状にするとともに、金属組織中に均一に分散させたので、耐摩耗性、耐肌荒れ性および耐事故性とも良好な結果が得られた。
本発明例に比べて、比較例21は破壊靭性値に劣る。比較例22は摩耗量が多く耐摩耗性に劣る。比較例23は焼付面積率が大きく耐焼付性に劣る。比較例24は摩耗量が多く耐摩耗性に劣る。比較例25は焼付面積率が大きく、また肌粗さも大きいので耐焼付性、耐肌荒れ性に劣ることがわかった。
また、図4に本発明例の供試材No.1における金属組織の顕微鏡写真(20倍)を示す。図5に比較例の供試材No.21における金属組織の顕微鏡写真(20倍)を示す。それぞれ供試材から試験片を採取し、アルミナ研磨を施し無腐食で観察した。図4では白っぽく粒状のものがMC系炭化物、黒っぽく現れているものが黒鉛である。図5では白っぽく花びら状のものがMC系炭化物、黒っぽく片状に現れているものが黒鉛である。本発明例では黒鉛の形状を微細な球状にするとともに、金属組織中に均一に分散していることがわかる。
以上述べたように、本発明の圧延用ロールの外層材は黒鉛と硬質炭化物の共存により、耐摩耗性と耐事故性を併せ持つ。また黒鉛を微細均一に分散させ、形状を球状にすることでさらに耐摩耗性および耐事故性を向上させることができる。本発明の圧延用ロールの外層材を用いて形成された圧延用ロールは、熱間圧延用ワークロール全般で、特に熱間薄板圧延機の仕上列後段において優れた性能を発揮し、圧延工場における生産性の向上に寄与する。
実施の形態で用いた圧延摩耗試験機の概略図である。 実施の形態で用いた摩擦熱衝撃試験機の概略図である。 MC系炭化物の球状化率および円換算直径を説明するための図である。 本発明例の供試材No.1の金属組織を示す顕微鏡写真である。 比較例の供試材No.21の金属組織を示す顕微鏡写真である。
符号の説明
1 圧延摩耗試験機、 2 試験用ロール、 3 試験用ロール、 4 加熱炉、
5 冷却水槽、 6 巻取り機、 7 テンションコントローラ、 S 圧延材、
8 ラック、 9 重り、 10 ピニオン、 11 供試材、
12 噛み込み材、 15 測定対象物

Claims (8)

  1. 金属組織中に面積%で、0.5〜5%の黒鉛と、0.1〜10%のMC系炭化物と、10〜45%のセメンタイトを有し、前記黒鉛の球状化率が0.5以上であることを特徴とする圧延用ロールの外層材。
  2. 金属組織中に面積%で、円換算で直径3μm以下の黒鉛が1%以上あることを特徴とする請求項1に記載の圧延用ロールの外層材。
  3. 黒鉛の粒数が1cm2あたりに300個以上あることを特徴とする請求項1または2に記載の圧延用ロールの外層材。
  4. 化学成分が質量%で、C:3.0%を超えて4.0%以下、Si:3.0%以下、Ni:2.3〜5.5%、Cr:1.0〜2.0%、V:0.3〜10.0%、MgまたはCaの1種または2種を0.005〜0.5%含有し、残部Feおよび不純物元素からなり、金属組織中の黒鉛の球状化率が0.5以上であることを特徴とする圧延用ロールの外層材。
  5. さらに、質量%で、Mn:0.3〜2.0%、Mo:0.2〜3.0%、W:0.1〜3.0%、Nb:0.3〜10.0%、Co:0.1〜10.0%、Ti:0.01〜2.0%、B:0.002〜0.2%、Cu:0.02〜1.0%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項4に記載の圧延用ロールの外層材。
  6. 金属組織中に面積%で、円換算で直径3μm以下の黒鉛が1%以上あることを特徴とする請求項4に記載の圧延用ロールの外層材。
  7. 黒鉛の粒数が1cm2あたりに300個以上あることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の圧延用ロールの外層材。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の圧延用ロールの外層材を用いて形成されたことを特徴とする圧延用ロール。
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