JP2005220338A - 水性インク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分子中に少なくとも1つのイオン性親水性基を有する色素を少なくとも2種含有し、その色素の少なくとも1種が分子中に少なくとも1つのイオン性親水性基を有する下記一般式(1)で表されるアゾ色素である水性インク。
【化1】
式中、AおよびBは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の1価の芳香族基または置換もしくは無置換の1価の複素環基を表す。R1は、水素原子、置換もしくは無置換の芳香族基または置換もしくは無置換の複素環基を表す。Xは、−CR2=または窒素原子を表し、Xが−CR2=である場合のR2は、水素原子または置換基を表す。
【選択図】 なし
Description
インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。これらのインクのうち、製造・取り扱い性・臭気・安全性等の点から水性インクが主流となっている。
即ち、本発明の目的は、良好な色相を有し、光および環境中の活性ガス、特にオゾンガスに対する堅牢性に優れ、印字濃度が高い着色画像や着色材料を提供することである。
1.分子中に少なくとも1つのイオン性親水性基を有する色素を少なくとも2種含有し、その色素の少なくとも1種が分子中に少なくとも1つのイオン性親水性基を有する下記一般式(1)で表されるアゾ色素であることを特徴とする水性インク。
R1は、水素原子、置換もしくは無置換の芳香族基または置換もしくは無置換の複素環基を表す。
Xは、−CR2=または窒素原子を表し、Xが−CR2=である場合のR2は、水素原子または置換基を表す。
2.一般式(1)のBが、置換または無置換の複素環基であることを特徴とする上記1に記載の水性インク。
3.一般式(1)で表されるアゾ色素が、下記一般式(2)で表される色素であることを特徴とする上記1または2に記載の水性インク。
4.一般式(2)におけるG、R5、R6が、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基及びアリール基及び複素環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、複素環チオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、R3およびR4が、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基またはスルファモイル基(但し、R3およびR4が同時に水素原子であることはない。また、R5とR6、R5とR3あるいはR3とR4が結合して5または6員環を形成しても良い。)を表すことを特徴とする上記3に記載の水性インク。
5.分子中に少なくとも1つのイオン性親水性基を有する前記一般式(2)で表される色素を2種以上含有することを特徴とする水性インク。
6.上記1から5のいずれかに記載の水性インクを使用することを特徴とするインクジェット記録用インク。
7.支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有する受像材料上に、上記5に記載のインクジェット記録用インクを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
A、Bの少なくとも1つは、好ましくは複素環であり、特にBが複素環であることが好ましい。Aの好ましい基は、芳香族環、ピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環であり、特に好ましくは、芳香族環またはピラゾール環である。
一般式(3)
置換基としてのイオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基またはスルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。
一般式(4)
一般式(4)おいて、R3、R4として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、スルホニル基、アシル基であり、さらに好ましくは水素原子、アリール基、複素環基、スルホニル基であり、最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。ただし、R3およびR4が共に水素原子であることは無い。
一般式(5)
一般式(5)で説明した各基は更に置換基を有していても良い。これらの各基が更に置換基を有する場合、該置換基としては、一般式(2)および一般式(3)で説明した置換基、G、R5、R6で例示した基やイオン性親水性基が挙げられる。
W1 およびW2 は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を表す。W1 およびW2 の置換基としては、一般式(2)のGで挙げた置換基を挙げることができる。
W3 およびW4 は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を表す。W3 およびW4 の置換基としては、一般式(2)のGで挙げた置換基を挙げることができる。
本発明の水性インクは水性媒体中に前記アゾ染料を溶解及び/又は分散したインクであり、好ましくは水性媒体中に前記アゾ染料を溶解したインクである。水性媒体については下記のインクジェット記録用インクの項を参照できる。
インクジェット記録用インクは、親油性媒体や水性媒体中に前記アゾ染料を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有される。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤(特開2003−306623号公報に記載のものが適用できる)が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相または水相に添加してもよい。
本発明のインクを用いたインクジェット記録方法は、特開2003−306623号公報に記載の方法が適用できる。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(固形分)
本発明のブラック色素(D−1)+(D−41) 60g/l
プロキセル 5g/l
尿素 20g/l
ベンゾトリアゾール 3g/l
(液体成分)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DGB) 100g/l
グリセリン(GR) 125g/l
ジエチレングリコール(DEG) 100g/l
2-ピロリドン(PRD) 30g/l
トリエタノールアミン(TEA) 5g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
受像シートは富士写真フイルム(株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩」に画像を印刷し、色相、耐水性ならびに画像堅牢性の評価を行った。
(評価実験)
1)色相については、λmaxが590nm付近のブロードな色相を目視にて最良、良好及び不良の3段階で評価した。評価結果を下記表に示す。下記表中、Aは色相が最良、Bは良好であったことを示し、Cは色相が不良であったことを示す。
2)印字濃度については、印字直後の濃度をX-rite 310濃度測定機にて測定した。印字濃度が2.5以上のものをA、印字濃度が2.3-2.5ものをB、印字濃度が2.3以下ものをCとして、三段階で評価した。
2)ブラック色素の画像保存性については、グレー印字サンプルを用いて、以下の評価を行った。画像保存性の評価は、グレー階段状パターンの濃度を、ステータスAフィルターを搭載したX-rite 310濃度測定機を用いて測定し、Dvis=1.0付近の点を基準点として、そこの濃度変化を測定することにより行った。
光堅牢性は、印字直後のパターンSの濃度(Dvis)Ciを測定した後、アトラス社製ウェザーメーターを用い画像にキセノン光(8万5千ルックス)を14日照射した。その後再びパターンSの濃度Cfを測定し色素残存率Cf/Ci×100を求め評価を行った。色素残像率が80%以上の場合をA、70〜80%の場合をB、70%未満の場合をCとした。
熱堅牢性については、80℃70%RHの条件下に21日間、試料を保存する前後でのパターンSの濃度をX-rite 310にて測定し、色素残存率を求め評価した。色素残像率が90%以上の場合をA、80〜90%の場合をB、80%未満の場合をCとした。
耐オゾン性(O3堅牢性)については、オゾンガス濃度が5ppmに設定されたボックス内に試料を96時間放置し、オゾンガス下放置前後のパターンSの濃度をX-rite 310にて測定し、色素残存率を求め評価した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。色素残像率が80%以上の場合をA、70〜80%の場合をB、70%未満の場合をCとした。
得られた結果を表8に示す。
Claims (4)
- 一般式(1)のBが、置換または無置換の複素環基であることを特徴とする請求項1に記載の水性インク。
- 分子中に少なくとも1つのイオン性親水性基を有する前記一般式(2)で表される色素を2種以上含有することを特徴とする水性インク。
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