JP4783581B2 - インクセット、ならびにインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
インクジェット記録方法には、ピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。これらのインクジェット記録用インク組成物としては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。これらのインクのうち、製造、取り扱い性・臭気・安全性等の点から水性インクが主流となっている。
既にインクジェット用として様々な染料や顔料が提案され、実際に使用されているが、未だに全ての要求を満足する着色剤は、発見されていないのが現状である。カラーインデックス(C.I.)番号が付与されているような、従来からよく知られている染料や顔料では、インクジェット記録用インクに要求される色相と堅牢性とを両立させることは難しい。
フードブラック系染料としては、C.I.Food Black 1、C.I.Food Black 2が代表的であり、これらをインクジェット用ブラックインクに使用する技術については、特許文献1,特許文献2、特許文献3等に記載がある。
また、酸性アゾ染料としては、C.I.Acid Black 2,同31、同52、同140、同187等をインクジェット用ブラックインクに使用する技術が特許文献4、特許文献5、特許文献6等に、また直接アゾ染料としては、C.I.Direct Black 9、同17、同38、同51、同60、同102、同107、同122、同142、同154、同168等をインクジェット用ブラックインクに使用する技術が、特許文献7,特許文献8、特許文献9等に記載されている。
しかしながら、画像の光沢感が高濃度部でも十分に得られるレベルまで顔料粒子を細かくすると、顔料自体の耐久性が染料と同等レベルまで低下してしまうことがわかっている。
インクジェットによる画像記録では、写真と異なりC,M,Y以外の色相のインクを自由に選択することが可能である。これまでもEPSON社よりダークイエローインク(染料)やブルーインク、レッドインク(いずれも顔料)が搭載されたシステムが発表、発売されている。また、CANON社よりレッドインク(染料)が搭載されたシステムも発表、発売された。
これらのインクは、インクジェット記録最大の弱点である「単位面積あたりのインク容量」を抑制しつつ、高濃度かつ高画質の画像を得るために開発されてきた。しかしながら、インクジェット記録が写真感光材料による画像形成と異なる最大の点は、ブラックインクを印刷による画像記録同様に使用できることである。
このため、各社ではブラックインクとして、濃度の異なるインクを染料ならびに顔料を含めて、何種類か併用したインクセットを形成したシステムを発表、発売している。
これまで、ドキュメントにおける文字の印画には、黒顔料としてカーボンブラックが一般的に使用されてきた。しかしながら、カーボンブラックは高画質な写真画像形成には不利であり、写真画質を達成するためには、高品位の黒染料を使用することが望まれている。
〔1〕
染料濃度の異なる2つ以上の黒インク組成物を有するインクセットにおいて、その少なくとも1つの黒インク組成物が、下記一般式BK−2で表される染料Lと、
水溶媒における吸収スペクトルの極大が440〜540nm、かつ半値幅が90〜200nmであり、1分子中に4〜6個のアゾ基を有し、且つフェノール性水酸基を有さず、下記一般式Aで表されるポリアゾ染料Sとを含有することを特徴とするインクセット。
一般式A (D) 2 −Y
〔上記一般式Aにおいて、Dは互いに共役した2〜3個のアゾ基と、合計で20個以上のπ電子を有する3〜4個の芳香族環より構成される発色団からなる色素残基を表し、Yは−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−又は下記一般式Bの基を表す。
〔2〕
前記染料Sを、0.1〜4質量%含有することを特徴とする〔1〕に記載のインクセット。
〔3〕
少なくとも1つの黒インク組成物が、黒色顔料を含有することを特徴とする〔1〕に記載のインクセット。
〔4〕
黒色顔料がカーボンブラックであることを特徴とする〔3〕に記載のインクセット。
〔5〕
インクジェット記録用であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載のインクセット。
〔6〕
〔5〕に記載のインクセットを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明は上記の〔1〕〜〔6〕に関するものであるが、その他の事項についても記載した。
1)染料濃度の異なる2つ以上の黒インク組成物を有するインクセットにおいて、その少なくとも1つの黒インク組成物が、下記一般式BK−2で表される染料Lと、
水溶媒における吸収スペクトルの極大が440〜540nm、かつ半値幅が90〜200nmであり、1分子中に4〜6個のアゾ基を有し、且つフェノール性水酸基を有さず、下記一般式Aで表されるポリアゾ染料Sとを含有することを特徴とするインクセット。
一般式A (D) 2 −Y
〔上記一般式Aにおいて、Dは互いに共役した2〜3個のアゾ基と、合計で20個以上のπ電子を有する3〜4個の芳香族環より構成される発色団からなる色素残基を表し、Yは−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−又は下記一般式Bの基を表す。
(上記一般式Bにおいて、Xは水酸基、スルホ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又はアルキルもしくはアリールスルフェニル基を表し、各基はさらに置換基を有していても良い。)〕
2)前記染料Sを、0.1〜4質量%含有することを特徴とする上記1)に記載のインクセット。
3)少なくとも1つの黒インク組成物が、黒色顔料を含有することを特徴とする上記1)に記載のインクセット。
4)黒色顔料がカーボンブラックであることを特徴とする上記3)に記載のインクセット。
5)インクジェット記録用であることを特徴とする上記1)〜4)のいずれか一項に記載のインクセット。
6)5)に記載のインクセットを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
まず、染料Lについて説明する。なお、本発明に使用する染料は、上記〔1〕において、一般式BK−2で表されるものであるが、本明細書には、参考のために一般式BK−2で表される染料以外のものについても記載する。
本発明のインクセットは、下記一般式BK−1で表される染料Lを少なくとも1種含むことを特徴とする。
T1およびT2は、各々=CR12−および−CR13=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR12−または−CR13=を表す。
また、R12とR10、あるいはR10とR11が結合して5乃至6員環を形成してもよい。
染料Lの吸収極大としては、550〜650nmの間であることが好ましく、570〜630nmにあることが特に好ましい。
また、染料Lは、半値幅が100nm以上、好ましくは120〜500nm、更に好ましくは120〜350nmであるのがよい。
ここで、水溶媒とは水を主溶媒とし、水混和性有機溶剤を適度に含んでもよい染料を溶解又は分散させる媒体を意味する。また、吸収スペクトルは、通常使用する1cmのセルを用いた分光光度計で測定されるものを意味する。これらは、後述の染料Sについても同様である。
アシル基には、置換基を有するアシル基および無置換のアシル基が含まれる。アシル基としては、炭素原子数が1〜20のアシル基が好ましい。上記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。上記アシル基の例には、アセチル基およびベンゾイル基が含まれる。
アリールアミノ基には、置換基を有するアリールアミノ基および無置換のアリールアミノ基が含まれる。アリールアミノ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールアミノ基が好ましい。置換基の例としては、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。アリールアミノ基の例としては、アニリノ基および2−クロロフェニルアミノ基が含まれる。
複素環アミノ基には、置換基を有する複素環アミノ基および無置換の複素環アミノ基が含まれる。複素環アミノ基としては、炭素数2〜20個の複素環アミノ基が好ましい。置換基の例としては、アルキル基、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。
以下の説明において、基、置換基は、既に説明したことが適用される。
一般式BK−1において、A1は置換されていてもよい1価の芳香族基(例えばアリール基)または置換されていてもよい1価の複素環基を表す。芳香族環の例としてはベンゼン環やナフタレン環を挙げることができ、複素環のヘテロ原子としてはN、O、およびSを挙げることができる。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。
置換基はアリールアゾ基または複素環アゾ基であってもよい。したがって、一般式BK−1で表される染料には、トリスアゾ染料やテトラキスアゾ染料も含まれる。
R10、R11は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していてもよい。R10、R11で表される好ましい置換基は、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基を挙げることができる。さらに好ましくは水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基である。最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。各基は更に置換基を有していてもよい。
V1として、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アシルアミノ基であり、さらに好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基であり、最も好ましくは水素原子、アミノ基、アシルアミノ基である。
T1およびT2が、それぞれ=CR12−、−CR13=であり、R12、R13は、各々好ましくは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、カルバモイル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル基、カルボキシル基、シアノ基、カルバモイル基である。
物性1:DMF中における吸収スペクトルの最大吸収波長をλmax(DMF)とした時、680nm≧λmax(DMF)≧570nm。
物性2:酸化電位が1.0V(vs SCE)より貴。
物性3:水中における吸収スペクトルの最大吸収波長をλmax(水)としたときに、|λmax(DMF)−λmax(水)|≧30nm。
物性4:DMF中でのモル吸光係数をε(DMF)、水中でのモル吸光係数をε(水)としたとき、ε(水)/ε(DMF)≦0.9。
物性5:水中で測定される吸収スペクトルにおいて、会合体の最大吸収波長での吸光度をAbs(会合)、DMF中で測定されるモノマー吸収スペクトルの最大吸収波長での吸光度をAbs(モノマー)とした時、Abs(モノマー)/Abs(会合体)≦0.75。
本発明における黒インク組成物は、濃度によらず上記の染料Lを組成物中0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜40質量%、特に好ましくは0.5〜30質量%含むものである。
マゼンタ染料では、カプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピリジンやピラジンのようなヘテロ環類、開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン染料;アントラピリドン染料をあげることができる。特に好ましいものは、発色団にヘテロ環を有するアゾ染料、もしくはアントラピリドン染料である。
シアン染料では、カプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、ピロロトリアゾールのようなヘテロ環類などを有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料などのようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などのようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;インジゴ・チオインジゴ染料などを挙げることができる。特に好ましいものは、フタロシアニン染料である。
次に、染料Sについて説明する。
なお、本発明に使用する染料Sは、上記1)において、一般式Aで表されるものであるが、本明細書には、参考のために一般式Aで表されるもの以外の染料についても記載する。
本発明で用いられる染料Sは、水溶媒における吸収スペクトルの極大(吸収極大:λmax)を440〜540nm、且つ半値幅を90nm〜200nmに有し、ブロードな吸収を達成する染料である。
上記染料Sの吸収スペクトルは、単一化合物を用いて測定されたものである。即ち、本発明の染料Sは、水溶媒における吸収スペクトルを測定する場合、複数の化合物を組み合わせることにより所望の吸収極大および半値幅といった物性を示すものではなく、1つの化合物によりかかる物性を示すことを意味する。なお、本発明において、上記染料Sとして上記吸収スペクトルを満たすものであれば、互いに構造の異なる化合物を併用しても差し支えないことは明らかである。更に、本発明は、上記吸収スペクトル特性を示す染料S以外の染料を併用してもかまわない。
染料Sは、かかる吸収特性を有している為、ジスアゾ染料またはトリスアゾ染料などの染料Lの吸収スペクトルで不足となりがちな、青色から緑色にかけて広い範囲の光を吸収することができ、補色染料として好ましい吸収特性を有する。
染料Sの吸収極大としては、450〜520nmの間であることが好ましく、460〜500nmにあることが特に好ましい。
染料Sの吸収極大における半値幅としては、100nm〜180nmの間にあることが好ましく、110nm〜160nmの間にあることが特に好ましい。
ここで、解離性のフェノール性水酸基とは、アリール基に置換されている解離性の水酸基を意味する。このアリール基は、他の置換基で置換されていてもよい。
さらに、本発明の染料Sは、1分子中に2〜6個のアゾ基を有することが好ましく、かかる構造により、発色性を増強させ、また、色素平面が大きく広がっているために定着性の良い画像を与えることができる。
また、該アゾ基の数は、発色性、定着性の観点から、1分子中4〜6個であることがより好ましい。
(D)n−Y
上記一般式において、Dは互いに共役した1〜3個のアゾ基と、合計で20個以上のπ電子を有する3〜4個の芳香族環より構成される発色団からなる色素残基を表し、nは1もしくは2であり、nが1の時、Yは水素原子を表し、nが2の時、Yは2価の連結基を表す。なお、発色団を構成する芳香族環は複素環であっても炭化水素環であっても良いが、好ましくは炭化水素環である。芳香族環上のπ電子の数は、発色団を構成する芳香族環が縮合環である場合には縮合環全体としてのπ電子の数を数えるものとし、例えばナフタレン環は10個のπ電子である。Yで表される2価の連結基は、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環残基、−CO−、−SOn−(nは0、1、2)、−NR−(Rは水素原子、アルキル基、アリール基を表す)、−O−、およびこれらの連結基を組み合わせた二価の基であり、さらにそれらはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホンアミド基等の置換基を有していても良い。中でも好ましい連結基の例としては、−NH-CO-NH−、−NH−CS−NH−、及び下記一般式の基を挙げることができる。
本願明細書において、アルケニル基とは、直鎖状、分岐状、環状(単環でも多環でもよく、多環の場合は有橋でもスピロでもよい)あるいはこれらを組合せて得られる芳香族を除く炭素−炭素二重結合を1以上含む1価不飽和炭化水素基を意味する概念であり、更に置換基により置換されていてもよい場合は、置換アルケニル基を包含する。
本願明細書において、例えば、置換アルキル基とは、アルキル基の水素原子が他の置換基で置換されているアルキル基を意味し、該置換基は1種以上を各々1個以上置換し得る。他の置換アリール基等も上記と同様である。
好ましいカウンターカチオンとしては、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)、アンモニウム、及び有機のカチオン(例えばピリジニウム、テトラメチルアンモニウム、グアニジニウム)を挙げることができる。
尚、市販の染料以外の上記染料Sについても、カラーインデックス第4巻(The Society of Dyers and Colourists 発行)に記載されているC.I.Direct Red84、もしくは同Brown 106の合成ルートに従って、市販の原料から容易に合成できる。
界面活性剤としては、例えばベタイン化合物、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルオキシスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、セチルピリジニウムクロライド、トリメチルセチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のノニオン性界面活性剤などが挙げられる。中でも特にノニオン系界面活性剤やベタイン化合物が好ましく使用される。
これらの水混和性有機溶剤は、総量で黒インク組成物中に5〜60質量%含有することが好ましく、特に好ましくは10〜45質量%である。
(1)金属石鹸の性質と応用(幸書房)
(2) 印刷インキ印刷(CMC出版 1984)
(3) 最新顔料応用技術(CMC出版 1986)
(4) 米国特許5,554,739号、同5,571,311号
(5) 特開平9-151342号、同10-140065号、同10-292143号、同11-166145号
特に、上記(4)の米国特許に記載されたジアゾニウム塩をカーボンブラックに作用させて調製された自己分散性顔料や、上記(5)の日本特許に記載された方法で調製されたカプセル化顔料は、インク中に余分な分散剤を使用することなく分散安定性が得られるため特に有効である。
本発明のインク組成物に使用できる顔料の粒径は、分散後で0.01〜10μmの範囲であることが好ましく、0.05〜1μmであることが更に好ましい。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造時に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、縦型あるいは横型のアジテーターミル、アトライター、コロイドミル、ボールミル、3本ロールミル、パールミル、スーパーミル、インペラー、デスパーサー、KDミル、ダイナトロン、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986)に記載がある。
本発明のインクジェット記録方法は、前記インクジェット記録用インクセットを用いて、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。受像材料としてはとくに記録紙及び記録フィルム等が挙げられ、支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有する受像材料が好ましい。支持体としてはLBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来の公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。支持体としては、これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の無機白色顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。特に好ましくは、多孔性の白色無機顔料がよく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法(気相法)によって得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能である。なお、本発明のインクジェット記録方法として特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105の記載が適用できる。
(固形分)
染料L 60g/l
染料S 15g/l
(染料Sの化合物例2のNa塩:C.I.Direct Red 84)
PROXEL XL2(PXL)(アベシア製) 5g/l
尿素 20g/l
ベンゾトリアゾール 3g/l
(液体成分)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DGB) 100g/l
グリセリン(GR) 125g/l
ジエチレングリコール(DEG) 100g/l
2−ピロリドン 100g/l
トリエタノールアミン(TEA) 30g/l
サーフィノールSTG(エアープロダクツ社)(SW) 10g/l
〔ライトブラックインク処方〕
(固形分)
染料L 12g/l
染料S 3g/l
(染料Sの化合物例2のNa塩:C.I.Direct Red 84)
PROXEL XL2(PXL)(アベシア製) 5g/l
尿素 20g/l
ベンゾトリアゾール 3g/l
(液体成分)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DGB) 100g/l
グリセリン(GR) 125g/l
ジエチレングリコール(DEG) 100g/l
2−ピロリドン 100g/l
トリエタノールアミン(TEA) 30g/l
サーフィノールSTG(エアープロダクツ社)(SW) 10g/l
〔カーボンブラックインク処方〕
カーボンブラック(MCF−88:三菱化成) 30g/l
ポリマーA 8g/l
モノエタノールアミン 3g/l
PROXEL XL2(PXL)(アベシア製) 5g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 100g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリチレングリコール(TEG) 30g/l
エタノール 50g/l
サーフィノールSTG(エアープロダクツ社)(SW) 10g/l
超純水 664g/l
カーボンブラックインクの作製方法は以下に説明する。
まず、分散剤としてのポリマーAとモノエタノールアミン、及び超純水を加えた水溶液を調整し、70℃に加温してポリマーAを溶解させる。次にこの溶液にカーボンブラック及びエタノールをてんかし、プレミキシングを行った後、分散機としてサンドグラインダー(五十嵐機械)、分散メディアとして1mm径のジルコニウムビーズを用いて粉砕メディアの充填率50%として4時間粉砕を行った。次に、上述分散液を遠心分離処理(12000RPM、20分間)し、粗大粒子を除去して粒径が100nm〜200nmの分散液にした。この分散液に残りの水溶性有機溶剤を加え攪拌した。
ここで使用した受像シートは、富士写真フイルム(株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩」を用いた。
2−1)耐光性は、印字直後の上記濃度(DB、DG、DR)Ciを測定した後、アトラス社製ウェザーメーターを用い画像にキセノン光(8万5千ルックス)を10日照射した。その後再び濃度Cfを測定し染料残存率(Cf/Ci)×100を求め評価を行った。
染料残像率がDB、DG、DRすべてにおいて80%以上の場合をA、一部でも70〜80%となった場合をB、一部でも70%未満となった場合をCとした。
2−2)耐オゾン性については、オゾンガス濃度が10ppmに設定されたボックス内に試料を20時間放置し、オゾンガス下放置前後のパターンSの濃度をX-rite 310にて測定し、染料残存率を求め評価した。
ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
染料残像率がDB、DG、DRすべてにおいて80%以上の場合をA、一部でも70〜80%となった場合をB、一部でも70%未満となった場合をCとした。
A:滲みは観測されない
B:多少滲みが観測されるが判読可能
C:滲みにより判読不可能
結果を下記表3に示す。
Claims (6)
- 染料濃度の異なる2つ以上の黒インク組成物を有するインクセットにおいて、その少なくとも1つの黒インク組成物が、下記一般式BK−2で表される染料Lと、
水溶媒における吸収スペクトルの極大が440〜540nm、かつ半値幅が90〜200nmであり、1分子中に4〜6個のアゾ基を有し、且つフェノール性水酸基を有さず、下記一般式Aで表されるポリアゾ染料Sとを含有することを特徴とするインクセット。
一般式A (D)2−Y
〔上記一般式Aにおいて、Dは互いに共役した2〜3個のアゾ基と、合計で20個以上のπ電子を有する3〜4個の芳香族環より構成される発色団からなる色素残基を表し、Yは−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−又は下記一般式Bの基を表す。
- 前記染料Sを、0.1〜4質量%含有することを特徴とする請求項1に記載のインクセット。
- 少なくとも1つの黒インク組成物が、黒色顔料を含有することを特徴とする請求項1に記載のインクセット。
- 黒色顔料がカーボンブラックであることを特徴とする請求項3に記載のインクセット。
- インクジェット記録用であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクセット。
- 請求項5に記載のインクセットを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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