JP2004231945A - インクジェット用インク、インクジェット記録方法およびカラートナー用組成物 - Google Patents

インクジェット用インク、インクジェット記録方法およびカラートナー用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 色相と堅牢性に優れた着色画像や着色材料を与える、インクジェットなどの印刷用のインクや電子写真用のカラートナーなどの着色組成物を提供し、また、良好な色相を有し、光および環境中の活性ガス、特にオゾンガスに対して堅牢性の高い画像を形成することができるインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】 炭素数4以上のアルキル鎖を有し、かつイオン性親水性基を含まない特定構造のアゾ色素を含有するインクジェット用インク、該インクを用いたインクジェット記録方法、さらには上記アゾ色素を含有するカラートナー用組成物が提供される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アゾ色素を含むインクジェット用インク、インクジェット記録方法およびカラートナー用組成物に関する。
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、具体的には、インクジェット方式の記録材料、電子写真方式の記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等が盛んに利用されている。
これらのカラー画像記録材料では、フルカラー画像を再現あるいは記録する為に、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の色素(染料や顔料)が使用されているが、好ましい色再現域を実現出来る吸収特性を有し、且つさまざまな使用条件、環境条件に耐えうる堅牢な色素がないのが実状であり、改善が強く望まれている。
インクジェット記録方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、更にカラー記録が容易であることから、急速に普及し、更に発展しつつある。
インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式とが有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。
このようなインクジェット記録用インクに用いられる色素に対しては、溶剤に対する溶解性あるいは分散性が良好なこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、環境中の活性ガス(NOx、オゾン等の酸化性ガスの他SOxなど)に対して堅牢であること、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、更には、安価に入手できることが要求されている。しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たす色素を捜し求めることは、極めて難しい。特に、良好なブラック色相を有し、光、湿度、熱に対して堅牢な色素であること、中でも多孔質の白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有する受像材料上に印字する際には環境中のオゾンなどの酸化性ガスに対して堅牢であることが強く望まれている。
電子写真方式を利用したカラーコピア、カラーレーザープリンターにおいては、一般に樹脂粒子中に着色材を分散させたトナーが広く用いられている。カラートナーに要求される性能として、好ましい色再現域を実現出来る吸収特性、特にOver Head Projector(以下「OHP」という。)で使用される際に問題となる高い透過性(透明性)、および使用される環境条件下における各種堅牢性が挙げられる。トナーとしては、顔料を着色材として粒子に分散させたものが一般的であるが、顔料を用いたトナーは耐光性には優れるものの、色再現性の点で染料より劣り、さらには不溶性であるため凝集しやすく、透明性の低下や透過色の色相変化が問題となる。一方、染料を着色材として使用したトナーが下記特許文献1に開示されているが、これらの例に示されるような染料を用いたトナーは逆に透明性が高く、色相変化はないものの、一般に耐光性に問題がある。
上記の各用途で使用する色素には、共通して次のような性質を具備している必要がある。即ち、色再現性上好ましい吸収特性を有すること、使用される環境条件下における堅牢性、例えば耐光性、耐熱性、耐湿性、オゾンなどの酸化性ガスに対する耐性、その他亜硫酸ガスなどの耐薬品堅牢性が良好であること、モル吸光係数が大きいこと等である。
従来、ブラック色素としてはジスアゾ色素、トリスアゾ色素が一般に使用されてきた。それらのジスアゾ色素、トリスアゾ色素の原料としてフェノール、ナフトール、ナフチルアミン、アニリン等の非複素環化合物が広く使用されている。これらの原料により得られるジスアゾ色素として、特許文献2等に開示された色素が知られているが、何れも光堅牢性が劣るという問題点を有し、またオゾンなどの酸化性ガスに対する堅牢性は極めて不十分である。
本発明者らは、オゾン等の酸化性ガスに対して堅牢な着色剤を開発すべく、従来のフェノール、ナフトール、ナフチルアミン、アニリン等の原料から脱却して、主に複素環化合物を原料として使用するという考えに至った。これまで、複素環が2個以上含まれる非水溶性のジスアゾ色素、トリスアゾ色素としては、特許文献3、特許文献4等に記載されているが、これらの色素はいずれも繊維を染色する為に開発された所謂分散染料や反応性染料であって、本発明で求められるような性能、すなわち色再現上好ましい吸収特性を持っているかどうかや、使用される環境条件下における堅牢性(例えば耐光性、耐熱性、耐湿性、特にインクジェット画像形成において問題となるオゾンなどの酸化性ガスに対する耐性、その他亜硫酸ガスなどの耐薬品堅牢性)については一切開示されていないし、ましてやどのような構造が本発明の画像形成に最適であるのかについては全く不明である。
特開平8−123085号公報 欧州特許0761771号明細書 ドイツ特許2743097号明細書 特開昭59−133259号公報
本発明は、上記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、(1)色相と堅牢性とに優れた着色画像や着色材料を与える、インクジェットなどの印刷用のインク、電子写真用のカラートナーなどの各種着色組成物を提供すること、(2)上記インクの使用により良好な色相を有し、光および環境中の活性ガス、特にオゾンガスに対して堅牢性の高い画像を形成することができるインクジェット記録方法を提供すること、にある。
本発明者らは、良好な色相、光およびオゾンに対する高い堅牢性、且つ溶解性の高い色素を目指してアゾ色素誘導体を詳細に検討したところ、下記一般式(1)〜(4)で表される色素を用いることにより、本発明の上記目的が達成されることができることを見出した。
即ち、本発明によれば、下記構成のインクジェット用インク、インクジェット記録方法、カラートナー用組成物が提供されて、本発明の上記目的が達成される。
1.下記一般式(1)で表され、かつ炭素数4以上のアルキル鎖を少なくとも一つ有すると共にイオン性親水性基を有さないアゾ色素を少なくとも一種含有することを特徴とするインクジェット用インク。
Figure 2004231945
一般式(1)中:
A、BおよびCは、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよい複素環基を表す。ここで、AおよびCは一価の基であり、Bは二価の基である。
2. 上記1に記載のアゾ色素が、下記一般式(2)で表され、かつ炭素数4以上のアルキル鎖を少なくとも1つ含むと共に、イオン性親水性基を有さないアゾ色素であることを特徴とする上記1に記載のインクジェット用インク。
Figure 2004231945
一般式(2)中:
AおよびBは、それぞれ独立に、一般式(1)におけるAおよびBと同義の置換基を表す。Hetは芳香族複素環基を表す。
3. 上記2に記載のアゾ色素において、一般式(2)におけるAまたはBの少なくともいずれかが芳香族複素環基であることを特徴とする上記2に記載のインクジェット用インク。
4. 上記2に記載のアゾ色素において、一般式(2)におけるHetが芳香族含窒素6員複素環基であることを特徴とする上記2記載のインクジェット用インク。
5.上記1に記載のアゾ色素が、下記一般式(3)で表され、かつ炭素数4以上のアルキル鎖を少なくとも一つ含むと共にイオン性親水性基を含まないアゾ色素であることを特徴とする上記1に記載のインクジェット用インク。
Figure 2004231945
上記一般式(3)中;
AおよびBは、それぞれ独立に、一般式(1)におけるAおよびBと同義の置換基を表す。
1およびB2は、各々=CR1−および−CR2=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が=CR1−または−CR2=を表す。
G、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、またはスルファモイル基を表し、各基は更に置換されていても良い。
5、R6は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良い。但し、R5、R6が同時に水素原子であることはない。
また、R1とR5、あるいはR5とR6が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
6.上記5に記載のアゾ色素が、下記一般式(4)で表され、かつ炭素数4以上のアルキル鎖を少なくとも一つ含むと共にイオン性親水性基を含まないアゾ色素であることを特徴とする上記5に記載のインクジェット用インク。
Figure 2004231945
上記一般式(4)中;
Aは、一般式(1)におけるAと同義の置換基を表す。
1およびB2は、一般式(3)におけるB1およびB2と同義の置換基を表す。
G、R1およびR2は、それぞれ独立して、一般式(1)におけるAおよびBと同義の置換基を表す。
Xは窒素原子、もしくは−C(R8)=を表し、R7およびR8は、一般式(3)のR1と同義である。
7.支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有する受像材料上に、上記1〜6のいずれかに記載のインクジェット用インクを用いて画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
8.上記1〜6のいずれかに記載のアゾ色素を少なくとも1種含有することを特徴とするカラートナー用組成物。
本発明の着色組成物は溶解性及び堅牢性に優れたアゾ色素を用いているので、色相と堅牢性に優れた着色画像や着色材料が得られる。例えばインクジェット用インクや電子写真用のカラートナー用組成物から色相と堅牢性に優れた着色画像が得られる。
また、上記インクジェット用インクの使用により、良好な色相を有し、光および環境中の活性ガス、特にオゾンガスに対して堅牢性の高い画像を形成することができるインクジェット記録方法が提供される。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
《アゾ色素》
本発明における上記一般式(1)、その下位概念である一般式(2)、一般式(3)および一般式(4)で表されるアゾ色素について詳細に説明する。
まず、これら一般式を構成する基や置換基について説明する。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
本明細書において、脂肪族基は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基および置換アラルキル基を意味する。脂肪族基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜16であることがさらに好ましい。アラルキル基および置換アラルキル基のアリール部分はフェニルまたはナフチルであることが好ましく、フェニルが特に好ましい。脂肪族基の例には、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチル、トリフルオロメチル、3−ヒドロキシプロピル、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェネチル基、ビニル基、およびアリル基を挙げることができる。
本明細書において、1価の芳香族基はアリール基および置換アリール基を意味する。アリール基は、フェニルまたはナフチルであることが好ましく、フェニルが特に好ましい。1価の芳香族基の炭素原子数は6〜20であることが好ましく、6から16がさらに好ましい。1価の芳香族基の例には、フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニルおよびm−ピバロイルアミノフェニルが含まれる。2価の芳香族基は、これらの1価の芳香族基を2価にしたものであり、その例にはフェニレン、p−トリレン、p−メトキシフェニレン、o−クロロフェニレンおよびナフチレンなどが含まれる。
複素環基には、置換基を有する複素環基および無置換の複素環基が含まれる。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。複素環基としては、5員または6員環の複素環基が好ましく、複素環のヘテロ原子としてはN、O、およびSをあげることができる。上記置換基の例には、脂肪族基、ハロゲン原子、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アシルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基などが含まれる。複素環基の例には、2−ピリジル基、2−チエニル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基および2−フリル基が含まれる。
カルバモイル基には、置換基を有するカルバモイル基および無置換のカルバモイル基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記カルバモイル基の例には、メチルカルバモイル基およびジメチルカルバモイル基が含まれる。
アルコキシカルボニル基には、置換基を有するアルコキシカルボニル基および無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましい。置換基の例には、アルコキシ基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニル基およびエトキシカルボニル基が含まれる。
アリールオキシカルボニル基には、置換基を有するアリールオキシカルボニル基および無置換のアリールオキシカルボニル基が含まれる。アリールオキシカルボニル基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、アルコキシ基が含まれる。前記アリールオキシカルボニル基の例には、フェノキシカルボニル基が含まれる。
複素環オキシカルボニル基には、置換基を有する複素環オキシカボニル基および無置換の複素環オキシカルボニル基が含まれる。複素環オキシカルボニル基としては、炭素原子数が2〜20の複素環オキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記複素環オキシカルボニル基の例には、2−ピリジルオキシカルボニル基が含まれる。
上記アシル基には、置換基を有するアシル基および無置換のアシル基が含まれる。前記アシル基としては、炭素原子数が1〜20のアシル基が好ましい。上記置換基の例には、アルコキシ基が含まれる。上記アシル基の例には、アセチル基およびベンゾイル基が含まれる。
アルコキシ基には、置換基を有するアルコキシ基および無置換のアルコキシ基が含まれる。アルコキシ基としては、炭素原子数が1〜20のアルコキシ基が好ましい。置換基の例には、アルコキシ基、およびヒドロキシ基が含まれる。上記アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシエトキシ基およびヒドロキシエトキシ基が含まれる。
アリールオキシ基には、置換基を有するアリールオキシ基および無置換のアリールオキシ基が含まれる。アリールオキシ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールオキシ基が好ましい。上記置換基の例には、アルコキシ基およびアルキル基が含まれる。上記アリールオキシ基の例には、フェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基およびo−メトキシフェノキシ基が含まれる。
複素環オキシ基には、置換基を有する複素環オキシ基および無置換の複素環オキシ基が含まれる。上記複素環オキシ基としては、炭素原子数が2〜20の複素環オキシ基が好ましい。上記置換基の例には、アルキル基およびアルコキシ基が含まれる。上記複素環オキシ基の例には、3−ピリジルオキシ基、3−チエニルオキシ基が含まれる。
シリルオキシ基としては、炭素原子数が1〜20の脂肪族基、芳香族基が置換したシリルオキシ基が好ましい。シリルオキシ基の例には、トリメチルシリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシが含まれる。
アシルオキシ基には、置換基を有するアシルオキシ基および無置換のアシルオキシ基が含まれる。アシルオキシ基としては、炭素原子数1〜20のアシルオキシ基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。アシルオキシ基の例には、アセトキシ基およびベンゾイルオキシ基が含まれる。
カルバモイルオキシ基には、置換基を有するカルバモイルオキシ基および無置換のカルバモイルオキシ基が含まれる。置換基の例には、アルキル基が含まれる。カルバモイルオキシ基の例には、N−メチルカルバモイルオキシ基が含まれる。
アルコキシカルボニルオキシ基には、置換基を有するアルコキシカルボニルオキシ基および無置換のアルコキシカルボニルオキシ基が含まれる。アルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。アルコキシカルボニルオキシ基の例には、メトキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基が含まれる。
アリールオキシカルボニルオキシ基には、置換基を有するアリールオキシカルボニルオキシ基および無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が含まれる。アリールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。アリールオキシカルボニルオキシ基の例には、フェノキシカルボニルオキシ基が含まれる。
アミノ基には、アルキル基、アリール基または複素環基で置換されたアミノ基が含まれ、アルキル基、アリール基および複素環基はさらに置換基を有していてもよい。アルキルアミノ基としては、炭素原子数1〜20のアルキルアミノ基が好ましい。置換基の例には、アルコキシ基が含まれる。アルキルアミノ基の例には、メチルアミノ基およびジエチルアミノ基が含まれる。
アリールアミノ基には、置換基を有するアリールアミノ基および無置換のアリールアミノ基、さらにはアニリノ基が含まれる。アリールアミノ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールアミノ基が好ましい。置換基の例としては、ハロゲン原子、およびアルキル基が含まれる。アリールアミノ基の例としては、フェニルアミノ基および2−クロロフェニルアミノ基が含まれる。
複素環アミノ基には、置換基を有する複素環アミノ基および無置換の複素環アミノ基が含まれる。複素環アミノ基としては、炭素数2〜20個の複素環アミノ基が好ましい。置換基の例としては、アルキル基、およびハロゲン原子が含まれる。
アシルアミノ基には、置換基を有するアシルアミノ基および無置換基のアシルアミノ基が含まれる。前記アシルアミノ基としては、炭素原子数が2〜20のアシルアミノ基が好ましい。置換基の例には、アルコキシ基が含まれる。アシルアミノ基の例には、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、N−フェニルアセチルアミノおよび3,5−ジクロロベンゾイルアミノ基が含まれる。
ウレイド基には、置換基を有するウレイド基および無置換のウレイド基が含まれる。ウレイド基としては、炭素原子数が1〜20のウレイド基が好ましい。置換基の例には、アルキル基およびアリール基が含まれる。ウレイド基の例には、3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基および3−フェニルウレイド基が含まれる。
スルファモイルアミノ基には、置換基を有するスルファモイルアミノ基および無置換のスルファモイルアミノ基が含まれる。置換基の例には、アルキル基が含まれる。スルファモイルアミノ基の例には、N, N−ジプロピルスルファモイルアミノ基が含まれる。
アルコキシカルボニルアミノ基には、置換基を有するアルコキシカルボニルアミノ基および無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、ハロゲン原子が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の例には、エトキシカルボニルアミノ基が含まれる。
アリールオキシカルボニルアミノ基には、置換基を有するアリールオキシカボニルアミノ基および無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が含まれる。アリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、アルキル基が含まれる。アリールオキシカルボニルアミノ基の例には、フェノキシカルボニルアミノ基が含まれる。
アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基には、置換基を有するアルキル及びアリールスルホニルアミノ基、および無置換のアルキル及びアリールスルホニルアミノ基が含まれる。スルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1〜20のスルホニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、アルコキシ基が含まれる。これらスルホニルアミノ基の例には、メチルスルホニルアミノ基、N−フェニル-メチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、および4−メトキシフェニルスルホニルアミノ基が含まれる。
複素環スルホニルアミノ基には、置換基を有する複素環スルホニルアミノ基および無置換の複素環スルホニルアミノ基が含まれる。複素環スルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1〜12の複素環スルホニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、アルキル基が含まれる。複素環スルホニルアミノ基の例には、2−チオフェンスルホニルアミノ基、3−ピリジンスルホニルアミノ基が含まれる。
複素環スルホニル基には、置換基を有する複素環スルホニル基および無置換の複素環スルホニル基が含まれる。複素環スルホニル基としては、炭素原子数が1〜20の複素環スルホニル基が好ましい。置換基の例には、アルキル基が含まれる。複素環スルホニル基の例には、2−チオフェンスルホニル基、3−ピリジンスルホニル基が含まれる。
複素環スルフィニル基には、置換基を有する複素環スルフィニル基および無置換の複素環スルフィニル基が含まれる。複素環スルフィニル基としては、炭素原子数が1〜20の複素環スルフィニル基が好ましい。置換基の例には、アルキル基が含まれる。複素環スルフィニル基の例には、4−ピリジンスルフィニル基が含まれる。
アルキルチオ基,アリールチオ基及び複素環チオ基には、置換基を有するアルキル,アリール及び複素環チオ基と無置換のアルキル,アリール及び複素環チオ基が含まれる。アルキル,アリール及び複素環チオ基としては、炭素原子数が1から20のものが好ましい。置換基の例には、アルコキシ基が含まれる。アルキル,アリール及び複素環チオ基の例には、メチルチオ基、フェニルチオ基、2−ピリジルチオ基が含まれる。
アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基には、置換基を有するアルキルおよびアリールスルホニル基、無置換のアルキルおよびアリールスルホニル基が含まれる。アルキルおよびアリールスルホニル基の例としては、それぞれメチルスルホニル基およびフェニルスルホニル基を挙げることができる。
アルキルスルフィニル基およびアリールスルフィニル基には、置換基を有するアルキルおよびアリールスルフィニル基、無置換のアルキルおよびアリールスルフィニル基が含まれる。アルキルおよびアリールスルフィニル基の例としては、それぞれメチルスルフィニル基およびフェニルスルフィニル基を挙げることができる。
スルファモイル基には、置換基を有するスルファモイル基および無置換のスルファモイル基が含まれる。置換基の例には、アルキル基が含まれる。スルファモイル基の例には、ジメチルスルファモイル基およびビス−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル基が含まれる。
次に、一般式(1)、(2)、(3)および(4)について説明する。
以下の説明において、基、置換基は、既に説明したことが適用される。
一般式(1)において、A,B,Cは、それぞれ独立して、置換されていてもよい芳香族基(A、Cは1価の芳香族基、例えばアリール基;Bは2価の芳香族基、例えばアリーレン基)または置換されていてもよい複素環基(A、Cは1価の複素環基;Bは2価の複素環基)を表す。芳香族環の例としてはベンゼン環やナフタレン環をあげることができ、複素環のヘテロ原子としてはN、O、およびSをあげることができる。複素環の例としては5〜7員環のものを挙げることができる。芳香族環や複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。
置換基としてはアリールアゾ基または複素環アゾ基であってもよく、この場合にはトリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素等を形成する。
また、A,B,Cの少なくとも二つは、好ましくは複素環である。
Cの好ましい複素環基として、芳香族複素環基が挙げられ、より好ましくは芳香族含窒素6員複素環が挙げられ、特に好ましくは下記一般式(5)で表される芳香族含窒素6員複素環基があげられる。Cが、下記一般式(5)で表される芳香族含窒素6員複素環基である場合は、一般式(1)は一般式(3)に相当する。
Figure 2004231945
一般式(5)において、B1およびB2は、各々=CR1−および−CR2=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が=CR1−または−CR2=を表すが、各々=CR1−、−CR2=を表すものがより好ましい。
5、R6は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良い。R5、R6で表される好ましい置換基は、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基を挙げることができる。さらに好ましくは水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基である。最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。各基は更に置換基を有していても良い。但し、R5、R6が同時に水素原子であることはない。
G、R1,R2は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、またはスルファモイル基を表し、各基は更に置換されていても良い。
Gで表される置換基としては、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、複素環オキシ基、アミノ基(アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、または複素環チオ基が好ましく、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基(アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)またはアシルアミノ基であり、中でも水素原子、アリールアミノ基、アシルアミノ基が最も好ましい。各基は更に置換基を有していても良い。
1、R2で表される好ましい置換基は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基を挙げることができる。各基は更に置換基を有していても良い。
1とR5、あるいはR5とR6が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
1、R2、R5、R6、Gで表される各置換基が更に置換基を有する場合の置換基としては、上記G,R1、R2で挙げた置換基を挙げることができる。また、R1,R2,R5,R6,G上のいずれかの位置に置換基としてさらに炭素数4以上のアルキル鎖を有することが好ましい。
Aは、芳香族基,複素環基を表すが、好ましくはアリール基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基であり、これらの基はさらに置換されていても良く、中でも炭素数4以上のアルキル鎖を有するアリール基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基が好ましく、最も好ましくは、炭素数4以上のアルキル鎖を有するアリール基、ピラゾリル基である。
Bが環構造であるときの好ましい複素環としてはチオフェン環、チアゾール環、イミダゾール環、ベンゾチアゾール環、チエノチアゾール環を挙げることができる。各複素環基は更に置換基を有していても良い。中でも下記一般式(a)から(e)で表されるチオフェン環、チアゾール環、イミダゾール環、ベンゾチアゾール環、チエノチアゾール環が好ましい。なお、Bが一般式(a)もしくは(b)で表されるチオフェン環もしくはチアゾール環であり、Cが前記一般式(5)で表される構造であるときは、一般式(1)は一般式(4)に相当することになる。
Figure 2004231945
上記一般式(a)から(e)において、R9からR17は、一般式(3)におけるG、R1、R2と同義の置換基を表す。
本発明において、特に好ましい構造は下記一般式(6)で表される構造である。
Figure 2004231945
一般式(6)中、Z1はハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。Z1は、σp値が0.30以上の電子吸引性基であるのが好ましく、0.45以上の電子吸引性基が更に好ましく、0.60以上の電子吸引性基が特に好ましいが、1.0を超えないことが望ましい。好ましい具体的な置換基については後述する電子吸引性置換基を挙げることができる。中でも、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数1〜20のカルバモイル基及び炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基が好ましい。特に好ましいものは、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基であり、最も好ましいものはシアノ基である。
Aは、一般式(1)におけるAと同義の置換基を表す。
1、R2、R5、R6は、一般式(3)の場合と同義である。R3、R4は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。中でも、水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基が好ましく、水素原子、芳香族基、複素環基が特に好ましい。R7は一般式(4)の場合と同義である。R7は水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基が好ましく、水素原子、芳香族基が特に好ましい。
一般式(6)で説明した各基は更に置換基を有していても良い。これらの各基が更に置換基を有する場合、該置換基としては、一般式(3)で説明した置換基、G、R1、R2で例示した基が挙げられる。
ここで、本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について説明する。ハメット則はベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年にL. P. Hammett により提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J. A. Dean編、「Lange's Handbook of Chemistry 」第12版、1979年(Mc Graw-Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。尚、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり、説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に包まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。また、本発明の一般式(1)、(2)、(3)、(4)および(6)の中には、ベンゼン誘導体ではないものも含まれるが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用する。本発明において、σp値をこのような意味で使用する。
ハメット置換基定数σp値が0.60以上の電子吸引性基としては、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基(例えばメチルスルホニル基、アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニル基)を例として挙げることができる。
ハメットσp値が0.45以上の電子吸引性基としては、上記に加えアシル基(例えばアセチル基)、アルコキシカルボニル基(例えばドデシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、m−クロロフェノキシカルボニル)、アルキルスルフィニル基(例えば、n−プロピルスルフィニル)、アリールスルフィニル基(例えばフェニルスルフィニル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフロロメチル)を挙げることができる。
ハメット置換基定数σp値が0.30以上の電子吸引性基としては、上記に加え、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、ハロゲン化アルコキシ基(例えば、トリフロロメチルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、ペンタフロロフェニルオキシ)、スルホニルオキシ基(例えばメチルスルホニルオキシ基)、ハロゲン化アルキルチオ基(例えば、ジフロロメチルチオ)、2つ以上のσp値が0.15以上の電子吸引性基で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、ペンタクロロフェニル)、およびヘテロ環(例えば、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニルー2−ベンズイミダゾリル)を挙げることができる。
σp値が0.20以上の電子吸引性基の具体例としては、上記に加え、ハロゲン原子などが挙げられる。
前記一般式(4)で表されるアゾ色素として特に好ましい置換基の組み合わせは、R5およびR6として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、スルホニル基、アシル基であり、さらに好ましくは水素原子、アリール基、複素環基、スルホニル基であり、最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。ただし、R5およびR6が共に水素原子であることは無い。
Gとして、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アシルアミノ基であり、さらに好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基であり、もっとも好ましくは水素原子、アミノ基、アシルアミノ基である。
1およびB2が、好ましくはそれぞれ=CR1−,−CR2=であり、R1、R2は、各々好ましくは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、カルバモイル基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル基、カルボキシル基、シアノ基、カルバモイル基である。Xは、好ましくは−C(R8)=であり、R8は好ましくはシアノ基、カルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基であり、最も好ましいのはシアノ基である。R7は水素原子、複素環基、芳香族基が好ましく、水素原子、芳香族基が最も好ましい。
尚、前記一般式(1)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明において一般式(1)、(2)、(3)、(4)および(6)で表わされる色素は少なくとも1つの炭素数4以上のアルキル鎖を含む。即ち、一般式(1)におけるA、BおよびCの少なくともいずれかは炭素数4以上のアルキル鎖を少なくとも一つ以上含み、炭素数4以上のアルキル鎖を二つ以上含むのが好ましい。更に好ましくは炭素数6以上のアルキル鎖である。最も好ましくは、全ての炭素数4以上のアルキル鎖の炭素数を足し合わせると総炭素数が12以上の色素である。該色素が炭素数4以上のアルキル鎖を少なくとも1つ含むことにより、該色素の油溶性が向上する。全ての炭素数4以上のアルキル鎖の炭素数を足し合わせた数の上限は、60程度である。
また、一般式(1)、(2)、(3)、(4)および(6)で表わされる色素は、分子中にイオン性親水性基を含まず、水溶性でない。本発明においてイオン性親水性基とは、水中で容易に解離してイオンを形成する置換基(スルホ基、ホスホノ基など)もしくは塩の形で存在する置換基であるが、pKaが3以上の遊離の置換基(カルボキシル基など)は該当しない。
前記一般式(1)で表されるアゾ色素の具体例を以下に示すが、本発明に用いられるアゾ色素は、下記の例に限定されるものではない。
Figure 2004231945
Figure 2004231945
Figure 2004231945
Figure 2004231945
Figure 2004231945
Figure 2004231945
前記一般式(1)、(2)、(3)、(4)、(6)で表される色素は、ジアゾ成分とカプラーとのカップリング反応によって合成することができる。下記に一般式(1)、(2)、(3)、(4)、(6)で表される色素の合成例を示す。
[色素a−1の合成例]
ジアゾ成分A−1の2.00gを酢酸20mlと85%リン酸20mlに懸濁し、液温を−2℃〜0℃に保ちつつ、さらに濃硫酸2.8g40%ニトロシル硫酸0.6gを添加した。この液をカプラー成分B−1の4.59gを酢酸40ml、DMF30ml に溶解した溶液に、攪拌しながら添加し、1時間、0〜5℃で反応させた。反応液をろ過、水洗浄し、シリカゲルカラムで精製し、目的物a−1を4.89g(収率73%)得た。M/S=763 λmax=611.0nm(クロロホルム)。
合成ルートを下記に示す。
Figure 2004231945
[色素d−2の合成例]
ジアゾ成分D−2の1.30gとカプラー成分B−1の3.0gをギ酸20mlに懸濁し、液温を7℃〜10℃に保ちつつ、さらに亜硝酸ナトリウム0.40gを添加し、1時間、7〜10℃で反応させた。この液を氷水放出し、スラリーをろ過、水洗浄し、シリカゲルカラムで精製し、目的物d−2を1.23g(収率28%)得た。M/S=739、λmax=579.8nm(クロロホルム)
合成ルートを下記に示す。
Figure 2004231945
本発明における色素は、以下に説明する本発明のインクジェット用インク組成物およびカラートナー用組成物を主として、その用途としては、画像、特にカラー画像を形成するための画像記録材料が挙げられ、具体的には、以下に詳述するインクジェット方式記録材料を始めとして、感圧記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等があり、好ましくはインクジェット方式記録材料、電子写真方式を用いる記録材料であり、更に好ましくはインクジェット方式記録材料である。
本発明における色素は、その用途に適した溶解性、分散性、熱移動性などの物性を、置換基で調整して使用することができる。また、本発明における色素は、用いられる系に応じて溶解状態、乳化分散状態、さらには固体分散状態でも使用する事が出来る。
《インクジェット用インク組成物》
本発明のインクジェット用インク組成物は、上述の一般式(1)で表わされる色素を含む。インクジェットインクに用いる本発明のインクジェット用インク組成物は、親油性媒体や水性媒体中に本発明における色素を溶解および/または分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合であり、水性インクであることが好ましい。必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。油溶性色素を分散物の形で用いる場合には、これらの各種添加剤を色素分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相または水相に添加してもよい。
前記乾燥防止剤はインクジェット記録方式に用いるノズルのインク噴射口において本発明のインクジェット用インク組成物が乾燥することによる目詰まりを防止する目的で好適に使用される。
前記乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(またはブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチルー2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いても良いし2種以上併用しても良い。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50質量%含有することが好ましい。
前記浸透促進剤は、インクジェット用インクを紙により良く浸透させる目的で好適に使用される。前記浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノール、ブタノール,ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらはインク中に5〜30質量%含有すれば通常充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
前記紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。前記紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
前記褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。前記褪色防止剤としては、各種の有機系および金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式および化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
前記防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンおよびその塩等が挙げられる。これらはインクジェット用インク組成物中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
前記pH調整剤としては前記中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。前記pH調整剤はインクジェット用インク組成物の保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット用インク組成物がpH6〜10となるように添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添加するのがより好ましい。
前記表面張力調整剤としてはノニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤が挙げられる。尚、本発明のインクジェット用インク組成物の表面張力は20〜60mN/mが好ましい。さらに25〜45mN/mが好ましい。また本発明のインクジェット用インク組成物の粘度は30mPa・s以下が好ましい。更に20mPa・s以下に調整することがより好ましい。
前記界面活性剤の例としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157636号公報の第(37)〜(38)頁、リサーチディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
前記消泡剤としては、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も必要に応じて使用することができる。
本発明における色素を水性媒体に分散させる場合は、特開平11−286637号公報、特願平2000−78491号明細書、同2000−80259号明細書、同2000−62370号明細書のように色素と油溶性ポリマーとを含有する着色微粒子を水性媒体に分散したり、特願平2000−78454号明細書、同2000−78491号明細書、同2000−203856号明細書、同2000−203857号明細書のように高沸点有機溶媒に溶解した本発明における色素を水性媒体中に分散することが好ましい。本発明における色素を水性媒体に分散させる場合の具体的な方法,使用する油溶性ポリマー、高沸点有機溶剤、添加剤およびそれらの使用量は、前記特許に記載されたものを好ましく使用することができる。あるいは、前記アゾ色素を固体のまま微粒子状態に分散してもよい。分散時には、分散剤や界面活性剤を使用することができる。分散装置としては、簡単なスターラーやインペラー攪拌方式、インライン攪拌方式、ミル方式(例えば、コロイドミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル等)、超音波方式、高圧乳化分散方式(高圧ホモジナイザー;具体的な市販装置としてはゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、DeBEE2000等)を使用することができる。上記のインクジェットインクの調製方法については、先述の特許以外にも特開平5−148436号公報、同5−295312号公報、同7−97541号公報、同7−82515号公報、同7−118584号公報、特開平11−286637号公報、特願2000−87539号明細書に詳細が記載されていて、本発明のインクジェット用インク組成物を用いたインクジェットインクの調製にも利用できる。
前記水性媒体は、水を主成分とし、所望により、水混和性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。前記水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)およびその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。尚、前記水混和性有機溶剤は、二種類以上を併用してもよい。
本発明のインクジェット用インク組成物は100質量部中に、本発明における色素を0.2質量部以上30質量部以下含有するのが好ましい。また、本発明のインクジェット用インク組成物には、本発明における色素とともに、本発明の黒色素又は他の黒色素を併用してもよい。2種類以上の色素を併用する場合は、色素の含有量の合計が前記範囲となっているのが好ましい。また、黒の色調を整える為に他の色の色素を併用しても良い。
本発明のインクジェット用インク組成物は、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、およびイエロー色調インクを用いることができる。イエロー色素としては、任意のものを混合して使用する事が出来る。例えばカップリング成分(以下「カプラー成分」という場合がある。)としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロンやピリドン等のようなヘテロ環類、開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアリール若しくはヘテリルアゾ色素;例えばカプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン色素;例えばベンジリデン色素やモノメチンオキソノール色素等のようなメチン色素;例えばナフトキノン色素、アントラキノン色素等のようなキノン系色素などがあり、これ以外の色素種としてはキノフタロン色素、ニトロ・ニトロソ色素、アクリジン色素、アクリジノン色素等を挙げることができる。
また、本発明に適用できるマゼンタ色素としては、任意のものを使用する事が出来る。例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリール若しくはヘテリルアゾ色素;例えばカプラー成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類などを有するアゾメチン色素;例えばアリーリデン色素、スチリル色素、メロシアニン色素、シアニン色素、オキソノール染料などのようなメチン色素;ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素などのようなカルボニウム色素、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン色素、例えばジオキサジン色素等のような縮合多環色素等を挙げることができる。
本発明に適用できるシアン色素としては、任意のものを使用する事が出来る。例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリール若しくはヘテリルアゾ色素;例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、ピロロトリアゾールのようなヘテロ環類などを有するアゾメチン色素;シアニン色素、オキソノール色素、メロシアニン色素などのようなポリメチン色素;ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素などのようなカルボニウム色素;フタロシアニン色素;アントラキノン色素;インジゴ・チオインジゴ色素などを挙げることができる。
前記の各色素は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであっても良く、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
さらに、本発明おいては、カーボンブラックの分散体、特に自己分散性のカーボンブラックを適用しても良い。
《インクジェット記録方法》
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット用インク組成物からなるインクジェットインクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。
画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり耐候性を改善する目的からポリマーラテックス化合物を併用してもよい。ラテックス化合物を受像材料に付与する時期については、着色剤を付与する前であっても,後であっても、また同時であってもよく、したがって添加する場所も受像紙中であっても、インク中であってもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物として使用しても良い。具体的には、特願2000−363090明細書、同2000−315231明細書、同2000−354380明細書、同2000−343944明細書、同2000−268952明細書、同2000−299465明細書、同2000−297365明細書に記載された方法を好ましく用いることができる。
以下に、本発明のインクジェット用インク組成物からなるインクジェットインクを用いてインクジェットプリントをするのに用いられる記録紙および記録フィルムについて説明する。記録紙および記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。支持体には、そのままインク受容層およびバックコート層を設けてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、インク受容層およびバックコー卜層を設けてもよい。更に支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。本発明では支持体としては、両面をポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテンおよびそれらのコポリマー)でラミネートした紙およびプラスチックフィルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛)または色味付け色素(例えば、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
支持体上に設けられるインク受容層には、顔料や水性バインダーが含有される。顔料としては、白色顔料が好ましく、白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の白色無機顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。インク受容層に含有される白色顔料としては、多孔性無機顔料が好ましく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等の白色無機顔料微粒子が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法によって得られる無水珪酸および湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能であるが、特に含水珪酸を使用することが望ましい。
インク受容層に含有される水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの水性バインダーは単独または2種以上併用して用いることができる。本発明においては、これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐剥離性の点で好適である。
インク受容層は、顔料および水性結着剤の他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界面活性剤、その他の添加剤を含有することができる。
インク受容層中に添加する媒染剤は、不動化されていることが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が好ましく用いられる。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号公報、同54−74430号公報、同54−124726号公報、同55−22766号公報、同55−142339号公報、同60−23850号公報、同60−23851号公報、同60−23852号公報、同60−23853号公報、同60−57836号公報、同60−60643号公報、同60−118834号公報、同60−122940号公報、同60−122941号公報、同60−122942号公報、同60−235134号公報、特開平1−161236号公報等、米国特許2484430号明細書、同2548564号明細書、同3148061号明細書、同3309690号明細書、同4115124号明細書、同4124386号明細書、同4193800号明細書、同4273853号明細書、同4282305号明細書、同4450224号明細書等に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
前記耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望ましい。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチオンポリアクリルアミド、コロイダルシリカ等が挙げられ、これらのカチオン樹脂の中で特にポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが好適である。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜10質量%であることが好ましい。
前記耐光性向上剤としては、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの中で特に硫酸亜鉛が好適である。
前記界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界面活性剤については、特開昭62−173463号公報、同62−183457号公報に記載がある。界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例えば、フッ素油)および固体状フッ素化合物樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号公報(第8〜17欄)、特開昭61−20994号公報、同62−135826号公報に記載がある。その他のインク受容層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、色素、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。尚、インク受容層は1層でも2層でもよい。
記録紙および記録フィルムには、バックコート層を設けることもでき、この層に添加可能な成分としては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げられる。バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬べーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に含有される水性バインダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、色素、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
インクジェット記録紙および記録フィルムの構成層(バックコート層を含む)には、ポリマーラテックスを添加してもよい。ポリマーラテックスは、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマーラテックスについては、特開昭62−245258号公報、同62−136648号公報、同62−110066号公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマーラテックスを、媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマーラテックスをバックコート層に添加しても、カールを防止することができる。
本発明のインクジェット用インク組成物からなるインクジェットインクはインクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、およびインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
《カラートナー》
本発明のカラートナー用組成物は、上記一般式(1)〜(4)、(6)のいずれかで表わされるアゾ色素を少なくとも1種含むことを特徴とする。本発明のカラートナー用組成物は、本発明における色素のほか必要に応じて、カラートナー用バインダー樹脂、離型剤、荷電制御剤、キャリア、を含む。本発明における色素は、本発明のカラートナー用組成物100質量部に対して、0.1質量部以上含まれていることが好ましく、1.0質量部以上含まれていることが特に好ましい。
本発明における色素を導入するカラートナー用バインダー樹脂としては一般に使用される全てのバインダーが使用出来る。例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
トナーに対して流動性向上、帯電制御等を目的として無機微粉末、有機微粒子を外部添加しても良い。表面をアルキル基含有のカップリング剤等で処理したシリカ微粒子、チタニア微粒子が好ましく用いられる。なお、これらは数平均一次粒子径が10〜500nmのものが好ましく、さらにはトナー中に0.1〜20質量%添加するのが好ましい。
離型剤としては、従来使用されている離型剤は全て使用することができる。具体的には、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン類、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックス等があげられる。これらの添加量はトナー中に1〜5質量%添加することが好ましい。
荷電制御剤としては、必要に応じて添加しても良いが、発色性の点から無色のものが好ましい。例えば4級アンモニウム塩構造のもの、カリックスアレン構造を有するものなどが挙げられる。
キャリアとしては、鉄、フェライト等の磁性材料粒子のみで構成される非被覆キャリア、磁性材料粒子表面を樹脂等によって被覆した樹脂被覆キャリアのいずれを使用してもよい。このキャリアの平均粒径は体積平均粒径で30〜150μmが好ましい。
本発明のカラートナー用組成物が適用される画像形成方法としては、特に限定されるものではないが、例えば感光体上に繰り返しカラー画像を形成した後に転写を行い画像を形成する方法や、感光体に形成された画像を逐次中間転写体等へ転写し、カラー画像を中間転写体等に形成した後に紙等の画像形成部材へ転写しカラー画像を形成する方法等が挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1(分散型インクの実施例)]
(試料101の作製)
上記例示アゾ色素a−1を3.75gと、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム7.04gとを、下記高沸点有機溶媒(s−2)4.22g、下記高沸点有機溶媒(s−11)5.63gおよび酢酸エチル50ml中に70℃にて溶解させた。この溶液中に500mlの脱イオン水をマグネチックスターラーで撹拌しながら添加し、水中油滴型の粗粒分散物を作製した。次にこの粗粒分散物を、マイクロフルイダイザー(MICROFLUIDEX INC)にて600barの圧力で5回通過させることで微粒子化を行った。更にでき上がった乳化物をロータリーエバポレーターにて酢酸エチルの臭気が無くなるまで脱溶媒を行った。こうして得られた疎水性色素の微細乳化物に、ジエチレングリコール140g、グリセリン50g、SURFYNOL465(AirProducts&Chemicals社)7g、脱イオン水900mlを添加してインクを作製した。
Figure 2004231945
(試料102〜107の作製)
試料101の色素a−1を下記表7の色素に変更した以外は、試料101と同様に試料102〜107を作製した。
(比較試料108〜110の作製)
比較として、下記の成分に脱イオン水を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時時間撹拌し、その後KOH 10mol/LにてpH=9に調製し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しすることでインク比較試料108〜110を調製した。
比較インク液108〜110の組成:
表7記載の比較色素 25g
ジエチレングリコール 20g
グリセリン 120g
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 230g
2−ピロリドン 80g
トリエタノールアミン 17.9g
ベンゾトリアゾール 0.06g
サーフィノールTG 8.5g
PROXEL XL2 1.8g
用いた比較色素の構造は下記の通りである。
Figure 2004231945
(画像記録および評価)
インク試料101〜107および比較試料108〜110について下記評価を行った。その結果を下記表7に示す。
尚、表7において、各評価は、各インクジェット用インクを、インクジェットプリンター(EPSON(株)社製;PM−700C)でフォト光沢紙(富士写真フイルム(株)製;インクジェットペーパー、フォトグレード)に画像を記録した後で評価したものである。
<印刷性能>
カートリッジをプリンターにセットし、全ノズルからのインクの吐出を確認した後、A4用紙20枚に画像を出力し、印字の乱れを以下の基準で評価した。
A:印刷開始から終了まで印字の乱れが無かった。
B:印字の乱れのある出力が発生した。
C:印刷開始から終了まで印字の乱れがあった。
<細線の滲み>
細線の滲みについては、細線パターンを印字し、35℃80%RHの条件下に2日間放置した後、目視にて滲みの評価を行った。滲みがないものを○、滲みがあるものを×とした。
<紙依存性>
前記フォト光沢紙に形成した画像と、別途にPPC用普通紙に形成した画像との色調を比較し、両画像間の差が小さい場合をA(良好)、両画像間の差が大きい場合をB(不良)として、二段階で評価した。
<耐水性>
前記画像を形成したフォト光沢紙を、1時間室温乾燥した後、30秒間水に浸漬し、室温にて自然乾燥させ、滲みを観察した。滲みが無いものをA、滲みが僅かに生じたものをB、滲みが多いものをCとして、三段階で評価した。
<耐光性>
前記画像を形成したフォト光沢紙に、ウェザーメーター(アトラスC.I65)を用いて、キセノン光(85000lx)を10日間照射し、キセノン照射前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。尚、前記反射濃度は、1、1.5および2.0の3点で測定した。
何れの濃度でも色素残存率が90%以上の場合をA、1点が90%未満をB、2点が90%未満をC、全ての濃度で90%未満の場合をDとして、四段階で評価した。
<耐オゾン性>
前記画像を形成したフォト光沢紙を、オゾンガス濃度が0.5ppmに設定されたボックス内に1週間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。尚、前記反射濃度は、1、1.5および2.0の3点で測定した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
何れの濃度でも色素残存率が90%以上の場合をA、1点が90%未満をB、2点が90%未満をC、全ての濃度で90%未満の場合をDとして、四段階で評価した。
Figure 2004231945
表7から明らかなように、本発明のインクジェット用インク組成物からなるインクジェットインクは分散安定性(溶解性)に優れ(印刷性能及び細線滲みに優れ)、紙依存性が小さく、耐水性、耐光性および耐オゾン性に優れるものであった。
[実施例2(分散型インクの実施例)]
実施例1で作製した同じインクを、インクジェットプリンターBJ−F850(CANON社製)のカートリッジに詰め、同機にて同社のフォト光沢紙GP−301に画像をプリントし、実施例1と同様な評価を行ったところ、実施例1と同様な結果が得られた。
[実施例3(トナー組成物の実施例)]
本発明における例示アゾ色素a−1を3質量部と、トナー用樹脂〔スチレン−アクリル酸エステル共重合体;商品名 ハイマーTB−1000F(三洋化成製)〕100質量部とをボールミルで混合粉砕後、150℃に加熱して溶融混和を行い、冷却後ハンマーミルを用いて粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。更に分級して1〜20マイクロを選択し、トナーとした。このトナー10質量部に対しキャリヤー鉄粉(商品名 EFV250/400;日本鉄粉製)900質量部を均一に混合し現像剤とした。同様に、表8に示す色素を3質量部使用した以外は同様にしてサンプルを調製した。これらの現像剤を用いて乾式普通紙電子写真複写機〔商品名 NP−5000;キャノン(株)製〕で複写を行った。
評価テストは、本発明のカラートナー用組成物を用いた現像剤によって上記画像形成方法により紙およびOHP上に、それぞれ反射画像(紙上の画像)および透過画像(OHP画像)を作製し、以下に示す方法で実施した。なお、トナー付着量は0.7±0.05(mg/cm2)の範囲で評価した。
得られた画像について、色相と光堅牢性を評価した。
色相については、目視にて最良、良好および不良の3段階で評価した。評価結果を下記表8に示す。下記表8中、〇は色相が最良;△は良好であったことを示し、×は色相が不良であったことを示す。
光堅牢性については、記録した直後の画像濃度Ciを測定した後、ウェザーメーター(アトラスC.165)を用いて、画像にキセノン光(8万5千ルクス)を10日間照射した後、再び画像濃度Cfを測定し、キセノン光照射前後の画像濃度の差から色素残存率({(Ci−Cf)/Ci}×100%)を算出し、評価した。画像濃度は反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定した。評価結果を下記表8に示す。下記表8中、色素残存率が90%以上の場合を〇、90〜80%の場合を△、80%未満の場合を×として示した。
OHP画像の透明性については下記方法にて評価した。日立製作所製「330型自記分光光度計」によりトナーが担持されていないOHP用シートをリファレンスとして画像の可視分光透過率を測定し、650nmでの分光透過率を求め、OHP画像の透明性の尺度とした。分光透過率が80%以上を○、70〜80%を△、70%以下を×とした。以上の結果を表8に示す。
Figure 2004231945
表8から明らかなように、本発明のカラートナー用組成物を用いることにより忠実な色再現と高いOHP品質を示すので、本発明のカラートナー用組成物はフルカラートナーとして使用するのに適している。さらに耐光性が良好なので長期にわたって保存ができる画像を提供することが可能である。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表され、かつ炭素数4以上のアルキル鎖を少なくとも一つ有すると共にイオン性親水性基を有さないアゾ色素を少なくとも一種含有することを特徴とするインクジェット用インク。
    Figure 2004231945
    一般式(1)中:
    A、BおよびCは、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよい複素環基を表す。ここで、AおよびCは一価の基であり、Bは二価の基である。
  2. 請求項1に記載のアゾ色素が、下記一般式(2)で表され、かつ炭素数4以上のアルキル鎖を少なくとも1つ含むと共に、イオン性親水性基を有さないアゾ色素であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク。
    Figure 2004231945
    一般式(2)中:
    AおよびBは、それぞれ独立に、一般式(1)におけるAおよびBと同義の置換基を表す。Hetは芳香族複素環基を表す。
  3. 請求項2に記載のアゾ色素において、一般式(2)におけるAまたはBの少なくともいずれかが芳香族複素環基であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット用インク。
  4. 請求項2に記載のアゾ色素において、一般式(2)におけるHetが芳香族含窒素6員複素環基であることを特徴とする請求項2記載のインクジェット用インク。
  5. 支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有する受像材料上に、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット用インクを用いて画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載されるアゾ色素を少なくとも1種含有することを特徴とするカラートナー用組成物。
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