本開示の一定の態様および特徴は、金属ストリップ、非鉄金属ストリップ、およびアルミニウムストリップ等の金属製品用の回転磁石ヒータに関する。回転磁石ヒータは、金属ストリップを通して移動または時変磁界を誘導するために、移動金属ストリップの上および/または下に配置された1つ以上の永久磁石ロータを含み得る。変化する磁界は、金属ストリップ内に電流(例えば、渦電流)を生じさせ、したがって、金属ストリップを加熱し得る。磁気ロータセットは、同一速度で回転する、金属ストリップの両側上の単一磁石ロータまたは一対の整合された磁気ロータ等の1つ以上の磁石ロータを含み得る。セットのうちの各磁気ロータは、金属ストリップをパスラインから引き離すことを回避するために、金属ストリップから等距離に位置決めされ得る。下流の磁気ロータセットは、上流の磁気ロータセットによって誘導された張力をオフセットするために、上流の磁気ロータに近接して使用され得る。1つ以上の磁気ロータ、および任意の他の加熱要素または制御要素の使用は、金属物品上に調整された温度プロファイルを誘導し得る。調整された温度プロファイルは、均一または実質的に均一な温度プロファイルを含む、金属物品の横幅にわたる特定の温度プロファイルであり得る。
本明細書に使用される際、「上」、「下」、「垂直」、および「水平」という用語は、金属ストリップが、地面に対して略平行なその上面および底面において水平に移動しているとして、金属ストリップに対する相対的な配向を説明するために使用される。本明細書に使用される「垂直」という用語は、金属ストリップの配向にかかわらず、金属ストリップの表面(例えば、上面または底面)に対して垂直する方向を指し得る。本明細書に使用される「水平」という用語は、金属ストリップの配向にかかわらず、移動金属ストリップの進行方向と平行な方向等の、金属ストリップの表面(例えば、上面または底面)と平行な方向を指し得る。「上」および「下」という用語は、金属ストリップの配向にかかわらず、金属ストリップの上面または底面を越えた場所を指し得る。いくつかの場合において、金属ストリップは、水平方向、垂直方向、または対角線等の任意の他の方向に移動し得る。
回転磁石ヒータは、移動および時変磁界の存在下で渦電流を発生させることができる任意の適切な金属ストリップに対して使用され得るが、アルミニウム金属ストリップとの使用に特に適切な場合がある。本明細書に使用される際、垂直、長手方向、および横方向という用語は、加熱されている金属ストリップに関して使用され得る。長手方向は、連続焼鈍溶体化処理(CASH)ラインまたは他の設備を通るパスラインに沿う等の、加工設備を通る金属ストリップの進行方向に沿って延在し得る。長手方向は、金属ストリップの上面および底面、ならびに金属ストリップの側縁と平行であり得る。長手方向は、横方向および垂直方向に対して垂直し得る。横方向は、金属ストリップの側縁間に延在し得る。横方向は、長手方向および垂直方向に対して垂直する方向に延在し得る。垂直方向は、金属ストリップの上面と底面との間に延在し得る。垂直方向は、長手方向および横方向に対して垂直し得る。
本開示の態様および特徴は、連続鋳造または非コイル状金属ストリップ等の金属ストリップに関して本明細書に説明されているが、本開示はまた、ホイル、シート、厚板、板、圧延板、または他の金属製品等の、任意の適切な金属製品と共に使用されてもよい。本開示の態様および特徴は、平坦な表面を有する任意の金属製品に特に適切であり得る。本開示の態様および特徴は、平行または略平行な対向する表面(例えば、上面および底面)を有する任意の金属製品に特に適切であり得る。本出願を通して使用される際、略平行は、平行または必要に応じて、平行の1°、2°、3°、4°、5°、6°、7°、8°、9°もしくは10°以内を含み得る。本出願を通して使用される際、略垂直は、垂直または必要に応じて、垂直の1°、2°、3°、4°、5°、6°、7°、8°、9°もしくは10°以内を含み得る。いくつかの場合において、略平行または略垂直は、それぞれ、平行または垂直から10°を超えて外れている要素を含み得る。
正確な加熱制御は、回転磁石ヒータを使用するときに達成され得る。かかる正確な制御は、ロータ内の磁石の強度、ロータ内の磁石の数、ロータ内の磁石の配向、ロータ内の磁石のサイズ、ロータの速度、ロータのサイズ、単一ロータセット内の垂直方向にオフセットされたロータ間の垂直方向の間隙、単一ロータセット内のロータの横方向のオフセット配置、隣接するロータセット間の長手方向の間隙、加熱されているストリップの厚さ、ロータと加熱されているストリップとの間の垂直方向の距離、加熱されているストリップの前進速度、および使用されるロータセットの数を含む、様々な要因の操作を介して達成され得る。他の要因も同様に制御され得る。いくつかの場合において、とりわけ、前述の要因のうちの1つ以上の制御は、コンピュータモデル、オペレータフィードバック、または自動フィードバック(例えば、リアルタイムセンサからの信号に基づく)に基づき得る。
各磁気ロータは、永久磁石または電磁石等の1つ以上の磁気源を含み得る。永久磁石ロータは、いくつかの場合において好ましい場合があり、内部電磁石を有するロータよりも効率的な結果を達成することができる場合がある。各磁気ロータは、隣接してロータを通過する金属ストリップの長手方向軸と垂直または略垂直する回転軸を中心として回転し得る。言い換えると、各磁気ロータは、金属ストリップの加工方向(例えば、圧延方向または下流方向)と垂直または略垂直する回転軸を中心として回転し得る。磁気ロータの回転軸はまた、金属ストリップの横幅に対して平行または略平行であり得る。一例において、下流方向と垂直し、かつ金属ストリップの横幅と平行である磁気ロータは、有利には、加熱電力および張力制御(例えば、長手方向張力制御)を同時に提供し得る。いくつかの場合において、磁気ロータの回転軸は、処理方向と垂直し、金属ストリップの横幅と同一平面であり得、その場合において、回転軸は、金属物品における温度プロファイルにわたって所望される制御を達成するために意図的に角度付けられ得る(例えば、他端よりも金属ストリップに近い磁気ロータの一端で角度付けられる)。いくつかの場合において、磁気ロータの回転軸は、金属ストリップの高さと垂直し、金属ストリップの横幅および加工方向によって形成された平面と平行かつそこから離間された平面内に収まり得、その場合において、回転軸は、金属物品における温度プロファイルにわたって所望される制御を達成するために意図的に角度付けられ得る(例えば、他端よりも下流の磁気ロータの一端で角度付けられる)。いくつかの場合において、磁気ロータの回転軸は、別様に角度付けられてもよい。ロータの回転運動は、磁気源に、移動または変化する磁界を誘導させる。ロータは、ロータモータ(例えば、電気モータ、空気圧モータ、またはその他)または近くの磁気源(例えば、他の磁気ロータ)の同調運動を介することを含む、任意の適切な方法を介して回転され得る。
静止電磁石とは対照的に、回転磁気ロータの使用は、改善された効率、および金属ストリップのより均一な加熱を可能にし得る。ストリップの幅にわたって与えられる誘導磁界を変化させるために静止電磁石を使用することは、ストリップ内に局所ホットスポットを発生させ得る。様々な強度の誘導磁界が、異なる静止電磁石の巻線の自然な変動によって引き起こされ得る。電磁石巻線の変動は、隣接する横方向の場所よりも多くの熱を発生する場所を結果としてもたらし得る。局所ホットスポットは、ストリップを不均一に変形させ得、他の製造欠陥を引き起こし得る。これとは対照的に、永久磁石は、寸法にわたって、または磁石毎に、あるレベルの固有の磁気変動を含み得るが、この変動は、ロータ内の永久磁石の回転に起因して自動的に平均化される。単一永久磁石のいずれも、どの横方向の静止位置にも保持されておらず、したがって、平均磁界は、回転する永久磁石によって印加されている。したがって、回転磁気ロータは、より制御された様式で金属ストリップを均一に加熱することができる。電磁石が回転磁石ヒータ内で使用されるとき、異なる電磁石間の変動は、ロータの回転に起因して平均化され得る。この変動外の平均化は、静止電磁石では起こらない。
ロータセットは、1つ以上のロータを含み得る。いくつかの場合において、ロータセットは、2つの垂直方向にオフセットされたロータを含み、それらの間に、金属ストリップが通過し得る間隙を形成する。ロータセット内のロータ間の間隙(例えば、垂直方向の間隙)のサイズは、リニアアクチュエータ(例えば、油圧ピストン、スクリュードライブ、または他のかかるアクチュエータ)等の、適切なアクチュエータの使用を通して制御され得る。ロータセット内の各ロータの垂直方向位置が、個々に制御可能であり得るか、またはロータセットの上部および下部ロータの両方の垂直方向位置が、垂直方向の間隙の制御を担当する単一アクチュエータによって同時に制御可能であり得る。垂直方向の間隙は、所望されるまたは実際の金属ストリップのパスラインを中心とし得る。いくつかの場合において、ロータセットのロータは、少なくともそれらの間の磁気引力に起因して、同期して回転することになる。例えば、上部ロータのS極がストリップに向かって下を向いているとき、下部ロータのN極は、ストリップに向かって上を向き得る。
いくつかの場合において、ロータセットは、金属ストリップのいずれか一方側に位置する単一ロータを含み得る。いくつかの場合において、単一ロータを含むロータセットは、ロータから金属ストリップの反対側に位置する、対向する要素を任意に含み得る。対向する要素は、金属ストリップを通る磁束の移動を容易にし得る、および/または金属ストリップに機械的支持を提供し得る。適切な対向する要素の例としては、静止プレート(例えば、鉄または鋼板)および支持ローラ(例えば、鋼ローラ)が挙げられる。いくつかの場合において、単一ロータの使用は、移動磁界に起因して金属ストリップ内に誘導される温度上昇の自己調整を容易にし得る。いくつかの場合において、ロータセット内の奇数個のロータ(例えば、1、3、5、または7つのロータ)の使用は、金属ストリップを所望されるパスラインから離れて移動させるように金属ストリップに不均一な量の力が加わることを結果としてもたらし得る。いくつかの場合において、追加の支持(例えば、支持ローラまたは圧縮流体/エアノズル)が、金属ストリップを所望されるパスラインに維持するために提供され得る。いくつかの場合において、ロータセット内のロータの位置は、金属ストリップを所望されるパスラインの近くに保つように千鳥状にされ得る。
ロータセットは、「下流」方向または「上流」方向に回転し得る。本明細書に使用される際、下流方向に回転するロータセットは、金属ストリップをその長手方向の進行方向に付勢する非ゼロの力を提供する。例えば、金属ストリップをその長手方向の進行方向で右に移動させながら金属ストリップを側面から見たとき、下流方向に回転するロータセットのうちの上部ロータは、反時計回りに回転し得るが、下部ロータは、時計回りに回転する。本明細書に使用される際、上流方向に回転するロータセットは、金属ストリップをその長手方向の進行方向と反対の方向に付勢する非ゼロの力を提供する。例えば、金属ストリップをその長手方向の進行方向で右に移動させながら金属ストリップを側面から見たとき、上流方向に回転するロータセットのうちの上部ロータは、時計回りに回転し得るが、下部ロータは、反時計回りに回転する。
いくつかの場合において、磁束集中器は、ロータに隣接して使用され得る。磁束集中器は、磁束を方向転換することができる任意の適切な材料であり得る。磁束集中器は、ストリップの近くまたはそれに直接的に面していないロータ内の磁石から磁束を受容し得、その磁束をストリップに向けて(例えば、ストリップの上面または底面に対して垂直する方向に)方向転換し得る。磁束集中器はまた、加熱されている金属ストリップ以外の、ロータと隣接設備との間の磁気シールドの利点も提供し得る。例えば、磁束集中器は、2つの間のより少ない磁気相互作用によって、隣接する長手方向にオフセットされたロータセットが互いにより近くに配置されることを可能にし得る。磁束集中器は、シリコン合金鋼(例えば、電気鋼)を含む、任意の適切な材料で作製され得る。磁束集中器は、複数の積層体を含み得る。磁束集中器は、磁束ダイバータまたは磁束コントローラであり得る。磁束集中器が使用されるとき、ロータは、より低い回転速度で効率的な結果を達成することができる場合があり、磁石は、金属ストリップからより遠くに配置されることができる場合がある。
回転磁石ヒータは、1つ以上のロータセットを含み得る。いくつかの場合において、回転磁石ヒータは、上流ロータセットおよび下流ロータセットを含む、少なくとも2つのロータセットを含む。少なくとも2つのロータセットが使用されるとき、1つのロータセットは、別のロータセットによって誘導された任意の長手方向の張力をオフセットし得る。いくつかの場合において、複数のロータセットが単一ロータセットによって誘導される長手方向の張力を打ち消し得るか、または単一ロータセットが複数のロータセットによって誘導される長手方向の張力を打ち消し得る。いくつかの場合において、ロータセットの総数は、偶数(例えば、2、4、6など)である。本明細書に使用される際、ロータグループは、0%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%以下である金属ストリップの長手方向の張力に対する正味の効果を提供する2つ以上のロータセットの集合である。例えば、ロータグループは、上流方向に回転し、それによって、金属ストリップの長手方向の進行方向に張力を誘導する上流磁気ロータセット、それと共に、下流方向に回転し、それによって、上流ロータセットから誘導された張力を減少させるか、または打ち消す下流磁気ロータセットを含み得る。金属ストリップの特性が、各ロータセットによって熱が加えられたときに変化し得るため、ロータグループ内のロータセットの各々の特性は、誘導される張力を適切に打ち消すように制御され得る。例えば、第1のロータセットの垂直方向の間隙は、既知のまたは固定された垂直方向の間隙を有する第2のロータセットによって打ち消すか、またはそれによって打ち消される適切な張力を誘導するように動的に調節され得る。金属ストリップに加える張力の量を制御するときにロータ間の垂直方向の間隙を調節することが望ましい場合があるが、回転速度等の他の変数も同様に調節され得る。
回転磁石ヒータ内のロータの性質および配向に起因して、回転磁石ヒータは、一連の加工設備において容易に設置、除去、および保守され得る。回転磁石ヒータは、静止電磁誘導ヒータよりも少ないスペースを占有し得る。さらに、多くの静止電磁誘導ヒータは、加熱されている金属ストリップの周囲に巻き付けられたコイルを必要とし、したがって、金属ストリップを誘導コイルから除去するために複雑な接続および/または操作を必要とする。必要に応じて、金属ストリップは、回転磁石ヒータから即座にかつ容易に除去され得る。いくつかの場合において、回転磁石ヒータの垂直方向および/または横方向の制御が、保守のために、加工設備を介してストリップを通すために、または単に追加の加熱が金属ストリップの一部分に対して所望されないときに、回転磁石ヒータを金属ストリップから離れるように移動させるために使用され得る。
静止電磁誘導ヒータ等の現在の磁気加熱技術は、概して、50%、45%、または40%以下の効率による加熱等の非効率的な加熱を提供する。回転磁石ヒータは、本明細書に開示されるように、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85以上の効率等の非常に高い効率で動作され得る。さらに、回転磁石ヒータは、多くの現在の磁気または電磁加熱技術よりも少ないスペースで同量の加熱を提供し得る。加えて、ロータ間の垂直方向の間隙は、回転磁気ヒータ内で調節され得、金属ストリップが所望されるパスラインから逸れ始めた場合に、より広い空間が作り出されることを可能にし、したがって、金属ストリップが回転磁石ヒータに接触することを回避し、潜在的にヒータまたは金属ストリップに損傷を生じさせることを回避する。対照的に、静止電磁誘導ヒータ等の多くの現在の磁気加熱技術は、それらの間隙を調節することができず、金属ストリップが所望されるパスラインから逸れ始めた場合に、所望されない衝突をもたらす場合がある。
加えて、永久磁石の使用は、特に動作温度が上昇するにつれて、電磁石と比較して所望される熱エネルギーを印加するためにより少ないエネルギーを必要とし得る。動作温度が過剰に上昇すると、電磁石は、もはや適切に作動せず、電磁石を十分に冷却するためにかなりの資源が費やされなければならない。対照的に、永久磁石は、より高い温度で作動し得、それ自体によって熱を発生せず、より少ない冷却を必要とし得る。
必要に応じて、温度制御は、高効率運転および/または安全な運転条件を維持するために、ロータまたは任意の隣接設備に適用され得る。温度制御は、強制空気、液体、または他の流体熱交換機構を含み得る。温度制御は、ロータに隣接する設備が過熱しないことを確実にするために、磁束集中器と組み合わせられ得る。
回転磁石ヒータは、金属ストリップとの物理的接触が所望されないプロセスに特に適切であり得る。例えば、回転磁石ヒータは、CASHラインにおいて特に有用であり得る(例えば、浮遊選鉱炉のための再加熱器または予熱器として)。CASHラインにおいて、金属は、低張力下で多数の区分を通過する。いくつかのCASHラインは、最大約800メートル以上の長さであり得る。炉および冷却区分等の一定の区分において、金属ストリップは、ローラまたは他の接触デバイスによって支持されていない場合がある。金属ストリップは、約100メートル以上の非支持区分を通過する場合がある。将来のCASHラインが開発されると、これらの長さは、より長くなるかもしれない。非支持区分において、金属ストリップは、流体(例えば、ガスまたは空気)のクッション上に浮揚され得る。これらの非支持区分の間に金属ストリップに熱(例えば、熱エネルギー)を供給することが望ましい場合がある。それゆえに、これらの区分内で非接触回転磁石ヒータを使用することが望ましい場合がある。任意に、これらの非支持区分の前の回転磁石ヒータの追加は、ストリップを急速に加熱することを補助し、それによって、より長い非支持区分の必要性を最小限にし得る。さらに、垂直方向の非接触回転磁石セットを通過するストリップは、各磁石から垂直方向の反発力を受けて、回転磁石の間隙の中央におけるストリップの垂直方向の安定化を結果としてもたらす。
本開示の一定の態様は、金属ストリップを乾燥するために特によく適している場合がある。1つ以上の回転磁石ヒータは、金属ストリップと接触せずに金属ストリップを加熱し得、金属ストリップの表面上の液体の蒸発を容易にし得る。本開示の一定の態様は、短距離にわたって金属ストリップを再加熱に特によく適している場合がある。いくつかの場合において、回転磁石ヒータは、クエンチ等に続いて(例えば、規格に対する熱間圧延後の急速クエンチ後)、金属ストリップを急速に再加熱し得る。
本開示の一定の態様は、金属ストリップの表面上の潤滑剤または他の流体に望ましくない温度変化を与えずに、ストリップ温度を制御するために特によく適している場合がある。例えば、いくつかの潤滑剤は、高温で望ましくない性質を有し得る。金属ストリップが炉内で、または熱風もしくは直接熱衝撃を介して加熱されるとき、金属ストリップの表面上の潤滑剤は、高温炉、熱風、または直火から加熱され得、金属ストリップ自体が所望される時間、所望される温度に加熱される前に、望ましくない温度に急速に達する場合がある。しかしながら、回転磁石ヒータの使用によると、金属ストリップに対する磁石の相対運動によって誘導される磁界の変化は、潤滑剤に直接温度変化を与えずに、むしろ金属ストリップ自体を加熱することになる。かかる場合において、潤滑剤は、実質的に金属ストリップからの熱伝導によって、またはそれのみによって加熱され得る。したがって、金属ストリップは、潤滑剤が望ましくない温度に達する危険性を低下させるか、またはその危険性なしで、所望される時間、所望される温度に加熱され得る。いくつかの場合において、他の技術を使用して加熱することは、コーティングを過熱する危険性があり得る。
ガス燃焼オーブンおよび赤外線ヒータ等の、コーティングを硬化させるためのいくつかの従来技術は、コーティングを外面から内側に(例えば、コーティングの外面からコーティングと金属物品との間の界面に向かって)加熱する。したがって、従来技術は、最初にコーティングの表面を加熱する傾向があり、これは、しばしば、コーティングの表面のさらに下のものよりも高濃度の塗料または他の材料を有し、これは、より高濃度の溶媒を含有し得る。結果として、現在の技術は、従来技術において最初に加熱されているコーティングの表面に有害な影響を与え得る気泡が、加熱中に形成されないことを確実にするために非常に特別に設計された溶媒を使用する。対照的に、本開示の一定の態様は、コーティングが内側から外側に(例えば、金属物品との界面からコーティングの表面に向かって)加熱されることを可能にする。したがって、コーティングの表面が、加熱されるコーティングの最後の部分であるため、溶媒の気泡の懸念が小さい。それゆえに、本開示の一定の態様は、より異なるタイプの溶媒またはより緩和された要件を有する溶媒の使用を可能にし得る。
加えて、コーティングを硬化させるためのいくつかの従来技術は、ガス燃焼オーブン内の高温ガスまたは赤外線ヒータに隣接する熱風等の、硬化されているコーティングの近くに高温雰囲気の存在を必要とする。溶媒が周囲雰囲気中に蒸発し得るため、その雰囲気の温度が上昇するにつれて爆発または発火の危険性が高まる。例えば、300℃の雰囲気は、室温の雰囲気よりも非常に高い爆発の潜在性を有し得る。したがって、従来技術は、安全上の懸念によって事実上制限される場合があり、これは、ライン速度または加工速度の低下、および特定のコーティングに使用されることが許容される溶媒の量またはタイプの減少を結果としてもたらし得る。対照的に、本開示の一定の態様は、コーティングが内側から外側に加熱されることを可能にし、これは、周囲温度(室温)またはそれに近い周囲雰囲気等の、従来技術よりも非常に低い周囲雰囲気で起こり得る。したがって、本開示の一定の態様は、より速いライン速度または加工速度を可能にし、かつ従来技術に使用不能であった場合がある、より大量の溶媒および異なるタイプの溶媒の使用を可能にし得る。
本開示の一定の態様は、金属ストリップに熱を同時に提供しながら、金属ストリップに接触せずに金属ストリップ内の張力を増減させることに特によく適している場合がある。例えば、金属ストリップがコイルから巻き出された後に加熱されるべきであるとき、同一方向(例えば、アンワインダに向かって上流)に全て回転する1つ以上のロータは、各ロータの後の金属ストリップの張力を減少させるように作用し得る。同様に、金属ストリップがコイル上に巻き取られる前に加熱されるべきであるとき、同一方向(例えば、リワインダに向かって下流)に全て回転する1つ以上のロータは、リワインダに接近するにつれて、金属ストリップの張力を増加させると同時に金属ストリップの温度を上昇させ得る。張力は、アンワインダおよびリワインダ以外の設備を含む、任意の適切な加工設備の前後等の、金属加工中にいずれかの場所で制御され得る。
本開示の一定の態様は、金属ストリップの表面部分を所望される深さまで加熱するために特によく適している場合がある。例えば、回転磁石ヒータは、金属ストリップの中心を実質的に加熱せずに、金属ストリップの表面を所望される深さ(例えば、金属ストリップの1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%の厚さ)まで加熱するように位置決めされ得る。
いくつかの場合において、回転磁石ヒータは、金属ストリップがクラッド区分とは異なる材料で作製されたコア区分を含む融合製品に特に有用であり得る。回転磁石ヒータの調節可能なパラメータは、クラッドおよびコア用に選択された材料のタイプに基づき、かつクラッドの厚さに基づいて、所望される結果を達成するように操作され得る。
いくつかの場合において、金属ストリップに印加される磁束の量は、様々な技術によって調節され得る。回転磁石ヒータの印加された磁束は、オフラインで(例えば、金属ストリップを回転磁石ヒータに隣接して通過させる前に)または動的に(例えば、金属ストリップが回転磁石ヒータに隣接して通過している間に調節して)調節され得る。いくつかの場合において、回転磁石ヒータによって印加される磁束の量は、ヒータの幅に沿って変化し得る。例えば、定磁束ロータが使用されるとき、金属ストリップは、縁の近くのホットスポットおよび縁のちょうど内側のクールスポットを含む温度プロファイル(例えば、金属ストリップの幅に沿った温度プロファイル)を伴い得る。かかる温度プロファイルを除去し、かつ代わりに平坦な温度プロファイルを達成しようと試みるために、回転磁石ヒータは、クールスポットの場所で増加した磁束およびホットスポットの場所で減少した磁束を提供する等の、その幅にわたって変化する磁束を有し得る。本明細書に説明されるように、他の技術が、ホットスポットを除去して、金属物品の横幅にわたる均一な温度プロファイル等の、金属物品にわたる所望される温度プロファイル(例えば、調整された温度プロファイル)を達成するために使用され得る。
回転磁石ヒータの磁束は、オフラインでまたは動的に様々な方式で調節され得る。いくつかの場合において、磁束集中器は、所望される場所で、そこを通る磁束を増加させるために、ロータに追加され得る。例えば、積層鋼または変圧器用鋼としても既知の電磁鋼は、適切な磁束集中器として使用され得る。いくつかの場合において、磁束集中器は、ロータ上の特定の横方向位置で個々の磁石の各々の半径方向端に隣接して配置され得る。いくつかの場合において、より強いまたはより弱い磁石が、ロータ内の特定の場所に含められるように選択され得る。いくつかの場合において、より大きな磁石(例えば、より大きな直径または厚さ)は、増加した磁束が所望される場所で使用され得、より小さな磁石は、より少ない磁束が所望される場所で使用され得る。いくつかの場合において、磁気的に不透明または磁気的に半透明な材料が、所望されない場所での磁束を抑制するために使用され得る。いくつかの場合において、ロータは、軸方向に整列したサブロータからなる場合がある。ロータ内の様々な場所で磁束の増減を達成するために、その場所のサブロータは、ロータのうちの他のサブロータよりも速くまたは遅く回り得る。いくつかの場合において、各サブロータは、個々のモータ等を介して、個々に制御され得る。いくつかの場合において、各サブロータは、互いに機械的に連結され得るか、または互いに対して所望される速度を達成するためにギヤを使用して単一駆動モータに連結され得る。いくつかの場合において、変速機(例えば、複数のギヤサイズを有する変速機または連続可変変速機)が、他のサブロータの速度に対する一定のサブロータの速度が動的に調節されることを可能にし得る。
ロータ内の磁石(例えば、磁気源)は、任意の望ましい磁束プロファイルを有し得る。いくつかの場合において、平坦なプロファイルが望ましい場合がある。いくつかの場合において、磁束プロファイルは、金属ストリップ内のホットまたはコールドスポットの危険性を最小限にするように設計され得る。いくつかの場合において、磁束プロファイルは、ロータの位置および/または配向に応じて金属ストリップを通る様々な異なる量の磁束を提供するために、改善された柔軟性を提供する様式で可変であり得る。一例において、ロータは、連続的に可変のクラウン形状をとる磁束プロファイルを有し得、相補的な磁束プロファイルを有するロータの反対側に任意に配置され得る。ロータの位置および/または配向を制御することは、金属ストリップを通過する磁束の量が所望されるように調節されることを可能にし得る。
いくつかの場合において、金属ストリップに印加される磁束の量は、ロータと金属ストリップとの間に磁気的に半透明または磁気的に不透明な材料を挿入することによって調節され得る。
使用において、回転磁石ヒータは、金属ストリップ内に渦電流を誘導することによって、隣接する金属ストリップに熱を提供する。誘導された渦電流は、ロータによって、かつロータを通過した金属ストリップの相対運動によって発生した、移動および時変磁界から生じる。移動および時変磁界は、ロータを通過した金属ストリップの運動に起因する第1の部分、ロータの回転軸を中心とする磁石の回転に起因する第2の部分、磁石がロータの回転軸を中心として回転するときの磁石の配向の回転に起因する第3の部分、およびストリップに沿った局所エリアでの遮蔽または磁束集中器等の追加デバイスによる磁束の減衰または集中に起因する第4の部分を含む、4つのサブパートまでモデル化され得る。移動金属ストリップの熱発生のモデル化は、その物理的特性(例えば、温度)が変化する際の金属ストリップのインダクタンスおよび/または抵抗率の変化に起因してさらに複雑になる。また、表面効果(例えば、ストリップの垂直方向の高さにわたる不均一な加熱)およびエッジ効果(例えば、ストリップの横幅にわたる不均一な加熱)は、モデル化をさらに複雑にし得る。多数のモデルおよび実験を通して、本明細書にさらに詳細に説明される本開示の様々な態様および特徴は、金属ストリップを高効率で加熱するために特に適していることが見出された。
本開示の一定の態様および特徴は、回転磁石ヒータに隣接して通過する移動金属ストリップ等の移動金属ストリップを参照して説明される。移動金属ストリップに適用可能な概念は、移動する回転磁石ヒータに隣接する静止金属(例えば、静止金属ストリップ、板、圧延板、または他の金属製品)にも同様に適用可能であり得る。例えば、金属ストリップがロータに隣接して移動する代わりに、金属ストリップは、ロータも回転している間等の、ロータが静止金属ストリップの長さに沿って移動される間、静止して保持され得る。加えて、本開示の一定の態様および特徴は、移動または静止している、金属ストリップ以外の金属片との使用に適切であり得る。例えば、回転磁気ヒータは、圧延棒、押し出し品、厚板(例えば、厚さ10mm超)、厚さ50mm超または100mm超の金属、直径400mm超~500mm超の棒、非対称金属製品、または他の適切な金属製品と共に使用され得る。
いくつかの場合において、本明細書に説明される回転磁気ヒータは、金属製品の周囲に配置され得る。本明細書に説明されているもの等の磁気ロータは、隣接して対向する金属ストリップの面(例えば、上部および下部ロータ)または金属棒の周囲の3方向(例えば、磁気ロータに対する金属棒の相対運動の方向で見たときに、互いに120°で等しく離間される)等の、金属製品の周囲に対称配置され得るか、または等分され得る。金属製品の周囲の磁気ロータの配置は、金属製品の所望される加熱を達成するように選択され得る。いくつかの場合において、磁気ロータの配置は、金属製品の外面よりも多くの熱を金属製品の中心に提供するために、金属製品(例えば、金属棒)の中心を通して最大磁束を集束させ得、したがって、中心が金属製品の外面よりも速く加熱することを可能にする。1つの磁気ロータ、2つの磁気ロータ(例えば、互いに180°の角度で配置される)、3つの磁気ロータ(例えば、互いに120°の角度で配置される)、4つの磁気ロータ(例えば、互いに90°の角度で配置される)、またはそれよりも多い数等の任意の数の磁気ロータが、ある配置で使用され得る。いくつかの場合において、配置内の磁気ロータは、中心軸(例えば、金属ストリップの長手方向軸)を中心として対称に配向され得るか、または等分され得るが、いくつかの場合において、磁気ロータは、金属製品を中心として非対称にまたは不均一な分配によって配置されてもよい。
本開示の一定の態様および特徴は、金属ストリップを通して変化する磁界(例えば、変化する磁束)を提供する回転磁石ヒータに関する。いくつかの場合において、他の変化する磁界源としては、電磁石、ベルト(例えば、タンクトレッドと同様の)に沿う等の非円形経路もしくは細長い経路で移動する磁石、円板上を回転する磁石、または他のかかる変化する磁界源等が使用され得る。いくつかの場合において、本明細書に説明される回転磁石ヒータは、他の変化する磁界源を超える利点を有し得るが、他の変化する磁界源が、適用可能なときに使用されてもよい。
本開示の一定の態様および特徴は、金属ストリップまたは他の金属製品上の局所場所にスポット加熱を提供するために使用され得る。場所は、1、2、または3次元で画定され得る。例えば、場所は、金属ストリップの横幅に沿った場所として画定され得、したがって、その横幅で金属ストリップの全長に磁気加熱を結果としてもたらす。別の例において、場所は、金属ストリップの横幅および長手方向の長さの両方に沿った場所として画定され得、したがって、金属ストリップの一定の部分(例えば、1m毎に繰り返す金属ストリップの10cm×10cm四方部分)に磁気加熱を結果としてもたらす。この2次元局所加熱は、金属ストリップと磁気加熱器との相対運動を変更することによって達成され得る(例えば、静止金属ストリップ、移動磁気ヒータ、またはその他を使用して)。いくつかの場合において、3次元の局所化が、金属ストリップの特定の深さに磁束を集中させることによって提供され得る。このタイプのスポット加熱は、磁気ヒータにスポット焼鈍能力を提供し得、金属製品の他の部分を焼鈍せずに、金属製品(例えば、金属ストリップ)の一定の部分が焼鈍されることを可能にする。このスポット焼鈍は、特に、高強度が金属製品に所望されるときに有用であり得るが、スタンピング工程が実行される領域では向上した成形能力が必要とされる。
いくつかの場合において、金属ストリップ等の塗装またはコーティングされた材料ストリップは、塗布手順のためにコーティング中に含有される水、溶媒および/または他の適切な添加剤を除去するために、後続する硬化手順を必要とする。硬化は、例えば、材料ストリップに平滑かつ良好に接着するコーティングを提供するために必要とされ得る。硬化パラメータは、数例を挙げると、接着性、光沢、色、表面潤滑性、シート全体の形状、および機械的特性を含む金属ストリップのコーティング特性に影響を及ぼし得る。本開示の一定の態様および特徴によれば、磁気ロータは、金属ストリップ等の金属物品上のコーティングを硬化させるために使用され得る。1つの代表的なシステムは、硬化チャンバ内に収容された磁石を有するロータを含む。関連付けられた磁石を有する回転ロータは、コーティングされた金属ストリップ内に移動または時変磁界を誘導し得る。変化する磁界は、金属ストリップ内に電流(例えば、渦電流)を生じさせ得、したがって、金属ストリップおよびそのコーティングを加熱する。加えて、回転磁石は、他のシステムまたはプロセスで使用するための水または任意の他の適切な熱交換物質を加熱するために使用され得る。
いくつかの非限定的な例において、金属または他の材料ストリップ上のコーティングを硬化させるためのシステムは、硬化チャンバおよび複数のロータを含み、ロータの各々は、少なくとも1つの磁石を含む。開示されたシステムおよび方法によって硬化される適切なコーティングとしては、有機コーティング、無機コーティング、混成有機無機コーティング、水性コーティング、溶剤コーティング、塗料、接着剤、ラッカー、粉体コーティング、および/もしくは積層物、またはその他が挙げられる。
いくつかの場合において、磁気ロータは、異なる熱的要求(例えば、所望される温度設定点)を有する後続の金属物品を加熱することを提供するために有用であり得る。例えば、第1の金属物品および後続の金属物品は、同一の1つの設備上で次々に即座に加工されてもよく、加熱を提供するための磁気ロータの使用は、システムが、第1の金属物品用の温度設定点から第2の金属物品用の温度設定点に急速に調節することを可能にし得る。この急速な調節は、後続の金属物品間の移行中に廃棄されなければならない材料の量を減らすことを助け得る。
これらの例示的な例は、本明細書で論じられる一般的な主題を読者に紹介するために提供され、また、開示される概念の範囲を限定することを意図しない。以下の節は、図面を参照して、種々な追加的な特徴および実施例を説明し、図面中、同様の数字は、同様の要素を示し、方向的な説明は、例示的な実施形態を説明するために使用されるが、例示的な実施形態のように、本開示を限定するために使用されるべきではない。本明細書の例示に含まれる要素は、縮小率で描かれていない場合がある。
図1は、本開示の一定の態様による、回転磁石ヒータ100の側面図である。回転磁石ヒータ100は、任意の数のロータ108、110、112、114およびロータセット104、106を含み得る。図1に見られるように、回転磁石ヒータ100は、第1のロータセット104および第2のロータセット106を含む。第1のロータセット104は、第1の上部ロータ108および垂直方向に離間された第1の下部ロータ110を含み、それらの間に間隙を画定する。いくつかの場合において、上述のように、ロータセットは、上部ロータのみを含む。他の場合において、ロータセットは、下部ロータのみを含む。金属ストリップ102は、垂直方向の間隙を方向124に通過させられ得る。第1の上部ロータ108は、固定され得るか、または第1のロータセット104内の垂直方向の間隙を調節するために垂直方向に移動するように作動可能であり得る、第1の上部ロータ支持アーム116によって支持され得る。第1の下部ロータ110は、固定され得るか、または第1のロータセット104内の垂直方向の間隙を調節するために垂直方向に移動するように作動可能であり得る、第1の下部ロータ支持アーム118によって支持され得る。いくつかの場合において、第1の上部ロータ支持アーム116および第1の下部ロータ支持アーム118の一方または両方は、垂直方向に固定され得るか、または調節可能であり得る。第1のロータセット104は、上流方向に動作するように示されており、第1の上部ロータ108は、時計回り方向に回転するように図示されるが、第1の下部ロータ110は、反時計回り方向に回転するように図示されている。
第2のロータセット106は、第2の上部ロータ112および垂直方向に離間された第2の下部ロータ114を含み、それらの間に間隙を画定する。金属ストリップ102は、垂直方向の間隙を方向124に通過させられ得る。第2の上部ロータ112は、固定され得るか、または第1のロータセット104内の垂直方向の間隙を調節するために垂直方向に移動するように作動可能であり得る、第2の上部ロータ支持アーム120によって支持され得る。第2の下部ロータ114は、固定され得るか、または第2のロータセット104内の垂直方向の間隙を調節するために垂直方向に移動するように作動可能であり得る、第1の下部ロータ支持アーム122によって支持され得る。いくつかの場合において、第2の上部ロータ支持アーム120および第2の下部ロータ支持アーム122の一方または両方は、垂直方向に固定され得るか、または調節可能であり得る。第2のロータセット104は、下流方向に動作するように示されており、第2の上部ロータ112は、反時計回り方向に回転するように図示されるが、第2の下部ロータ114は、時計回り方向に回転するように図示されている。
ロータセットは、任意の適切な方向に回転するように配置され得る。いくつかの場合において、第1のロータセット104は、下流方向に動作し得、第1の上部ロータ108は、反時計回り方向に回転するが、第1の下部ロータ110は、時計回り方向に回転する。第2のロータセット104は、上流方向に動作し得、第2の上部ロータ112は、時計回り方向に回転するが、第2の下部ロータ114は、反時計回り方向に回転する。いくつかの場合において、隣接するロータセット(例えば、第1のロータセット104および第2のロータセット106)は、反対方向(例えば、図1に図示されるように上流および下流)に動作し得、ロータセットのうちの1つによって誘導される任意の張力変化を打ち消すことを容易にし得る。いくつかの場合において、本明細書にさらに詳細に説明されるように、隣接するロータセットは、金属ストリップに張力変化を誘導する等のために、同一方向に動作してもよい。
いくつかの場合において、回転磁石ヒータは、3、4、5、6、7、8、またはそれ以上のロータセット等の追加のロータセットを含み得る。他の場合において、回転磁石ヒータは、単一ロータセットのみを含んでもよい。各ロータ108、110、112、114は、1つ以上の磁気源を含み得る。磁気源は、永久磁石または電磁石等の任意の磁気源または磁束であり得る。いくつかの場合において、ロータは、少なくとも1つの永久磁石を含む。
図2は、本開示の一定の態様による、回転磁石ヒータ200の上面図である。回転磁石ヒータ200は、図1の回転磁石ヒータ100と同様であり得るが、4つのロータセット204、206、226、228が示されている。金属ストリップ202は、4つのロータセット204、206、226、228の各々の垂直方向の間隙を方向224に通過し得る。上から見られるように、第1のロータセット204は、第1の上部ロータ支持アーム216によって支持され、かつ第1の上部ロータモータ238によって駆動される、第1の上部ロータ208を含み得、第2のロータセット206は、第2の上部ロータ支持アーム220によって支持され、かつ第2の上部ロータモータ240によって駆動される、第2の上部ロータ212を含み得、第3のロータセット226は、第3の上部ロータ支持アーム234によって支持され、かつ第3の上部ロータモータ242によって駆動される、第3の上部ロータ230を含み得、第4のロータセット228は、第4の上部ロータ支持アーム236によって支持され、かつ第4の上部ロータモータ244によって駆動される、第4の上部ロータ232を含み得る。図2のロータセットの各々の下部ロータは、それらのそれぞれの上部ロータと横方向に整列され、それゆえに、図2では見えない。
図3は、本開示の一定の態様による、回転磁石ヒータ300の軸測投影図である。回転磁石ヒータ300は、図2の回転磁石ヒータ200と同様であり得る。第1のロータセット304は、第1の上部ロータ支持アーム316によって支持され、かつ第1の上部ロータモータ338によって駆動される、第1の上部ロータ308と、第1の下部ロータ支持アーム318によって支持され、かつ第1の下部ロータモータ350によって動力供給される、第1の下部ロータ310とを含む。第2のロータセット306は、第2の上部ロータ支持アーム320によって支持され、かつ第2の上部ロータモータ340によって駆動される、第2の上部ロータ312と、第2の下部ロータ支持アーム322によって支持され、かつ第2の下部ロータモータ352によって動力供給される、第2の下部ロータ314とを含む。第3のロータセット326は、第3の上部ロータ支持アーム334によって支持され、かつ第3の上部ロータモータ342によって駆動される、第3の上部ロータ330と、第3の下部ロータ支持アーム358によって支持され、かつ第3の下部ロータモータ354によって動力供給される、第3の下部ロータ346とを含む。第4のロータセット328は、第4の上部ロータ支持アーム336によって支持され、かつ第4の上部ロータモータ344によって駆動される、第4の上部ロータ332と、第4の下部ロータ支持アーム360によって支持され、かつ第4の下部ロータモータ356によって動力供給される、第4の下部ロータ348とを含む。
任意の適切な原動力源が、ロータモータの代わりに使用されてもよい。任意の適切なモータが、ロータモータとして使用され得る。いくつかの場合において、ロータモータは、それらのそれぞれのロータに、ベルトまたはチェーンドライブを介して回転可能に連結され得、ロータモータ自体がそのそれぞれのロータから離れて配置されることを可能にする。いくつかの場合において、単一モータが、単一ロータセットのうちの1つ以上のロータを含む、1つ以上のロータを駆動し得る。いくつかの場合において、ロータモータは、ロータ速度に対する調節のためのコントローラに連結され得る。いくつかの場合において、ロータモータは、固定量のトルクを提供するように設計されており、ロータセットに対する所望される調節は、ロータセットのロータ間の垂直方向の間隙を操作することによって実現され得る。
ロータ支持アーム316、320、334、336、318、322、358、360の各々は、垂直方向(例えば、上下)、長手方向(例えば、方向224または反対方向224)、および横方向(例えば、それぞれのロータの回転軸と平行な方向に沿って)のうちの1つ以上にそれぞれのロータ308、312、330、332、310、314、346、348を移動させるように作動可能であり得る。垂直方向の運動は、単一ロータセットのロータ間の垂直方向の間隙を制御し得る。長手方向の運動は、隣接するロータセット間の長手方向の間隙を制御し得る。横方向の運動は、図5~6に関してさらに詳細に見られるように、特定のロータによってカバーされる金属ストリップ302の表面の割合、それゆえに金属ストリップ302の表面の部分を通過する磁束の量を制御し得る。
図4は、本開示の一定の態様による、永久磁石ロータ400の断面側面図である。磁気ロータ400は、図1のロータ108、110、112、114として適切なロータの一例である。磁気ロータ400は、1つ以上の磁気源403を含み得る。図4に見られるように、磁気ロータ400は、永久磁石である8つの磁気源403を含む。磁石は、任意の適切な配向に配置され得る。隣接する永久磁石が、半径方向外側を向いて異なる極(例えば、N、S、N、S、N、S、N、Sを交互にする)を提供するように、磁気源403が配置され得る。サマリウムコバルト、ネオジム、または他の磁石等の任意の適切な永久磁石が使用され得る。いくつかの場合において、サマリウムコバルト磁石は、より高い熱によって磁界強度をより緩やかに低下させ得るため、ネオジム磁石よりも望ましい場合がある。しかしながら、いくつかの場合において、ネオジム磁石は、より低温でより強い磁界強度を有するため、サマリウムコバルト磁石よりも望ましい場合がある。
磁気源403は、シェル401によって包囲され得る。シェル401は、磁束が通過することを可能にすることができる任意の適切な材料であり得る。いくつかの場合において、シェル401は、非金属コーティングで作製され得るか、またはそれをさらに含み得る。いくつかの場合において、シェル401は、ケブラーコーティングを含み得。
いくつかの場合において、磁気ロータ400は、中心軸407を有する強磁性コア405を含み得る。磁気ロータ400は、磁気源403を支持するために適切な他の内部配置を含み得る。任意の適切な数の磁気源403が使用され得るが、効率的な結果が、偶数の磁気源403、具体的には、6つまたは8つの磁気源403を用いて達成され得ることが分かっている。
磁気源403は、磁気ロータ400の円周の任意の割合をカバーするようにサイズ決めされ得る。効率的な結果は、磁気ロータ400の円周の約40%~95%、50%~90%、または70%~80%を占有するようにサイズ決めされた磁気源403を用いて達成され得る。
磁気ロータ400は、任意の適切なサイズに形成され得るが、効率的な結果が、200mm~600mm、少なくとも300mm、少なくとも400mm、少なくとも500mm、または少なくとも600mmの直径を有するロータを用いて達成され得ることが分かっている。
各磁気源403の厚さは、磁気ロータ400内に嵌合することができる任意の適切な厚さであり得るが、効率的な結果が、15mmまたは少なくとも15mm、15~100mm、15~40mm、20~40mm、25~35mm、30mm、または50mmの永久磁石厚さを用いて達成され得ることが分かっている。他の厚さが使用されてもよい。
試行および実験を通して、非常に効率的な加熱力が、単一ロータの周囲に配置された6つまたは8つの磁石の使用によって得られ得ることが特定されているが、他の数の磁石が使用されてもよい。過剰に多い磁石が使用されるとき、加熱力は、低下し得る。いくつかの場合において、磁石の数は、設置および/または保守費用(例えば、購入する磁石の数)を最小限にするように選択され得る。いくつかの場合において、磁石の数は、金属ストリップに隣接する磁石の運動に起因して金属ストリップに生じる張力変動を最小限にするように選択され得る。例えば、非常に少数の磁石は、より大きいおよび/またはより長い張力変動を引き起こし得、これに対してより多くの磁石は、より小さいおよび/またはより短い変動を引き起こし得る。試行および実験を通して、磁石がロータの円周の40%~95%、より具体的には、ロータの円周の50%~90%、または70%~80%を占有するとき、非常に効率的な加熱力が得られ得ることが特定されている。試行および実験を通して、200、300、400、500、または600mm以上等の、ロータの直径が大きいとき、非常に効率的な加熱力が得られ得ることが特定されている。加えて、より大きいロータの使用は、磁石の費用を最小限にすることを助け得る。試行および実験を通して、200、300、400、500、または600mm以上等の、ロータの直径が大きいとき、非常に効率的な加熱力が得られ得ることが特定されている。加えて、より大きいロータの使用は、磁石の費用を最小限にすることを助け得る。
ロータの速度が上昇するにつれて、加熱力が上昇する傾向がある。しかしながら、いくつかの場合において、ロータの速度が閾値レベルに達する場合、さらなる速度の上昇は、金属ストリップの固有インダクタンスおよび抵抗率特性に起因して加熱効率に悪影響を及ぼすことになる。1800回転/分または約1800回転/分(例えば、1800回転/分の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、または20%内)が、様々な場所の主電源に見られる60Hzの周波数でロータモータを制御することの簡略性に起因して、幾分か望ましい速度であり得る。いくつかの場合において、他の周波数が、使用されるロータモータおよび/または供給される主電源に基づいて選択され得る。ロータ速度が金属ストリップに印加される熱エネルギーの量を制御するための有用な方法であり得るが、一定のロータ速度を維持し、かつ金属ストリップに印加される熱エネルギーの量を調節するために垂直方向の間隙制御および他の制御を使用することに利点があり得ることが特定されている。
試行および実験を通して、非常に効率的な加熱力が、ロータ内の永久磁石の厚さが15~40mm、20~40mm、もしくは25~35mmの間、または30mmもしくは約30mmであるときに得られ得ることが特定されている。強い加熱力が、より厚い磁石によって得られ得るが、上記範囲内の磁石の使用は、磁石の設置/保守費用を同時に低く保持しながら、十分に強い加熱力を提供し得る。
試行および実験を通して、非常に効率的な加熱力が2mmまたは約2mm(例えば、1mm~4mmまたは1mm~3mm)の厚さを有する金属ストリップに関して得られることが特定されているが、他のサイズの金属ストリップが使用されてもよい。いくつかの場合において、1mmの厚さを有する金属ストリップを加熱することが高速加熱を提供し得るが、それはまた、金属ストリップに望ましくない張力および張力変動を誘導し得る。試行および実験を通して、ストリップ張力が、2mmまたは約2mm(例えば、1mm~4mmまたは1mm~3mm)の厚さを有する金属ストリップを使用するときに効率的に制御され得ることが特定されている。
図5は、本開示の一定の態様による、オフセットされたロータを有する回転磁石ヒータ500の上面図である。回転磁石ヒータ500は、図2の回転磁石ヒータ200と同様であり得るが、オフセットされた構成にある第3のロータセット526および第4のロータセット528を有する。単一ロータセットにおける等の、横方向にオフセットされたロータの使用は、エッジ効果に対する補償を容易にし得る。エッジ効果は、特に、ロータが金属ストリップ502の縁を越えて延在するときの、金属ストリップ502の縁の不均一な加熱である。オフセットの程度は、例示的な目的のために、図5において誇張されている。
金属ストリップ502は、4つのロータセット504、506、526、528の各々の垂直方向の間隙を方向524に通過し得る。上から見られるように、第1のロータセット504は、第1の上部ロータ支持アーム516によって支持され、かつ第1の上部ロータモータ538によって駆動される、第1の上部ロータ508を含み、第2のロータセット506は、第2の上部ロータ支持アーム520によって支持され、かつ第2の上部ロータモータ540によって駆動される、第2の上部ロータ512を含み、第3のロータセット526は、第3の上部ロータ支持アーム534によって支持され、かつ第3の上部ロータモータ542によって駆動される、第3の上部ロータ530を含み、第4のロータセット528は、第4の上部ロータ支持アーム536によって支持され、かつ第4の上部ロータモータ544によって駆動される、第4の上部ロータ532を含む。
第3および第4のロータセット526、528がオフセットされた構成にあるため、第3の下部ロータ546およびその第3の下部ロータ支持アーム558、ならびに第4の下部ロータ548およびその第4の下部ロータモータ556を見ることができる。オフセットされた構成は、ロータセットの下部ロータから横方向にオフセットされているロータセットの上部ロータを含み得る。第3のロータセット526の第3の上部ロータ530は、第1の方向にオフセットされて見え、これに対して第3の下部ロータ546は、第1の方向と反対の第2の方向にオフセットされている。オフセットの程度は、線562、564によって画定され得る。線564から金属ストリップ502の第1の縁(例えば、図5の上部に向かう縁)までの距離は、ロータ530および548が金属ストリップ502と重なる距離であり得る。線562から金属ストリップ502の第2の縁(例えば、図5の下部に向かう縁)までの距離は、ロータ546および532が金属ストリップ502と重なる距離であり得る。線562と線564との間の距離は、金属ストリップ502が第3のロータセット526の両方のロータ530、546に重なる距離であり得る。その距離はまた、金属ストリップ502が第4のロータセット528の両方のロータ548、532に重なる距離でもあるが、いくつかの場合において、第4のロータセット528は、第3のロータセット526とは異なる、重なる距離をとる場合もある。使用において、ロータの重なる距離(例えば、線562、564間の距離)は、金属ストリップ502の横幅の少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%であり得る。しかしながら、ロータの重なる距離は、いくつかの場合において90%未満であり得る。
いくつかの場合において、回転磁石ヒータの最後のロータセットがオフセットされた構成であることが有利であり得る。6つのロータセットを有する回転磁石ヒータの一例において、最後の4つのロータセットは、オフセットされた構成にあり得る。図5に見られるように、回転磁石ヒータ500は、4つのロータセット504、506、526、528を含み、そのうちの最後の2つ(例えば、ロータセット526、528)は、オフセットされた構成にある。
いくつかの場合において、ロータ支持アームは、ロータを、オフセットされた構成の内外に移動させるように、ロータ位置を横方向(例えば、図5に見られるように上下)に調整し得る。いくつかの場合において、1つ以上の温度センサが、オフセットされた構成にあるロータの位置、したがって、ロータの重なりの量を制御する能動的フィードバックを提供するために使用され得る。金属ストリップ502の幅の100%または110%未満等の、ロータの重なりの量が減少するにつれて、エッジ効果は、軽減され得る。
図6は、本開示の一定の態様による、オフセットされたロータを有する回転磁石ヒータ600の軸測投影図である。回転磁石ヒータ600は、図5の回転磁石ヒータ500と同様であり得る。第1のロータセット604は、第1の上部ロータ支持アーム616によって支持され、かつ第1の上部ロータモータ638によって駆動される、第1の上部ロータ608と、第1の下部ロータ支持アーム618によって支持され、かつ第1の下部ロータモータ650によって動力供給される、第1の下部ロータ610とを含む。第2のロータセット606は、第2の上部ロータ支持アーム620によって支持され、かつ第2の上部ロータモータ640によって駆動される、第2の上部ロータ612と、第2の下部ロータ支持アーム622によって支持され、かつ第2の下部ロータモータ652によって動力供給される、第2の下部ロータ614とを含む。第3のロータセット626は、第3の上部ロータ支持アーム634によって支持され、かつ第3の上部ロータモータ642によって駆動される、第3の上部ロータ630と、第3の下部ロータ支持アーム658によって支持され、かつ第3の下部ロータモータ654によって動力供給される、第3の下部ロータ646とを含む。第4のロータセット628は、第4の上部ロータ支持アーム636によって支持され、かつ第4の上部ロータモータ644によって駆動される、第4の上部ロータ632と、第4の下部ロータ支持アーム660によって支持され、かつ第4の下部ロータモータ656によって動力供給される、第4の下部ロータ648とを含む。
図5に図示されるものと同様に、第3のロータセット626および第4のロータセット628は、オフセットされた構成で図示されている。
図7は、本開示の一定の態様による、磁束導通器766を有する回転磁石ヒータ700の側面図である。回転磁石ヒータ700は、図1の回転磁石ヒータ100と同様であり得るが、追加の磁束導通器766(例えば、磁束集中器または磁束ガイド)を有し、これは、ロータ708、710、712、714が、図1のロータに利用可能であるよりも金属ストリップ702からさらに離間されることを可能にし得る。方向724を通過する金属ストリップ702は、それぞれのロータが金属ストリップ702に最も近いロータ708、710、712、714(例えば、金属ストリップに最も近いロータの縁に位置する磁極)から磁束を直接的に、かつ磁束導通器766を介して間接的に受容し得る。磁束導通器766は、金属ストリップ702に向かって、方向724と平行な方向に磁束を向けている磁気源等の、金属ストリップ702に向かって配向されないロータ708、710、712、714内の磁気源からの磁束を方向付け得る。さらに、ロータ708、710、712、714の周囲の磁束導通器766の存在は、磁束導通器766が使用されなかった場合と同様に大きい磁気干渉なしで、第1のロータセット704および第2のロータセット706が互いにより近くに配置されることを可能にする。図1に図示されるように、各ロータは、ロータの円周の周囲に4つの磁極を有し得る。磁束導通器766の位置は、磁極が磁束導通器766を介して互いに短絡しないことを確実にするように調節され得る。例えば、ロータが4つよりも多い磁極を含有する場合、磁束導通器766は、磁束の望ましくない短絡を回避するためにわずかに小さい場合がある。
磁束導通器766は、金属ストリップ702に向かって磁束を集束、集中、または別途方向付けるために適切な鉄または鉄系材料を含み得る。例えば、磁束導通器766は、シリコン合金鋼積層物で構築され得る。いくつかの場合において、磁束導通器766は、片側または両側(例えば、ロータの上流または下流)に、ロータの幅に沿って、ロータに隣接して位置し得る。磁束導通器766は、ロータの全幅に沿って位置し得るか、またはロータの全幅を超えて、もしくはロータの全幅未満で位置し得る。いくつかの場合において、磁束導通器766は、金属ストリップ702の縁に隣接して磁束を方向転換することによってエッジ効果を補償するように位置決めされ得る。磁束導通器766は、回転ロータ708、710、712、714に対して静止して保持され得る。いくつかの場合において、磁束導通器766は、ロータ支持アーム716、718、720、722または他の場所に固定され得る。図7において、1つのロータ当たり2つの磁束導通器が図示されている。2つの磁束導通器の数は、2つの磁極(例えば、2つの外向き磁極)を有するロータに対応し得る。磁束導通器の数は、1つのロータ当たり4、6、8、10個、またはそれよりも多い極の使用を可能にするように増やされ得るが、任意の適切な数の磁束導通器が使用され得る。
図8は、本開示の一定の態様による、回転磁石ヒータ868、869を利用する連続鋳造システム800の概略的表現である。連続鋳造機870は、金属ストリップ802等の金属製品を生産し得る。金属ストリップ802は、冷却設備(例えば、水冷式または空冷式)、アブレーション設備、または他のかかる設備等の熱除去設備を任意に通過し得る。いくつかの場合において、周囲空気との接触および/または非加熱ローラとの接触を含む、金属ストリップ802の継続的な移送は、金属ストリップ802の温度を低下させ得る。熱間圧延スタンド874に入る前に、金属ストリップ802は、図1の回転磁石ヒータ100または本明細書に説明される任意の他の回転磁石ヒータ等の、回転磁石ヒータ868によって加熱され得る。いくつかの場合において、金属ストリップ802は、熱間圧延スタンド874を出た後に回転磁石ヒータ869によって加熱され得る。いくつかの場合において、金属ストリップ802は、回転磁石ヒータ869を出た後、追加の熱間圧延、冷間圧延、または他のプロセス等の追加のプロセスを経てもよい。連続鋳造システム800において、回転磁気ヒータ868、869は、熱間圧延等の様々なプロセスの前後にストリップ温度を上昇または維持し得る。回転磁石ヒータ868、869の使用は、連続鋳造システム800における金属生産の効率および速度を改善し得る。任意の数の回転磁石ヒータ868、869が使用されてもよく、いくつかの場合において、回転磁石ヒータ868、869のうちの一方のみが使用される。
図9は、本開示の一定の態様による、回転磁石ヒータ968を使用する金属加工システム900の概略的表現である。金属加工システム900は、図1の回転磁石ヒータ100または本明細書に説明される任意の他の回転磁石ヒータ等の、回転磁石ヒータ968を含む。回転磁石ヒータ968は、金属ストリップ902に対して作用する。
いくつかの場合において、回転磁石ヒータ968は、上流加工設備976を出た後に金属ストリップ902の温度を維持または上昇させるために、1つの上流加工設備976のすぐ下流に位置し得る。
いくつかの場合において、回転磁石ヒータ968は、下流加工設備978に入る前に金属ストリップ902の温度を維持または上昇させるために、1つの下流加工設備978のすぐ上流に位置し得る。
いくつかの場合において、回転磁石ヒータ968は、上流加工設備976と下流加工設備978との間を進行する際に金属ストリップ902の温度を維持または上昇させるために、1つの上流加工設備976と1つの下流加工設備978との間に位置し得る。
上流加工設備976および下流加工設備978は、CASHラインの一部(例えば、炉、冷却ユニット、または他の設備)等の任意の適切な金属加工設備であり得る。回転磁石ヒータ968の使用は、金属加工システム900における金属生産の効率および速度を改善し得る。
図10は、本開示の一定の態様による、回転磁石ヒータ制御システム1000の概略的表現である。コントローラ1080は、プロセッサまたはコンピュータ等の任意の適切な制御設備であり得る。コントローラ1080は、システムの任意の制御可能部の手動または自動(例えば、プログラムされた、および/または動的な)制御を提供するようにシステム1000の様々な部分に連結され得る。コントローラ1080は、システム1000の適切な制御を提供するために、任意の数のロータセット1004、1006のロータモータ1038、垂直方向の間隙アクチュエータ1082(例えば、ロータ支持アーム)、長手方向位置アクチュエータ1084、および/または横方向位置アクチュエータ1086に連結され得る。コントローラ1080は、プログラム情報および他のデータを記憶し、それらにアクセスするためのデータストレージ(例えば、非一時的な機械可読ストレージ)に連結され得る。
いくつかの場合において、コントローラ1080は、センサ1088に連結され得る。1つ以上のセンサ1088は、ユーザが解釈するためにディスプレイにフィードバックを提供するために使用され得るか、またはシステム1000の1つ以上の部分の動的制御を提供するために使用され得る。
一例において、コントローラ1080は、第1のロータセット1004によって誘導された張力が第2のロータセット1006で補償されることを確実にするために、第1のロータセット1004の垂直方向の間隙を動的に調節するように(例えば、垂直方向の間隙アクチュエータ1082を介して)フィードバックを提供するために、センサ1088(例えば、温度センサ、平面度センサ、または張力センサ)を使用し得る。温度センサが使用されるとき、コントローラ1080は、第1のロータセット1004および第2のロータセット1006に関する張力の正味の変化を低く、ほぼゼロ、またはゼロに維持する必要がある、垂直方向の間隙の調節に対して金属ストリップの温度の変化を相関させ得る。張力センサが使用されるとき、第1のロータセット1004および第2のロータセット1006の正味の張力が低い、ほぼゼロ、またはゼロであるように、測定された張力自体が垂直方向の間隙を制御するために使用され得る。
いくつかの場合において、コントローラ1080または適切なセンサ1088は、ロータモータ1038と関連付けられた電力使用量を監視し得る。電力使用量は、システムの運転に対する洞察を提供し得、かつシステムの状態に関する推測を行うためにコントローラ1080によって使用され得る。コントローラ1080は、次いで、検知された電力に基づいて、上記(例えば、垂直方向の間隙)等の、システムを動的に調節するためにフィードバックを提供し得る。
いくつかの場合において、コントローラ1080は、ロータセットではなく単一ロータに連結され得、その場合、コントローラ1080は、ロータ速度、横方向位置、垂直方向位置、長手方向位置、または他の態様(例えば、電磁気源を有するロータ内の磁界強度)等の、ロータの任意の制御可能な態様を制御し得る。
いくつかの場合において、コントローラ1080は、1つ以上のロータまたはロータセットに関して金属ストリップの位置を制御するためのアクチュエータに連結され得る。例えば、コントローラ1080は、金属ストリップのパスラインを制御するために1つ以上のストリップデフレクタ1092に連結され得る。かかるストリップデフレクタ1092の例は、図18の金属板1892、図19のローラ1992、図32のスプレー2396、および図32のローラ3298のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの場合において、デフレクタ1092は、金属ストリップの一部分(例えば、金属ストリップの全幅未満)を磁気ロータに向けて、またはそれから離れるように偏向させ、したがって、金属ストリップと磁気ロータとの間に横方向に区別可能な距離を提供し得る。
いくつかの場合において、コントローラ1080は、金属ストリップの全部または一部を通過する磁束の量を調節するために、磁束ガイド1094を移動または再位置決めするように1つ以上の磁束ガイド1094に連結され得る。図7、27、28、および35~39を参照して説明されたもの等の任意の適切な磁束ガイドは、コントローラ1080によって制御可能であり得る。
図11は、本開示の一定の態様による、回転磁石ヒータを使用するためのプロセス1100を図示するフローチャートである。ブロック1190において、金属ストリップは、第1の磁気ロータセットを通過させられる。金属ストリップは、第1のロータセット間の第1の垂直方向の間隙を通過させられ得る。ブロック1191において、金属ストリップは、第2の磁気ロータセットを通過させられ得る。金属ストリップは、第2のロータセット間の第2の垂直方向の間隙を通過させられ得る。
ブロック1192において、第1のロータセットまたは第2のロータセットのうちの1つの垂直方向の間隙が、調節され得る。垂直方向の間隙は、調節されたロータセットによって金属ストリップに誘導される張力の量を減少または増加させるために、必要に応じてそれぞれ増加または減少させられ得る。例えば、第1のロータセットが過剰に大きい下流方向の力を印加して第2のロータセットで補償されることができない場合、第1のロータセットの垂直方向の間隙が、ブロック1192で増加され得、それにより、第1のロータセットが、小さい下流方向の力を新たに印加し、これは、第2のロータセットで補償され得る。いくつかの場合において、ブロック1192は、回転速度等のロータセットの異なるパラメータを調節するブロックで置換され得る。いくつかの場合において、垂直方向の間隙を調節する代わりに、図13~14を参照してさらに詳細に説明されるように、ロータに隣接する距離が調節され得る。
任意のブロック1196において、金属ストリップに関する情報がモデルに提供され得る。かかる情報は、使用される金属のタイプ、金属ストリップの寸法、金属ストリップの速度、または金属ストリップの任意の他の特性に関する情報であり得る。この情報をモデルに適用することによって、システムは、ブロック1192において、第1または第2のロータセットに必要な垂直方向の間隙を決定することができる場合がある。
任意のブロック1194において、システムは、温度測定または張力測定等の金属ストリップの測定を行い得る。測定は、任意の適切なセンサーによって行われ得る。測定は、測定に基づいてブロック1192において垂直方向の間隙を調節するように動的フィードバックを提供するために使用され得る。例えば、金属ストリップの増加する張力のブロック1194で受信された測定は、ブロック1194において張力を所望されるレベルに戻すようにロータセットのうちの1つの垂直方向の間隙を調節するために使用され得る。
任意のブロック1198において、少なくとも1つのロータセットの長手方向位置が調節され得る。例えば、第1のロータセットは、第2のロータセットに近づくか、またはそれからさらに離れるように長手方向に調節され得る。
任意のブロック1199において、少なくとも磁気ロータセットのうちの少なくとも一方のロータの横方向位置が調節され得る。いくつかの場合において、磁気ロータセットのうちの一方のロータの横方向の調節は、同一のロータセットの対向するロータの等しい反対側の横方向の調整を伴う。例えば、金属ストリップの第1の縁に向かって第1の方向に横方向にオフセットされている上部ロータは、金属ストリップの第2の縁に向かって第2の方向に同量、横方向にオフセットされている同一ロータセットの下部ロータを伴い得る。横方向のオフセットの例は、図5~6を参照して見ることができる。
任意のブロック1197において、少なくとも1つのロータセットのロータの回転速度が調節され得る。回転速度は、移動金属ストリップ上に与えられる熱エネルギーの量を変化させるように調節され得る。いくつかの場合において、ロータセットの回転速度は、隣接するロータセット間の張力変動の制御を提供するように調節され得る。
図12は、本開示の一定の態様による、蛇行回転磁石ヒータ1200の側面図である。蛇行回転磁石ヒータ1200は、単一ロータセット1204内に複数のロータ1208、1210、1209を含み得る。蛇行回転磁石ヒータ1200は、ロータセット1204を通して巻線、蛇行、または正弦波パターンで金属ストリップ1202を移動させることを含み得る。図12に見られるような蛇行パターンの範囲は、例示的な目的のために誇張されている場合がある。
任意の数のロータが使用され得る。図12に見られるように、ロータセット1204は、上流ロータ1208、中間ロータ1210、および下流ロータ1209を含む。上流ロータ1208および下流ロータ1209は、金属ストリップ1202の同一側(例えば、上側)に位置し、これに対して中間ロータ1210は、金属ストリップ1202の反対側(例えば、底側)に位置し、したがって、金属ストリップ1202に蛇行パターンを誘導する。
いくつかの場合において、ヒータ1200は、追加のロータセットを含み得る。追加のロータセットが使用されるとき、隣接するロータセットは、隣接するロータセットの隣接するロータが金属ストリップの反対側に位置するように配向され得る。例えば、下流ロータ1209の直後のロータセットの上流ロータは、下流ロータ1209から金属ストリップ1202の反対側(例えば、図12に見られるように金属ストリップ1202の下部)に位置し得る。
図13は、本開示の一定の態様による、伸長位置にある伸縮可能な回転磁石ヒータ1300の側面図である。伸縮可能な回転磁石ヒータ1300は、伸長可能な支持アーム1323に連結されたアイドラローラ1321を含み得る。伸長位置にあるとき、図13に見られるように、伸長可能な支持アーム1323は、アイドラローラ1321をキャビティ1325内に押し込む。支持ローラ1327は、金属ストリップ1302の適切な配向を維持することを助け得、障害物(例えば、壁)から離れて金属ストリップ1302を支持し得る。キャビティ1325内にあるとき、金属ストリップ1302は、いくつかのキャビティ支持ロータ1308、およびいくつかの中央支持ロータ1310(例えば、伸長可能な支持アーム1323によって支持される)を通過し得る。いくつかの場合において、キャビティ1325は、アイドラローラ1321が伸長位置にあるとき、金属ストリップ1302を挟んでアイドラローラ1321の反対側のキャビティ支持ロータ1308を含み得、この場合において、アイドラローラ1321は、図15に関してさらに詳細に説明されるアイドラロータ(例えば、内部ロータを有するアイドラローラ)であり得る。
ロータ1308、1310は、他の回転磁石ヒータを参照して本明細書に説明されているロータと同一であり得、間隙の調節可能性、長手方向の調節可能性、および横方向の調節可能性を含む、その一部および/または特徴のいずれかおよび全てを含み得る。伸縮可能な回転磁石ヒータ1300に関して、「垂直方向の間隙」は、伸長可能な支持アーム1323が伸長位置にあるときに金属ストリップ1302を挟んで両側に位置する、対向するロータ1308、1310間の間隙を含み得る。
伸縮可能な回転磁石ヒータ1300は、加工ライン内の長手方向の空間をそれほど占有せずに、相当な長さの金属ストリップ1302がロータ1308、1310によって影響を受けることを可能にする。キャビティ1325の深さ、それゆえに、伸長可能な支持アーム1323の長さは、任意の適切なサイズであり得る。いくつかの場合において、伸長可能な支持アーム1323の伸長量は、伸長量がロータ1308、1310に曝される金属ストリップの長さに直接関係し、それゆえに、金属ストリップの特定の部分が伸縮可能な回転磁石ヒータ1300を通って進行する際にロータ1308、1310に曝される時間に直接関係するため、金属ストリップ1302に与えられる熱量を制御し得る。
図14は、本開示の一定の態様による、退避位置にある伸縮可能な回転磁石ヒータ1400の側面図である。伸縮可能な回転磁石ヒータ1400は、退避位置にある図13の伸縮可能な回転磁石ヒータ1300であり得る。伸長可能な支持アーム1423が退避位置にあるとき、アイドラローラ1421は、金属ストリップ1402から離間され得、したがって、金属ストリップがキャビティ1425内を通過せず、それゆえに、磁気ロータ1408、1410に隣接して通過せずに、伸縮可能な回転磁石ヒータ1400を通過することを可能にする。いくつかの場合において、金属ストリップ1402は、伸長可能な支持アーム1423が退避位置にあるとき、支持ローラ1427と接触してもよく、または接触しなくてもよい。
図15は、本開示の一定の態様による、組み合わせアイドラロータ1531を使用する蛇行回転磁石ヒータ1500の側面図である。任意の回転磁石ヒータが、組み合わせアイドラロータ1531を含み得るが、それらは、蛇行回転磁石ヒータ1500において特に有用である。図15の蛇行回転磁石ヒータ1500は、4つのアイドラロータ1531を含む。
組み合わせアイドラロータ1531は、内部ロータ1510を有するアイドラローラ1533である。内部ロータ1510は、本明細書に記載されているもの等の、任意の適切なロータであり得る。しかしながら、アイドラローラ1533は、内部ロータ1510の周囲のシェルとして作用し、これに対して金属ストリップ1502が静止および支持され得る。アイドラローラ1533は、内部ロータ1510から回転自在に連結解除され得るか、または内部ロータ1510とは異なる速度で回るように回転自在に連結され得る。それによって、アイドラローラ1533は、金属ストリップ1502の進行速度に適切な速度で回転し得、一方で内部ロータ1510は、所望される変化する磁界に適切な速度で回転することができる。1つ以上の対向するロータ1508が、金属ストリップ1502を挟んでアイドラロータ1531の反対側に位置し得る。
いくつかの場合において、アイドラロータ1531内の磁気源(例えば、内部ロータ1510)と、アイドラロータ1531の表面(例えば、アイドラローラ1533)との間の距離は、固定されてもよい。かかる場合において、垂直方向の間隙の任意の調節が、対向するロータ1508の調節のみに起因し得る。しかしながら、いくつかの場合において、アイドラロータ1531からの磁界の強度は、アイドラローラ1533と内部ロータ1510の磁気源との間でアイドラロータ1531に磁気的に半透明または磁気的に不透明な材料を挿入することによって制御され得る。
図16は、本開示の一定の態様による、長手方向の間隙制御を有する回転磁石ヒータ1600の側面図である。回転磁石ヒータ1600は、図1の回転磁石ヒータ100と同様であり得るが、第1のロータセット1604および第2のロータセット1606は、長手方向のトラック1651上に取り付けられている。長手方向の間隙制御は、ロータ支持アームの個々の制御を介する等の、多くの異なる方式で達成され得るが、1つのかかる方式は、長手方向のトラック1651上にロータ支持アームを取り付けることと、リニアアクチュエータ(例えば、ベルト駆動、スクリューアクチュエータ、または他のアクチュエータ)を使用して支持アームを長手方向のトラック1651に沿って操作することと、を含み得る。
試行および実験を通して、ストリップ張力自体が、隣接するロータセット間の長手方向の間隙(例えば、水平方向の間隙)(例えば、第1のロータセット1604と第2のロータセット1606との間の長手方向の間隙)の調節を通して制御されることができないことが特定されている。しかしながら、ストリップ張力の変動は、間隙の調節を通して制御され得る。試行および実験を通して、非常に効率的な張力変動制御が、250mmの距離だけ離れて配置された400mmのロータを用いて達成され得ることが特定されている。いくつかの場合において、第1および第2のロータセット、ならびに第3および第4のロータセットは、250mm離れて配置され得、一方で第2および第3のロータセットは、500mm離れて配置され得る。いくつかの場合において、第2および第3のロータセットは、第1および第2のロータセット、ならびに第3および第4のロータセットとの間の長手方向の間隙の2倍の幅である長手方向の間隙を有するように位置決めされ得る。
試行および実験を通して、隣接するロータ間の長手方向の間隙が十分に離れ、それにより隣接するロータ間の磁気相互作用が所望されない張力変動を誘導しないことを確実にすることによって、張力変動が制御され得ることが特定されている。隣接するロータセットを50mm、100mm、200mm、300mm、400mm、または500mm以上の長手方向の間隙を有して位置決めすることが有利であり得る。いくつかの場合において、磁束ダイバータが使用されるとき、長手方向の間隙の距離は、有効な張力制御を維持しながら減少され得る。
図17は、本開示の一定の態様による、単一ロータのロータセットを有する回転磁石ヒータ1700の側面図である。回転磁石ヒータ1700は、任意の数のロータ1710、1712およびロータセット1704、1706を含み得る。ロータ1710、1712は、図1のロータ110、112と同様であり得る。図17に見られるように、回転磁石ヒータ1700は、各々単一ロータを有する、第1のロータセット1704および第2のロータセット1706を含む。第1のロータセット1704は、単一下部ロータ1710を含み、これに隣接して金属ストリップ1702が方向1724に通過し得る。下部ロータ1710は、固定され得るか、または下部ロータ1710と金属ストリップ1702との間の距離を調節するために垂直方向に移動するように作動可能であり得る、下部ロータ支持アーム1718によって支持され得る。いくつかの場合において、下部ロータ支持アーム1718は、垂直方向に固定される得か、または調節可能であり得る。第1のロータセット1704は、下流方向に動作しているように示されており、下部ロータ1710は、時計回り方向に回転するように図示されている。
第2のロータセット1706は、上部ロータ1712を含み、これに隣接して金属ストリップ1702が方向1724に通過し得る。上部ロータ1712は、固定され得るか、または上部ロータ1712と金属ストリップ1702との間の距離を調節するために垂直方向に移動するように作動可能であり得る、上部ロータ支持アーム1720によって支持され得る。いくつかの場合において、上部ロータ支持アーム1720は、垂直方向に固定され得るか、または調節可能であり得る。第2のロータセット1704は、上流方向に動作しているように示されており、上部ロータ1712は、時計回り方向に回転するように図示されている。
ロータ1710、1712は、金属シートを挟んでロータ1710、1712の反対側に位置する、いかなる直接対向するロータも含まずに動作し得る。いくつかの場合において、各々単一ロータを有する、隣接するロータセット1704、1706は、隣接するロータが金属ストリップ1702を挟んで両側に位置するように配置され得るが、そうである必要はない。いくつかの場合において、支持ローラ、ガスノズル(例えば、エアノズル)、または他のかかる設備等の、追加の設備が、ロータ1710、1712によって誘導される、金属ストリップ1702を所望されるパスラインから離れて移動させる任意の力を打ち消すために使用され得る。例えば、単一ロータ1710、1712は、金属ストリップ1702をロータ1710、1712に向かってわずかに引張し得る。かかる引張力は、重力、支持ローラ、または任意の他の印加される力(例えば、ガスノズルを介して)によって打ち消され得る。いくつかの場合において、反作用力は、印加されない。
図18は、本開示の一定の態様による、金属板1892、1894に対向する単一ロータのロータセットを有する回転磁石ヒータ1800の側面図である。回転磁石ヒータ1800は、任意の数のロータ1808、1812およびロータセット1804、1806を含み得る。ロータ1808、1812は、図1のロータ110、112と同様であり得る。図18に見られるように、回転磁石ヒータ1800は、各々単一ロータおよび対向する金属板を有する、第1のロータセット1804および第2のロータセット1806を含む。第1のロータセット1804は、単一上部ロータ1808を含み、これに隣接して金属ストリップ1802が方向1824に通過し得る。上部ロータ1808は、固定され得るか、または上部ロータ1808と金属ストリップ1802との間の距離を調節するために垂直方向に移動するように作動可能であり得る、上部ロータ支持アーム1816によって支持され得る。いくつかの場合において、上部ロータ支持アーム1816は、垂直方向に固定され得るか、または調節可能であり得る。第1のロータセット1804は、下流方向に動作しているように示されており、上部ロータ1808は、反時計回り方向に回転するように図示されている。
第2のロータセット1806は、上部ロータ1812を含み、これに隣接して金属ストリップ1802が方向1824に通過し得る。上部ロータ1812は、固定され得るか、または上部ロータ1812と金属ストリップ1802との間の距離を調節するために垂直方向に移動するように作動可能であり得る、上部ロータ支持アーム1820によって支持され得る。いくつかの場合において、上部ロータ支持アーム1820は、垂直方向に固定され得るか、または調節可能であり得る。第2のロータセット1804は、上流方向に動作しているように示されており、上部ロータ1812は、時計回り方向に回転するように図示されている。
ロータ1808、1812は、金属シートを挟んでロータ1808、1812の反対側に位置する、いかなる直接対向するロータも含まず、対向する金属板1892、1894と共に動作し得る。金属板1892、1894は、金属ストリップ1802と接触してもよく、または接触しなくてもよい。金属板1892、1894は、鉄金属または非鉄金属等の金属で作製され得る。いくつかの場合において、金属板1892、1894は、鋼で作製されてもよい。金属板1892、1894の使用は、金属ストリップ1802を通るロータ1808、1812からの磁界の配向および/または集中を助け得る。金属板1892、1894は、静止して保持され得る。いくつかの場合において、金属板1892、1894は、金属板1892、1894と金属ストリップ1802との間の距離を調節するために垂直方向に作動可能であってもよい。いくつかの場合において、金属板1892、1894は、ケブラー等の保護層でコーティングされ得る。いくつかの場合において、回転磁石ヒータ1800は、金属板1892、1894を含まない。
図19は、本開示の一定の態様による、ローラ1992、1994に対向する単一ロータのロータセットを有する回転磁石ヒータ1900の側面図である。回転磁石ヒータ1900は、任意の数のロータ1908、1912およびロータセット1904、1906を含み得る。ロータ1908、1912は、図1のロータ110、112と同様であり得る。図19に見られるように、回転磁石ヒータ1900は、各々単一ロータおよび対向するローラを有する、第1のロータセット1904および第2のロータセット1906を含む。第1のロータセット1904は、単一上部ロータ1908を含み、これに隣接して金属ストリップ1902が方向1924に通過し得る。上部ロータ1908は、固定され得るか、または上部ロータ1908と金属ストリップ1902との間の距離を調節するために垂直方向に移動するように作動可能であり得る、上部ロータ支持アーム1916によって支持され得る。いくつかの場合において、上部ロータ支持アーム1916は、垂直方向に固定され得るか、または調節可能であり得る。第1のロータセット1904は、下流方向に動作しているように示されており、上部ロータ1908は、反時計回り方向に回転するように図示されている。
第2のロータセット1906は、上部ロータ1912を含み、これに隣接して金属ストリップ1902が方向1924に通過し得る。上部ロータ1912は、固定され得るか、または上部ロータ1912と金属ストリップ1902との間の距離を調節するために垂直方向に移動するように作動可能であり得る、上部ロータ支持アーム1920によって支持され得る。いくつかの場合において、上部ロータ支持アーム1920は、垂直方向に固定され得るか、または調節可能であり得る。第2のロータセット1904は、上流方向に動作しているように示されており、上部ロータ1912は、時計回り方向に回転するように図示されている。
ロータ1908、1912は、金属シートを挟んでロータ1908、1912の反対側に位置する、いかなる直接対向するロータも含まず、対向するローラ1992、1994と共に動作し得る。ローラ1992、1994は、金属ストリップ1902と接触してもよく、または接触しなくてもよい。ローラ1992、1994は、鉄金属または非鉄金属等の金属で作製され得る。いくつかの場合において、ローラ1992、1994は、鋼で作製されてもよい。ローラ1992、1994の使用は、任意に金属ストリップ1902に支持を提供しながら、ロータ1908、1912から金属ストリップ1902を通る磁界の配向および/または集中を助け得る。ローラー1992、1994は、自由に回転してもよく、または回転するように駆動されてもよい(例えば、モータによって)。いくつかの場合において、ローラ1992、1994は、ローラ1992、1994と金属ストリップ1902との間の距離を調節するために垂直方向に作動可能であってもよい。いくつかの場合において、ローラ1992、1994は、ケブラー等の保護層でコーティングされ得る。
図20は、本開示の一定の態様による、静止金属ストリップ2002に対して移動可能な回転磁石ヒータ2000の側面図である。回転磁石ヒータ2000は、任意の数のロータ2008、2010およびロータセット2004を含み得る。ロータ2008、2010は、図1のロータ108、110と同様であり得る。図20に見られるように、回転磁石ヒータ2000は、上部ロータ2008および下部ロータ2010を有する第1のロータセット2004を含む。他の構成が使用されてもよい。金属ストリップ2002は、ロータ2008、2010間の垂直方向の間隙間等に、ロータ2008、2010に隣接して位置決めされ得る。金属ストリップ2002は、取り消された方向矢印によって示されるように、静止して(例えば、地面に対して静止して)保持され得る。所望される加熱効果を達成するために、ロータセット2004は、方向2025等の、金属ストリップ2002に対して長手方向に移動し得る。いくつかの場合において、ロータ支持アーム2016、2018が、トラック2051に移動可能に連結され得る。トラック2051に沿った運動は、ロータ2008、2010が金属ストリップ2002に対して長手方向に移動することを可能にし、図1に示されるような、金属ストリップ2002が移動し、かつロータ2008、2010が移動しているような、同一相対運動、それゆえに、全体の加熱効果を達成する。ロータ2008、2010は、それらが金属ストリップ2002の長さに沿って長手方向に上下に並進される際、回転し続け得る(例えば、図20に図示されるように下流方向に)。いくつかの場合において、静止金属ストリップ2002の代わりに、金属シート、金属Shate、金属板、成形部品などのような他の金属片、部品、または製品が使用されてもよい。
図21は、本開示の一定の態様による、複数のサブロータ2109を有する回転磁石ヒータ2100の軸測投影図である。回転磁石ヒータ2100は、図2の回転磁石ヒータ200と同様であり得る。ロータセット2104は、上部ロータ支持アーム2116によって支持され、かつ上部ロータモータ2138によって駆動される、上部ロータ2108と、下部ロータ支持アーム2118によって支持され、かつ下部ロータモータ2150によって動力供給される、下部ロータ2110とを含み得る。図21のロータ2108、2110は、外側カバーを含まずに図示されているが、外側カバーが、サブロータ2109の一部または全部にわたって使用されてもよい。
各ロータ2108、2110は、2つ以上のサブロータ2109を含み得る。各サブロータ2109は、それが含まれるロータの幅の100%未満を占有し得る。図21に図示されるように、ロータ2108、2110は各々、11個のサブロータ2109を備える。各サブロータ2109は、別個のエリア(例えば、サブロータ2109またはその周囲)で別個の量の磁束(例えば、変化する磁界)を金属ストリップ2102に提供し得る。各サブロータ2109は、個々に駆動され得るか(例えば、個々のモータを介して)、または1つ以上の他のサブロータ2109(例えば、単一モータを共有する複数のサブロータ2109)と共駆動され得る。ロータモータまたは他の原動力提供装置が、サブロータ2109を回転するために使用され得る。いくつかの場合において、個々のサブロータ2109は、他のサブロータ2109とは異なる速度で回転するように構成され得る。例えば、金属ストリップ2102の表面上の従来の「コールド」スポット(例えば、金属ストリップの縁からわずかに内側にある)の上下に長手方向に位置するサブロータ2109は、隣接するサブロータ2109よりも速く駆動され得、その場所が隣接する場所よりも加熱されることを可能にし、したがって、金属ストリップの幅にわたってより一様またはより均一な温度プロファイルを誘導する。いくつかの場合において、サブロータ2109は、ギヤまたはギヤシステムの使用等を通して、互いに対して一定の相対速度で回転するように事前設定され得る。いくつかの場合において、変速機が、サブロータ2109の別のサブロータ2109に対する相対速度を手動または自動で変化させるために使用され得る。
図22は、本開示の一定の態様による、複数のサブロータ2209を有する回転磁石ヒータ2200の上面図である。回転磁石ヒータ2200は、ロータ2208を含み得る。ロータ2208は、図21のロータ2108と同様であり得る。金属ストリップ2202は、ロータ2208の下を方向2224に通過し得、それゆえに、サブロータ2209の下を通過し得る。
図23は、本開示の一定の態様による、第1の条件下の図22のロータ2208および金属ストリップ2202のロータ速度2309およびストリップ温度2301を図示するチャートである。線2309は、図22の11個のサブロータ2209の各々に関して無次元のロータ速度を図示する。便宜上、図23のチャートは、図22のサブロータ2209と垂直方向に整列されている。破線2302は、金属ストリップ2202の縁を示す。線2301は、ロータ2208を通過した時点またはその直後の金属ストリップ2202の幅にわたる無次元のストリップ温度を図示する。線2309、2301は、必ずしも一定の縮尺で描かれておらず、例証的な目的のために誇張されているように示されている。
第1の条件下において、サブロータ2209の各々は、同一速度で駆動され、単一全長ロータと同様または同一の移動磁界を発生させる。かかる移動磁界から結果として生じるストリップ温度2301は、金属ストリップ2202の縁に「ホット」スポットを有し、かつ金属ストリップ2202の縁のわずかに近位に(例えば、金属ストリップ2202の縁からちょうど内側に)「クール」スポットを有する、プロファイルを示す。これらのホットスポットおよびクールスポットは、磁界および誘導された電界が金属ストリップ2202の縁で相互作用する際のエッジ効果の結果であり得る。この不均一な温度分布は、望ましくない場合がある。
図24は、本開示の一定の態様による、第2の条件下の図22のロータ2208および金属ストリップ2202のロータ速度2409およびストリップ温度2401を図示するチャートである。線2409は、図22の11個のサブロータ2209の各々に関して無次元のロータ速度を図示する。便宜上、図24のチャートは、図22のサブロータ2209と垂直方向に整列されている。破線2402は、金属ストリップ2202の縁を示す。線2401は、ロータ2208を通過した時点またはその直後の金属ストリップ2202の幅にわたる無次元のストリップ温度を図示する。線2409、2401は、必ずしも一定の縮尺で描かれておらず、例証的な目的のために誇張されているように示されている。
第2の条件下において、サブロータ2209の各々は、ロータ2208の端に隣接する最後から2番目のサブロータ2209を除いて同一速度で駆動される。最後から2番目のサブロータ2209は、残りのサブロータ2209よりも速い速度で駆動されているように示されている。この条件は、加熱量が増加する金属ストリップ2202の縁の近くまたはわずかに内側を除いて、単一全長ロータと同様の移動磁界を発生させる。かかる移動磁界から結果として生じるストリップ温度2401は、図23に図示される第1の条件のストリップ温度2301よりも金属ストリップ2202の幅にわたって均一であるプロファイルを示す。したがって、サブロータ2209を有するロータ2208内の特定のサブロータ2209の速度を調節することによって、金属ストリップ2202の幅にわたる温度均一性が改善され得る。
いくつかの場合において、ストリップ温度2401は、均一な温度プロファイルと見なされ得る。いくつかの場合において、本明細書に開示されているもの等の他の技術が、均一な温度プロファイルを達成するために使用され得る。均一な温度プロファイルは、平均温度から1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9°C、10°C、11°C、12°C、13°C、14°C、15°C、16°C、17°C、18°C、19°C、20°C、21°、22℃、23℃、24℃、または25℃以下で変動する金属物品にわたる温度プロファイルを含み得る。いくつかの場合において、他の変動が使用されてもよい。いくつかの場合において、変動は、平均温度から1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、または10℃以下であり得る。
図25は、本開示の一定の態様による、磁束プロファイル2509を図示するロータ2508の正面図である。本明細書に開示されるように、様々な技術が、異なる量の磁束が磁気ロータに隣接して進行する金属ストリップを通過することを可能にし得る。金属ストリップの幅にわたって導入される熱量を制御するための1つの技術は、調整された磁束プロファイル2509を有するロータ2508を提供することである。調整された磁束プロファイル2509は、ロータ2508が移動金属ストリップに隣接して回転されたとき、金属ストリップに所望される加熱量を与えるように設計され得る。ロータ2508は、図1のロータ108等の、本明細書に説明されているロータのいずれかであり得る。様々な技術が、本明細書でさらに詳細に説明されるように、調整された磁束プロファイル2509を与え得る。いくつかの場合において、図23に図示されるもの等のクールスポットの発生率を低下させるために、金属ストリップの縁のすぐ近くに増加した磁束を提供することが望ましい場合がある。いくつかの場合において、他の磁束プロファイル2509が、温度制御の改善、温度制御のより高い柔軟性を提供するために、または他の理由のために所望される場合がある。
いくつかの場合において、ロータ2508の調整された磁束プロファイル2509は、静的であり、動的に調節可能ではない場合がある。かかる場合において、ロータ2508は、磁束プロファイル2509を調節するために、停止される(例えば、回転を止められる)必要があり得、任意に除去され得る。いくつかの場合において、ロータ2508は、ハルバッハ配列等の所望される永久磁石の配列を使用して確立された、静的である、調整された磁束プロファイル2509を有し得る。いくつかの場合において、磁束プロファイル2509は、例えば、所定のプログラムに従って、またはフィードバック(例えば、温度センサ、平面度センサ、電力センサ、または他のかかるセンサからの信号)に応答して、動的に調節され得る。磁束プロファイル2509は、サブロータの回転速度を調節すること、ロータの磁石の一部を金属ストリップに近づけて、またはそれから遠ざけて移動させるようにアクチュエータを調節すること(例えば、ロータの外側シェルに近づけて、またはそれから遠ざけて)、ロータ内またはその周囲の磁束集中器を移動させるようにアクチュエータを調節することなどのような、任意の適切な技術に従って動的に調節され得る。
同様に、いくつかの場合において、ロータの位置および/または配向は、金属ストリップを通過する磁束プロファイルを調節するために制御され得る。かかる場合において、ロータ2508自体の磁束プロファイル2509自体は、動的に変化しない場合があるが、金属ストリップを通る磁束のプロファイルは、動的に調節され得る。
図25に図示されるロータ2508の調整された磁束プロファイル2509は、三角形状のプロファイル要素を含む。いくつかの場合において、プロファイル要素は、正方形、円形、楕円形、のこぎり歯、または任意の他の適切な形状等の他の形状をとり得る。
図26は、本開示の一定の態様による、シェル2601内に輪郭付き磁気ロータ2603を有するロータ2608を図示する正面透視図である。ロータ2608は、図25の調整された磁束プロファイル2509がどのように達成され得るかの一例である。ロータ2608は、円筒形の外面を呈する外側シェル2601を含む。シェル2601内において、輪郭付き磁気ロータ2603は、所望される調整された磁束プロファイル2609を達成することができる輪郭を有する。輪郭付き磁気ロータ2603は、磁気ロータ2603の周囲に配置された数個の磁石を備え得る。より多くの磁束が所望される部分において、磁気ロータ2603の直径は、より大きく成り得るが、これに対して、磁気ロータ2603の直径がより小さくなる場所は、それらの場所の近くでより少ない磁束を結果としてもたらし得る。
図27は、本開示の一定の態様による、磁束集中器2766を有するロータ2708を図示する正面透視図である。ロータ2708は、図25の調整された磁束プロファイル2509がどのように達成され得るかの一例である。ロータ2708は、それに連結されるか、またはシェル2701上に組み込まれた、磁束集中器2766を有する外側シェル2701を含む。シェル2701内において、磁気ロータ2703は、通常、平坦な磁束プロファイルを出力する平坦な輪郭を有する。磁束集中器2766の存在により、ロータ2708の磁束プロファイル2709は、図25の調整された磁束プロファイル2509と同様に調整された輪郭を呈する。いくつかの場合において、ロータの磁束プロファイル2709の動的調節は、磁束集中器2766の動的操作を通して達成され得る。いくつかの場合において、磁束集中器2766は、シェル3081と磁気ロータ2703との間等の、シェル2701内に位置し得る。磁束集中器2766は、電磁鋼(例えば、積層鋼)等の、磁束を集中することに適切な任意の材料であり得る。
図28は、本開示の一定の態様による、磁束集中器2866を有する永久磁石ロータ2800の断面側面図である。磁気ロータ2800は、図27のロータ2708、または図1のロータ108、110、112、114等の任意の他の適切なロータであり得る。磁気ロータ2800は、永久磁石等の1つ以上の磁気源2803を含み得る。図28の磁気ロータ2800は、図4の磁気ロータ400と同様であり得るが、追加の磁束集中器2866を有する。
磁気源2803は、シェル2801によって包囲され得る。シェル2801は、磁束が通過することを可能にすることができる任意の適切な材料であり得る。いくつかの場合において、シェル2801は、非金属コーティングで作製され得るか、またはそれをさらに含み得る。いくつかの場合において、シェル2801は、ケブラーコーティングを含み得。
いくつかの場合において、磁気ロータ2800は、中心軸2807を有する強磁性コア2805を含み得る。いくつかの場合において、磁気ロータ2800は、磁気源2803を支持するために適切な他の内部配置を含み得る。任意の適切な数の磁気源2803が使用されてもよい。
いくつかの場合において、磁束集中器2866は、シェル2801に結合され得るか、または別途シェル2801の表面に組み込まれ得る。いくつかの場合において、磁束集中器は、シェル2801の範囲内に位置し得、ロータの外面を実質的に円筒形のままにすることを可能にする。磁束集中器2866は、磁気源2803の外向きに面する縁(例えば、半径方向外向きに面する縁)に位置決めされ得る。磁束は、磁束集中器2866が存在する場所で常に、磁束集中器2866が存在しない場所に対して改善され得る。それゆえに、ロータ2800は、他の場所ではなく、ロータ2800の幅に沿った、いくつかの横方向の場所に(例えば、図28に見られるように紙面の内外に)磁束集中器2866と共に構築され得る。したがって、調整された磁束プロファイルは、ロータ2800の幅にわたって達成され得る。
図29は、本開示の一定の態様による、可変磁束ロータ2908、2910を含むロータセット2900を図示する正面図である。図29に図示されるように、ロータ2908、2910の輪郭は、ロータ2908、2910の輪郭付き磁束プロファイルを表すように輪郭付けられている(例えば、花瓶様の輪郭またはボウリングピン様の輪郭)。ロータ2908、2910の実際の外面は、輪郭付き、円筒形、または他の形状であり得る。本明細書に開示されるように、調整された磁束プロファイルは、ロータ2908、2910の外側シェルの形状にかかわらず様々な技術を使用して確立され得る。
ロータ2908、2910は、具体的には、連続的に可変の磁束プロファイルをとる。この特定のプロファイルは、連続的に可変のクラウンプロファイルとして既知であり得る。この特定のプロファイル、および他の同様のプロファイルは、磁気ストリップ2902を通過する磁束量に対する改善された調節性を提供するために使用され得る。ロータ2908、2910の位置および/または配向を調節することによって、異なる磁界プロファイルが、金属ストリップ2902に呈され得る。例えば、1つ以上のロータ2908、2910の位置を横方向(例えば、図29に見られるように左右)または垂直方向(例えば、図29に見られるように上下)に移動させることは、金属ストリップ2902を通過する磁束にわたる一定程度の制御を提供し得る。さらに、長手方向軸を中心とした(例えば、金属ストリップの長手方向軸、または図29に見られるように時計回りもしくは反時計回りの回転)、または垂直方向軸を中心とした(例えば、図29に見られるように、紙面と平行かつ紙面の下部から紙面の上部に延在する軸を中心とした回転)ロータ2908、2910のうちの1つ以上の回転は、金属ストリップ2902を通過する磁束にわたるさらに高度な制御を提供し得る。最後に、上部ロータ2908および下部ロータ2910の互いに対する、かつ金属ストリップ2902に対する協調的な調節は、金属ストリップ2902を通過する磁束にわたるさらなる高度な制御を提供し得る。
図30は、本開示の一定の態様による、可変磁束ロータ2908、2910の再位置決め後の図29のロータセット2900を図示する正面図である。図30において、上部ロータ2908は、第1の方向に移動されており、下部ロータ2910は、反対方向に移動されている。結果として、より高い磁束を有するロータ2908、2910の部分は、金属ストリップ2902のより真上に位置決めされ、金属ストリップ2902の縁の近くの金属ストリップ2902への増加した入熱を結果としてもたらす。
図31は、本開示の一定の態様による、フレア状磁束ロータ3108、3110を含むロータセット3100を図示する正面図である。図31に図示されるように、ロータ3108、3110の輪郭は、ロータ3108、3110のフレア状磁束プロファイルを表すためにフレア状(例えば、ラッパ様の輪郭)である。ロータ3108、3110の実際の外面は、フレア状、円筒形、または他の形状であり得る。本明細書に開示されるように、調整された磁束プロファイルは、ロータ3108、3110の外側シェルの形状にかかわらず様々な技術を使用して確立され得る。
ロータ3108、3110の磁束プロファイルのフレア形状は、金属ストリップ3102の縁の近くで生じる加熱量を調節するために特に有用であり得る。ロータ3108、3110の位置を、互いに対して、かつ金属ストリップ3102に対して横方向に調節することによって(例えば、図31に見られるように左右に)、金属ストリップを通過する磁束の強度は、金属ストリップの中心を通過する磁束の量を増加せずに、金属ストリップ3102の縁の近くで増加され得る。
図32は、本開示の一定の態様による、金属ストリップ3202を通過する磁束の量を調節するための技術を図示する正面図である。図32に図示されるように、ロータ3208の輪郭は、ロータ3208の線形磁束プロファイルを表すために線形(例えば円筒形)である。しかしながら、図32に図示された技術はまた、非線形(例えば、輪郭付き)磁束プロファイルを有するロータ3208と共に使用されてもよい。ロータ3208、3210の実際の外面は、輪郭付き、円筒形、または他の形状であり得る。本明細書に開示されるように、金属ストリップ3202を通る調整された磁束プロファイルは、ロータ3208の磁束プロファイルとは無関係に様々な技術を用いて確立され得る。金属ストリップ3202に外力を加えることによって、金属ストリップ3202は、一定の場所(例えば、図32のストリップ3202の縁)でロータ3208に向かって付勢され、他の場所(例えば、図32のストリップ3202の中心)でロータ3208から離れたままになり得る。したがって、ロータ3208に最も近い金属ストリップ3202の部分は、最も強い磁束を供給され得る。任意の適切な技術が、金属ストリップ3202をロータ3208に向かって付勢するように力を加えるために使用され得る。一例において、ガス(例えば、空気)等の流体のスプレー3296は、増加した磁束が所望される場所でロータ3208の反対側の金属ストリップ3202に供給され得る。この流体のスプレー3296は、金属ストリップ3202をロータ3208に向かって付勢し得る。別の例において、ローラまたはローラセット3298は、増加した磁束が所望される場所でロータ3208から金属ストリップ3202の反対側に位置決めされ得る。このローラまたはローラセット3298は、金属ストリップ3202をロータ3208に向かって付勢し得る。他の適切な技術が、金属ストリップ3202の一部分をロータ3208に向かって選択的に付勢するために使用されてもよい。
図33は、本開示の一定の態様による、回転磁石ヒータ3300の上面図である。回転磁石ヒータ3300は、図1の回転磁石ヒータ100または図2の回転磁石ヒータ200と同様であり得るが、追加の加熱要素3391、3393、3396(例えば、補助加熱要素)を有する。図33の回転磁石ヒータ3300は、追加の加熱要素3391、3393、3396を利用して、ロータ3308、3312を使用して加熱した後に金属ストリップ3302内の任意のクールスポットを均一にし得る。1つ、2つ(例えば、金属ストリップ3302の横幅の中心線に関して対称に位置決めされた一対の要素)、または3つ以上等の、任意の数の追加の加熱要素3391、3393、3396が使用され得る。
金属ストリップ3302が、ロータ3308、3312を方向3324に通過すると、金属ストリップ3302は、加熱され得る。金属ストリップ3302を通過する磁束に応じて、金属ストリップは、コールドスポット(例えば、低温の局所エリア)を含有する温度プロファイル3395を伴ってロータ3308、3312を出る場合がある。いくつかの場合において、これらのコールドスポットは、追加の加熱要素3391、3393、3396を使用して余分な加熱を加えることによって軽減され得る。追加の加熱要素3391は、回転磁石、熱風、加熱された流体、電気抵抗、直接熱衝撃、赤外線加熱、誘導加熱、またはクールスポットもしくはその近くに金属ストリップ3302に局所熱を加えることができる他のかかる要素等の、任意の適切な加熱要素を表し得る。図33に図示されるように、追加の加熱要素3391は、ロータ3308、3312の下流に位置決めされるが、必ずしもそうである必要はなく、追加の加熱要素3391が、代わりに、予熱されなければクールスポットを結果として生じていたことになる、金属ストリップ3302のエリアを予熱するためにロータ3308、3312の上流に位置決めされてもよい。
追加の加熱要素3393は、金属ストリップの表面に対して垂直する軸を中心として回転する円板上の複数の磁極を含む回転磁石の一例である。この回転は、クールスポットが存在するか、または存在すると予想される場所等の、目標とされる場所の周囲の金属ストリップ3302内の加熱を誘導する。
追加の加熱要素3396は、方向3324(例えば下流方向)と平行かつ金属ストリップ3302の横幅と垂直する回転軸を中心として回転する回転磁石(例えば磁気ロータ)の一例である。いくつかの場合において、追加の加熱要素3391は、ロータ3308、3312と平行(例えば、方向3324と垂直し、かつ金属ストリップ3302の横幅と平行)である回転軸を中心として回転する回転磁石(例えば、磁気ロータ)であり得る。
ロータ3308、3312および任意の追加の加熱要素3391、3393、3396の両方を通過した後、金属ストリップ3302は、均一、略均一、または温度プロファイル3395よりも均一である温度プロファイル3397を有し得る。
いくつかの場合において、コールドスポットは、金属ストリップ3302の縁の近くではあるが、縁ではない場所で生じる。この場所は、縁に近づくときに渦電流が金属ストリップ3302内を通らなければならない経路に起因して一般的であり得、縁に局所ホットスポットを伴って縁から短距離離れた局所コールドスポットを結果としてもたらす。いくつかの場合において、追加の加熱要素3391、3393、3396は、金属ストリップ3302の縁と金属ストリップ3302の横方向の中心線との間にある横方向の場所で金属ストリップ3302に近接して間に位置決めされ得る。いくつかの場合において、追加の加熱要素3391、3393、3396は、金属ストリップ3302の幅の約5%~25%、7%~20%、8%~15%、9%、10%、11%、12%、13%、または14%の距離だけ金属ストリップの縁から横方向に離間されている(例えば、金属ストリップの横方向の中心線に向かって)横方向の場所で金属ストリップに隣接して位置決めされ得る。
図34は、本開示の一定の態様による、磁気加熱および張力制御システム3400を図示する組み合わせ概略図およびグラフである。システム3400は、金属ストリップ3402を加熱し、かつ金属ストリップ3402の張力変化を誘導することができる複数のロータ3408、3410を含み得る。磁気加熱および張力制御システム3400は、図34に図示されるように、コイルアンワインダまたはコイルリワインダ等の、任意の適切な金属加工設備と共に使用され得る。
図34の左部分は、コイルアンワインダのすぐ下流に位置決めされたロータ3408を図示する。金属ストリップ3402がコイルから巻き出されると、張力は、図34の張力線3409に見られるように、最初に比較的高くなり得る。ロータ3408の各々を上流方向に回転させることによって、ロータ3408は、図34の温度線3401に見られるように、張力調節を与えると同時に金属ストリップ3402の温度を上昇させ得る。コイルアンワインダに続いて上流方向に動作する各連続ロータ3408は、金属ストリップの温度を上昇させながら金属ストリップの張力を減少させ得る。金属ストリップ3402の温度が上昇すると、過度の張力および/または物理的接触が望ましくない場合があり、かつ金属ストリップ3402に欠陥が生じる場合があるため、この技術は、特に有益であり得る。金属ストリップ3402の温度を上昇させ、かつ張力を減少させるための磁気ロータ3408の使用は、金属ストリップ3402とロータ3408との間に物理的接触を生じさせずに実現され得る。
図34の右部分は、コイルリワインダのすぐ上流に位置決めされたロータ3410を図示する。金属ストリップ3402がコイルリワインダの方に向けられると、張力は、最初に比較的低くなり得、金属ストリップ3402がコイルに巻き取られる前に増加する必要があり得る。さらに、特に、金属ストリップ3402が事前に低温までクエンチされている場合、巻き直す直前に金属ストリップ3402の温度を上昇させることが望ましい場合がある。それゆえに、本明細書に説明される磁気ロータ3410は、金属ストリップ3402に接触することを必要とせずに、金属ストリップ3402の温度を上昇させることと金属ストリップ3402内の張力を増加させることの両方に特に有用であり得る。磁気ロータ3410を下流方向に回転させることによって、ロータ3410は、金属ストリップ3402の張力を増加させると同時に金属ストリップ3402の温度を上昇させ得る。
図35は、本開示の一定の態様による、磁束プロファイル3509を提供する一対のロータスリーブ3592を有するロータ3508の正面図である。本明細書に開示されるように、様々な技術が、異なる量の磁束が磁気ロータに隣接して進行する金属ストリップを通過することを可能にし得る。金属ストリップの幅にわたって導入される熱量を制御するための1つの技術は、調整された磁束プロファイル3509を有するロータ3508を提供することである。調整された磁束プロファイル3509は、ロータ3508が移動金属ストリップに隣接して回転されたとき、金属ストリップに所望される加熱量を与えるように設計され得る。ロータ3508は、図1のロータ108等の、本明細書に説明されているロータのいずれかであり得る。
図35に図示されるように、調整された磁束プロファイル3509は、様々な場所として磁気ロータ3508上またはその周囲に位置決めされたロータスリーブ3592を使用することによって生じ得る。ロータスリーブ3592は、磁束を短絡および/または集束させるように設計され得、したがって、実際にロータの幅を変化させることを必要とせず、変化する幅を有する磁気ロータと同様になる磁束プロファイル3509を発生させる。スリーブ3592は、例えば強磁性材料(例えば、鋼)等の、磁束を短絡および/または集束させるための任意の適切な材料で作製され得る。
スリーブ3592は、ロータ3508の全幅、またはロータ3508の全幅未満で延在し得る。図示されるように、2スリーブ構成が、ロータ3508の中心線3594に関して対称性を有する磁束プロフィール3509を提供するために使用される。他の場合において、1つのスリーブまたは3つ以上のスリーブが使用され得る。図35に図示される等のいくつかの場合において、スリーブ3592は、ロータ3508の端またはその近くから中心線3594に向かって、約60mm~140mm、70mm~130mm、80mm~120mm、もしくは90mmから110mm、または100mmもしくは約100mmである距離だけ延在し得る。いくつかの場合において、スリーブ3592は、ロータ3508の全長の約5%~約25%、例えば、5%~25%、8%~20%、10%~18%、もしくは15%、または約5%~約25%、約8%~約20%、約10%~約18%、もしくは約15%をカバーするために十分な距離だけ延在し得る。いくつかの場合において、ロータ3508の長さの約20%を各々カバーする一対のスリーブ3592が、ロータ3508の長さの40%を一緒にカバーし得る。いくつかの場合において、スリーブ3592は、加熱されている金属ストリップの幅を越えて延在するロータ3508の部分をカバーするように配置され得る。いくつかの場合において、スリーブ3592は、ロータ3508の全長の約0%~80%のいずれかの場所をカバーし得る。
いくつかの場合において、スリーブ3592は、ロータ3508をより多くまたはより少なくカバーするように自動または手動で調節可能であり得る。かかる場合において、加熱されている金属ストリップの幅に基づいてスリーブ3592の位置を調節することが望ましい場合がある。スリーブ3592は、ロータ3508に連結されてもよいが、そうである必要はない。誘導加熱に起因するスリーブ3592の過熱を回避するために、特に、スリーブ3592がロータ3508に完全に回転自在に連結されていない場合、スリーブ3592は、変化する磁界によって誘導される誘導加熱の量を減少させるための積層物または他の特徴を含み得る。いくつかの場合において、スリーブ3592は、ロータ3508に回転自在に連結されてもよいが、そうである必要はない。いくつかの場合において、間隙が、スリーブ3592とロータ3508内の磁気源との間に存在し得る。この間隙は、5mm~20mm、7mm~15mm、もしくは10mm、約5mm~約20mm、約7mm~約15mm、もしくは約10mmの距離を有し得る。
スリーブ3592は、任意の適切な厚さであり得るが、いくつかの場合において、スリーブの厚さは、1mm~50mm、10mm~50mm、1mm~30mm、15mm~40mm、20mm~30mm、10mm~20mm、または約1mm~約50mm、約10mm~約50mm、約1mm~約30mm、約15mm~約40mm、約20mm~約30mm、約10mm~約20mm、あるいは10mmもしくは20mm、または約10mmもしくは約20mmであり得る。
スリーブ3592は、ロータ3508から延在する磁界の量を減少させるように作用し得、ロータ3508の磁気源がスリーブ3592によってカバーされる。スリーブ3592は、磁束を短絡させ得る。スリーブ3592は、加熱されている金属ストリップの縁の近く(例えば、縁からわずかに内側)に磁束の増加を提供するもの等の、望ましい磁束プロファイル3509を生じさせるように位置決めされ得る。
いくつかの場合において、ロータ3508に対するロータスリーブ3592の位置および/または重複%は、金属ストリップを通過する磁束プロファイルを調節するために制御され得る。かかる場合において、ロータ3508自体の磁束プロファイル3509自体は、動的に変化しない場合があるが、金属ストリップを通る磁束のプロファイルは、動的に調節され得る。
図36は、本開示の一定の態様による、磁束ガイド3698を有する金属ストリップ3602の上の磁気ロータ3608を図示する軸測投影部分概略図である。図36の図は、金属ストリップ3602の表面から上方の磁束ガイド3698および金属ストリップ3602を図示する。いくつかの場合において、同一構成およびタイプの磁束ガイド3698が、金属ストリップの中心面(例えば、金属ストリップの厚さを二等分する平面)に対して対称に位置し得る。例示的な目的のために、ロータ3608によって隠れた磁束ガイド3698の部分は、点線で示されている。
磁束ガイド3698は、金属ストリップ3602の縁に隣接しているが、そこから離間されて位置決めされ得る。磁束ガイド3698は、磁束ガイド3698がロータ3608に近接して配置され得るように、その上面が磁気ロータ3608の形状に輪郭付けられるように形状決めされ得る。ロータ3608は、金属ストリップ3602の縁を越えて延在し得る。磁束ガイド3698は、金属ストリップ3602の縁の周囲の磁束をそらし、したがって、金属ストリップ3602の縁の任意の過熱を最小限にするように作用し得る。
磁束ガイド3698は、磁束ガイドに関して本明細書に説明されるもの等の、任意の適切な材料であり得る。磁束ガイド3698は、任意の適切な寸法のものであり得る。いくつかの場合において、磁束ガイド3698は、長さ約100mm、幅約30mmであり得るが、そうである必要はない。磁束ガイド3698は、ロータ3608から約15mm、金属ストリップ3602の縁から約10mmに位置決めされ得るが、そうである必要はない。
図37は、本開示の一定の態様による、棒状磁束ガイド3798を有する金属ストリップ3702の上の磁気ロータ3708を図示する軸測投影部分概略図である。図37の図は、金属ストリップ3702の表面から上方の棒状磁束ガイド3798および金属ストリップ3702を図示する。いくつかの場合において、同一構成およびタイプの磁束ガイド3798が、金属ストリップの中心面(例えば、金属ストリップの厚さを二等分する平面)に対して対称に位置し得る。例示的な目的のために、ロータ3708によって隠れた磁束ガイド3798の部分は、点線で示されている。
磁束ガイド3798は、金属ストリップ3702の縁に隣接しているが、そこから離間されて位置決めされ得る。磁束ガイド3798は、棒状であり得、長さをロータ3708の直径よりも大きい長さに延在し得る。ロータ3708は、金属ストリップ3702の縁を越えて延在し得る。磁束ガイド3798は、金属ストリップ3702の縁の周囲の磁束をそらすと共に、金属ストリップ3702によって発生した二次磁束を妨げ、および/または吸収し、したがって、金属ストリップ3702の縁の任意の過熱を最小限にするように作用し得る。
磁束ガイド3798は、磁束ガイドに関して本明細書に説明されるもの等の、任意の適切な材料であり得る。磁束ガイド3798は、任意の適切な寸法のものであり得る。いくつかの場合において、磁束ガイド3798は、長さ約300mm、幅約30mmであり得るが、そうである必要はない。磁束ガイド3798は、ロータ3708から約25mm、金属ストリップ3702の縁から約10mmに位置決めされ得るが、そうである必要はない。
いくつかの場合において、望ましい磁束ガイド3798は、小さい幅(例えば、約10mm)、中程度の厚さ(例えば、約60mm)、および比較的大きい幅(例えば、約400mm以上)を有し得る。短い幅は、ロータ3808に対する磁力を最小限にし得る。
図38は、本開示の一定の態様による、縁遮蔽磁束ガイド3898を有する金属ストリップ3802の上の磁気ロータ3808を図示する軸測投影部分概略図である。図38の図は、金属ストリップ3802の表面から上方の縁遮蔽磁束ガイド3898および金属ストリップ3802を図示する。いくつかの場合において、同一構成およびタイプの磁束ガイド3898が、金属ストリップの中心面(例えば、金属ストリップの厚さを二等分する平面)に対して対称に位置し得る。例示的な目的のために、ロータ3808によって隠れた磁束ガイド3898の部分は、点線で示されている。
磁束ガイド3898は、金属ストリップ3802の縁に隣接し、かつ金属ストリップ3802から離間されて位置決めされ得る。磁束ガイド3898は、ロータ3808と金属ストリップ3802との間に位置決めされ得る。いくつかの場合において、磁束ガイド3898は、金属ストリップ3802の縁を越えて延在し得る。磁束ガイド3898は、任意の適切な横方向の距離で位置決めされ得、金属ストリップ3802の全幅または金属ストリップ3802の全幅未満に延在し得る。磁束ガイド3898は、概して、平坦かつ帯状であり得、長さ(例えば、下流方向)がロータ3808の直径を超える長さに延在し得るが、そうである必要はない。ロータ3808は、金属ストリップ3802の縁を越えて延在し得る。磁束ガイド3898は、それ自体の二次磁束を発生させ、したがって、金属ストリップ3802の縁の任意の過熱を最小限にするように作用し得る。
磁束ガイド3898は、銅、アルミニウム、または任意の導電性材料等の、磁束ガイドに関して本明細書で説明されるもの等の、任意の適切な材料であり得る。磁束ガイド3898は、任意の適切な寸法のものであり得る。いくつかの場合において、磁束ガイド3898は、長さ約100mm、幅約30mmであり得るが、そうである必要はない。金属ストリップ3802の縁から金属ストリップ3802に重なる磁束ガイド3898は、磁束ガイド3898が金属ストリップ3802の端で生じる加熱量を減少させる強度を制御し得る。いくつかの場合において、重なりは、10mm~70mm、20mm~60mm、30mm~50mm、もしくは40mm、または約10mm~約70mm、約20mm~約60mm、約30mm~約50mm、もしくは約40mmであり得る。加えて、磁束ガイド3898の厚さは、磁束ガイド3898が金属ストリップ3802の縁で生じる加熱量を減少させる強度に影響を及ぼし得る。いくつかの場合において、磁束ガイド3898の厚さは、1mm~10mm、3mm~7mm、もしくは5mm、または約1mm~約10mm、約3mm~約7mm、もしくは約5mmであり得る。いくつかの場合において、磁束ガイド3898の厚さは、個々の金属シートを磁束ガイド3898の内外に摺動させることによって動的に調節され得る。加えて、磁束ガイド3898とロータ3808との間の間隙、および磁束ガイド3898とストリップ3802との間の間隙は、磁束ガイド3898が金属ストリップ3802の縁で生じる加熱量を減少させる強度に影響を及ぼし得る。いくつかの場合において、磁束ガイド3898とストリップ3802との間の間隙は、5mm~50mm、10mm~40mm、もしくは20mm、または約5mm~約50mm、約10mm~約40mm、もしくは約20mmであり得る。加えて、磁束ガイド3898の長さ(例えば、ロータ3808の回転軸と垂直する下流方向)は、磁束ガイド3898が金属ストリップ3802の縁で生じる加熱量を減少させる強度に影響を及ぼし得る。いくつかの場合において、磁束ガイド3898の長さは、100mm~600mm、200mm~500mm、もしくは300mm、または約100mm~約600mm、約200mm~約500mm、もしくは約300mmであり得る。加えて、磁束ガイド3898の幅(例えば、ロータ3808の回転軸と平行な方向)は、磁束ガイド3898が金属ストリップ3802の縁で生じる加熱量を減少させる強度に影響を及ぼし得る。いくつかの場合において、磁束ガイド3898の幅は、40mm~160mm、50mm~150mm、もしくは100mm、または約40mm~約160mm、約50mm~約150mm、もしくは約100mmであり得る。
いくつかの場合において、磁束ガイド3898は、金属ストリップ3802の縁と重ならずに、金属ストリップ3802の一定の部分のみと重なるように位置決めされ得る。例えば、磁束ガイド3898は、コールドスポットが形成される傾向がある横方向領域のみに重なるように位置決めされ得る。
図39は、本開示の一定の態様による、磁束導通器3998を有する金属ストリップ3902の上の磁気ロータ3908を図示する軸測投影部分概略図である。図39の図は、金属ストリップ3902の表面から上方の磁束導通器3998および金属ストリップ3902を図示する。いくつかの場合において、同一構成およびタイプの磁束導通器3998が、金属ストリップの中心面(例えば、金属ストリップの厚さを二等分する平面)に対して対称に位置し得る。同一の磁束導通器3998が、ロータ3908の後方(例えば、金属ストリップ3902の表面と垂直し、ロータ3908の回転軸と交差する平面の反対側)に位置し得る。磁束導通器3998は、図7の磁束導通器766と同様であり得る。
いくつかの場合において、磁束導通器3998は、金属ストリップ3902の全幅に、および金属ストリップ3902の全幅未満にまたは全幅を超えて延在し得る。しかしながら、いくつかの場合において、磁束導通器3998は、金属ストリップ3902の幅未満である幅を有し得、コールドスポットが生じ得る横方向領域で金属ストリップ3902に磁束を向けるように位置決めされ得る。磁束導通器3998は、磁束導通器および磁束ガイドに関して本明細書で説明されているもの等の、任意の適切な材料であり得る。磁束導通器3998は、任意の適切な寸法のものであり得る。
図40は、本開示の一定の態様による、硬化チャンバ4000の概略的例示である。いくつかの場合において、硬化チャンバ4000は、ハウジング4005を含み、これは、非磁性材料から構築され得る。圧延方向4020に移動するコーティングされた金属ストリップ4010は、入口ポート4030を通って硬化チャンバに入り得る。コーティングされた金属ストリップ4010は、その上面および底面の一方または両方に塗布されたコーティングを有する任意の厚さの任意の適切な金属であり得る(例えば、数個の例を挙げると、コーティングされたアルミニウムシート、コーティングされた鋼板、コーティングされた銅箔、コーティングされたステンレス鋼Shate、またはコーティングされた錫厚板)。一例において、コーティングされた金属ストリップ4010は、アルミニウム缶エンドストックまたはアルミニウム缶ボディストックであるが、そうである必要はない。いくつかの例において、コーティングされた金属ストリップ4010は、実質的に水平であり得るか、または任意の他の適切な加工配向であり得る。コーティングされた金属ストリップ4010は、隣接する1つ以上の上部の磁気ロータ4040(例えば、コーティングされた金属ストリップ4010の上に配設される)、および隣接する1つ以上の下部の磁気ロータ4045(例えば、コーティングされた金属ストリップ4010の下に配設される)を通過し得る。いくつかの構成において、上部の磁気ロータ4040のみが存在し、他の構成において、下部の磁気ロータ4045のみが存在する。硬化チャンバ4000は、任意の適切な数の上部の磁気ロータ4040および/または下部の磁気ロータ4045を含み得る。各磁気ロータ(例えば、下部の磁気ロータ4045または上部の磁気ロータ4040)は、図1の磁気ロータ108、110等の、本明細書に開示されている磁気ロータであり得る。
各上部の磁気ロータ4040および/または下部の磁気ロータ4045は、1つ以上の磁石4050を含む。1つ以上の磁石4050は、任意の適切な様式で各ロータの上/中に配置され得る。図40は、4つの磁石4050が磁気ロータ4040、4045の表面4055を中心として配設されている1つの非限定的な例を例示する。いくつかの非限定的な例において、磁石4050は、磁気ロータ4040、4045内に少なくとも部分的に埋設されている。他の例において、磁石4050は、表面4055と連結されるかまたは表面4055に取り付けられる。各磁気ロータ4040、4045は、任意の適切な断面形状を有する任意の数の磁石4050を含み得る。例えば、磁石4050は、長方形、三角形、正方形、任意の他の幾何学的形状、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。磁石4050は、永久磁石および/または電磁石であり得る。磁気ロータ4040、4045は、円筒形ドラムとして例示されているが、それらは、任意の適切な断面形状および寸法を有してもよい。
いくつかの場合において、硬化チャンバ4000は、熱発生を金属ストリップの近くに集中させるために、磁気ロータ4040、4045から発生した磁束の大部分が金属ストリップの表面に向けられるように構成されている。いくつかの場合において、磁束は、金属ストリップの中心が金属ストリップの外面よりも弱く加熱されるように向けられる。いくつかの場合において、上記の磁束集中器またはダイバータのいずれも使用され得る。熱発生を金属ストリップの表面近くに集中させることによって、熱は、金属ストリップの冶金特性に対する影響を最小限にした状態でコーティングを硬化させるために使用され得る。
硬化チャンバ4000が上部の磁気ロータ4040と下部の磁気ロータ4045の両方を含む場合、上部の磁気ロータ4040は、硬化スタック4070を形成するために、図40に示されるように、下部の磁気ロータ4045と垂直方向に整列され得るか、または下部の磁気ロータ4045から垂直方向にオフセットされ得る。いくつかの例において、上部の磁気ロータ4040のうちの少なくとも一部は、第1の方向4060に回転するように構成され、一方で下部の磁気ロータ4045のうちの少なくとも一部は、第1の方向4060とは反対である第2の方向4065に回転するように構成される。図40に示されるように、代表的な硬化チャンバ4000は、複数の硬化スタック4070を含み得る。いくつかの場合において、各硬化スタック4070または硬化スタック4070のサブセットは、硬化チャンバ4000内に個別の加熱ゾーンを提供するように個々に制御され得る。上部の磁気ロータ4040のみが使用されるか、または下部の磁気ロータ4045のみが使用される構成において、各上部の磁気ロータ(または下部の磁気ロータ)または上部の磁気ロータ(または下部の磁気ロータ)のサブセットは、硬化チャンバ4000内に別個の加熱ゾーンを提供するように個々に動作され得る。
いくつかの非限定的な例において、別個の加熱ゾーンを提供するようにロータ4040、4045または硬化スタック4070を制御することは、以下のパラメーターのうちの1つ以上を調節することによって実施され得る。
(i)各磁気ロータ4040、4045とコーティングされた金属ストリップ4010との間の距離4075(上部および下部の磁気ロータ4040、4045の両方が使用される場合、距離4075は、金属ストリップ4010の厚さを一緒に加算して、各磁気ロータ4040、4045間の間隙4076を形成する)。コーティングされた金属ストリップ4010のより近くに磁気ロータ4040、4045を位置決めすることは、コーティングされた金属ストリップ4010、およびコーティングされた金属ストリップ4010に塗布されたコーティングに伝達される温度を上昇させ得る。コーティングされた金属ストリップ4010からより遠くに磁気ロータ4040、4045を位置決めすることは、コーティングされた金属ストリップ4010、およびコーティングされた金属ストリップ4010に塗布されたコーティングに伝達される温度を低下させ得る。いくつかの例において、コーティングされた金属ストリップ4010のより近くに磁気ロータ4040、4045を位置決めすることは、コーティングされた金属ストリップ4010、およびコーティングされた金属ストリップ4010に塗布されたコーティングに伝達される温度を上昇させ得る。いくつかのさらなる例において、コーティングされた金属ストリップ4010からより遠くに磁気ロータ4040、4045を位置決めすることは、コーティングされた金属ストリップ4010、およびコーティングされた金属ストリップ4010に塗布されたコーティングに伝達される温度を低下させ得る。
(ii)磁気ロータ4040、4045の回転速度。磁気ロータ4040、4045の回転速度を上昇させることは、コーティングされた金属ストリップ4010、および金属ストリップ4010に塗布されたコーティングに伝達される温度を上昇させ得る。磁気ロータ4040、4045の回転速度を低下させることは、コーティングされた金属ストリップ4010、および金属ストリップ4010に塗布されたコーティングに伝達される温度を低下させ得る。
(iii)磁気ロータ4040、4045から発生する磁束の強度および/または方向。磁気ロータ4040、4045から発生する磁束の強度を増加させることは、コーティングされた金属ストリップ4010、および金属ストリップ4010に塗布されたコーティングに伝達される温度を上昇させ得る。同様に、磁気ロータ4040、4045から発生した磁束を金属ストリップの外面に向けることは、金属ストリップ4010に塗布されたコーティングに伝達される温度を上昇させ得る。
(iv)第1の磁気ロータ4040、4045と、コーティングされた金属ストリップ4010の同一側で第1の磁気ロータ4040、4045に隣接して配設された任意の追加の磁気ロータ4040、4045との間の距離4077、または第1の硬化スタック4070と任意の第2の硬化スタック4070との間の距離4077。いくつかの例において、任意の第2の磁気ロータ4040、4045のより近くに第1の磁気ロータ4040、4045を位置決めすることは、コーティングされた金属ストリップ4010、およびコーティングされた金属ストリップ4010に塗布されたコーティングに伝達される温度を上昇させ得る。いくつかのさらなる例において、任意の第2の磁気ロータ4040、4045からより遠くに第1の磁気ロータ4040、4045を位置決めすることは、コーティングされた金属ストリップ4010、およびコーティングされた金属ストリップ4010に塗布されたコーティングに伝達される温度を低下させ得る。いくつかの場合において、任意の第2の硬化スタック4070のより近くに第1の硬化スタック4070を位置決めすることは、コーティングされた金属ストリップ4010、およびコーティングされた金属ストリップ4010に塗布されたコーティングに伝達される温度を上昇させ得る。いくつかのさらなる例において、任意の第2の硬化スタック4070からより遠くに第1の硬化スタック4070を位置決めすることは、コーティングされた金属ストリップ4010、およびコーティングされた金属ストリップ4010に塗布されたコーティングに伝達される温度を低下させ得る。
いくつかの非限定的な例において、上記の別個の加熱ゾーンを提供するためのパラメータと併せて、コーティングされた金属ストリップが各加熱ゾーンを通過する速度(例えば、硬化チャンバを通るストリップ速度)を制御することは、コーティングされた金属ストリップおよび任意の塗布されたコーティングの加熱を制御するために使用され得る。より具体的には、いくつかの態様において、ストリップ速度は、金属ストリップ、および磁気ロータ4040、4045から金属ストリップに塗布されたコーティングに伝達される温度を制御するように調節され得る。ストリップ速度を上昇させることは、コーティングされた金属ストリップ4010および金属ストリップ4010に塗布されたコーティングに伝達される温度を低下させ得、ストリップ速度を低下させることは、コーティングされた金属ストリップ4010、および金属ストリップ4010に塗布されたコーティングに伝達される温度を上昇させ得る(すなわち、より低速のストリップ速度は、硬化チャンバ内の金属ストリップおよび金属ストリップに塗布されたコーティングの滞留時間を増加させる)。加えて、いくつかの例において、金属ストリップおよび金属ストリップに塗布されたコーティングのストリップ速度を制御することは、金属ストリップが磁気ロータ4040、4045または硬化スタック4070に隣接して通過するときの金属ストリップおよび金属ストリップに塗布されたコーティングの滞留時間を制御し得る。いくつかの非限定的な例において、金属ストリップは、磁気ロータの速度が少なくとも1,300RPMであるとき、約50℃/秒を超える速度で約5秒未満、少なくとも250℃の目標温度に加熱され得る。
コーティングされた金属ストリップ4010は、任意の適切なストリップ速度で硬化チャンバ4000を通過し得る。非限定的な例として、ストリップ速度は、約20メートル/分(m/分)~約400m/分(例えば、約20m/分、約30m/分、約40m/分、約50m/分、約60m/分、約70m/分、約80m/分、約90m/分、約100m/分、約110m/分、約120m/分、約130m/分、約140m/分、約150m/分、約160m/分、約170m/分、約180m/分、約190m/分、約200m/分、約210m/分、約220m/分、約230m/分、約240m/分、約250m/分、約260m/分、約270m/分、約280m/分、約290m/分、約300m/分、約310m/分、約320m/分、約330m/分、約340m/分、約350m/分、約360m/分、約370m/分、約380m/分、約390m/分、約400m/分、またはその間のいずれか)または金属ストリップ上に存在するコーティングを硬化させるための他の適切な速度であり得る。
上記パラメータのうちの1つ以上は、金属ストリップ4010の少なくとも表面を、金属ストリップ4010上のコーティングを硬化させるために十分な温度に加熱するように調節され得る。いくつかの場合において、上記のパラメータは、金属ストリップ4010の表面を、所望される距離内(硬化チャンバ4000の長さ等)および/または所望される時間内で金属ストリップ4010上のコーティングを硬化させるために十分な温度に加熱するように予め決定される。
上部の磁気ロータ4040および/または下部の磁気ロータ4045は、各磁気ロータ(または磁気ロータのサブセット)4040、4045とコーティングされた金属ストリップ4010との間の距離4075を制御するために垂直方向に調節可能であり得る。上述のように、コーティングされた金属ストリップ4010のより近くに磁気ロータ4040、4045を位置決めすることは、コーティングされた金属ストリップ4010内の磁界の強度を増加させ得、次いで、コーティングされた金属ストリップ内の渦電流の大きさを増加させ得、したがって、コーティングされた金属ストリップにより多くの熱を発生させ得る。同様に、いくつかの場合において、コーティングされた金属ストリップ4010からより遠くに磁気ロータ4040、4045を位置決めすることは、コーティングされた金属ストリップ4010内の磁界の強度を減少させ得、次いで、コーティングされた金属ストリップ内の渦電流の大きさを減少させ得、したがって、コーティングされた金属ストリップにより少ない熱を発生させ得る。いくつかの場合において、磁気ロータ4040、4045からコーティングされた金属ストリップ4010までの距離4075は、約15mm~約300mm(例えば、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、約19mm、約20mm、約25mm、約30mm、約35mm、約40mm、約45mm、約50mm、約55mm、約60mm、約65mm、約70mm、約75mm、約80mm、約85mm、約90mm、約95mm、約100mm、約105mm、約110mm、約115mm、約120mm、約125mm、約130mm、約135mm、140mm、約145mm、約150mm、約155mm、約160mm、約165mm、約170mm、約175mm、約180mm、約185mm、約190mm、約195mm、約200mm、約205mm、約210mm、約215mm、約220mm、約225mm、約230mm、約235mm、約240mm、約245mm、約250mm、約255mm、約260mm、265mm、約270mm、約275mm、約280mm、約285mm、約290mm、約295mm、約300mm、またはその間のいずれか)であり得る。いくつかの場合において、距離4075は、15mm未満、他の場合において、300mm超である。このようにして、硬化チャンバ4000は、コーティングされた金属ストリップ4010が磁気ロータ4040、4045と接触せずに硬化チャンバ4000を通過する浮上チャンバとして構築され得る。硬化後、コーティングされた金属ストリップ4010は、出口ポート4080を通って代表的な硬化チャンバ4000を出る。
いくつかの場合において、回転磁石を使用して金属ストリップ(例えば、アルミニウムシート、アルミニウム缶ボディストック、またはアルミニウム缶エンドストック(CES))、および金属ストリップの表面に塗布されたコーティングを加熱することは、金属ストリップ、金属ストリップに塗布されたコーティング、および硬化チャンバ内の環境の簡素かつ高速な温度制御を提供し得る。
例えば、金属ストリップの少なくとも1つ以上の表面および金属ストリップの1つ以上の表面に塗布されたコーティングは、任意の適切な温度に加熱され得る。非限定的な例において、金属ストリップの少なくとも1つ以上の表面および金属ストリップの1つ以上の表面に塗布されたコーティングは、約100℃~約600℃(例えば、約100℃、約125℃、約150℃、約175℃、約200℃、約225℃、約250℃、約275℃、約300℃、約325℃、約350℃、約355℃、約375℃、約400℃、約425℃、約450℃、約475℃、約500℃、約525℃、約550℃、約575℃、約600℃、またはその間のいずれか)、または金属ストリップ4010のコーティングを硬化させるために十分な他の温度(例えば、100℃未満または600℃超)に加熱され得る。硬化チャンバ4000は、金属ストリップおよび金属ストリップに塗布されたコーティングが約1秒~約10秒(例えば、約1秒、約2秒、約3秒、約4秒、約5秒、約6秒、約7秒、約8秒、約9秒、約10秒、またはその間のいずれか)、または任意の他の所望される時間内で目標温度まで加熱され得るように構成され得る。いくつかの場合において、金属ストリップおよび金属ストリップに塗布されたコーティングは、約1℃/秒~約150℃/秒以上(例えば、約1℃/秒以上、約2℃/秒以上、約3℃/秒以上、約4℃/秒以上、約5℃/秒以上、約10℃/秒以上、約15℃/秒以上、約20℃/秒以上、約25℃/秒以上、約30℃/秒以上、約35℃/秒以上、約40℃/秒以上、約45℃/秒以上、約50℃/秒以上、約55℃/秒以上、約60℃/秒以上、約65℃/秒以上、約70℃/秒以上、約75℃/秒以上、約80℃/秒以上、約85℃/秒以上、約90℃/秒以上、約95℃/秒以上、約100℃/秒以上、約105℃/秒以上、約110℃/秒以上、約115℃/秒以上、約120℃/秒以上、約125℃/秒以上、約130℃/秒以上、約135℃/秒以上、約140℃/秒以上、約145℃/秒、約150℃/秒以上、またはその間のいずれか)の速度で目標温度に加熱され得る。いくつかの場合において、金属ストリップおよび金属ストリップに塗布されたコーティングは、150℃/秒超の速度で目標温度に加熱され得る。
いくつかの態様において、上記の温度、時間および速度は、磁気ロータ4040、4045の回転速度を制御することによって制御され得る。例えば、磁気ロータ4040、4045の回転速度を上昇させることは、金属ストリップおよび金属ストリップに塗布されたコーティング内の磁界の振動を増加させ得、それによって、金属ストリップおよび金属ストリップに塗布されたコーティング内の渦電流の大きさを増加させ、それによって、金属ストリップおよび金属ストリップに塗布されたコーティング内により多くの熱を発生させる。同様に、磁気ロータ4040、4045の回転速度を低下させることは、金属ストリップおよび金属ストリップに塗布されたコーティング内の磁界の振動が減少させ、それによって、金属ストリップおよび金属ストリップに塗布されたコーティング内の渦電流の大きさを減少させ、それによって、金属ストリップおよび金属ストリップに塗布されたコーティング内により少ない熱を発生させる。磁気ロータは、任意の適切な速度で回転し得る。いくつかの場合において、各磁気ロータは、約200RPM~約3,500RPM(例えば、約200RPM、約250RPM、約300RPM、約350RPM、約400RPM、約450RPM、約500RPM、約550RPM、約600RPM、約650RPM、約700RPM、約750RPM、約800RPM、約850RPM、約900RPM、約950RPM、約1,000RPM、約1,100RPM、約1,200RPM、約1,300RPM、約1,400RPM、約1,500RPM、約1,600RPM、約1,700RPM、約1,800RPM、約1,900RPM、約2,000RPM、約2,100RPM、約2,200RPM、約2,300RPM、約2,400RPM、約2,500RPM、約2,600RPM、約2,700RPM、約2,800RPM、約2,900RPM、約3,000RPM、約3,100RPM、約3,200RPM、約3,300RPM、約3,400RPM、約3,500RPM、またはそれらの間のいずれか)の速度で回転し得る。いくつかの場合において、磁気ロータは、200RPM未満の速度、または3,500RPM超の速度で回転する。
上部の磁気ロータ4040の各々および/または下部の磁気ロータ4045の各々は、システム内の他の磁気ロータに対して同一速度または異なる速度で回転し得る。
図41は、本開示の一定の態様による、磁気ロータ4040、4045の一例を図示する斜視図である。いくつかの構成において、1つ以上の磁石4050が磁気ロータ4040、4045内に少なくとも部分的に埋設される。
図42は、本開示の一定の態様による、磁気ロータ4040、4045の一例を図示する断面図である。磁気ロータ4040、4045は、磁気ロータ4040、4045内に少なくとも部分的に埋設された1つ以上の磁石4050を含み得る。
図43は、本開示の一定の態様による、磁気ロータ4040、4045の一例を図示する断面図である。いくつかの場合において、1つ以上の磁石4050は、それらが磁気ロータ4040、4045の表面4055から突出するように、磁気ロータ4040、4045に取り付けられ得るか、またはそうでなければそれらと連結され得る。
図44は、本開示の一定の態様による、磁気ロータ4040、4045の一例を図示する断面図である。いくつかの場合において、磁石のサブセット4050が、磁気ロータ4040、4045内に埋設され得、一方で磁石の別のサブセットが、磁気ロータ4040、4045の表面4055から突出し得る。ロータに対する磁石の任意の他の適切な配置または構成が、図42~44に図示されるもの以外に使用されてもよい。
図45は、比較ガス燃焼硬化チャンバの硬化チャンバ温度プロファイルの一例のグラフである。y軸は、温度(℃)を示し、x軸は、比較硬化チャンバ内の滞留時間(秒)を示す。金属ストリップおよびそのコーティングの温度は、比較硬化チャンバ内で費やされる時間と共に上昇し得る。いくつかの場合において、本明細書に説明されるコーティングを硬化させるための代表的なシステムは、比較ガス燃焼硬化チャンバ温度プロファイルに匹敵し得る。破線は、代表的な硬化チャンバ4000内の磁気ロータ/硬化スタック4070の位置決めが、比較ガス燃焼硬化チャンバと同様の温度プロファイルをどのように提供し得るかを示す。コーティングされた金属ストリップ4010は、代表的な硬化チャンバ4000に入り、第1の温度4500に曝され、加熱を開始し得る。コーティングされた金属ストリップ4010は、続いて、第1の磁気ロータ/硬化スタックを通過した後に第2の温度4510まで加熱され得る。コーティングされた金属ストリップ4010は、第2の磁気ロータ/硬化スタックを通過した後に第3の温度4520までさらに加熱され得る。コーティングされた金属ストリップ4010はまた、第3の磁気ロータ/硬化スタックを通過した後に第4の温度4530までさらに加熱され得る。
図46は、本開示の一定の態様による、磁気ロータ速度と比較した温度上昇速度のグラフである。グラフは、磁気ロータ(例えば、ロータ4040、4045)の速度、および第1の磁気ロータ(例えば、磁気ロータ4040)と第2の磁気ロータ(例えば、磁気ロータ4045)およびギャップ(例えば、ギャップ4076)との間の間隙に依存する際の、コーティングされた金属ストリップ(例えば、図40のコーティングされた金属ストリップ4010)の表面の温度変化(例えば、温度上昇)速度を示す。コーティングされた金属ストリップ4010を間隙4076内の中心に置いた。コーティングされた金属ストリップ4010の温度を記録した。図46のグラフから明らかであるように、温度上昇速度は、上記のように、磁気ロータ4040、4045の速度が上昇するにつれて上昇する。いくつかの非限定的な例において、間隙4076を30mmで維持したもの(実線)は、最大の温度上昇速度を提供した。いくつかの非限定的な例において、間隙4076を60mmで維持したもの(破線)は、間隙4076を30mmに維持したものよりも低い温度上昇速度を提供した。いくつかの非限定的な例において、間隙4076を90mmに維持したもの(点線)は、間隙4076を60mmに維持したものよりも低い温度上昇速度をもたらした。いくつかの非限定的な例において、間隙4076を120mmに維持したもの(一点鎖線)は、間隙4076を90mmに維持したものよりも低い温度上昇速度をもたらした。グラフからさらに明らかであるように、磁気ロータ4040および4045間の間隙4076(したがって、磁気ロータ4040、4045とコーティングされた金属ストリップ4010との間の距離4075)を減少させることはまた、コーティングされた金属ストリップ4010およびコーティングされた金属ストリップに塗布されたコーティングの温度上昇速度も上昇させる。いくつかの非限定的な例において、約30mmの磁気ロータ4040および4045間の間隙4076を維持したもの、ならびに各磁気ロータ4040、4045を約1,300RPMの速度で回転させたものは、約55℃/秒の加熱速度を提供し得る。
図47は、本開示の一定の態様による、磁気ロータ間の間隙と比較した温度上昇速度のグラフである。グラフは、磁気ロータ(例えば、ロータ4040および4045)間の間隙(例えば、間隙4076)に依存する際の、コーティングされた金属ストリップ(例えば、図40のコーティングされた金属ストリップ4010)の表面の温度変化(例えば、温度上昇)速度を示す。ロータ速度を約1,500RPMに維持した。図47のグラフから明らかであるように、磁気ロータ4040および4045間の間隙4076(したがって、磁気ロータ4040、4045とコーティングされた金属ストリップ4010との間の距離4075)が増加することは、コーティングされた金属ストリップ4010、およびコーティングされた金属ストリップに塗布されたコーティングの温度上昇速度が低下する。いくつかの非限定的な例において、約30mmの磁気ロータ4040および4045間の間隙4076を維持したもの、ならびに各磁気ロータ4040、4045を約1,500RPMの速度で回転させたものは、約65°C/秒の加熱速度を提供し得る。別の例において、約100mmの間隙4076、および1,500RPMの磁気ロータ4040、4045の速度を維持したものは、約15℃/秒の加熱速度を提供し得る。
いくつかの非限定的な例において、本明細書に説明されるような硬化チャンバの温度プロファイルは、コーティングされた金属または他の材料のストリップ、およびそのコーティング特性に関して、コーティングされた金属ストリップのストリップ速度、磁気ロータの回転速度、磁気ロータから発生した磁束の強度および/もしくは方向、磁気ロータとコーティングされた金属もしくは他の材料のストリップとの間の距離、ならびに/または隣接する磁気ロータ間の距離を含むパラメータによって調節することによって正確に調整され得る。いくつかの場合において、本明細書に説明されるシステムは、硬化システムの短縮された起動時間および停止時間を提供し、比較ガス燃焼硬化チャンバと比べてより少ない設置面積を有する硬化チャンバを提供し、金属および他の材料のストリップに塗布されたコーティングの短縮された硬化時間を提供し、かつ減少した化石燃料排出物を提供し得る。例えば、約200m/分のストリップ速度を有するコーティングされた金属ストリップは、約15mの長さを有する代表的な硬化チャンバを必要とし、比較ガス燃焼硬化チャンバは、同等の硬化のために50mの長さを必要とする。本明細書に説明される硬化チャンバは、いくつかの場合において、比較ガス燃焼硬化チャンバよりも約70%短いものであり得る。
図48は、本開示の一定の態様による、硬化チャンバおよび熱伝達媒体加熱オーブンの概略的例示である。いくつかの非限定的な例において、本明細書に説明されるシステムは、硬化チャンバ4000の外側またはそうでなければ磁気ロータ(例えば、図1のロータ108、110)から離れるように熱を提供するために使用され得る。例えば、送風機が、硬化チャンバ4000内に含有される任意の加熱されたガス(例えば、空気、窒素、アルゴン、または任意の適切なプロセスガス)または液体を、隣接するプロセスまたはプロセスチャンバに移送するために用いられ得る。いくつかの場合において、硬化中にコーティングから抽出された揮発性有機化合物(VOC)が、VOCから熱エネルギーを取り込むために任意の再生熱酸化剤(RTO)に送られ得る。いくつかの例において、硬化中にコーティングから抽出されたガスは、硬化チャンバ4000から環境的に安全な排出物を提供するために任意のスクラバーに送られ得る。
図48に図示されるように、本明細書に説明されるシステムの一例は、硬化チャンバ4000の外側のシステムおよびプロセスでの使用のための水または任意の他の適切な熱交換物質(例えば、空気、ガス、液体)を加熱するために使用され得る。個々のロータ4040、4045または硬化スタック4070のうちの1つ以上に隣接して配設された導管4810は、導管4810内で熱を効率的に伝達するために熱交換流体4820を運搬し得る。いくつかの例において、導管4810は、閉鎖系である、および/または熱交換流体4820を貯蔵および濾過するための容器に接続されている。1つ以上の管4830は、個々のロータ4040、4045または硬化スタック4070の磁石を使用して熱交換流体4820を加熱するために、硬化チャンバ4000を通して熱交換流体4820を輸送し得、次いで、加熱された熱交換流体4820を、硬化チャンバ4000に隣接するシステムまたはプロセスに輸送し得る。いくつかの場合において、1つ以上の管4830は、熱伝達速度および効率を向上するために、導管4810に接触し得るか、または導管4810に近接して位置決めされ得る。例えば、複数の管4830は、例えば、洗浄プロセス後に金属ストリップからの洗浄液を除去する(例えば、すすぐ)ために高温水および/または温水を必要とする隣接するすすぎステーションに水を輸送し得る。
例示される実施形態を含む、実施形態の上述の説明は、例示および説明の目的のためにだけ提示され、また、包括的であること、または開示される正確な形態に限定することを意図しない。それらの非常に多くの修正形態、適合、および用途が当業者に明らかになるであろう。
以下で使用される場合、一連の実施例へのいかなる言及も、それらの実施例の各々に対する言及として離接的に理解されるべきである(例えば、「実施例1~4」は、「実施例1、2、3、または4」として理解されるべきである)。
実施例1は、回転磁石加熱システムであって、少なくとも1つの磁気源を含有する磁気ロータであって、磁気ロータに隣接する、変化する磁界を発生させるように回転軸を中心として回転可能であり、磁気ロータが、下流方向に移動する金属物品に隣接して位置決め可能であり、それにより、変化する磁界が金属物品を通過し、回転軸が、下流方向と垂直し、かつ金属物品の横幅に10°以内で平行である、磁気ロータと、磁気ロータを回転させるために磁気ロータに連結された少なくとも1つのモータと、を備える、回転磁石加熱システムである。いくつかの場合において、回転軸は、金属物品の横幅と平行である。
実施例2は、少なくとも1つの磁気源が少なくとも1つの永久磁石である、実施例1の回転磁石加熱システムである。
実施例3は、金属物品を受け入れるための間隙を形成するように磁気ロータから離間された第2の磁気ロータをさらに含み、第2の磁気ロータが、少なくとも1つの磁気源を含有し、回転軸と平行である第2の回転軸を中心として回転可能である、実施例1または2の回転磁石加熱システムである。
実施例4は、磁気ロータと金属物品との間の距離を調節するために磁気ロータに連結された支持アームをさらに備える、実施例1~3の回転磁石加熱システムである。
実施例5は、金属物品に隣接し、かつ金属物品の縁と金属物品の横方向の中心線との間に位置決めされた補助加熱要素をさらに備える、実施例1~4の回転磁石加熱システムである。
実施例6は、補助加熱要素が磁気ロータの長さよりも短い長さを有する補助磁気ロータを含む、実施例5の回転磁石加熱システムである。
実施例7は、磁気ロータからの少なくとも一部の磁束を方向転換するように磁気ロータに隣接して位置決めされた1つ以上の磁束ガイドをさらに備える、実施例1~6の回転磁石加熱システムである。
実施例8は、1つ以上の磁束ガイドが磁気ロータに連結されている、実施例7の回転磁石加熱システムである。
実施例9は、金属物品と磁気ロータとの間の距離を調節するために金属物品を移動させるように位置決めされた1つ以上のデフレクタをさらに備える、実施例1~8の回転磁石加熱システムである。
実施例10は、金属物品の温度または張力を測定するように位置決めされたセンサと、センサ信号を受信するようにセンサに連結されたコントローラと、をさらに備え、コントローラが、センサ信号に応答してフィードバック制御を提供するように磁気ロータと関連付けられたアクチュエータに連結され、アクチュエータが、金属物品を通過する磁束の量を制御するように構成されている、実施例1~9の回転磁石加熱システムである。
実施例11は、金属物品を磁気的に加熱する方法であって、回転軸を中心として磁気ロータを回転させて、磁気ロータに隣接する、変化する磁界を誘導することと、磁気ロータに隣接し、かつ変化する磁界を通して金属物品を通過させて金属物品内に渦電流を誘導することと、を含み、金属物品を通過させることが、磁気ロータの回転軸と垂直する下流方向に金属物品を移動させることを含み、金属物品が、金属物品の横幅が磁気ロータの回転軸に10°以内で平行であるように配向されている、方法である。いくつかの場合において、金属物品は、磁気ロータの回転軸と平行である。
実施例12は、回転軸を中心として磁気ロータを回転させることが、回転軸の周囲で少なくとも1つの永久磁石を移動させることを含む、実施例11の方法である。
実施例13は、磁気ロータの回転軸と平行である第2の回転軸を中心として第2の磁気ロータを回転させることをさらに含み、第2の磁気ロータが、間隙を形成するように磁気ロータから離間され、金属ロータに隣接して金属物品を通過させることが、間隙を通して金属物品を通過させることを含む、実施例11または12の方法である。
実施例14は、磁気ロータと金属物品との間の距離を動的に変化させることをさらに含む、実施例11~13の方法である。
実施例15は、補助加熱要素に隣接して金属物品を通過させることと、補助加熱要素を使用して金属ストリップの領域を加熱することと、をさらに含み、領域が、金属物品の縁と金属物品の横方向の中心線との間に位置している、実施例11~14の方法である。
実施例16は、補助加熱要素を使用して金属ストリップの領域を加熱することが、補助磁気ロータを回転させることを含み、補助磁気ロータが、磁気ロータの長さよりも短い長さを有する、実施例15の方法である。
実施例17は、磁気ロータに隣接して1つ以上の磁束ガイドを提供することをさらに含み、1つ以上の磁束ガイドを提供することが、磁界の少なくとも一部分を方向転換させることを含む、実施例11~16の方法である。
実施例18は、1つ以上の磁束ガイドを提供することが、金属ロータであって、1つ以上の磁束ガイドがそれに連結されている、金属ロータを提供することを含む、実施例17の方法である。
実施例19は、金属物品と磁気ロータとの間の距離を調節するために金属物品を偏向させることをさらに含む、実施例11~18の方法である。
実施例20は、金属物品の温度または張力を測定することと、測定された温度または測定された張力に基づいてフィードバック制御を動的に提供することと、をさらに含み、フィードバック制御を動的に提供することが、変化する磁界、または変化する磁界に対する金属物品の位置の操作を結果としてもたらす、実施例11~19の方法である。
実施例21は、回転磁石ヒータであって、下部磁気ロータから垂直方向にオフセットされた上部磁気ロータであって、それらの間に移動金属ストリップを受け入れるための間隙を画定する、上部磁気ロータと、移動金属ストリップを加熱するための変化する磁界を、間隙を通して誘導するために、上部磁気ロータおよび下部磁気ロータのうちの少なくとも一方を回転させるために上部磁気ロータおよび下部磁気ロータのうちの少なくとも一方に連結された少なくとも1つのモータと、間隙を調節するために上部磁気ロータおよび下部磁気ロータのうちの一方に各々連結された一対の支持アームと、を備える、回転磁石ヒータである。
実施例22は、追加の下部磁気ロータから垂直方向にオフセットされた追加の上部磁気ロータであって、それらの間に移動金属ストリップを受け入れるための間隙を画定する、追加の上部磁気ロータと、追加の間隙を調節するために追加の上部磁気ロータおよび追加の下部磁気ロータの一方に各々連結された追加の一対の支持アームと、をさらに備える、実施例21の回転磁石ヒータである。
実施例23は、信号に応答して間隙を調節するために、一対の支持アームおよび追加の一対の支持アームのうちの少なくとも一方に連結された少なくとも1つのアクチュエータと、信号を提供するために少なくとも1つのアクチュエータに連結されたコントローラと、をさらに備える、実施例22の回転磁石ヒータである。
実施例24は、コントローラに測定値を提供するようにコントローラに連結されたセンサをさらに備え、コントローラが、測定値に基づいて信号を提供するように構成されている、実施例23の回転磁石ヒータである。
実施例25は、追加の上部磁気ロータが、上部磁気ロータと下部磁気ロータとの間の重なりが移動金属ストリップの幅未満であるように、追加の下部磁気ロータから横方向にオフセットされている、実施例22~24の回転磁石ヒータである。
実施例26は、伸長位置と退避位置との間で移動可能な伸長可能な支持アームに連結されたアイドラローラをさらに備え、上部磁気ロータおよび下部磁気ロータのうちの少なくとも一方が、伸長可能な支持アームに連結され、移動金属ストリップが、伸長可能な支持アームが伸長位置にあるとき、上部磁気ロータおよび下部磁気ロータに隣接して通過し、移動金属ストリップが、伸長可能な支持アームが退避位置にあるとき、上部磁気ロータおよび下部磁気ロータから離れて通過する、実施例21~25の回転磁石ヒータである。
実施例27は、金属加工システムであって、移動金属ストリップを加工するための金属片加工設備と、第1の磁気ロータセットを含む回転磁石ヒータと、を備え、第1の磁気ロータセットが、下部磁気ロータから垂直方向にオフセットされた上部磁気ロータであって、それらの間に移動金属ストリップを受け入れるための間隙を画定する、上部磁気ロータと、移動金属ストリップを加熱するための変化する磁界を、間隙を通して誘導するために、上部磁気ロータおよび下部磁気ロータのうちの少なくとも一方を回転させるために上部磁気ロータおよび下部磁気ロータのうちの少なくとも一方に連結された少なくとも1つのモータと、間隙を調節するために上部磁気ロータおよび下部磁気ロータのうちの一方に各々連結された一対の支持アームと、を備える、金属加工システムである。
実施例28は、金属片加工設備が、移動金属ストリップを鋳造するための連続鋳造機である、実施例27のシステムである。
実施例29は、回転磁石ヒータが、金属ストリップの温度を上昇させるために金属片加工設備の上流に位置決めされている、実施例27または28のシステムである。
実施例30は、回転磁石ヒータが、第2の磁気ロータセットをさらに含み、第2の磁気ロータセットが、追加の下部磁気ロータから垂直方向にオフセットされた追加の上部磁気ロータであって、それらの間に移動金属ストリップを受け入れるための間隙を画定する、追加の上部磁気ロータと、追加の間隙を調節するために追加の上部磁気ロータおよび追加の下部磁気ロータの一方に各々連結された追加の一対の支持アームと、を備える、実施例29のシステムである。
実施例31は、回転磁石ヒータが、信号に応答して間隙を調節するために、一対の支持アームおよび追加の一対の支持アームのうちの少なくとも一方に連結された少なくとも1つのアクチュエータと、信号を提供するために少なくとも1つのアクチュエータに連結されたコントローラと、をさらに備える、実施例27~30のシステムである。
実施例32は、コントローラに測定値を提供するようにコントローラに連結されたセンサをさらに備え、コントローラが、測定値に基づいて信号を提供するように構成されている、実施例31のシステムである。
実施例33は、追加の上部磁気ロータが、上部磁気ロータと下部磁気ロータとの間の重なりが移動金属ストリップの幅未満であるように、追加の下部磁気ロータから横方向にオフセットされている、実施例27~32のシステムである。
実施例34は、伸長位置と退避位置との間で移動可能な伸長可能な支持アームに連結されたアイドラローラをさらに備え、上部磁気ロータおよび下部磁気ロータのうちの少なくとも一方が、伸長可能な支持アームに連結され、移動金属ストリップが、伸長可能な支持アームが伸長位置にあるとき、上部磁気ロータおよび下部磁気ロータに隣接して通過し、移動金属ストリップが、伸長可能な支持アームが退避位置にあるとき、上部磁気ロータおよび下部磁気ロータから離れて通過する、実施例27~33のシステムである。
実施例35は、方法であって、第1の磁気ロータセットの上部磁気ロータと下部磁気ロータとの間に画定された第1の間隙を通して金属ストリップを通過させることと、第2の磁気ロータセットの追加の上部磁気ロータと追加の下部磁気ロータとの間に画定された第2の間隙を通して金属ストリップを通過させることと、第1の磁気ロータセットを第1の速度で回転させて、第1の変化する磁界を第1の間隙内に誘導して、金属ストリップを加熱することと、第2の磁気ロータセットを第2の速度で回転させて、第2の変化する磁界を第2の間隙内に誘導して、金属ストリップを加熱することと、金属ストリップの張力を制御することと、を含み、張力を制御することが、第1の間隙、第2の間隙、第1の速度、および第2の速度のうちの少なくとも1つを調節することを含む、方法である。
実施例36は、金属ストリップの測定を行うことをさらに含み、張力を制御することが、測定に基づいて調節を行うことを含む、実施例35の方法である。
実施例37は、第1の磁気ロータセットおよび第2の磁気ロータセットのうちの少なくとも一方の長手方向位置を調節することをさらに含む、実施例35または36の方法である。
実施例38は、第1の磁気ロータセットおよび第2の磁気ロータセットのうちの少なくとも一方の少なくとも1つの磁気ロータの横方向位置を調節することをさらに含む、実施例35~37の方法である。
実施例39は、金属ストリップ内の張力を制御することが、第2の磁気ロータセットを使用して第1の磁気ロータセットによって誘導された張力変化をオフセットすることを含む、実施例35~38の方法である。
実施例40は、金属ストリップ内の張力を制御することが、第1の間隙および第2の間隙のうちの少なくとも一方を調節することを含む、実施例35~39の方法である。
実施例41は、調整された磁束を有する磁気ロータであって、回転中心軸と、回転軸を中心として回転可能な1つ以上の磁気源と、1つ以上の磁気源に基づく磁束プロファイルと、を備え、磁束プロファイルが、ロータの長さに沿って不均一である、磁気ロータである。
実施例42は、1つ以上の磁束ガイドをさらに備え、1つ以上の磁気源が、初期磁束プロファイルを呈し、1つ以上の磁束ガイドが、不均一な磁束プロファイルを呈するように、初期磁束プロファイルの少なくとも一部をそらすように位置決めされている、実施例41の磁気ロータである。
実施例43は、1つ以上の磁気源が、不均一な磁束プロファイルを呈するように、ロータの長さにわたって変化している、実施例41の磁気ロータである。いくつかの場合において、実施例43はまた、不均一な磁束プロファイルのうちの少なくとも一部をそらすように位置決めされた1つ以上の磁束ガイドも含み得る。
実施例44は、1つ以上の磁気源の少なくとも一部分の周囲に位置決めされた1つ以上のスリーブをさらに備え、1つ以上の磁気源が、初期磁束プロファイルを呈し、1つ以上のスリーブが、不均一な磁束プロファイルを呈するために、初期磁束プロファイルの少なくとも一部をそらすように位置決めされている、実施例41または42の磁気ロータである。
実施例45は、不均一な磁束プロファイルが、ロータの長さの中心とロータの一端との間で最大量の磁束に達する、実施例41~44の磁気ロータである。
実施例46は、不均一な磁束プロファイルが、ロータの長さの中心とロータの各端との間の場所で最大量の磁束に達する、実施例41~44の磁気ロータである。
実施例47は、コーティングを硬化させるためのシステムであって、硬化チャンバであって、硬化チャンバを通してコーティングされた金属ストリップを通過させるための入口および出口を備える、硬化チャンバと、少なくとも1つの磁石を備える少なくとも1つのロータと、を備える、システムである。
実施例48は、少なくとも1つの磁石が、複数の磁石を含む、実施例47のシステムである。
実施例49は、少なくとも1つのロータが、複数のロータを含む、実施例47または48のシステムである。
実施例50は、複数のロータの第1のサブセットが、コーティングされた金属ストリップの第1の側面に隣接して位置決めされ、複数のロータの第2のサブセットが、コーティングされた金属ストリップの第2の側面に隣接して位置決めされている、実施例49のシステムである。
実施例51は、複数のロータのうちの第1のサブセットのうちの少なくとも1つのロータが、複数のロータのうちの第2のサブセットのうちの少なくとも1つと垂直方向に整列されている、実施例50のシステムである。
実施例52は、複数のロータのうちの第1のサブセットのうちの少なくとも1つのロータが、ロータのうちの第2のサブセットのうちのロータから垂直方向にオフセットされている、実施例50または51のシステムである。
実施例53は、複数のロータのうちの第1のサブセットのうちの少なくとも1つのロータ、および複数のロータのうちの第2のサブセットのうちの少なくとも1つのロータが、硬化スタックを形成する、実施例50~52のシステムである。
実施例54は、システムが、複数の硬化スタックを備え、各硬化スタックが、加熱ゾーンを有する、実施例53のシステムである。
実施例55は、加熱ゾーンの少なくとも一部が、個々に制御可能である、実施例54のシステムである。
実施例56は、加熱ゾーンの少なくとも一部が、正確に制御可能である、実施例54または55のシステムである。
実施例57は、加熱ゾーンの少なくとも一部が、瞬時に調節可能である、実施例54~56のシステムである。
実施例58は、硬化スタックが、逆回転ロータを含む、実施例54~57のシステムである。
実施例59は、複数のロータのうちの第1のサブセットのロータのうちの少なくとも一部が、第1の方向に回転し、複数のロータのうちの第2のサブセットのうちの少なくとも一部が、第1の方向と反対の第2の方向に回転する、実施例50~58のシステムである。
実施例60は、少なくとも1つの磁石が、永久磁石を含む、実施例47~59のシステムである。
実施例61は、少なくとも1つの磁石が、少なくとも1つのロータの表面内に少なくとも部分的に埋設されている、実施例47~60のシステムである。
実施例62は、少なくとも1つの磁石が、少なくとも1つのロータの表面から突出している、実施例47~61のシステムである。
実施例63は、少なくとも1つのロータが、硬化チャンバを通過するコーティングされた金属ストリップに隣接するように、少なくとも1つのロータが、硬化チャンバ内に位置決めされている、実施例47~62のシステムである。
実施例64は、少なくとも1つのロータは、誘導加熱によってコーティングされた金属ストリップを加熱するように構成されている、実施例47~63のシステムである。
実施例65は、少なくとも1つの磁石が、少なくとも1つのロータ内に少なくとも部分的に埋設された第1の磁石、および少なくとも1つのロータの表面から突出する第2の磁石を含む、実施例47~64のシステムである。
実施例66は、方法であって、硬化システムの少なくとも1つのロータをある回転速度で回転させることであって、少なくとも1つのロータが、少なくとも1つの磁石を備える、回転させることと、コーティングされた金属ストリップを、硬化システムを通して、あるストリップ速度で通過させることで、コーティングされた金属ストリップが、少なくとも1つのロータに隣接して、コーティングされた金属ストリップ内に電流を生じさせ、コーティングされた金属ストリップ内の移動磁界を生成して、コーティングされた金属ストリップを加熱することと、を含み、コーティングされた金属ストリップと少なくとも1つのロータとの間の距離、回転速度、少なくとも1つの磁石の強度、およびストリップ速度が、コーティングされた金属ストリップのコーティングを所定時間内に硬化させるように選択されている、方法である。
実施例67は、金属ストリップと少なくとも1つのロータとの間の距離が、約15ミリメートル~約300ミリメートルである、実施例66の方法である。
実施例68は、回転速度が、少なくとも200回転/分(RPM)である、実施例66または67の方法である。
実施例69は、ストリップ速度が、約20メートル/分~約400メートル/分である、実施例66~68の方法である。
実施例70は、コーティングされた金属ストリップの加熱速度が、約1℃/秒~約150℃/秒である、実施例66~69の方法である。
実施例71は、コーティングされた金属ストリップが、所定時間内に最高600℃の温度に加熱される、実施例66~70の方法である。
実施例72は、少なくとも1つのロータを回転させることが、複数のロータを回転させることを含み、硬化システムを通してコーティングされた金属ストリップを通過させることが、複数のロータに隣接してコーティングされた金属ストリップを通過させることを含む、実施例66~71の方法である。
実施例73は、ロータを回転させることが、複数のロータのうちの第1のサブセットを第1の方向に回転させることと、複数のロータのうちの第2のサブセットを第1の方向とは反対の第2の方向に回転させることと、を含み、複数のロータのうちの第1のサブセットが、硬化システムを通過するコーティングされた金属ストリップの第1の表面に隣接して配置され、複数のロータのうちの第2のサブセットが、硬化システムを通過するコーティングされた金属ストリップの第2の表面に隣接して位置決めされている、実施例72の方法である。
実施例74は、複数のロータのうちの1つ以上のサブセットと関連付けられた加熱ゾーンを個々に制御することをさらに含む、実施例73の方法である。
実施例75は、複数のロータの1つ以上のサブセットと関連付けられた加熱ゾーンを個々に制御することが、複数のロータのうちの1つ以上のサブセットと硬化システムを通過するコーティングされた金属ストリップの第1の表面との間、および複数のロータのうちの第2のサブセットと硬化システムを通過するコーティングされた金属ストリップの第2の表面との間の距離を制御することと、複数のロータのうちの1つ以上のサブセットおよび複数のロータのうちの第2のサブセットの回転速度を制御することと、を含む、実施例74の方法である。
実施例76は、回転ロータから生成された磁束を金属ストリップの表面に向けて、熱生成を金属ストリップの表面に集中させることをさらに含む、実施例66~75の方法である。
実施例77は、熱伝達媒体を加熱する方法であって、硬化チャンバの少なくとも1つの回転磁石を備えるロータを回転させることと、熱伝達媒体を加熱するために熱伝達媒体内に電流を生じさせる移動磁界を熱伝達媒体内に発生させることによって実施される、回転ロータから熱を発生させることと、硬化チャンバの回転ロータに隣接して熱伝達媒体を通過させて、熱伝達媒体を加熱することと、加熱された熱伝達媒体を硬化チャンバから、硬化チャンバから遠隔のエリアに運搬することと、を含む、方法である。
実施例78は、回転ロータを回転させることが、少なくとも1,300回転/分(RPM)の速度で回転ロータを回転させることを含む、実施例77の方法である。
実施例79は、熱伝達媒体が、水、液体シリコン、空気、ガス、油または他の相変化材料を含む、実施例77または78の方法である。
実施例80は、加熱システムであって、下流方向に移動する金属ストリップを加熱するための磁気加熱装置を備え、磁気加熱装置が、金属ストリップ内に調整された温度プロファイルを誘導するための1つ以上のヒータを含み、1つ以上のヒータが、少なくとも1つの磁気ロータを備え、少なくとも1つの磁石ロータの各々が、少なくとも1つの磁気源を含み、かつ金属ストリップを通して変化する磁界を発生させるように回転軸を中心として回転可能である、加熱システムである。
実施例81は、調整された温度プロファイルが、横方向に均一な温度プロファイルである、実施例80の加熱システムである。
実施例82は、少なくとも1つの磁気ロータのうちの1つ以上が、金属ストリップ内に調整された温度プロファイルを誘導することを容易にするために、調整された磁束プロファイルを有する、実施例80または81の加熱システムである。
実施例83は、少なくとも1つの磁気ロータが、金属ストリップ内に調整された温度プロファイルを誘導することを容易にするために、第2の磁気ロータに対して位置決め可能な第1の磁気ロータを含む、実施例80~82の加熱システムである。
実施例84は、第1の磁気ロータの回転軸が、第2の磁気ロータの回転軸と平行であり、第1の磁気ロータおよび第2の磁気ロータのうちの少なくとも一方が、金属ストリップの中心線からオフセット距離だけ横方向にオフセットされている、実施例83の加熱システムである。
実施例85は、オフセット距離を制御するアクチュエータに動作可能に連結されたコントローラをさらに備える、実施例84の加熱システムである。
実施例86は、少なくとも1つの磁気ロータが、第1の磁気ロータおよび第2の磁気ロータを含み、第2の磁気ロータが、第1の磁気ロータの下流に位置決めされている、実施例80~85の加熱システムである。
実施例87は、1つ以上のヒータが、金属ストリップ内に調整された温度プロファイルを誘導することを容易にするために、金属物品に隣接して、かつ金属物品の縁と金属物品の横方向中心線との間に位置決めされた補助加熱要素をさらに備える、実施例80~86の加熱システムである。
実施例88は、磁気加熱装置が、調整された温度プロファイルを誘導することを容易にするために、金属ストリップの少なくとも一部分と1つ以上のヒータとの間の距離を調節するように位置決め可能なデフレクタをさらに備える、実施例80~87の加熱システムである。
実施例89は、少なくとも1つの磁気ロータのうちの1つ以上の回転軸が、下流方向に対して垂直し、かつ金属ストリップの横幅と平行である、実施例80~88の加熱システムである。
実施例90は、少なくとも1つの磁気ロータのうちの1つ以上の磁気源が、回転軸を中心として回転可能な永久磁石を含む、実施例80~89の加熱システムである。
実施例91は、磁気加熱装置が、調整された温度プロファイルを誘導することを容易にするために、少なくとも1つの磁気ロータからの磁束のうちの少なくとも一部を方向転換するように、少なくとも1つの磁気ロータに隣接して位置決めされた1つ以上の磁束ガイドを追加的に備える、実施例80~90の加熱システムである。
実施例92は、金属物品の温度または張力を測定するように位置決めされたセンサと、センサ信号を受信するようにセンサに連結されたコントローラと、をさらに備え、コントローラが、センサ信号に応答してフィードバック制御を提供するように磁気加熱装置と関連付けられたアクチュエータに連結され、アクチュエータが、金属物品を通過する磁束を制御するように構成されている、実施例80~91の加熱システムである。
実施例93は、金属を加熱する方法であって、金属物品を下流方向に移動させることと、磁気加熱装置の1つ以上のヒータによって金属物品内に調整された温度プロファイルを誘導することと、を含み、1つ以上のヒータが、少なくとも1つの磁気ロータを備え、調整された温度プロファイルを誘導することが、金属物品を通して変化する磁界を発生させるために、少なくとも1つの磁気ロータの回転軸を中心として少なくとも1つの磁気ロータの磁気源を回転させることを含む、方法である。
実施例94は、調整された温度プロファイルを誘導することが、横方向に均一な温度プロファイルを誘導することを含む、実施例93の方法である。
実施例95は、少なくとも1つの磁気ロータが、調整された磁束プロファイルを有する磁気ロータを備え、調整された温度プロファイルを誘導することが、調整された変化する磁界を発生させるために、調整された磁束プロファイルを有する磁気ロータを回転させることを含む、実施例93または94の方法である。
実施例96は、調整された温度プロファイルを誘導することが、第1の磁気ロータおよび第2の磁気ロータを回転させることを含み、第1の磁気ロータおよび第2の磁気ロータが、金属物品内に調整された温度プロファイルを誘導することを容易にするために、一方に対して位置決めされている、実施例93~95の方法である。
実施例97は、調整された温度プロファイルを誘導することが、第1の回転軸を中心として第1の磁気ロータを回転させることと、第1の回転軸と平行である第2の回転軸を中心として第2の磁気ロータを回転させることと、を含み、第1の磁気ロータおよび第2の磁気ロータのうちの少なくとも1つが、オフセット距離だけ金属物品の中心線から横方向にオフセットされている、実施例96の方法である。
実施例98は、調整された温度プロファイルを誘導することが、オフセット距離を制御することをさらに含む、実施例97の方法である。
例99は、調整された温度プロファイルを誘導することが、第1の磁気ロータおよび第2の磁気ロータを回転させることを含み、第2の磁気ロータが、第1の磁気ロータの下流に位置している、実施例93~98の方法である。
実施例100は、1つ以上のヒータが、金属物品に隣接して、かつ金属物品の縁と金属物品の横方向中心線との間に位置決めされた補助加熱要素をさらに備え、調整された温度プロファイルを誘導することが、補助加熱要素から金属物品に熱を印加することをさらに含む、実施例93~99の方法である。
実施例101は、調整された温度プロファイルを誘導することが、金属物品の少なくとも一部分と1つ以上のヒータとの間の距離を調節するためにデフレクタを作動させることをさらに含む、実施例93~100の方法である。
実施例102は、少なくとも1つの磁気ロータの回転軸が、下流方向に対して垂直し、かつ金属物品の横幅と平行である、実施例93~101の方法である。
実施例103は、少なくとも1つの磁気ロータの前記磁気源が、永久磁石を含む、実施例93~102の方法である。
実施例104は、調整された温度プロファイルを誘導することが、金属物品を通して変化する磁界を発生させることを容易にするために、少なくとも1つの磁気ロータからの磁束の少なくとも一部を方向転換させることをさらに含む、実施例93~103の方法である。
例105は、センサによって金属製品の温度または張力を測定してセンサ信号を生成することをさらに含み、調整された温度プロファイルを誘導することが、センサ信号に基づいて磁気加熱装置のフィードバック制御を動的に提供することをさらに含み、フィードバック制御を動的に提供することが、変化する磁界を操作することと、変化する磁界に対する金属物品の位置を操作することとのうちの少なくとも一方を含む、実施例93~104の方法である。
実施例106は、金属加工システムであって、移動金属ストリップを加工するための金属片加工設備と、移動金属ストリップを加熱するための磁気加熱装置と、を備え、磁気加熱装置が、金属ストリップ内に調整された温度プロファイルを誘導するための1つ以上のヒータを含み、1つ以上のヒータが、少なくとも1つの磁気ロータを備え、少なくとも1つの磁石ロータの各々が、少なくとも1つの磁気源を含み、かつ金属ストリップを通して変化する磁界を発生させるように回転軸を中心として回転可能であり、磁気加熱装置が、金属片加工設備の上流、下流またはその中に位置決めされている、金属加工システムである。
実施例107は、金属片加工設備が、移動金属ストリップを鋳造するための連続鋳造機である、実施例106の金属加工システムである。
実施例108は、磁気加熱装置が、移動金属ストリップの温度を上昇させるために金属片加工設備の上流に位置決めされている、実施例106または107の金属加工システムである。
実施例109は、調整された温度プロファイルが、横方向に均一な温度プロファイルである、実施例106~108の金属加工システムである。
例110は、磁気加熱装置が、金属物品に調整された温度プロファイルを誘導することを容易にするために、調整された磁束プロファイルを有する磁気ロータと、第1の磁気ロータおよび第2の磁気ロータであって、第1の磁気ロータおよび第2の磁気ロータのうちの少なくとも一方が金属ストリップの中心線から横方向にオフセットされている、第1の磁気ロータおよび第2の磁気ロータと、第1の磁気ロータの下流に位置決めされた第2の磁気ロータと、金属ストリップに隣接し、かつ金属ストリップの縁と金属ストリップの横方向の中心線との間に位置決めされた補助加熱要素と、金属物品の少なくとも一部分と1つ以上のヒータとの間の距離を調節するように位置決め可能なデフレクタと、からなる群からの少なくとも1つを含む、実施例106~109の金属加工システムである。
実施例111は、第1の位置と第2の位置との間で可動な支持具に連結されたアイドラローラをさらに備え、支持具が第1の位置にあるときに移動金属ストリップが、磁気加熱装置の1つ以上のヒータに隣接して通過し、支持具が第2の位置にあるときに移動金属ストリップが、磁気加熱装置の1つ以上のヒータから離れて通過する、実施例106~110の金属加工システムである。