JPH09122752A - コイルの巻戻し方法及び巻戻し装置 - Google Patents
コイルの巻戻し方法及び巻戻し装置Info
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- JPH09122752A JPH09122752A JP28096895A JP28096895A JPH09122752A JP H09122752 A JPH09122752 A JP H09122752A JP 28096895 A JP28096895 A JP 28096895A JP 28096895 A JP28096895 A JP 28096895A JP H09122752 A JPH09122752 A JP H09122752A
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- pressure roll
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 コイルを巻き戻すときに発生する腰折れを、
鋼板の平坦度によらずかつ通常の張力設定範囲内で防止
する。 【解決手段】 クラウン可変なプレッシャーロールを設
け、ペイオフリールに装着された鋼板コイルから繰り出
される鋼板に圧接させたプレッシャーロールのクラウン
を鋼板の平坦度に応じて変化させながら、鋼板の巻戻し
を行う。
鋼板の平坦度によらずかつ通常の張力設定範囲内で防止
する。 【解決手段】 クラウン可変なプレッシャーロールを設
け、ペイオフリールに装着された鋼板コイルから繰り出
される鋼板に圧接させたプレッシャーロールのクラウン
を鋼板の平坦度に応じて変化させながら、鋼板の巻戻し
を行う。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、コイルの巻戻し方
法及び巻戻し装置に関するものであり、特に、熱延鋼板
の酸洗ラインやスキンパスラインなどにおいて、コイル
を巻戻す際に発生する腰折れを防止し得るコイルの巻戻
し方法及び巻戻し装置に関するものである。
法及び巻戻し装置に関するものであり、特に、熱延鋼板
の酸洗ラインやスキンパスラインなどにおいて、コイル
を巻戻す際に発生する腰折れを防止し得るコイルの巻戻
し方法及び巻戻し装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】一般に、例えば熱間圧延されたままの軟
鋼のコイルは、その後の酸洗ラインやスキンパスライン
等において巻戻される際、このときの変形によって、図
８に示すような腰折れと呼ばれる筋模様を表面に生ず
る。この腰折れは、製品の機械的性質を低下させるもの
ではないが、美観を損なうために、用途によっては製品
の歩留りを大きく低下させる。
鋼のコイルは、その後の酸洗ラインやスキンパスライン
等において巻戻される際、このときの変形によって、図
８に示すような腰折れと呼ばれる筋模様を表面に生ず
る。この腰折れは、製品の機械的性質を低下させるもの
ではないが、美観を損なうために、用途によっては製品
の歩留りを大きく低下させる。
【０００３】このように熱延鋼板を巻戻すときに発生す
る腰折れを防止するため、例えば、特開平6-299291号公
報には、鋼板の材質を腰折れが発生しない材質に変える
方法が開示されている。しかしながら、この方法では、
熱間圧延する際の温度制御が困難で、合金元素を添加す
るために鋼材がコストアップし、又、現在生産されてい
る熱延鋼板の全てには適用できない。
る腰折れを防止するため、例えば、特開平6-299291号公
報には、鋼板の材質を腰折れが発生しない材質に変える
方法が開示されている。しかしながら、この方法では、
熱間圧延する際の温度制御が困難で、合金元素を添加す
るために鋼材がコストアップし、又、現在生産されてい
る熱延鋼板の全てには適用できない。
【０００４】そこで、図９に示すように、熱延コイル２
１を装着するペイオフリール２２に小径ロールから成る
プレッシャーロール２４を付設し、熱延コイル２１を巻
戻すときにプレッシャーロール２４で熱延コイル２１か
ら繰り出される熱延鋼板２３を圧接して湾曲させ、これ
により、熱延鋼板２３に歪を均一に付与して腰折れを防
止しようとする方法が提案されている。
１を装着するペイオフリール２２に小径ロールから成る
プレッシャーロール２４を付設し、熱延コイル２１を巻
戻すときにプレッシャーロール２４で熱延コイル２１か
ら繰り出される熱延鋼板２３を圧接して湾曲させ、これ
により、熱延鋼板２３に歪を均一に付与して腰折れを防
止しようとする方法が提案されている。
【０００５】前記の腰折れの原因となる筋模様は、コイ
ルの降伏変形によりリューダース帯が板幅方向に筋状に
発生したものであり、熱間圧延された軟鋼コイルが巻戻
される場合、降伏変形は不可避であるので、リューダー
ス帯の発生は避けることができない。したがって、腰折
れの発生する・しないは、このリューダース帯が局部的
（筋状）に発生するか、細かく均一に発生するかの差に
よる目立ち方の違いによるものと考えられる。上記の方
法によると、図１０に示すように、プレッシャーロール
２４によってリューダース帯が細かく均一に発生するた
め、筋模様が目立たなくなり、腰折れの発生が防止され
る。又、この方法では、鋼板の成分や製造条件を規定す
る必要がないため、熱延鋼板の種類に関係なく腰折れの
防止が可能である。
ルの降伏変形によりリューダース帯が板幅方向に筋状に
発生したものであり、熱間圧延された軟鋼コイルが巻戻
される場合、降伏変形は不可避であるので、リューダー
ス帯の発生は避けることができない。したがって、腰折
れの発生する・しないは、このリューダース帯が局部的
（筋状）に発生するか、細かく均一に発生するかの差に
よる目立ち方の違いによるものと考えられる。上記の方
法によると、図１０に示すように、プレッシャーロール
２４によってリューダース帯が細かく均一に発生するた
め、筋模様が目立たなくなり、腰折れの発生が防止され
る。又、この方法では、鋼板の成分や製造条件を規定す
る必要がないため、熱延鋼板の種類に関係なく腰折れの
防止が可能である。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
プレッシャーロール２４を用いた従来の方法では、平坦
な鋼板に対しては均一な歪を付与し得るものの、図１１
に示すように、例えば耳波（同図（ａ））や中伸び（同
図（ｂ））などが発生している平坦度の悪い鋼板２３で
は、プレッシャーロール２４に鋼板２３の全体が密着し
ないので、プレッシャーロール２４による予歪付与の機
能が局部的にしか果たされなくなる。その結果、例えば
中伸びを発生した鋼板２３の場合、図１２に示すよう
に、鋼板２３の端部に細かいリューダース帯が発生して
いるが、中央部には粗いリューダース帯が局部的に発生
し、腰折れを充分には解消できなくなるという問題を生
じている。
プレッシャーロール２４を用いた従来の方法では、平坦
な鋼板に対しては均一な歪を付与し得るものの、図１１
に示すように、例えば耳波（同図（ａ））や中伸び（同
図（ｂ））などが発生している平坦度の悪い鋼板２３で
は、プレッシャーロール２４に鋼板２３の全体が密着し
ないので、プレッシャーロール２４による予歪付与の機
能が局部的にしか果たされなくなる。その結果、例えば
中伸びを発生した鋼板２３の場合、図１２に示すよう
に、鋼板２３の端部に細かいリューダース帯が発生して
いるが、中央部には粗いリューダース帯が局部的に発生
し、腰折れを充分には解消できなくなるという問題を生
じている。
【０００７】なお、特開平7-112209号公報には、前記プ
レッシャーロールに加え、コイルを巻戻す時の張力を制
御して、鋼板に発生する筋模様のピッチを小さくし、腰
折れを目立たなくする方法が開示されている。この方法
では、平坦度の悪い鋼板であっても、ロールにより鋼板
が均一な変形を受けるように張力が設定されるが、その
張力の設定範囲は極めて高く、このような設定範囲まで
通常のライン仕様で張力を上げることは困難である。
レッシャーロールに加え、コイルを巻戻す時の張力を制
御して、鋼板に発生する筋模様のピッチを小さくし、腰
折れを目立たなくする方法が開示されている。この方法
では、平坦度の悪い鋼板であっても、ロールにより鋼板
が均一な変形を受けるように張力が設定されるが、その
張力の設定範囲は極めて高く、このような設定範囲まで
通常のライン仕様で張力を上げることは困難である。
【０００８】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みな
されたもので、コイルを巻き戻すときに発生する腰折れ
を、鋼板の平坦度によらずかつ通常使用する張力設定範
囲内で防止し得るコイルの巻戻し方法及び装置を提供す
ることを目的とする。
されたもので、コイルを巻き戻すときに発生する腰折れ
を、鋼板の平坦度によらずかつ通常使用する張力設定範
囲内で防止し得るコイルの巻戻し方法及び装置を提供す
ることを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のコイルの巻戻し方法は、クラウン可変なプ
レッシャーロールを設け、ペイオフリールに装着された
鋼板コイルから繰り出される鋼板に圧接させたプレッシ
ャーロールのクラウンを鋼板の平坦度に応じて変化させ
ながら、鋼板の巻戻しを行う点を特徴とする（請求項
１）。
に、本発明のコイルの巻戻し方法は、クラウン可変なプ
レッシャーロールを設け、ペイオフリールに装着された
鋼板コイルから繰り出される鋼板に圧接させたプレッシ
ャーロールのクラウンを鋼板の平坦度に応じて変化させ
ながら、鋼板の巻戻しを行う点を特徴とする（請求項
１）。
【００１０】すなわち、例えば請求項２に記載している
ように、鋼板コイルを装着するペイオフリールに、クラ
ウン可変なプレッシャーロールが付設されているコイル
の巻戻し装置を使用し、例えば、鋼板に耳波或いは中伸
び等が発生している場合、プレッシャーロールのクラウ
ンをその平坦度に応じて凹型或いは凸型に変化させる。
このようにクラウンを変化させることにより、プレッシ
ャーロールは鋼板全体にわたって密着し、従って、鋼板
には歪が均一に付与されることになって、腰折れの発生
が防止される。
ように、鋼板コイルを装着するペイオフリールに、クラ
ウン可変なプレッシャーロールが付設されているコイル
の巻戻し装置を使用し、例えば、鋼板に耳波或いは中伸
び等が発生している場合、プレッシャーロールのクラウ
ンをその平坦度に応じて凹型或いは凸型に変化させる。
このようにクラウンを変化させることにより、プレッシ
ャーロールは鋼板全体にわたって密着し、従って、鋼板
には歪が均一に付与されることになって、腰折れの発生
が防止される。
【００１１】なお、前記プレッシャーロールとしては、
請求項３に記載のように、各々独立して径方向に拡縮可
能な複数のロール体を軸方向に連ねたロール芯部と、こ
のロール芯部の外周を覆う弾性体よりなるスリーブとを
設けて構成することができる。
請求項３に記載のように、各々独立して径方向に拡縮可
能な複数のロール体を軸方向に連ねたロール芯部と、こ
のロール芯部の外周を覆う弾性体よりなるスリーブとを
設けて構成することができる。
【００１２】
【発明の実施の形態】以下、図を用いて本発明の一実施
形態について説明する。図３は、本実施形態に係る鋼板
コイルの巻戻し装置６を熱延鋼板の酸洗ラインに使用し
た設備の概要を示している。コイルの巻戻し装置６に
は、熱延コイル（鋼板コイル）７を装着するペイオフリ
ール８が備えられ、図４に拡大して示すように、熱延コ
イル７から繰り出される鋼板９に圧接するようにプレッ
シャーロール１が設けられている。このプレッシャーロ
ール１の周面に沿って繰り出された鋼板９は、図３に示
すように、ピンチロール１０，レベラー１１，シャー１
２を順次通過するように構成されている。更に、ペイオ
フリール８の近傍に熱延コイル７の平坦度を測定する距
離計を用いた平坦度センサー１３が配置されると共に、
この平坦度センサー１３での測定信号に基づいてプレッ
シャーロール１のクラウンを制御する制御装置１４が設
けられている。
形態について説明する。図３は、本実施形態に係る鋼板
コイルの巻戻し装置６を熱延鋼板の酸洗ラインに使用し
た設備の概要を示している。コイルの巻戻し装置６に
は、熱延コイル（鋼板コイル）７を装着するペイオフリ
ール８が備えられ、図４に拡大して示すように、熱延コ
イル７から繰り出される鋼板９に圧接するようにプレッ
シャーロール１が設けられている。このプレッシャーロ
ール１の周面に沿って繰り出された鋼板９は、図３に示
すように、ピンチロール１０，レベラー１１，シャー１
２を順次通過するように構成されている。更に、ペイオ
フリール８の近傍に熱延コイル７の平坦度を測定する距
離計を用いた平坦度センサー１３が配置されると共に、
この平坦度センサー１３での測定信号に基づいてプレッ
シャーロール１のクラウンを制御する制御装置１４が設
けられている。
【００１３】上記プレッシャーロール１は、図１に示す
ように、ロールクラウンが可変となるように構成された
複合ロールである。すなわち、このプレッシャーロール
１は、７つの拡縮ロール（ロール体）２を軸方向に連ね
て組立てたロール芯部３と、このロール芯部３の外周を
包み込むように取り付けたゴム製のスリーブ４とにより
構成されている。前記拡縮ロール２は、図２に示すよう
に、周方向に４つのセグメント５に分割されている。こ
れにより、図示してはいないが、拡縮ロール２に設けら
れている適宜の駆動手段が各セグメント５を各々拡縮さ
せ、ロール径の拡大縮小が行われる。
ように、ロールクラウンが可変となるように構成された
複合ロールである。すなわち、このプレッシャーロール
１は、７つの拡縮ロール（ロール体）２を軸方向に連ね
て組立てたロール芯部３と、このロール芯部３の外周を
包み込むように取り付けたゴム製のスリーブ４とにより
構成されている。前記拡縮ロール２は、図２に示すよう
に、周方向に４つのセグメント５に分割されている。こ
れにより、図示してはいないが、拡縮ロール２に設けら
れている適宜の駆動手段が各セグメント５を各々拡縮さ
せ、ロール径の拡大縮小が行われる。
【００１４】上記酸洗ラインにおいては、先ず、コイル
の巻戻し装置６でペイオフリール８から鋼板９が繰り出
され、後述する操作によりクラウンを変化させたプレッ
シャーロール１を鋼板９に圧接させながら巻戻しを行
う。巻戻された鋼板９は、ピンチロール１０により誘導
され、レベラー１１において平坦度が矯正され、そし
て、シャー１２を通過して次工程へ移される。このと
き、熱延コイル７が最後まで巻戻されると、シャー１２
により鋼板９の末端部にある形状不良部，疵が切り捨て
られる。その後、鋼板９は酸洗槽，水洗槽，ドライヤー
等を備える酸洗工程（図示省略）によって表面のスケー
ルが除去される。
の巻戻し装置６でペイオフリール８から鋼板９が繰り出
され、後述する操作によりクラウンを変化させたプレッ
シャーロール１を鋼板９に圧接させながら巻戻しを行
う。巻戻された鋼板９は、ピンチロール１０により誘導
され、レベラー１１において平坦度が矯正され、そし
て、シャー１２を通過して次工程へ移される。このと
き、熱延コイル７が最後まで巻戻されると、シャー１２
により鋼板９の末端部にある形状不良部，疵が切り捨て
られる。その後、鋼板９は酸洗槽，水洗槽，ドライヤー
等を備える酸洗工程（図示省略）によって表面のスケー
ルが除去される。
【００１５】上記処理工程での巻戻しにおいてプレッシ
ャーロール１のクラウンを変化させる具体的な操作手順
について説明する。コイルの巻戻し装置６では、鋼板９
が熱延コイル７から繰り出される間、プレッシャーロー
ル１で圧接される前の鋼板９（熱延コイル７）の平坦度
が平坦度センサー１３により計測されている。この計測
値（平坦度）の変化に応じて、制御装置１４により拡縮
ロール２の各セグメント５が径方向に駆動され、プレッ
シャーロール１のクラウンを変化させる。この制御装置
１４では、通板される鋼板９の形状が耳波であれば、耳
波部分に当たる軸方向両端側の拡縮ロール２の径を膨張
させる。これにより、拡縮ロール２の外周を覆うスリー
ブ４も変形し、その外周面は凹型で滑らかな曲面状に変
化する。この結果、プレッシャーロール１のクラウンが
凹型に変化したことになり、上記の耳波形状の鋼板９の
幅方向全体に渡って密着する。従って、この鋼板９には
幅方向に歪が均一に付与される。同様に、鋼板９が中伸
びの場合は、中央部の拡縮ロール２を膨張させて、プレ
ッシャーロール１のクラウンを凸型に変化させる。この
様にして、プレッシャーロール１のクラウンを鋼板９の
平坦度に応じて変化させ、巻戻しを行う。
ャーロール１のクラウンを変化させる具体的な操作手順
について説明する。コイルの巻戻し装置６では、鋼板９
が熱延コイル７から繰り出される間、プレッシャーロー
ル１で圧接される前の鋼板９（熱延コイル７）の平坦度
が平坦度センサー１３により計測されている。この計測
値（平坦度）の変化に応じて、制御装置１４により拡縮
ロール２の各セグメント５が径方向に駆動され、プレッ
シャーロール１のクラウンを変化させる。この制御装置
１４では、通板される鋼板９の形状が耳波であれば、耳
波部分に当たる軸方向両端側の拡縮ロール２の径を膨張
させる。これにより、拡縮ロール２の外周を覆うスリー
ブ４も変形し、その外周面は凹型で滑らかな曲面状に変
化する。この結果、プレッシャーロール１のクラウンが
凹型に変化したことになり、上記の耳波形状の鋼板９の
幅方向全体に渡って密着する。従って、この鋼板９には
幅方向に歪が均一に付与される。同様に、鋼板９が中伸
びの場合は、中央部の拡縮ロール２を膨張させて、プレ
ッシャーロール１のクラウンを凸型に変化させる。この
様にして、プレッシャーロール１のクラウンを鋼板９の
平坦度に応じて変化させ、巻戻しを行う。
【００１６】以上の説明のように、本実施形態では、腰
折れの発生を防止するために、鋼板９の平坦度に応じ各
拡縮ロール２によりプレッシャーロール１のクラウンを
変化させる。これにより、熱延コイル７の巻戻しのと
き、繰り出される鋼板９に板形状（平坦度）の悪い部分
が存在しても、例えば図５に示すように、プレッシャー
ロール１が鋼板９の板幅方向全体にわたって圧接され
る。従って、クラウン可変なプレッシャーロール１を用
いることにより、鋼板９の板幅方向に歪が均一に付与さ
れ、図６に示すように、鋼板９の中央部にも細かいリュ
ーダース帯が均一に発生し、腰折れの発生が防止され
る。
折れの発生を防止するために、鋼板９の平坦度に応じ各
拡縮ロール２によりプレッシャーロール１のクラウンを
変化させる。これにより、熱延コイル７の巻戻しのと
き、繰り出される鋼板９に板形状（平坦度）の悪い部分
が存在しても、例えば図５に示すように、プレッシャー
ロール１が鋼板９の板幅方向全体にわたって圧接され
る。従って、クラウン可変なプレッシャーロール１を用
いることにより、鋼板９の板幅方向に歪が均一に付与さ
れ、図６に示すように、鋼板９の中央部にも細かいリュ
ーダース帯が均一に発生し、腰折れの発生が防止され
る。
【００１７】しかも、上記のように、プレッシャーロー
ル１のクラウンを変化させる構成では、通常の張力範囲
で鋼板９の板幅方向に一様に圧接させて均一な歪を付与
することができ、既存のラインを使用することができ
る。又、上記拡縮ロール２は、分割された複数のセグメ
ント５から構成されているため、クラウンの可変範囲が
大きく、これにより、平坦度の変化幅が大きな鋼板９で
も極め細かく対応させることができ、例えばコイル端で
も極力腰折れの発生を抑制して巻戻しを行うことができ
る。
ル１のクラウンを変化させる構成では、通常の張力範囲
で鋼板９の板幅方向に一様に圧接させて均一な歪を付与
することができ、既存のラインを使用することができ
る。又、上記拡縮ロール２は、分割された複数のセグメ
ント５から構成されているため、クラウンの可変範囲が
大きく、これにより、平坦度の変化幅が大きな鋼板９で
も極め細かく対応させることができ、例えばコイル端で
も極力腰折れの発生を抑制して巻戻しを行うことができ
る。
【００１８】図７に、上記実施形態の酸洗ラインを用い
たコイル通板の実施結果を示す。同図には、従来の一定
のクラウン量を持つプレッシャーロールと本実施形態の
クラウン可変ロールとを用いた場合の腰折れ発生率を示
す。ここで、腰折れ発生率とは、腰折れ発生長／コイル
全長である。同図より、従来例での発生率を１とすると
き、本実施例では０．６であり、腰折れの発生が４割抑
制されている。この時の張力の設定範囲は、通常７〜８
ＭＰａ程度、最大でも１０ＭＰａ程度であり、通常の処
理ライン仕様で適用可能であった。
たコイル通板の実施結果を示す。同図には、従来の一定
のクラウン量を持つプレッシャーロールと本実施形態の
クラウン可変ロールとを用いた場合の腰折れ発生率を示
す。ここで、腰折れ発生率とは、腰折れ発生長／コイル
全長である。同図より、従来例での発生率を１とすると
き、本実施例では０．６であり、腰折れの発生が４割抑
制されている。この時の張力の設定範囲は、通常７〜８
ＭＰａ程度、最大でも１０ＭＰａ程度であり、通常の処
理ライン仕様で適用可能であった。
【００１９】なお、本実施形態では、拡縮ロール２を７
つ、セグメント５を４つとしているが、これに限らず、
例えば拡縮ロール２の幅を小さくして個数を増やすこと
で、プレッシャーロール１と鋼板９とをより一層密着さ
せることが可能である。そして、スリーブ４はゴムに限
らず、その他の弾性体材料で構成することができる。さ
らに、本発明は上記実施形態に限らず、冷間圧延された
鋼板にも適用可能である。又、クラウン可変の方法とし
て、プレッシャーロールにベンダー機能を有したものも
同様に効果を持つ。そして、上記の効果は酸洗ラインに
ついてのものであるが、熱延直後のコイルを扱うスキン
パスラインなどでも同様の効果が期待できる。
つ、セグメント５を４つとしているが、これに限らず、
例えば拡縮ロール２の幅を小さくして個数を増やすこと
で、プレッシャーロール１と鋼板９とをより一層密着さ
せることが可能である。そして、スリーブ４はゴムに限
らず、その他の弾性体材料で構成することができる。さ
らに、本発明は上記実施形態に限らず、冷間圧延された
鋼板にも適用可能である。又、クラウン可変の方法とし
て、プレッシャーロールにベンダー機能を有したものも
同様に効果を持つ。そして、上記の効果は酸洗ラインに
ついてのものであるが、熱延直後のコイルを扱うスキン
パスラインなどでも同様の効果が期待できる。
【００２０】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、クラウ
ン可変なプレッシャーロールを設け、プレッシャーロー
ルのクラウンを鋼板の平坦度に応じて変化させるので、
鋼板コイルの巻戻しのときに、板形状の悪い鋼板でも均
一に歪を付与することができ、通常のラインを用いて鋼
板の平坦度によらず腰折れの発生を防止することができ
る。
ン可変なプレッシャーロールを設け、プレッシャーロー
ルのクラウンを鋼板の平坦度に応じて変化させるので、
鋼板コイルの巻戻しのときに、板形状の悪い鋼板でも均
一に歪を付与することができ、通常のラインを用いて鋼
板の平坦度によらず腰折れの発生を防止することができ
る。
【図１】本発明の一実施形態におけるプレッシャーロー
ルの断面図である。
ルの断面図である。
【図２】上記プレッシャーロールを構成する拡縮ロール
の斜視図である。
の斜視図である。
【図３】上記プレッシャーロールを備えるコイル巻戻し
装置が配置された酸洗ラインの要部構成を示す概要図で
ある。
装置が配置された酸洗ラインの要部構成を示す概要図で
ある。
【図４】上記コイル巻戻し装置でのコイルの巻戻し状態
を示す正面図である。
を示す正面図である。
【図５】上記プレッシャーロールと平坦度の悪い鋼板と
の圧接状態を示す断面図である。
の圧接状態を示す断面図である。
【図６】上記プレッシャーロールを用いて平坦度の悪い
鋼板を巻戻したときの状態を示す斜視図である。
鋼板を巻戻したときの状態を示す斜視図である。
【図７】本発明法と従来法での腰折れ発生率の比較グラ
フである。
フである。
【図８】腰折れが発生したコイル巻戻し状態を示す斜視
図である。
図である。
【図９】従来のプレッシャーロールを使用する腰折れ防
止法を示す説明図である。
止法を示す説明図である。
【図１０】従来のプレッシャーロール使用時の巻戻状態
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図１１】（ａ）は従来のプレッシャーロールと耳波を
発生した板との圧接状態を示す断面図、（ｂ）は従来の
プレッシャーロールと中伸びを発生した板との圧接状態
を示す断面図である。
発生した板との圧接状態を示す断面図、（ｂ）は従来の
プレッシャーロールと中伸びを発生した板との圧接状態
を示す断面図である。
【図１２】従来のプレッシャーロールを平坦度の悪い板
に使用したときの巻戻状態を示す斜視図である。
に使用したときの巻戻状態を示す斜視図である。
１ プレッシャーロール ２ 拡縮ロール（ロール体） ３ ロール芯部 ４ スリーブ ７ 熱延コイル（鋼板コイル） ８ ペイオフリール ９ 鋼板
Claims (3)
- 【請求項１】 クラウン可変なプレッシャーロールを設
け、ペイオフリールに装着された鋼板コイルから繰り出
される鋼板に圧接させたプレッシャーロールのクラウン
を鋼板の平坦度に応じて変化させながら、鋼板の巻戻し
を行うことを特徴とするコイルの巻戻し方法。 - 【請求項２】 鋼板コイルを装着するペイオフリール
に、クラウン可変なプレッシャーロールが付設されてい
ることを特徴とするコイルの巻戻し装置。 - 【請求項３】 上記プレッシャーロールは、各々独立し
て径方向に拡縮可能な複数のロール体を軸方向に連ねた
ロール芯部と、このロール芯部の外周を覆う弾性体より
なるスリーブとを設けて成ることを特徴とする請求項２
に記載のコイルの巻戻し装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28096895A JPH09122752A (ja) | 1995-10-27 | 1995-10-27 | コイルの巻戻し方法及び巻戻し装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28096895A JPH09122752A (ja) | 1995-10-27 | 1995-10-27 | コイルの巻戻し方法及び巻戻し装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09122752A true JPH09122752A (ja) | 1997-05-13 |
Family
ID=17632410
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28096895A Pending JPH09122752A (ja) | 1995-10-27 | 1995-10-27 | コイルの巻戻し方法及び巻戻し装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09122752A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2002045876A1 (en) * | 2000-12-04 | 2002-06-13 | Alcan International Limited | Storage and transportation of aluminium strip |
| JP2019502562A (ja) * | 2016-09-27 | 2019-01-31 | ノベリス・インコーポレイテッドＮｏｖｅｌｉｓ Ｉｎｃ． | 圧延機上においてホットコイルを通すためのシステムおよび方法 |
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-
1995
- 1995-10-27 JP JP28096895A patent/JPH09122752A/ja active Pending
Cited By (14)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2002045876A1 (en) * | 2000-12-04 | 2002-06-13 | Alcan International Limited | Storage and transportation of aluminium strip |
| US7497402B2 (en) | 2000-12-04 | 2009-03-03 | Alcan International Limited | Storage and transportation of aluminium strip |
| JP2019502562A (ja) * | 2016-09-27 | 2019-01-31 | ノベリス・インコーポレイテッドＮｏｖｅｌｉｓ Ｉｎｃ． | 圧延機上においてホットコイルを通すためのシステムおよび方法 |
| US10370749B2 (en) | 2016-09-27 | 2019-08-06 | Novelis Inc. | Systems and methods for threading a hot coil on a mill |
| US10508328B2 (en) | 2016-09-27 | 2019-12-17 | Novelis Inc. | Rapid heating of sheet metal blanks for stamping |
| US10837090B2 (en) | 2016-09-27 | 2020-11-17 | Novelis Inc. | Magnetic levitation heating of metal with controlled surface quality |
| US10844467B2 (en) | 2016-09-27 | 2020-11-24 | Novelis Inc. | Compact continuous annealing solution heat treatment |
| US11072843B2 (en) | 2016-09-27 | 2021-07-27 | Novelis Inc. | Systems and methods for non-contact tensioning of a metal strip |
| US11242586B2 (en) | 2016-09-27 | 2022-02-08 | Novelis Inc. | Systems and methods for threading a hot coil on a mill |
| US11377721B2 (en) | 2016-09-27 | 2022-07-05 | Novelis Inc. | Systems and methods for threading a hot coil on a mill |
| US11479837B2 (en) | 2016-09-27 | 2022-10-25 | Novelis Inc. | Pre-ageing systems and methods using magnetic heating |
| US11499213B2 (en) | 2016-09-27 | 2022-11-15 | Novelis Inc. | Systems and methods for threading a hot coil on a mill |
| US11785678B2 (en) | 2016-09-27 | 2023-10-10 | Novelis Inc. | Rotating magnet heat induction |
| US11821066B2 (en) | 2016-09-27 | 2023-11-21 | Novelis Inc. | Systems and methods for non-contact tensioning of a metal strip |
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