JP3403272B2 - 鋼帯の巻き取り方法 - Google Patents

鋼帯の巻き取り方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明方法は、鋼帯巻き取り
方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】調質圧延後の鋼帯は、テンションリール
に所定量巻き取って鋼帯コイルとし、この鋼帯コイルを
テンションリールから抜き取り、次工程あるいは需要家
のめっき工程、成形工程等のプロセシングライン入側の
コイル巻き戻しリールに供給するものである。このよう
にテンションリールから鋼帯コイルを抜き取るため、上
記テンションリールの芯、すなわちマンドレルは直径を
拡大・縮小可能とし、拡大時に真円になるようにしてお
いて形状矯正後の鋼帯を所定量巻き取り、その後マンド
レル直径を縮小して、鋼帯コイルを抜き取るものであ
り、抜き取り後のコイル潰れ防止の観点および鋼帯に押
し疵等を付けない観点からマンドレル表面を可能な限り
真円に近い円筒状すると共に、鋼帯に強い巻き癖が付か
ないようにマンドレル直径は鋼帯が降伏しない条件とし
ている。さらに、テンションリールは鋼帯に張力を掛け
てコイル状に巻き取るためコイル内径部分に強い巻き締
まり力が掛かるので、マンドレルは変形ができるだけ少
なくなるよう設計・製作されている。 【0003】 【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、図3に
示すごとく調質圧延後の板厚0.15〜0.40mmの
例えば、缶用鋼帯1をテンションリール2に巻き取り鋼
帯コイル3にすると、巻き取り初期4(テンションリー
ルマンドレル径の設定穴径から、20〜50mm巻き厚
部、鋼帯長さでテンションリール巻き取り先端から50
〜200m長さ)の鋼帯1の幅方向両端部が鋼帯長手方
向に波を打つ(一般に耳波という)形状不良が発生し、
品質を著しく損ない、しかも歩留りも大幅に低下させる
等の課題がある。本発明方法は、このような課題を有利
に解決するためになされたものであり、耳波形状不良を
ほとんど発生しない、調質圧延後の鋼帯巻き取り方法を
提供することを目的とするものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、調質圧延後の
板厚0.15〜0.40mmの鋼帯をテンションリール
に巻き取るに際し、テンションリールへの鋼帯巻き取り
方向へ曲げロールにより曲げを施し、鋼帯のテンション
リール側表層部を塑性変形せしめて鋼帯の圧縮残留応力
を低減し、次いでその下流側において前記曲げロールよ
りも大径の反り防止ロールにより逆方向に曲げて板反り
防止を施したうえ、テンションリールに巻き取ることを
特徴とするものである。 【0005】 【発明の実施の形態】一般に、飲料缶等に用いる0.1
5〜0.4mmの例えば、缶用鋼帯を処理するめっき設
備、コイル準備設備、形状矯正を施すテンションレベラ
設備などの鋼帯の処理ラインにおいては、通板用ロール
およびテンションリールの直径は、当該ラインを通板す
る鋼帯に、これらのロール類での曲げ変形により塑性変
形することのないように、降伏曲率よりも大径ロールと
している。式で記述すると曲率係数βを、板厚h、弾性
係数E、ロール類の直径D、鋼帯の降伏応力をYを用い
て, β= hE/DY (1) と定義したとき, β≦1としており、特に缶用鋼帯等の
薄鋼帯の場合は、ほとんど板厚と鋼帯材質に基づき、β
≦0.5となるような大径ロール径を設定するのが一般
的である。 【0006】ところが、本発明者等が解析した結果によ
ると、前記のごとき鋼帯の形状不良が発生する原因は、
塑性変形しないようにしているはずのテンションリール
への巻き取りに際して、巻き取りによる巻き締まり力と
鋼帯内部の残留応力が加わるため鋼帯が塑性変形するこ
とに起因していることが判明した。また、鋼帯コイルの
巻き締まり力、鋼帯の残留応力等を考慮していなかった
め、テンションリールでの鋼帯の変形が解析できていな
かったことも判明した。形状矯正後の鋼帯をテンション
リールに巻き取って行く場合、巻き取り初期の鋼帯に
は、巻き取り張力に等しい引張応力がかかっているが、
巻き数が増えていくにつれて、コイル外周部からの巻き
締まり力により、巻き取り初期の鋼帯は強く圧縮される
ようになり、鋼帯が巻きつくテンションリールマンドレ
ルは弾性変形で縮んで直径が小さくなり、それにつれ
て、巻き取り初期の鋼帯に圧縮ひずみが加わることにな
る。つまり、巻き取り初期の鋼帯は鋼帯長手方向の圧縮
曲げの変形状態となる。この圧縮ひずみが鋼帯の降伏ひ
ずみ(弾性限界ひずみ)を越えると鋼帯が塑性変形し
て、鋼帯の長さが僅かに短くなることになる。 【0007】しかしながら一般に鋼帯には、鋼帯幅方向
に板クラウン(鋼帯幅方向の中央部が若干厚く、両端部
が若干薄い)が形成されており、テンションリールへの
巻き取りに際し、鋼帯幅方向中央部で巻き取り初期に圧
縮する力が大きいため、この圧縮ひずみも幅方向中央部
の方が大きくなり、幅方向中央部の鋼帯長さが短くなる
ことになる。また、たとえ板クラウンの無い幅方向に均
一な板厚の鋼帯をテンションリールに巻き付け、均一な
圧縮力がマンドレルに掛かっても、材料力学の理論から
は端部よりも板幅方向中央部のマンドレルの変形の方が
大きくなることが導かれる。つまり、テンションリール
に巻き取ったコイルにおいて、巻き締まり力でコイル内
径部が変形するとき、鋼帯の幅中央部が短くなる傾向と
なる。すなわち、鋼帯にとっては幅方向中央部の長さが
短くなっており、コイルを巻き戻して鋼帯の拘束を取り
除くと相対的に鋼帯端部が長くなった形状となる。つま
り、これが耳波の形状不良として現れることになる。 【0008】更に、本発明者等は鋼帯のテンションリー
ル巻き取りにおける鋼帯の変形状態を力学的に検討した
ところ、テンションリール直径をDr(mm)、巻き取
りで生ずるリールマンドレル直径の縮小量をΔD1とす
ると、リールマンドレル変形によって生ずるコイル内径
付近の鋼帯の圧縮のひずみ量εc1は、直径がほぼDr
なので、 εc1= ΔD1/Dr (2) となる。(ここでは、圧縮応力、圧縮ひずみの符号を正
と定義する。) 続いて、この巻き取った鋼帯コイルをテンションリール
から取り外すため、マンドレルを縮小すると、いままで
コイル外周部からの巻き締まり力を支えていたマンドレ
ルの抵抗がなくなるのでコイル内径部の付近の鋼帯は圧
縮されて更に直径でΔD2分だけ縮む。内径部付近の直
径はほぼDrと見なせるので、その時の圧縮ひずみΔε
2は、 εc2= ΔD2/Dr (3) となる。この圧縮ひずみの合計εc1+εc2は幅方向中央
部が大きく, 板端部では幅中央部の数分の1という測定
結果が得られた。テンションリールに巻きついた鋼帯の
中で巻き取り初期の鋼帯の曲げひずみεbは、板厚hと
リール直径Drにより、 εb=h/Dr (4) と求められ、鋼帯のリール側表層部は圧縮ひずみ、反対
側表層部に引張ひずみが加わる。このひずみは鋼帯幅方
向でほとんど一定である.一方、形状矯正を施した薄鋼
帯の長手方向残留応力の板厚位置での分布を詳細に測定
した結果では、鋼帯の表層部に圧縮の残留応力があり、
鋼帯厚中心部には引張の残留応力がある。この鋼帯表層
部の圧縮の残留応力をσs(ここでは圧縮応力の符号を
正と定義した)とすると、この残留応力σsによる鋼帯
表層の残留ひずみεsは、弾性係数Eを用いて、 εs= σs/E (5) と表すことができる。したがって、巻き取られた鋼帯の
リール側表層部に導入されるひずみの合計は、 εc1
+εc2+εb+εs となる。鋼帯の降伏ひずみεe
は鋼帯の降伏応力Yと弾性係数Eにより、 εe= Y/E (6) 求まるので、このεeよりも鋼帯巻き取り初期の鋼帯に
加わる各種の圧縮ひずみの合計の方が大きいと鋼帯は塑
性変形し、永久ひずみεp(鋼帯は長手方向に短くな
る)が次の式のように残ることになる。 εp=(εc1+εc2+εb+εs)−εe (7) 本発明方法により解決しようとしている鋼帯巻き取り時
のコイル内径部の形状不良は、(7)式において、εp
>0の条件となり、しかも、鋼帯の幅方向中央部が大き
く、鋼帯幅方向端部が小さいために耳波として形状に現
れるものである。 【0009】テンションリールに巻き取った鋼帯の初期
鋼帯にのみ形状不良が発生するのは、巻き取り初期に巻
かれた鋼帯自体が、コイル潰れ防止にしばしば用いられ
るスリーブの役目をして外径部からの巻き締まり力に対
抗するため鋼帯コイルの外周側では、上記(2)(3)
式の圧縮ひずみの合計が小さくなることと、(4)式の
曲げひずみも鋼帯の板厚と曲げ直径の比なので、鋼帯コ
イルの外径側で巻き太って直径が大になるにつれて小さ
くなり、(7)式においてεp≦0の条件、すなわち弾
性変形領域に入り易くなるためである。また、実際に
は、たとえ永久ひずみがあっても、それが小さい場合
は、形状不良として鋼帯に現れないのでコイルに巻かれ
た鋼帯の外周まで形状不良になることは稀である。
(4)式の曲げひずみは、鋼帯厚hに比例して大きくな
るので、厚物ほど塑性変形域に入り易くなり、厚物の方
が形状不良に成り易いと一見考えられる。しかし、鋼帯
厚さが0.8mm程度の例えば自動車用途等の鋼帯でコ
イル内周部の形状不良が問題とならず、厚さの小さい
0.15〜0.4mm厚の缶用鋼帯等に形状不良で問題
となるのは、厚物になると同じ重量のコイルを同一の単
位面積当たりの張力で巻いても、巻き数がすくないため
コイルの巻き締まり圧縮力が小さくなることと、鋼帯内
のひずみ差が等しいとしても、厚物ほど座屈応力が大き
いため、耳波発生による形状不良が顕在化しにくくなる
ためである。 【0010】したがって、巻き取りで発生する塑性ひず
みを表す(7)式より、形状不良を起こさなくするため
には、εp≦0 として、鋼帯の全幅、全長にわたって
全体を弾性変形域に止めるか、εp>0の塑性曲げ変形
条件であっても、幅方向で均一のひずみにすれば、塑性
曲げで巻き癖がついて板反りは発生しても鋼帯長さ変化
の幅方向の差がなく、耳波の発生する形状不良とはなら
ないことになる。εp≦0の条件は、降伏応力の大きい
鋼帯、つまり硬くて変形しにくい鋼帯を選べば、(6)
式のようにεeが大きくなり、容易に達成できるように
なるが、降伏応力は需要家の鋼帯仕様で決まっており製
造者側で勝手に変更することができない。また、(2)
式の圧縮ひずみεc1を小さくするために、巻き取り張
力による巻き締まり力に耐える強固な剛性を持ったテン
ションリールに巻き取る方法も考えられるが、実際には
巻き取った鋼帯コイルをテンションリールから抜き取る
際にリール径を縮小すると、鋼帯の剛性だけでは巻き締
まり力に耐えきれず、結局、(3)式に示したリール抜
き取りによる圧縮ひずみεc2が、それほど強固でない
リールのときよりも大きくなる。つまり、εc1+εc
2としてはあまり変わらなくなり、有効性はかなり減少
する。さらに、薄鋼帯で発生しやすいコイル潰れを防止
するために用いる内径スリーブ(通常の製造工程では、
板厚2〜5mmの鋼製の円筒、もしくは厚さ10〜20
mmの紙製円筒等が用いられる)を剛性の高い強固なス
リーブ、例えば、厚さ30mm程度の鋼製スリーブに
し、このスリーブを抜き取ることなく、コイルを巻き戻
すならば、εc1、εc2共ほとんど0にできるので耳
波は防止できるが、このようなスリーブは余りにも重
く、特別な設備を備えない限りコイルやスリーブのハン
ドリングがほとんどできない等の難点がある。 【0011】しかして、本発明方法においては、上記
(7)式において、εp≦0の条件を満たすために、
(4)式の鋼帯表層の圧縮の残留応力σsを軽減する方
法を見い出したものである。形状矯正後の鋼帯で、巻き
取りまでの何処かでテンションリールの巻き取り初期
(従来技術の通常の巻取り条件では形状不良の発生する
鋼帯部分、鋼帯の板厚、幅、巻取り張力などで異なるが
概ね、20〜50mm巻き厚部、鋼帯長さで巻取り先端か
ら200m程度までの範囲)に相当する長さの鋼帯を、
テンションリールへ巻き取る方向に曲げて、形状矯正に
より発生している表層の圧縮残留応力を軽減して鋼帯の
巻き取りに伴う耳波の形状不良を防止するものである。
即ち、このように鋼帯をテンションリールへ巻取る方向
に曲げることで、形状矯正で発生した圧縮残留応力の高
い表層部分が、優先的に塑性変形するため、リール側表
層の圧縮の残留応力を軽減する。 【0012】このように形状矯正後の鋼帯がもっている
鋼帯表層の圧縮残留応力を軽減、除去するためには、通
常の0.15〜0.4mm厚の鋼帯の処理ラインで用い
られているロール径200〜400mmのロールよりも
小径の曲げロールが必要となる。鋼帯の板厚、降伏応力
によって最適ロール径は変化するがおおむね直径100
〜200mm未満の曲げロールを用いて、鋼帯に積極的
な塑性曲げを付与する。この曲げは、テンションリール
側への塑性曲げ変形を与えることが必要である。鋼帯に
降伏曲げを与えることができるかどうかの判定条件は、
残留応力のある鋼帯の塑性曲げ条件として(1)式にお
いて、降伏応力がみかけ上残留応力分低下したとして計
算できるので、Y−σsとおいて、 hE/D(Y−σs)>1 (8) が降伏条件となる。(1)式で定義した曲率係数βで
(8)式を書き直すと、 β(= hE/DY)>1.0−(σs/Y) (9) が、本発明の効果を得るために必要な条件式となる。形
状矯正による鋼帯表層の圧縮残留応力は降伏応力の50
%程度となる場合が多いことが、本発明者等の知見であ
り、σs= 0.5Yとおいて、β>0.5の条件が曲げ
ロールにより鋼帯表層が塑性変形する条件となる。本発
明方法では、塑性曲げを与えると同じ方向への曲げに対
して塑性変形しにくくなる(残留応力が軽減される)。
この(9)式の条件の曲げロールでは鋼帯の全幅に塑性
変形を与えることができるので、最終的にテンションリ
ールに巻き取った時に、鋼帯幅方向で塑性変形量が変化
して発生する耳波の形状不良が防止するものである。こ
の曲げは、塑性変形さえ与えれば原理的には効果がある
が、あまり曲げが強いとその曲げによる反りが大きくな
り、反りの害が現れはじめると共に、新たな残留応力が
鋼帯に発生するので好ましくない。(1)式の曲率係数
βで表すとβ<2程度までが望ましい範囲となる。以上
のごとく、形状不良防止用の曲げロールの範囲として
は、β= hE/DYなので、 0.5<(hE/DY)<2 (10) が望ましい範囲となる。鋼帯の場合には一般にE=20
6GPaである。ここでロール径Dは、鋼帯の巻き付き
角度が大きく、例えば45度以上のときはロール径その
ものとしてよいが、巻き付き角度が小さくなると鋼帯は
ロール直径より大きな直径にしか曲がらなくなるので、
そのときは鋼帯の実曲率κを求めてD=2/κとして計
算する。 【0013】上記のごとく、鋼帯の圧縮残留応力を軽減
する曲げロールによる曲げは、形状不良の現れるテンシ
ョンリールの鋼帯巻き取り初期(巻き厚 20〜50m
m、鋼帯長さで巻取り先端から50〜200m長さ)に
施せばよいが、鋼帯巻取り中に曲げロールの位置調整が
困難等の場合は、鋼帯巻き取り完了まで全長にわたって
曲げを施しても差し支えない。すなわち、少なくとも鋼
帯巻き取り初期の鋼帯についての圧縮残留応力は軽減し
つつテンションリールに巻き取るものである。曲げロー
ルの位置調整が自由にできる機構を備える場合は、鋼帯
が厚いときには曲げロールの巻き付き角度を減す方法
で、また、鋼帯が薄いときには、巻き付き角度を大きく
する方法で実質的なロール曲率κを変化させて、曲率係
数βの板厚による最適条件の変化に追従させることもで
きる。 【0014】このように鋼帯をテンションリール巻き取
り方向へ曲げて塑性変形をさせるため、鋼帯にはテンシ
ョンリール巻取り方向への板反りが発生し、次工程にお
いて鋼帯を巻き戻したり、シートに剪断した場合に、次
工程設備で通板に支障をきたすことがあり、このような
板反りを防止するために、テンションリール巻き取り方
向の曲げ方向と、逆方向に曲げる板反り防止を施すこと
により、板反りを防止することができる。この板反りを
防止するための曲げを施す板反り防止ロールを、曲げロ
ールとテンションリールの間、すなわち曲げロールの下
流側に備える場合は、曲げロールより大径が望ましく、
曲げロール直径の1.0超〜1.5倍のロール径とする
ことが望ましい。このような、反り防止ロールと曲げロ
ールは、形状矯正後、上記のごとき条件を満たせば、形
状矯正からテンションリールまでの何処に設置しても有
効である。このような反り防止ロールは、巻き付き角度
を調整可能とする。すなわち、鋼帯パスラインへの反り
防止ロールの押し込み量が制御できるように位置調整機
能を持たせるようにしておけば、この反り防止はさらに
容易に達成できる。 【0015】次に、本発明方法を図面によって説明す
る。図1において、調質圧延後の鋼帯1を通板用のロー
ル5、6、7を介してテンションリール2へコイル3と
して巻き取るに際し、曲げロール8により少なくとも巻
き取り初期4の鋼帯1をテンションリール2巻き取り方
向へ曲げることによって、形状不良を防止するものであ
る。 【0016】図2において、調質圧延後の鋼帯1を通板
用のロール5、7を介してテンションリール2へコイル
3として巻き取るに際し、曲げロール8により少なくと
も巻き取り初期4の鋼帯1をテンションリール2巻き取
り方向へ曲げ、鋼帯1のテンションリール2側表層部を
塑性変形せしめて圧縮残留応力を低減し、次いでテンシ
ョンリール2巻き取り方向へ曲げ位置より下流側で、鋼
帯1の板反りを防止するため反り防止ロール9にて、鋼
帯1をテンションリール2巻き取り方向への曲げとは
方向へ曲げ反り矯正を施した後、テンションリール2へ
巻き取る。 【0017】次に本発明方法の実施例を比較例とともに
挙げる。 【表1】 【表2】【表3】 注1:鋼帯成分重量% 、C :0.04〜0.12、Mn:0.30 〜0.
45、Si:0.005、P:0.015〜0.025 、S :0.010〜0.020 、S
ol.Al:0.01 、Ti: 痕跡、 Nb:痕跡、残りFe及び不純物
からなる鋼帯厚 0 8 〜0.32mm、鋼帯幅 900mmの冷延
鋼帯を、缶用鋼帯の原板としてテンパー度 T4 〜 T5 に
なるように焼鈍し、続いて圧下率 1.5〜2.0 %の調質圧
延を施した。次いで、テンションリールへの巻取りは、
2000〜3500巻きで、約15tコイルとした。 注2:鋼帯形状矯正でSPと表記したものは、調質圧延
後に巻取った鋼帯を示した。調質圧延後、テンションレ
ベラにて形状矯正を施した鋼帯はTLと表記した。 注3:鋼帯のテンションリールへの巻取り方向の曲げ
は、鋼帯の巻取り初期から巻取り完了まで施した。 注4:板反り防止の曲げは、鋼帯をテンションリールへ
の巻取り方向の曲げと、逆方向に曲げた。実施例4、5
以外の板反り防止の曲げは、鋼帯のテンションリールへ
の巻取り方向位置の下流側で施した。実施例4は、板反
り防止の曲げを実施せず、実施例5では、鋼帯のテンシ
ョンリールへの巻取り方向位置の上流側で実施した。 注5:鋼帯の反りは、テンションリールへの鋼帯巻き取
り初期(巻き取り先端から150m)の鋼帯を1m長さ
毎に切り出し、鋼帯幅方向端の中央部を持って空中にぶ
ら下げたときの鋼帯たわみ量をmmで表し、10mm以下
のたわみを板反り無し、10〜30mmを板反り小、30
〜60mmを板反り中、それ以上を板反り大と表記した。
板反り中より大きい反りは、鋼帯使用時に問題を生ずる
場合が多い。 注6:鋼帯耳波の評価は、鋼帯を1m毎に切り出して、
水平な定盤上においたとき、鋼帯端の波高さ 1.5m
m未満の耳波発生を小、1.5〜3.0mmの波高さを
中、3.0〜4.5mmの波高さを大、4.5mm超を
特大とした。耳波小にできればほとんどの用途で合格と
なる。耳波中の場合は厳しい用途には不合格となり、耳
波大では全ての用途で不合格となる。 【0018】 【発明の効果】本発明法によれば、調質圧延後の鋼帯巻
き取り時に発生する、巻き取り初期の鋼帯両端部の耳波
を確実に防止することができ、鋼帯の品質を向上せしめ
ると共に、歩留りも高めることができ、さらに、形状不
良部を切り捨てるための余計な工程も不要となる。ま
た、曲げロールを追加するか、既存の通板ロールの径を
変更する程度の設備の追加、改造ですむので、低コスト
で鋼帯両端部の耳波を防止することができる。更に、ロ
ール条件を一度設計しておけば、本発明方法はよけいな
制御を必要としないので、従前の高い生産性を維持しつ
つ、品質を向上することができる等優れた効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明方法の一例を示すフロー図である。 【図2】本発明方法の一例を示すフロー図である。 【図3】テンションリールへの鋼帯巻き取り状況を示す
側面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−224424(JP,A) 実開 昭57−16216(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21C 45/00 - 49/00 B21D 1/00 - 1/14 B21D 5/14

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 調質圧延後の板厚0.15〜0.40m
    mの鋼帯をテンションリールに巻き取るに際し、テンシ
    ョンリールへの鋼帯巻き取り方向へ曲げロールにより
    げを施し、鋼帯のテンションリール側表層部を塑性変形
    せしめて鋼帯の圧縮残留応力を低減し、次いでその下流
    側において前記曲げロールよりも大径の反り防止ロール
    により逆方向に曲げて板反り防止を施したうえ、テンシ
    ョンリールに巻き取ることを特徴とする鋼帯の巻き取り
    方法。
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