JP3221790B2 - 鋼板の圧延方法および圧延装置 - Google Patents

鋼板の圧延方法および圧延装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱間圧延時に発生する
表面疵が少ない鋼板の製造方法、即ち鋼板の熱間圧延に
際して発生する表面疵を、圧延時の圧下率の幅方向分布
を変更することにより、減少させる圧延方法および圧延
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱間圧延された鋼板のエッジ部
には表面疵が発生し易く、とりわけ熱間圧延時の微小割
れに起因するヘゲ疵と称される表面欠陥は、割れ発生後
に生成するスケールが圧延により内部に食い込み、酸洗
工程で除去されずに冷間圧延工程に供せられると圧延方
向に長い線状の欠陥となり、歩留まり低下が特に大き
い。
【0003】従って、従来より熱間圧延時の表面疵を少
なくするため様々な技術が多く考案されてきている。被
圧延材の成分系を規定する方法として、例えばオーステ
ナイト系ステンレス鋼に関する特開昭57−16153
号公報や、Mn、Sを含む鋼に関する特開平3−294
001号公報等が開示されているが、これらは成分系に
対する自由度を制限するものであり、一般性を有するも
のではない。
【0004】また、特公昭55−50723号公報、特
開平2−15806号公報等ではスラブの表面欠陥(ピ
ンホール)を手入れ除去してヘゲ疵発生を無くする技術
が開示されている。しかしこの技術では手入れ除去の工
程が不可欠であり、かつこれが十分でない場合には割れ
の起点となるスラブ表面欠陥が残存することになり、熱
間圧延後に微小な割れを生じさせてしまう。
【0005】疵発生をスラブ形状で少なくする技術とし
て、特開昭58−138502号公報および特開平3−
207551号公報が挙げられる。両者ともスラブ短辺
中央部を窪ませ、短片近傍(直近)の幅広がり(幅方向
メタルフロー)を抑えることによりステンレス鋼のエッ
ジシーム疵を低減させる技術を開示している。しかしな
がら、スラブ短片C断面(鋳造方向に直交する断面)形
状変更の効果が現れるのはエッジ直近に限られるもので
あり、熱間圧延時の表面の微小割れが比較的広範囲に生
じるような場合には対応できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は熱間圧延時に
発生する微小割れを防止するに当たり、被圧延材の成分
に関する制約や、特段の工程負荷の増大を来すことなく
表面疵発生を防止した鋼板を得ることができる圧延方法
とその装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、スラブを熱間圧延する際の圧下率の幅方向
分布を規定することで圧延中にスラブ内部に発生する圧
延方向応力状態を調整し、割れの原因であるエッジ近傍
の張力発生を抑えることにより微小割れを防止すること
を特徴とする。その要旨とするところは、図1に示すよ
うに、スラブを熱間圧延するに際し、該スラブのエッジ
部、つまり幅方向において両端から該スラブ幅の1/6
の区間の圧下率がエッジ部端に向かうに従って増加し、
幅中央部、つまりエッジ部より幅中央寄りの区間の圧下
率が幅方向に一定であり、前記エッジ部の平均圧下率r
e が前記幅中央部の圧下率r c より大きく、かつエッジ部
の微小割れを抑制する大きさであることである。更に
は、該スラブのエッジ部の平均圧下率re を、幅中央部
圧下率c に比べ1.05〜1.4倍となるよう圧延
すること、あるいはまた、該スラブのエッジ部の平均圧
下率re を、幅中央部の圧下率c との関係が下記
(1)式となるよう圧延することである。 (re −rc )/(1−re )=β×rc k (1) ここで、βは正の定数、kは1.5〜2.0の定数。
【0008】また、図2(a)に示すように、圧延ロー
ルがスラブの幅方向の両端から該スラブ幅の1/6の区
間(以下エッジ部と称する)を圧下する部分と、前記エ
ッジ部より幅中央寄りの区間(以下幅中央部と称する)
を圧下する部分とからなり、前記エッジ部を圧下する部
分のロール半径はエッジ部端に向かうに従って大きく、
前記中央部を圧下する部分のロール半径は一定であり、
エッジ部を圧下する部分のロール半径はエッジ部の平均
圧下率r e が前記幅中央部の圧下率r c より大きく、かつ
前記エッジ部の微小割れを抑制する大きさである圧延装
置、もしくは同図(b)に示すような、圧延ロールが
ラブの幅方向の両端から該スラブ幅の1/6位置に相当
するロール軸方向位置で分割され、スラブ両端側の区間
(以下エッジ部と称する)を圧下するエッジ部圧延ロー
ルと前記エッジ部より中央寄りの区間(以下幅中央部と
称する)を圧下する幅中央部圧延ロールとからなり、前
記エッジ部圧延ロールおよび幅中央部圧延ロールの両端
にそれぞれスクリュウおよび/もしくは油圧シリンダ
らなる圧下位置調整機構を有し、圧下位置調整機構がエ
ッジ部圧延ロールの圧下率がエッジ部端に向かうに従っ
て増加し、前記幅中央部の圧下率がスラブ幅方向に一定
であり、前記エッジ部圧延ロールによる平均圧下率r e
が前記幅中央部圧延ロールによる圧下率r c より大き
く、かつエッジ部の微小割れを抑制する大きさに設定さ
れている圧延装置である。
【0009】ここで圧下率とは幅方向の任意の位置にお
ける減厚量を当該位置における圧延機入側厚さで除した
ものであり、平均圧下率とは所定の区間内での圧下率の
平均値である。平均圧下率については、所定の区間内の
平均減厚量を圧延機入側の平均厚さで除したもので近似
してもよい。
【0010】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。本発明者らは
熱間圧延時に発生する疵の形態・頻度と圧下率の幅方向
分布との関係について綿密に調査し、本発明を完成した
ものである。
【0011】まず、本発明者らはスラブの熱間圧延疵発
生状況を綿密に調査した。その結果、図3に示すよう
に、発生する疵はすべてC方向割れ(圧延方向に直角方
向の割れ)であり、かつその発生頻度はスラブエッジに
近くなるほど高くなることが判った。また、そのサイズ
はC方向に0.1〜2mm程度で深さ0.1mm程度の微小
な割れで粗熱延の第1パス後に集中して現れ、その後の
熱延や冷延等の圧延工程によりL方向(圧延方向)に伸
張され、最終製品板で表面品位を致命的に劣化させるヘ
ゲ疵等になることを確認した。
【0012】本発明者らは上記実験事実、特に微小割れ
はすべてC方向に割れることに注目し、圧延時にスラブ
内部に発生する圧延方向の張力が割れ発生、即ち製品の
表面疵発生の主因であると推定した。この圧延方向張力
の発生は、スラブ幅中央近傍の材料とエッジ近傍の材料
の圧延方向のメタルフローの差で大略説明できる。即
ち、スラブエッジ近傍では圧延時に容易に幅広がりが生
じ、圧延方向へのメタルフロー量が幅中央近傍に比較し
て小さくなり、エッジ近傍の材料が幅中央近傍の材料に
より相対的に引き伸ばされるため、エッジ近傍に圧延方
向の張力が発生する。
【0013】しかしながら、このような定性的な解釈で
は、疵発生機構の詳細な検討および本発明のような疵発
生防止策の発案は成し得ない。そこで本発明者らは、三
次元剛塑性有限要素法によりこの圧延方向応力の解析を
行い、以下の知見を得た。
【0014】圧延中にスラブ内部に発生する圧延方向応
力(引張を正)は、図4に示すように、幅方向にほぼ放
物線状に分布し、幅中央からエッジに向かって圧縮から
引張に変化する。張力が発生する領域はエッジから約1
/6幅の区間であり、エッジ直近で最大となる。また、
いわゆるスラブのサイズ(板厚/板幅≧約0.1)であ
ればこの傾向は変わらない。これら知見の内、張力発生
域の幅については以下のように理解される。スラブの単
スタンド圧延では圧延方向応力の幅方向の総和はゼロで
あり、即ち圧延方向応力の幅方向平均値はゼロとなる。
ここで、圧延方向応力の分布を放物線(2次曲線)とす
れば、平均値を与える幅方向位置は幅中央から1/(2
×31/2 )幅、即ちエッジから(3−31/2 )/6=
1.268/6幅の点であり、上述したエッジから約1
/6幅の区間で張力が発生するとの結果が理解される。
【0015】この圧延方向応力分布は図3の疵発生状況
と良く対応するものであり、圧延方向に高い張力が生じ
た部位に疵(割れ)が集中して発生することを示してい
る。このことは、圧延中にエッジ近傍に生じるスラブ内
部の圧延方向の張力を減じさせ得れば、本質的に疵発生
を抑えることが可能なことを意味している。
【0016】圧延方向応力の幅方向分布は、前述したよ
うにマクロ的には幅方向メタルフローに伴う幅中央近傍
とエッジ近傍での圧延方向延伸の差(以下延伸差と略
す)で理解し得るものであり、言い換えれば、エッジ近
傍の圧下率を大きくするような圧下率の幅方向分布を与
えれば、エッジ近傍に生じる張力を低減させ得るものと
考えられる。しかしながら、どのような圧下率分布とす
れば張力発生を効果的に抑えられるかについては明らか
ではない。
【0017】そこで本発明者らは前述した三次元有限要
素法により、この圧下率分布の検討を行った。その結
果、図5の破線に示すように、圧下率を大きくする範囲
を必要以上に広くすると、エッジ近傍の張力は低下する
反面その反作用、即ち前述したように圧延方向応力の幅
方向の総和がゼロとなるべくエッジ近傍での張力低下と
同量の幅中央近傍での張力増加が生じることとなり、幅
中央寄りの張力増大が顕著になり、幅中央での割れ発生
が懸念されるため、圧下率を大きくする範囲としては、
同図中の一点鎖線に示すように、エッジからスラブ幅の
1/6までの区間、即ち本発明で定義したエッジ部が適
当であることが先ず判明した。
【0018】更に、図6に示すように、張力低減の効果
はエッジ部の圧下率増加のパターン(図6中、一点鎖線
は直線型、破線は飽和型、点線は加速型)にはそれほど
依存せず、エッジ部の平均圧下率(図6では何れの線種
もエッジ部平均圧下率re は0.07)でほぼ決まる。
また、エッジ部の平均圧下率re とこれより幅中央寄り
の区間、即ち幅中央部の圧下率c の比α(=re /r
c 、以下圧下率比と略す)と、スラブ内部に生じる張力
分布の関係を求めた図7〜図11から判るように、エッ
ジ部の平均圧下率が幅中央部の圧下率に比べ、概ね1.
05〜1.4倍の範囲であれば幅中央部に顕著な張力増
加を来さずにエッジ部の張力を低減できることを知見し
た。エッジ部平均圧下率の設定範囲については、幅中央
部の圧下率に比べ1.05倍未満ではエッジ部の張力低
減による微小割れ発生防止効果が十分でなく、また1.
4倍超では幅中央部の張力が増加し、幅中央部での微小
割れ発生が問題となるため、上記範囲とすることが好ま
しい。
【0019】上述したように、圧下率比αを1.0超、
好ましくは1.05〜1.4の範囲に設定することで、
微小割れ発生を抑えることができる。しかしながら、通
常は同一厚さのスラブから異なる板厚の製品を作り分け
る場合が多く、圧下スケジュール、特に圧下率(幅全体
の平均圧下率または幅中央部圧下率c )を大きく変更
させる場合により好適に対応するためには、その変更に
応じて圧下率比αを適切に選択することが好ましい。図
8、図9、図10、図11に種々の幅中央部圧下率c
に対して圧下率比αを変化させた場合の圧延方向張力分
布を示したが、幅中央部圧下率r c のレベルに応じて圧
下率比αを適当に選択することにより、スラブ幅のほぼ
全域で張力を生じさせない、即ち最適な張力分布を得る
ことができる。前述したように、圧延方向応力の幅方向
分布は、本質的には幅方向メタルフローに伴うエッジ部
の圧延方向延伸(以下、延伸と略す)λe (=1/(1
−re ))と幅中央部の延伸λc (=1/(1−
c ))の差(以下、延伸差と略す)で理解されるもの
である。そこで、延伸差の程度を表す指標として(2)
式に示す延伸差率γを定義し、図8〜図11より、各図
に示した幅中央部圧下率r c と各図中のスラブ幅のほぼ
全域で張力を生じさせない圧下率比α(図8の場合α=
1.10、図9の場合α=1.13、図10の場合α=
1.16、および図11の場合α=1.17)から
(2)式で定義した延伸差率γを算出し、該延伸 差率γ
の算出値と幅中央圧下率r c の関係を整理した。その結
果、図12に示すように、該延伸差率γは幅中央部圧下
率r c の累乗で近似でき最小自乗近似により累乗数を求
めたところ、幅中央部圧下率r c に若干依存するものの
累乗数は1.5から2.0の範囲にあることが判明し
た。 γ=(λe −λc )/λc ={(1− c )/(1−re )}−1 =(re −rc )/(1−re =(α−1)/(1/r c −α)(2)
【0020】同図より、延伸差率γと幅中央部圧下率
c との間には、下記(3)式の関係が成り立ち、所定の
圧下スケジュール定められた幅中央部圧下率r c から同
式に基づいてエッジ部平均圧下率re 算出・設定し、
圧延すれば、圧下スケジュールによらず、スラブ幅のほ
ぼ全域にわたって引張力を発生させない、即ち製品疵の
起点となる微小割れ発生を最も少なく抑えることが可能
なことを知見した。 γ=(re −rc )/(1−re )=β×rc k (3) 上式中のβは、圧下率以外の圧延条件、例えば圧延ロー
ル径、圧延前のスラブ厚、スラブ幅、鋼種等によって定
まる正の定数である。また累乗数kは1.5〜2.0の
定数(図12中、実線はk=2.0、破線はk=1.5
の曲線を表す)であり、圧下率rc の変更範囲内で一定
値を用いてもよいし、該圧下率変更範囲を区間分割し、
各区間毎に数値を変更してもよい。
【0021】本発明を実施するための圧延装置として
は、即ち、スラブの熱間圧延時の圧下率分布をエッジ部
で大きく、幅中央部で小さく設定する圧延装置として
は、下記が考えられる。
【0022】まず、図2(a)に示すような、スラブエ
ッジ部を減厚する区間におけるロール半径が幅中央部を
減厚する区間におけるロール半径より大きいロールを用
いる圧延装置である。ロール半径の設定は、例えば、幅
中央部を減厚する区間については通常用いる半径とし、
エッジ部を減厚する区間については、所望の圧下率分布
から幅中央部圧下率を差し引いた値(分布)にスラブ厚
/2を乗じたものをロール半径の分布とすればよい。ま
た、圧下スケジュールに応じてエッジ部圧下率と幅中央
部圧下率の関係を変更しなければならない場合には、エ
ッジ部圧下率と幅中央部圧下率を任意かつ独立に設定可
能にすればよい。例えば、同図(b)に示すように、圧
延ロールを被圧延スラブの両端から該スラブ幅の1/6
位置に相当するロール軸方向位置で分割した圧延ロール
とし、各々の分割ロール両端に設置した圧下スクリュウ
および/もしくは油圧シリンダにより、エッジ部の上下
ロール間隙が幅中央部よりも小さくなるように圧下位置
調整可能とした圧延装置である。分割ロールの圧下位置
調整量については、所望の圧下率分布と、スラブ厚さに
従って決定されることは言うまでもない。
【0023】即ち、本発明の圧延方法および圧延装置に
よれば、製品疵の起点となる圧延中のスラブの表面割れ
発生に直接関係する圧延方向応力(張力)を効果的に低
減可能なことがわかる。本発明では、スラブ幅中央部か
らスラブ最エッジまでの圧下率分布の形状については特
に規定しないが、不連続な圧下率分布とした場合は不連
続点近傍に付加的せん断変形が集中して生じ、これに起
因した欠陥の発生が懸念されるため、滑らかな圧下率分
布とすることが望ましい。
【0024】スラブの熱間圧延時の圧下率分布をエッジ
部で大きく、幅中央部で小さく設定する他の手段として
は、通常のロールを用いた水平圧延(厚み圧下圧延)パ
スの前に、所定の圧下率分布を実現するに必要な厚さ分
布を求め、竪ロールを用いたエッジング圧延によりこの
スラブ厚さ分布を形成する方法がある。
【0025】以下、実施例に即して詳細に説明する。
【実施例】表1に示した成分のステンレス鋼を転炉にて
溶製し、厚みが165mmで幅が1250mmのスラブを鋳
造した。圧延に際しては、図13に示す2種類の圧下率
分布(一様分布および本発明による分布)を与えるため
に、半径600mmのフラット型ロールと、ロール胴幅中
央から±410mmの間のロール半径が600mmであり、
これより胴端側で放物線状に半径が増加し、かつ胴幅中
央から±625mm位置で半径602.5mmとなるエッジ
径大型ロールの2種類のロールを用いた。
【0026】図14に圧延温度1100℃で圧延後のス
ラブ表面割れ発生頻度の幅方向分布を示す。図から明ら
かなように、本発明の方法を適用したエッジ径大型ロー
ルを用いた場合エッジ近傍の割れ発生頻度は激減してお
り、歩留まり向上は著しく大きい。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】以上詳述した様に、本発明によれば、熱
間圧延により鋼板を製造するに際し、適切な圧下率の幅
方向分布を設定し、圧延することにより、製品の表面疵
を著しく低減でき、製品歩留まりを向上できる等、産業
上裨益するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1、2による圧下率分布の一例
を示すグラフ図である
【図2】(a)、(b)は請求項1、2に記載の圧下率
分布を実現するための圧延装置(請求項3、4)の一態
様を示す模式図である
【図3】従来法による圧延後のスラブ表面の割れの分布
状態を示した模式図である。
【図4】従来法による圧延中のスラブ内部に生じる圧延
方向応力の幅方向分布について三次元剛塑性有限要素法
による解析結果の一例を示した図である。
【図5】本発明の実施に際し、圧下率を大きくする幅方
向エッジ近傍の区間(エッジ部)の広さの影響に関する
知見を得るために行った解析の結果の例を示したもので
ある。
【図6】本発明の実施に際し、圧下率を大きくする幅方
向において両端から該スラブ幅の1/6の区間(エッジ
部)内圧下率分布パターンの影響に関する知見を得るた
めに行った解析の結果の例を示したものである。
【図7】本発明の実施に際し、圧下率を大きくする幅方
向において両端から該スラブ幅の1/6の区間(エッジ
部)の平均圧下率の影響に関する知見を得るために行っ
た解析の結果の例を示したものである。
【図8】本発明の実施に際し、幅中央部の圧下率r c
0.05の場合の、エッジ部平均圧下率の影響に関する
知見を得るために行った解析の結果の例を示したもので
ある。
【図9】本発明の実施に際し、幅中央部の圧下率r c
0.1の場合の、エッジ部平均圧下率の影響に関する知
見を得るために行った解析の結果の例を示したものであ
る。
【図10】本発明の実施に際し、幅中央部の圧下率r c
が0.2の場合の、エッジ部平均圧下率の影響に関する
知見を得るために行った解析の結果の例を示したもので
ある。
【図11】本発明の実施に際し、幅中央部の圧下率r c
が0.3の場合の、エッジ部平均圧下率の影響に関する
知見を得るために行った解析の結果の例を示したもので
ある。
【図12】本発明の実施に際し、幅中央部の圧下率r c
と(2)式で示された延伸率差γ との関係に関する知見
を得るために行った解析の結果の例を示したものであ
る。
【図13】実施例において設定した圧下率分布を示した
図である。
【図14】実施例における圧延後のスラブ表面割れ発生
頻度について、従来法と本発明の方法の比較を行ったも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−181405(JP,A) 特開 昭54−119363(JP,A) 特開 昭55−10366(JP,A) 特公 昭51−7635(JP,B2) 実公 平4−15365(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/02 B21B 1/22 B21B 27/02 B21B 31/20 B21B 37/28

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラブを熱間圧延により減厚し、鋼板を
    製造するに際し、該スラブの幅方向において両端から該
    スラブ幅の1/6の区間(以下エッジ部と称する)の
    下率がエッジ部端に向かうに従って増加し、前記エッジ
    部より幅中央寄りの区間(以下幅中央部と称する)の圧
    下率が幅方向に一定であり、前記エッジ部の平均圧下率
    e が前記幅中央部の圧下率r c より大きく、かつエッジ
    部の微小割れを抑制する大きさであることを特徴とする
    鋼板の圧延方法。
  2. 【請求項2】 前記エッジ部の平均圧下率reを、前記
    幅中央部の圧下率rcに比べ1.05〜1.4倍となる
    ようにしてスラブを圧延する請求項1記載の鋼板の圧延
    方法。
  3. 【請求項3】 前記エッジ部の平均圧下率reを、前記
    幅中央部の圧下率rcとの関係が下式となるようにして
    スラブを圧延する請求項1または請求項2記載の鋼板の
    圧延方法。 (re−rc)/(1−re)=β×rc k ここで、βは正の定数、kは1.5〜2.0の定数
  4. 【請求項4】スラブを熱間圧延により減厚し、鋼板を製
    造する鋼板の圧延装置において、圧延ロールがスラブの
    幅方向の両端から該スラブ幅の1/6の区間(以下エッ
    ジ部と称する)を圧下する部分と、前記エッジ部より幅
    中央寄りの区間(以下幅中央部と称する)を圧下する部
    分とからなり、前記エッジ部を圧下する部分のロール半
    径はエッジ部端に向かうに従って大きく、前記中央部を
    圧下する部分のロール半径は一定であり、エッジ部を圧
    下する部分のロール半径はエッジ部の平均圧下率r e
    前記幅中央部の圧下率r c より大きく、かつ前記エッジ
    部の微小割れを抑制する大きさであることを特徴とする
    鋼板の圧延装置。
  5. 【請求項5】 スラブを熱間圧延により減厚し、鋼板を
    製造する鋼板の圧延装置において、圧延ロールがスラブ
    の幅方向の両端から該スラブ幅の1/6位置に相当する
    ロール軸方向位置で分割され、スラブ両端側の区間(以
    下エッジ部と称する)を圧下するエッジ部圧延ロールと
    前記エッジ部より中央寄りの区間(以 下幅中央部と称す
    る)を圧下する幅中央部圧延ロールとからなり、前記エ
    ッジ部圧延ロールおよび幅中央部圧延ロールの両端にそ
    れぞれスクリュウおよび/もしくは油圧シリンダからな
    圧下位置調整機構を有し、圧下位置調整機構がエッジ
    部圧延ロールの圧下率がエッジ部端に向かうに従って増
    加し、前記幅中央部の圧下率がスラブ幅方向に一定であ
    り、前記エッジ部圧延ロールによる平均圧下率r e が前
    記幅中央部圧延ロールによる圧下率r c より大きく、か
    つエッジ部の微小割れを抑制する大きさに設定されてい
    ことを特徴とする鋼板の圧延装置。
JP31041293A 1993-12-10 1993-12-10 鋼板の圧延方法および圧延装置 Expired - Fee Related JP3221790B2 (ja)

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