JP3139726B2 - 金属帯板のコイル巻取り方法 - Google Patents
金属帯板のコイル巻取り方法Info
- Publication number
- JP3139726B2 JP3139726B2 JP04315926A JP31592692A JP3139726B2 JP 3139726 B2 JP3139726 B2 JP 3139726B2 JP 04315926 A JP04315926 A JP 04315926A JP 31592692 A JP31592692 A JP 31592692A JP 3139726 B2 JP3139726 B2 JP 3139726B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coil
- winding
- inner winding
- mandrel
- metal strip
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
工程中に行われる金属帯板のコイル巻取り方法に関し、
特にコイルの内巻部分のゆるみを防止するための巻取り
方法に関するものである。
条材を製造する場合、熱間圧延、冷間圧延、矯正、焼鈍
等の工程を経る。被加工材は各工程においてコイル状に
巻取られ次工程へ搬送される。前工程で巻取られたコイ
ルの巻始め部分、すなわち内巻部にゆるみがあると、搬
送等のハンドリング時の衝撃または次工程におけるコイ
ル巻戻し時の張力効果により、巻かれている材料同士が
擦れあって相互の表面に外傷が発生し、表面品質を劣化
させる。また、コイル内巻き部にゆるみがあると、搬送
時にコイルが開放される等のトラブルが生じたり、搬送
時間が長くなり生産性の低下を招く。したがって、各工
程でコイル巻取りを行うときには、コイル内巻き部のゆ
るみを防止する必要がある。従来、コイル内巻き部のゆ
るみを防止するため以下の方法が実施されていた。 (1)コイル巻取り前に巻取りマンドレルにスプールを
挿入する。 (2)巻取り後にコイルをマンドレルから抜き取る前に
コイルコバ面の数巻きを溶接、固定する。
(1)の方法はスプール挿入に、また(2)の方法は溶
接にそれぞれ時間がかかり、次のコイルの圧延その他の
処理が待たされるので、生産性が低下する問題があっ
た。本発明の目的は、生産性を低下させることなく、コ
イル内巻き部におけるゆるみの発生を防止することがで
きる金属帯板のコイル巻取り方法を提供することにあ
る。
コイル巻取り方法は、前述の目的を達成するため、マン
ドレルによる金属帯板のコイル巻取りを、 k・h/r2 /ρ<0.32 〔ただし、k=材料降伏応力(kgf/mm2) h=板厚(mm) r=マンドレル半径(mm) ρ=材料比重(g/mm3) 、とする。〕 の条件下で行い、その後にマンドレル3からコイル1を
抜き出す際に、コイル内巻先端部を鉛直方向に対してθ
=−30〜150°の領域に位置させてから、コイル1
をマンドレル3から抜き出すように構成している。な
お、図1のθは板2の巻き取り方向(図1の矢印方向)
を正とする。
は、コイル巻取り後にコイルをマンドレルから抜き出す
と、それまでマンドレルによって拘束されていたコイル
内巻き部が開放され、材料自重により巻きゆるみが生ず
る。コイル内巻き部のゆるみを、曲がりはりの自重によ
る変形と考えると、図2および図3に示すモデルに基づ
き支持点での変形を計算することができる。すなわち、
図2において、点Pを固定端としてコイル内巻き部に等
分布荷重wが働く場合の点Pにおける曲げモーメントを
考えると、微小要素にかかる軸心方向の力は次の数1の
式で求めることができる。したがって、点Pに作用する
曲げモ−メントM1 は数2の式で表すことができる。
微小で内巻きゆるみの問題は生じないが、弾性域をこえ
て塑性域になると問題となる。塑性域での点Pにおける
曲げモーメントM2 は次の数3の式で与えられる(図3
参照)。なお、k:材料降伏応力(kgf/mm2) 、h:板厚
(mm)、r:マンドレル半径(mm)、ρ:材料比重(g/mm3)
である。そして、数2及び数3の式から数4が与えられ
る。
伏応力kを基準とすると、次の数5の式で示す条件下で
内巻きゆるみが発生することとなる。
際にはゆるみは内巻き先端部の位置に依存するものと考
えられる。しかし、両者の明確な関係式を与えることは
できない。そこで、内巻き先端部の位置に拘らず内巻き
ゆるみ発生と寸法因子(h/r2 )および材料因子
(k)との関係を実験的に確認した。その結果を図4に
示しているが、同図のようにk・h/r2 /ρ<0.3
2の範囲で内巻きゆるみが発生することがわかる。
内における内巻き先端部位値と内巻きゆるみ発生状況と
の関係を調査し、その結果を図5に示す。同図によれ
ば、内巻き先端部の位値が鉛直方向に対してθ=−30
〜150°の範囲にあれば、内巻きゆるみは発生してい
ない。
2の条件下で巻取りを行う場合には、コイルをマンドレ
ルから抜き出す前に内巻き先端部を鉛直方向に対してθ
=−30〜150°の範囲に位置させることにより、内
巻き部のゆるみの発生を防止することができる。しか
も、内巻き先端部をθ=−30〜150°の範囲に位置
させる作業は、従来のスプールを挿入する方法、コバ面
を溶接する方法にくらべきわめて短時間で済むので、生
産性は低下しない。
る。被加工材としてアルミニウム又はアルミニウム基合
金を用い、次の条件による本発明の実施例の場合と比較
例とについて、内巻き先端部の位置による内巻きゆるみ
発生率、及びこの内巻きゆるみに起因する次圧延時の外
傷発生率を調べた。なお、内巻きゆるみ発生率とは対象
設備においてコイル内巻き部がゆるんで巻き取られるコ
イルの発生率であり、外傷発生率とは対象設備で発生し
た内巻きゆるみにより、次工程にて材料同士が張力効果
により擦れ合って相互の表面に外傷が生じるコイルの発
生率である。また、被加工材の材料降伏応力k、板厚
h、マンドレル半径r、材料比重ρなどは次のとおりで
あり、k・h/r2 /ρ=0.09〜0.51の条件で
巻き取りを行った。 k:5.0〜30.0(kgf/mm2), h:2.0〜8.0
(mm),r:305.0(mm), ρ:2.7x
10-3(g/mm3)
れば内巻きゆるみ発生率が低減され、その結果外傷発生
を防止することができた。
ば、生産性を低下させることなくコイル内巻き部のゆる
みの発生を防止することができる。
位置を説明するための概略図である。
考えた場合のモデル図である。
す図である。
び材料因子(k)との関係を示すグラフである。
係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 マンドレルによる金属帯板のコイル巻取
りを、 k・h/r2 /ρ<0.32 〔ただし、k=材料降伏応力(kgf/mm2) h=板厚(mm) r=マンドレル半径(mm) ρ=材料比重(g/mm3) 、とする。〕 の条件下で行い、その後にマンドレルからコイルを抜き
出す際に、コイル内巻先端部を鉛直方向に対してθ=−
30〜150°の領域に位置させることを特徴とする金
属帯板のコイル巻取り方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04315926A JP3139726B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 金属帯板のコイル巻取り方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04315926A JP3139726B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 金属帯板のコイル巻取り方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06142760A JPH06142760A (ja) | 1994-05-24 |
JP3139726B2 true JP3139726B2 (ja) | 2001-03-05 |
Family
ID=18071270
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04315926A Expired - Fee Related JP3139726B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 金属帯板のコイル巻取り方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3139726B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10142179A1 (de) * | 2001-08-29 | 2003-03-20 | Sms Demag Ag | Verfahren und Vorrichtung zum Haspeln von dünnem Metallband, insbesondere von warm- oder kaltgewalztem dünnen Stahlband |
CN102553966B (zh) * | 2012-01-18 | 2014-04-16 | 燕山大学 | 带钢卷取品质在线综合判断方法 |
-
1992
- 1992-10-30 JP JP04315926A patent/JP3139726B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06142760A (ja) | 1994-05-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5226989A (en) | Method for reducing thickness of a titanium foil or thin strip element | |
EP0169279B1 (en) | Method of coiling thin strips | |
JP3139726B2 (ja) | 金属帯板のコイル巻取り方法 | |
JP4299394B2 (ja) | 切断後の形状が良好な高強度熱延鋼板とその製造方法 | |
US4168185A (en) | Production method of titanium hot coil by continuous hot rolling system | |
JP3403272B2 (ja) | 鋼帯の巻き取り方法 | |
JPH0976012A (ja) | 鋼帯の巻き取り方法 | |
JP3359566B2 (ja) | コイル巻きずれ防止方法および帯状体ならびに鋼帯 | |
JP2647307B2 (ja) | コイルの抜出方法 | |
JPH07268456A (ja) | 極薄スケール鋼板の製造方法 | |
JP3264725B2 (ja) | 冷延コイルの巻き戻し方法 | |
JP2670164B2 (ja) | 冷間圧延におけるl反り低減方法 | |
JP5383141B2 (ja) | 熱延巻き取り後のコイル冷却方法 | |
JP5779948B2 (ja) | 方向性電磁鋼板の製造方法 | |
JP2718642B2 (ja) | オーステナイト系ステンレス鋼薄鋳片の製造方法 | |
JP3113801B2 (ja) | 鋼帯の巻き取り方法 | |
JP2560322B2 (ja) | 金属帯片の残留応力低減方法 | |
JP2846251B2 (ja) | 薄物鋼帯コイルの巻き取り方法 | |
JPH0333766B2 (ja) | ||
JP2004283900A (ja) | 鋼板の巻き取り方法 | |
JPH0724855B2 (ja) | Ni−Ti系形状記憶合金の加工法 | |
JPH05111715A (ja) | 金属帯巻取時のエンドマーク発生防止方法 | |
JP2003062613A (ja) | 極薄金属板の巻取り方法 | |
JPH09201620A (ja) | 金属帯コイルの巻取り方法 | |
JP3325496B2 (ja) | 鋼帯の巻き取り方法およびその装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071215 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081215 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081215 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091215 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101215 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101215 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111215 Year of fee payment: 11 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |