JP5168460B2 - ブロック共重合体及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、主としてα‐メチルスチレン単位からなる重合体ブロックを含む特定の構造を有するブロック共重合体及びその製造方法に関する。
高分子鎖の両端にガラス転移点(Tg)が室温よりも高い重合体ブロック(拘束相)を有し、その間にTgが室温よりも低い重合体ブロック(ゴム相)を配したブロック共重合体は熱可塑性エラストマーとして広く知られている。熱可塑性エラストマーのうちでも、スチレン−共役ジエンブロック共重合体およびその水素添加物であるスチレン系熱可塑性エラストマーは、成形材料、粘接着剤、樹脂の改質等の多くの用途に用いられ、極めて有用な素材の1つとして注目されている。
しかしながら、スチレン系熱可塑性エラストマーの場合、拘束相であるスチレン重合体ブロックのTgが約100℃であるため、100℃を超える温度条件下ではエラストマーとしての性能が著しく低下するという問題があった。このため、高温での良好な機械的特性(耐熱特性、引張強度、引張伸び等)、加硫ゴムにより近い圧縮永久歪みや動的ヒステリシス、更には高温での耐摩耗性を、熱可塑性エラストマーに対して要求する自動車部品や電子部品などの技術分野に、スチレン系熱可塑性エラストマーを適用することは困難であった。
そこで、スチレン系熱可塑性エラストマーに、ポリα‐メチルスチレン樹脂、ポリオレフィン、ポリフェニレンエーテルなどをブレンドすることにより、その耐熱性を改良することが試みられているが、その改良の程度は市場の要求を満たすには至っていない。
このため、ブレンド技術ではなく、スチレン系熱可塑性エラストマーを構成するスチレン重合体ブロックに代えて、Tgの高いα‐メチルスチレン重合体ブロックを導入することにより、その高温特性を向上させようとする以下の技術(I)〜(IV)が提案されている。
(I)テトラヒドロフラン溶媒中で1,4‐ジリチオ‐1,1,4,4‐テトラフェニルブタンなどのジアニオン系開始剤を用いて共役ジエンを重合後に、−78℃の条件下でα−メチルスチレンを逐次重合させ、A−B−Aで示されるトリブロック共重合体を得る(非特許文献1)。
(II)シクロヘキサンなどの非極性溶媒中でα‐メチルスチレンをsec‐ブチルリチウムなどのアニオン重合系開始剤で重合させた後、共役ジエンを重合させ、その後テトラクロロシラン、ジフェニルジクロロシランなどのカップリング剤を添加してカップリング反応を行い、(A−B)nX型ブロック共重合体を得る(非特許文献2)。
(III)炭化水素溶媒中、重合温度60℃でα‐メチルスチレンを重合させ、ついで共役ジエンを重合させ、更にスチレンを重合させ、A−B−Aで示されるトリブロック共重合体を得る(特許文献1)。
(IV)非極性溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として用い、0.1〜10質量%の濃度の極性化合物の存在下、−30〜30℃の温度にて、5〜50質量%の濃度のα−メチルスチレンを重合させ、得られるリビングポリマーに共役ジエンを重合させ、得られるα‐メチルスチレン重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックからなるブロック共重合体のリビングポリマーにα‐メチルスチレン以外のアニオン重合性モノマーを重合させA−B−C型ブロック共重合体を得る(特許文献2、3)。
「Macromolecules」,2巻,453−458頁(1969年) 「Kautsch.Gummi,Kunstst.」,37巻,377−379頁(1984年);「Polym.Bull.」,12巻,71−77頁(1984年) 特開昭61−281163号公報 特開2003−73434号公報 WO02/40611 A1
しかしながら、上述の(I)〜(IV)の技術には以下に説明する問題があった。
(I)の技術では、ジアニオン系開始剤を用いてイソプレンを重合させた後、―78℃の温度条件下極性溶媒(テトラヒドロフラン)中でα‐メチルスチレンを逐次重合させることによりα‐メチルスチレン−イソプレンブロック共重合体を合成している。このため、得られるブロック共重合体のゴム相である共役ジエンブロック中の1,4‐結合量が低下し、その結果該ブロックのTgが高くなり、ゴム弾性の温度領域が狭くなり、エラストマーとしての性能が低下する。
(II)の技術では、溶媒を使用しないでα‐メチルスチレンを重合させた後、1,3−ブタジエンを重合し、テトラクロロシランまたはジクロロジフェニルシランのカップリング剤により重合を停止させることでα‐メチルスチレン−1,3‐ブタジエンブロック共重合体を得ている。この方法では、α‐メチルスチレンの重合反応が無溶媒下で行われるために、重合転化率を上げると反応溶液の粘度が高まり、撹拌が困難となり、α‐メチルスチレンの重合転化率が低い時点で共役ジエンを重合させる必要がある。従って、残存している大量のα‐メチルスチレンが、共役ジエンの重合時に共重合することにより、ゴム相のTgおよび弾性率が高くなり、またリビングポリマー末端が失活反応してしまうために、得られるブロック共重合体のエラストマーとしての性能が低下する。
(III)の技術では、炭化水素系溶媒中重合温度60℃での製法が例示されているが、α‐メチルスチレンの天井温度(重合反応が平衡状態に達して、実質的に重合反応が進行しなくなる温度)が61℃であること及び炭化水素溶媒中60℃での重合活性種であるα‐メチルスチリルアニオンの半減期が数分であることから、目的とするブロック共重合体が得られていない。
上記(IV)の技術では、上述の(I)〜(III)の技術に比べ、高いα‐メチルスチレン重合転化率が得られて、工業的に優れた製法ではあるが、重合温度が高くなった場合やリビングポリマー末端変種の際などに、リビング性が低くなる傾向があり、目標とするゴム弾性、高温物性、低温特性が得られなくなる場合がある。また、ブロック共重合体のゴム相である共役ジエンブロック中の1,4‐結合量が低下し、低温特性が低下する場合がある。
本発明の目的は、より高温で重合可能で、製造コストが抑えられ且つα‐メチルスチレンの高い重合転化率を有し、高いリビング性で末端変種されているブロック共重合体であって、α‐メチルスチレン重合体ブロックとα‐メチルスチレン以外の芳香族ビニル重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックとからなる、高温特性及び低温特性に優れたブロック共重合体を提供すること、並びにその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的に関して鋭意検討した結果、上記目的が、特定のアニオン重合法を利用しながら、基本的に、主としてα‐メチルスチレンからなる重合体ブロックと、主としてα‐メチルスチレンを除く芳香族ビニル化合物からなる重合体ブロックと、主として共役ジエンからなる重合体ブロックとからブロック共重合体を構成することにより達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、α‐メチルスチレン単位を有し、数平均分子量が1,000〜300,000である重合体ブロックA、
α‐メチルスチレン単位以外の芳香族ビニル化合物単位を有し、数平均分子量が100〜20,000である重合体ブロックB、及び
共役ジエン単位を有し、1,4−結合量が30%以上であり、数平均分子量が10,000〜400,000である重合体ブロックC
から構成されてなるブロック構造A−B−C、またはその水素添加ブロック構造を少なくとも一つ有するブロック共重合体を提供する。
また、本発明は、以下の工程(a)〜(c):
工程(a)
非極性溶媒中有機リチウム化合物を開始剤として用い、0.1〜10質量%の濃度の極性化合物の存在下、−30〜30℃の温度にて、5〜50質量%の濃度のα‐メチルスチレンを重合させて重合体ブロックAを形成する工程;
工程(b)
重合体ブロックAを構成するリビングポリα―メチルスチリルリチウムに対して、−15℃〜30℃の温度にて、1〜100モル量のα‐メチルスチレン以外の芳香族ビニル化合物を重合させて重合体ブロックBを形成する工程;及び
工程(c)
重合体ブロックBに対し、30℃を超える温度で共役ジエンを重合させて重合体ブロックCを形成する工程
を有するブロック共重合体の製造方法を提供する。
本発明のブロック共重合体によれば、特定のα‐メチルスチレン単位を有する重合体ブロックA、α‐メチルスチレン単位以外の芳香族ビニル化合物単位を有する重合体ブロックBおよび共役ジエン単位を有する重合体ブロックCから構成されているので、耐熱特性、高温時による引張強度、引張伸び等の機械的特性、加硫ゴムにより近い圧縮永久歪みや動的ヒステリシス、高温時による耐摩耗性など優れた高温特性と共に、優れた低温特性を示す。また、本発明のブロック共重合体の製造方法によれば、特定の工程(a)〜(c)を有するので、従来の製法に比べてより高温で重合可能であり、製造コストを抑えてかつ高いリビング性を実現することが可能となる。このため、優れた高温特性と低温特性を兼ね備えた本発明のブロック共重合体を提供できる。
本発明のブロック共重合体は、(i)α‐メチルスチレン単位を有し、数平均分子量が1,000〜300,000である重合体ブロックA、(ii)α‐メチルスチレン単位以外の芳香族ビニル化合物単位を有し、数平均分子量が100〜20,000である重合体ブロックB、および(iii)共役ジエン単位を有し、1,4‐結合量が30%以上であり、数平均分子量が10,000〜400,000である重合体ブロックCから構成されてなるブロック構造A−B−C、またはその水素添加ブロック構造を少なくとも一つ有するものである。
重合体ブロックAは、α‐メチルスチレン単位から主として構成されている重合体ブロックであり、ブロック共重合体に物理的な架橋点を付与するものである。重合体ブロックAを構成する全モノマー単位中のα‐メチルスチレン単位の割合は、耐熱性低下を防止する観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。重合体ブロックAに他のモノマー単位を存在させる場合、他のモノマー単位としては、α‐メチルスチレン単位以外のアニオン重合性モノマー単位が挙げられ、20質量%以下の量であることが好ましい。その具体例としては、後述する芳香族ビニル化合物単位あるいは共役ジエン単位が挙げられる。これらは、重合体ブロックAにランダム状あるいはテーパード状に導入されてもよい。
重合体ブロックAのポリスチレン換算の数平均分子量は、1,000〜300,000、好ましくは3,000〜100,000の範囲である。分子量が1,000未満の場合には、得られるブロック共重合体の高温特性が十分でない場合があり、一方分子量が300,000を越える場合には、得られるブロック共重合体の加工性が十分でない場合がある。
また、重合体ブロックBは、α‐メチルスチレン単位以外の芳香族ビニル化合物単位から主として構成されている重合体ブロックであり、ブロック共重合体に物理的な架橋点とリビングポリマー末端安定性を付与するものである。α‐メチルスチレン以外の芳香族ビニル化合物の使用量は、少なすぎるとリビング性が低くなり、多すぎるとゴム弾性などの求める物性を損なう場合があるので、重合体ブロックAを構成するリビングポリα―メチルスチリルリチウムに対して1〜100モル量、好ましくは1〜50モル量である。
重合体ブロックBを構成する全モノマー単位中のα‐メチルスチレン単位以外の芳香族ビニル化合物単位の割合は、高温特性を十分なものとする観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。重合体ブロックBに他のモノマー単位を存在させる場合、他のモノマー単位としては、芳香族ビニル化合物単位以外のアニオン重合性モノマー単位が挙げられる。具体例としては、後述する共役ジエン単位が挙げられ、20質量%以下の量であることが好ましい。これらは、重合体ブロックBにランダム状あるいはテーパード状に導入されてもよい。
重合体ブロックBにおける芳香族ビニル化合物単位を構成する芳香族ビニル化合物としては、スチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等のビニルフェニル系化合物、o‐メチルスチレン、m‐メチルスチレン、p‐メチルスチレン、2,4‐ジメチルスチレン等のモノ又はジアルキルスチレン系化合物、1,1‐ジフェニルエチレン、1,1‐ジ(o‐トリル)エチレン、1,1‐ジ(p‐トリル)エチレン等の1,1‐ジアリールエチレン化合物が挙げられる。中でも、1,1‐ジアリールエチレン化合物、特に1,1‐ジフェニルエチレンを好ましく挙げることができる。
重合体ブロックBのポリスチレン換算の数平均分子量は、100〜20,000、好ましくは180〜10,000の範囲である。分子量が100未満の場合には、リビング性が低くなり、得られるブロック共重合体の高温特性が十分でない場合があり、一方分子量が20,000を超える場合には、得られるブロック共重合体のゴム的特性が十分でない場合がある。
そして、重合体ブロックCは、共役ジエン単位から主として構成されている重合体ブロックであり、ブロック共重合体にゴム弾性を付与するものである。重合体ブロックCを構成する全モノマー単位中の共役ジエン単位の割合は、柔軟性を十分なものとする観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。重合体ブロックCに他のモノマー単位を存在させる場合、他のモノマー単位としては、共役ジエン単位以外のアニオン重合性モノマー単位が挙げられる。具体例としては、前述した芳香族ビニル化合物単位が挙げられ、20質量%以下の量であることが好ましい。これらは、重合体ブロックCにランダム状あるいはテーパード状に導入されてもよい。
重合体ブロックCにおける共役ジエン単位を構成する共役ジエン化合物としては、1,3‐ブタジエン、イソプレン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、1,3‐ペンタジエン、1,3‐ヘキサジエン等が挙げられ、これらの化合物は単独で用いても、または2種以上使用してもよい。これらの中でも、1,3‐ブタジエン、イソプレン、1,3‐ブタジエンとイソプレンの混合物を好ましく使用できる。
重合体ブロックCのポリスチレン換算の数平均分子量は、10,000〜400,000、好ましくは15,000〜200,000の範囲である。分子量が10,000未満の場合には、得られるブロック共重合体のゴム的性質が十分でない場合があり、400,000を越える場合には、得られるブロック共重合体の加工性が十分でない場合がある。
また、重合体ブロックCを構成する共役ジエン単位の1,4‐結合量は、30%以上、好ましくは35%〜95%、より好ましくは40%〜80%である。1,4‐結合量が30%未満の場合には、共役ジエンからなるゴム部分のTgが高くなり、得られるブロック共重合体のゴム的性質が十分でない場合がある。
本発明のブロック共重合体は、ブロック構造A−B−Cまたはその水素添加構造を少なくとも一つ有するブロック共重合体であり、直鎖状、分岐状であってもよい。具体的構造としては、A−B−C−C−B−A型ブロック共重合体、A−B−C−C−B−A型共重合体とA−B−C型共重合体の混合物、(A−B−C)nX型共重合体(Xはカップリング剤残基を表す、nは2以上の整数を示す)等が挙げられる。
上記(A−B−C)nX型共重合体とする際に使用するカップリング剤としては、例えば、安息香酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸エチル、酢酸メチル、ピバリン酸メチル、ピバリン酸フェニル、ピバリン酸エチル、α,α'‐ジクロロ‐o‐キシレン、α,α'‐ジクロロ‐m‐キシレン、α,α'‐ジクロロ‐p‐キシレン、ビス(クロロメチル)エーテル、ジブロモメタン、ジヨードメタン、フタル酸ジメチル、ジクロロジメチルシラン、ジクロロジフェニルシラン、トリクロロメチルシラン、テトラクロロシラン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらのカップリング剤を使用して構造中にカップリング剤残基を導入する方法については、特に限定されないが、具体例等について後述する。
本発明のブロック共重合体は、α‐メチルスチレン単位以外のアニオン重合性モノマー単位を有し、数平均分子量が1,000〜300,000である重合体ブロックDを更に有してよい。上記α‐メチルスチレン単位以外のアニオン重合性モノマー単位としては、α‐メチルスチレン単位及び重合体ブロックCに用いた共役ジエン単位以外のアニオン重合性モノマー単位であることが好ましく、α‐メチルスチレン単位以外の芳香族ビニル化合物単位であることがより好ましい。重合体ブロックDを構成する単量体として、ビニルフェニル系化合物、モノ又はジアルキルスチレン系化合物、1,1−ジアリールエチレン化合物を用いる場合にはブロック共重合体に物理的な架橋点を付与することができ、一方共役ジエン単位を用いる場合にはゴム弾性を付与することができる。
重合体ブロックDにおけるα‐メチルスチレン単位以外のアニオン重合性モノマー単位を構成するアニオン重合性モノマー化合物としては、スチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等のビニルフェニル系化合物、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p‐メチルスチレン、2,4‐ジメチルスチレン等のモノ又はジアルキルスチレン系化合物、1,1‐ジフェニルエチレン、1,1‐ジ(o‐トリル)エチレン、1,1‐ジ(p‐トリル)エチレン等の1,1‐ジアリールエチレン化合物、1,3‐ブタジエン、イソプレン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、1,3‐ペンタジエン、1,3‐ヘキサジエン等が挙げられ、前記芳香族ビニル系化合物が好ましく使用される。これらの化合物は単独で用いても、または2種以上使用してもよい。
重合体ブロックDのポリスチレン換算の数平均分子量は、1,000〜300,000、好ましくは3,000〜100,000の範囲である。重合体ブロックDを構成する重合性モノマーが、ビニルフェニル系化合物、モノ又はジアルキルスチレン系化合物、1,1−ジアリールエチレン化合物の場合、分子量が1,000未満の場合には、得られるブロック共重合体の高温特性が十分でない場合があり、一方分子量が300,000を越える場合には、得られるブロック共重合体の加工性が十分でない場合がある。また、重合体ブロックDを構成する重合性モノマーが共役ジエンの場合、分子量が1,000未満の場合には、得られるブロック共重合体のゴム的性質が十分でない場合があり、300,000を越える場合には、得られるブロック共重合体の加工性が十分でない場合がある。
重合体ブロックDが導入された本発明のブロック共重合体は、ブロック構造A−B−C−Dまたはその水素添加構造を少なくとも一つ有するブロック共重合体であり、直鎖状、分岐状であってもよい。具体的構造としては、A−B−C−D−D−C−B−A型ブロック共重合体、A−B−C−D−D−C−B−A型共重合体とA−B−C−D型共重合体の混合物、(A−B−C−D)nX型共重合体(Xは前述したカップリング剤残基を表す、nは2以上の整数を示す)等が挙げられる。
本発明のブロック共重合体は、耐熱劣化性、耐候性の向上の観点から水素添加されていることが好ましい。水素添加の割合は、特に限定されるものではないが、好適には、少なくともブロック共重合体中の共役ジエンに由来する全炭素−炭素不飽和二重結合の30%以上が水素添加されていればよく、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上水素添加されていることが望ましい。
本発明のブロック共重合体は、本発明の趣旨を損なわない限り、分子鎖中に、または分子末端に、カルボキシル基、水酸基、酸無水物、アミノ基、エポキシ基などの官能基を含有してもよい。
また、本発明のブロック共重合体には、必要に応じて、例えば酸化防止剤、軟化剤、帯電防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、難燃剤、顔料、染料、無機充填剤などの添加剤を添加することができる。
本発明の前記ブロック共重合体の製造方法としては特に限定されないが、本発明の前記ブロック共重合体は、後述する製造方法により得られたブロック共重合体であることが好ましく、特に後述する製造方法により得られた主としてα‐メチルスチレン単位からなり、数平均分子量が1,000〜300,000である重合体ブロックA、主として1,1‐ジフェニルエチレン化合物単位からなり、数平均分子量が180〜20,000である重合体ブロックB、及び主として共役ジエン単位からなり、1,4−結合量が30%以上であり、数平均分子量が10,000〜400,000である重合体ブロックCより構成されてなるブロック構造A−B−C、またはその水素添加ブロック構造を少なくとも一つ有するブロック共重合体であることが好ましい。
次に本発明のブロック共重合体を製造する好ましい方法について説明する。この方法も本発明の一部である。
即ち、本発明のブロック共重合体の製造方法は、以下の工程(a)〜(c)、必要に応じて工程(d):
工程(a)
非極性溶媒中有機リチウム化合物を開始剤として用い、0.1〜10質量%の濃度の極性化合物の存在下、−30〜30℃の温度にて、5〜50質量%の濃度のα‐メチルスチレンを重合させて重合体ブロックAを形成する工程;
工程(b)
重合体ブロックAを構成するリビングポリα―メチルスチリルリチウムに対して、−15℃〜30℃の温度にて、1〜100モル量のα‐メチルスチレン以外の芳香族ビニル化合物を重合させて重合体ブロックBを形成する工程;
工程(c)
重合体ブロックBに対し、30℃を超える温度で共役ジエンを重合させて重合体ブロックCを形成する工程;および
工程(d)
重合体ブロックCに対し、α‐メチルスチレン以外のアニオン重合性モノマーを重合させて重合体ブロックDを形成する工程
を有する。
本発明の製造方法は、必要に応じて、更に、工程(c)又は工程(d)で得られたリビニグポリマーに対し、多官能性カップリング剤との反応および/または水素添加反応を行うことができる。以下、工程毎に説明する。
<工程(a)>
まず、非極性溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として用い、0.1〜10質量%の濃度の極性化合物の存在下、−30〜30℃の温度にて、5〜50質量%の濃度のα‐メチルスチレンを重合させ、リビングポリα‐メチルスチリルリチウムを含む重合体ブロックAを形成する。
工程(a)においては、非極性溶媒中、有機リチウム化合物を重合開始剤として用いる。有機リチウム化合物としては、n‐ブチルリチウム、sec‐ブチルリチウム、tert‐ブチルリチウム等のモノリチウム化合物、およびテトラエチレンジリチウム等のジリチウム化合物を挙げることができ、これらの化合物は単独で用いてもよいし、または2種類以上使用してもよい。
有機リチウム化合物の使用量は、リビングアニオン重合により得ようとする所望の重合体の分子仕様(分子量、α‐メチルスチレン等含有量)によって適宜決定することができる。例えば、有機リチウム化合物がn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等の場合、有機リチウム化合物の使用量は、α‐メチルスチレン100質量部に対し、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.02〜7質量部である。
非極性溶媒は、α‐メチルスチレンの重合時の溶媒となるものであり、例えばシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n‐ヘキサン、n‐ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などを挙げることができる。これらは単独で用いても、または2種類以上使用してもよい。
工程(a)においては、反応促進及び共役ジエン単位のミクロ構造を制御するために極性化合物を使用する。極性化合物としては、アニオン種と反応する官能基(水酸基、カルボニル基など)を持たないが、分子内に酸素原子、窒素原子等の複素原子を有する化合物である。例えば、ジエチルエーテル、モノグライム、テトラメチルエチレンジアミン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。これらの化合物は単独で用いても、または2種類以上使用してもよい。
極性化合物の反応系における濃度は、0.1〜10質量%の範囲、好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。反応系中における極性化合物の濃度が0.1質量%未満であると、α―メチルスチレンを高い重合転化率で重合させることが困難となり、一方、極性化合物が10質量%を超えると、共役ジエンを重合させる際に、共役ジエン重合体ブロック部の1,4−結合量を制御することが困難となる。
また、反応基質であるα‐メチルスチレンの反応系中における濃度は、5〜50質量%、好ましくは25〜40質量%の範囲である。反応系中におけるα‐メチルスチレンの濃度が5質量%未満であると、α‐メチルスチレンを高い重合転化率で重合させることが困難になる。また、α‐メチルスチレンの濃度が50質量%を超えると、α‐メチルスチレンの重合後期において反応溶液が高粘度化し、攪拌が困難になる。
なお、上記重合転化率とは、重合していないα‐メチルスチレンが重合によりブロック共重合体へと転化された割合を意味し、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
工程(a)におけるα‐メチルスチレンの重合温度条件は、α‐メチルスチレンの天井温度、重合速度、リビング性(ブロック効率)などの点から−30℃〜30℃、好ましくは−20℃〜10℃、より好ましくは−15℃〜0℃未満である。重合温度が30℃を超えると、α‐メチルスチレンを高い重合転化率で重合させることが困難になり、さらに生成するリビングポリマー末端が失活反応する割合が大きくなり、得られるブロック共重合体の目標物性が低下する。また、重合温度が−30℃に満たない場合は、α‐メチルスチレンの重合後期において反応溶液が高粘度化し、攪拌が困難になり、低温を維持するための設備費用がかかり、工業的に不利な条件となる。
なお、重合体ブロックの数平均分子量は、開始剤量、重合温度、重合時間等を調整することにより所期の値に設定することができる。
<工程(b)>
次に、重合体ブロックAを構成するリビングポリα‐メチルスチリルリチウムに対して、−15℃〜30℃の温度にて、1〜100モル量のα‐メチルスチレン以外の芳香族ビニル化合物を重合させることによりリビング活性末端を変種し、重合体ブロックBを形成する。この工程でブロック構造A−Bのリビングポリマーを取得できる。
α―メチルスチレン以外の芳香族ビニル化合物については、本発明のブロック共重合体に関して説明したとおりである。
工程(b)におけるα‐メチルスチレン以外の芳香族ビニル化合物の重合温度条件は、重合速度、リビング性(ブロック効率)、製造コストなどの点から、−15℃〜30℃、好ましくは−10℃〜20℃、より好ましくは0℃以上〜15℃である。重合温度が30℃を超えると、生成するリビングポリマー末端が失活反応する割合が大きくなり、得られるブロック共重合体の目標物性が低下する。また重合温度が−15℃に満たない場合は、重合後期において反応溶液が高粘度化し、攪拌が困難になり、低温を維持するための設備費用がかかり、工業的に不利な条件となる。
α‐メチルスチレン以外の芳香族ビニル化合物を反応系に添加する方法としては、特に制限はなく、工程(a)で得られた、リビングポリα‐メチルスチリルリチウムを含む重合体ブロックAの反応混合物に直接添加してもよく、あるいは溶媒で希釈した後に添加してもよく、溶媒と同時に添加してもよい。
α‐メチルスチレン以外の芳香族ビニル化合物の使用量は、少なすぎるとリビング性が低くなり、多すぎるとゴム弾性などの求める物性を損なう場合があるので、重合体ブロックAを構成するリビングポリα―メチルスチリルリチウムに対して1〜100モル量、好ましくは1〜50モル量である。なお、重合体ブロックA中のリビングポリα―メチルスチリルリチウムのモル量は、理論的にはリビングアニオン重合の反応系中に投入した触媒である有機リチウム化合物と同等のモル量である。
<工程(c)>
次に、重合体ブロックB、即ちブロック構造A−Bを有するリビングポリマーに対し、30℃を超える温度で共役ジエンを重合させることによりリビング活性末端を変種し、重合体ブロックCを形成する。この工程でブロック構造A−B−Cのリビングポリマーを取得できる。なお、このリビングポリマーに、アルコール類、カルボン酸類、水などの活性水素化合物を添加して重合反応を停止させることにより、ブロック構造A−B−Cを少なくとも一つ有するブロック共重合体を得ることができる。この場合、重合させる共役ジエンの量は、少なすぎると得られるブロック共重合体のゴム的性質が十分でない場合があり、多すぎると得られるブロック共重合体の加工性が十分でない場合がある。
工程(c)においては、共役ジエンを重合させる前に、工程(b)で得られる重合体ブロックBの反応混合物を、必要に応じてシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n‐ヘキサン、n‐ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などの一種以上の溶媒で希釈することができる。
工程(c)において、共役ジエンを反応系に添加する方法としては、特に制限はなく、工程(b)で得られた、重合体ブロックBの反応混合物に直接添加してもよく、あるいは溶媒で希釈した後に添加してもよく、溶媒と同時に添加してもよい。
工程(c)における共役ジエンの重合温度条件は、重合速度、リビング性(ブロック効率)、製造コストなどの点から、30℃以上、好ましくは40℃〜80℃である。重合温度が30℃未満であると、反応速度が遅くなり工業的に不利な条件となる。また共役ジエン単位のミクロ構造を制御できなくなる。
<工程(d)>
必要に応じて、重合体ブロックC、即ちブロック構造A−B−Cを有するリビングポリマーに対し、α‐メチルスチレン以外のアニオン重合性モノマーを重合させることによりリビング活性末端を変種し、重合体ブロックDを形成する。この工程でブロック構造A−B−C−Dのリビングポリマーを取得できる。なお、このリビングポリマーに、アルコール類、カルボン酸類、水などの活性水素化合物を添加して重合反応を停止させることにより、ブロック構造A−B−C−Dを少なくとも一つ有するブロック共重合体を得ることができる。
重合体ブロックDを構成する重合性モノマーが、ビニルフェニル系化合物、モノ又はジアルキルスチレン系化合物、1,1−ジアリールエチレン化合物の場合、重合させる量が少ない場合には、得られるブロック共重合体の高温特性が十分でない場合がある。一方重合させる量が多い場合は、得られるブロック共重合体の加工性が十分でない場合がある。重合体ブロックDを構成する重合性モノマーが共役ジエンの場合、重合させる量が少ない場合には、得られるブロック共重合体のゴム的性質が十分でない場合がある。一方重合させる量が多い場合には、得られるブロック共重合体の加工性が十分でない場合がある。
工程(d)において、アニオン重合性モノマーを反応系に添加する方法としては、特に制限はなく、工程(c)で得られた、重合体ブロックCの反応混合物に直接添加してもよく、あるいは溶媒で希釈した後に添加してもよく、溶媒と同時に添加してもよい。
工程(d)における重合温度条件は、重合速度、リビング性(ブロック効率)、製造コストなどの点から、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃〜80℃である。重合温度が30℃未満であると、反応速度が遅くなり工業的に有利な条件とすることができず、また共役ジエンを用いる場合にはミクロ構造の制御が困難となる場合があり好ましくない。
本発明の製造方法においては、前述したように、工程(c)又は工程(d)で得られたリビニグポリマーに対し、以下に説明する多官能性カップリング剤との反応および/または水素添加反応を行うことができる。
<多官能カップリング剤との反応>
工程(c)又は工程(d)で得られたリビングポリマーに、カップリング剤、例えば、多官能性カップリング剤を反応させることにより、ヘキサブロックまたはラジアルテレブロック型のブロック共重合体を製造することができる。この場合のブロック共重合体は、多官能性カップリング剤の使用量を調製することで、カップリング反応体と未反応のブロック共重合体を任意の割合で含む混合物とすることもできる。
カップリング反応条件としては、従来のスチレン系ブロック共重合体の製造の際に用いられている条件と同様の条件を採用することができる。例えば、30℃以上という条件を挙げることができる。
なお、使用する多官能性カップリング剤については、本発明のブロック共重合体に関して前述したものを使用することができる。
工程(c)で得られたリビングポリマーに多官能カップリング剤を反応させることにより(A―B―C)nX型ブロック共重合体が得られ、工程(d)で得られたリビングポリマーに多官能カップリング剤を反応させることにより(A―B―C−D)nX型ブロック共重合体が得られる(Xは前述した多官能カップリング剤残基を表す、nは2以上の整数を示す)。
<水素添加反応>
工程(c)もしくは工程(d)で得られたブロック共重合体またはそれらに多官能性カップリング剤を反応させることによる得られたブロック共重合体を、耐熱性および耐候性の観点から水素添加することが好ましい。この場合、リビングポリマーを使用する場合には、予めアルコール類、カルボン酸類、水などの活性水素化合物を添加して重合反応乃至はカップリング反応を停止させた後、公知の水添方法に従って不活性有機溶媒中で水添触媒の存在下に水添することにより、水添されたブロック共重合体を得ることができる。
このような水添方法としては、通常、アルキルアルミニウム化合物とコバルトもしくはニッケルとからなるチーグラー触媒等の水添触媒の存在下に、反応温度20〜100℃、水素圧力0.1〜10MPaの条件下で行う方法が挙げられる。未水添のブロック共重合体は共役ジエン単位由来の不飽和二重結合の好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、特に好ましくは80%以上が飽和されるまで水添されることが望ましく、これによりブロック共重合体の耐熱劣化性や耐候性を高めることができる。水添されたブロック共重合体における共役ジエン単位由来の不飽和二重結合の水添率は、ヨウ素価滴定法、赤外分光スペクトル測定、核磁気共鳴スペクトル(H−NMRスペクトル)測定等の分析手段を用いて算出することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例および具体例においては、入手し得る限り最高の純度(例えば、試薬特級グレード)の薬品類を使用した。また、溶剤については、十分に脱気・乾燥したものを使用した。
以下の実施例及び比較例において得られたブロック共重合体の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算測定値である。
また、ブロック構造A−B−C又はブロック構造A−B−C−Dを有するブロック共重合体のリビング性は、ブロック共重合体のGPC測定におけるUV(254nm)吸収面積を下記の式において計算した値である。以下の式中、“[A−B−C−D]”は、α‐メチルスチレンブロックAとα‐メチルスチレンを除く芳香族ビニル化合物ブロックBと共役ジエンブロックCとα‐メチルスチレン以外のアニオン重合性成分ブロックDとからなるブロック重合体(ブロック構造A−B−C−D)の吸収面積を表し、“[A−B−C]”は、α‐メチルスチレンブロックAとα‐メチルスチレンを除く芳香族ビニル化合物ブロックBと共役ジエンブロックCからなるブロック重合体(ブロック構造A−B−C)の吸収面積を表し、“[A−B]”は、α‐メチルスチレンブロックAとα‐メチルスチレンを除く芳香族ビニル化合物ブロックBとからなるブロック重合体(ブロック構造A−B)の吸収面積を表し、“[A]”は、α‐メチルスチレンブロックAからなるブロック重合体(ブロック構造A)の吸収面積を表している。
Figure 0005168460
また、ブロック共重合体の組成、ミクロ構造の解析は、核磁気共鳴スペクトル測定(H−NMR)で行った。さらに、α‐メチルスチレンの重合転化率は、ガスクロマトグラフィーにより残存α‐メチルスチレン単量体を定量することで求めた。
実施例1(ブロック共重合体a−1の製造)
窒素置換した攪拌装置付き耐圧容器に、α‐メチルスチレン90.9g、シクロヘキサン138g、メチルシクロヘキサン15.2gおよびテトラヒドロフラン3.1gを仕込んだ。この混合液にsec‐ブチルリチウム(1.3Mシクロヘキサン溶液)9.4mlを添加し、−10℃で3時間重合させた。重合開始3時間後のポリα‐メチルスチレン(ブロックA)の数平均分子量をGPCにより測定したところ、ポリスチレン換算で6,600であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.03であり、α‐メチルスチレンの重合転化率は89%であった。
次いで、この反応混合液に1,1‐ジフェニルエチレン11.0gを添加し、5℃で30分間攪拌して、ブロックBの重合を行った。この時点のサンプリングで得られたブロック共重合体(ブロック構造A―B)のポリ1,1‐ジフェニルエチレン(ブロックB)の数平均分子量(GPC測定、ポリスチレン換算)は180であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.05であった。
その後、反応混合液にシクロヘキサン930gを加え、更にブタジエン164.3gを加え、50℃で2時間重合反応し、ブロックCの形成を行った。この時点のサンプリングで得られたブロック共重合体(ブロック構造A−B−C)のポリブタジエン(ブロックC)の数平均分子量(GPC測定、ポリスチレン換算)は29,800であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.03であった。また、H−NMR測定から求めた1,4−結合量は60%であった。
続いて、この重合反応溶液に、ジクロロジメチルシラン(0.5Mトルエン溶液)12.2mlを加え、50℃にて1時間攪拌し、α‐メチルスチレン−1,1‐ジフェニルエチレン−ブタジエン−1,1‐ジフェニルエチレン−α‐メチルスチレンブロック共重合体を得た。この時のカップリング効率を、カップリング体(α‐メチルスチレン−1,1‐ジフェニルエチレン−ブタジエン−1,1‐ジフェニルエチレン−α‐メチルスチレンブロック共重合体:A−B−C−X−C−B−A;式中Xはカップリング剤残基(−Si(Me)−)を表す)と未反応ブロック共重合体(α‐メチルスチレン−1,1‐ジフェニルエチレン−ブタジエンブロック共重合体:A−B−C)のGPCにおけるUV吸収の面積比から算出すると94%であった。また、H-NMR解析の結果、α‐メチルスチレン−1,1‐ジフェニルエチレン−ブタジエン−1,1‐ジフェニルエチレン−α‐メチルスチレンブロック共重合体中のα‐メチルスチレン重合体ブロック含有量は33%であり、ブタジエン重合体ブロックBの1,4‐結合量は60%であった。
上記で得られた重合反応溶液中に、オクチル酸ニッケルおよびトリエチルアルミニウムから形成されるZiegler系水素添加触媒を水素雰囲気下に添加し、水素圧力0.8MPa、80℃で5時間の水素添加反応を行い、α‐メチルスチレン−1,1‐ジフェニルエチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物(以下、これをブロック共重合体a−1と略称する)を得た。得られたブロック共重合体a−1をGPC測定した結果、主成分はMt(平均分子量のピークトップ)=81,100、Mn(数平均分子量)=72,000、Mw(重量平均分子量)=73,300、Mw/Mn=1.03であるα‐メチルスチレン−1,1‐ジフェニルエチレン−ブタジエン−1,1‐ジフェニルエチレン−α‐メチルスチレンブロック共重合体の水添物(カップリング体)であり、GPCにおけるUV(254nm)吸収の面積比から、カップリング体は94%含まれることが判明した。また、H-NMR測定によりブタジエンブロックCの水素添加率は99%であった。これらの分子性状を表1にまとめて示す。
また、得られたブロック共重合体について、以下に説明するように(1)硬度、(2)力学的特性(引張破断強度)、(3)低温特性、および(4)圧縮永久歪について試験評価した。得られた結果を表2に示す。
硬度
実施例および比較例で得られた熱可塑性エラストマーであるブロック共重合体を230℃で、3分間プレス成形することによって長さ150mm×幅150mm×厚さ2mmのシートを得た。該試験片を用いてJIS K−6253に準じて、タイプA硬度を測定した。
(2)力学的特性(引張破断強度)
実施例および比較例で得られた熱可塑性エラストマーであるブロック共重合体を230℃で、3分間プレス成形することによって長さ150mm×幅150mm×厚さ2mmのシートを得た。このシートよりJIS K 6251に準拠したダンベル3号型の試験片を打ち抜いて作成し、引張試験を23℃、80℃の温度条件下で実施して引張破断強度を測定した。
(3)低温特性
広域動的粘弾性測定装置(REOVIBRON DDV−III、オリエンテック社製)を用いて、引張モード(11Hz)、昇温速度3℃/minの条件で測定を行い、低温側のtanδのピーク温度を読み取った。この温度が低いほうが、低温特性が良いことからその指標とした。
(4)圧縮永久歪み
実施例および比較例で得られた熱可塑性エラストマーであるブロック重合体を、プレス成形機を使用して230℃、10MPaの圧力で、3分間加熱プレス成形することにより、直径29mm×厚さ12.5mmの圧縮永久歪み測定用の試験片を作製し、JIS K 6262に準じて、80℃の条件下で、圧縮変形量25%で22時間放置した後の圧縮永久歪みを測定し、耐熱性の指標とした。
実施例2(ブロック共重合体a−2の製造)
ブロックBの重合温度を5℃から−10℃にした以外は実施例1と同様にして重合反応、カップリング反応、更に水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体について、実施例1の場合と同様に各種測定を行った。得られた結果を表1および表2に示す。
実施例3(ブロック共重合体a−3の製造)
ブロックBの1,1‐ジフェニルエチレンを1,1‐ジ(o‐トリル)エチレンを12.7gにしたほかは実施例1と同様にして重合反応、カップリング反応、更に水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体について、実施例1の場合と同様に各種測定を行った。得られた結果を表1および表2に示す。
実施例4(ブロック共重合体a−4の製造)
ブロックBの1,1‐ジフェニルエチレンをスチレン44.5gにしたほかは実施例1と同様にして重合反応、カップリング反応、更に水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体について、実施例1の場合と同様に各種測定を行った。得られた結果を表1および表2に示す。
実施例5(ブロック共重合体a−5の製造)
窒素置換した攪拌装置付き耐圧容器に、α‐メチルスチレン90.9g、シクロヘキサン138g、メチルシクロヘキサン15.2gおよびテトラヒドロフラン3.1gを仕込んだ。この混合液にsec‐ブチルリチウム(1.3Mシクロヘキサン溶液)9.4mlを添加し、−10℃で3時間重合させた。重合開始3時間後のポリα‐メチルスチレン(ブロックA)の数平均分子量をGPCにより測定したところ、ポリスチレン換算で6,600であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.03であり、α‐メチルスチレンの重合転化率は89%であった。
次いで、この反応混合液に1,1‐ジフェニルエチレン11.0gを添加し、5℃で30分間攪拌して、ブロックBの重合を行った。この時点のサンプリングで得られたブロック共重合体(構造:A―B)のポリ1,1‐ジフェニルエチレン(ブロックB)の数平均分子量(GPC測定、ポリスチレン換算)で180であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.03であった。
その後、反応混合液にシクロヘキサン930gを加え、更に反応混合液にブタジエン328.6gを加え、50℃で4時間重合反応し、ブロックCの重合を行った。この時点のサンプリングで得られたブロック共重合体(構造:A−B−C)のポリブタジエン(ブロックC)の数平均分子量(GPC測定、ポリスチレン換算)は59,600であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.03であった。また、H−NMR測定から求めた1,4‐結合量は60%であった。
次に、この反応混合液に更にスチレンを80.7g加え、50℃で2時間重合反応し、ブロックDの重合を行った。この時点のサンプリングで得られたブロック共重合体(構造:A−B−C−D)のポリスチレン(ブロックD)の数平均分子量(GPC測定、ポリスチレン換算)は6,600であり、分子量分布は(Mw/Mn)は1.03であった。また、H-NMR解析の結果、α‐メチルスチレン−1,1‐ジフェニルエチレン−ブタジエン−スチレン共重合体中のα‐メチルスチレン重合体ブロック含有量は16%であり、スチレン重合体ブロック含有量は17%であり、ブタジエン重合体ブロックBの1,4−結合量は60%であった。
上記で得られた重合反応溶液中に、オクチル酸ニッケルおよびトリエチルアルミニウムから形成されるZiegler系水素添加触媒を水素雰囲気下に添加し、水素圧力0.8MPa、80℃で5時間の水素添加反応を行い、α‐メチルスチレン−1,1‐ジフェニルエチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物を得た。得られたブロック共重合体をGPC測定した結果、主成分はMt(平均分子量のピークトップ)=81,000、Mn(数平均分子量)=73,000、Mw(重量平均分子量)=74,300、Mw/Mn=1.02であった。また、H-NMR測定により、α‐メチルスチレン−1,1‐ジフェニルエチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水添物のブタジエンブロックCの水素添加率は99%であった。これらの分子性状を表1にまとめて示す。また、実施例1の場合と同様に各種測定を行った。得られた結果を表2に示す。
比較例1(ブロック共重合体b−1の製造)
ブロックBの1,1‐ジフェニルエチレンをブタジエン23g、ブロックCのブタジエン164.3gを141.3gにしたほかは実施例1と同様にして重合反応、カップリング反応、更に水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体について、実施例1の場合と同様に各種測定を行った。得られた結果を表1および表2に示す。
比較例2(ブロック共重合体b−2の製造)
ブロックBの重合温度を5℃から−10℃にしたほかは比較例1と同様にして重合反応、カップリング反応、更に水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体について、実施例1の場合と同様に各種測定を行った。得られた結果を表1および表2に示す。
比較例3(ブロック共重合体b−3の製造)
ブロックBをイソプレン29.1gにしたほかは実施例1と同様にして重合反応、カップリング反応、更に水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体について、実施例1の場合と同様に各種測定を行った。得られた結果を表1および表2に示す。
比較例4(ブロック共重合体b−4の製造)
ブロックBをα―メチルスチレン50.5gにしたほかは実施例1と同様にして重合反応、カップリング反応、更に水素添加反応を行った。得られたブロック共重合体について、実施例1の場合と同様に各種測定を行った。得られた結果を表1および表2に示す。


Figure 0005168460


Figure 0005168460
表2の結果から、実施例1〜5のブロック共重合体は、いずれの評価項目について良好な結果を示した。それに対し、比較例1及び2の場合には、ブロックBがα−メチルスチレン以外の芳香族ビニル化合物単位ではなく、ブタジエン単位から構成されているので、また比較例3の場合にはブロックBがイソプレン単位から構成されているので、実施例に対してそれぞれ破断強度が低下し、圧縮永久歪みも増大することが分かる。また、比較例4の場合には、ブロックBがα−メチルスチレン単位から構成されているので、実施例に対して破断強度の低下が著しく、圧縮永久歪みの増大も著しいことがわかる。そして、比較例1〜3の場合については、実施例に対してそれぞれ低温特性も低下していることが分かる。
本発明のブロック共重合体によれば、α‐メチルスチレン単位を有する重合体ブロックA、α‐メチルスチレン単位以外の芳香族ビニル化合物単位を有する重合体ブロックBおよび共役ジエン単位を有する重合体ブロックCから構成されている特定のブロック共重合体であるので、耐熱特性、高温時による引張強度、引張伸び等の機械的特性、加硫ゴムにより近い圧縮永久歪みや動的ヒステリシス、高温時による耐摩耗性など優れた高温特性と共に、優れた低温特性を示す。また、本発明のブロック共重合体の製造方法によれば、特定の工程(a)〜(c)を有するので、より高温で重合可能であり、製造コストを抑えてかつ高いリビング性を実現することが可能となる。このため、優れた高温特性と低温特性を兼ね備えた本発明のブロック共重合体を提供できる。従って、本発明のブロック共重合体は、単独で、あるいは熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂との組成物で、成形品、フィルム・シート、ホース・チューブ、繊維などの各種成型体を得ることができ、自動車、電気・電子、医療、建材、日用品・雑貨、靴用材料などの様々な用途分野で広く使用することができる。

Claims (9)

  1. α‐メチルスチレン単位を有し、数平均分子量が1,000〜300,000である重合体ブロックA、
    1,1−ジアリールエチレン化合物単位を有し、数平均分子量が100〜20,000である重合体ブロックB、及び
    共役ジエン単位を有し、1,4−結合量が30%以上であり、数平均分子量が10,000〜400,000である重合体ブロックC
    から構成されてなるブロック構造A−B−Cの水素添加ブロック構造を少なくとも一つ有するブロック共重合体。
  2. 1,1−ジアリールエチレン化合物が、1,1−ジフェニルエチレンである請求項記載のブロック共重合体。
  3. 重合体ブロックCにおける共役ジエン単位が、1,3−ブタジエン単位及び/又はイソプレン単位である請求項1または2記載のブロック共重合体。
  4. 更に、ビニルフェニル系モノマー単位を有し、数平均分子量が1,000〜300,000である重合体ブロックD
    を有し、ブロック構造A−B−C−Dの水素添加ブロック構造を少なくとも一つ有する請求項1〜のいずれかに記載のブロック共重合体。
  5. 以下の工程(a)〜(c):
    工程(a)
    非極性溶媒中有機リチウム化合物を開始剤として用い、0.1〜10質量%の濃度の極性化合物の存在下、−30〜30℃の温度にて、5〜50質量%の濃度のα−メチルスチレンを重合させて重合体ブロックAを形成する工程;
    工程(b)
    重合体ブロックAを構成するリビングポリα−メチルスチリルリチウムに対して、−15℃〜30℃の温度にて、1〜100モル当量の1,1−ジアリールエチレン化合物単位を重合させて重合体ブロックBを形成する工程;及び
    工程(c)
    重合体ブロックBに対し、30℃を超える温度で共役ジエンを重合させて重合体ブロックCを形成する工程
    を有し、更に、工程(c)で得られたブロック共重合体を水素添加する工程を有するブロック共重合体の製造方法。
  6. 以下の工程(d)
    工程(d)
    重合体ブロックCに対し、ビニルフェニル系モノマーを重合させて重合体ブロックDを形成する工程
    を更に有する請求項記載の製造方法。
  7. 更に、工程(c)又は工程(d)で得られたリビングポリマーに対し、多官能性カップリング剤との反応および/または水素添加反応を行う請求項5又は6記載の製造方法。
  8. 1,1−ジアリールエチレン化合物が、1,1−ジフェニルエチレンである請求項記載の製造方法。
  9. 工程(c)で使用する共役ジエンが、1,3−ブタジエン及び/又はイソプレンである請求項5〜8のいずれかに記載の製造方法。
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