JP2005255853A - シーリング材 - Google Patents

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Nobuhiro Miwa
伸浩 三輪
Yoshio Hirayama
吉男 平山
Noboru Higashida
昇 東田
Kenji Shiyaji
賢治 社地
Mizuho Maeda
瑞穂 前田
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Abstract

【課題】 柔軟性、透明性、被着体との密着性、成形加工性に優れ、そして耐熱性が改良され、高温雰囲気下での使用に適したシーリング材を提供すること。
【解決手段】 (a)主としてα−メチルスチレン単位からなる重合体ブロックAおよび主として共役ジエン単位からなる重合体ブロックBを有するブロック共重合体および/またはその水素添加物100質量部に対して、(b)非芳香族系ゴム用軟化剤100〜2000質量部の範囲で含有する熱可塑性重合体組成物からなるシーリング材。
【選択図】 なし

Description

本発明は、主としてα−メチルスチレン単位からなる重合体ブロックを有するブロック共重合体および/またはその水素添加物を含有する熱可塑性重合体組成物からなるシーリング材に関する。本発明によって提供されるシーリング材は、柔軟性、透明性、被着体との密着性、成形加工性に優れ、さらに耐熱性にも優れるため、高温雰囲気下での使用に適している。
スチレン−ブタジエン−スチレン型ブロック共重合体またはその水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレン型ブロック共重合体またはその水素添加物などのスチレン系熱可塑性エラストマーは、柔軟性、成形性などの物性に優れ、低比重であること、リサイクル性にも優れるという特徴を有することから、近年、環境汚染などの問題とも相俟って、加硫ゴムやポリ塩化ビニルの代替として、自動車部品、工業用品、雑貨、スポーツ用途などの広範囲の分野において使用されるようになっている。
一方、従来から、電気、自動車、建築等各産業分野において、その接合部の密封性を保持するため、すなわち防塵、防水の目的で、各種のシーリング材が自動車等の灯具、建造物用部材などの様々な部分に使用されてきた。シーリング材としては、その特性としてゴム弾性を有する材料が多く用いられ、古くは、加硫ゴム、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウレタンなどの成形品が用いられていたが、近年になって、エラストマー系のホットメルトタイプのポリマーなども用いられるようになっている。
スチレン系熱可塑性エラストマーを用いたシーリング材としては、特定値以上の極限粘度を有するスチレン系熱可塑性エラストマーをベースポリマーとし、液状軟化剤を配合した特定範囲の軟化点、圧縮永久歪みおよび流動性を有する、工業用シール材、緩衝材、防振材などとして適用できるホットメルト組成物が提案されている(特許文献1参照)。また、前記スチレン系熱可塑性エラストマーをベースポリマーとしたホットメルト組成物の高温特性を改良する目的でポリフェニレンエーテル樹脂を添加したホットメルト組成物(特許文献2および特許文献3参照)が開示され、特許文献2には高温でのシール材としての特性に優れ、かつ、極めて凝集力の強いホットメルト組成物であること、特許文献3には60℃〜80℃での圧縮永久歪みをJIS K 6262に準拠した測定法において90%以下に改善し、シール性を確保しつつ、使用後の剥離が容易なホットメルト組成物であることが記載されている。さらに、マレイン酸変性スチレン系ブロックコポリマーを有機過酸化物により架橋させてなる60℃〜120℃の圧縮永久歪みが90%以下であるホットメルト型シール材用組成物(特許文献4参照)、70℃、22時間の圧縮永久歪み(JIS K 6301)が35%以下であり、かつ20℃における硬度(JIS K 6301)が5以下である、好適にはスチレン−ジエン共重合体またはその水素化体に重合性単量体をグラフト反応させて得られるゴム質重合体を含有してなるホットメルト型シール材(特許文献5参照)が提案されている。
特開平11−323026号公報 特開2001−81277号公報 特開2002−105423号公報 特開2001−288454号公報 特開2002−38116号公報
特許文献1記載のホットメルト組成物は耐熱性が必ずしも充分とはいえず、例えば自動車用ランプのシーリング材など、高温に頻繁にさらされる雰囲気下で使用した場合の特性、すなわち高温下での圧縮永久歪みに劣るため、使用範囲が限定されるという問題がある。特許文献2および特許文献3のホットメルト組成物は、ポリフェニレンエーテル樹脂由来の臭気、着色の問題がある。特許文献4および特許文献5のホットメルト組成物では、成形加工性が必ずしも良好ではない。また、上記特許文献1〜特許文献3記載のホットメルト型シール材に使用されるスチレン系熱可塑性エラストマーにおいても、耐熱性向上を目的に特定分子量以上の高分子量重合体を使用しているため、得られるホットメルト組成物の流動性が低く、成形加工性に劣るという問題がある。
しかして、本発明の目的は、柔軟性、透明性、被着体との密着性、流動性が高く成形加工性に優れ、さらに耐熱性にも優れる、高温雰囲気下での使用に適したシーリング材、特にホットメルト型のシーリング材を提供することにある。
本発明によれば、上記の目的は、(a)主としてα−メチルスチレン単位からなる重合体ブロックAおよび主として共役ジエン単位からなる重合体ブロックBを有するブロック共重合体および/またはその水素添加物(以下、これらを総称してブロック共重合体(a)と称する)100質量部に対して、(b)非芳香族系ゴム用軟化剤を100〜2000質量部の範囲で含有する熱可塑性重合体組成物からなるシーリング材を提供することによって達成される。
また、本発明においては、ブロック共重合体(a)が、数平均分子量1000〜50000のα−メチルスチレンを主体とする重合体ブロックA、および数平均分子量が1000〜30000であって、該ブロックを構成する共役ジエン単位の1,4−結合量が30%未満であるブロックb1および数平均分子量が10000〜400000であって、該ブロックを構成する共役ジエン単位の1,4−結合量が30%以上であるブロックb2を含む重合体ブロックBを有し、(A−b1−b2)構造を少なくとも一つ含むことを特徴とする上記のシーリング材を好ましい態様として包含する。
本発明によれば、柔軟性、透明性、被着体との密着性、流動性が高く成形加工性に優れ、さらに耐熱性にも優れる、高温雰囲気下での使用に適したシーリング材、特にホットメルト型のシーリング材を提供することができる。
本発明のシーリング材をなす熱可塑性重合体組成物の構成成分であるブロック共重合体(a)の重合体ブロックAは、α−メチルスチレン単位を主体とする重合体ブロックである。該重合体ブロックAは、得られる熱可塑性重合体組成物の耐熱性および力学的特性の観点から、α−メチルスチレンに由来する構造単位のみで構成されているのが好ましい。但し、本発明の目的および効果の妨げにならない限り、重合体ブロックAはα−メチルスチレン以外の不飽和単量体、例えばブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、イソブチレン、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、メタクリル酸メチル、メチルビニルエーテル、N−ビニルカルバゾール、β−ピネン、8,9−p−メンテン、ジペンテン、メチレンノルボルネン、2−メチレンテトラヒドロフランなどに由来する構造単位の1種または2種以上を少量、好ましくは重合体ブロックAに対する割合として10質量%以下の範囲で有していてもよい。
ブロック共重合体(a)の重合体ブロックAの数平均分子量は1000〜50000の範囲であるのが好ましく、2000〜40000の範囲であるのがより好ましい。重合体ブロックAの数平均分子量が1000未満の場合は、得られる熱可塑性重合体組成物の耐熱性の改良効果が劣る傾向となり、シーリング材としての性能が不十分なものとなる。一方、数平均分子量が50000を越える場合は、得られる熱可塑性重合体組成物の成形加工性が劣る傾向となる。なお、本明細書でいう数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって求めたポリスチレン換算の分子量である。
ブロック共重合体(a)における重合体ブロックAの含有量は10〜40質量%の範囲であるのが好ましい。重合体ブロックAの含有量が10質量%未満の場合には得られる熱可塑性重合体組成物の耐熱性が劣る傾向となり、一方40質量%を超える場合には得られる熱可塑性重合体組成物の柔軟性が乏しくなる傾向となり、いずれもシーリング材としての性能が不十分なものとなる。なお、ブロック共重合体(a)における重合体ブロックAの含有量は、例えばH−NMRスペクトルなどにより求めることができる。
ブロック共重合体(a)中の重合体ブロックBを構成する共役ジエン単位としては、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどに由来する単位が挙げられる。これらの共役ジエンは、1種類を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、重合体ブロックBは、ブタジエン、イソプレンまたはブタジエンとイソプレンの混合物からなる単位で構成されているのが好ましい。
さらに、ブロック共重合体(a)の重合体ブロックBは、本発明の趣旨を損なわない限り、少量、好ましくは重合体ブロックBに対する割合として10質量%以下の範囲内で、共役ジエン単位以外の前記した他のアニオン重合可能な単量体を単位を含有していてもよい。重合体ブロックBが共役ジエン単位以外に他の単量体単位を含有する場合の形態は、ランダム、ブロック、テーパード状のいずれでもよい。
ブロック共重合体(a)の重合体ブロックBの数平均分子量は10000〜500000の範囲が好ましく、20000〜400000の範囲がより好ましい。重合体ブロックBの数平均分子量が10000未満の場合、得られる熱可塑性重合体組成物の耐熱性が劣る傾向となり、シーリング材としての性能が不十分なものとなる。一方、分子量が500000を越える場合、得られる熱可塑性重合体組成物の成形加工性が劣る傾向となる。
ブロック共重合体(a)において、重合体ブロックAと重合体ブロックBは、それらが結合している限りは、その結合様式は限定されず、直鎖状、分岐状、放射状またはそれらの2つ以上が組合わさった結合形式のいずれでもよい。それらのうちでも、重合体ブロックAと重合体ブロックBの結合形式は直鎖状であることが好ましく、その例としては重合体ブロックAをAで、重合体ブロックBをBで表したときに、A−B−Aで示されるトリブロック共重合体、A−B−A−Bで示されるテトラブロック共重合体、A−B−A−B−Aで示されるペンタブロック共重合体、(A−B)nX型共重合体(Xはカップリング剤残基を表し、nは2以上の整数を表す)などが挙げられる。これらのブロック共重合体は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物を用いてもよい。中でも、トリブロック共重合体(A−B−A)が、ブロック共重合体(a)の製造の容易性、柔軟性などの点から好ましく用いられる。
ブロック共重合体(a)における重合体ブロックBは、耐熱性や耐候性の観点から、共役ジエン単位に基づく炭素−炭素二重結合の50モル%以上が水素添加(水添)されていることが好ましく、70モル%以上が水添されていることがより好ましく、90モル%以上が水添されていることがさらに好ましい。
なお、上記の水素添加率は、重合体ブロックB中の共役ジエン単位に基づく炭素−炭素二重結合の含有量を、水素添加の前後において、ヨウ素価測定、赤外分光光度計、H−NMRスペクトルなどによって測定し、該測定値から求めることができる。
ブロック共重合体(a)は、本発明の趣旨を損なわない限り、分子鎖中および/または分子末端に、カルボキシル基、水酸基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基などの官能基を1種または2種以上含有していてもよい。また、ブロック共重合体(a)として、前記した官能基を有するブロック共重合体(a)と官能基を有さないブロック共重合体(a)を混合して使用してもよい。
ブロック共重合体(a)は、アニオン重合法によって製造することができ、次のような具体的な合成例が示される。(1)テトラヒドロフラン溶媒中で1,4−ジリチオ−1,1,4,4−テトラフェニルブタンなどのジアニオン系開始剤を用いて共役ジエンを重合後に、−78℃の条件下でα−メチルスチレンを逐次重合させ、A−B−Aで示されるトリブロック共重合体を得る方法(マクロモレキュールズ(Macromolecules),2巻,453−458頁(1969年)参照);(2)シクロヘキサンなどの非極性溶媒中でα−メチルスチレンをsec−ブチルリチウムなどのアニオン重合系開始剤で重合させた後、共役ジエンを重合させ、その後テトラクロロシラン、ジフェニルジクロロシランなどのカップリング剤(α,α’−ジクロロ−p−キシレン、安息香酸フェニルなどを用いることもできる)を添加してカップリング反応を行い、(A−B)nX型ブロック共重合体を得る方法(カウチュック グミ クンストストッフェ(Kautsch.Gummi,Kunstst.),37巻,377−379頁(1984年);ポリマー ブリティン(Polym.Bull.),12巻,71−77頁(1984年)参照);(3)非極性溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として用い、0.1〜10質量%の濃度の極性化合物の存在下、−30〜30℃の温度にて、5〜50質量%の濃度のα−メチルスチレンを重合させ、得られるリビングポリマーに共役ジエンを重合させた後、カップリング剤を添加して、A−B−A型ブロック共重合体を得る方法、(4)非極性溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として用い、0.1〜10質量%の濃度の極性化合物の存在下、−30〜30℃の温度にて、5〜50質量%の濃度のα−メチルスチレンを重合させ、得られるリビングポリマーに共役ジエンを重合させ、得られるα−メチルスチレン重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックからなるブロック共重合体のリビングポリマーにα−メチルスチレン以外のアニオン重合性モノマーを重合させA−B−C型ブロック共重合体を得る方法。
上記ブロック共重合体の具体的製造方法中、(3)および(4)の方法が好ましく、特に(3)の方法がより好ましい方法として採用される。以下、上記(3)の方法について具体的に説明する。
上記の方法において重合開始剤として用いられる有機リチウム化合物としては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムなどのモノリチウム化合物、およびテトラエチレンジリチウムなどのジリチウム化合物が挙げられる。これらの化合物は単独で用いても、または2種以上を混合して使用してもよい。
α−メチルスチレンの重合時に使用される溶媒は非極性溶媒であり、例えばシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などが挙げられる。これらは単独で用いても、または2種以上を混合して使用してもよい。
α−メチルスチレンの重合時に使用される極性化合物とは、アニオン種と反応する官能基(水酸基、カルボニル基など)を有しない、分子内に酸素原子、窒素原子などの複素原子を有する化合物であり、例えばジエチルエーテル、モノグライム、テトラメチルエチレンジアミン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらの化合物は単独で用いても、または2種以上を混合して使用してもよい。
反応系中における極性化合物の濃度は、α−メチルスチレンを高い転化率で重合させ、この後の共役ジエンを重合させる際に、共役ジエン重合体ブロツク部の1,4−結合量を制御する観点から、0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜3質量%の範囲がより好ましい。
反応系中におけるα−メチルスチレン濃度は、α−メチルスチレンを高い転化率で重合させ、また重合後期における反応溶液の粘度の点から、5〜50質量%の範囲にあることが好ましく、25〜40質量%の範囲がより好ましい。
なお、上記の転化率とは、未重合のα−メチルスチレンが重合により重合体へと転化された割合を意味し、本発明においてその程度は70%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
α−メチルスチレンの重合時の温度条件は、α−メチルスチレンの天井温度(重合反応が平衡状態に達して実質的に進行しなくなるときの温度)、α−メチルスチレンの重合速度、リビング性などの点から−30〜30℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは−20〜10℃、さらに好ましくは−15〜0℃である。重合温度を30℃以下とすることにより、α−メチルスチレンを高い転化率で重合させることができ、さらに生成するリビングポリマーが失活する割合も小さく、得られるブロック共重合体中にホモポリα−メチルスチレンが混入するのを抑え、物性が損なわれない。また、重合温度を−30℃以上とすることにより、α−メチルスチレンの重合後期において反応溶液が高粘度化することなく撹拝でき、低温状態を維持するのに必要な費用がかさむこともないため、経済的にも好ましい。
上記方法においては、α−メチルスチレン重合体ブロックの特性が損なわれない限り、α−メチルスチレンの重合時に他のビニル芳香族化合物を共存させ、これをα−メチルスチレンと共重合させてもよい。ビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどが挙げられる。ビニル芳香族化合物は単独で用いても、または2種以上使用してもよい。
有機リチウム化合物を開始剤に用いたα−メチルスチレンの重合によりリビングポリα−メチルスチリルリチウムが生成するので、次いでこのものに共役ジエンを重合させる。共役ジエンとしては、例えばブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらの化合物は単独で用いても、または2種以上を混合して使用してもよい。この中でもブタジエンまたはイソプレンが好ましく、これらは混合して用いてもよい。
共役ジエンは反応系に添加することにより重合に供される。共役ジエンを反応系に添加する方法としては、特に制限はなく、リビングポリα−メチルスチリルリチウム溶液に直接添加しても、あるいは溶媒で希釈して添加してもよい。共役ジエンを溶媒に希釈して添加する方法としては、共役ジエンを加えた後、溶媒で希釈するか、または共役ジエンと溶媒を同時に投入するか、あるいは溶媒で希釈した後に共役ジエンを加えてもよい。好適には、リビングポリα−メチルスチリルリチウムに対して1〜100モル当量、好ましくは5〜50モル当量に相当する量の共役ジエンを添加して共役ジエンブロック(以下、これを重合体ブロックb1と称することがある)を形成してリビング活性末端を変種した後、溶媒で希釈し、続いて残りの共役ジエンを投入し、30℃を超える温度、好ましくは40〜80℃の温度範囲で重合反応を行い、共役ジエンブロックをさらに形成(以下、これを重合体ブロックb2と称することがある)させる方法が推奨される。なお、リビングポリα−メチルスチリルリチウムの活性末端を変種するに際し、共役ジエンの代りにスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレンなどのビニル芳香族化合物を用いてもよい。
ここで希釈に用いることができる溶媒としては、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などを挙げることができる。これらの溶媒は単独で用いても、または2種以上を混合して用いてもよい。
リビングポリα−メチルスチリルリチウムに共役ジエンを共重合させて得られるα−メチルスチレン重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックからなるブロック共重合体のリビングポリマーに、例えば、多官能性カップリング剤を反応させることにより、トリブロックまたはラジアルテレブロック型のブロック共重合体(a)を製造することができる。この場合のブロック共重合体は、多官能性カップリング剤の使用量を調整することにより得られる、ジブロック、トリブロック、ラジアルテレブロック型のブロック共重合体を任意の割合で含む混合物であってもよい。多官能性カップリング剤としては、安息香酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸エチル、酢酸メチル、ピバリン酸メチル、ピバリン酸フェニル、ピバリン酸エチル、α,α’−ジクロロ−o−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジクロロ−p−キシレン、ビス(クロロメチル)エーテル、ジブロモメタン、ジヨードメタン、フタル酸ジメチル、ジクロロジメチルシラン、ジクロロジフェニルシラン、トリクロロメチルシラン、テトラクロロシラン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。なお、多官能性カップリング剤の使用量は、ブロック共重合体(a)の数平均分子量に応じて適宜調整すればよく、厳密な意味での制限はない。
α−メチルスチレン重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックからなるブロック共重合体のリビングポリマーに多官能性カップリング剤を反応させることにより得られるトリブロックまたはラジアルテレブロック型のブロック共重合体(a)を水素添加(水添)する場合には、必要に応じてアルコール類、カルボン酸類、水などの活性水素化合物を添加してカップリング反応を停止させたのち、後述する公知の方法にしたがって不活性有機溶媒中で水添触媒の存在下に水添することにより、水添されたブロック共重合体(a)とすることができる。
また、α−メチルスチレン重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックからなるブロック共重合体(a)を水素添加する場合には、リビングポリα−メチルスチリルリチウムに共役ジエンを重合させた後、アルコール類、カルボン酸類、水などの活性水素化合物を添加して重合反応を停止させ、後述する公知の方法にしたがって不活性有機溶媒中で水添触媒の存在下に水添して、水添されたブロック共重合体(a)とすることができる。
α−メチルスチレン重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックからなる未水添のブロック共重合体、またはα−メチルスチレン重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックからなるブロック共重合体のリビングポリマーに多官能性カップリング剤を反応させることにより得られる未水添のトリブロックまたはラジアルテレブロック型ブロック共重合体(いずれも本発明で使用するブロック共重合体(a)に包含される)は、その製造に使用された溶媒を置換することなく、そのまま水素添加に供することができる。
水添反応は、ラネーニッケル;Pt、Pd、Ru、Rh、Niなどの金属をカーボン、アルミナ、硅藻土などの担体に担持させた不均一触媒;遷移金属化合物(オクチル酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、コバルトアセチルアセトナートなど)とトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物または有機リチウム化合物などとの組み合わせからなるチーグラー系触媒;チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどの遷移金属のビス(シクロペンタジエニル)化合物とリチウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、亜鉛またはマグネシウムなどからなる有機金属化合物の組み合わせからなるメタロセン系触媒などの水添触媒の存在下に、通常、反応温度20〜100℃、水素圧力0.1〜10MPaの条件下で行うことができる。未水添のブロック共重合体(a)は共役ジエン重合体ブロック中の炭素−炭素二重結合の70%以上、特に好ましくは90%以上が飽和されるまで水添されることが望ましく、これによりブロック共重合体(a)の耐候性を高めることができる。
本発明に用いるブロック共重合体(a)は、上記方法で得られたものが好ましく用いられ、特に、非極性溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として用い、0.1〜10質量%の濃度の極性化合物の存在下、−30〜30℃の温度にて5〜50質量%の濃度のα−メチルスチレンを重合させ、次いで共役ジエンの重合に際して、まずリビングポリα−メチルスチリルリチウムに対して1〜100モル当量の共役ジエンを添加してリビング活性末端を変種しつつ重合させて重合体ブロックb1を形成し、次いで反応系を30℃を超える温度として、共役ジエンを追加して重合させて重合体ブロックb2を形成せしめて得られたものであることが、熱可塑性重合体組成物のシーリング材としての特性が広い温度範囲において優れる点から望ましい。すなわち、この場合、重合体ブロックBは、重合体ブロックb1および重合体ブロックb2よりなる。
上記ブロック共重合体(a)は、その構造として直鎖状、分岐状などに限定はされないが、中でも、(A−b1−b2)構造を少なくとも一つ有するブロック共重合体が好ましく、A−b1−b2−b2−b1−A型共重合体、A−b1−b2−b2−b1−A型共重合体とA−b1−b2型共重合体の混合物、(A−b1−b2)nX型共重合体(Xはカップリング剤残基を表す、nは2以上の整数である)などが挙げられる。
上記ブロック共重合体(a)中の重合体ブロックAの数平均分子量は1000〜50000が好ましく、より好ましくは2000〜40000である。また、上記ブロック共重合体(a)中の重合体ブロックb1の数平均分子量は1000〜30000が好ましく、より好ましくは2000〜25000で、かつ重合体ブロックb1を構成する共役ジエン単位の1,4−結合量は30%未満であることが好ましい。さらに、上記ブロック共重合体中の重合体ブロックb2の数平均分子量は10000〜400000が好ましく、20000〜300000であるのがより好ましく、かつ重合体ブロックb2を構成する共役ジエン単位の1,4−結合量は30%以上であることが好ましく、より好ましくは35%〜95%、さらに好ましくは40%〜80%である。
本発明のシーリング材をなす熱可塑性重合体組成物の構成成分である非芳香族系ゴム用軟化剤(b)としては、例えばパラフィン系、ナフテン系などの芳香族成分を構成する炭素数の割合が全炭素数中50%未満である炭化水素系油;流動パラフィン;落花生油、ロジンなどの植物油;リン酸エステル;低分子量ポリエチレン、エチレンとα−オレフィン共重合オリゴマー、液状ポリブテン、液状ポリブタジエンまたはその水素添加物、液状ポリイソプレンまたはその水素添加物などの炭化水素系合成油などの公知の軟化剤を用いることができる。これらは1種類を単独で、または2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、本発明においては、非芳香族系ゴム用軟化剤(b)として、パラフィン系の炭化水素系油を用いるのが好ましい。
非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の40℃での動粘度は30mm/s以上であることが好ましく、80mm/s以上であることがより好ましく、200mm/s以上であることがさらに好ましい。非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の動粘度が30mm/sより小さい場合には、本発明のシーリング材の耐熱性、特に高温における圧縮永久歪みが劣る傾向がある。
非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の含有量は、ブロック共重合体(a)100質量部に対して100〜2000質量部の範囲であることが必要であり、200〜1500質量部の範囲であるのが好ましい。非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の含有量がブロック共重合体(a)100質量部に対し100質量部以下であると、熱可塑性重合体組成物からなるシーリング材の柔軟性が乏しくなり、成形加工性にも劣る。一方、2000質量部を超えると、熱可塑性重合体組成物からなるシーリング材の耐熱性が低下するばかりか、非芳香族系ゴム用軟化剤(b)のブリードという問題が生じる。
ブロック共重合体(a)と非芳香族系ゴム用軟化剤(b)を含有する熱可塑性重合体組成物の270℃における溶融粘度は5〜500Pa・sの範囲であるのが好ましく、8〜200Pa・sの範囲であるのがより好ましい。かかる熱可塑性重合体組成物の270℃における溶融粘度が5Pa・sより小さい場合は本発明のシーリング材の耐熱性、特に高温における圧縮永久歪みが劣る傾向にあり、一方、500Pa・sより大きい場合には、成形加工性が劣る傾向となる。
前記熱可塑性重合体組成物は、ブロック共重合体(a)、非芳香族系ゴム用軟化剤(b)以外に、必要に応じて、本発明の趣旨を損なわない範囲内で、エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)や、エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴム(EPDM)などのゴム;ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのスチレン系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマーなどのポリオキシメチレン系樹脂(ポリアセタール系樹脂);ポリメチルメタクリレート系樹脂などのアクリル系樹脂;スチレン−共役ジエンブロック共重合体またはその水素添加物などの他の重合体を含有していてもよい。
また、前記熱可塑性重合体組成物は、必要に応じて、本発明の趣旨を損なわない範囲内で、例えばタルク、クレー、マイカ、ケイ酸カルシウム、ガラス中空球、ガラス繊維、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ホウ酸亜鉛、ドーソナイト、ポリリン酸アンモニウム、カルシウムアルミネート、ハイドロタルサイト類、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化アンチモン、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、活性炭、炭素中空球、チタン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、炭化ケイ素、雲母、木粉、でんぷんなどをさらに添加することができる。
さらに、前記熱可塑性重合体組成物は、必要に応じて、他の添加剤、例えば熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、撥水剤、防水剤、粘着付与樹脂、アンチブロッキング剤、金属不活性化剤、防菌剤などをさらに添加してもよい。
上記した熱可塑性重合体組成物は、従来の慣用の方法で製造することができる。例えば一軸押出機、二軸押出機、ブラベンダー、ニーダーなどの混練機を用いて各構成成分を混練して熱可塑性重合体組成物を得る。また、混練に先立ち、各構成成分をヘンシェルミキサーやタンブラーのような混合機を用いて予めドライブレンドしておくと、均質な熱可塑性重合体組成物を容易に得ることができる。なお、混練温度は、通常160〜280℃の範囲が好ましく、190〜250℃の範囲がより好ましい。
このようにして得られた熱可塑性重合体組成物からなるシーリング材は、柔軟性、透明性、被着体との密着性、成形加工性に優れ、そして耐熱性が改良されることから、高温雰囲気下での使用に適した材料である。
本発明のシーリング材は、上記した特性を活かして、特にホットメルト型シーリング材として、自動車や信号機などのランプとハウジングボディとの接合部、住宅関連分野における内外装パネルの接合部、サッシ枠と外壁パネルとの取り付け部位などのシーリング材用途の他、各種パッキン、ガスケット材として使用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における物性評価は以下に示す方法で行った。
〈1〉透明性
実施例および比較例で得られた熱可塑性重合体組成物を、プレス成形機を使用して230℃、10MPaの圧力で、3分間加熱プレス成形することにより、縦50mm×横50mm×厚さ2mmのシートを作製し、目視によりシートにくもりが無く透明な場合を(〇)、シートに少し濁りがある場合を(△)、シートが不透明な場合を(×)として透明性を評価した。
〈2〉溶融粘度
実施例および比較例で得られた熱可塑性重合体組成物を用いて、ブルックフィールド型粘度計により270℃での溶融粘度を測定した。
〈3〉圧縮永久歪み
実施例および比較例で得られた熱可塑性重合体組成物を、プレス成形機を使用して230℃、10MPaの圧力で、3分間加熱プレス成形することにより、直径29.0mm×厚さ12.5mmの圧縮永久歪み測定用の試験片を作製し、JIS K 6262に準じて、100℃の条件下で、圧縮変形量25%で24時間放置した後の圧縮永久歪みを測定し、耐熱性の指標とした。
〈4〉硬度
実施例および比較例で得られた熱可塑性重合体組成物を、プレス成形機を使用して230℃、10MPaの圧力で、3分間加熱プレス成形することによって、縦50mm×横50mm×厚さ2mmのシートを得た。このシートを用いて、SRIS 0101−1968に準拠してType−C硬度を測定し、柔軟性の指標とした。
参考例1(ブロック共重合体(a)の製造)
(1)窒素置換した攪拌装置付き耐圧容器に、α−メチルスチレン90.9g、シクロヘキサン138g、メチルシクロヘキサン15.2gおよびテトラヒドロフラン5.7gを仕込んだ。この混合液にsec−ブチルリチウム(1.3Mシクロヘキサン溶液)2.1mlを添加し、−10℃で3時間重合させた。重合開始3時間後のポリα−メチルスチレン(ブロックA)の数平均分子量をGPCにより測定したところ、ポリスチレン換算で30000であり、α−メチルスチレンの重合転化率は88%であった。次いで、この反応混合液にブタジエン4.4gを添加し、−10℃で30分間攪拌して、ブロックb1の重合を行った後、シクロヘキサン930gを加えた。この時点でのα−メチルスチレンの重合転化率は88%であり、ポリブタジエンブロック(b1)の数平均分子量(GPC測定、ポリスチレン換算)は、4000であり、H−NMR測定から求めた1,4−結合量は17%であった。
次に、この反応液にさらにブタジエン158.0gを加え、50℃で2時間重合反応を行った。この時点のサンプリングで得られたブロック共重合体(構造:A−b1−b2)のポリブタジエンブロック(b2)の数平均分子量(GPC測定、ポリスチレン換算)は、129000であり、H−NMR測定から求めた1,4−結合量は53%であった。
(2)続いて、この重合反応溶液に、安息香酸フェニル(0.5Mトルエン溶液)2.7mlを加え、50℃にて1時間攪拌し、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(α−メチルスチレン)トリブロック共重合体を得た。この時のカップリング効率を、カップリング体(ポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(α−メチルスチレン)トリブロック共重合体:A−b1−b2−X−b2−b1−A)と未反応ブロック共重合体(ポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエンブロック共重合体:A−b1−b2)のGPCにおけるUV吸収の面積比から算出すると92%であった。また、H−NMR解析の結果、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(α−メチルスチレン)トリブロック共重合体中のα−メチルスチレン重合体ブロック含有量は33%であり、ブタジエン重合体ブロックB全体(すなわち、ブロックb1およびブロックb2)の1,4−結合量が51%であった。
(3)上記(2)で得られた重合反応溶液中に、オクチル酸ニッケルおよびトリエチルアルミニウムから形成されるチーグラー系水素添加触媒を水素雰囲気下に添加し、水素圧力0.8MPa、80℃で5時間の水素添加反応を行なうことにより、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(α−メチルスチレン)トリブロック共重合体の水素添加物(以下、これをブロック共重合体(a−1)と略称する)を得た。得られたブロック共重合体a−1をGPC測定した結果、主成分はMt(平均分子量のピークトップ)=326000、Mn(数平均分子量)=320000、Mw(重量平均分子量)=327000、Mw/Mn=1.02であるポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(α−メチルスチレン)トリブロック共重合体の水添物(カップリング体)であり、GPCにおけるUV(254nm)吸収の面積比から、カップリング体は92%含まれることが判明した。また、H−NMR測定により、ブロックb1およびブロックb2から構成されるブタジエンブロックBの水素添加率は99%であった。これらの結果を表1にまとめて示す。
参考例2(スチレン系ブロック共重合体(I−1)の製造)
窒素置換した攪拌装置付き耐圧容器に、スチレン81gおよびシクロヘキサン1100g、テトラヒドロフラン3.1gを仕込んだ。この溶液に、sec−ブチルリチウム(1.3M、シクロヘキサン溶液)2.1mlを加え、50℃で1時間重合させた。次いで、この反応混合液にブタジエン165gを加え、50℃で1時間重合を行なった。その後、この反応混合物にさらにジクロロジメチルシラン(0.5M、トルエン溶液)2.7mlを加えて50℃で1時間攪拌することで、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体を含む反応混合液を得た。この反応混合液にオクチル酸ニッケル/トリエチルアルミニウムからなる水素添加触媒を添加して、水素圧力0.8MPaで、80℃で5時間の水素添加反応を行い、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物(以下、これをブロック共重合体I−1と略称する)を得た。分子性状を表1にまとめて示す。
参考例3(スチレン系ブロック共重合体(I−2)の製造)
参考例2においてテトラヒドロフランを添加せず、sec−ブチルリチウム(1.3Mシクロヘキサン溶液)の使用量を2.1mlから1.9mlに、ブタジエン165gの代わりにブタジエンとイソプレンの混合物(質量比:ブタジエン/イソプレン=45/55)150gに、ジクロロジメチルシラン(0.5Mトルエン溶液)の使用量を2.7mlから2.5mlに変え、他の操作は参考例2と同様にして反応を行い、ブロック共重合体(以下、これをブロック共重合体I−2と略称する)を得た。分子性状を表1にまとめて示す。
Figure 2005255853
実施例1〜3および比較例1〜2
表2に示す配合に従い、参考例1〜3で得られたブロック共重合体(a−1)、ブロック共重合体(I−1)、ブロック共重合体(I−2)、および非芳香族系ゴム用軟化剤(b)として「ダイアナプロセスオイルPW−380」(商品名、出光興産社製、パラフィン系プロセスオイル、動粘度 380mm/s(40℃))を予備混合した後、ブラベンダーにより230℃、100rpmで3分混練することにより、熱可塑性重合体組成物を得た。得られた各熱可塑性重合体組成物のそれぞれの物性評価結果を表2に示す。
Figure 2005255853
表2の結果から、主としてα−メチルスチレン単位からなる重合体ブロックAおよび主として共役ジエン単位からなる重合体ブロックBを有するブロック共重合体および/またはその水素添加物(ブロック共重合体(a))を含有する熱可塑性重合体組成物は、従来のスチレン系ブロック共重合体からなる熱可塑性重合体組成物に比べて、高温での圧縮永久歪み、溶融流動性に優れることがわかる。
本発明のシーリング材は、柔軟性、透明性、被着体との密着性、成形加工性に優れ、そして耐熱性が改良されることから、高温雰囲気下での使用に適した材料である。
本発明のシーリング材は、上記した特性を活かして、特にホットメルト型シーリング材として、自動車や信号機などのランプとハウジングボディとの接合部、住宅関連分野における内外装パネルの接合部、サッシ枠と外壁パネルとの取り付け部位などのシーリング材用途の他、各種パッキン、ガスケット材として使用することができる。

Claims (4)

  1. (a)主としてα−メチルスチレン単位からなる重合体ブロックAおよび主として共役ジエン単位からなる重合体ブロックBを有するブロック共重合体および/またはその水素添加物100質量部に対して、(b)非芳香族系ゴム用軟化剤を100〜2000質量部の範囲で含有する熱可塑性重合体組成物からなるシーリング材。
  2. ブロック共重合体(a)が、数平均分子量1000〜50000のα−メチルスチレン単位を主体とする重合体ブロックA、および数平均分子量が1000〜30000であって、該ブロックを構成する共役ジエン単位の1,4−結合量が30%未満であるブロックb1および数平均分子量が10000〜400000であって該ブロックを構成する共役ジエン単位の1,4−結合量が30%以上であるブロックb2を含む重合体ブロックBを有し、(A−b1−b2)構造を少なくとも一つ含むことを特徴とする請求項1記載のシーリング材。
  3. 熱可塑性重合体組成物の270℃における溶融粘度が5〜500Pa・sの範囲である請求項1または請求項2に記載のシーリング材。
  4. ホットメルト型である請求項1〜請求項3いずれか1項に記載のシーリング材。
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