JP4381844B2 - 伸縮性に優れた熱可塑性重合体組成物およびその成形体 - Google Patents

伸縮性に優れた熱可塑性重合体組成物およびその成形体 Download PDF

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本発明は、引張応力緩和率および引張永久伸びが小さく、加硫ゴムに近い伸縮性と柔軟性を有し、かつ高温条件下でも性能低下が小さい、伸縮性に優れた熱可塑性重合体組成物およびその成形体に関する。
熱可塑性エラストマーは、加硫工程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様に成形加工が可能であることから、近年、自動車部品、家電部品、電線被覆、医療部品、建材部品、履物、雑貨等の広い分野で用いられている。一方、伸縮性材料の分野においても、常温でゴム弾性を有しかつ加熱により可塑化、溶融して成形加工が容易であり、しかもリサイクルが可能である熱可塑性エラストマーが、衛生材料や医療用材料、ベルト用材料、バンド用材料、雑貨などの幅広い分野で使用されている。
熱可塑性エラストマーの中でも、スチレン−共役ジエンブロック共重合体またはその水素添加物であるスチレン系熱可塑性エラストマーは、柔軟性、成形性などに優れ、低比重であるという特徴を有し、またリサイクル性にも優れることから、近年、環境汚染などの問題とも相俟って、加硫ゴムやポリ塩化ビニルの代替として、上記した広範囲の分野において使用されるようになっている。
スチレン系熱可塑性エラストマーを用いた伸縮性材料については、成形加工性や伸縮性などのさらなる改良を目的としてこれまでに種々の提案がなされ、例えば〔1〕ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAを少なくとも2個、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBを少なくとも2個有するブロック共重合体を水素添加した水素添加ブロック共重合体と、ポリオレフィンからなる繊維で構成され、水素添加ブロック共重合体とポリオレフィンが特定の重量割合であり、かつ平均繊維径が10μm以下の極細繊維から構成される、優れた伸長特性(伸度、伸長回復性)、強度(耐水圧)、耐光性を有し、しかもソフトな風合いを有する伸縮性不織布(特許文献1参照);〔2〕主としてビニル芳香族化合物から構成された重合体ブロックAを少なくとも2個、主として共役ジエン化合物から構成された重合体ブロックBを少なくとも2個有し、かつ、少なくとも1個の重合体ブロックBがポリマー鎖の末端にあり、全体の数平均分子量およびビニル芳香族化合物の含有量が特定範囲にあるブロック共重合体の水素添加物から製造された熱可塑性繊維よりなる、伸長特性などに優れた伸縮性不織布(特許文献2参照);〔3〕(a)ポリアミド系樹脂やポリエステル系樹脂などの極性の官能基を有する熱可塑性重合体および(b)ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン化合物重合体ブロックとからなるブロック共重合体および/またはその水素化物に、もしくは該共重合体を幹部分とし、グラフト部分がラジカル崩壊型ポリマーであるブロック・グラフト共重合体に、前記熱可塑性重合体(a)と結合するかあるいは相互作用を示す官能基を含有する分子単位(例えば無水マレイン酸に基づく単位基など)が結合した変性ブロック共重合体および/または変性ブロック・グラフト共重合体を含有する熱可塑性重合体組成物より形成される伸長回復性、柔軟性、耐光性などに優れる伸縮性不織布(特許文献3参照)などが挙げられる。
また、近年、熱可塑性エラストマーを高温条件下(例えば70℃)で使用するケースが増加しており、かかる高温条件下でも性能を維持可能な材料の要求が高まる傾向にある。
特開平3−130448号公報 特開平2−259151号公報 特開昭63−203857号公報
しかし、上記特許文献1〜3に記載されている伸縮性材料(伸縮性不織布)は、高温条件下(例えば70℃)における引張応力緩和率、引張永久伸びなどの性能において必ずしも満足できるものではなく、これらの性能になお改良の余地があった。
しかして、本発明の目的は、かかる問題点を解決し、引張応力緩和率および引張永久伸びを小さくして加硫ゴムに近い伸縮性と柔軟性を有し、かつ、高温条件下(例えば70℃)でも性能低下が少ない、伸縮性に優れた熱可塑性重合体組成物およびその成形体を提供することにある。
本発明によれば、上記の目的は、(a)主としてα−メチルスチレン単位からなる重合体ブロックAおよび主として共役ジエン単位からなる重合体ブロックBを有する数平均分子量が30000〜500000の範囲であるα−メチルスチレン系ブロック共重合体の水素添加物、(b)非芳香族系ゴム用軟化剤、および(c)ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂の少なくとも一種、からなる熱可塑性重合体組成物であって;
(a)α−メチルスチレン系ブロック共重合体の水素添加物100質量部に対し、(b)非芳香族系ゴム用軟化剤200質量部以下および(c)ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂の少なくとも一種を100質量部以下の割合で含有し;
ブロック共重合体(a)が、(1)数平均分子量1000〜50000のα−メチルスチレンを主体とする重合体ブロックA、および(2)数平均分子量が1000〜30000であって、構成する共役ジエン単位の1,4−結合量が30%未満であるブロックb1および数平均分子量が10000〜400000であって、構成する共役ジエン単位の1,4−結合量が30%以上であるブロックb2を含む重合体ブロックBを有し、(A−b1−b2)構造を少なくとも一つ含み、重合体ブロックB中の共役ジエン単位に基づく炭素−炭素二重結合の90モル%以上が水素添加されており;
JIS K 6263記載の応力緩和試験において70℃、50%伸長で10分間保持した場合の引張応力緩和率が50%以下である熱可塑性重合体組成物を提供することにより達成される。
本発明によれば、高温条件下(例えば70℃)における引張応力緩和率、引張永久伸びなどの伸縮性に優れる熱可塑性重合体組成物を提供することができる。本発明の伸縮性に優れた熱可塑性重合体組成物は、環境汚染を起こす物質が含まれておらず、伸縮性を有する繊維、フィルム、帯状体、不織布などの成形体など広範な用途に利用可能であり、特に紙おむつ、生理用品などの衛生材料用途など好適に用いることができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の熱可塑性重合体組成物を構成するブロック共重合体(a)は、α−メチルスチレンを主体とする重合体ブロックAと、共役ジエンを主体とする水素添加されていてもよい重合体ブロックBを有する数平均分子量が30000〜500000のブロック共重合体である。ブロック共重合体(a)の数平均分子量は35000〜400000の範囲であることがより好ましく、40000〜300000の範囲であることがさらに好ましい。ブロック共重合体(a)の数平均分子量が30000未満である場合には、熱可塑性重合体組成物から得られる成形体の伸縮性能が低下し、一方、500000を超える場合には熱可塑性重合体組成物の成形加工性が劣る。なお、ここでいう数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって求めたポリスチレン換算の平均分子量を意味する。
かかるブロック共重合体(a)において、重合体ブロックAはα−メチルスチレンに由来する構造単位のみで構成されているのが好ましい。但し、本発明の目的および効果の妨げにならない限り、重合体ブロックAはα−メチルスチレン以外の不飽和単量体、例えばブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、イソブチレン、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、メタクリル酸メチル、メチルビニルエーテル、N−ビニルカルバゾール、β−ピネン、8,9−p−メンテン、ジペンテン、メチレンノルボルネン、2−メチレンテトラヒドロフランなどに由来する構造単位の1種または2種以上を少量、好ましくは重合体ブロックAに対する割合として10質量%以下の範囲で有していてもよい。
ブロック共重合体(a)における重合体ブロックAの含有量は、熱可塑性重合体組成物の引張応力緩和率および引張永久伸びの観点から、5〜45質量%の範囲であることが好ましく、15〜40質量%の範囲であることがより好ましい。なお、ブロック共重合体(a)における重合体ブロックAの含有量は、例えばH−NMRスペクトルなどにより求めることができる。
ブロック共重合体(a)における重合体ブロックBは、共役ジエンに由来する構造単位を主体とし、水素添加されていてもよい。重合体ブロックBを構成する共役ジエンとしては、例えばブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどを挙げることができ、重合体ブロックBはこれらの共役ジエンのうち1種類単独で構成されていても、または2種類以上から構成されていてもよい。中でも、重合体ブロックBは、ブタジエン、イソプレンまたはブタジエンとイソプレンの混合物から構成されていることが好ましい。
重合体ブロックBが2種以上の共役ジエン(例えば、ブタジエンとイソプレン)から構成されている場合は、それらの結合形態は特に制限はなく、ランダム、テーパード、完全交互、一部ブロック状またはそれらの2種以上の組合わせからなることができる。
また、重合体ブロックBは、本発明の目的および効果の妨げにならない限り、他の不飽和単量体、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、メタクリル酸メチル、メチルビニルエーテル、N−ビニルカルバゾール、β−ピネン、8,9−p−メンテン、ジペンテン、メチレンノルボルネン、2−メチレンテトラヒドロフランなどに由来する構造単位の1種以上を少量、好ましくは重合体ブロックBに対する割合として10質量%以下の範囲で有していてもよい。
ブロック共重合体(a)における重合体ブロックBは、耐熱性や耐候性の観点から、共役ジエン単位に基づく炭素−炭素二重結合の50モル%以上が水素添加(水添)されていることが好ましく、70モル%以上が水添されていることがより好ましく、90モル%以上が水添されていることがさらに好ましい。なお、上記の水素添加率は、重合体ブロックB中の共役ジエン単位に基づく炭素−炭素二重結合の含有量を、水素添加の前後において、ヨウ素価測定、赤外分光光度計、H−NMRスペクトルなどによって測定し、該測定値から求めることができる。
ブロック共重合体(a)は、重合体ブロックAと重合体ブロックBとが結合している限りは、その結合形式は限定されず、直鎖状、分岐状、放射状、またはそれらの2つ以上が組合わさった結合形式のいずれでもよい。それらのうちでも、重合体ブロックAと重合体ブロックBの結合形式は直鎖状であることが好ましく、その例としては重合体ブロックAをAで、また重合体ブロックBをBで表したときに、A−B−Aで示されるトリブロック共重合体、A−B−A−Bで示されるテトラブロック共重合体、A−B−A−B−Aで示されるペンタブロック共重合体などを挙げることができる。中でも、トリブロック共重合体(A−B−A)が、ブロック共重合体(a)の製造の容易性、柔軟性などの点から好ましく用いられる。
ブロック共重合体(a)は、本発明の趣旨を損なわない限り、分子鎖中および/または分子末端に、カルボキシル基、水酸基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基などの官能基を1種または2種以上有していてもよい。また、ブロック共重合体(a)として、前記した官能基を有するブロック共重合体(a)と官能基を有さないブロック共重合体(a)を混合して使用してもよい。
ブロック共重合体(a)は、アニオン重合法によって製造することができ、次のような具体的な合成例が示される。(1)テトラヒドロフラン溶媒中で1,4−ジリチオ−1,1,4,4−テトラフェニルブタンなどのジアニオン系開始剤を用いて共役ジエンを重合後に、−78℃の条件下でα−メチルスチレンを逐次重合させ、A−B−Aで示されるトリブロック共重合体を得る方法(マクロモレキュールズ(Macromolecules)、2巻、453−458頁(1969年)参照)、(2)シクロヘキサンなどの非極性溶媒中でα−メチルスチレンをsec−ブチルリチウムなどのアニオン重合系開始剤で重合させた後、共役ジエンを重合させ、その後、テトラクロロシラン、ジフェニルジクロロシランなどのカップリング剤(α,α’−ジクロロ−p−キシレン、安息香酸フェニルなどを用いることもできる)を添加してカップリング反応を行ない、(A−B)nX型ブロック共重合体を得る方法(カウチュック グミ クンストストッフェ(Kautschuk Gummi Kunststoffe)、37巻、377−379頁(1984年);ポリマー ブリティン(Polym.Bull.)、12巻、71−77頁(1984年)参照)、(3)非極性溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として用い、0.1〜10質量%濃度の極性化合物の存在下、−30〜30℃の温度にて、5〜50質量%の濃度のα−メチルスチレンを重合させ、得られるリビングポリマーに共役ジエンを重合させた後、カップリング剤を添加して、A−B−A型ブロック共重合体を得る方法、(4)非極性溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として用い、0.1〜10質量%の濃度の極性化合物の存在下、−30〜30℃の温度にて、5〜50質量%の濃度のα−メチルスチレンを重合させ、得られるリビングポリマーに共役ジエンを重合させ、得られるα−メチルスチレン重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックからなるブロック共重合体のリビングポリマーにα−メチルスチレン以外のアニオン重合性モノマーを重合させA−B−C型ブロック共重合体を得る方法。
上記ブロック共重合体の具体的製造方法中、(3)および(4)の方法が好ましく、特に(3)の方法がより好ましい方法として採用される。以下、上記方法について具体的に説明する。
上記の方法において開始剤として用いられる有機リチウム化合物としては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムなどのモノリチウム化合物、およびテトラエチレンジリチウムなどのジリチウム化合物を挙げることができる。これらの化合物は単独で用いても、または2種以上を混合して使用してもよい。
α−メチルスチレンの重合時に使用される溶媒は非極性溶媒であり、例えばシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などを挙げることができる。これらの非極性溶媒は単独で用いても、または2種以上を混合して使用してもよい。
α−メチルスチレンの重合時に使用される極性化合物とは、アニオン種と反応する官能基(水酸基、カルボニル基など)を有しない、分子内に酸素原子、窒素原子などの複素原子を有する化合物であり、例えばジエチルエーテル、モノグライム、テトラメチルエチレンジアミン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらの極性化合物は単独で用いても、または2種以上を混合して使用してもよい。
反応系中における極性化合物の濃度は、α−メチルスチレンを高い転化率で重合させ、この後の共役ジエンを重合させる際に、共役ジエン重合体ブロツク部の1,4−結合量を制御する観点から、0.1〜10重量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜3重量%の範囲がより好ましい。
反応系中におけるα−メチルスチレン濃度は、α−メチルスチレンを高い転化率で重合させ、また重合後期における反応溶液の粘度の点から、5〜50質量%の範囲にあることが好ましく、25〜40質量%の範囲がより好ましい。
なお、上記の転化率とは、未重合のα−メチルスチレンが重合により重合体へと転化された割合を意味し、本発明においてその程度は70%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
α−メチルスチレンの重合時の温度条件は、α−メチルスチレンの天井温度(重合反応が平衡状態に達して実質的に進行しなくなるときの温度)、α−メチルスチレンの重合速度、リビング性などの点から−30〜30℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは−20〜10℃、さらに好ましくは−15〜0℃である。重合温度を30℃以下とすることにより、α−メチルスチレンを高い転化率で重合させることができ、さらに生成するリビングポリマーが失活する割合も小さく、得られるブロック共重合体中にホモポリα−メチルスチレンが混入するのを抑え、物性が損なわれない。また、重合温度を−30℃以上とすることにより、α−メチルスチレンの重合後期において反応溶液が高粘度化することなく撹拌でき、低温状態を維持するのに必要な費用がかさむこともないため、経済的にも好ましい。
上記方法においては、α−メチルスチレン重合体ブロックの特性が損なわれない限り、α−メチルスチレンの重合時に他のビニル芳香族化合物を共存させ、これをα−メチルスチレンと共重合させてもよい。ビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどが挙げられる。ビニル芳香族化合物は単独で用いても、または2種以上使用してもよい。
有機リチウム化合物を開始剤に用いたα−メチルスチレンの重合によりリビングポリα−メチルスチリルリチウムが生成するので、次いでこのものに共役ジエンを重合させる。共役ジエンとしては、例えばブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらの共役ジエンは単独で用いても、または2種以上を混合して使用してもよい。この中でもブタジエンまたはイソプレンが好ましく、これらは混合して用いてもよい。
共役ジエンは反応系に添加することにより重合に供される。共役ジエンを反応系に添加する方法としては、特に制限はなく、リビングポリα−メチルスチリルリチウム溶液に直接添加しても、あるいは溶媒で希釈して添加してもよい。共役ジエンを溶媒に希釈して添加する方法としては、共役ジエンを加えた後、溶媒で希釈するか、または共役ジエンと溶媒を同時に投入するか、あるいは溶媒で希釈した後に共役ジエンを加えてもよい。好適には、リビングポリα−メチルスチリルリチウムに対して1〜100モル当量、好ましくは5〜50モル当量に相当する量の共役ジエンを添加して重合させて共役ジエンブロック(以下、これを重合体ブロックb1と称することがある)を形成してリビング活性末端を変種した後、溶媒で希釈し、続いて残りの共役ジエンを投入し、30℃を超える温度、好ましくは40〜80℃の温度範囲で重合反応を行い、共役ジエンブロックをさらに形成(以下、これを重合体ブロックb2と称することがある)させる方法が推奨される。なお、リビングポリα−メチルスチリルリチウムの活性末端を変種するに際し、共役ジエンの代りにスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレンなどのビニル芳香族化合物を用いてもよい。
ここで希釈に用いることができる溶媒としては、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などを挙げることができる。これらの溶媒は単独で用いても、または2種以上を混合して用いてもよい。
リビングポリα−メチルスチリルリチウムに共役ジエンを共重合させて得られるα−メチルスチレン重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックからなるブロック共重合体のリビングポリマーに、例えば、多官能性カップリング剤を反応させることにより、トリブロックまたはラジアルテレブロック型のブロック共重合体(a)を製造することができる。この場合のブロック共重合体は、多官能性カップリング剤の使用量を調整することにより得られる、ジブロック、トリブロック、ラジアルテレブロック型のブロック共重合体を任意の割合で含む混合物であってもよい。多官能性カップリング剤としては、安息香酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸エチル、酢酸メチル、ピバリン酸メチル、ピバリン酸フェニル、ピバリン酸エチル、α,α’−ジクロロ−o−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジクロロ−p−キシレン、ビス(クロロメチル)エーテル、ジブロモメタン、ジヨードメタン、フタル酸ジメチル、ジクロロジメチルシラン、ジクロロジフェニルシラン、トリクロロメチルシラン、テトラクロロシラン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。なお、多官能性カップリング剤の使用量は、ブロック共重合体(a)の数平均分子量に応じて適宜調整すればよく、厳密な意味での制限はない。
α−メチルスチレン重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックからなるブロック共重合体のリビングポリマーに多官能性カップリング剤を反応させることにより得られるトリブロックまたはラジアルテレブロック型のブロック共重合体(a)を水素添加(水添)する場合には、必要に応じてアルコール類、カルボン酸類、水などの活性水素化合物を添加してカップリング反応を停止させたのち、後述する公知の方法にしたがって不活性有機溶媒中で水添触媒の存在下に水添することにより、水添されたブロック共重合体(a)とすることができる。
また、α−メチルスチレン重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックからなるブロック共重合体(a)を水素添加する場合には、リビングポリα−メチルスチリルリチウムに共役ジエンを重合させた後、アルコール類、カルボン酸類、水などの活性水素化合物を添加して重合反応を停止させ、後述する公知の方法にしたがって不活性有機溶媒中で水添触媒の存在下に水添して、水添されたブロック共重合体(a)とすることができる。
α−メチルスチレン重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックからなる未水添のブロック共重合体、またはα−メチルスチレン重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックからなるブロック共重合体のリビングポリマーに多官能性カップリング剤を反応させることにより得られる未水添のトリブロックまたはラジアルテレブロック型ブロック共重合体(いずれも本発明で使用するブロック共重合体(a)に包含される)は、その製造に使用された溶媒を置換することなく、そのまま水素添加に供することができる。
水添反応は、ラネーニッケル;Pt、Pd、Ru、Rh、Niなどの金属をカーボン、アルミナ、硅藻土などの担体に担持させた不均一触媒;遷移金属化合物(オクチル酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、コバルトアセチルアセトナートなど)とトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物または有機リチウム化合物などとの組み合わせからなるチーグラー系触媒;チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどの遷移金属のビス(シクロペンタジエニル)化合物とリチウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、亜鉛またはマグネシウムなどからなる有機金属化合物の組み合わせからなるメタロセン系触媒などの水添触媒の存在下に、通常、反応温度20〜100℃、水素圧力0.1〜10MPaの範囲の条件下で行うことができる。未水添のブロック共重合体(a)は共役ジエン重合体ブロックB中の炭素−炭素二重結合の70%以上、特に好ましくは90%以上が飽和されるまで水添されることが望ましく、これによりブロック共重合体(a)の耐候性を高めることができる。
本発明に用いるブロック共重合体(a)は、上記方法で得られたものが好ましく用いられ、特に、非極性溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として用い、0.1〜10重量%濃度の極性化合物の存在下、−30〜30℃の温度にて5〜50重量%の濃度のα−メチルスチレンを重合させ、次いで共役ジエンの重合に際して、まずリビングポリα−メチルスチリルリチウムに対して1〜100モル当量の共役ジエンを添加してリビング活性末端を変種しつつ重合させて重合体ブロックb1を形成し、次いで反応系を30℃を超える温度として、共役ジエンを追加して重合させて重合体ブロックb2を形成せしめて得られたものであることが、ブロック共重合体の伸縮性が広い温度範囲において優れる点から望ましい。すなわち、この場合、重合体ブロックBは、重合体ブロックb1および重合体ブロックb2よりなる。
上記ブロック共重合体(a)は、その構造として直鎖状、分岐状などに限定はされないが、中でも、(A−b1−b2)構造を少なくとも一つ有するブロック共重合体が好ましく、A−b1−b2−b2−b1−A型共重合体、A−b1−b2−b2−b1−A型共重合体とA−b1−b2型共重合体の混合物、(A−b1−b2)nX型共重合体(Xはカップリング剤残基を表す、nは2以上の整数である)などが挙げられる。
上記ブロック共重合体(a)中の重合体ブロックAの数平均分子量は1000〜50000の範囲であるのが好ましく、2000〜40000の範囲であるのがより好ましい。
また、上記ブロック共重合体(a)中の重合体ブロックb1の数平均分子量は1000〜30000の範囲であるのが好ましく、2000〜25000の範囲であるのがより好ましく、かつ重合体ブロックb1を構成する共役ジエン単位の1,4−結合量は30%未満であることが好ましい。
さらに、上記ブロック共重合体(a)中の重合体ブロックb2の数平均分子量は10000〜400000の範囲であるのが好ましく、20000〜300000の範囲であるのがより好ましく、かつ重合体ブロックb2を構成する共役ジエン単位の1,4−結合量は30%以上、好ましくは35%〜95%の範囲、より好ましくは40%〜80%の範囲である。
本発明の熱可塑性重合体組成物における非芳香族系ゴム用軟化剤(b)としては、例えばパラフィン系、ナフテン系などの炭化水素系油;落花生油、ロジンなどの植物油;リン酸エステル;低分子量ポリエチレングリコール;流動パラフィン;低分子量ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合オリゴマー、液状ポリブテン、液状ポリイソプレンまたはその水素添加物、液状ポリブタジエンまたはその水素添加物などの炭化水素系合成油などの公知の軟化剤を用いることができる。これらは1種類を単独で、または2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、本発明においては、非芳香族系ゴム用軟化剤(b)として、パラフィン系の炭化水素系油やエチレン−α−オレフィン共重合オリゴマーなどの炭化水素系合成油が好適に使用される。
本発明の熱可塑性重合体組成物において、非芳香族系ゴム用軟化剤(b)はブロック共重合体(a)100質量部に対して200質量部以下の添加量であるのが好ましく、150質量部以下の添加量であるのがより好ましい。非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の添加量がブロック共重合体(a)100質量部に対して200質量部より多い場合には、得られる熱可塑性重合体組成物の伸縮性の低下が大きくなる。
本発明の熱可塑性重合体組成物における(c)成分としては、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ノネン共重合体、エチレン−1−デセン共重合体などのエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体またはこれらを無水マレイン酸などで変性した樹脂などのポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリパラメチルスチレン、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、無水マレイン酸−スチレン樹脂などのポリスチレン系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂が挙げられる。これらはいずれも高分子の相容性の尺度として用いられている溶解度パラメータ(Solubility Parameters of Polymers;以下、SP値と称する)が15〜23(MPa)1/2の範囲にあるものである。なお、ここでいうSP値とは、式:SP値=ρΣG/Mにより、原子及び原子団の凝集エネルギー定数G、ポリマー構造単位の分子量Mおよびポリマーの密度ρから算出される値である。なお、SP値が近いポリマー同士は、基本的に相容性が良いとされている。
本発明の熱可塑性重合体組成物において(c)成分の添加量は、ブロック共重合体(a)100質量部に対して100質量部以下の範囲であるのが好ましく、80質量部以下の範囲であるのがより好ましい。(c)成分の添加量がブロック共重合体(a)100質量部に対して100重量部を越えると、引張応力緩和率および引張永久伸びが大きくなり、伸縮性能が悪化する。
(c)成分としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂を用いるのが、これらの樹脂がブロック共重合体(a)との相容性に優れ、混練条件によらず良好な伸縮性能が発現する熱可塑性重合体組成物を得やすい点で好ましい。中でもポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂は、ブロック共重合体(a)の重合体ブロックAとの相容性に優れ、柔軟性を損なうことなく良好な伸縮性能が発現する熱可塑性重合体組成物を得やすい点でより好ましい。
本発明の熱可塑性重合体組成物は、本発明の主旨を損なわない範囲であれば、必要に応じて、ゴム補強剤または充填剤をさらに含有していてもよい。
ゴム補強剤または充填剤としては、例えばカーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ケイ藻土などの無機充填剤;ゴム粉末、木粉などの有機充填剤などを挙げることができる。これらは1種を単独で、また2種以上を併用してもよい。ゴム補強剤または充填剤を含有させる場合、その含有量は好ましくは熱可塑性重合体組成物の全体配合量に対して30質量%以下である。
また、本発明の熱可塑性重合体組成物は、本発明の主旨を損なわない範囲であれば、必要に応じて、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、顔料、架橋剤などをさらに含有していてもよい。
本発明の熱可塑性重合体組成物を得るための混合は、従来の慣用の方法で行うことができる。例えば、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、オープンロール、ニーダーなどの混練機を使用して、各構成成分を混練して熱可塑性重合体組成物を得る。その際の混練温度としては、一般に160〜280℃の範囲が好ましく、190〜260℃の範囲がより好ましい。
上記混練に際しては、例えば(1)熱可塑性重合体組成物を構成する全ての成分を、混練する前にヘンシェルミキサーやタンブラーのような混合機を用いて予めドライブレンドしておき、一括混練する方法;(2)非芳香族系ゴム用軟化剤(b)を除く他の成分を予め混練した後、サイドフィーダーなどを用いて混練機内に所定量の非芳香族系ゴム用軟化剤(b)を添加する方法;(3)(c)成分を除く他の成分を予め混練した後、サイドフィーダーなどを用いて混練機内に所定量の(c)成分を添加する方法などが挙げられ、いずれの方法を採用してもよい。
なお、本発明の熱可塑性重合体組成物は、伸縮性に優れる目安として、JIS K 6263記載の応力緩和試験において、70℃、50%伸長で10分間保持した場合の引張応力緩和率が50%以下であることを特徴とする。さらに、40℃、50%伸長で100分間保持した場合の引張応力緩和率が30%以下であることが好ましい。この条件を満たす場合、本発明の目的をより一層効果的に達成することができる。
このようにして得られた熱可塑性重合体組成物から、伸縮性を有する各種の成形体を作成することができる。例えば、繊維、フィルム、帯状体、ストランド、不織布など、用途に応じて、それぞれに適した形態にすることができる。
本発明において、熱可塑性重合体組成物から前記した伸縮性を有する各種の成形体を賦形する方法は特に制限されず、伸縮性を有する各種成形体の形態に応じた一般的な成形加工方法を好適に使用できる。
例えば繊維状に賦形する装置としては、通常の熱可塑性樹脂を溶融紡糸する際に用いられる装置と実質的に同等なものでよい。すなわち、例えばスクリュー押出機にギヤポンプを結合させた形式のものなどが挙げられる。紡糸温度、紡糸圧力、押出速度、紡糸孔径および巻取速度を制御することによって、通常の溶融紡糸の場合と同様に、製造する繊維のデニール構成を種々に変えることができる。なお、巻き取られた繊維間で膠着が生じる場合は、これを防ぐために巻取前の紡糸糸条に界面活性剤水溶液もしくはそれに微粒子化されたタルクや炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、アルミナなどを分散させた水溶液を塗布しておくとよい。
この様にして巻き取られた繊維は通常の熱可塑性合成繊維の場合のように延伸してもよいが、延伸しなくてもよく、また熱処理等の工程は省略することができる。
また、例えばフィルム、ストランドまたは帯状体に賦形する場合は、一軸押出成形機または二軸押出成形機を用いて成形することができる。また、不織布に賦形する場合は、例えば、通常のメルトブローン不織布製造装置を用いて、熱可塑性重合体組成物を溶融紡糸し、その繊維群を捕集面上で繊維ウェブを形成させることによってメルトブローン不織布を製造できる。また、予め繊維ウェブを形成させ、その後ロールなどによって加熱を行い、繊維の接点を部分接着させるスパンボンド法によっても不織布を製造できる。
本発明の熱可塑性重合体組成物から前記した伸縮性を有する各種の成形体を賦形する際の加工温度としては、一般に160〜300℃の温度が好ましく、170〜290℃の温度がより好ましい。
伸縮性を有する成形体の形態が繊維である場合、その太さは通常の熱可塑性合成繊維の場合と同様に数デニール以上の範囲で任意に選ぶことができる。繊維の横断面形状は、通常の丸断面の他、偏平断面、多角断面、多葉断面、中空断面等のいずれであってもよい。
伸縮性を有する成形体の形態がフィルムである場合、その厚さや幅は特に制限されないが、通常、フィルムの厚みは15μm〜200μmの範囲が好ましい。伸縮性を有する成形体の形態がストランドの場合、該ストランドの断面形状は特に制限されず、例えば円、楕円、方形などの形状が好ましい。伸縮性を有する成形体の形態が帯状体である場合、その厚さや幅は特に制限されないが、通常、帯状体の厚みは200μm〜2mmの範囲が好ましい。
伸縮性を有する成形体の形態が不織布である場合、該不織布を構成する繊維の繊度、目付などに特に制限はなく、用途に応じて適したものにすることができる。なお、該不織布を構成する繊維は繊度の均一な長繊維であることが引張応力緩和率、引張永久伸びに優れる点から好ましい。また、該不織布の目付は、取り扱い性などの点から、5〜200g/mの範囲が好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の内容はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の参考例において、数平均分子量はGPC法によるポリスチレン換算の分子量であり、水素添加率、α−メチルスチレンおよびスチレンの含有量および1,4−結合量はH−NMR法により測定した。
また、以下の実施例および比較例において、得られた熱可塑性重合体組成物の物性は次の方法により評価した。
なお、実施例1〜6は実施例に相当しないが、参考のため付記する。
〈a〉引張応力緩和率
実施例および比較例で得られた熱可塑性重合体組成物を200℃でプレス成形することによって厚さ2mmのシートを得た。このシートよりJIS K 6263に記載された短冊状2号の試験片を打ち抜き、この試験片を用いて、インストロン万能引張り試験機を用いて、予め設定した測定条件下で、つかみ具間距離20mm、試験速度300mm/分で50%伸長させたときの初期引張応力(m)を測定した後、そのままの状態で一定時間保持した時の引張応力(m)を測定して、下式によって引張応力緩和率を求めた。なお、測定条件は{1}雰囲気温度40℃、100分間保持、及び{2}雰囲気温度70℃、10分間保持の2条件で行なった。
引張応力緩和率(%)=100×(m−m)/m
〈b〉引張永久伸び
実施例および比較例で得られた熱可塑性重合体組成物を200℃でプレス成形することによって厚さ2mmのシートを得た。このシートよりJIS K 6262に記載された短冊状2号の試験片を打ち抜き、この試験片に2cm幅の標線を付け、雰囲気温度25℃または70℃で50%伸長し、2時間保持した後解放し、30分後に標線間の長さ(l(cm))を測定し、下式によって引張永久伸びを求めた。
引張永久伸び(%)=100×(l−2)/2
また、以下の実施例および比較例で使用した各成分の内容は以下のとおりである。
ブロック共重合体(a)
参考例1
(1)窒素置換した攪拌装置付き耐圧容器に、α−メチルスチレン90.9g、シクロヘキサン138g、メチルシクロヘキサン15.2gおよびテトラヒドロフラン3.1gを仕込んだ。この混合液にsec−ブチルリチウム(1.3Mシクロヘキサン溶液)11.2mlを添加し、−10℃で3時間重合させた。重合開始3時間後のポリα−メチルスチレン(ブロックA)の数平均分子量をGPCにより測定したところ、ポリスチレン換算で5500であり、α−メチルスチレンの重合転化率は89%であった。次いで、この反応混合液にブタジエン23.0gを添加し、−10℃で30分間攪拌して、ブロックb1の重合を行った後、シクロヘキサン930gを加えた。この時点でのα−メチルスチレンの重合添加率は89%であり、ポリブタジエンブロック(b1)の数平均分子量(GPC測定、ポリスチレン換算)は3200であり、H−NMR測定から求めた1,4−結合量は19%であった。
次に、この反応液にさらにブタジエン300.0gを加え、50℃で2時間重合反応を行った。この時点のサンプリングで得られたブロック共重合体(構造:A−b1−b2)のポリブタジエンブロック(b2)の数平均分子量(GPC測定、ポリスチレン換算)は57000であり、H−NMR測定から求めた1,4−結合量は62%であった。
(2)続いて、この重合反応溶液に、ジクロロジメチルシラン(0.5Mトルエン溶液)14.5mlを加え、50℃にて1時間攪拌し、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(α−メチルスチレン)トリブロック共重合体を得た。この時のカップリング効率を、カップリング体(ポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(α−メチルスチレン)トリブロック共重合体:A−b1−b2−X−b2−b1−A)と未反応ブロック共重合体(ポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエンブロック共重合体:A−b1−b2)のGPCにおけるUV吸収の面積比から算出すると93%であった。また、H-NMR解析の結果、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(α−メチルスチレン)トリブロック共重合体中のα−メチルスチレン重合体ブロック含有量は20%であり、ブタジエン重合体ブロックB全体(すなわち、ブロックb1およびブロックb2)の1,4−結合量が60%であった。
(3)上記(2)で得られた重合反応溶液中に、オクチル酸ニッケルおよびトリエチルアルミニウムから形成されるチーグラー系水素添加触媒を水素雰囲気下に添加し、水素圧力0.8MPa、80℃で5時間の水素添加反応を行なうことにより、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(α−メチルスチレン)トリブロック共重合体の水素添加物(以下、これをブロック共重合体a−1と略称する)を得た。得られたブロック共重合体a−1をGPC測定した結果、主成分はMt(平均分子量のピークトップ)=108000、Mn(数平均分子量)=106000、Mw(重量平均分子量)=108000、Mw/Mn=1.02であるポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(α−メチルスチレン)トリブロック共重合体の水添物(カップリング体)であり、GPCにおけるUV(254nm)吸収の面積比から、カップリング体は93%含まれることが判明した。また、H-NMR測定により、ブロックb1およびブロックb2から構成されるブタジエン重合体ブロックBの水素添加率は98%であった。これらの結果を表1にまとめて示す。
参考例2
参考例1においてsec−ブチルリチウム(1.3Mシクロヘキサン溶液)の使用量を11.2mlから5.7mlに、ブタジエンの使用量合計を323gから164.3gに、ジクロロジメチルシラン(0.5Mトルエン溶液)の使用量を14.5mlから7.4mlに変え、他の操作は参考例1と同様にして反応を行い、ブロック共重合体(以下、これをブロック共重合体a−2と略称する)を得た。分子性状を表1にまとめて示す。
参考例3
参考例1においてsec−ブチルリチウム(1.3Mシクロヘキサン溶液)の使用量を11.2mlから9.4mlに、ブタジエンの使用量合計を323gから164.3gに、ジクロロジメチルシラン(0.5Mトルエン溶液)の使用量を14.5mlから12.2mlに変え、他の操作は参考例1と同様にして反応を行い、ブロック共重合体(以下、これをブロック共重合体a−3と略称する)を得た。分子性状を表1にまとめて示す。
参考例4
窒素置換した攪拌装置付き耐圧容器に、スチレン81gおよびシクロヘキサン1100g、テトラヒドロフラン3.1gを仕込んだ。この溶液に、sec−ブチルリチウム(1.3M、シクロヘキサン溶液)11.2mlを加え、50℃で1時間重合させた。次いで、この反応混合液にブタジエン323gを加え、50℃で1時間重合を行なった。その後、この反応混合物にさらにジクロロジメチルシラン(0.5M、トルエン溶液)14.5mlを加えて50℃で1時間攪拌することで、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体を含む反応混合液を得た。この反応混合液にオクチル酸ニッケル/トリエチルアルミニウムからなるチーグラー系水素添加触媒を添加して、水素圧力0.8MPaで、80℃で5時間の水素添加反応を行ない、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物(以下、これをブロック共重合体a−4と略称する)を得た。分子性状を表1にまとめて示す。
参考例5
参考例4においてsec−ブチルリチウム(1.3Mシクロヘキサン溶液)の使用量を11.2mlから5.7mlに、ブタジエンの使用量を323gから164.3gに、ジクロロジメチルシラン(0.5Mトルエン溶液)の使用量を14.5mlから7.4mlに変え、他の操作は参考例1と同様にして反応を行い、ブロック共重合体(以下、これをブロック共重合体a−5と略称する)を得た。分子性状を表1にまとめて示す。
参考例6
参考例1においてsec−ブチルリチウム(1.3Mシクロヘキサン溶液)の使用量を11.2mlから9.4mlに、ブタジエンの使用量を323gから164.3gに、ジクロロジメチルシラン(0.5Mトルエン溶液)の使用量を14.5mlから12.2mlに変え、他の操作は参考例1と同様にして反応を行い、ブロック共重合体(以下、これをブロック共重合体a−6と略称する)を得た。分子性状を表1にまとめて示す。
Figure 0004381844
非芳香族系ゴム用軟化剤(b)
(b−1):パラフィン系プロセスオイル(商品名:ダイアナプロセスオイル PW−380、出光興産株式会社製)
(b−2):パラフィン系プロセスオイル(商品名:ダイアナプロセスオイル PW−90、出光興産株式会社製)
成分(c)
(c−1):ポリスチレン(商品名:GPPS679,A&Mポリスチレン社製、MFR=19g/10分(200℃、5kgf))
(c−2):直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(商品名:ノバテックLL UJ480,日本ポリケム社製、MFR=30g/10分(190℃、2.16kgf))
実施例1
参考例1で得られたブロック共重合体a−1を二軸押出機にて230℃で溶融混練し、ストランド状に押出し、切断して、ペレットを調製した。物性評価結果を表2に示す。
比較例1
参考例4で得られたブロック共重合体a−4を二軸押出機にて230℃で溶融混練し、ストランド状に押出し、切断して、ペレットを調製した。物性評価結果を表2に示す。
実施例2〜3
参考例1で得られたブロック共重合体a−2を100質量部、これに対し、非芳香族系ゴム用軟化剤b−1を100質量部または50質量部を用いて両者を予備混合した後、二軸押出機にて230℃で溶融混練し、ストランド状に押出し、切断して、ペレット状の熱可塑性重合体組成物を調製した。それぞれ得られた熱可塑性重合体組成物の物性評価結果を表2に示す。
比較例2〜3
参考例5で得られたブロック共重合体a−5を100質量部、これに対し、非芳香族系ゴム用軟化剤b−1を100質量部または50質量部を用いて両者を予備混合した後、二軸押出機にて230℃で溶融混練し、ストランド状に押出し、切断して、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を調製した。それぞれ得られた熱可塑性重合体組成物の物性評価結果を表2に示す。
実施例4
参考例2で得られたブロック共重合体a−2を100質量部、これに対し、非芳香族系ゴム用軟化剤b−2を100質量部用いて両者を予備混合した後、二軸押出機にて230℃で溶融混練し、ストランド状に押出し、切断して、ペレット状の熱可塑性重合体組成物を調製した。得られた熱可塑性重合体組成物の物性評価結果を表2に示す。
比較例4
参考例5で得られたブロック共重合体a−5を100質量部、これに対し、非芳香族系ゴム用軟化剤b−2を100質量部用いて両者を予備混合した後、二軸押出機にて230℃で溶融混練し、ストランド状に押出し、切断して、ペレット状の熱可塑性重合体組成物を調製した。得られた熱可塑性重合体組成物の物性評価結果を表2に示す。
Figure 0004381844
実施例5〜6
参考例1で得られたブロック共重合体a−1を100質量部、これに対し、成分c−1を10質量部または25質量部用いて両者を予備混合した後、二軸押出機にて230℃で溶融混練し、ストランド状に押出し、切断して、ペレット状の熱可塑性重合体組成物を調製した。それぞれ得られた熱可塑性重合体組成物の物性評価結果を表3に示す。
比較例5〜6
参考例4で得られたブロック共重合体a−4を100質量部、これに対し、成分c−1を10質量部または25質量部用いて両者を予備混合した後、二軸押出機にて230℃で溶融混練し、ストランド状に押出し、切断して、ペレット状の熱可塑性重合体組成物を調製した。それぞれ得られた熱可塑性重合体組成物の物性評価結果を表3に示す。
実施例7
参考例2で得られたブロック共重合体a−2を100質量部、これに対し、非芳香族系ゴム用軟化剤b−1を120質量部、および成分c−2を20質量部用いてこれらを予備混合した後、二軸押出機にて230℃で溶融混練し、ストランド状に押出し、切断して、ペレット状の熱可塑性重合体組成物を調製した。得られた熱可塑性重合体組成物の物性評価結果を表3に示す。
比較例7
参考例5で得られたブロック共重合体a−5を100質量部、これに対し、非芳香族系ゴム用軟化剤b−1を120質量部、および成分c−2を20質量部用いてこれらを予備混合した後、二軸押出機にて230℃で溶融混練し、ストランド状に押出し、切断して、ペレット状の熱可塑性重合体組成物を調製した。得られた熱可塑性重合体組成物の物性評価結果を表3に示す。
実施例8
参考例3で得られたブロック共重合体a−3を100質量部、これに対し、非芳香族系ゴム用軟化剤b−1を35質量部、および成分c−1を65質量部用いてこれらを予備混合した後、ニ軸押出機にて230℃で溶融混練し、ストランド状に押出し、切断して、ペレット状の熱可塑性重合体組成物を調製した。得られた熱可塑性重合体組成物の物性評価結果を表3に示す。
比較例8
参考例6で得られたブロック共重合体a−6を100質量部、これに対し、非芳香族系ゴム用軟化剤b−1を35質量部、および成分c−1を65質量部用いてこれらを予備混合した後、ニ軸押出機にて230℃で溶融混練し、ストランド状に押出し、切断して、ペレット状の熱可塑性重合体組成物を調製した。得られた熱可塑性重合体組成物の物性評価結果を表3に示す。
実施例9
参考例3で得られたブロック共重合体a−3を100質量部、これに対し、非芳香族系ゴム用軟化剤b−2を35質量部、および成分c−1を65質量部用いてこれらを予備混合した後、ニ軸押出機にて230℃で溶融混練し、ストランド状に押出し、切断して、ペレット状の熱可塑性重合体組成物を調製した。得られた熱可塑性重合体組成物の物性評価結果を表3に示す。
比較例9
参考例6で得られたブロック共重合体a−6を100質量部、これに対し、非芳香族系ゴム用軟化剤b−2を35質量部、および成分c−1を65質量部用いてこれらを予備混合した後、ニ軸押出機にて230℃で溶融混練し、ストランド状に押出し、切断して、ペレット状の熱可塑性重合体組成物を調製した。得られた熱可塑性重合体組成物の物性評価結果を表3に示す。
Figure 0004381844
表2および表3に示した結果より、本発明の実施例で得られた熱可塑性重合体組成物の25℃、40℃、および高温(70℃)における引張応力緩和率、引張永久伸びは、比較例で得られた熱可塑性重合体組成物に比べていずれも小さく、優れている。すなわち、本発明の熱可塑性重合体組成物およびその成形体は高温条件(例えば70℃)下でも伸縮性に優れる材料である。
本発明の熱可塑性重合体組成物は、その優れた伸縮性を活かして、上記した各種成形体に賦形することができる。これらの成形体、紙おむつ、トイレットトレーニングパンツ、生理用品、下着などの衛生材料;湿布剤の基材、伸縮性テープ、包帯、手術着、サポーター、矯正着などの医療用材料;ヘアーバンド、リストバンド、時計バンド、眼鏡バンドなどのバンド用途;輪ゴム、トレーニングチューブなどの雑貨などの幅広い用途に有効に使用することができる。

Claims (8)

  1. (a)主としてα−メチルスチレン単位からなる重合体ブロックAおよび主として共役ジエン単位からなる重合体ブロックBを有する数平均分子量が30000〜500000の範囲であるα−メチルスチレン系ブロック共重合体の水素添加物、(b)非芳香族系ゴム用軟化剤、および(c)ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂の少なくとも一種、からなる熱可塑性重合体組成物であって;
    (a)α−メチルスチレン系ブロック共重合体の水素添加物100質量部に対し、(b)非芳香族系ゴム用軟化剤200質量部以下および(c)ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂の少なくとも一種を100質量部以下の割合で含有し;
    ブロック共重合体(a)が、(1)数平均分子量1000〜50000のα−メチルスチレンを主体とする重合体ブロックA、および(2)数平均分子量が1000〜30000であって、構成する共役ジエン単位の1,4−結合量が30%未満であるブロックb1および数平均分子量が10000〜400000であって、構成する共役ジエン単位の1,4−結合量が30%以上であるブロックb2を含む重合体ブロックBを有し、(A−b1−b2)構造を少なくとも一つ含み、重合体ブロックB中の共役ジエン単位に基づく炭素−炭素二重結合の90モル%以上が水素添加されており;
    JIS K 6263記載の応力緩和試験において70℃、50%伸長で10分間保持した場合の引張応力緩和率が50%以下である熱可塑性重合体組成物。
  2. (a)α−メチルスチレン系ブロック共重合体の水素添加物100質量部に対し、(b)非芳香族系ゴム用軟化剤を35質量部以上200質量部以下および(c)ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂の少なくとも一種を20質量部以上100質量部以下の割合で含有する請求項1に記載の熱可塑性重合体組成物。
  3. (b)非芳香族系ゴム用軟化剤が、パラフィン系の炭化水素系油である請求項1または2に記載の熱可塑性重合体組成物。
  4. (c)ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂の少なくとも一種が、ポリスチレン系樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性重合体組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性重合体組成物からなる伸縮性繊維。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性重合体組成物からなる伸縮性フィルム。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性重合体組成物からなる伸縮性帯状体。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性重合体組成物からなる伸縮性不織布。
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