JP2006089546A - 伸縮部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特に成形性に優れ、そして柔軟性、耐熱性、耐候性、力学的特性に優れる熱可塑性重合体組成物からなる伸縮部材を提供すること。
【解決手段】 (a−1)重量平均分子量(Mw)が50000〜140000の範囲であり、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA1を2個以上と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB1を1個以上有するブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体、および(a−2)重量平均分子量(Mw)が150000〜700000の範囲であり、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA2を2個以上と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB2を1個以上有するブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体からなり、水添ブロック共重合体(a−1)と水添ブロック共重合体(a−2)の混合比(質量比)が(a−1)/(a−2)=99.7/0.3〜85/15の範囲である水添ブロック共重合体混合物(a)を含有することを特徴とする熱可塑性重合体組成物からなる伸縮部材。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特に成形性に優れ、そして柔軟性、耐熱性、耐候性、力学的特性に優れる熱可塑性重合体組成物からなる伸縮部材に関する。
従来、伸縮部材用途には、一般的に、フィルムやストランド状などに加工されたウレタン系熱可塑性エラストマーや加硫ゴムが用いられている。しかしながら、ウレタン系熱可塑性エラストマーからなるフィルムは弾性回復性には優れるが、柔軟性、耐水性、耐候性に問題があった。また、加硫ゴムからなるストランドは柔軟性、弾性回復性に優れるものの、加硫処理が必要であるため生産性が低く、また、熱可塑性ではなくリサイクル使用は困難という問題点があった。
柔軟性と弾性回復性の改良を目的としたスチレン系熱可塑性エラストマー組成物に関しては、例えば〔1〕ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレンブロック共重合体とポリオレフィンを特定量配合してからなる組成物および成形体(特許文献1参照);〔2〕スチレン系熱可塑性ゴムと酢酸ビニル含量5〜40重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体の割合が70/30〜30/70(質量%)である組成物に有機過酸化物を200〜2000ppm添加し、部分架橋してなる樹脂組成物(特許文献2参照);〔3〕スチレンブロック・共役ジエンブロック・スチレンブロックからなるトリブロック共重合体の共役ジエン部分の二重結合が水素添加された水素添加トリブロック共重合体とスチレンブロック・共役ジエンブロックからなるジブロック共重合体の共役ジエンブロック部分の二重結合が水素添加された水素添加ジブロック共重合体の混合物(組成比(質量比):ジブロック成分/(トリブロック成分+ジブロック成分)=0.01〜0.6)と炭化水素系ゴム用軟化剤およびオレフィン系樹脂からなるフィルム成形用スチレン系熱可塑性エラストマー組成物(特許文献3参照);〔4〕スチレン系熱可塑性エラストマーとリアクターブレンド法により共重合されたプロピレン系共重合体からなる樹脂組成物より形成された弾性フィルム(特許文献4参照);〔5〕ビニル芳香族化合物から主としてなる重合体ブロックAを少なくとも2個と共役ジエン化合物から主としてなりかつ水添された重合体ブロックBを少なくとも1個有し、該重合体ブロックB中の共役ジエン化合物に由来する脂肪族二重結合の50%以上が水添されている、数平均分子量50000から140000からなる水添ブロック共重合体を用い、弾性回復性、溶融延展性を特定の範囲に規定した伸縮性材料(特許文献5参照);などが挙げられる。
特許文献1、2、4および5に記載されている組成物からなるフィルムは、成形性および柔軟性において必ずしも満足できるものではなく、これらの性能になお改良の余地がある。特許文献3のフィルム用組成物は、ブロック形態の異なる2種の水添ブロック共重合体、具体的にはトリブロック共重合体とジブロック共重合体を用いることが特徴である。しかしながら、ジブロック共重合体の添加により、得られる成形物、具体的にはフィルムの弾性回復性および力学的特性の低下や、粘着感が増す懸念があるという問題を有している。
一方、柔軟性と弾性回復性の改良という技術的思想とは異なり、成形加工性を改良という目的ではあるが、特許文献3と類似の手法を取り入れた組成物を用いた成形物の例として、〔6〕数平均分子量が150000以上、400000以下である、少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水添してなる水添ブロック共重合体1と、数平均分子量が30000以上、149000以下である、少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水添してなる水添ブロック共重合体2の割合が95/5〜5/95(質量比)の範囲であるブロック共重合体混合物(a)100質量部に対し、特定のポリプロピレン系樹脂10〜100質量部、特定のポリエチレン系樹脂0〜70質量部、炭化水素油30〜150質量部からなるエラストマー組成物を用いたキャップライナーが知られている(特許文献6参照)。しかし、特許文献6に記載されているスチレン系熱可塑性エラストマー組成物は、伸縮部材として好適に用いられるフィルム、ストランド形状などへ成形するには不適であることが判明した。
特開昭62−84143号公報 特開平4−270746号公報 特開平8−59903号公報 特開平11−152346号公報 特開2002−363376号公報 特開2000−297198号公報
しかして、本発明の目的は、かかる問題点を解決し、特に成形性に優れ、そして柔軟性、耐熱性、耐候性、力学的特性に優れる熱可塑性重合体組成物からなる伸縮部材を提供することにある。
本発明によれば、上記の目的は、(a−1)重量平均分子量(Mw)が50000〜140000の範囲であり、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA1を2個以上と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB1を1個以上有するブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体、および(a−2)重量平均分子量(Mw)が150000〜700000の範囲であり、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA2を2個以上と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB2を1個以上有するブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体からなり、水添ブロック共重合体(a−1)と水添ブロック共重合体(a−2)の混合比(質量比)が(a−1)/(a−2)=99.7/0.3〜85/15の範囲である水添ブロック共重合体混合物(a)を含有することを特徴とする熱可塑性重合体組成物からなる伸縮部材を提供することにより達成される。
本発明の好適実施態様は、上記の水添ブロック共重合体混合物(a)100質量部に対して、(b)ポリオレフィン系樹脂およびポリスチレン系樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂の少なくとも一種を100質量部以下、および(c)非芳香族系ゴム用軟化剤を150質量部以下の割合で含有する熱可塑性重合体組成物からなる伸縮部材である。
本発明によれば、特に成形性に優れた熱可塑性重合体組成物からなる伸縮部材を提供することができる。本発明の伸縮部材は、例えば紙おむつ、生理用品などの衛生材料用途などに好適に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる熱可塑性重合体組成物を構成する水添ブロック共重合体混合物(a)は、重量平均分子量(Mw)が50000〜140000の範囲であり、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA1を2個以上と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB1を1個以上有するブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体(a−1)、およびMwが150000〜700000の範囲であり、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA2を2個以上と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB2を1個以上有するブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体(a−2)からなり、水添ブロック共重合体(a−1)と水添ブロック共重合体(a−2)の混合比(質量比)が(a−1)/(a−2)=99.7/0.3〜85/15の範囲である水添ブロック共重合体の混合物である。
水添ブロック共重合体(a−1)は、Mwが50000〜140000の範囲であることが必要であり、60000〜130000の範囲であることが好ましく、70000〜125000の範囲であることがより好ましい。水添ブロック共重合体(a−1)のMwが50000未満である場合には、熱可塑性重合体組成物の力学的特性が低下し、一方、140000を超える場合には、熱可塑性重合体組成物の成形性が劣る。
水添ブロック共重合体(a−2)は、Mwが150000〜700000の範囲であることが必要であり、155000〜600000の範囲であることが好ましく、160000〜450000の範囲であることがより好ましい。水添ブロック共重合体(a−2)のMwが700000を超える場合には、得られる熱可塑性重合体組成物の成形性が劣る。
なお、本明細書でいう重量平均分子量(Mw)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって求めたポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
水添ブロック共重合体混合物(a)を構成する水添ブロック共重合体(a−1)と水添ブロック共重合体(a−2)の混合比(質量比)は、(a−1)/(a−2)=99.7/0.3〜85/15の範囲であることが必要であり、99.6/0.4〜87/13の範囲であることが好ましく、99.5/0.5〜90/10の範囲であることがより好ましい。水添ブロック共重合体(a−1)と水添ブロック共重合体(a−2)の混合比(質量比)が(a−1)/(a−2)=99.7/0.3よりも(a−2)含量がさらに少ない場合、熱可塑性重合体組成物の成形性の改良が認められず、一方、85/15よりも(a−2)含量がさらに多い場合には、逆に成形性が低下する。
かかる水添ブロック共重合体(a−1)および水添ブロック共重合体(a−2)において、重合体ブロックA1および重合体ブロックA2を構成する芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン、ビニルトルエン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレンなどが挙げられる。これらの中でもスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。重合体ブロックA1および重合体ブロックA2はこれらの芳香族ビニル化合物の1種類のみで構成されてもよいし、2種以上から構成されてもよい。
重合体ブロックA1および重合体ブロックA2は、本発明の目的および効果の妨げにならない限り、他の重合性単量体、例えばブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどの共役ジエン化合物などを少量(好ましくは重合体ブロックA1または重合体ブロックA2全体の質量の20質量%以下)含んでいてもよい。
水添ブロック共重合体(a−1)および水添ブロック共重合体(a−2)における重合体ブロックA1および重合体ブロックA2それぞれの含有量は、熱可塑性重合体組成物からなる伸縮部材の力学的特性、柔軟性の観点から5〜45質量%の範囲であることが好ましく、10〜40質量%の範囲であることがより好ましい。
なお、水添ブロック共重合体(a−1)および水添ブロック共重合体(a−2)における重合体ブロックA1および重合体ブロックA2の含有量は、例えばH−NMRスペクトルなどにより求めることができる。
水添ブロック共重合体(a−1)および水添ブロック共重合体(a−2)における重合体ブロックB1および重合体ブロックB2を構成する共役ジエン化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。重合体ブロックB1および重合体ブロックB2は、これらの共役ジエン化合物の1種のみで構成されていてもよいし、2種以上の共役ジエン化合物で構成されていてもよい。これらの中でも、ブタジエン、イソプレン、またはブタジエンおよびイソプレンの混合物が好ましい。
重合体ブロックB1およびB2における共役ジエン化合物の結合形態(ミクロ構造)およびその存在割合は特に制限されない。例えば、ブタジエンの場合は、1,2−結合単位および/または1,4−結合単位、イソプレンの場合は、1,2−結合単位、3,4−結合単位および/または1,4−結合単位をとることができ、それらのいずれの結合形態がどのような割合で存在してもよい。なお、これらのミクロ構造の存在割合は、H−NMRスペクトルにより求めることができる。
重合体ブロックB1および重合体ブロックB2が2種以上の共役ジエン化合物(例えばブタジエンおよびイソプレン)の混合物で構成されている場合、その構成比や結合形態に特に制限はなく、ランダム、テーパード、ブロックまたはそれらの2種以上の組み合わせからなることができる。
重合体ブロックB1および重合体ブロックB2は、本発明の目的および効果の妨げにならない限り、他の重合性単量体、例えばスチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物などを少量(好ましくは重合体ブロックB1または重合体ブロックB2全体の質量の10質量%以下)含んでいてもよい。
水添ブロック共重合体(a−1)および水添ブロック共重合体(a−2)における重合体ブロックB1および重合体ブロックB2は、耐熱性や耐候性の観点から、共役ジエン化合物に基づく炭素−炭素二重結合の50%以上が水素添加(水添)されていることが必要であり、70%以上が水素添加されていることが好ましく、90%以上が水素添加されていることがさらに好ましい。なお、水素添加率は、重合体ブロックB1および重合体ブロックB2中の共役ジエン化合物に基づく炭素−炭素二重結合の含有量を、水素添加の前後において、ヨウ素価測定、赤外分光光度計、H−NMRスペクトルなどによって測定し、該測定値から求めることができる。
水添ブロック共重合体(a−1)は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA1を2個以上と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB1を1個以上からなるブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体であり、水添ブロック共重合体(a−2)は、同様に重合体ブロックA2を2個以上と重合体ブロックB2を1個以上からなるブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体である。重合体ブロックA1と重合体ブロックB1、および重合体ブロックA2と重合体ブロックB2の結合様式は、線状、分岐状、放射状、あるいはこれらの任意の組み合わせであってよい。例えば、重合体ブロックA1をA1で、重合体ブロックB1をB1で表したとき、水添ブロック共重合体(a−1)は、A1−B1−A1で示されるトリブロック共重合体、A1−B1−A1−B1で示されるテトラブロック共重合体、A1−B1−A1−B1−A1、B1−A1−B1−A1−B1で示されるペンタブロック共重合体、(A1−B1)nX型共重合体(Xはカップリング剤残基を表し、nは2以上の整数を表す)などが挙げられる。これらの中でも、重合体ブロックの結合形式は直鎖状であることが好ましく、水添ブロック共重合体(a−1)としてA1−B1−A1として表されるトリブロック共重合体、A1−B1−A1−B1として表されるテトラブロック共重合体が、製造の容易性、柔軟性などの点から好ましく用いられる。水添ブロック共重合体(a−2)についても、同様に、重合体ブロックA2をA2で、重合体ブロックB2をB2で表したとき、A2−B2−A2として表されるトリブロック共重合体、A2−B2−A2−B2として表されるテトラブロック共重合体が好ましく用いられる。
水添ブロック共重合体(a−1)および水添ブロック共重合体(a−2)は、本発明の目的および効果の妨げにならない限り、分子鎖中および/または分子末端に、カルボキシル基、水酸基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基などの官能基を1種または2種以上有してもよい。また、水添ブロック共重合体(a−1)および水添ブロック共重合体(a−2)として、前記した官能基を有する水添ブロック共重合体(a−1)および水添ブロック共重合体(a−2)と官能基を有さない水添ブロック共重合体(a−1)および水添ブロック共重合体(a−2)を混合して使用してもよい。
水添ブロック共重合体(a−1)および水添ブロック共重合体(a−2)は、例えばアニオン重合法により得られる。具体的には、(イ)アルキルリチウム化合物を開始剤として芳香族ビニル化合物、共役ジエン系化合物を逐次重合させる方法;(ロ)アルキルリチウム化合物を開始剤として芳香族ビニル化合物、共役ジエン系化合物を逐次重合させ、次いでカップリング剤を加えてカップリングする方法;(ハ)ジリチウム化合物を開始剤として共役ジエン系化合物、次いで芳香族ビニル化合物を逐次重合させる方法などが挙げられる。
アルキルリチウム化合物としては、例えばメチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ペンチルリチウムなどが挙げられる。カップリング剤としてはジクロロメタン、ジブロモメタン、ジクロロエタン、ジブロモエタン、ジブロモベンゼンなどが挙げられる。また、ジリチウム化合物としてはナフタレンジリチウム、ジリチオヘキシルベンゼンなどが挙げられる。
これらのアルキルリチウム化合物、ジリチウム化合物などの開始剤およびカップリング剤の使用量は、求める水添ブロック共重合体(a−1)および水添ブロック共重合体(a−2)のMwにより決定されるものであるが、重合に用いる芳香族ビニル化合物および共役ジエン系化合物の合計量の100質量部あたりアルキルリチウム化合物、ジリチウム化合物などの開始剤は通常0.01〜0.2質量部の範囲の量で、一方、カップリング剤を使用する場合は通常0.04〜0.8質量部の範囲で用いられる。
重合は、溶媒の存在下で行うのが好ましい。溶媒としては、開始剤に対して不活性で、反応に悪影響を及ぼさなければ特に制限はなく、例えばヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの飽和脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素が挙げられる。重合は、上記したいずれの方法による場合も、通常、0〜80℃の温度範囲で、0.5〜50時間の範囲で行うことができる。
また、必要に応じ、重合の際に、共役ジエン化合物の結合形態(ミクロ構造)を制御することを目的として、ルイス塩基を共触媒として添加してもよい。かかるルイス塩基としては、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチレンジアミン、N−メチルモルホリンなどのアミン類などが挙げられる。これらのルイス塩基は、1種類を単独で添加しても、2種類以上を混合して添加してもよい。ルイス塩基を添加する場合、その添加量には厳密な意味での制限はないが、通常、重合開始剤として用いられるアルキルリチウム化合物またはジリチウム化合物に含有されるリチウム1グラム原子あたり1000モル以下の範囲であるのが好ましい。
上記した方法により重合を行った後、重合反応液に含まれるブロック共重合体を、メタノールなどのこれらブロック共重合体の貧溶媒に注いで凝固させるか、または重合反応液をスチームと共に熱水中に注いで溶媒を共沸によって除去(スチームストリッピング)した後、乾燥させることにより、ブロック共重合体を単離することができる。
続いて、上記で得られたブロック共重合体を水素添加することで水添ブロック共重合体(a−1)および水添ブロック共重合体(a−2)を得る。水素添加反応は、ラネーニッケル;Pt、Pd、Ru、Rh、Niなどの金属をカーボン、アルミナ、ケイ藻土などの単体に担持させた不均一系触媒;遷移金属化合物とアルキルアルミニウム化合物、アルキルリチウム化合物などとの組み合わせからなるチーグラー系触媒;メタロセン系触媒などの水素添加触媒の存在下、反応および水素添加触媒に対して不活性な溶媒に上記で得られたブロック共重合体を溶解させ、水素と反応させる方法を好ましく行うことができる。なお、上記で得られたブロック共重合体を含む重合反応液からブロック共重合体を単離せず、該重合反応液をそのまま水素添加反応に付すことも可能である。水素添加反応は、通常、水素圧力0.1〜20MPa、反応温度20〜250℃、反応時間0.1〜100時間の範囲で行うことができる。
上記した方法による水素添加反応により得られる水添ブロック共重合体(a−1)および水添ブロック共重合体(a−2)は、水素添加反応液を、メタノールなどの水添ブロック共重合体(a−1)および水添ブロック共重合体(a−2)の貧溶媒に注いで凝固させるか、または水素添加反応液をスチームと共に熱水中に注いで溶媒を共沸によって除去(スチームストリッピング)した後、乾燥することにより単離することができる。
本発明の伸縮部材を構成する熱可塑性重合体組成物において、必要に応じて配合してもよい熱可塑性樹脂(b)は、ポリオレフィン系樹脂およびポリスチレン系樹脂から選ばれる少なくとも1種である。ポリオレフィン系樹脂としては、例えばポリプロピレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ノネン共重合体、エチレン−1−デセン共重合体などのエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体またはこれらを無水マレイン酸などで変性した樹脂などが挙げられる。一方、ポリスチレン系樹脂としては、例えばポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリパラメチルスチレン、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、無水マレイン酸−スチレン樹脂などが挙げられる。これらは1種類を単独で、または、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体が好ましく、ポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレンが好ましい。
本発明の伸縮部材を構成する熱可塑性重合体組成物において、ポリオレフィン系樹脂およびポリスチレン系樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂(b)を配合する場合、その配合量は、水添ブロック共重合体混合物(a)100質量部に対して100質量部以下であることが好ましく、10〜80質量部の範囲であることがより好ましい。熱可塑性樹脂(b)の配合量が水添ブロック共重合体混合物(a)100質量部に対して100質量部を超えると、得られる伸縮部材の弾性回復性が悪化する。
本発明の伸縮部材を構成する熱可塑性重合体組成物において、必要に応じて配合してもよい非芳香族系ゴム用軟化剤(c)としては、例えばパラフィン系、ナフテン系などの炭化水素系油;落花生油、ロジンなどの植物油;燐酸エステル;低分子量ポリエチレングリコール;流動パラフィン;低分子量エチレン、エチレン−α−オレフィン共重合オリゴマー、液状ポリブテン、液状ポリイソプレンまたはその水素添加物、液状ポリブタジエンまたはその水素添加物などの炭化水素系合成油などが挙げられる。これらは1種類を単独で配合しても、または2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、本発明においては、非芳香族系ゴム用軟化剤(c)として、パラフィン系の炭化水素油やエチレン−α−オレフィン共重合オリゴマーなどの炭化水素系合成油が好ましい。
本発明の伸縮部材を構成する熱可塑性重合体組成物において、非芳香族系ゴム用軟化剤(c)を配合する場合、その配合量は、水添ブロック共重合体混合物(a)100質量部に対して150質量部以下であることが好ましく、120質量部以下であることがより好ましい。非芳香族系ゴム用軟化剤(c)の添加量が150質量部を超えると、得られる伸縮部材の力学的特性が低下する。
本発明の伸縮部材を構成する熱可塑性重合体組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、各種粘着付与樹脂、各種フィラーをさらに配合してもよい。粘着付与樹脂としては、例えばロジン系樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環式系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂などが挙げられる。これらは1種類を単独で配合しても、または2種類以上を併用してもよい。粘着付与樹脂をさらに配合する場合、その配合量は、水添ブロック共重合体混合物(a)100質量部に対して100質量部以下であるのが好ましい。フィラーとしては、例えばカーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ケイ藻土などの無機フィラー;ゴム粉末、木粉などの有機フィラーなどが挙げられる。これらは1種を単独で配合しても、または2種類以上を併用してもよい。フィラーをさらに配合する場合、その配合量は、熱可塑性重合体組成物全体量に対して30質量%以下であるのが好ましい。
本発明の伸縮部材を構成する熱可塑性重合体組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて各種添加剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、発泡剤、帯電防止剤、顔料、架橋剤などをさらに配合してもよい。
本発明で用いる熱可塑性重合体組成物を得るための混合は、従来の慣用の方法で行うことができる。例えば一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、オープンロール、ニーダーなどの各種混練機を使用して、各成分を溶融混練して熱可塑性重合体組成物を得る方法などが挙げられ、いずれの方法を用いてもよい。
熱可塑性重合体組成物を得る手順としては、(I)水添ブロック共重合体(a−1)と水添ブロック共重合体(a−2)を予め予備混合した後、各種混練機を用いて溶融混練を行い水添ブロック共重合体混合物(a)を得て、その後さらに必要に応じて他の成分、すなわち熱可塑性樹脂(b)および/または非芳香族系ゴム用軟化剤(c)などを加え再度予備混合を行った後、溶融混練を行う方法;(II)水添ブロック共重合体(a−1)および水添ブロック共重合体(a−2)の所定量を予め飽和脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素などに溶解させるか、または水添ブロック共重合体(a−1)を含む反応液および水添ブロック共重合体(a−2)を含む反応液を所定量で混合した溶液を調製し、引き続きスチームと共に熱水中に注いで溶媒を共沸によって除去(スチームストリッピング)した後、乾燥させて水添ブロック共重合体混合物(a)を得、必要に応じて他の成分、すなわち熱可塑性樹脂(b)および/または非芳香族系ゴム用軟化剤(c)などを加えて予備混合を行い、その後溶融混練を行う方法;(III)水添ブロック共重合体(a−1)と水添ブロック共重合体(a−2)を予め予備混合し、必要に応じて他の成分、すなわち熱可塑性樹脂(b)および/または非芳香族系ゴム用軟化剤(c)などを加え再度予備混合した後、溶融混練を行う方法;(IV)水添ブロック共重合体(a−1)と水添ブロック共重合体(a−2)および必要に応じて他の成分、すなわち熱可塑性樹脂(b)および/または非芳香族系ゴム用軟化剤(c)などを一括して予備混合した後、溶融混練を行う方法などが挙げられる。混練機を用いて溶融混練を行う際の混練温度としては、一般に160〜280℃の範囲が好ましく、180〜260℃の範囲がより好ましい。
溶融混練に関しては、例えば、溶融混練を行う熱可塑性重合体組成物を構成する成分を、溶融混練する前にヘンシェルミキサーやタンブラーの様な混合機を用いて予め予備混合しておき、一括混練する方法;非芳香族系ゴム用軟化剤(c)を除く他成分を予め混練した後、サイドフィーダーなどを用いて混練機内に所定量の非芳香族系ゴム用軟化剤(c)を添加する方法;熱可塑性樹脂(b)を除く他成分を予め混練した後、サイドフィーダーなどを用いて混練機内に所定量の熱可塑性樹脂(b)を添加する方法などが挙げられ、いずれの方法を採用してもよい。
本発明において、熱可塑性重合体組成物からなる伸縮部材の形態は特に制限されず、用途、使用形態などに応じてそれぞれに適した形態にすることができる。一般的には熱可塑性重合体組成物からなる伸縮部材の形態は、フィルム、ストランド、帯状体または不織布であることが好ましい。伸縮部材の形態がフィルムである場合は、その厚さや幅は特に制限されず、適宜選択することができる。一般的には、フィルム厚さは15〜200μm程度にしておくことが好ましい。また、伸縮部材の形態がストランドの場合は、断面が円形、楕円形、方形またはそれ以外の断面形状の線状体や紐状体にしておくことができる。伸縮部材の形態が帯状体である場合も、その厚さや幅は特に制限されず、適宜選択することができる。一般的には帯状体の厚さは200μm〜2mm程度であることが好ましい。伸縮部材の形態が不織布である場合も、不織布を構成する繊維の繊度、不織布の目付けなどを各々の用途になどに適したものにすることができる。一般的には、不織布状の伸縮部材では、不織布を構成する繊維は繊度の均一な長繊維であることが、力学的特性に優れることから好ましい。また、該不織布の目付けは、5〜200g/m程度であるのが、取扱性などの点から好ましい。さらにこれらの伸縮部材は、そのままで用いることもできるし、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびポリエステルなどからなる不織布と複合してもよい。
本発明において、熱可塑性重合体組成物からなる前述した形態である伸縮部材は、各種形態に応じた一般的な成形加工方法を好適に使用できる。例えば伸縮部材がフィルム、ストランド、帯状体および不織布の形態である場合は、熱可塑性重合体組成物をフィルム、ストランド、帯状体または不織布に成形する際に一般的に使用される成形加工方法が好適に採用される。例えば、フィルム、ストランド、もしくは帯状体形状に成形する場合は、一軸押出機または二軸押出機を用いて、それぞれフィルム形態、ストランド形態、帯状体形態に成形することができる。また、不織布に成形する方法としては、通常のメルトブローン法やスパンボンド法によって成形することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の参考例において、重量平均分子量(Mw)、水素添加率、スチレン含有量、共役ジエン化合物重合体ブロック中のミクロ構造は下記のようにして求めた。
重量平均分子量:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算により測定。
水素添加率、スチレン含有量、ミクロ構造:H−NMR法により測定。
また、以下の実施例および比較例において、伸縮部材に用いる熱可塑性重合体組成物の物性は次の方法により評価した。
〈1〉メルトフローレート(MFR)
実施例および比較例で得られた熱可塑性重合体組成物のペレットを用い、JIS K 7210に従って、200℃、21.2Nの条件で測定した。
〈2〉引張り永久歪み
実施例および比較例で得られた熱可塑性重合体組成物のペレットを200℃で3分、プレス圧力10MPaでプレス成形することによって厚さ1mmのシートを得た。このシートより、JIS K 6262に記載された短冊状2号の試験片を打ち抜き20mmの幅で標線を付け、JIS K 6262記載の引張り永久歪み試験方法に準じ、23℃、引張り歪み100%、試験時間60分の条件で測定し、下記式により引張り永久歪みを求め、弾性回復性の指標とした。
引張り永久歪み(%)={(L−20)/20}×100
[式中、Lは試験後の標線間の長さ(mm)を示す。]
〈3〉成形性
〈3−1〉ストランド成形性評価
実施例および比較例で得られた熱可塑性重合体組成物のペレットを、220℃の温度条件下で(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1Bを用い、ピストンスピード10mm/分、キャピラリー径1mm×長さ10mm、引き取り速度4m/分でストランド状に引き取る条件で、メルトテンションを20秒間の間隔で3回測定し、得られたメルトテンション値の最高値を最低値で割った値(メルトテンション比)を求め、ストランド成形性の指標とした。この値が1に近いほどストランド成形性が良好である。なお、ここで言うメルトテンション値の最高値と最低値は以下の様に定義する。[メルトテンション値の最高値:メルトテンション測定中のテンション曲線における山の値の合計値を山の数で除した値。メルトテンション値の最低値:メルトテンション測定中のテンション曲線における谷の値の合計値を谷の数で除した値。]
○:1.50未満(ストランド径のムラが小さい)
×:1.50以上(ストランド径のムラが大きい)
××:破断
〈3−2〉フィルム成形性評価
実施例および比較例で得られた熱可塑性重合体組成物のペレットを、200℃の条件でスクリュー直径25mmの同方向回転二軸押出機(L/D=25、スクリュー回転数100rpm)を用いて幅300mmのTダイ(リップ幅0.5mm)で押出し、25℃の冷却ロールで引き取ったフィルムの流れ方向の中央部の厚さを測定し、フィルムの成形性を評価した。
○:厚さ100μm以下のフィルムが安定的に成形可能
×:厚さムラが激しく均一厚さのフィルムの成形不可
××:フィルム切れ
また、以下の実施例および比較例で使用した各成分の内容は以下のとおりである。
水添ブロック共重合体(a−1)
参考例1
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン60L、開始剤としてsec−ブチルリチウム138ml(シクロヘキサン溶液、濃度:10質量%)を仕込み、50℃に昇温した後、スチレン1.58Lを加えて3時間重合し、引き続いてイソプレンとブタジエンの混合物(質量比=50/50)を10.3L加えて4時間重合を行い、その後さらにスチレン1.58Lを加えて3時間重合させた後、メタノール8mlで重合反応を停止し、ブロック共重合体を含む重合反応液を得た。次いで、この重合反応液に、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)480gを添加し、水素圧力2MPa、150℃で10時間水素添加反応を行い、表1に示す性状を有する水添ブロック共重合体(以下、これを水添ブロック共重合体(a−1)−1と称する)を得た。なお、イソプレンとブタジエンの混合物からなる重合体ブロック中の1,4−結合量は92%であった。
参考例2
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン60L、開始剤としてsec−ブチルリチウム114ml(シクロヘキサン溶液、濃度:10質量%)を仕込み、50℃に昇温した後、スチレン1.32Lを加えて3時間重合し、引き続いてイソプレンを10.6L加えて4時間重合を行い、その後さらにスチレン1.32Lを加えて3時間重合させた後、メタノール6mlで重合反応を停止し、ブロック共重合体を含む重合反応液を得た。この重合反応液を用いて、参考例1と同様の方法で水素添加反応を行なうことにより、表1に示す性状を有する水添ブロック共重合体(以下、これを水添ブロック共重合体(a−1)−2と称する)を得た。なお、イソプレンからなる重合体ブロック中の1,4−結合量は91%であった。
水添ブロック共重合体(a−2)
参考例3
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン60L、開始剤としてsec−ブチルリチウム70ml(シクロヘキサン溶液、濃度:10質量%)を仕込み、50℃に昇温した後、スチレン1.60Lを加えて3時間重合し、引き続いてイソプレンとブタジエンの混合物(質量比=60/40)を8.2L加えて4時間重合を行い、その後さらにスチレン1.60Lを加えて3時間重合させた後、メタノール3.7mlで重合反応を停止し、ブロック共重合体を含む重合反応液を得た。この重合反応液を用いて、参考例1と同様の方法で水素添加反応を行なうことにより、表1に示す性状を有する水添ブロック共重合体(以下、これを水添ブロック共重合体(a−2)−1と称する)を得た。なお、イソプレンとブタジエンの混合物からなる重合体ブロック中の1,4−結合量は94%であった。
参考例4
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン60L、開始剤としてsec−ブチルリチウム35.3ml(シクロヘキサン溶液、濃度:10質量%)を仕込み、50℃に昇温した後、スチレン1.16Lを加えて3時間重合し、引き続いてイソプレンとブタジエンの質量比=50/50の混合物を7.5L加えて4時間重合を行い、その後さらにスチレン1.16Lを加えて3時間重合させた後、メタノール1.9mlで重合反応を停止し、ブロック共重合体を含む重合反応液を得た。この重合反応液を用いて、参考例1と同様の方法で水素添加反応を行なうことにより表1に示す性状を有する水添ブロック共重合体(以下、これを水添ブロック共重合体(a−2)−2と称する)を得た。なお、イソプレンとブタジエンの混合物からなる重合体ブロック中の1,4−結合量は93%であった。
参考例5
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン60L、開始剤としてsec−ブチルリチウム17.5ml(シクロヘキサン溶液、濃度:10質量%)を仕込み、50℃に昇温した後、スチレン0.51Lを加えて3時間重合し、引き続いてイソプレンとブタジエンの質量比=40/60の混合物を5.8L加えて4時間重合を行い、その後さらにスチレン0.51Lを加えて3時間重合させた後、メタノール1.0mlで重合反応を停止し、ブロック共重合体を含む重合反応液を得た。この重合反応液を用いて、参考例1と同様の方法で水素添加反応を行なうことにより、表1に示す性状を有する水添ブロック共重合体(以下、これを水添ブロック共重合体(a−2)−3と称する)を得た。なお、イソプレンとブタジエンの混合物からなる重合体ブロック中の1,4−結合量は95%であった。
参考例6
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン60L、開始剤としてsec−ブチルリチウム47ml(シクロヘキサン溶液、濃度:10質量%)を仕込み、50℃に昇温した後、スチレン1.02Lを加えて3時間重合し、引き続いてイソプレンを6.7L加えて4時間重合を行い、その後さらにスチレン1.02Lを加えて3時間重合させた後、メタノール2.5mlで重合反応を停止し、ブロック共重合体を含む重合反応液を得た。この重合反応液を用いて、参考例1と同様の方法で水素添加反応を行なうことにより、表1に示す性状を有する水添ブロック共重合体(以下、これを水添ブロック共重合体(a−2)−4と称する)を得た。なお、イソプレンからなる重合体ブロック中の1,4−結合量は92%であった。
参考例7
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン60L、開始剤としてsec−ブチルリチウム27ml(シクロヘキサン溶液、濃度:10質量%)を仕込み、50℃に昇温した後、スチレン0.96Lを加えて3時間重合し、テトラヒドロフラン120mlを加えた後、ブタジエンを8.5Lを加えて4時間重合を行い、その後さらにスチレン0.96Lを加えて3時間重合させた後、メタノール1.5mlで重合反応を停止し、ブロック共重合体を含む重合反応液を得た。この重合反応液を用いて、参考例1と同様の方法で水素添加反応を行なうことにより、表1に示す性状を有する水添ブロック共重合体(以下、これを水添ブロック共重合体(a−2)−5と称する)を得た。なお、ブタジエンからなる重合体ブロック中の1,4−結合量は62%であった。
Figure 2006089546
熱可塑性樹脂(b)
(b−1):直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(商品名「ウルトゼックス 1520L」、三井化学(株)製、MFR=2.3g/10分)
(b−2):ポリプロピレン(商品名「ノバテックPP FB3T」、日本ポリケム(株)製、MFR=9g/10分)
(b−3):ポリスチレン(商品名「GPPS HF77」、A&Mスチレン(株)製、MFR=7.7g/10分)
非芳香族系ゴム用軟化剤(c)
(c−1):パラフィン系プロセスオイル(商品名「ダイアナプロセスオイル PW−90」、出光興産(株)製)
実施例1〜9および比較例1〜5
表2〜表3に示す組成で、参考例1〜2で得られた水添ブロック共重合体(a−1)−1および(a−1)−2、参考例3〜7で得られた水添ブロック共重合体(a−2)−1〜(a−2)−5を予め予備混合した後、熱可塑性樹脂(b)[(b−1)〜(b−3)]および非芳香族系ゴム用軟化剤(c−1)を加えてさらに混合し、その後、同方向回転二軸押出機(スクリュー直径37mm、L/D=34、スクリュー回転数200rpm、吐出量15kg/hr)を用いて210℃で溶融混練を行ない、それぞれペレット状の熱可塑性重合体組成物を得た。得られた熱可塑性重合体組成物を、前記した〈1〉〜〈3〉の方法に従って伸縮部材としての性能評価を行なった。結果を表2〜表3に示す。
Figure 2006089546
Figure 2006089546
表2〜表3の結果より、実施例1〜9の熱可塑性重合体組成物は、成形性に優れるとともに、引張り永久歪みが良好であり、伸縮部材として優れる。
本発明の伸縮部材は、紙おむつ、トイレットトレーニングパンツ、生理用品、下着等の衛生材料;湿布剤の基材、伸縮性テープ、包帯、手術着、サポーター、矯正着などの医療材料;ヘアーバンド、リストバンド、時計のバンド、眼鏡バンドなどのバンド用途;輪ゴム、トレーニングチューブなどの雑貨などの幅広い用途に有効に使用することができる。

Claims (3)

  1. (a−1)重量平均分子量(Mw)が50000〜140000の範囲であり、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA1を2個以上と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB1を1個以上有するブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体、および(a−2)重量平均分子量(Mw)が150000〜700000の範囲であり、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA2を2個以上と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB2を1個以上有するブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体からなり、水添ブロック共重合体(a−1)と水添ブロック共重合体(a−2)の混合比(質量比)が(a−1)/(a−2)=99.7/0.3〜85/15の範囲である水添ブロック共重合体混合物(a)を含有することを特徴とする熱可塑性重合体組成物からなる伸縮部材。
  2. 請求項1記載の水添ブロック共重合体混合物(a)100質量部に対して、(b)ポリオレフィン系樹脂およびポリスチレン系樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂の少なくとも一種を100質量部以下、および(c)非芳香族系ゴム用軟化剤を150質量部以下の割合で含有する熱可塑性重合体組成物からなる伸縮部材。
  3. フィルム、ストランド、帯状体または不織布の形態である請求項1または2に記載の伸縮部材。
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