JP5006491B2 - 共重合体の製造方法、共重合体および該共重合体を含む熱可塑性重合体組成物 - Google Patents

共重合体の製造方法、共重合体および該共重合体を含む熱可塑性重合体組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族ビニルモノマーと共役ジエンモノマーとからなる未水添または水添共重合体溶液を、ポリオレフィン微粒子の存在下にスチームストリッピングする未水添または水添共重合体の製造方法および、未水添または水添共重合体、並びに該水添共重合体を含む高い安全性を有する熱可塑性重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ビニルモノマーと共役ジエンモノマーからなる共重合体を水添して得られる水添共重合体は、プラスチックスの改質剤、粘接着剤のベースポリマーおよびポリオレフィン、可塑剤、充填剤などからなる熱可塑性エラストマーのベースポリマーとして広く利用されている。特に、熱可塑性エラストマーとしては、加硫ゴム、軟質塩ビの代替品として、工業用品、家電製品、スポーツ用品、雑貨品、医療器具、包装材料などの分野で広く利用されている。
【0003】
これらの水添共重合体の製造方法としては、炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物を開始剤として重合し、チーグラー系触媒やメタロセン系触媒などの水添触媒などにより水添した後、スチームストリッピングにより脱溶剤し、クラム形態で取り出す方法が知られている。この際、後工程の良好な通過性を得るために分散剤として非イオン系界面活性剤(特開昭55−110110号公報)を一般的に用いている。また、高級脂肪酸アミド(特開平7−33843号公報)や金属セッケンを用いる方法も提案されている。
【0004】
例えば、特開昭55−110110号公報では、スチレン系炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体溶液の熱水への分散をよくして、重合体の塊状化を防ぎ粒子状に析出させるために、ポリエーテル型ブロック共重合体を分散剤、カリウムやナトリウムなどの金属の水溶性塩を分散助剤として添加する方法が記載されている。具体的には、スチレン系炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体溶液を温度80〜95℃に加熱した熱水中に投入し、併せて上記した分散剤を熱水中に添加してスチームストリッピングし、クラム状の重合体を析出・分離している。
【0005】
また、特開平7−33843号公報には、温度70〜200℃に融点を有する高級脂肪酸アミドの存在下にスチームストリッピングして良好なクラムを形成し、透明性に優れかつ粘接着剤用のベースポリマーとして好適な芳香族モノオレフィンと共役ジオレフィンとのブロック共重合体を製造する方法が記載されている。該高級脂肪酸アミドは、芳香族モノオレフィンと共役ジオレフィンとのブロック共重合体の0.05〜5質量%が添加されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、スチームストリッピングの際に分散剤を使用すると、未水添または水添共重合体中に上記の分散剤が残存する。このため、該未水添または水添共重合体を食品用もしくは医療用の包装材、または医療器具などで使用する場合には、含まれる分散剤によって安全性試験の基準をクリアできない場合がある。特開平7−33843号公報のように高級脂肪酸アミドを使用すると、成形品表面へのブリードアウトが起こり、成形品の外観を損ねたり、成形品が着色する場合がある。また、特開昭55−110110号公報のように金属化合物を使用しても成形品が着色する場合がある。このため、食品用もしくは医療用の包装材、または医療器具などの用途に使用する場合には、未水添または水添共重合体を製造する際に分散剤を使用しないことが好ましいのであるが、未水添または水添共重合体の分子量、モノマー組成比、ガラス転移温度などの性状によっては、分散剤の添加が不可欠な場合が存在する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の従来技術に鑑みてなされたものであり、共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとの未水添または水添共重合体を製造する際に、スチームストリッピングを特定のポリオレフィン微粒子の存在下に行うことで、クラム特性に優れ、かつ得られた未水添または水添共重合体が、安全性に優れ、かつブリードアウトや着色などの問題を起こさないこと、および該水添共重合体を含む熱可塑性重合体組成物は、食品用包装材、医療用包装材、医療器具などの用途に好ましいことを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下の(1)〜(6)を提供するものである。
【0008】
(1) 炭化水素溶媒中で、共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとを共重合して、1種以上の芳香族ビニルモノマーからなる重合体ブロック(A)5〜90質量%、ならびに1種以上の共役ジエンモノマー単独重合体または1種以上の芳香族ビニルモノマーと1種以上の共役ジエンモノマーとからなる重合体ブロック(B)10〜95質量%とからなる共重合体を得、得られた共重合体を含む炭化水素溶液を、融点または軟化温度が70℃以上で平均粒子径が100μm以下のポリオレフィン微粒子の存在下にスチームストリッピングして該溶媒を除去することを特徴とする、共重合体の製造方法。
【0009】
(2) 炭化水素溶媒中で、共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとを共重合して、1種以上の芳香族ビニルモノマーからなる重合体ブロック(A)5〜90質量%、ならびに1種以上の共役ジエンモノマーまたは1種以上の芳香族ビニルモノマーおよび1種以上の共役ジエンモノマーとからなる重合体ブロック(B)10〜95質量%とからなる共重合体を得、この共重合体の該共役ジエン単位に基づく不飽和二重結合の60モル%以上を水添し、次いで得られた水添共重合体を含む炭化水素溶液を、融点または軟化温度が70℃以上で平均粒子径が100μm以下のポリオレフィン微粒子の存在下にスチームストリッピングして該溶媒を除去することを特徴とする、水添共重合体の製造方法。
【0010】
(3) 1種以上の芳香族ビニルモノマーからなる重合体ブロック(A)5〜90質量%ならびに、1種以上の共役ジエンモノマーまたは1種以上の芳香族ビニルモノマーおよび1種以上の共役ジエンモノマーとからなる重合体ブロック(B)10〜95質量%とからなる共重合体を含む炭化水素溶液を、融点または軟化温度が70℃以上で平均粒子径が100μm以下のポリオレフィン微粒子の存在下にスチームストリッピングして得た共重合体。
【0011】
(4) 1種以上の芳香族ビニルモノマーからなる重合体ブロック(A)5〜90質量%ならびに、1種以上の共役ジエンモノマーまたは1種以上の芳香族ビニルモノマーおよび1種以上の共役ジエンモノマーとからなる重合体ブロック(B)10〜95質量%とからなる共重合体の共役ジエン単位に基づく不飽和二重結合の60モル%以上を水添して得た水添共重合体を含む炭化水素溶媒を、融点または軟化温度が70℃以上で平均粒子径が100μm以下のポリオレフィン微粒子の存在下にスチームストリッピングして得た水添共重合体。
【0012】
(5) 上記(4)に記載の水添共重合体100質量部、ポリオレフィン系樹脂0〜10000質量部、可塑剤0〜1000質量部および充填剤0〜5000質量部を含む熱可塑性重合体組成物。
【0013】
(6) 上記(5)記載の熱可塑性重合体組成物を用いた、食品用包装材
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の第一は、炭化水素溶媒中で、共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとを共重合して、1種以上の芳香族ビニルモノマーからなる重合体ブロック(A)5〜90質量%、ならびに1種以上の共役ジエンモノマー単独重合体、または1種以上の芳香族ビニルモノマーと1種以上の共役ジエンモノマーとからなる重合体ブロック(B)10〜95質量%とからなる共重合体(以下、単に「水添前共重合体」と称することがある。)を得て、または該水添前共重合体の該共役ジエン単位に基づく不飽和二重結合の60モル%以上を水添して水添共重合体を得て、次いで得られた水添前共重合体または水添共重合体を含む炭化水素溶液を、融点または軟化温度が70℃以上で平均粒子径が100μm以下のポリオレフィン微粒子の存在下にスチームストリッピングして該溶媒を除去することを特徴とする、共重合体または水添共重合体の製造方法である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
本発明に用いられる水添前共重合体は、1種以上の芳香族ビニルモノマーからなる重合体ブロック(A)5〜90質量%と、1種以上の共役ジエンモノマーまたは1種以上の芳香族ビニルモノマーおよび1種以上の共役ジエンモノマーからなる重合体ブロック(B)10〜95質量%とからなる。
【0016】
該重合体ブロック(A)または重合体ブロック(B)を構成する芳香族ビニルモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジノリスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンなどが挙げられる。本発明では、重合体ブロック(A)は、これらの1種単独で構成されていてもよく、2種以上から構成されていてもよい。本発明では、スチレン、α−メチルスチレン、3−メチルスチレンが好ましく用いられる。
【0017】
また、該重合体ブロック(B)を構成する共役ジエンモノマーとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、フェニルブタジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエンなどが挙げられる。本発明では、重合体ブロック(B)で使用する共役ジエンモノマーとしては、これらの1種を単独で構成されていてもよく、2種以上から構成されていてもよい。本発明では、特に1,3−ブタジエンやイソプレンが好適に用いられる。
【0018】
本発明では、水添前共重合体においては重合体ブロック(A)の該共重合体中の割合は、5〜90質量%、より好ましくは10〜70質量%、特に好ましくは15〜60質量%の範囲である。90質量%を超えると、溶融粘度が高くなり過ぎ、ポリオレフィン系樹脂とのブレンドの際、混練がうまくできなくなるため好ましくない。その一方、5質量%を下回るとハードセグメントの含有量が少なく、エラストマーとしての機能を発揮できなくなる。
【0019】
また、水添前共重合体中の重合体ブロック(B)の割合は、10〜95質量%、より好ましくは30〜90質量%、特に好ましくは40〜85質量%の範囲である。10質量%未満では溶融粘度が高くなり過ぎ、ポリオレフィン系樹脂とのブレンドの際、混練がうまくできなくなるため好ましくない。逆に、95質量%を越えると、スチームストリッピングの際、水添共重合体同士のブロッキングが発生し、その後の工程通過性が悪化するため好ましくない。
【0020】
水添前共重合体の数平均分子量は、20000〜400000の範囲であることが好ましく、30000〜300000の範囲であることがより好ましい。なお、本明細書でいう数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって求めたポリスチレン換算の分子量である。このような数平均分子量は、使用目的に応じて適宜選択することができる。しかしながら、数平均分子量が30000未満では、スチームストリッピングの際に、これを水添した水添共重合体が軟化してクラム同士のブロッキングが生じ、器壁や撹拌羽根などへの付着が起きる場合があり好ましくない。その一方、300000を超えると、スチームストリッピングの際の問題はないが、水添共重合体の溶融粘度が著しく高くなり、ポリオレフィン系樹脂などと溶融混合する際の加工性が低下するばかりか、一部分子切断が生じることがあり好ましくない。
【0021】
本発明では、炭化水素溶媒中で、上記モノマーを共重合して水添前共重合体を得て、その後該共重合体を水添するが、これらの方法は、従来公知の方法を使用することができる。例えば重合体ブロック(A)と(B)とのジブロック共重合体(A−B型)の場合は、炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物を重合開始剤として芳香族ビニルモノマーの1種と共役ジエンモノマーの1種を逐次添加して重合する。このA−B型共重合体を水添する場合にも、従来公知の水添触媒を使用して製造することができる。一方、トリブロック共重合体(A−B−A型)の水添共重合体を製造する場合には、A−B型と同様にモノマーを逐次添加する方法のほか、芳香族ビニルモノマーと共役ジエンモノマーとを逐次添加し、モノマー重合転換率が100%になった後にカップリング剤を添加してカップリングする方法によっても製造できる。
【0022】
上記モノマーの重合は炭化水素溶媒中で行い、炭化水素溶媒としては特に制限はない。例えば、ペンタン、ヘキサン、ペプタン、オクタンなどの飽和脂肪族系炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの飽和脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素などが挙げられる。
【0023】
また、本発明で好ましく使用できる重合開始剤としては、メチルリチウム、エチルリチウム、ペンチルリチウム、ブチルリチウムなどの有機リチウム化合物が挙げられる。本発明では、これらの1種を単独で使用するほか、2種以上を併用してもよい。
【0024】
また、カップリング剤としてはジクロロメタン、ジブロムメタン、ジブロムエタン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、トリクロロメチルシラン、テトラクロロシラン、四塩化スズ、酢酸エチル、安息香酸フェニル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられ、これらの1種または2種以上を併用することができる。
【0025】
本発明では、水添前共重合体の共役ジエン部分のミクロ構造については特に限定はない。しかしながら、ポリプロピレン系樹脂と水添共重合体からなる熱可塑性重合体組成物に透明性を発現させるには、共役ジエンとしてブタジエンを単独で使用する場合には、1,2−結合含有量を60モル%以上とし、イソプレンを単独で使用する場合には1,2−結合および3,4−結合の合計量を40モル%以上とする必要がある。なお、水添前共重合体は、直鎖状、分岐状、星型のいずれでもよく、各ブロックの結合順序、結合ブロック数にも特に制限はない。また、上記形態の単独物でも2種以上の混合物でも差支えない。
【0026】
本発明によって水添共重合体を製造する場合には、水添共重合体中の共役ジエン単位に基づく不飽和二重結合の水添率は少なくとも60モル%以上であり、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。60モル%未満では、水添したことにより期待される耐熱性、耐候性の向上が不十分となる場合がある。
【0027】
また、共役ジエン部分のミクロ構造を制御するには、重合の際に共触媒を用いる。この共触媒としては、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N−メチルモルホリンなどのアミン系化合物が挙げられる。本発明では、これらの1種を単独で使用し、または2種以上を併用することもできる。
【0028】
また、水添の際には水添触媒を使用することができ、このような触媒としては、例えばニッケル、白金、パラジウム、ルテニウムまたはロジウムなどの金属をカーボン、シリカ、珪藻土などの単体に担持した固体触媒、ニッケル、コバルトなどの有機金属化合物とトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物などからなる均一系触媒、あるいはチタニウム、ハフニウムなどの遷移金属のシクロペンタジエニル化合物とリチウム、カリウム、アルミニウム、亜鉛、マグネシウムなどの有機金属化合物からなる均一触媒などが挙げられる。
【0029】
本発明における水添前共重合体の反応条件は、該共重合体の組成や分子量によって適宜選択することができるが、一般には反応温度0〜100℃であり、より好ましくは20〜80℃、特に好ましくは40〜60℃である。また、反応時間は、0.5〜50時間であり、より好ましくは1〜30時間、特に好ましくは1.5〜20時間である。更に、該共重合体を水添する場合には、水素圧力0.01〜30MPa、より好ましくは0.05〜10MPa、特に好ましくは0.1〜5MPaで供給する。
【0030】
本発明では、上記によって得た水添前共重合体または水添共重合体を含む炭化水素溶液は、必要に応じて重合開始剤や水添触媒を酸洗浄し、水洗し、濃過し、遠心分離などにより除去した後に、融点または軟化温度が70℃以上で平均粒子径が100μm以下のポリオレフィン微粒子の存在下にスチームストリッピングすることによって炭化水素溶媒を除去する。これにより、水添前共重合体や水添共重合体をクラム状の形態で水中に分散したスラリーとして取り出すことができる。このスチームストリッピングの方法としては、水および前記した炭化水素溶液を予め槽に装入して撹拌しつつスチームを吹き込んで昇温させて溶媒をスチームストリッピングする回分式と、炭化水素溶媒の沸点以上120℃以下の熱水中に前記した炭化水素溶液を連続的に投入する連続式のいずれでもよいが、該炭化水素溶液中には、水添前共重合体または水添共重合体が5〜60質量%の濃度で、より好ましくは7〜40質量%、特には10〜30質量%で溶解していることが好ましい。この範囲でクラム特性に優れる水添前共重合体または水添共重合体が得られるからである。
【0031】
本発明では、スチームストリッピングの際に融点または軟化温度が70℃以上、より好ましくは100〜260℃、特に好ましくは100〜200℃のポリオレフィン微粒子を使用することを特徴とする。このようなポリオレフィン微粒子としては、ボリエチレン、ポリプロピレン、α−オレフィン重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体などがあり、これらの1種を単独で使用し、または2種以上を併用することができる。この中で特にポリプロピレンの微粒子が好ましい。なお、ここでいう融点とは、DSC(示差走査熱量測定)により測定した結晶融解ピーク温度であり、軟化温度とは、ASTMD1525に準じて測定したビカット軟化温度である。
本発明では、特に上記した水添前共重合体または水添共重合体を含む炭化水素溶液のスチームストリッピングの際にポリオレフィン微粒子を使用するのであるが、水添前共重合体や水添共重合体が上記範囲の数平均分子量の場合には、特にスチームストリッピングの際には、融点または軟化点が70℃未満のものを使用すると、クラム同士のブロッキングが生じ、またはその後の乾燥工程でのブロッキングが生じる場合があり好ましくない。
【0032】
また、ポリオレフィン微粒子は、その平均粒子径が100μm以下であることが必要で、より好ましくは0.1〜80μm、特に好ましくは0.1〜60μmである。100μmを超えるとスチームストリッピングの際にクラム同士のブロッキングが発生し、またはその後の乾燥工程でのブロッキングが生じる場合があり好ましくない。
【0033】
ポリオレフィン微粒子の使用量は、水添前共重合体または水添共重合体100質量部に対して0.01〜10質量部の範囲であるのが好ましい。0.01質量部未満では分散が十分でなく、スチームストリッピング槽の器壁、撹拌羽根などへ水添前共重合体または水添共重合体が付着する場合があり、また、クラム同士のブロッキングが生じるため好ましくない。その一方、10質量部を超えると水添前共重合体または水添共重合体とポリオレフィン微粒子との重量比にむらが生じるため好ましくない。
【0034】
なお、本発明においては、ポリオレフィン微粒子は水添前共重合体または水添共重合体を含む炭化水素溶液中に添加してもよく、スチームストリッピングを行う際の熱水中に添加してもよい。
【0035】
また、スチームストリッピングの際には、本発明の趣旨を損なわない範囲で従来分散剤として使用されているノニオン系、アニオン系、カチオン系界面活性剤、金属セッケン、高級脂肪酸アミドを併用することも可能である。これらを併用する場合、その使用量は水添前共重合体または水添共重合体100質量部に対して、3質量部以下とする。
【0036】
スチームストリッピングにより得られた共重合体または水添共重合体のクラムは水を含んでいるので、ロール式脱水機、圧搾式脱水機、遠心脱水機、スクリュー押出機式絞り脱水機などにより、含水率60質量%以下に脱水することが好ましい。また、さらにスクリュー押出機、ニーダー型乾燥機、エキスパンダー乾燥機、熱風乾燥機などによって、含水率1質量%未満に乾燥すれば、クラム状、ペレット状、粉末状などの形態で共重合体または水添共重合体を得ることができる。
【0037】
本発明の第二は、1種以上の芳香族ビニルモノマーからなる重合体ブロック(A)5〜90質量%ならびに、1種以上の共役ジエンモノマーまたは1種以上の芳香族ビニルモノマーおよび1種以上の共役ジエンモノマーとからなる重合体ブロック(B)10〜95質量%とからなる共重合体を、または該共重合体の共役ジエン単位に基いて不飽和二重結合の60モル%以上を水添して得た水添共重合体を含む炭化水素溶液を、融点または軟化温度が70℃以上で平均粒子径が100μm以下のポリオレフィン微粒子の存在下にスチームストリッピングして得た共重合体または水添共重合体である。これらの共重合体や水添共重合体は、上記第一の発明の製造方法によって製造することができる。
【0038】
本発明の第三は、上記水添共重合体100質量部、ポリオレフィン系樹脂0〜10000質量部、可塑剤0〜1000質量部および充填剤0〜5000質量部を含む熱可塑性重合体組成物である。本発明の製造方法により得られた共重合体や水添共重合体は、そのまま単独で成形材料として使用できる他、他の添加剤を配合して熱可塑性重合体組成物として使用することができ、成形材料として使用することができる。
【0039】
本発明の熱可塑性重合体組成物に使用するポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、非晶性ポリオレフィン、ポリプテン、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレ−ト共重合体系アイオノマー、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体系アイオノマーなどが挙げられる。本発明では、これらの1種を単独で使用するほか、2種以上を併用して使用することもできる。ポリオレフィン系樹脂は、共重合体または水添共重合体100質量部に対して、0〜10000質量部、より好ましくは5〜3000質量部、特に好ましくは10〜2000質量部である。10000質量部を超えると共重合体または水添共重合体の特性が失われる場合がある。
【0040】
可塑剤としては、一般にゴム、エラストマー、プラスチックスに使用されているものであれば特に制限はないが、例えば、パラフィン系プロセス、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、DOP、流動パラフィン、液状水添ポリイソプレン、液状水添ポリブタジエン、ポリプテンなどが挙げられる。可塑剤の使用量は、共重合体または水添共重合体100質量部に対して0〜1000質量部、より好ましくは0〜500質量部、特に好ましくは0〜300質量部である。1000質量部を超えると組成物から得られる成形品がべとつく場合がある。
【0041】
充填剤としては、一般にゴム、エラストマー、プラスチックスに使用されているものであれば特に制限はないが、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、シリカ、カーボンプラック、タルク、クレー、マイカ、ガラスビーズ、ガラス織維などの無機充填剤が挙げられる。充填剤の使用量は、共重合体または水添共重合体100質量部に対して0〜5000質量部、より好ましくは0〜3000質量部、特に好ましくは0〜2000質量部である。5000質量部を超えると組成物の溶融粘度が高くなり、溶融混合性、成形性が損なわれる場合がある。
【0042】
本発明の熱可塑性重合体組成物には、更に添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、フェノール系、リン系、イオウ系などの酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、防曇剤、抗菌剤などが挙げられる。添加剤を配合する場合、その使用量は、共重合体とポリオレフィン系樹脂との合計、または水添共重合体とポリオレフィン系樹脂の合計100質量部に対して10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、特に好ましくは1質量部以下である。10質量部を超えて添加してもかかる添加剤の効果が飽和し、また添加剤が成形品表面にブリードする場合がある。
【0043】
また、本発明の熱可塑性重合体組成物には、その透明性を向上させる目的で、安息香酸ナトリウム、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム、リン酸2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、ジベンジリデンソルビトール、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトールなどの結晶核剤や水添クマロン・インデン樹脂、水添ロジン系樹脂、水添テルペン系樹脂、脂環族系石油樹脂、オレフィンおよびジオレフィン重合体からなる脂肪族系石油樹脂などの粘着付与樹脂なども添加することができる。結晶核剤を添加する場合、その使用量は共重合体とポリオレフィン系樹脂との合計、または水添共重合体とポリオレフィン系樹脂の合計100質量部に対して5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、特に好ましくは1質量部以下である。5質量部を超えて添加しても効果は変化しない。また、粘着付与樹脂を添加する場合その使用量は200質量部以下である。
【0044】
本発明の第四は、上記熱可塑性重合体組成物を用いた、食品用包装材、医療用包装材、または医療器具である。
【0045】
本発明の共重合体または水添共重合体またはこれらを含む熱可塑性重合体組成物は、ニーダー、バンバリーミキサー、単軸混練機、二軸混練機、ロールなどの一般に熱可塑性材料の混合に使用される混練機により他の成分と混合し、押出成形機、射出成形機、ブロー成形機、プレス成形機、カレンダー成形機などの一般の熱可塑性材料の成形に使用される成形機によりフィルム状、シート状、チューブ状、その他任意の形態に成形することができ、各種分野で使用される。
【0046】
本発明では、従来の製造方法と相違してスチームストリッピングの際に非イオン系界面活性剤、高級脂肪酸アミド、金属セッケンを使用しておらず、また使用したポリオレフィン微粒子によっては着色などの弊害もないため、特に安全性が求められる食品用途、医療分野で好適に使用される。すなわち、食品包装用フィルム、食品包装用シート、食品包装用容器などの食品用包装材、飲料輸送チューブなどの食品用製造装置の部材、医薬用包装用フィルム、医薬用包装用容器、輸液バック、血液バック、輸血セット、カテーテル、連結管などの医療器具などの用途に好適に用いることができる。
【0047】
また、本発明の共重合体、水添共重合体またはこれらの共重合体を含んでなる熱可塑性重合体組成物を成形して使用する場合、例えばフィルム、シートおよびチューブなどの用途では、更にガスバリヤ性、ガス透過性、耐傷付き性、印刷性、異種材料との接着性などの機能を付与する目的で、他の熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性エラストマーなどと積層して使用することも可能である。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。また、以下の参考例、実施例、比較例中の各測定は以下の方法により行った。
【0049】
(測定方法)
(1)数平均分子量は標準ポリスチレンにより作製した検量線を用い、GPC測定により求めた。
【0050】
(2)共役ジエン部分のミクロ構造は、NMRスペクトルより算出した。
【0051】
(3)水添率は水添前後のヨウ素価より算出した。
【0052】
(4)着色の有無は、目視にて判定した。
【0053】
(5)溶出物試験は、スチームストリッピングにより得た含水クラムを加熱乾燥した後に、日本薬局方(第12改正)の輸液用プラスチック容器試験法に定められた方法に準じて行った。
【0054】
(参考例1:水添共重合体の合成)
乾燥した窒素で十分に置換した耐圧容器中で溶媒にシクロヘキサン、重合開始剤にs−ブチルリチウムを用い、重合温度50℃でスチレン、イソプレン、スチレンの順に添加し、重合を行った。重合が完了した後、メタノールを添加し重合を停止した。イソプレンの重合段階ではミクロ構造を制御する目的でテトラヒドロフランを重合開始剤に対して20倍モル添加して行なった。得られた共重合体溶液に水添触媒としてAl/Co=4/1モル比のトリイソブチルアルミニウムとコバルトアセチルアセトナートの錯体を使用し、反応温度90℃、水素圧力1MPaで6時間水添反応を行った。水添終了後、有機酸を添加し、水洗して該触媒を除去し、ストリッピング前水添共重合体の溶液を得た。共重合体の分子特性を表1に示す。
【0055】
【表1】
Figure 0005006491
【0056】
(実施例1〜2)
参考例1で得たストリッピング前水添共重合体の20質量%シクロヘキサン溶液をスチームストリッピングする際に、表2に示した各種ポリオレフィン微粒子を分散剤として使用した。その使用量は、水添共重合体100質量部に対して各ポリオレフィン微粒子0.5質量部とし、スチームストリッピング槽に添加した。スチームストリッピングによりシクロヘキサンを除去し、これにより得られた含水クラムを加熱乾燥して水添共重合体(1)、水添共重合体(2)を得た。なお、スチームストリッピング槽よりクラムを抜き取る際に、クラムの形状、槽内壁および撹拌翼へのクラムの付着状態を調べた。クラム形状については、クラムが凝集せずに水中に分散していた場合を○、クラムの凝集が起こり、塊状になっていた場合を×とした。また、クラムの付着状態については、槽内壁および攪拌翼への付着がなかった場合を○、付着していた場合を×とした。
【0057】
また、得られた水添共重合体(1)または水添共重合体(2)100質量部、ポリプロピレン系樹脂(グランドポリマー社製、商品名「F327」)100質量部、水添共重合体とポリプロピレン系樹脂の合計量100質量部に対して酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガノックス1010」)0.05質量部からなる組成物を5分間ブラベンダープラスチコーダーで230℃で溶融混練し、その後、厚さ1mmのシートに成形して着色の有無(着色がおこらなかった場合を○、着色がおきた場合を×とした)を観察した。
【0058】
また、水添共重合体(1)または水添共重合体(2)より厚さ1mmのシートを作製し、121℃、30分間の条件で水溶出試験を行ない、得られた溶出水についてUV吸収スペクトル、泡立ち、pHシフト、蒸発残留物の評価を行なった。各評価項目については、日本薬局方の輸液用プラスチック容器試験の基準を満たす場合を○、基準を満たさない場合を×とした。これらの結果を表3に示す。
【0059】
(比較例1〜3)
分散剤として表2に示した各種分散剤を使用した以外は、実施例1〜2と同様にスチームストリッピングを行い、比較用水添共重合体(1)、(2)、(3)を得た。この際、実施例1〜2と同様にして、スチームストリッピング槽よりクラムを抜き取る際に、クラムの形状、槽内壁および撹拌翼へのクラムの付着状態を調べた。
【0060】
次いで、比較用水添共重合体(1)、(2)、(3)を用いて、実施例1〜2と同様にしてシートを成形し、着色の有無を観察した。また比較用水添共重合体(1)、(2)、(3)を用いて実施例1〜2と同様にして水溶出試験を行ない、得られた溶出水についてUV吸収スペクトル、泡立ち、pHシフト、蒸発残留物の評価を行なった。これらの結果を表3に示す。
【0061】
【表2】
Figure 0005006491
【0062】
【表3】
Figure 0005006491
【0063】
(結果)
表3の結果より、本発明の製造方法では水添共重合体の製造時に、槽内付着がなく、かつクラム形状に優れると共に、該水添共重合体(1)、(2)を使用したフィルムは、pHシフト、蒸発残留物、UV吸収、泡立ちのいずれも日本薬局方の輸液用プラスチック容器試験の基準を満たしていた。また、該水添共重合体(1)、(2)を含む熱可塑性重合体組成物を成形して得たフィルムは、着色も少なかった。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、溶出物が少ないために安全性に優れる共重合体または水添共重合体を製造することができる。該水添共重合体は、1種以上の芳香族ビニルモノマーからなる重合体ブロック(A)5〜90質量%ならびに、1種以上の共役ジエンモノマーまたは1種以上の芳香族ビニルモノマーおよび1種以上の共役ジエンモノマーとからなる重合体ブロック(B)10〜95質量%とからなる共重合体の共役ジエン単位に基づく不飽和二重結合の60モル%以上を水添して得たものであり、特に、これを特定のポリオレフィン微粒子の存在下でスチームストリッピングして製造することで、分散性にも優れる水添共重合体が得られる。本発明の水添共重合体を含む熱可塑性重合体組成物は、安全性に優れ、成形品の着色がなく、食品用途、医療用途など安全性が求められる分野に好適である。

Claims (6)

  1. 炭化水素溶媒中で、共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとを共重合して、1種以上の芳香族ビニルモノマーからなる重合体ブロック(A)5〜90質量%、ならびに1種以上の共役ジエンモノマー単独重合体または1種以上の芳香族ビニルモノマーと1種以上の共役ジエンモノマーとからなる重合体ブロック(B)10〜95質量%とからなる共重合体を得、得られた水添前共重合体を含む炭化水素溶液を、融点または軟化温度が70℃以上で平均粒子径が100μm以下のポリオレフィン微粒子の存在下にスチームストリッピングして該溶媒を除去することを特徴とする、共重合体の製造方法であって、
    融点または軟化温度が70℃以上で平均粒子径が100μm以下のポリオレフィン微粒子の含有量が水添前共重合体100量部に対して0.01〜0.5量部の範囲である共重合体の製造方法。
  2. 炭化水素溶媒中で、共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとを共重合して、1種以上の芳香族ビニルモノマーからなる重合体ブロック(A)5〜90質量%、ならびに1種以上の共役ジエンモノマーまたは1種以上の芳香族ビニルモノマーおよび1種以上の共役ジエンモノマーとからなる重合体ブロック(B)10〜95質量%とからなる共重合体を得、この共重合体の該共役ジエン単位に基づく不飽和二重結合の60モル%以上を水添し、次いで得られた水添共重合体を含む炭化水素溶液を、融点または軟化温度が70℃以上で平均粒子径が100μm以下のポリオレフィン微粒子の存在下にスチームストリッピングして該溶媒を除去することを特徴とする、水添共重合体の製造方法であって、
    融点または軟化温度が70℃以上で平均粒子径が100μm以下のポリオレフィン微粒子の含有量が水添共重合体100量部に対して0.01〜0.5量部の範囲である水添共重合体の製造方法。
  3. 1種以上の芳香族ビニルモノマーからなる重合体ブロック(A)5〜90質量%ならびに、1種以上の共役ジエンモノマーまたは1種以上の芳香族ビニルモノマーおよび1種以上の共役ジエンモノマーとからなる重合体ブロック(B)10〜95質量%とからなる水添前共重合体を含む炭化水素溶液を、融点または軟化温度が70℃以上で平均粒子径が100μm以下のポリオレフィン微粒子の存在下にスチームストリッピングして得た共重合体とポリオレフィン微粒子を含む組成物であって、
    融点または軟化温度が70℃以上で平均粒子径が100μm以下のポリオレフィン微粒子の含有量が水添前共重合体100量部に対して0.01〜0.5量部の範囲である共重合体とポリオレフィン微粒子を含む組成物
  4. 1種以上の芳香族ビニルモノマーからなる重合体ブロック(A)5〜90質量%ならびに、1種以上の共役ジエンモノマーまたは1種以上の芳香族ビニルモノマーおよび1種以上の共役ジエンモノマーとからなる重合体ブロック(B)10〜95質量%とからなる共重合体の共役ジエン単位に基づく不飽和二重結合の60モル%以上を水添して得た水添共重合体を含む炭化水素溶液を、融点または軟化温度が70℃以上で平均粒子径が100μm以下のポリオレフィン微粒子の存在下にスチームストリッピングして得た水添共重合体とポリオレフィン微粒子を含む組成物であって、
    融点または軟化温度が70℃以上で平均粒子径が100μm以下のポリオレフィン微粒子の含有量が水添共重合体100量部に対して0.01〜0.5量部の範囲である水添共重合体とポリオレフィン微粒子を含む組成物
  5. 請求項4記載の水添共重合体とポリオレフィン微粒子を含む組成物100質量部、ポリオレフィン系樹脂0〜10000質量部、可塑剤0〜1000質量部および充填剤0〜5000質量部を含む熱可塑性重合体組成物。
  6. 請求項5記載の熱可塑性重合体組成物を用いた、食品用包装材、医療用包装材、または医療器具。
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