JP4697957B2 - ホットメルト系シーリング材 - Google Patents
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Description
本発明は、被着体への接着性、塗工性、耐熱性ならびに難燃性などに優れるホットメルト系シーリング材に関するものである。
ホットメルト系のシーリング剤としては、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、スチレン系ブロックポリマー、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合樹脂、ブチルゴムなどのベースポリマーに粘着付与樹脂、ワックス、充填剤などを配合したものが採用されていた。当然、可燃性であることから難燃性に乏しく、耐熱性の点でも必ずしも満足できるものではなかった。
難燃化剤として一般に用いられている無機系の難燃化剤は少量配合では難燃効果が乏しく、十分な効果を得るために添加量を増やすと物性に大きな影響が生じる。また、それ自体の硬度が高くホットメルトアプリケーターのギアポンプを磨耗させるという問題がある。
一方、ハロゲン系の難燃剤は環境保全の面から近年の規制により使用が禁じられている。リン酸エステル系の難燃剤は可塑効果が強いためホットメルトの物性低下が生じてしまう、メラミン系の難燃剤も単独では十分な効果が得られないなどの問題がある。
一方、ハロゲン系の難燃剤は環境保全の面から近年の規制により使用が禁じられている。リン酸エステル系の難燃剤は可塑効果が強いためホットメルトの物性低下が生じてしまう、メラミン系の難燃剤も単独では十分な効果が得られないなどの問題がある。
一方、耐熱性を確保するために、ベースポリマーに高分子量のブチルゴムやスチレン系ブロツクポリマーなどを採用すると溶融粘度が高くなってしまい塗工性、吐出性が著しく低下して実用的なものにならないという問題がある。
ホットメルト系シーリング材をシール加工するには、通常、加熱装置のあるアプリケーターにより熱溶融させながら塗布あるいは吐出する必要がある。ところが、200℃を超えて加熱されるとホットメルト組成物の熱劣化が始まるため、200℃以下での加熱が求められる。従って、200℃以下の温度での溶融粘度が塗布や吐出に適切であり、かつ耐熱性のある配合が求められるものの、両条件を満たす配合材、処方が開発されていなかった。
特開2002-322455公報
本発明が解決しようとする課題は、被着体への接着性、塗工性、耐熱性ならびに難燃性などに優れるホットメルト系シーリング材に関するものである。
合成ゴム、粘着付与樹脂、液状樹脂、難燃剤並びに老化防止剤を少なくとも含有するものであって、200℃での溶融粘度が150Pa・s以下であるとともに、該難燃剤としてリン酸エステルと、メラミンもしくはメラミン誘導体の使用により、UL94規格のV−0もしくはV−1に合格することができた。
本発明になるホットメルト系シーリング材は、被着体への接着性、塗工性、耐熱性などに優れ、200℃での溶融粘度が150Pa・s以下であって使用しやすく、難燃剤としてリン酸エステルと、メラミンもしくはメラミン誘導体の添加により、UL94規格のV−0もしくはV−1に合格する難燃性を実現できた。このため、電子機器、車両、建築などの用途に安心して利用できる。
本発明は、被着体への接着性、塗工性、耐熱性ならびに難燃性などに優れ、適度の溶融粘度に仕上げられたホットメルト系シーリング材を提供せんとするものである。
本発明において採用される合成ゴムには、SBR、NBR、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ブチルゴム、スチレン系ブロックポリマーなどが挙げられる。
なかでも、本発明のホツトメルト系シーリング材では、ブチルゴム、もしくはブチルゴムとスチレン系ブロックポリマーの混合体が溶融時の流動性と耐熱性のバランス点で優れ、好ましいことが判明している。
なかでも、本発明のホツトメルト系シーリング材では、ブチルゴム、もしくはブチルゴムとスチレン系ブロックポリマーの混合体が溶融時の流動性と耐熱性のバランス点で優れ、好ましいことが判明している。
ブチルコムは、シール性、耐熱性、衝撃吸収性、耐候性などを付与するのに効果的であって、ムーニー粘度が20〜90であって、不飽和度0.5〜5.0程度のものが使用に適している。不飽和部分を持つことで、加熱混練時の分子量低下による粘度の調整が可能となる。
市販品として、日本ブチル株式会社の♯065などがある。
市販品として、日本ブチル株式会社の♯065などがある。
スチレン系ブロックコポリマーには、具体例として、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロック共重合体、スチレン−エチレン−1ブテン−スチレン(SEBS)ブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)ブロック共重合体、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリイソプレン−ポリ(α−メチルスチレン)、並びにこれらの水素添加変性物、例えばポリ(α−メチルスチレン)−ポリ(エチレン−1ブテン)−ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリ(α−メチルスチレン)がある。市販品としてはシェル化学社製のクレイトンG1650、クラレ社製のセプトン2043等がある。
なお、溶融時の流動性を確保するには、数平均分子量Mnとして10万以下のものが好ましい。
なお、溶融時の流動性を確保するには、数平均分子量Mnとして10万以下のものが好ましい。
ブチルゴムとスチレン系ブロックポリマーとを混合して使用する場合のブチルゴムとスチレン系ブロックポリマーの配合割合は、前者100重量部に対して、後者5〜50重量部が好ましい。5重量部未満では十分な溶融粘度低下効果が見られないため適さず、50重量部を超えると柔軟性や接着性が低下するため、好ましくない。
また、ホットメルト系シーリング材全体に対する合成ゴムの配合割合は12〜60重量%であることが、所定の溶融粘度、耐熱性、接着力などを確保する上で好ましい。
また、ホットメルト系シーリング材全体に対する合成ゴムの配合割合は12〜60重量%であることが、所定の溶融粘度、耐熱性、接着力などを確保する上で好ましい。
粘着付与樹脂は、被着体に対する密着性、接着性の確保、溶融粘度の低下ならびにオープンタイム延長などの目的に配合される。
具体例としては、ロジンならびに水添ロジン、重合ロジン、ロジンエステルなどロジン誘導体、α−ピネン、β−ピネン、リモネンなどテルペン系樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油樹脂および水添石油樹脂などが挙げられる。
粘着付与樹脂のホットメルト系シーリング材全体に対する配合率は10〜50重量%が好ましい。10重量%未満では被着体に対する密着性、接着性が得られない。一方、50重量%を超えると耐熱性が低下するため適さない。
具体例としては、ロジンならびに水添ロジン、重合ロジン、ロジンエステルなどロジン誘導体、α−ピネン、β−ピネン、リモネンなどテルペン系樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油樹脂および水添石油樹脂などが挙げられる。
粘着付与樹脂のホットメルト系シーリング材全体に対する配合率は10〜50重量%が好ましい。10重量%未満では被着体に対する密着性、接着性が得られない。一方、50重量%を超えると耐熱性が低下するため適さない。
液状樹脂は、ホットメルト系シーリング材に流動性、塗布性、吐出性、粘着性、などを付与するために配合されるもので、具体例として、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、イソブチレン・イソプレン系共重合体、などが挙げられる。
これらの数平均分子量は、500〜5000のものが耐熱性、流動性、塗工性などの点から選ばれることが好ましい。
液状樹脂のホットメルト系シーリング材全体に対する配合率は5〜30重量%が好ましい。5重量%未満では被着体に対する密着性、接着性が得られず、溶融時の流動性も低下する。一方、30重量%を超えると耐熱性が低下するため適さない。
これらの数平均分子量は、500〜5000のものが耐熱性、流動性、塗工性などの点から選ばれることが好ましい。
液状樹脂のホットメルト系シーリング材全体に対する配合率は5〜30重量%が好ましい。5重量%未満では被着体に対する密着性、接着性が得られず、溶融時の流動性も低下する。一方、30重量%を超えると耐熱性が低下するため適さない。
難燃剤にはリン系難燃剤、メラミンもしくはメラミン誘導体、金属水酸化物などが挙げられるが、本発明にあってはリン酸エステルと、メラミンもしくはメラミン誘導体の併用が効果的であることが確認されている。
リン酸エステルとして、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェ−ト、トリシクロヘキシルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート、メチルジブチルホスフェート、エチルジプロピルホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェートなどが挙げられる。
これらのなかでも、リン含有量が7〜30重量%のトリフェニルホステート、トリクレジルホスフェート、各種芳香族縮合リン酸エステルなどのリン酸エステルの難燃効果が顕著であることが判明している。
これらのなかでも、リン含有量が7〜30重量%のトリフェニルホステート、トリクレジルホスフェート、各種芳香族縮合リン酸エステルなどのリン酸エステルの難燃効果が顕著であることが判明している。
メラミン誘導体として、メラミンシアヌレート、メラミンイソシアヌレート、リン酸メラミン、硫酸メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ホモグアナミンなどが挙げられる。
なかでも、メラミンなど窒素含有量が20〜70重量%のものは難燃効果が顕著であることが判明している
なかでも、メラミンなど窒素含有量が20〜70重量%のものは難燃効果が顕著であることが判明している
また、リン酸エステル単独では、本発明の目的であるUL94規格のV−0もしくはV−1に合格するホットメルト系シーリング材を実現できず、リン含有量が7〜30重量%のリン酸エステルを5重量%以上、窒素含有量が20〜70重量%のメラミンもしくはメラミン誘導体を5重量%以上含有したものにより、UL94規格のV−0あるいはV−1に合格できることが確認されている。なお、リン酸エステルは40重量%以上過剰に添加すると、ホットメルトに対する可塑効果が強くなり、耐熱性等の物性に悪影響を与えるほか、コストも上昇するため好ましくない。また、メラミン及びメラミン誘導体についても、添加量が30重量%を超えると、粉状成分の増加により溶融粘度の上昇や硬度が高くなりすぎるため、好ましくない。
老化防止剤は、ホットメルト系シーリング材の調製時ならびに塗布あるいはシールなどの作業時の熱劣化を防止するために配合される。その具体例として、亜リン酸塩、ナフチルアミン系、P−フェニレンジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン系、ビス・トリス・ポリフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダートフェノール系などが挙げられる。これら老化防止剤は、単独もしくは併用することができる。これらのなかでも亜リン酸塩、フェノール系が本発明のホットメルト系シーリング材の老化防止には好適である。
老化防止剤の合成ゴムに対する配合率は0.1〜5重量%が好ましい。0.1重量%未満ではホットメルト系シーリング材の熱劣化性が激しくなり好ましくない。
老化防止剤の合成ゴムに対する配合率は0.1〜5重量%が好ましい。0.1重量%未満ではホットメルト系シーリング材の熱劣化性が激しくなり好ましくない。
ワックスには、軟化点が150℃以上のものが適宜使用され、具体例として、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フッシャトロプシュワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなど合成ワックス、カルナバ天然ワックス、蜜蝋、鯨蝋など天然ワックスが挙げられる。
その他、充填剤なども必要に応じて適宜配合することが出来る。充填剤としてはタルク、クレー、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタンなど塗料、接着剤に使用する一般的な充填剤が用いられる。
本発明になるホットメルト系シーリング材は各配合材料をバンバリーミキサー、加熱ニーダー、2軸エクストルーダーなどで加熱混練りすることにより調製され、型に鋳込んで各種の形状に成形したり、押し出し成形により紐状などに成形することができる。
本発明のホットメルト系シーリング材を適用する具体例として、例えば、部材同士の接続部の隙間や溝、部材同士の積層面の隙間などに充填シールする事例などが挙げられる。
このような充填シールの際に溶融粘度が高すぎると、塗工性や吐出性が低下して作業性が悪くなる。また、溶融粘度を低くするため200℃以上に加熱すると熱劣化が激しくなり好ましくない。このため、200℃における溶融粘度が150Pa・s以下とすることが好ましい。
このような充填シールの際に溶融粘度が高すぎると、塗工性や吐出性が低下して作業性が悪くなる。また、溶融粘度を低くするため200℃以上に加熱すると熱劣化が激しくなり好ましくない。このため、200℃における溶融粘度が150Pa・s以下とすることが好ましい。
ホットメルト系シーリング材の塗布装置にはハンドガンタイプ、ブロック溶融タイプ、バルクタイプおよびフォームタイプなどが使用でき、市販品としてはノードソン製のバルクメルターBM−505や同社製のフォームメルトアプリケーターFM−151などがある。
また、工場で加工部材を大量に生産する場合、ホットメルト塗布装置のヘッド部分を産業用ロボットなどに取付れば、複雑な形状のものに対してもスピーディーに塗布可能で、大幅な生産効率の向上が期待できる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
本発明の実施例、比較例のホットメルト系シーリング材を次のように調製した。
不飽和度0.8%、ムーニー粘度32(ML1+8、125℃)のブチルゴム ♯065(日本ブチル株式会社製)、SEBSブロック共重合体としてセプトン 2063((株)クラレ製)、粘着付与樹脂として水添石油樹脂 エスコレッツECR227E(トーネックス社製)、液状樹脂としてポリブテンHV300(日本石油株式会社製、平均分子量1400)、ワックスとしてポリオレフィンワックス ビスコール550P、軟化点152℃)、老化防止剤としてフェノール系酸化防止剤 スミライザーGA80(住友化学株式会社製 CAS−NO90498−1)、リン酸エステル系難燃剤としてリン含有量9重量%のPX−200(大八化学株式会社製、芳香族縮合リン酸エステル)、窒素含有量67重量%のメラミン(日産化学工業株式会社製)、メラミン誘導体としてリン含有量14重量%、窒素含有量38重量%のポリリン酸メラミンであるPHOSMEL−200(日産化学工業株式会社製)などを配合し、シグマレイド型ニーダーで加熱混合して表1に示す実施例、比較例のホットメルト系シーリング材を調製した。実施例、比較例のホットメルト系シーリング材の性能は表1の通りであった。
不飽和度0.8%、ムーニー粘度32(ML1+8、125℃)のブチルゴム ♯065(日本ブチル株式会社製)、SEBSブロック共重合体としてセプトン 2063((株)クラレ製)、粘着付与樹脂として水添石油樹脂 エスコレッツECR227E(トーネックス社製)、液状樹脂としてポリブテンHV300(日本石油株式会社製、平均分子量1400)、ワックスとしてポリオレフィンワックス ビスコール550P、軟化点152℃)、老化防止剤としてフェノール系酸化防止剤 スミライザーGA80(住友化学株式会社製 CAS−NO90498−1)、リン酸エステル系難燃剤としてリン含有量9重量%のPX−200(大八化学株式会社製、芳香族縮合リン酸エステル)、窒素含有量67重量%のメラミン(日産化学工業株式会社製)、メラミン誘導体としてリン含有量14重量%、窒素含有量38重量%のポリリン酸メラミンであるPHOSMEL−200(日産化学工業株式会社製)などを配合し、シグマレイド型ニーダーで加熱混合して表1に示す実施例、比較例のホットメルト系シーリング材を調製した。実施例、比較例のホットメルト系シーリング材の性能は表1の通りであった。
注 Cf:凝集破壊 、 Af:界面破壊
測定方法
1.溶融粘度 溶融粘度 JISK6862(1984年度版)により、BROOKFIELD社製DV−I型回転粘度計およびサーモセルシステムを使用して200℃における溶融粘度(Pa・s)を測定する。なお、使用ローターはNo.29で、回転数は5rpmとした。測定手順はホットメルト専用のプラグ内にメーカーが推奨する標準量のホットメルトを挿入後、予め200℃に温調されたサーモセル内にプラグを挿入、20分経過後、更にローターを挿入、20分経過後、ローターを回し始めて20分後の値とした。
試験・評価方法
2.塗工性
ノードソン社製のタンク型アプリケーターMX−4412を用い、グリッド、リザーバータンク、ホース、ガンの設定温度が全て200℃以下の状態で、安定に塗工ができる場合を○、出来ない場合を×と評価した。
3.UL94
垂直燃焼試験による試験を行う。
概要を以下に記す。
試験片は、長さ125±5mm、幅13.0±0.5mm、最大厚さは13mmを超えてはならない。最小厚さ及び最大厚さの試験片で試験を行った結果、試験結果が一致しなければ、中間の厚さの試験片の試験も行わなくてはならない。中間厚さは、最小厚さより3.2mm以上厚いものであってはならないと規定されている。端面は滑らかで、コーナの半径は最大1.3mmとする。試験片は5個1組とし、図1に示すように試験片の上から6mmのところを、長軸が垂直になり試験片の下端が脱脂綿の上300±10mmになるようにクランプで留める。脱脂綿は最大厚さ6mmで50mm四方に拡げたもので質量0.08g以下とする。バーナの筒の上端が試験片の下端から10±1mmになるようにし、試験片の下端中央に炎を当て、その距離を10±0.5秒間保つ。試験片の長さ又は位置に変化がある場合には、必要に応じてバーナを動かす。接炎中に溶融落下物又は有炎落下物がある場合には、バーナの上部と試験片との距離を10mmに保っている間に落下物がバ一ナの筒に入るのを防ぐため、バーナを45°まで傾ける。ただし、糸状の溶融落下物については無視する。試験片に10±0.5秒間接炎後、試験片から150mm以上離れた場所に約300mm/秒の速度でバーナを遠ざけ、同時に残炎時間t1を測定する。試験片の残炎が消えたら、バーナを150mm離していなくても直ちにバーナを試験片の下に戻し、試験片の残りの部分から10±1mmのところにバーナの筒の上端がくるようにし、10±0.5秒間接炎する。接炎後、試験片から少なくとも150mm離れた所に約0.5秒でバーナを遠ざけ、同時に接炎後の残炎〔Afterflame)時間t2、及び残じん(Afterglow)時間t3を測定する。有炎燃焼(Flaming)と赤熱燃焼(Glowing)の違いを確認する場合に、50mm四方の脱脂綿を、その問題となっている場所にピンセットで当て、脱脂綿に着火するようであれば有炎燃焼とみなす。V−0、V−1、V−2合格の判定基準は、表2による。
評価基準は表2の通り。
t1、t2 : 各試験片(試験片数 N5)の残炎時間 (秒)
(t1+t2): コンデイショニング条件毎の1組の試験片の合計残炎時間の合計
(t2+t3): 第2回目の接炎後の各試験片の残炎時間と残じん時間の合計
クランプへの到達: 炎が消えずにクランプまで到達するかの有無
落下物による綿への着火: 落下物が下面に敷いた綿に接触した際の着火の有無
4.引張試験
幅10mm、長さ50mm、厚み4mmに成形したホットメルトを所定温度において30分間養生したのち、長さ方向に500mm/分で引張り、抗張力(MPa)、破断伸び(%)、弾性率(MPa)を求める。
5.耐熱性 垂直に支持したアルミ板に各辺が10mmとなる正六面体に成形したホットメルト系シーリング材を100℃に加熱した状態で密着させ、100℃にて24時間静置したのち、ずり落ち距離をクリープとして評価する。
6.接着力 厚み1mm、溝幅5mm×溝高さ5mm×長さ50mmの略U型のアルミ製フレームに200℃で溶融したホットメルト系シーリング材を充填し、冷却・固化後に100℃で10分間再加熱し、30秒以内に厚み3mm×幅25mm×高さ50mmのガラス片を厚み方向に溝内に3mmまで挿入し、冷却して試験片とする。23℃雰囲気下で3日間養生したのち引張速度50mm/分にて強制破壊して破壊状態を観察、測定する。
1.溶融粘度 溶融粘度 JISK6862(1984年度版)により、BROOKFIELD社製DV−I型回転粘度計およびサーモセルシステムを使用して200℃における溶融粘度(Pa・s)を測定する。なお、使用ローターはNo.29で、回転数は5rpmとした。測定手順はホットメルト専用のプラグ内にメーカーが推奨する標準量のホットメルトを挿入後、予め200℃に温調されたサーモセル内にプラグを挿入、20分経過後、更にローターを挿入、20分経過後、ローターを回し始めて20分後の値とした。
試験・評価方法
2.塗工性
ノードソン社製のタンク型アプリケーターMX−4412を用い、グリッド、リザーバータンク、ホース、ガンの設定温度が全て200℃以下の状態で、安定に塗工ができる場合を○、出来ない場合を×と評価した。
3.UL94
垂直燃焼試験による試験を行う。
概要を以下に記す。
試験片は、長さ125±5mm、幅13.0±0.5mm、最大厚さは13mmを超えてはならない。最小厚さ及び最大厚さの試験片で試験を行った結果、試験結果が一致しなければ、中間の厚さの試験片の試験も行わなくてはならない。中間厚さは、最小厚さより3.2mm以上厚いものであってはならないと規定されている。端面は滑らかで、コーナの半径は最大1.3mmとする。試験片は5個1組とし、図1に示すように試験片の上から6mmのところを、長軸が垂直になり試験片の下端が脱脂綿の上300±10mmになるようにクランプで留める。脱脂綿は最大厚さ6mmで50mm四方に拡げたもので質量0.08g以下とする。バーナの筒の上端が試験片の下端から10±1mmになるようにし、試験片の下端中央に炎を当て、その距離を10±0.5秒間保つ。試験片の長さ又は位置に変化がある場合には、必要に応じてバーナを動かす。接炎中に溶融落下物又は有炎落下物がある場合には、バーナの上部と試験片との距離を10mmに保っている間に落下物がバ一ナの筒に入るのを防ぐため、バーナを45°まで傾ける。ただし、糸状の溶融落下物については無視する。試験片に10±0.5秒間接炎後、試験片から150mm以上離れた場所に約300mm/秒の速度でバーナを遠ざけ、同時に残炎時間t1を測定する。試験片の残炎が消えたら、バーナを150mm離していなくても直ちにバーナを試験片の下に戻し、試験片の残りの部分から10±1mmのところにバーナの筒の上端がくるようにし、10±0.5秒間接炎する。接炎後、試験片から少なくとも150mm離れた所に約0.5秒でバーナを遠ざけ、同時に接炎後の残炎〔Afterflame)時間t2、及び残じん(Afterglow)時間t3を測定する。有炎燃焼(Flaming)と赤熱燃焼(Glowing)の違いを確認する場合に、50mm四方の脱脂綿を、その問題となっている場所にピンセットで当て、脱脂綿に着火するようであれば有炎燃焼とみなす。V−0、V−1、V−2合格の判定基準は、表2による。
評価基準は表2の通り。
t1、t2 : 各試験片(試験片数 N5)の残炎時間 (秒)
(t1+t2): コンデイショニング条件毎の1組の試験片の合計残炎時間の合計
(t2+t3): 第2回目の接炎後の各試験片の残炎時間と残じん時間の合計
クランプへの到達: 炎が消えずにクランプまで到達するかの有無
落下物による綿への着火: 落下物が下面に敷いた綿に接触した際の着火の有無
幅10mm、長さ50mm、厚み4mmに成形したホットメルトを所定温度において30分間養生したのち、長さ方向に500mm/分で引張り、抗張力(MPa)、破断伸び(%)、弾性率(MPa)を求める。
5.耐熱性 垂直に支持したアルミ板に各辺が10mmとなる正六面体に成形したホットメルト系シーリング材を100℃に加熱した状態で密着させ、100℃にて24時間静置したのち、ずり落ち距離をクリープとして評価する。
6.接着力 厚み1mm、溝幅5mm×溝高さ5mm×長さ50mmの略U型のアルミ製フレームに200℃で溶融したホットメルト系シーリング材を充填し、冷却・固化後に100℃で10分間再加熱し、30秒以内に厚み3mm×幅25mm×高さ50mmのガラス片を厚み方向に溝内に3mmまで挿入し、冷却して試験片とする。23℃雰囲気下で3日間養生したのち引張速度50mm/分にて強制破壊して破壊状態を観察、測定する。
本発明になるホットメルト系シーリング材は、被着体への接着性、塗工性、耐熱性などに優れ、200℃での溶融粘度が150Pa・s以下であって使用しやすく、難燃剤としてリン酸エステルと、メラミンもしくはメラミン誘導体の添加により、UL94規格のV−0もしくはV−1に合格する難燃性を実現したものであり、電子機器、車両、建築などの用途に安心して利用できる。
Claims (3)
- 少なくとも合成ゴムを含み、200℃での溶融粘度が150Pa・s以下であって、難燃化剤としてリン酸エステルとメラミンもしくはメラミン誘導体を配合するホットメルト系シーリング材。
- リン酸エステルを5重量%以上、メラミンもしくはメラミン誘導体を5重量%以上含有していることを特徴とする請求項1のホットメルト系シーリング材。
- 合成ゴムがブチルゴム、スチレン系ブロツクポリマーからなることを特徴とする請求項1もしくは2記載のホットメルト系シーリング材。
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