JP2008501956A - ヘッドアップ表示を使用する途上ナビゲーション表示方法および装置 - Google Patents

ヘッドアップ表示を使用する途上ナビゲーション表示方法および装置 Download PDF

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Abstract

乗り物用の途上ナビゲーション・システムにおいて、ケーブルの画像がナビゲーション物体としてヘッドアップ表示内に示され、その乗り物が追随するべく経路を表示する。特定の実施態様においては、このケーブルが、風景内に存在し、たとえばトロリー・ケーブルのように観察者の頭より高いところを延びていく実在のケーブルのように観察者に見える。このケーブルは例示的に、乗り物が移動しているときの風景の視界フローと一貫した視界フローを伴ってボリューム表示され、それによって、それが実在するという印象を作り出す。その結果として、ケーブル上の点と風景内の位置を相関させる随伴画像を伴わずにケーブルの表示が可能になり、しかも乗り物が追随するべき経路を運転者に表示するための非常に有用なツールとしての機能を提供することができる。ケーブルは、連続ライン、密でない間隔のギャップを伴うライン、密でない間隔の、残りのラインと異なるルミナンスを有するセグメントを有するライン、密な間隔の物体のストリングを含む多数の形状のいずれとしてもよい。

Description

(関連出願に対するクロスリファレンス)
本件出願は、2004年6月3日に出願された米国特許仮出願第60/577,001号の恩典を主張し、当該出願は、それらが完全にここに示されているかのようにその全内容が参照によりこれに援用される。
本発明は、途上ナビゲーション・ガイダンス・システムに関する。今日の消費者にはいくつかのタイプの途上ナビゲーション・ガイダンス・システムが利用可能であり、商業製品にはまだ実装されていないがいくつかのシステムも提案されている。今日使用されている、人気の高い乗り物ナビゲーション・システムは、米国内において入手できるOnStar(R)システム等の音声コマンドを採用したシステムである。入手可能な別のタイプの乗り物ナビゲーション・システムは、周囲を囲む地形の伝統的な地図または鳥瞰図を表示するコンピュータに類似のスクリーンを有し、多くの場合、音声コマンドが組み合わされている。別のシステムは、ウインドシールド上で運転者の視野に向けて反射され、運転者の前方視野内において運転者がウインドシールドを通して見ている地形もしくは風景と重合される途上ガイダンス情報を運転者に提供するヘッドアップ表示を採用している。
これらのシステムのそれぞれには問題がある。
たとえばナビゲーション音声コマンドは、多くの人々が気が散る、不愉快、あるいは不明瞭であると感じている。この種の注意散漫あるいは不快感は、特定の経路を運転しているときの運転者の脳の主要な注意が聴覚的な受容ではなく視覚に集中されるという事実の結果としてもたらされ得る。
スクリーン−ベースのシステムは、本質的に注意散漫になる。これらは、運転者が頻繁に表示を注視し、したがって運転者の注意が前方の経路から逸らされる。これらは、周囲を取り囲む地形の表現、たとえば地図または鳥瞰図と実際に周囲を取り囲んでいる地形の間の相関を必要とすることから使用が容易でない。これは、特に、たとえば互いに近い幹線道路、絡み合った車線を伴う複雑な交差点、複雑な高速道路出口等々といった多くの類似する互いに近い代案が見つけられ、その中から運転者が選択しなければならないときに混乱およびいらだちを招くものとなり得る。スクリーン−ベースのシステムの別の問題は、自動車のダッシュボード内に配置されたナビゲーション地図を読むために多くの人が眼鏡を装着しなければならないことである。
ヘッドアップ表示ベースのシステムは、通常、方向矢印またはそのほかの途上ガイダンス情報を運転者に伝えるべく設計された2方向ナビゲーション物体のイメージを表示する。その種のシステムのいくつかは、実在の地形もしくはそのほかの物体の上に所望の経路の画像を重合する。矢印または特定の簡略化された地図等の2次元ナビゲーション物体を表示するシステムは、スクリーン−ベースのシステムと同じ欠点のいくつかを有する。それに加えて、本発明の動機の1つは、運転者の主要な視野内に現れる方法でその種の画像が表示されることは望ましくないというわれわれの認識である。ここで用いている『運転者の主要な視野』という表現は、乗り物の前方に見える道路を、その種の道路上または比較的それに近接して存在するすべての可視物体とともに包含する3次元空間の部分を意味する。われわれは、最小限、その種の画像は運転者を注意散漫にするかあるいは煩わせることがあると認識している。さらに、運転者の主要な視野内に存在する物体は、正常かつ安全な運転の間に運転者が注意を払わなければならない移動経路上にある実在の物体を妨害する可能性もある。
本発明は、上記の従来技術システムの欠点の多くを回避もしくは改善する。
概して言えば、ここでは本発明が自動車の運転に関して述べられている。しかしながら本発明は、途上ナビゲーション・システムに適用可能であり、文脈から認識されることになろうが、またこれらの利点は包括的に、またその多くは自動車以外の乗り物への応用にも適用できる。
オーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブル
本発明の側面は、ケーブルのように見え、そのケーブルの観察者の頭より高いところに位置決めされているように見える途上ナビゲーション物体の表示である。ここでは、その種の物体を『オーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブル』と呼んでいる。『オーバーヘッド』は、−−運転者に近接して現れるナビゲーション・ケーブルの少なくとも一部について−−運転者の視覚範囲内において運転者の頭より充分に高いところに物体が示され、(前述の定義どおりの)運転者の主要な視野内の物体を覆わないことを意味する。この態様においては、偶発的な衝突の危険を作り出し、あるいは運転者からの瞬間的な注意(たとえば、道路信号等)を必要とするような、運転者に充分に近い物体および道路をオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルが邪魔することがない。このように、この種のケーブルは、移動している道路に沿ってその上に延びているトロリー・ケーブルと非常に類似した形で見せることができる。したがって、オーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルの特定の実施態様は、一般に風景の表面の上方の特定の距離に位置決めされ、観察者および/またはその観察者が位置する乗り物の正面に、それから離れる方向に延びている。この距離は、一般に、トロリー・ケーブルの場合と同様に、表面の上方の一様な距離になる。またトロリー・ケーブルの場合と同様に、オーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルの形状は、特定の実施態様において、水平、すなわち経路の右左折によって決定され、近づいている曲がり等の存在について運転者にキューを提供し、より一般的には、追随するべき経路を示す。この点において、ケーブルは、それには直線以外の道路も含めて乗り物が移動すると見られる道路と実質的に固定された関係で観察者に対して現れることになり、またケーブルは、たとえば乗り物の走行車線の中心の上方に位置決めされる。オーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルの画像は、乗り物が道路に沿って移動するに従い、システムによって連続して更新される。
特定の実施態様においては、オーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルが、トロリー・ケーブルの場合とちょうど同じように、経路の表面の等高線に垂直に追随して、すなわち上り下りの意味でそれに追随して現れる。言い換えるとナビゲーション・ケーブルは、風景の表面が実質的な平坦以外となる場合を含め、任意の特定時点において実質的に一定の高さにあるように見える。
『一貫した視界フロー』および深度キューを使用してリアルなアピアランスが吹き込まれたオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブル
本発明の別の側面は、風景内に存在する実在の物体のように見える方法で表示されるナビゲーション・ケーブルである。2つの別々のメカニズムの一方もしくは両方を特定実施態様の中で使用して、オーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルにそのアピアランスを吹き込むことができる。このオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルが表示できるメカニズムの1つは、ここで『一貫した視界フロー』と呼んでいるものである。説明すると、ここで使用する『視界フロー』という表現は、前後または左右のいずれかの観察者の動きによって生じる観察者と相対的な静止物体の見かけの動きを言う。したがって、乗り物が前方に移動するときの、たとえば車線の変更時の運転者と相対的な風景の視界フローについて言うことができる。同様に、それらの態様で乗り物が移動するときのオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルの視界フローについて言うことも可能である。したがって『一貫したナビゲーション・ケーブルの視界フロー』は、風景およびナビゲーション・ケーブルの見かけの動きが、風景に関してナビゲーション・ケーブルが静止しているようになることを意味する。言い換えると、一貫したナビゲーション・ケーブルの視界フローは、実世界の見かけの動きに位置を合わせて運転者と相対的に動いてそれが現れることを意味する。したがって、オーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルのための一貫した視界フローの具体化は、たとえば、道路の曲がりに対応するケーブルの曲がりが、乗り物が前方に移動するとき、その道路の曲がりの上に静止しているように見えることを意味し、ここでもまたトロリー・ケーブルが現れる場合とちょうど同じようになる。
特定の実施態様がオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルに実在的な見かけを吹き込む別の方法は、ケーブルを、人間の視覚システムが3次元として物体を識別するときに使用する少なくとも1つの深度キューを伴って表示する。その種の深度キューの1つが透視である。『透視』は、日常的な感覚で言えば距離が離れるほど物体の平行線が接近することを意味する。別の深度キューは、立体視差、運動視差、輻輳、焦点、および暗化を含む。『立体視差』は、観察者の2つの目が、物体の画像のシフトされたバージョンを受け取り、その結果として物体の深度の感覚が伝わることを意味する。『運動視差』は、とりわけ単眼の運動視差としても知られる。これは、同一物体(1ないしは複数)に対する観察者の頭の左右もしくは上下の動きによって得られるその物体(1ないしは複数)の2もしくはそれを超える数の画像から抽出された深度情報として定義される。観察者が頭を左および右に動かすとき、その観察者のより近くに現れる物体の部分は、より遠くに現れる物体の部分より、観察者の視野の中でより大きな距離を動き、運転者の頭が前方もしくは後方に動く場合には、その観察者のより近くに現れる物体の部分の角サイズが、その観察者のより遠くに現れる物体の部分の角サイズより急激に変化する。とりわけ、観察者から物体の任意の特定部分までの距離を測定するために観察者の視覚システムによって使用することの可能なキューの少なくとも1つである運動視差は、この例示的な実施態様において観察者の視覚システムが、道路の上方および/または観察者の頭上のケーブルの見かけの高さを測定するために使用することができる。『輻輳』は、近くに見える物体の部分の注視から遠くに見える部分にシフトするとき、両眼を外転させなければならないことを意味する。『焦点』は、近くに見える物体の部分の注視から遠くに見える部分にシフトするとき、目の焦点を変更しなければならないことを意味する。『暗化』は、物体の部分の知覚される強度(すなわち、物体の所定部分から観察者が受け取る合計の光の量)が、観察者からの距離に伴って減少することを意味する。それに加えて、赤熱した棒状の物体の場合、その種の物体の縁を、その中心よりわずかに『暗化』させることができる;その種の『シェーディング』は、それが存在するとき、その種の物体の断面の『丸さ』を観察者が知覚する補助となることができる。
特に、本発明の特定の実施態様においてナビゲーション物体を生成する装置は、適正な形状、太さ、および強度を伴ってナビゲーション物体を表示し、かつ一貫した視界フローおよび/または適正なボリューム表現(後述)および/または内在的でないボリューム深度キュー、たとえば『透視』および『暗化』等を具現できるように乗り物の種々の動きならびに向きの情報−−その速度、磁石方位、ピッチ等−−を受け取る。
ボリューム表示されるオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブル
本発明のオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルは、2次元的な表示が可能である。たとえば、オーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルは、オンボード・カメラによって生成され、提供される道路前方のビデオ画像等をスクリーン−ベースの表示上に示すことができる。好都合なことに、その種の2次元表現は、一貫した視界フローを伴ってオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルを表示することができる。それに加えて、その種の2次元表現は、透視等の、その種の表示内に具体化することが可能な特定の深度キューを伴うオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルを表示することができる。
しかしながら特定の実施態様においては、乗り物に取り付けることが可能であり、乗り物のウインドシールドをいわゆるコンバイナとして使用してオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルの画像を運転者に向けて反射させるヘッドアップ表示等のボリューム表示を使用してオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルを表示することができる。ボリューム表示される物体とは、実際には存在していなくても、3次元の実世界内のボリュームの中に存在するように見える物体である。ボリューム表示は、実世界内に実在する物体から観察者に届くことになる光線と実質的に区別できない光線を観察者に与えることによってその見かけを達成している。その種のボリューム表示は、オーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルに、別の主要な深度キュー、たとえば前述したとおりの立体視差、運動視差、輻輳、および焦点等を吹き込むことができる。
仮想ケーブル
ここでは、透視および暗化の深度キューを用いて、かつ一貫性のある視界フローを伴ってボリューム表示されるオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルを『仮想ケーブル』呼ぶ。この種の途上ナビゲーション物体は、本発明の好ましい商業的具体化となり得る。特に、それがボリューム表示されることから、その種の仮想ケーブルは、運転中の道路に沿って、その上に延びるトロリー・ケーブルと同じように実在的に見える。乗り物のナビゲーションにおいて仮想ケーブルを追随することは、したがって、その種のトロリー・ケーブルの下側を運転することによるナビゲーションと非常に類似しており、かつ同程度に容易である。実際、仮想ケーブルを『追随』することは、実在するケーブルを追随する場合より各段に有用かつ便利なものとなり得る。たとえば、運転者が実在するケーブルを、誤ったターンを行った結果として見失った場合には、その運転者が、正しい経路を継続できるように引き換えしてケーブルを探さなければならないことがある。これに対して仮想ケーブルは、意図された行き先に対して迅速に再計算されて、新しい経路の上に再表示される。
仮想ケーブルの形式におけるオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルの呈示は、物体について『直接性』を達成するために望ましく、非常に実在的に現れ、運転者の脳は、実際にそこに存在する物体について要求される程度以上に表示された物体を解釈する必要がなく、あるいは周囲を取り巻く地形と相関させる必要がないことを意味する。
有利なことに、仮想ケーブルが実世界に存在するように見えるとき、運転者は、物体ならびにそれに意図された意味を残りの環境に統合するために、自身の意識もしくは任意の特別な注意を物体に集中させる必要がない。これは、単に『そこにある』ように現れる。そのようであることから、仮想ケーブルは、前述したとおり運転者の主要な視野−−通常それは道路およびその上の物体を含むが−−その外に示されることが可能であり、その結果、運転者の主要な視野が危険な、もしくは煩わしい障害から解放される。したがって、運転者は、主として周辺視覚を使用して仮想ケーブルに『追随』する。仮想ケーブルの見かけが、それがオーバーレイされている3次元の世界の見かけに有意に従っていないか、一貫していないとき、運転者は、運転者自身の視覚だけを使用してそれを見ることおよび/または追随することが困難であると認めることになろう。このように、仮想ケーブルに追随することは、運転者がトロリー・ケーブルの下側を運転できる態様、あるいは道路の縁石または道路中央の白線を、意識的に行ってはいなくてもナビゲーション・キューとして運転者が使用する態様に類似した『背景』タスクになる。この意味において、仮想ケーブルは周囲の景色を増大し、したがって控えめであり、連続的な使用に適している。運転者は、常時『道路から目を離さないでいること』が可能であり、通常の、安全運転に伴う必要なタスク、特に道路の追随、必要なターン、衝突の回避、道路標識の観察等を行うことへの神経および視覚の集中を維持することが可能になる。端的に言えば、移動している経路のナビゲーションに伴う通常の必要なタスクから運転者の注意が逸らされることはほとんど、もしくはまったくない。本発明によって運転者に負わされる、運転タスク自体によって負わされるそれを超えた『精神的負荷』は最小である。仮にあるとしても引き起こされる運転者のストレスはほとんどない。表示される画像が単純であることから、仮想ケーブルは、ごくわずかにしか運転者の注意を逸らさない。これは、このほかの、より複雑な画像表示を超える利点である。別の利点は、仮想ケーブルが、特定の経路の線引きを運転者に示すために、地上の参照物体の存在を必要としないことである。
さらに別の利点も存在する。仮想ケーブルの利用は、運転者が訓練もしくは新しいスキルを習うという意味においてほとんどなにも必要としない。本発明の実施態様は、運転者が、走行中の道路と同じ視覚の焦点を用いて仮想ケーブルを見ることを可能にし、たとえば前述した眼鏡の使用を回避する。仮想ケーブルは、運転者に曖昧性のないガイダンスを提供し、運転者が、絡み合った車線を伴う複雑な交差点および複雑な高速道路出口等々といったいくつもの混乱を招く選択肢から正しい経路を明確に識別することを可能にする。運転者には、ターン、車線変更、および速度調整等の所望の経路の走行に必要な操作を安全に実行するための充分な時間が提供される。運転者は、大型駐車場、砂漠、湖、標識のない空港の舗装路、あるいは農地のような特徴のない表面の上において特定の経路に追随する能力が与えられる。
特定の実施態様においては、移動する表面に対して乗り物が動いているか、あるいは静止している間に、運転者が平坦な地形および起伏のある地形のいずれにおいても連続的に、あるいはオンデマンドで仮想ケーブルを使用することが可能である。経路が遠く前方に運転者の視界の限界まで延びている場合、あるいはその種の経路が物体、とりわけ建物、地形の特徴の後ろ、および霧の中に隠れている場合であっても、見ることのできる風景と相対的な経路の場所ならびに方向を運転者に見せることができる。
上記の仮想ケーブルの利点の多くはまた、より一般的な場合、すなわちケーブルがボリューム表示されない場合さえも含めたわれわれのオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルの利点である。
ケーブルの形式
ケーブル(すなわち、オーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルおよび/またはオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルの一種または特殊ケースとしての仮想ケーブル)は、種々の形式で示すことができる。多くの可能性の中でも、ケーブルを、連続するライン、あるいはたとえば小さい、間隔が密でないギャップを有することによって連続性が中断されているラインのいずれかとして表すことができる。例示的に述べるが、これらのギャップの間のセクションは、3〜20メートルであるように見える。別の選択肢においては、いくらか暗化された、あるいはいくらか明るさが増加された小さい領域を有するライン;2次元または平坦な物体、たとえば三角形または三角形の枠のつながり;あるいは球またはビーズ等の3次元の物体のつながりとすることができる。さらに、互いに平行に走る2もしくはそれを超える数のその種のラインによってケーブルを表現することもできる。望ましい場合には、ケーブルが、適切な間隔を有するマーカ−−オーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルとともに選択された速度で移動しているように現れ、それによって運転者が特定の速度を維持することを助けるギャップまたは『速度ビーズ』等−−を含むことができる。この明細書を通じて、『ケーブル』、『オーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブル』、および『仮想ケーブル』という表現には、任意のこの種の細長い物体または物体の集合を包含することが意図されている。
ユーザは、種々の従来技術の構成、たとえばわれわれの米国特許第6,272,431号等の中で一般に求められているようなケーブル上の点と風景上の点を相関させる随伴画像の存在を必要とせずに(その種の随伴画像が望ましい場合には含めてもよいが)、ナビゲーション補助として容易にこのケーブルを使用することができる。
認知可能な太さの単純な単一ラインの形式のオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルおよび/または仮想ケーブル−−したがって、実質的に経路の上に吊られた実在するケーブル(シェーディングが与えられたとき)またはリボン(シェーディングが与えられなかったとき)のように見える−−は、多くのユーザにとって好ましいケーブルの形式となり得る。実際、われわれの発明の非常に直観に反した側面は、ナビゲーション・ケーブルの形式として実在するように見える態様で表示されたとき−−一貫性のある視界フローおよび透視ならびに暗化の深度キューを伴って表示されるとき、および/またはボリューム表示されるときなど−−において、単純かつ単一のラインが充分なだけではなく、それが好ましくもあることであるとわれわれは認識している。これは、前述したほかのナビゲーション・ケーブルの形式を超える多くの利点を有する。
その相対的な細さから単純な単一ラインは、2次元スクリーン上に表示されたときにもっとも邪魔にならない;その単純さから、その形状をその種のスクリーンから精神的に『取り込み』、その後この形状を実在する風景の上に『重ね合わせる』ことが容易である。
ボリューム表示(透視および暗化の深度キューを伴って)されたとき、単純な単一ラインは、運転者の周辺視覚のみを使用して(高速道路の車線分離帯が『観察』される方法と類似の方法で)容易に『観察』される。これに対して離散的な物体からなるナビゲーション・ケーブルは、主要な本質的問題を有する:離散的な部品がどこに『導いているか』を見分けるなんらかの精神的努力を行わなければならない。各離散的な部品を連続的に突きとめて識別し、それらの全体的な位置および方向を見極めなければならないこともある(特に、雑然とした風景の場合)。また連続ラインは、頻繁に存在する架線(たとえば、電力ならびに電話線、路面電車およびトロリーの線等)と同様に、より『自然』(特に、都市および郊外の風景の場合)に映り、したがって、あらゆる『珍しい』形状より注意を逸らすことが少ない。
オーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルを、物理的またはルミナンスの連続性においてわずかな中断だけを伴う単一ラインとして表示することは、観察者の視覚システムが、前述した2つのシフトされたバージョンのケーブルの対応する部分を相関させること−−および画像を立体的に『固定する』こと−−を補助でき、しかも最小限にしか注意を逸らさないというラインの特徴を維持する。
ケーブルの位置決め特徴
本発明の特定の実施態様は、ナビゲーション補助としてのわれわれのケーブルの有用性を強化する特徴を具体化する。ここでは、その種の特徴を自動車の運転者に関連して説明する。
1つのその種の特徴は、ケーブルが、道路の位置と整列されて通常に表示され、言い換えるとGPSおよび地図データが示すものを基礎として独立に位置決めされるのではなく、運転者の頭の直上を走っているものが道路の位置である。すなわち、ケーブルの表示を計算する目的のために、運転者が道路の上にいることを前提に、位置データが運転者の実際の位置に基づいて『補正』される。この意味におけるいくつかの矛盾は、後述するとおり、運転者のために解決することができる。
別のその種の特徴は、乗り物がケーブルの下から外れて運転されたときの、運転者の頭に対するケーブルの再位置決めにおける時間遅延の具体化である。この時間遅延は、運転者に、その運転者が以前に計算され、それに沿って運転していた経路から外れたこと、したがってそこに戻る機会が与えられることについての視覚的キューを提供する。短時間(たとえば3〜10秒)の後に運転者が表示されたケーブルの下に乗り物を戻さない場合−−たとえば、運転者が複数車線の高速道路で車線を変更し、新しい車線にとどまるつもりであるとき−−再度運転者の頭と整列されるようにケーブルが『移動』することになる。
ボリューム表示される連続深度ナビゲーション物体
本発明の別の側面は、表示される途上ナビゲーション物体の特定クラスの使用である。このクラスの物体は、連続深度を伴ってボリューム表示されるナビゲーション物体である。われわれの仮想ケーブルは、まさにその種の物体の1つの例である。しかしながら、本発明のこの側面に準ずる連続深度ボリューム・ナビゲーション物体は、必ずしもケーブルの形式である必要がなく、また頭上に表示される必要もない。
ここで言う『連続深度』は、そのボリューム内の離散的な点にある離散的な物体ではなく、物体が1つの物体として見える充分に間隔の近い充分に多くの深度平面に存在しているように示されているという評価基準をその物体が満たしていることを意味し、さらに言えば、表示されている物体が観察者に近づき、あるいは離れていくことが示される場合に、その種の物体の任意の特定のスポットが、充分な数の間隔が密な深度平面を通って移動しているとして示され、観察者から知覚されるその種のスポットの距離における変化が連続することを意味する。ボリューム表示されるオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルの連続的な性質は、必然的にそれに連続的な深度を持たせる。しかしながら、連続深度物体は、それが上記の評価基準を満たす限り、必ずしも一様であるか、あるいは連続している必要はない。特定の実施態様においては、連続深度物体が連続ライン、小さいギャップを伴うライン、三角形の枠または球等の整列された物体の連続、あるいは観察者に近づくか、もしくは離れる方向に移動する光の単一スポットになることさえ許される。
表面上の乗り物に使用されるボリューム・ナビゲーション物体
本発明の別の側面は、地球の表面上だけ(道路、水上等)を移動する乗り物における途上ナビゲーション物体のボリューム表示であり、それにおいてその物体は、前述したとおりのケーブルの形式になる。われわれの仮想ケーブルが自動車に使用される場合が、たとえばこの一例である。われわれは、本発明のこの側面を教示する従来技術を知らない。
本件発明者らによって以前に特許された『地図ライン』との比較
2001年8月7日に発行されたわれわれの米国特許第6,272,431号は、ヘッドアップ表示における所望の経路を画定するライン(『地図ライン』)を含む地図の画像の表示を教示している。地図および/または地図ラインは、表示される地図画像が、運転者が充分に広い面積の地面を見ることを可能にするために、地面の上方の充分に高い位置に吊られているように見える地面の鏡像と実質的に対応する。おそらくは100メートルに対応する数百フィートの見かけの高さが、有用な高さとしてこの特許の中に示唆されている。このアプローチを用いると、あたかも巨大な地図が、地面の特徴に関して正しい位置ならびに方向で地面のはるか上に吊り下げられており、それを『下』から(すなわち、印刷された紙の地図であった場合に、その紙を通して)眺めているかのようになる。その場合に自動車は、実在する地面と、地面に対して静止しているように見える地図の間を移動するように見える。
前述した地図ラインは、運転者の視線の上にあるラインとなることを意味するが、本発明のオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルおよび/または仮想ケーブルの特性は有していない。特にそれは、実空間内の物体のように見えるべく作られた仮想的な物体の画像ではない。むしろそれは、実際にそれが意味するもの、すなわち地図上のラインとして見えるように作られる。地面から100メートルもしくはそれを超える地図ラインの見かけの高さは−−本発明の特定の実施態様における約3〜20メートルの高さと比較したとき−−直前にある道路の曲がり等の運転者に重要な近距離ナビゲーション情報を示すには高すぎる。特に、運転者に示される地図ラインの近い部分における角度は、地図上に表されている近い地形上の特徴(交差点等)と、充分に近くにあり、運転者が見ることのできる実在する地形上の特徴を相関させるために使用するには高すぎる。言い換えると、われわれのオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルが運転者に示される角度(高さ)は、方向探知のために有用であるように、すなわち『迅速な』意志決定およびナビゲーションに有用であるように選択される。地図ラインが運転者に示される角度は、取り囲む地形についてのより『遠い』情報だけの提供に役立つ。
本発明の実施態様の場合のように、地図ラインの知覚される放射方向の長さ(視線に沿って測定される)が表現される地形と同一になり、その結果、それら2つが互いに位置合わせされることは、われわれの先行特許に示されていないし、あるいは示唆されていない。それに加えてこの教示の中には、ケーブルの見かけの高さが生じるもの−−前述したとおり、直接性の感覚の伝達が望まれる場合に重要になるもの−−と矛盾のない地図ラインのための視界フローを提供するという教示も存在しない。2次元平面上の経路の投影である地図ラインは、道路の上下を図示するような方法で構成されていない。特に、われわれの特許は、意図された態様で−−すなわち仮想的な2次元平面上に投影される地図上のラインとして−−地図ラインを示すために、運転者の現在位置からより遠い場所に対応する地図ライン上の点が、より近くにある場所に対応する点より必然的に低く表示されることを示している。起伏のある地形の場合にこれは、図4、図5A、および図5Bに例示されているとおり、本発明の原理を具体化するケーブルに当てはまらないことがあり得る。地図ラインのこれらの側面を考えると、これは、頭上のトロリー・ケーブルに追随する場合のように毎瞬間ベースで運転者が『追随』することのできるものではない。これを例示するために、図3Bに起伏のある地形における地図ライン画像の一例を示す。この図においては、同じ景色の中でナビゲーション・ケーブルの近い部分が現れることになる高さ(図3A参照)まで地図平面が下げられている。また、地図ラインは、ここに表現されている地形と可能な限り整列されている。われわれの先行特許における構成に対してこれらの改善を行った結果でさえも、起伏のある地形において運転者は、当該特許の中に記述されているとおりの地図ラインを『追随』することはできない。運転者の視点(図示のとおり)から見ると、特に2つの交差する道路304bおよび306bのいずれに追随する必要があるかの決定が実際的立場から不可能である。また、地面に対する地図ライン平面の高さが一定にとどまっている場合には、運転者が道路304bおよび306bの交差点に近づいた時点で地図が運転者の頭からの高さが高くなりすぎて交差点の表現が運転者の視野内でなくなる。しかし、地図平面の高さが乗り物に対して一定に維持された場合(われわれの先行特許には企図されていない特徴)であっても、地図ラインが地形との一定の関係で現れなくなり、その結果、運転者の注意散漫を招き、運転者は、ナビゲーション・ケーブルが『追随』可能であるほどに容易かつ直観的に地図ラインに『追随』することが困難になる。われわれの先行特許の地図ラインは、したがって端的に述べると、地図上に経路を表示する改善された方法であるが、運転者の直前の道路上に運転経路を画定する方法ではない。地図ラインは、実在する物体のように見せかけるものではなく、むしろまさにそれそのもの−−すなわち地面の上方の仮想2次元表面上への2次元地図の投影−−を見せるものである。したがってそれは、英数ラベル、記号、アイコンで表現される町または地理的特徴等、あるいはそのほかの地図に類似のデータといったほかに表示される物体の使用を、そのラインが何を意味しているかについて観察者の脳が翻訳するために必要とする。それがない場合に地図ラインは、単に、高高度を飛行するジェットの後にできる航跡雲のように見えることになる。本件のケーブルは、望ましい場合にはその種のラベルまたはアイコンとともに表示することが可能であるが、前述したとおりその特性は、本件のケーブルが単独で表示される場合であってもナビゲーション補助としてのその目的を完全に果たすものとなる。実際、われわれの先行特許の中には、地図ラインの実在性を伝えることが意図されたボリューム表示の使用あるいは深度キューの提供が示されてなく、また提案もなされていない。
具体化のための装置
本発明のほかの側面は、前述したオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルおよび仮想ケーブルを含め、上記のナビゲーション物体を表示するための方法を具体化するための装置を含む。
本発明の別の側面は、ヘッドアップ表示、特にわれわれの仮想ケーブルの生成に適したヘッドアップ表示を具体化するための新しい方法および装置に関連する。
この装置の有意な特徴の中でも互いに独立に具体化することのできる少なくともいくつかを次に示す。
●主要なボリューム表示の作業ボリューム内において実質的に任意に成形され、位置決めされるラインを描画する能力を達成するための、投影スクリーンの動きと各スキャン周期の間にスクリーンを横切るスキャニング光源の動きの調和。開示されている実施態様においては、スクリーンを駆動する信号が仮想ケーブルの位置の希望された形状を基礎として生成される。有利なことにこの信号は、所望の形状の仮想ケーブルを達成するために、投影スクリーンにその動きの範囲内の任意の選択された位置でその動きを止めさせるようにできる。アクチュエータ・アッセンブリを伴う投影スクリーンは、たとえばオーディオ・スピーカと類似にできる。特定の実施態様においては、センサが使用されてスピーカの膜の位置がリアルタイムで監視される。この位置情報は、膜の動きコントロールするために、スピーカを駆動する装置にフィードバックされる。(われわれの特定のセンシング/フィードバック・メカニズムは、たとえば線形性を改善することによってオーディオ・スピーカのパフォーマンスを包括的に改善するためにも使用することが可能である。)さらに、装置の光軸に対して傾斜された位置にスクリーンをマウントすることによって追加の改良を達成することが可能である。これは、全体的な動きの有意な縮小を可能にし、それがない場合にはスクリーンが同一のラインを描画する必要があるが、それによって少ない駆動回路電力を使用して装置を具体化することが可能になり、その結果、生成されるノイズも小さくなる。
●縦方向に大きな色収差を有する直視光学系を採用するこの装置の代替実施態様における、実質的に任意に成形され、位置決めされるラインの光学的虚像を乗り物の正面に描画する能力を達成するための、可視波長レーザ光源のチューニングと各スキャン周期の間にスクリーンを横切るスキャニング光源の動きの調和。開示されている実施態様においては、チューニング可能なレーザ光源内における波長選択を駆動する信号が仮想ケーブルの位置の希望された形状を基礎として生成される。さらに、装置の光軸に対して傾斜された位置にスクリーンをマウントすることによって追加の改良を達成することが可能である。これは、全体的なチューニング範囲の有意な縮小を可能にし、それがない場合にはレーザ光源が同一のラインを描画する必要がある。
●実在する明るいスポット−−われわれの仮想ケーブルを描画するために投影スクリーン上へのレーザの照射によって生成されるスポット等−−の動きによって描画されるラインの、スポットのサイズの変更による多様な太さまたは直径の達成。例示的に述べるが、スポットのサイズは、スキャニング・レーザ・ビームの適切な焦点設定を通じて変更される。
●実在する明るいスポット−−われわれの仮想ケーブルを描画するために投影スクリーン上へのレーザの照射によって生成されるスポット等−−の動きによって描画されるラインの、スポット内の光分布の変更による直径を横切る多様な光分布の達成。例示的に述べるが、スポット内の光分布は、スキャニング・レーザ・ビームにおける球面収差の適切な変更を通じて変更される。
●たとえば双眼、すなわち2眼の動作を、望ましくはいくらかの頭の動きを伴うそれを可能にする顕微鏡タイプの光学構成(すなわち、1を超える数の明瞭なレンズ群を有する構成)の充分に大きな射出瞳を使用するヘッドアップ表示内に示される虚像のボリューム表示。これは、観察者の頭の位置を追跡する必要性を好適に排除する。
●ここに開示されている表示装置において、湾曲スクリーン、単色レーザ等の単色光源を使用することによって、かつコンピュータ補償を通じて、有意な量の色収差、視野曲率および/またはひずみを伴うことのできる光学系を使用して高品質の表示が達成され得るというわれわれの認識。
以下、この種の方法ならびに装置、およびそれらの特定の新しい具体化を詳細に説明する。
1.0. オーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブル
以下は、本発明の例示的な実施態様の詳細な説明である。この例示的な実施態様は、自動車に関連する本発明の使用を伴う。実際、われわれは、本発明の主要な用途が自動車に見出されると予測している。したがって、用語の一貫性のため、および説明の簡明を維持するために、『運転者』という表現は、仮想ケーブルを表示する対象となる、このシステムの人間のユーザを言うときに主として使用する。しかしながら、このほかの非自動車応用においても本発明は潜在的に有用であり、その場合には『ユーザ』が『運転者』とならないこともある。したがって、ここでは『運転者』という表現を例示目的のためだけに使用し、本発明が自動車応用または『運転者』と呼ばれる者による使用に限定されることは意図されていない。
1.1. ナビゲーション・ケーブル
図1は、自動車のウインドシールドから見えるような道路302およびそれを取り囲む地形、または風景を示す。運転者に向けて途上ナビゲーション物体VCが、オンボード・ナビゲーション・システムによって、例示として述べるが、運転者にナビゲーション物体の画像を自動車のウインドシールドから反射するヘッドアップ表示システムを使用して表示される。運転者は、前もってシステムに希望する行き先を入力している。システムは、(a)ストア済みの地図データおよび可能性としてそのほかのストア済みデータ、および(b)グローバル・ポジショニング衛星(GPS)システムから(および可能性としてそのほかの手段によって)決定された乗り物の現在位置を使用し、その希望された行き先までの道路上の経路を計算している。この計算された経路を、ここでは単純に『所望経路』もしくは単に『経路』と呼ぶ。
本発明の原理によれば、ケーブルのように見える途上ナビゲーション物体は−−移動中の道路の上方に延びるトロリー・ケーブルによく似ており−−道路の上方を遠くまで延びていることから、運転者に対して『オーバーヘッド』表示されると言うことができる。
トロリー・ケーブルと同様にオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルの形状は、経路の形状によって決定される。したがって図1に示されているとおり、304aとして示される道路上の点の上方を左に曲がって見えるオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルは、道路がその点で左へ曲がることを示す。オーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルの画像は、乗り物が道路に沿って移動するに従って連続的にヘッドアップ表示によって更新され、その結果、乗り物が前方に移動するとき、この曲がりが道路の上に静止しているように見える。
途上ナビゲーション補助として表示されるケーブルを使用することは、たとえばここで、図1に示されている時点において『左折してください』というコマンドを発行する音声コマンド・ベースのシステムと対比できる。運転者は、その種のコマンドによって混乱する可能性が充分にあり、そのコマンド『左折してください』が最初の左折308もしくは2番目の左折304aのいずれを示しているかについて迷う。混乱を招く可能性のある音声コマンドに頼らない利点に関して本発明と共通する従来技術のシステムを図2に示す。これにおいては、追随するべき経路が、移動表面を覆うように見える帯の形式のナビゲーション物体によって示される。図2から認識できるとおり、その種の構成には無視できない欠点が存在する。道路303の上に重合される広い帯100aは、乗り物の正面を横切る歩行者または自転車に乗っている人102に対する運転者の視界を隠蔽し、あるいは邪魔して危険な状態を作り出す−−歩行者の被服が帯と同じ色の場合には一層それが増加する。移動する経路上の歩行者またはそのほかの実在する物体の視界を遮ることに加えて、道路上に重合される画像は、運転者の視界に常に存在することから、運転者の注意を逸らし、あるいは煩わせるものとなり得る。また、その種の画像の遠く離れた部分は、非常に浅い角度で見えることから極端に短縮され、その結果、観察者にそれらの正確な形状がわからないことがある。それに加えて、その種の画像は、非常に高い精度の垂直位置決めを必要とする。その種の位置決めに含まれるわずかな誤差は、関連する風景を伴うその種の画像の放射方向における著しい誤差を招く可能性がある。
1.2. ボリューム表示されるオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブル−−『仮想ケーブル』
前述したとおり、われわれのオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルは、特定形状の単純な細いラインとしてヘッドアップ表示によって『描画する』ことができる。あるいは、ヘッドアップ表示によって描画するのではなく、その種のラインを、オンボード・カメラによって取り込まれた道路のリアルタイム・ビデオ画像上に重ねられるオンボード・ビデオ・スクリーン上に示すことも可能である。途上ナビゲーション補助としてのその種のオーバーヘッド・ケーブルの表示は、前述したとおり、多くの安全性および運転者の利便性の利点を提供することができる。
しかしながらわれわれは、周囲を囲む風景の視界フローと一貫した視界フローを伴い、透視の深度キューを伴い、かつ暗化の深度キューを伴ってボリューム表示されるオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルを、その好ましい形式と考えている。オーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルが、周囲を囲む風景の視界フローと一貫した視界フローを伴い、かつそのほかの深度キューを伴ってボリューム表示されることによって、運転者にはそれが実在しているように見える。実在性の印象は、多くの領域において有意の利点を提供し、少なからぬその利点には、使用容易性、利便性、および安全性がある。これらの利点は、すでに述べており、ここでの繰り返しは不要であろう。
ここでは、この好ましい形式の途上ナビゲーション物体を『仮想ケーブル』と呼んでいる。実際、この明細書の残りの部分は、われわれのオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルおよびその好ましい形式に関するその具体化について述べている。この明細書の残りの大半は、仮想ケーブルでもあるオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルにのみ関係する論題を提供し、特に、そのケーブルをボリューム表示する『描画』装置に関係する論題を提供する。しかしながら当業者であれば、以下に述べるケーブルの位置決めおよびケーブルの色の論題のように、それがボリューム表示されるか否かによらずケーブルに適用される特定の論題および考察についても認識することになろう。
1.3. 連続深度ナビゲーション物体
本発明の別の側面は、途上ナビゲーション物体として表示される特定クラスの物体の使用である。前述したとおり、このクラスの物体は、ボリューム表示だけではなく、連続深度を伴っても表示される物体である。われわれの仮想ケーブルは、まさにその種の物体の1つの例であり、ここではそれを『連続深度ナビゲーション物体』と呼ぶ。
ケーブル以外に可能性のある連続深度ボリューム表示途上ナビゲーション物体の例として、運転者が行き先まで追随するべき乗り物の画像、運転者の前方上方を飛び、正しい経路を運転者に知らせる鳥の画像、反復的に運転者の上に現れ、正しい経路の上の特定距離にわたって前方に移動した後に消える光のスポット、経路に対して静止して見える仮想道路標識、仮想里程標のセット等が挙げられる。
2. 仮想ケーブルの計算および位置決め
このセクションにおいては、仮想ケーブルの計算および位置決めについて説明する。
2.1. 仮想ケーブル経路
ここでは、仮想ケーブル経路の概念を紹介する。
仮想ケーブルは、当然のことながら現実には存在しない。これは、運転者には経路上または経路に沿って延びているケーブルがあるように見える態様で運転者に示される画像である。
厳密に言えば、たとえば、仮想ケーブルが特定の場所に配置される、もしくは道路上方の特定の高さにある、あるいはそれが特定の態様で曲がっていると言うことはできない。言うことが可能であるとすれば、実世界に仮想ケーブルの経路、すなわち仮想ケーブルの現れる空中を通る経路が存在するということである。道路に沿って曲がっている、延びている等々のものは、たとえその仮想ケーブルの経路自体が見えないとしても仮想ケーブルの経路である。
それにもかかわらず、教示上の便宜から、このセクションだけでなくこの明細書全体を通じた説明は、仮想ケーブル経路の物理的特性は仮想ケーブルにあると考える。読者は、仮想ケーブルに対するその種の言及が、より厳密な意味においては仮想ケーブル経路に対する言及となり得ることを認めるであろう。
2.2. 仮想ケーブルの経路の計算
仮想ケーブルの計算方法は、以下に述べるとおり、ストア済みの地図およびGPSのデータを基礎とする。仮想ケーブルの計算は、最終的に、以下に述べるとおり、運転者にケーブルの画像が示されるような態様でヘッドアップ表示をコントロールするデータの計算を含む。
GPS信号、および任意の増強信号(たとえば、精度向上のための差分GPS)が、実質的に連続的に(すなわち、空の見通しが遮蔽されない限り)乗り物に搭載された適切なセンサから獲得される。増強信号が利用可能な場合には、この分野で周知のとおり、両方の信号が結合されて位置に変換され、GPS受信機によっては速度ならびにアンテナ方位のデータ・ストリームに変換される。その種のデータ・ストリームのGPS座標は、いくつかの別の絶対3次元空間座標(ここで言う絶対3次元座標は、地球を中心にして地球に固定された3次元座標系、たとえばXYZ直交座標系を意味する)に、計算容易のために変換され、それにより新しい『生XYZ位置』データ・ストリームを作成する。
この『生XYZ位置』データは、ほかの乗り物センサ(ジャイロスコープ、加速度計、距離計等)からのデータと結合され、データ融合ルーチンを実行するコンピュータに供給される。その種のルーチンは、通常、カルマン・フィルタリングとして知られる方法および、いわゆる『道路マッチング』を使用して、われわれが選択した絶対3次元空間における現在の乗り物の位置、方位、速度(直線および角速度)、および加速度(同様に直線および角速加度)を評価する。乗り物の近い将来の位置、方位、および速度(直線および角速度)もまた、この時点において、現在の値および加速度データを基礎として評価することができる。ここではこれを『最良乗り物位置および動き評価』データ・ストリームと呼ぶことができる。
この『最良乗り物位置および動き評価』データに基づいて、コンピュータは、乗り物の直前にある経路の部分、言い換えると現在もしくは直後に(たとえば、例示的に言えば次の数秒内に)仮想ケーブルをその上に表示する必要のある経路の部分の3次元形状および位置ならびに方位のディジタル表現を、地図データ・ストレージから(必要であれば周期的に)獲得し、あるいは計算する。
続いてユーザ設定をチェックし、コンピュータが、われわれの絶対3次元空間内における座標のセットとして、現在(例示的に言えば、たとえば次の1/30秒内に開始する表示デバイスの次のリフレッシュ・サイクルの間に)表示する必要のある仮想ケーブルの部分の3次元形状および位置ならびに方位のディジタル表現を計算する。この計算をはじめ、このセクション内の次に述べる計算は、表示装置のリフレッシュ・サイクルごとに、たとえば例示として述べるが、毎秒30回にわたって繰り返され、その都度もっとも新しい(すなわち、最後のリフレッシュ・サイクル以降に更新された)乗り物の位置および方位の評価を使用する。その種の計算(たとえば、カーブの長さ、あるいはいずれかの方向におけるカーブのシフト(たとえば、5メートルの上り))は、この分野で周知のとおり、解析幾何学計算の単純な問題である。
その後、仮想ケーブルのその種の部分に対する、もっとも新しい(すなわち、最後のリフレッシュ・サイクル後に更新された)乗り物の位置および方位(繰り返すが、われわれが選択した絶対3次元空間における)の評価が既知になることから、運転者の位置から見た仮想ケーブルのその種の部分の透視図のディジタル表現をはじめ、運転者から仮想ケーブルのその種の部分のすべての点までの距離のセットを容易に計算することが可能になる。新しく計算された結果は、自動車を中心にする、自動車の新しい固定座標系、たとえばその原点(中心)を運転者の目の近くに置き、その『緯度0、経度0』方向が乗り物の正面を向く球座標系で表現される。その種の透視計算は、本質的に、幾何学の分野ではよく知られた座標系変換計算であり、最近のコンピュータ・ハードウエアを使用すれば、非常に短時間で(たとえば、1/30秒内)完了することができる。
表示装置の、その縦方向の倍率、本質的な画像のひずみを含めた光学特性を基礎として、適切な変換(変倍および予備ひずみを含む)がそれらの球面座標値に適用されて、装置の内部投影スクリーン上に描画されることになる仮想ケーブルの画像のローカル座標系(たとえば、スクリーンに固定され、スクリーンを中心とするXYZ直角座標)が、装置およびコンバイナを通したこの画像の見え方がひずみのない仮想ケーブルとなる態様で描画されるように生成される。ここで言うスクリーンに固定され、スクリーンを中心とする座標系は、その原点が、動き投影スクリーンではなく直視光学系と相対的などこかに固定された位置に位置決めされた座標系、たとえばスクリーンがリレー・レンズに対して『もっとも近い』位置にあるとき、そのスクリーンの中心がある位置にその原点が位置決めされる座標系を意味する。
特に、前述した変換の変倍部分は、単純な置換(たとえば、周知のルックアップ・テーブル方法)を含むことができ、それにおいては、仮想ケーブルのそれぞれの特定の点までの距離『r』が最終的にスクリーン・アクチュエータのために必要となる変位『z』に変換され、オリジナルの角度座標(すなわち、経度および緯度の角度)が最終的にスクリーン上の位置座標『x』および『y』に変換される。
ビームの出力および焦点もまた、それぞれの点について、それぞれの点における仮想ケーブルまでの距離に対応することになる描画されるラインの輝度および直径を達成するために、ビーム・プロジェクタおよびスクリーンのジオメトリ、および周囲光センサからのデータを考慮に入れて、かつ運転者のプリセットを考慮に入れて計算される。
これは、その種の画像の予備ひずみを導く周知の光学公式および距離対変位計算アルゴリズムの単純な応用である。
運転者のプリセットに従った仮想ケーブルの見かけの厚さおよび輝度を達成するために必要なスクリーン上に描画されるラインの輝度および太さは、見ることのできる仮想ケーブルの各点について計算される。輝度計算は、周囲光センサからの現在のデータを考慮に入れる。
続いてビーム集束器およびビーム・プロファイル調整器のセッティングが、投影スクリーン上に描画されることになるラインのそれぞれの点(x,y)について、このラインの(x,y)における太さ、『x』ならびに『y』および(x,y)におけるスクリーンの変位『z』の値、ビーム・プロジェクタおよびスクリーンのジオメトリ、およびビーム・プロジェクタおよび直視光学系の光学的特性に基づいて計算される。
これは、その種の輝度、およびビーム焦点を導く周知の幾何学ならびに光学の公式、およびビーム・プロファイル計算アルゴリズムの単純な応用である。
ディジタル形式の新しいデータを適切なデバイス・コントローラ(『デバイス・ドライバ』とも言う)に送ることが可能になり、それが、所望の画像を描画するためのレーザ、集束器、スキャナ、および被作動スクリーン(すべて後述)の操作に直接使用されるアナログ信号を生成する。
しかしながら、『仮想ケーブルの描画』セクションの中で考察しているとおり、適切なデバイス・コントローラに渡す前にその種のディジタル・データをさらに変更してデバイスのコントロールを最適化することが望ましい。
これらの計算を連続する計算の1つのチェーンに結合し、(オプションとして)いくつかの中間ステップを排除することによって単純化することもこの分野では周知である。
2.3. 仮想ケーブルの左右の位置決め
ここで『経路の中心線』という用語を定義する。これは、理想的には行き先に向かって運転者の体が、必ずしもそうはならないが、実質的に道案内されるべき経路の表面上の想像上のラインを意味する。『経路の表面』という用語は、ここでは風景の表面を意味し、運転者は、その種の経路に追随する間にその上またはその近くを移動する。この種の中心線は、必ずしも道路または走行車線の実際の中心である必要はない。乗り物の内側の運転者の体の位置が、通常、その乗り物に関して実質的に固定されていることから、特定経路の『中心線』もまた、乗り物の特定の固定点、たとえばステアリング・ホイールの中心が、行き先に向かって、必ずしもそうはならないが、理想的に道案内されるべき経路の表面上の想像上のラインとして定義できる。
実際には、運転者が、所望の経路の正確な中心線から逸れることになる。たとえば、高速道路の走行車線内の乗り物が、車線の境界内においてわずかに左右に移動することは正常である。これに対して、所望の経路の現在の中心線からより有意な距離で離れることを運転者が決定した場合、たとえば乗り物を別の車線に移動することによってそれを行った場合には、この実施態様のナビゲーション・システムが新しい中心線の上となるように仮想ケーブルの位置を再計算し、再計算した仮想ケーブルがその中心線の上に表示される。
経路の中心線が変化すると、常に、仮想ケーブル経路の位置がゆっくりと、滑らかに(あるいは離散的に)調整されて、その種の変化が反映される。この現象を略図的に図6A〜6Dに示す。運転者は、図6Aに示されているとおり、ある時間にわたって車線310を走行しており、仮想ケーブルVCが頭の直上にある。図6Bは、乗り物が車線310から車線312へ移動する過程の道路の外観を示している。仮想ケーブルは、もっとも最近の経路の中心線の上、すなわちこの場合であれば車線310の中心線の上にまだ位置決めされている。図6Cは、乗り物が車線310から車線312への移動を完了した直後の仮想ケーブルVCの位置を示している。仮想ケーブルは、もっとも最近の経路の中心線の上、すなわちこの場合であれば車線310の中心線の上にまだ位置決めされている。図6Dは、乗り物が車線310から車線312への移動を完了してから比較的短い時間、たとえば7秒後の仮想ケーブルVCの位置を示している。この場合の仮想ケーブルは、新しい経路の中心線の上、すなわちこの場合であれば車線312の中心線の上に位置決めされている。
乗り物が左/右の意味において仮想ケーブルの下から逸れていた時間、および仮想ケーブルから離れた距離によって、図6A〜6Dに示されているシナリオにあるように、仮想ケーブルを乗り物に対して新しい位置にいつ移動するかが決定される。
特に、乗り物の位置における有意の変化との組み合わせで新しい仮想ケーブル経路の再計算をトリガする最短時間は、たとえば6〜60秒の範囲内において運転者が調整可能であるとすることができる。2車線道路上において別の乗り物を追い越すといった特定の運転操作を欲しない運転者は、乗り物が走行していた経路と相対的な仮想ケーブルの位置に対応の変化をもたらすために、より高い範囲を好ましいとすることがある。さらに、運転者が道路の誤った側を移動していること−−狭い道路上における乗り物の追い越し等−−を信頼性をもって決定できる場合には、その種の操作が行われている間は、運転者の時間設定によらず、仮想ケーブルが道路と相対的な位置を変更しないことが望ましいと見られる。
それに加えて、既存の仮想ケーブル経路に相対的な乗り物の位置の最小変化を、それ自体、もしくは新しい仮想ケーブル経路の再計算をトリガする時間との組み合わせで運転者が調整するようにもできる。その種の再計算をトリガする変化の範囲は、1〜20メートルとすることができるが、これは特に、システムが経路の中心線と相対的な乗り物の位置を決定できる精度に依存する。
仮想ケーブルの位置における変更の性質は、実際上、センサのタイプならびに精度および道路の中心線に相対的な乗り物の位置を決定するテクニックに依存すると見られる。乗り物の位置を決定するための現在の最先端技術は、GPS位置センサ・データと内部センサ(たとえば、ジャイロスコープおよび加速度計)から到来するデータの組み合わせを伴う。このテクニックは、道路マッチング・アルゴリズムとの組み合わせにおいて、前述したとおりの仮想ケーブル位置変更のための乗り物の位置の充分に正確な測定を可能にすることができる。しかしながら、乗り物が、道路マッチング補正の適用ができない地形を移動している場合(たとえば、砂漠の移動中等)には、経路の中心線からの逸脱の緩やかな蓄積が、GPSもしくは内部センサのいずれによっても検出可能でないことがある。それらの条件下においては、経路の中心線からのあらゆる逸脱とは関係なく、仮想ケーブルが常に運転者の直上を開始点とすることが推奨される。
仮想ケーブルを常に経路の中心線と相対的に位置決めさせるより、仮想ケーブルのもっとも近い部分が運転者および/または乗り物と相対的に位置決めされる方が好ましい場合があり、特にスタートアップの間、すなわち特定の運転セッションが開始するとき、あるいは道路マッチング補正が適用できないときにそれが当てはまる。経路は、常に、たとえば乗り物の前方12メートルおよびその上方4メートルから、所望経路の中心線の方向に、運転者の頭と整列させて開始するようにできる。このアプローチは、仮想ケーブルが当初、道路の上に位置していないこともあるため、『道路上方のトロリー・ケーブル』のパラダイム、すなわちケーブルが実際にそこにあるというパラダイムを常に固守する仮想ケーブルの印象を妥協して処理することがある(たとえば、標識のない大型駐車場を離れるとき、仮想ケーブルによって示されるとおりの出口への最短経路が、駐車している車によって実際にブロックされることがあり、運転者は、それを考慮に入れる必要がある)。しかしながら、これに対向するそれを望ましいとする考え方もある。
第1に、所望の経路の中心線に相対的な乗り物の実際の位置の決定に必要な精度が、仮想ケーブルがその経路の中心線と相対的に位置決めされるときに必要な精度より低いことが許される。これは、仮想ケーブルが最初に乗り物と相対的に位置決めされる場合には、道路の幅に対する乗り物の正確な位置を知る必要がないことによる。したがって、GPSの精度が10メートルより良好でなく−−標準GPSを使用するシステムについては一般的−−乗り物の位置の精度を向上させるほかの手段を伴わない場合には、最初に経路の中心線と無関係に運転者の頭に整列しているとして仮想ケーブルを表示することが特に望ましいこととなり得る。
別の理由は安全性である。仮想ケーブルが充分な精度および確度で運転者に示される場合、運転者が、道路の縁石またはペイントされた車線分離帯が正確に道路表面または車線を線引きする態様と同一の態様で仮想ケーブルを、その下の道路表面の正確な線引きとして使用する考えを身に着けてしまうことがある。視認性に乏しい状態、たとえば吹雪の間、あるいは道路表面およびその周囲が深い雪で完全に覆われている場合に、運転者によっては、道路の縁石またはペイントされたライン等の正常な線引きの代用として仮想ケーブルの使用を試みることも考えられる。その種の振る舞いは、道路表面自体を明確に見ることができない場合には、その上に位置する人、乗り物、あるいはそのほかの物体についても同じことが言えるため、本質的に危険であると見られる。仮想ケーブルが、道路ではなく運転者に対して実質的に固定された関係で開始すれば、運転者は、仮想ケーブルが実際の道路表面を正確に線引きする手段として頼れるものでないことを迅速に学習することになろう。言い換えると、仮想ケーブルは、道路表面または走行車線の正確な線引きというよりはむしろ経路の線引きとしての機能を提供するべきである。
2.4. 仮想ケーブルの高さおよびエンドポイント
仮想ケーブルは、容易な視認のために移動中の表面から充分に近い位置−−たとえば、信号機レベルのすぐ上−−に懸架されているように見えるが、オーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルが運転者の視界の上方に見える充分な高さとなる態様で示される。進行中の動作の間は、前述したスタートアップおよびそのほかの状況とは逆に、仮想ケーブルのすべての点が経路の中心線の最良の現在の評価に対して実質的に固定された関係になり、見ることのできる仮想ケーブル全体について、それらの直下に位置する中心線の対応するポイントから同一の高さで経路の表面の上方に配置される。この『所望経路の表面の上方』という表現は、仮想ケーブルが運転者と同じ側の経路の表面上に位置することを意味する。たとえば、ジェットコースターの乗り手の頭の上方に仮想ケーブルが表示された場合には、ジェットコースターのループの頂点において乗り手が倒立するときには、仮想ケーブルが、下側の地面に関してジェットコースターの表面の下側に位置することになる。仮想ケーブルの経路が、前述したスタートアップ状態におけるように中心線の直上に位置決めされない場合においても、それにかかわらず仮想ケーブルを同一の高さにする必要がある。
表面と相対的な高さに固定されている仮想ケーブルの意味は、起伏のある地形において、仮想ケーブルが、上下という意味において経路表面の有意の曲率に追随することになり、トロリー・ケーブルが追随することに類似している。この特徴が重要かつ望ましいことは、図3Aおよび3Bの比較によって理解できる。
図3Aは、道路304bから一定の高さに示されるVCを示している。ここで注意を要するが、透視法と矛盾のない態様で遠方で仮想ケーブルVCが『凹んで』おり、遠方で下りになっている道路と一致している。したがって運転者は、所望の経路を守るためには、右の道路306bではなく、左の道路304bを採る必要があることが明確に理解できる。図3Bを参照すると、オーバーヘッド・ナビゲーション地図406にこれらの特性が吹き込まれていない。したがって運転者は、左へ向かう所望の道路304bとそれを容易に相関させることができず、それに代わり、誤って右へ向かう道路306bと関連付ける可能性がある。
図4は、ここで考察されている特性が吹き込まれていないラインがあまり有用でない地形の別の例を示している。しかし仮想ケーブルVCは、図4に示されているとおり、実際、より近い道路306cではなく道路302hとなる前方の正しい経路についての曖昧でない情報を運転者に与える。図5Aおよび5Bは、上記の特性を有していないオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブルであっても運転者に正しいナビゲーション情報を与え得るが、風景の中で正しい視界フローを形成できないことから、注意を逸らすことになる地形の一例である。
図11Aは、乗り物800に相対的な仮想ケーブルVCの位置決めの種々の側面を示している。これは、仮想ケーブルについての距離および寸法を、それらが運転者によって知覚される形で図示していることから仮想的な図である。この意味において図11Aに示されている距離および寸法は、実際上、前述したとおりの仮想ケーブル経路、すなわち仮想ケーブルがあるように見える経路の特性である。
図11Aに示されているとおり、仮想ケーブルは乗り物の正面の特定距離105から始まるように見える。これは、乗り物から特定距離108において終了するように見える。これらの距離は、運転者のコントロールの下に調整可能とすることができる。一般的な乗用自動車について言えば、約10〜25メートルを距離105の良好な選択肢であるとわれわれは考えている。距離108は、約100〜500メートルの範囲で運転者調整可能とすることができる。これらの2つの仮想ケーブルVCのエンドポイントは、運転者とともに移動するように見える。しかしながら距離108は、乗り物から行き先までの距離を超えないことが望ましい。言い換えると、仮想ケーブルVCの長さは、仮想ケーブルが行き先を超えないように、乗り物が行き先に到達したときにゼロまで短縮されるべきである。
仮想ケーブルVCの高さは、正常なシステム動作の一部として、運転者によって高さ範囲にわたって連続的に調整可能にすることが可能である。しかしながらわれわれは、システムが非常に少ない高さ設定だけ、たとえば『通常』、『低い』、および『高い』と呼ぶことができる3つの設定だけを提供することが望ましいと考えている。運転者が連続範囲にわたって高さを変更できるようにすると、仮想ケーブルを使用して距離を判断する運転者の能力に累を及ぼすことがある。われわれは、『通常』設定のための有用な高さとして、一般的な乗用自動車の場合であれば標準的な路側の交通信号灯または道路標識を大きく超えない高さ、すなわち道路から約5〜10メートルの高さ、より高い乗り物、たとえばトラックもしくはバス等の場合であればそれよりいくぶん高いが、このましくは20メートルを超えない高さを考えている。
『低い』設定としては、約3メートル−−運転者の頭と道路表面の間の距離の約2倍−−を意図している。衝突回避(後述のとおり)のためにナビゲーション・ケーブルを使用するときは、その種の高さが、乗り物から比較的短い距離において、ナビゲーション・ケーブルと道路表面の間におけるもっとも直観的(『即時的』)な相関を提供する。『低い』設定のための別の応用には、混雑した駐車場を通る遅いナビゲーションが考えられ、それにおいて運転者は、乗り物に比較的近いナビゲーション・ケーブルを見る必要があり、比較的遠いターンは当面の関心事でなくなる。安全性の特徴として、低い設定を、駐車場等の中で一般に安全とされる速度(たとえば、5〜15mph)、あるいはいずれかの(地図データから)既知の低速運転エリアのための最高法定速度より乗り物の速度が速くなったときに自動的にディセーブルするようにもできる。
特定の運転条件の下において運転者が、仮想ケーブルに、運転者から比較的離れた、最大で運転者の地平線まで、所望の経路を線引きさせることを望むことがある。たとえば、アリゾナ州のモニュメントバレーにいる旅行者は、その種の特徴を使用して見えていない道路、たとえば丘の背後に隠れている道路、あるいは前方の非常に遠い道路が、巨大な岩の構成に対してどのように配置されているかを知ることができる。この態様において運転者は、指定の経路を通ってそれらの岩の構成の近くに行くことが可能か否かを確かめることができる。
これを達成できる方法は少なくとも2つ存在する。
第1は、仮想ケーブルVCを、はるかに高い高さまで持ち上げること、すなわち『高い』設定に設定することであり、たとえばそれを50メートルもしくはそれを超える高さとすることができる。その場合に距離105を、たとえば120メートルとし、距離108を、数千メートルの範囲で運転者による調整可能とすることができる。それに代えて、仮想ケーブルVCの最初の部分106を通常の高さ、つまり5〜10メートルのまま残し、より遠い部分107の高さを小さい角度418で漸増することができる。これは、運転者から遠く離れると仮想ケーブルが風景にとけ込んでしまうことを防止することになる。しかしながらこのアプローチの欠点は、仮想ケーブルVCの遠い部分107が地面に固定されているように見えずに、運転者とともに前進するように見えることである。われわれは、仮想ケーブルの最初の部分106の長さ、道路表面316からの仮想ケーブルの高さ109、および道路表面316から漸増する仮想ケーブルの高さの角度418等といった仮想ケーブルVCの属性が、道路表面が実質的に平坦なときには仮想ケーブルVC上の任意の2点pおよびpについて、点pが点pより運転者に近い場合に、点pにおける仮想ケーブルの部分が、運転者から見て点pにおける仮想ケーブルの部分より上に現れるような関係にあるべきであると考えている。
3. 仮想ケーブルの色およびジオメトリ
このセクションにおいては、仮想ケーブルの色およびジオメトリの種々の側面について述べる。
3.1. 仮想ケーブルの色
仮想ケーブルは、使用される表示装置が作り出し、提供できる一様な任意の色の物体として表示することができる。しかしながら、稠密であるがいくらか透明の、霧に似た半透明を有する赤熱した棒の方が、一様な見かけより仮想ケーブルにとって有用であるとわれわれは考えている。その種の赤色の、霧に似た見かけは、多くの利点を提供することになる。道路の近く、あるいはその上方に見つかる可能性のある電線またはケーブル等のあらゆる実在する物体から仮想ケーブルを区別することが容易になる。その色が自然界において非常に一般的とは言えず、したがって見つけることが容易であり、ほかの色が使用された場合より、比較的低い光強度の画像を可能にする。特に、青空または曇り空に対して容易に見ることができる。色に起因して容易に気付くことができる結果として、その種のケーブルの知覚的な太さを比較的小さくすることが可能になり、したがって、あらゆる実在する物体の視覚的遮蔽を最小にできる。この赤熱によって、ケーブルは、完全な暗闇においてさえ見ることができる。赤は、ほかの色より低光条件において人間の目を眩ませることが少ない。またこの赤色のケーブルが赤信号と取り違えられたとしても、その種の誤りは、運転者が減速するか、あるいは停止する結果をもたらすに過ぎない。これに対して、ケーブルがたとえば緑であった場合には、特定条件の下に、交通信号灯がまったくないか、あるいは赤信号または黄信号であった場合に運転者がそれを緑信号と取り違える可能性が存在する。さらに赤色は、比較的安価な赤色レーザによって充分な強度で作り出すことができる。
3.2. 仮想ケーブルの断面直径
この実施態様の仮想ケーブルは、例示的に5〜20センチメートルの見かけの値においてプリセットされた、認知可能であり、かつ実質的に一様な直径、または例示的に(もっとも近い点において)0.25〜1.0度の角サイズを有する。認知可能な直径を有することは、その種の3次元仮想ケーブルが、周囲を取り囲む地形と同じ遠近感で、実在するケーブルと同様に距離に伴って細くなるように作成可能であることから実在性の知覚を増す。仮想ケーブルが10メートルを超える高さに持ち上げられるときには、それに比例させてこの直径を大きくすることができる。以下に説明するとおり、仮想ケーブルの表示される太さは、厳密に直線透視法に基づく計算から導かれるより、仮想ケーブルの遠端に向かってわずかに、より大きくしてもよい。
われわれは、角サイズが(もっとも近い点において)3度を超えるべきでないと考えている。これより大きいサイズは、注意を逸らし、邪魔になりすぎる。また、明るい背景に対して投影するために、より強力な光源も必要になる。
3.3. 仮想ケーブルの構成
仮想ケーブルVCは、図10および4に略図的に示されているとおり、構成可能なギャップ402(または光度の減少)を有することができる。この種のギャップは、運転者が運転の速度を判断し、前方の物体からの距離を判断することを可能にする。またギャップ402は、立体効果を強化し、視界フロー効果を向上させることによって仮想ケーブルが実在しているとの錯覚を高めることができる。一部の運転者が、特定状況の下におけるその種のギャップが注意を逸らす、あるいは煩わしいと認めることがあるため、システムは、運転者が滑らかな仮想ケーブルとギャップを伴う仮想ケーブルの間の切り替える機能を有することができる。
運転者がギャップ402を伴う仮想ケーブルを表示することを選択した場合には、その種のギャップ402が仮想ケーブルVCに沿って見かけ上、等しい間隔で(すなわち、仮想ケーブル経路に沿って実際に等しい間隔で)、かつ地面に対して固定されたポジションで現れる必要がある。その種の間隔サイズおよびギャップ・サイズは、正常なシステム動作の一部として運転者による調整を可能にすることが許されるが、好ましい実施態様においてはそれらのサイズが、工場におけるシステム構成時に、いずれかの共通標準に従って固定されるべきであるとわれわれは考えている。その種のギャップ間の距離が運転者によって道路上の距離、たとえば前方の乗り物からの距離の判断に利用可能であることから、乗り物を変更したときに、以前の乗り物と異なってギャップがレイアウトされていると、運転者が判断を誤ることがあり得る。運転者がそれらのサイズを頻繁に変更できたとすれば、仮想ケーブルを使用することによって距離ならびに速度を判断する運転者の能力に累を及ぼす可能性がある。良好なギャップ間隔のサイズは、通常の道路の幅と同等に、おそらくは約5〜20メートルとするべきであり、ギャップは運転者がそれらに気付くことができる程度に大きくするべきであるとわれわれは考えている。これは、運転者が仮想ケーブルと前方の交差道路を相関させる上の補助となる。これが有用となるシナリオを図4に略図的に示すが、それにおいては、立体視の乏しい運転者が、そこに示されている仮想ケーブルVCが道路302hまたは道路306cのいずれに属するか混乱することがあり得る。
仮想ケーブルのギャップ402のサイズは、比較的小さく、知覚される仮想ケーブルの幅と同等にするべきである。仮想ケーブルは、単一の丸いケーブル以外の形式とすることもできる。たとえば、それを、平らなリボンとして見せかけることも可能である。あるいは仮想ケーブルを、それぞれの形状を単一ラインの仮想ケーブルに似せたいくつかの外見上の平行線とすることもできる。これを図8に示すが、それにおいて仮想ケーブルは、2本のその種のラインVCおよびVCからなる。この種の仮想ケーブルの形状は、以下に述べる直線透視深度キューを強化することができる。
望ましい場合には、仮想ケーブルに、ケーブルそのものと異なる見かけを持たせることも可能である。たとえば、図7に示されているとおり、仮想ケーブルVCが、仮想ケーブル経路上に中心を置く一連のグラフィック・オブジェクト410を構成してもよい。その種の物体の形状は、何らかの意味を伝えることが可能であり、その種の意味に従い、時間的な経過にわたって切り替えることができる。たとえば、図7に示されるとおり、三角形に形成したグラフィック・オブジェクト410は、近づきつつある交差道路が通行権を有する旨を意味することができる。グラフィック・オブジェクト410は、前述した深度キューを保存する態様で表示されるべきである。特に、その種のオブジェクト410を、透視法的に正しく奥行きを縮めて示すことが望ましい。図7のグラフィック・オブジェクト410は、仮想ケーブルの経路に対して垂直に位置決めされた三角形として示されている。したがって、(観察者からの距離増加に起因して)透視法的に高さが縮められることに加えて、その種の三角形は、それらの幅についても(観察者が仮想ケーブルの遠い部分を見る角度の増加に起因して)透視法的に縮められる。この説明において、仮想ケーブルという表現は、その実際の形状によらず、またはそれが1を超える数のラインから構成されるか否かによらず、これらの形式のナビゲーション物体もしくはそのほかの代替形式のいずれかを参照することが意図されている。
4. 仮想ケーブルの3次元特性
観察者が眺めている環境に重畳される画像が、静止している観察者もしくは移動している観察者に環境の増大として見えるようにするため−−すなわち、その種の環境の統合された部分として知覚されるため−−画像を、3次元として見せかけなければならない。われわれの仮想ケーブルは、それがボリューム表示されることから、実際に3次元として現れる。このことは、仮想ケーブルが3次元の実世界の何らかのボリューム内に存在するように見せる態様で表示されることを意味するが、実際には『仮想的な光学画像』としてのみ仮想ケーブルがそのような形で存在する。
知覚される画像の3次元性は、その種の画像内に存在するいわゆる深度キューの数ならびにタイプ、およびその種のキューの忠実度に依存する。ここで開示している装置は、われわれの仮想ケーブルに充分な数およびタイプの深度キューを吹き込み、かつ実際にそれを道路に沿って実際に延びているように知覚させる充分な忠実度を吹き込む。
実際、3次元の知覚が所定の状況において達成される程度は、画像の実在性についての人間の知覚に対する特定のキューの影響が各人ごとに大きく変動することから、定量化することが困難である。したがって、好都合なことにいくぶん完全に及ばない−−ここで述べている光学手段を含むほとんどの従来的光学手段によって生成できる−−画像さえもケーブルが実在しているという知覚をもたらすに充分すぎることがあり得る。
この実施態様は、特に、以下に述べる深度キューを具体化する。仮想ケーブルを、それにこれらの深度キューを吹き込む態様で表示する装置については後のセクションで説明する。具体化が希望されると見られるほかの深度キューについても、開示しているこの実施態様の中には具体化されていないが、後のセクションで説明している。
この実施態様の中で具体化されているキューは、次のとおりである。
遠近調節:これは、運転者の目のレンズが仮想ケーブルの異なる部分に焦点を当てるときの焦点距離における変化の誘導であり、焦点距離の変化は、運転者からその部分までの知覚距離の関数となる。このキューは、この実施態様内に与えられているが、仮想ケーブルに沿ったより遠くの距離においては、このキューがほとんど影響しない。この深度キューは、ボリューム表示に内在する。
輻輳:運転者の目のレンズが仮想ケーブルの異なる部分に焦点を当てるときのそれらの内転および外転の誘導であり、運転者からその部分までの知覚距離の関数となる。この深度キューは、ボリューム表示に内在する。
両眼視差:これは、運転者の左右の目による仮想ケーブルの見え方の差であり、立体視をもたらす。図5A〜Bは、運転者の左右の目に見える仮想ケーブルVCの位置の例を示している。この深度キューは、ボリューム表示に内在する。
運動視差:これは、周りを取り囲む風景と相対的な運転者の動きに応答した仮想ケーブルの見え方の変化である。この種の動きは、運転者の頭の位置における小さい変化を含むことがある。運転者が、一定方向を凝視したままその頭を左右もしくは上下に動かした場合に、運転者のより近くに現れる物体の部分は、より遠くに現れる物体の部分より、観察者の視野の中でより大きな距離を動く。運転者の頭が前方もしくは後方に動く場合には、運転者のより近くに現れる物体の部分の角サイズが、その観察者の視野の中でより遠くに現れる物体の部分の角サイズより急激に変化する。
頭の動きが表示装置の『アイ・ボックス』内に制限されるとき、この深度キューは、ボリューム表示に内在する。
観察者の連続的な動きの結果として認知可能な運動視差は、しばしば『視界フロー』と呼ばれる。視界フロー深度キューは、非常に強く、脳の認識活動をほとんどもしくはまったく伴うことなく経験可能である。運転者が、仮想ケーブル装置とともに乗り物の通常の速度で移動経路に沿って移動する場合、この視界フローは、非常に明白なものとなり得る。周囲を取り囲む風景の視界フローと仮想ケーブルの視界フローの一貫性は、仮想ケーブルがその種の風景に対して固定された位置にあるという運転者の知覚の精度をはじめ、知覚される仮想ケーブルの3次元性の程度に重要である。周囲を取り囲む風景の視界フローと仮想ケーブルの視界フローの一貫性は、仮想ケーブルの、必要な知覚される位置の再計算を頻繁に(毎秒約30回)行うことによって維持される。
直線透視:これは、主として仮想ケーブルの部分の、知覚される角度的な太さにおける、運転者からのその種の部分までの知覚される距離の関数となる変化であり、周囲を取り囲む風景の直線透視と一貫している。仮想ケーブルが、線引きされた経路と実質的に平行に見えることが望ましい。これは、その種の経路からの仮想ケーブルの距離の直線透視が、周囲を取り囲む風景の直線透視と実質的に矛盾がないという追加の要件をもたらす。視界フローと同様に、直線透視深度キューは、われわれのボリューム表示に内在する特徴ではなく、したがって視界フローに一致させて頻繁に再計算されなければならない。
網膜像サイズ:これは、人間の脳による既知サイズの物体の相対的画像サイズの比較である。仮想ケーブルの場合においては、それをしばらく観察した後に運転者が、その知覚された太さと同時に観察されたほかの既知サイズの物体の下意識の比較に基づいて仮想ケーブルの特定部分の距離を知覚することが可能になる。前述したケーブルのギャップ間の既知の間隔もまた、周囲を取り囲む風景内の物体(たとえば、道路、人、ほかの乗り物等)のサイズと下意識の比較が可能である。この深度キューは、直線透視と緊密に関連しており、したがってこのための特別な処理または計算は必要とされない。
暗化:これは、運転者からの知覚距離の関数として知覚される仮想ケーブルの明暗度の低下である。この深度キューは、われわれのボリューム表示に内在する特徴ではない。これは、表示デバイスのほかのコンポーネントとともに以下に述べる(レーザ)プロジェクタによって、コンピュータにより(ほかの計算される深度キューとともに)行われる頻繁な(たとえば、毎秒30回)の再計算を基礎として生成される。
ここで気付くことになろうが、ナビゲーション物体の知覚される品質−−控えめであること、直接性、輝度、およびそのほかの属性を含む−−は、以下のファクタに依存する:すなわち、周囲を取り囲む風景の視界フローとナビゲーション・ケーブルの視界フローの一貫性;および深度キューの相互の一貫性である。概して言えば、特定の深度キューが完全に欠如している方が、ほかの深度キューとの矛盾が示されるより良好である。これは、人間の脳にとって、欠落している深度キューの存在を『想像』する方が矛盾を調和させるより一般に混乱されないことによる。たとえば、視界フローおよび透視深度キューだけを伴う深度の印象を納得させる2次元スクリーンを生成することができる。しかしながら、その種の画像を『立体的に』(その種のスクリーンを2つ使用して)示す場合に、知覚される立体深度が透視深度キューと矛盾している態様でそれが行われると、(多くの観察者にとって)それが悲惨で煩わしい効果をもたらすことになる。
4.1. ヘッドアップ・ボリューム表示において示される深度キューについての注意
われわれのヘッドアップ・ボリューム表示デバイスにおいては、仮想ケーブルが、前述したとおりに透視法に従ってレンダリングされる一方、同時に多くの深度キューの存在を伴って3次元態様で示される。表示デバイスは、レーザ・ビームをストローク(ベクトル・グラフィックとしても知られる)モードで用いて内部投影スクリーン上にケーブルの画像を『描画』し、結果として得られる画像を拡大し、乗り物のウインドシールドから運転者の目に向けて反射させることによって機能する。したがって、運転者によって観察される仮想光学画像は、ウインドシールドを通して見える実在する景色の上に重ねられて見える。容積的特性は、一言で言えば、その投影スクリーンとデバイスの直視光学系の間の距離の連続的な(各スキャン周期の間)調整を通じて達成する。この作用は、直視光学系の縦方向に大きい拡大率に起因して、レーザ・ビーム・スポットの虚像が、各スキャン周期の間、運転者に対するその距離を、通常約10〜20メートルから最大で数百メートルにわたって連続的に変化させる。直視光学系は、運転者が両眼を使って同一の仮想光学画像を見ることを可能にする。知覚される仮想ケーブルは、スキャン周期を通じたレーザ・スポットの虚像の全段階の合計と考えることが可能であり、人間の視覚の持続性からラインとして知覚される。スキャン周期の間のいずれかの瞬間におけるレーザ・ビーム・スポットの虚像に対応する仮想ケーブル上の各位置は、観察者に向けて実質的に円錐の光を放出する。観察者の目に当たるとき、所定のスポットからの光が発散するが、この発散の程度は、観察者から空間内の所定のスポットの虚像までの光学距離に関係し、したがって仮想ケーブルに沿って変化する。言い換えると、仮想ケーブルに沿った異なる位置から到来する光の波面は、それぞれの位置までの距離に等しい半径を伴う異なる曲率を有する。
この変化する発散の1つの結果が視差−−観察者の目が表示デバイスの射出瞳を横切って動くときに画像の遠近感がシフトする現象−−である。視差は、観察者の2つの目のそれぞれがデバイスの射出瞳内の異なる位置にあることから立体視(すなわち、立体的な見え方)をもたらすだけでなく、『頭の運動視差』ももたらす−−デバイスの射出瞳内において観察者が頭を(左右、上下、またはそのほかの方向に)動かすとき仮想ケーブルの見え方がわずかに変化する。また、ほかの3次元表示、すなわちそれぞれの目およびそれぞれの新しい視点について画像を別々に計算する表示とは異なり、観察者の頭の動きと対応する仮想ケーブルの外観における変化の間に本質的なタイムラグ(つまり遅延)が存在しない。
この変化する発散のさらに別の直接的な結果は、仮想ケーブルの焦点がその長さの見かけの距離に伴って変化することである。図14Aおよび図14Bにこれを例示する。教示上の目的のため、図示されている効果は、観察者が肉眼で見るときの効果に比べて誇張されている。観察者が実際に経験するこの焦点変化の効果の合理的な描写は、大口径レンズを備えた一眼レフカメラのビューファインダを通して見ることによって見える効果である。目(もしくはカメラ)の焦点が近い距離、たとえば15メートルに合わされているとき、観察者から約15メートル離れた実在する景色の要素(ここでは木)とともに約15メートル離れて表示される仮想ケーブルVCの部分を含む近くの空間のボリューム318aが、はっきりと(シャープに)レンダリングされる。しかしながら、観察者から約50メートルもしくはそれ以上に離れた実在する景色の要素とともに約50メートルもしくはそれ以上に離れて表示される仮想ケーブルVCの部分を含む離れた空間のボリューム318bは、焦点外となる(ぼやける)。この状況が図14Aに図示されている。図14Bは、逆の状況を示しており、観察者の目(またはカメラ)の焦点が遠距離、たとえば50メートルもしくはそれを超える距離に合わされている。この場合には、仮想ケーブルVCの近い部分をはじめ近い景色がぼやけてレンダリングされ、仮想ケーブルの遠い部分を含めて、想像上の『遠近境界』110を越えた遠くの物体がシャープにレンダリングされる。
ここで注意が必要であるが、立体効果、頭の運動視差、および仮想ケーブルに沿った焦点の変化がすべて同一の現象(すなわち、変化する光の発散)の直接顕示であることから、これら3つは、あらゆる点において互いに一貫性があり、それもまた仮想ケーブルについての実在性の強い錯覚を増強している。
5. 全般的システム説明
図15B〜15Eは、図15Aに示されるとおりに配列されると、本発明の原理を具体化するためのシステムのすべての主要なコンポーネントを示す概略図を構成する。これらからわかるように、このシステムは、3つの主要なコンポーネント:オンボード装置151、基地局システム・コンポーネント191、および乗り物外にある運転者の装置171を含む。破線のボックスは、コンポーネントのグループ、たとえばオンボード装置151または基地局システム・オペレータ・インターフェース182を区分している。本発明の特定の実施態様もしくは使用は、基地局システム・コンポーネントおよび/または乗り物外にある運転者の装置を含まないか、かつ/または必要としないことがある。基地局システム・コンポーネントおよび乗り物外にある運転者の装置の使用もしくは包含は、オンボード装置の機能を強化もしくは簡単化することがあるが、特定の具体化においては、技術的あるいは商業上の理由からその種の強化もしくは簡単化を見合わすと望ましいことがある。その種の場合においては、オンボード装置151のオンボード通信コンポーネント154(後述)が、それらの機能が基地局システム装置および/または乗り物外にある運転者の装置との通信手段を提供することであるため、不要になることがある。
ボックスの間の太い実線は、ボックスによって表現されるコンポーネントの間に何らかの形式のローカル通信が存在することを示す。破線は、装置セットの間、たとえばオンボード装置151と基地局システム装置191の間における何らかのリモート通信を示す。当然のことながらその種の通信リンクは、通信装置が存在するか、かつ/または使用される場合にのみ必要になる。
またここで気付くことになろうが、基地局システム装置および/または乗り物外にある運転者の装置の特定のコンポーネントが、ほかのその種のコンポーネントの存在を要求し、2次的なコンポーネント間の相互依存を作ることもある。いくつかのその種の依存について、ここで明示的に考察されているものもあるが、それらの具体化の態様は、当業者の知識の範囲内である。
5.1. オンボード装置
図15B〜Cに示されているとおり、オンボード装置151の主要コンポーネントは、仮想ケーブル表示デバイス804または図18Aに示されるようにその種のデバイスのアレイが採用される場合には複数のデバイス804;コンバイナ760;オンボード通信154;オンボード・コンピュータ152;運転者のコントロールまたはインターフェース・デバイス158;およびセンサ156である。
オンボード装置151は、オンボード装置の多くのコンポーネントのソフトウエア・コントロール動作とともに、ここでは『仮想ケーブル装置』と呼ばれる。仮想ケーブル装置が動作するために必要なソフトウエアは、オンボード・コンピュータ152内および/または特定のコンポーネントのコントローラ内において実行することができる。仮想ケーブル装置の動作に必要なすべてのソフトウエアは、当業者により、標準的なソフトウエア開発技術を使用して開発することができる。
5.1.1. 仮想ケーブル表示デバイスおよびコンバイナ
仮想ケーブル表示デバイス804およびコンバイナ760は、仮想ケーブルを生成し、運転者に対して表示するために使用される。仮想ケーブルの画像を構成する総合的な光線の集合から2つの例示的な光線RおよびRが示されており、表示デバイス804から出てコンバイナ760で反射し、運転者150の目に向かっている。
5.1.2. オンボード通信
オンボード通信154は、基地局システム装置191および/または乗り物外にある運転者の装置171との通信のための装置を包含する。基地局システム装置との通信において、オンボード通信154は、公衆電話網および/またはインターネットに対するワイヤレス通信を構築することができる。オンボード装置が非オンボード装置との直接通信能力を有していないときには、DVD、CD−ROM、フラッシュ・メモリその他の携帯ストレージ・メディア等のデータ『通信』のための物理的手段、すなわちデータ転送を使用することも可能である。
5.1.3. オンボード・コンピュータ
オンボード・コンピュータ152は、ここで述べているコンピュータ152の機能を具体化するソフトウエアを実行することのできる多くの周知の市販コンピュータのいずれとすることも可能である。望ましい場合には、それらの機能を実行に1を超える数のコンピュータを使用することも可能であり、それらの機能の多くは並列実行が可能である。
オンボード・コンピュータ152の主要な機能を次にリストする。
●コンピュータ・ハードディスク等の持続性データ・ストレージに対する、選択された絶対3次元空間で表される利用可能な行き先および/または関心ポイントの位置データ、たとえば地理的エリアについて運転者によって選択された特定の住宅、ビジネス、学校、公園その他の住所等のストアおよび検索。
●持続性データ・ストレージに対する、特定の地理的エリアについて運転者によって選択された利用可能な経路の1ないしは複数の中心線に関連する次のデータのストアおよび検索:選択された絶対3次元空間で表される経路(1ないしは複数)の中心線の位置データ、交通指示データ、最高速度データ、およびその乗り物に適用できる乗り物規制データ。
●持続性データ・ストレージに対するシステム構成データのストアおよび検索:仮想ケーブル表示デバイス804の物理的な構成属性、仮想ケーブルの外観上の側面に関係する運転者の好み、代替経路の利用可能性および/または特定の関心ポイントへの近接を運転者に知らせるか、知らせないかについての評価基準に関係する運転者の好み、構成スイッチと特定システム構成の関係付け等。
●運転者による行き先および/または関心ポイントまたは特定経路の最初の指定または大きな変更を容易にする人間インターフェースのコントロール。この種の活動は、オンボード音声インターフェース158b、タッチ・スクリーンを伴うLCDフラット−パネル表示および/またはポインティング・デバイスを伴うキーボード等のオンボード表示158c、あるいはノートブック・コンピュータ、PDA、携帯電話、もしくは類似の携帯装置等のオンボード携帯デバイス158dを伴うことがある。
●予測される最適経路、もしくはいくつかの代替経路の、所望の行き先、経路上の関心ポイント、最短移動時間、または最短移動距離等の運転者指定評価基準に基づく選択。
●乗り物位置センサ156a、乗り物方位センサ156b、および周囲光センサ156cから獲得されるデータの収集および処理。
●以下に述べる投影スクリーン602の動きの計算。
●以下に述べるスキャニング・レーザ・ビーム550のXおよびYの動きの計算。
●以下に述べるスキャニング・レーザ・ビーム550の焦点、プロファイル、およびそのほかの特性をはじめ、その種の特性の変化の方向ならびに程度の計算。
●以下に述べるスキャニング・レーザ・ビーム550の輝度をはじめ、輝度における変化の方向ならびに程度の計算。
5.1.4. センサ
ここでは、すべてのセンサについて、特定の技術的設計に付いてではなく、それらに求められる機能について説明する。
5.1.4.1. 乗り物位置センサ156a
乗り物位置センサ156aは、特定の瞬間における乗り物の選択された固定点の位置の測定値を、いずれかの選択された絶対3次元空間で提供する。乗り物内側の運転者の身体の位置が乗り物に対して実質的に固定されていることから、その種の選択された乗り物の固定点は、運転者の視点の近似的な位置に対応させることができる(以下に述べる視点731等)。乗り物に相対的なその種の視点の位置は運転者によって異なるが、われわれは、その種の相違は非常に小さく、実際上、ほとんど重要でないと考えている。
5.1.4.2. 乗り物方位センサ156b
乗り物方位センサ156bは、特定の瞬間における乗り物の方位の測定値を、いずれかの選択された絶対3次元空間で提供する。
5.1.4.3. 周囲光センサ156c
周囲光センサ156cは、仮想ケーブルが位置するように見える乗り物正面および上方の周囲光の強度を測定する。この情報は、仮想ケーブルを見ることができるが、目を眩ますことのない態様でその強度を、自動車の運転者によって経験される周囲光状態のもっとも一般的な範囲の下に調整するために使用される。
5.1.4.4. 乗り物操作センサ156d
乗り物操作センサ156dは、運転者によってブレーキ・ペダルおよびアクセル・ペダルに印加された圧力がある場合に、その測定値を提供する。ブレーキ・ペダル圧力がプリセット・レベルを超える場合には、運転者がブレーキ・ペダルを放すまで仮想ケーブルの輝度が下げられる。しかし、圧力がさらに別のレベルまで増加すると、運転者が再びアクセル・ペダルを踏むまで仮想ケーブルの表示が中止される。これは、運転者が衝突回避もしくはそのほかの運転者の最大の注意が必要とされる類似の操作に専念する傾向にあるとき、仮想ケーブルによってもたらされる可能性のある注意散漫を抑え、または排除するべく設計された安全上の特徴である。この安全機能は、衝突回避システムにおける仮想ケーブルの使用に適用可能でない。
5.1.4.5. センサ・データに対する応答の中で実行される計算に関する注意
この種の計算の整理統合および最適化できる多くの方法がこの分野では周知である。たとえば、いずれかの3次元座標空間内における仮想ケーブルの形状の実際の計算は、将来の計算に使用される何らかの中間のストア済み結果を用いれば、不要にできる。また、乗り物の位置および方位の情報を、所望の経路の中心線の位置および仮想ケーブル表示デバイス804の属性と結合し、仮想ケーブル表示デバイス804のコントローラのための必要な操作データの直接計算をもたらすアルゴリズムを工夫することも好ましい。ここで言う『操作データ』は、エンコード済みのインストラクションおよび/またはコンピュータ152によって生成される数値データのセット(通常、連続的な『データ・ストリーム』として)であり、『操作』、すなわちその種のインストラクションおよび/または数値データに従って所定のデバイスに指示を与えるべく設計されているものを意味する。
5.1.5. ユーザ・コントロール
ユーザ(運転者、搭乗者等)コントロール158は、オンボード機械的コントロール158a、オンボード音声インターフェース158b、オンボード表示158c、オンボード携帯デバイス158d、およびオンボード携帯ストレージ・メディア・リーダ158eを含む。仮想ケーブル装置の機能の提供にこれらのコントロールの特定のサブセットだけが必要になることもあり、それは、ここで述べている機能もしくはそのほかの機能のいずれを所定の実施態様内において具体化するかによる。
5.2. 基地局システム装置
オンボード装置151および/または運転者自身もしくは搭乗者等のそのほかのユーザは、基地局システム装置191、基地局システム・ソフトウエア、および基地局システム・オペレータ190を包含する基地局システムとインタラクションすることができる。基地局システム内には、基地局システム装置191および基地局システム・オペレータ190のための複数の場所が考えられる。参照番号186は、基地局システム装置191の複数の場所の間におけるワイド・エリア通信リンクを示す。
基地局システム装置191は、基地局システム・オペレータのインターフェース182、基地局システム・コンピュータまたはより高い可能性として複数のコンピュータ191b、および基地局システム通信191cを包含する。
基地局システム・コンピュータ191bは、オンボード・コンピュータ152の説明に関連して前述した位置データをストアし、必要に応じてオンボード・コンピュータ152に引き渡す。この機能の特定の利点は、運転者の介入を伴うことなく前述したデータを最新に維持できることである。別の利点は、オンボード・コンピュータの持続性ストレージの必要容量を縮小できることである。
運転者150は、行き先および/または関心ポイントを基地局システム・オペレータ190に対して口頭で指定することができる。好都合なことにこの口頭の指定は、オンボード・コンピュータ152とともにオンボード音声インターフェース158bを使用して実用上可能になるより、一層一般的な曖昧な用語を使用し、より不明瞭に発せられたことばで行うことが可能である。
運転者150は、基地局システム・コンピュータ191bからオンボード・コンピュータ152への必要なデータのダウンロードといった仮想ケーブル装置によって必要とされる特定の操作および/または構成タスクの実行を基地局システムに要求することができる。これは、基地局システム・オペレータ190に対してその種の要求が口頭で指定される場合に運転者150は、その種の操作および/または構成タスクを実行するためのほかの手段を使用する上で求められる特別なスキルまたはトレーニングを必要としないことから利点があると見られる。
仮想ケーブル装置の構成および/または運転者の好みデータは、基地局システム・コンピュータ191b内にストアし、その後、運転者150がそれを要求したときにオンボード・コンピュータ152へダウンロードすることが可能である。その種の機能は、たとえば借用もしくはフリートから乗り物が与えられることによって乗り物を頻繁に変更する人々にとって大いに利便性があると見られる。
5.3. 乗り物外にあるユーザ装置
乗り物外のユーザ環境は、乗り物外ユーザ装置171および必要なソフトウエアを包含する。一方、乗り物外ユーザ装置171は、ユーザ・インターフェース180、乗り物外ユーザ・コンピュータ171b、乗り物外携帯ストレージ・メディア・ライタ171c、および乗り物外通信171dを含む。
乗り物外ユーザ・インターフェース180は、たとえばキーボードおよびポインティング・デバイスを伴うコンピュータ・モニタ、コンピュータ音声インターフェース、および電話を含む。ユーザ・インターフェース180は、基地局システム・オペレータ190との通信、および乗り物外ユーザ・コンピュータ171b内において実行されるソフトウエアの操作のために乗り物外に位置するユーザ170によって使用され、ユーザのサポートならびにここで述べているそのほかの機能を容易にするべく設計されている。
乗り物外ユーザ・コンピュータ171bは、必要なソフトウエアを実行する。
乗り物外携帯ストレージ・メディア・ライタ171cは、オンボード携帯ストレージ・メディア・リーダ158eによって読み出すことの可能なタイプの携帯ストレージ・メディアに対して書き込みを行うことができる。
乗り物外通信171dは、オンボード装置151との通信を容易にする。これは、公衆電話網および/またはインターネット、またはオンボード携帯ストレージ・メディア・リーダ158eによって読み出すことのできる携帯ストレージ・メディアに対する通信を含むことができる。またこれは、基地局システム装置191との通信も容易にする。これには、公衆電話網および/またはインターネットへの接続を含めることができる。さらにこれは、システムのユーザ170と基地局システム・オペレータ190の間の通信も容易にする。参照番号184は、乗り物外ユーザ装置171と基地局システム装置191の間におけるワイド・エリア通信リンクを示す。
仮想ケーブル装置と上記の乗り物外ユーザ装置を結合することによって、選択された絶対3次元空間を用いて表される特定の地理的エリアに関する利用可能な行き先および/または関心ポイントの位置データ、たとえば住宅、ビジネス、学校、公園その他の住所等をはじめ、同一の選択された絶対3次元空間を用いて表される利用可能な経路の1ないしは複数の中心線に関係する位置データの検索機能を提供することが可能になる。この検索は、たとえば任意の適切なインターネット−ベースのソースから実行可能であり、続いて乗り物外ユーザ・コンピュータ171b内にストア可能であり、さらにその後、必要に応じてオンボード・コンピュータ152に引き渡すことができる。
今ここで述べたシステムは、多くの派生効果を有する。たとえばこれは、システムの使用を容易にする。実際、仮想ケーブルにより不慣れな経路を不慣れな行き先まで追随することは、運転者にとって慣れている経路を慣れている行き先まで追随する便利さ、もしくはその程度の煩わしさでしかない。これは、より多くの潜在的な行き先、たとえばレストラン、ストア、旅行場所その他を運転者の容易に届く範囲内に置く。一方これは、その種の行き先のための経路ガイダンス情報の需要を生み出すことになる。その種の情報は、われわれの方法と統合され、運転者が自ら行き先情報を指定しなければならない煩わしさから運転者を解放する態様で引き渡すことが可能である。また、種々の関心ポイントに関するアドバイスを、対応する経路ガイダンス情報とともに関心を有している運転者に引き渡すことに関するビジネス機会も存在する。その種の情報は、インターネット上で入手することができる。関心ポイント情報は、インターネット公開で使用されている任意の方法で示すことが可能である。経路ガイダンス情報は、いずれかの標準的な方法でエンコードし、ダウンロード用に供することができる。これは、今日、特定関心ポイントを記述しているウェブ・サイト上の地図リンクと概念的に類似しているが、むしろこの場合は、エンコードされた経路ガイダンス情報を、関心を有する運転者がダウンロードする。それに加えてユーザ170は、少なくとも時折、基地局システム・オペレータ191と話すよりは、インターネットのブラウジングもしくは検索によって様々な関心ポイントを学習する方を好むことがある。
6. ヘッドアップ・ボリューム表示
6.1. 全般
本発明の実施態様の原理を具体化する例示的なシステムは、多くの新しい、それぞれがそれ自体で発明性のある特徴を有するヘッドアップ・ボリューム表示デバイスを使用して仮想ケーブルの仮想光学画像を運転者に示し、その種の画像は、知覚される高い品質および輝度を有し、かついくつかの主要な、立体表示、運動視差(有意なタイムラグを伴わない)、輻輳、焦点、透視、および暗化といった深度キューが吹き込まれており、それらすべてのキューが互いに一貫性を有している。表示デバイスの例示的な実施態様は、ピクセル化されていない、滑らかでシャープ、かつ明るいライン(もしくはいくつかのライン)のボリューム移動画像を生成するべく特別に設計されている。任意の時点において、表示されるラインは、ラインの長さに沿って漸進的に変化する太さを有することが可能かつ非常に細くなることが可能であり、長さに沿って変化する輝度を持つことが可能であり、かつ運転者の正面の大きな空間ボリュームを通じ、3次元で『ウィービング』する経路を追随することが可能である。この種の経路は、いくつかの『鋭い』ターンを含めてその種の形状の『複雑性』が合理的(たとえば、約5より少ない鋭いターン数を有する、いくつかの広いターンを有する、あるいは約20より少ない『上り』もしくは『下り』を有する)である限り、任意に形状設定され、位置決めされることが可能である。実際上の意味において、近づいている相当数の鋭いターンを示すほど前方まで仮想ケーブルを表示する必要がないことから、表示デバイスのこの特性は、自動車における道路ナビゲーションのための仮想ケーブルの表示に特によく適している。
表示デバイスの例示的実施態様は、その直視光学系として複合顕微鏡タイプの光学系(すなわち、2つの別々のレンズ群、リレー・レンズ群(『対物レンズ』)および大型の目側レンズ群(『接眼レンズ』)を使用するシステム)を採用する。この光学系は、例示的に『双眼』であり、言い換えるとこのデバイスは、頭の動きのためのいくらかの余裕を持って運転者の両方の目に適応する充分な大きさの単一の射出瞳を有する。目側レンズ群を離れた光は、例示的に、ウインドシールドもしくはそれに代えて別体の『コンバイナ』上で運転者に向けて反射され、その結果として運転者は、外の風景または景色の上に重ねられた、乗り物から遠くに(たとえば数百メートル)延びていくように見えるケーブルの仮想3次元画像を見ることになる。1次画像(すなわち、直視光学系を介してみたときにケーブルの虚像になる画像)は、内部投影スクリーン上においてレーザ・ビームを迅速にスキャンすることによって作成される実ボリューム像である。例示的な実施態様においてはこの1次画像が、反復的に、通常は毎秒少なくとも30回にわたり、ベクトル・グラフィック・モード、または『ストローク』モードで『描画』される。各サイクル内においては、レーザ・ビームが投影スクリーンの表面を横切って動かされる間に、直視光学系と相対的なスクリーンの位置が、光軸に沿って連続的に、かつ正確に、スピーカに似たデバイスによって調整される。この連続調整は、スクリーン表面上のレーザ・ビーム・スポットのスキャン動作と協調して行われ、調整動作は、特に、描画されている特定の画像に調和される。両方の動作、および人間の視覚の持続性が、この1次画像が容積的になる(より詳細に述べれば、完全に3次元で曲がることのできるライン)という結果をもたらす。この1次画像の深度(すなわち、光軸方向に沿った延び)は、例示的に1インチ未満とするが、例示的に使用する直視光学系の極めて高い縦方向の拡大率に起因して、結果としてもたらされる最終的な仮想光学画像は、例示的に述べるが、運転者の10メートル程度前方からはるか数百メートルまで延びることができる。投影スクリーン上に投影されるレーザ・スポットのサイズ、プロファイル、および輝度は、本発明において、各スキャン・サイクル内の1次画像が描画されている間にスクリーン表面上のレーザ・ビーム・スポットのスキャニング動作と協調してレーザ・ビームの連続的な再焦点設定を行うことを通じて連続的に変えられる;これは、結果として正しい透視法に適合する見かけの太さを有する仮想ケーブルをもたらす。
いくつかの定義
以下に示す定義の目的が、仮想ケーブルが『実在する』(すなわち物質的な)物体でないという事実とまったく関係ないことに注意することが重要である。実際、観察者の正面に懸架されている実在するスチール・ケーブルの特定の幾何学的特性および視覚的特性を述べようとしたとき、以下に示す定義がまさに有用である。むしろ以下の定義の目的は、3次元物体の太さ、長さ、方向、位置、および輝度を記述するときの曖昧性を避けるべく、これらの単語のそれぞれの、2つの、極めて異なるが等しく一般に使用されている意味の間を区別することにある。これらの定義は、その後に続くこの文書のすべての部分に適用されることになる。
まず、仮想ケーブルに関係しない例を使用して、これらの単語のそれぞれの2つの異なる意味を説明する。
ともに一様に赤熱している2つの球形のビー玉MおよびMを考える。ビー玉Mは直径1インチであり、観察者Oの100インチ北に、観察者の目のレベルにあり、1ルーメンの光を発している。ビー玉Mは、直径2インチであり、観察者Oの200インチ北に、その中心を観察者の目のレベルより2.1インチ高い位置に置き、4ルーメンの光を発している。
一方では、これらのビー玉は3次元空間内に配置されており、その『離隔距離』は互いから約100インチであり、その1つは、他方より観察者Oから2倍離れており、『サイズ』が2倍、かつ『光出力』(任意方向における光度として理解される)が4倍である。しかしながら、単位表面当たりの『輝度』(ルミナンスとして理解される)はそれら両方について同一である。ここでは『離隔距離』、『サイズ』、『光出力』、および『輝度』という表現は、第1の意味と呼ぶ意味において使用されている。
これに対して観察者Oは、透視図の中で同一のシーンを見ており、したがって観察者は、両方のビー玉MおよびMが、一方のビー玉(M)が他方より遠くに離れて現れているにもかかわらず、同一の見かけの『サイズ』(それぞれが、角度が約0.57度の見かけの角直径を有する)であり、両方が同一の見かけの『光出力』および同一の表面『輝度』で赤熱していることをより容易に気付くことができる。また、この観察者Oに対して、それらは互いに非常に『近づいて』見える(ビー玉Mはビー玉Mのすぐ『上』にあり、ほとんど『離隔距離』がない)。ここでは、『離隔距離』、『近づく』、『上』、『サイズ』、および『光出力』という表現は、第2の意味と呼ぶ意味において使用されている。
上に述べた『サイズ』(または『離隔距離』)という表現の2つの一般的な意味のうち、いずれが使用されているかについて明確にするための標準的な方法は、手前の意味における『サイズ』を『実際の』または『線形』サイズと呼び、たとえばそれをインチで測定することであり、後の意味における『サイズ』を『見かけの』または『角』サイズと呼び、たとえばそれを角度で測定することである。シーンの量的な記述が求められる場合には、『実際の』値を参照するときに3次元直角座標系を採用し、『見かけの』値を参照するときにOを原点とする球座標系を採用することが標準的な方法になる。
しかしながら、ここでの場合について言えば、その種の球座標系を使用して『見かけの』外観を記述することは具合がよくない。
したがって球面座標系の使用に代えて、ここではわれわれ独自の『カスタム』座標系を使用することができる。それにより、第3の意味における仮想物体の太さ、長さ、方向、および輝度の非常に単純な定義が可能になり、この第3の意味は、上記の第2の意味におけるこれらの表現に代わる単純、正確、かつ適切な代用となる。
図11Bは、われわれのカスタム座標系を組み立てる方法および仮想ケーブルをそれに関連付ける方法を例示している。後述する表示デバイスの視野は小さく、一般に20度を超えない。これは透視投影法を使用して、無視できるひずみを伴って、その視野の内側で観察者に見えるすべての空間を、透視平面としても知られる平坦な視野平面130上に投影することを可能にする。透視投影法には、ある程度の本質的な角度ならびに面積のひずみが存在する−−たとえば、仮説的な球状ビー玉の投影画像は、そのビー玉がわれわれの視野の縁の近くにあるとき、わずかに楕円になるが、このことは、われわれの今後の説明にまったく影響しない。視野平面130は、乗り物800の正面に、点731から100メートルのところに位置決めされており、垂直、かつ乗り物800のボディの縦軸598と直交している。またここでは、原点(0,0)が点731の真正面にあり、X軸が右に向かって水平に延び、Y軸が上に向かって垂直に延び、(0,1)および(1,0)がそれぞれ(0,0)から各1インチを示すローカルの2次元平面直交座標系を視野平面130内に選択する。視野内の空間内の所定の点Aについて、点731を通る直線に沿ってそれを、その直線と視野平面130が交差する点Aiに投影することができる。このとき、点Aiは点Aの投影『画像』であると言う。
所定の点Aについてのわれわれのカスタム座標は、(x,y,r)となり、それにおいてxおよびyは、上記の2次元平面直交座標系における視野平面130上の点Aの投影画像Aの座標であり、r(半径)は、点731からAまでのインチで表した距離である。
われわれのカスタム座標系の定義が完了したので、ここで第3の意味における『サイズ』を定義することができる:視野内の所定の物体のサイズは、視野平面130上におけるその物体の投影画像のサイズを意味し、後者の『サイズ』は、通常の感覚における意味を有する(すなわち、標準的な2次元ユークリッド平面上において通常に定義されるとおりのサイズ;われわれの直角座標系においてはインチで表される)。同一の原理が、用語『太さ』、『離隔距離』、『距離』、『長さ』、および『面積』の第3の意味の定義に適用できる。
同様に、与えられた任意の2つの線の間における『角度』の第3の意味についても、それらの線を視野平面130上に投影した投影画像の間の角度として定義される。
またここで、『上方』等(『左』、『近い』等)の相対的な位置に用いる用語の第3の意味も定義する:視野平面130上におけるAの投影画像が標準的な感覚においてBの投影画像より上にあれば、点AはBの『上方』である。
所定の明るい物体の『ルミナンス』(または表面『輝度』)の第3の意味は、視野平面130の表面が、点731から見たときにその所定の物体の見かけのルミナンスと整合するために、点731に向かって一点ごとに有していなければならないことになる(標準的な)ルミナンスとして定義される。言い換えると、所定の物体から到来するすべての光が、そこからではなくその物体の投影画像から到来すると考えた場合に、点731に向かうその投影画像の標準的な態様で意味されるルミナンスは、ここで第3の意味におけるその所定の物体のルミナンスが意味するものとなる。ここで注意を要するが、この意味において、良好に画定された表面を持たない物体、たとえば雲または赤熱している霧が、良好に定義されたルミナンスを持つことになる。また、あらゆる方向に一様に発光している任意の大きな一様な物体について、第1の意味のルミナンスと第3の意味のルミナンスが常に同一となることにも注意を要する。第3の意味におけるルミナンスは、標準のルミナンスと同じ単位、たとえば単位平方フィート当たりのカンデラで測定される。
『光出力』は、標準的な光度計測法の用語ではないが、われわれは、その2つの意味に言及する前にすでに述べた。ここで、『光出力』の第3の意味を次のように定義する:表示デバイスの視野内の所定の明るい物体について、第3の意味における『光出力』は、投影画像の表面積にわたるルミナンスの積分として定義される。そのルミナンスは、点731から見たときに、その所定の物体の見かけのルミナンスと整合するために視野平面130の表面が一点ごとに有していなければならないルミナンスである。したがって第3の意味における『光出力』は、カンデラで測定される。
前述した用語の3つの意味における定義が完了したので、以下においては、次の規約を用いる:サイズ、距離、面積、角度、輝度、または位置に関するそれぞれの用語について、それらの用語に『線形定義上の』を前置した場合にはその用語の第1の意味を使用しているものとし、『可視定義上の』を前置した場合にはその用語の第3の意味を使用しているものとする(以下においては、用語の第2の意味を使用することはない)。次はその種の用法の仮説的な例である:『この意味において、仮想ケーブルは200メートルの線形定義上の長さであり、その全長にわたって5インチの線形定義上の太さを有する。またこれは、地平線に対して可視定義上の垂直であり、また道路が直線のわずかな上り坂であることから、仮想ケーブルが短縮され、わずかに5メートルの可視定義上の長さとなっている。』
6.2. 乗り物内における表示デバイスの位置決め
図16Aは、オンボード装置151が取り付けられている乗り物800のダッシュボード・エリアの略図的な垂直縦断面を示している。図16Bは、表示デバイスの上方の光学開口812aのサイズおよびダッシュボード810内における位置を示した乗り物の略図的な斜視図を示している。これらの図は、運転者の位置、表示デバイスのコンバイナとして使用される乗り物のウインドシールド802、およびダッシュボード810の天板の下に配置される表示デバイス804を示している。また図16Aには、表示デバイス804から出る特定の光線が図示されている。それらは『沿軸』光線581(すなわち、表示デバイスの光軸と概略で一致する光線)および表示デバイスの垂直視野の範囲を定める光線592および586である。
表示デバイス804は、その筐体内に完全に収められた形で略図的に示されている。表示デバイス804の光学的射出開口は、筐体の天板表面に位置する。この開口は、例示的に言えば、円形、略円形、または略矩形であり、水平および垂直の両方向における約20度もしくはそれを超える視野の提供に充分な直径を有する。一般的な乗用自動車においては、これが約12インチもしくはそれを超える直径になる。
ダッシュボード810は、天板表面に開口812aを有し、表示デバイス804からウインドシールド802へ向かう光の通過を可能にする。開口812aは、好ましくは光学窓812bによってカバーされる。開口812aおよび光学窓812bは、ともに図16Bにも見ることができる。図示の簡明のため、光学窓812bが、開口812aよりわずかに大きく、かつダッシュボードの天板上に配置された形で示されている。しかしながら、この窓がダッシュボードの天板表面と面一となる態様で取り付け可能なことは理解されるであろう。
光学窓812bは、例示的に深い赤色(すなわち、表示デバイス804からのレーザ光にチューニングされた狭スペクトル・バンドパス・フィルタである)とする。その結果、周囲光、たとえば太陽光のわずかなパーセンテージしか表示デバイス804の内側部分を照明しない。これらの部分は、したがって直接的な観察および反射による観察(ウインドシールド内)から効果的に隠されることになり、より審美的なデバイスがもたらされる。それに加えて、太陽と乗り物の相対的な位置関係がデバイス内への直接太陽光の入射を招く場合には、光学窓812bによる太陽光の波長のほとんどの遮蔽が、それがない場合に集束された太陽光が及ぼす可能性のある表示デバイス804に対する熱損傷の回避を補助する。オプションとして、審美的理由から、開口812aをメッシュまたはマイクロ−ルーバーによって覆うことも可能である。しかしながらこれは、表示デバイスの透明度をいくぶん下げることになる。表示デバイス804の位置は調整可能であり、開口812aは、表示デバイス804によって、そのすべての可能位置において生成されたすべての光に適応する充分な大きさを有する。
異なる運転者が異なる姿勢で座ることから、表示デバイス804の射出瞳の位置を調整して運転者の目の位置に整合させる必要がある。これは、光軸に沿う実質的に上下の方向806a内において表示デバイス804の筐体を移動して反射される射出瞳を水平方向前後に移動する調整手段を提供するとともに、光軸と直交する実質的に前後の方向806b内において表示デバイス804の筐体を移動して反射される射出瞳を垂直方向上下に移動する調整手段を提供することによって達成可能である。それに加えて、傾き調整806cをはじめ、左右調整(図示せず)を備えることが可能である。その種の調整は、適切なダッシュボード・コントロール・スイッチを介して運転者によってコントロールされるサーボモータを用いて行うことができる。
自動車のウインドシールドが光学的に中立でない(つまり、平坦でない)ことから、その種の調整は、表示システムの光学的特性を全体として(すなわち、表示デバイスおよびウインドシールド全体)わずかに変化させる。これは、同時にウインドシールド曲率補償エレメントもしくは表示デバイス内のエレメントの位置の調整とともに、グラフィック生成ソフトウエア内のひずみ補償の調整を行うことによって補償可能である。その種のエレメントおよびソフトウエアの設計は、当業者の能力内である。
光線592、581、および586は、ウインドシールド802から反射し、それぞれ光線594、582、および588として続き、運転者902に向かう。ウインドシールドの反射率は、好ましくは、表示デバイス804のプロジェクタ・レーザによって使用される波長周りの狭い波長範囲で強化される。これは、使用されるレーザ光の波長ならびに入射角にチューニングされた干渉反射膜として作用する誘電体層(1ないしは複数)をウインドシールド上もしくはその中に組み込むことによって達成可能である。この干渉膜によって、コーティングされていないガラス/空気境界によるより多くのレーザ光が反射されることから、その種の膜の使用は、光の二重反射(すなわちウインドシールドの前面および背面両方からの反射)からのわずかな『二重画像』効果もほとんど気付かなくできる。平坦な誘電体干渉フィルタ膜に代えて、PPGインダストリーズ・インク(PPG Industries, Inc.)によるソーラ・コントロール・サンゲート(Sungate(R))ウインドシールドに使用されているものに類似の薄い金属コーティングを使用してもよい。
運転者は、光線594、582、および588をそれぞれ、乗り物の外側から到来する仮想光線596、584、および590の連続として知覚する。光線596および590によって画定される垂直視野は、水平方向598からわずかに上に向けられており、したがって垂直視野のほとんどは地平線より上に広がる。乗用自動車における一般的な仰角の値は、地平線の下側を5度、地平線の上を20度もしくはそれ以上とすることができる。
図17Aおよび17Bは、オンボード装置の代替実施態様が取り付けられた乗り物800を類似の態様で示している。特にここでは、たとえばコンバイナ目的で容易に使用するにはウインドシールドが不都合な位置にあることを理由に、乗り物のウインドシールド802がコンバイナとして使用されていない。それに代えて、別体のコンバイナ760が使用される。このコンバイナ760は、光学的に中立(つまり、例示的に言えば平坦)であり、ウインドシールドの曲率に適応する必要性がまったくないことから、表示デバイスの光学系がより単純になる。図16Aおよび16Bに示されている実施態様と比較すると、調整のいくつかがコンバイナ760を動かすことによって達成されることから、開口812bのサイズを比較的小さくできる。
表示デバイスの射出瞳の位置を調整して運転者の目の位置に整合させる必要性は、光軸に沿う実質的に上下の方向806a内において表示デバイス804の筐体を移動して反射される射出瞳を水平方向前後に移動する調整手段を提供するとともに、表示デバイス804の筐体ならびにコンバイナ760を連係して光軸に沿う実質的に上下の方向808a内において垂直に上下に移動して反射される射出瞳を垂直方向上下に移動する調整手段を提供することによって達成可能である。それに加えて、表示デバイス804の筐体の傾き調整806c、およびコンバイナ760の傾き調整808bをはじめ、左右調整(図示せず)を備えることが可能である。
コンバイナ760が光学的に中立(つまり平坦)であることから、その種の調整が表示システムの光学的特性を全体として(すなわち、表示デバイスおよびコンバイナ760全体)を変化させることはない。
光線592、581、および586は、コンバイナ760から反射し、それぞれ光線594、582、および588として続き、運転者902に向かう。コンバイナの反射率は、好ましくは、表示デバイスのプロジェクタ・レーザによって使用される波長周りの狭い波長範囲で強化される。これは、使用されるレーザ光の波長ならびに入射角にチューニングされた干渉反射膜として作用する誘電体層(1ないしは複数)をコンバイナ760上もしくはその中に組み込むことによって達成可能である。
図17Aおよび17Bに図示されている表示システムの代替実施態様においては、コンバイナ760が光学的に中立ではなく、いくらかの光学的な力を有する。それを、透過光については実質的に光学的に中立であるが、凹面の半反射光学表面を有する薄いメニスカスとすることも可能であり、あるいはそれをホログラフ光学エレメント等の回折光学系を包含する平坦な透明エレメントとすることも可能である。またコンバイナ760は、ホログラフ光学エレメントと湾曲表面を組み合わせてもよい。表示デバイスの直視光学系は、その種のコンバイナとともに単一設計プロセスで設計することが可能であり、その種のコンバイナは、光学設計者により多くの自由度を与える。その種のパワー・コンバイナのこのほかの利点は、同じもしくはより大きなシステムの最終視野に対して表示デバイス804内の直視光学系の直径をより小さくできることである。ホログラフ光学エレメントの使用時は、この種のコンバイナのさらに別の利点として、入射光の入射角を反射光の角度と相違させ、コンバイナのより便利な位置決めを可能にできることが挙げられる。当業者であれば、適切な光学設計ソフトウエアを使用し、これらの仕様を組み込んだ光学系を工夫することができるであろう。しかしながらここで注意すべきであるが、その種のパワー・コンバイナの正確な位置決めが、平面(中立)コンバイナの位置決めより決定的であり、ホログラフ光学エレメントを使用するコンバイナは、いくつかの運転状況においてある種のグレア(ぼやけ)を導くことになる。
さらに別の表示システムの実施態様(図示せず)のための比較的強い光学的な力を有するパワー・コンバイナの使用は、それ以外の場合に表示デバイス804が占める空間よりはるかに占有空間が小さくなり、したがってダッシュボードの下ではなく乗り物のルーフの下のコンバイナの後ろに配置して、光を前方下側のコンバイナに向けて投影することが可能になる。この種のレイアウトは、アフターマーケット・バージョンの装置の販売および既存の乗り物への適合を可能にする。
コンバイナ760は、前述した実施態様のいずれにおいても、たとえばこのタスクに適した任意の周知のリンケージ・メカニズムを使用して不使用時に乗り物のルーフに収納できるようにすることが可能である。これは、前述した調整とは別に行われる。このコンバイナの収納および準備は、ソフトウエアによって自動的に(たとえば、追随するべき経路が長い高速道路になったときに折りたたまれ、計画された高速道路の出口に乗り物が到達する直前に展開される)あるいはオペレータによって、たとえば音声コマンドを介してコントロールすることが可能である。
表示デバイス804は、(a)単一のレーザ・スキャナ・プロジェクタ・ユニットおよび単一の投影スクリーンを包含すると見られる単一のボリューム画像発生器、および(b)共通の光軸を所有する単一光学トレインを包含する直視光学系を包含することができる。しかしながら表示デバイスの代替実施態様においては、複数の表示サブ−ユニットが存在することがあり、乗り物800内におけるそれらの配置を図18Aに示す。この種の実施態様においては、それぞれのその種のサブ−ユニットが独自に別体のボリューム画像発生器および独自の別体の直視光学系を包含する。ここでは、矩形のシームレスなモザイクで配列された4つの表示サブ−ユニット814が、共通の中心に向かって傾斜されており、したがってコンバイナとして使用されるウインドシールド802から反射された後にそれらの光軸が1つの点731において交差する。開口812cは、その下にある表示デバイスの位置調整に適応する充分な大きさである。
サブ−ユニット814は、整列されて実質的にシームレスな隣接するモザイクを形成し、適切な位置731に位置する観察者は、単一の隙間のない視野を見ることができる。これらのサブ−ユニットのそれぞれは、真の3次元態様で、同一仮想ケーブルの概して異なる部分を表示するが、隣接する表示サブ−ユニットによって表示される仮想ケーブルの部分間にいくらかのオーバーラップが存在する。それらすべての仮想ケーブルの部分が統一的に併合されて、点731から、もしくは点731から数インチ内の任意の点から見たとき、1つの隙間のない3次元仮想ケーブルの画像が形成される。すべての表示サブ−ユニットの光軸は点731に向かって実質的に集束する。これについて、少なくとも2つの変形を考えることができる。1つの変形においては、すべての軸が点731において交差し、その結果として点731から全体を見ることができるモザイク視野がもたらされる。第2の代替変形においては、光軸があまり集束せず(あるいは平行なことさえある)、隣接するサブ−ユニットによって表示される仮想ケーブルの部分の間により多くのオーバーラップがある(あるいは、平行の場合には完全にオーバーラップすることさえある)。この変形構成は、概して、点731もしくは点731近傍の別の点から見ることのできる全体のモザイク視野の部分を小さくする(すなわち、視野の周縁が無効にされることがある)が、同時に、視野のいくつかの部分が可視の状態を維持したまま点731周囲での観察者のより大きな動きを可能にする。
図18Bは、表示サブ−ユニット814の1つの詳細を示しており、以下のより適切な時点で説明する。
6.3. 表示デバイスの光学系
図19は、表示デバイス804の実施態様の概略図を示している。ここに示されているデバイスは単独(すなわち非モザイク)タイプである。これは、複合顕微鏡光学系(すなわち、2つの別々のレンズ群、リレー・レンズ(『対物レンズ』と呼ばれることもある)および『接眼レンズ』を使用するシステム)を直視光学系として使用する。簡明のため、コンバイナ(光路内におけるその位置が破線720によってのみ示されている)および任意の折り返しミラー(1ないしは複数)による光軸の折り曲げが省略されている(すなわち、システムは、直線の光軸を有するとして示されている)。また、レーザ・スキャナ・プロジェクタ・ユニット540は、簡明のため略図的に示されており、レンズ群702の左に位置されているが、実際の表示デバイスにおいては、レンズ群702の周縁の異なる点に位置決めされることもある(たとえば、傾斜付きウインドシールド補正エレメント(図21のエレメント#1参照)が採用される場合、プロジェクタ・ユニット540のもっとも適切な位置が、図19の図中で前提となっている観点から見て、図の紙面の下側、レンズ群702の下方になる)。これもまた簡明のために、両方のレンズ群が単一のレンズとして略図的に図示されているが、ここではそれらのいずれか一方もしくは両方が単一レンズまたは複合レンズであるかによらず『レンズ』もしくは『レンズ群』のいずれかを呼称として用いることがある。当業者であれば、適切な光学設計ソフトウエアを使用し、各レンズ群内のエレメントの数をはじめ次の任意の組み合わせを採用する可能性について決定できるであろう:非球表面(1ないしは複数)、回折表面(1ないしは複数)、勾配屈折率レンズ(1ないしは複数)。
コンピュータ152は、投影スクリーン・アクチュエータ975およびプロジェクタ・ユニット540に調和された操作信号を供給するが、それらは、拡散スクリーン602とともに1次ボリューム画像発生器980を構成する。
掃引レーザ・ビームが、ここではビーム551およびビーム561として2つの位置における2つの場合が示されているが、それがプロジェクタ・ユニットの射出開口541から射出される。このレーザ・ビームは、スクリーン602上に衝突し、(移動する)レーザ・ビーム・スポットを作り出す。このレーザ・ビーム・スポットからの光が、スクリーンによって反射および拡散され、結果として得られる光束がレンズ群702および704を通って伝達され観察者902の目に入る。ビーム551から結果として得られる光束の2つの光線が示されている−−すなわち、観察者の左目に入る光線552および右目に入る光線554である。同様にレーザ・ビーム561は、結果として観察者の目に入る光線562および564をもたらす。ベクトル・グラフィック・モードにおけるレーザ・ビーム・スポットの調和された動きおよび変調が、スクリーン・アクチュエータ975によってスクリーン602の位置が連続的に(かつ、前記スポットの前記動きと調和して)調整されている間に、人間の目の持続性に起因して、実ボリューム像−−仮想ケーブルの可視部分の表現となる画像−−を描画する。したがってこの実ボリューム像は、1次ボリューム画像発生器980の『作業ボリューム』−−その動きの間にスクリーン602の表面によって掃引される3次元ボリューム−−内に含まれる。その実像から直視光学系ならびにコンバイナ(ウインドシールド802もしくは別体のコンバイナ760とすることができる)によって作られる虚像は、仮想ケーブルの可視部分である。したがって、ここで仮想ケーブルは表示デバイスの『仮想ボリューム』、すなわち1次ボリューム画像発生器980の『作業ボリューム』と『光学的に共役される』(直視光学系を介して)乗り物正面の3次元空間のボリューム内に含まれていると言うことができる。われわれの応用においては、1次ボリューム画像発生器980によって描画される画像が、基本的に、少ない数の『曲がり』(たとえば、20未満)だけを有する単独のライン(またはそれに代えて、いくつかのライン)であり、したがってそれが有するプロジェクタの可動コンポーネントの帯域幅に対する要求は比較的低い。画像が帯域幅に関してその種の低い要求をプロジェクタのコンポーネントに課する限り、プロジェクタは、その種の、任意の形状を有し、1次ボリューム画像発生器980の『作業ボリューム』内の任意の場所に配置される画像を描画することができる。したがって、われわれの仮想ケーブルを、実用的な任意の形状を持たせ、表示デバイスの『仮想ボリューム』内に配置して表示することが可能である。掃引レーザ・ビームは、フリッカの回避に充分なリフレッシュ・レートを伴ってベクトル・グラフィック・モードでスクリーン602上にスキャンされる。多くの個人の場合は、画像が直接的凝視を伴って眺められるとき、画像のフリッカを回避する充分な高さのリフレッシュ周波数が16〜25Hzになる。しかしながら、それにもかかわらずその種のリフレッシュ・レートは、画像が視野の周縁にあるとき、および/または観察者の目が迅速に動いているとき(たとえば、目が周囲の景色をスキャンしているとき)に、気付くことのできるフリッカを生じ得る。25Hzよりはるかに高い一定のリフレッシュ・レートの達成は、スキャナ、集束器、およびスクリーン・アクチュエータおよびそれらのコントローラを含むすべての表示デバイスの能動コンポーネントが、比例して、25Hzの表示に必要とされる帯域幅より高い帯域幅を同一の画像品質を維持するために有していなければならないことから、実質的によりコストの掛かるものとなり得る。この理由から、表示デバイスのリフレッシュ・レートを一定とするのであれば、現在利用可能なコンポーネントを使用してデバイスを組み立てる場合に表示デバイスの好ましい実施態様に望ましいリフレッシュ・レートを毎秒約30スキャンとする。しかしながら、表示デバイスのリフレッシュ・レートが一定である必要はない。可変リフレッシュ・レートの採用は、特に、この実施態様内に共振依存の機械的コンポーネント(たとえば、ラスタ表示に使用される共振スキャナ等)がまったく使用されていないという事実に照らせば可能である。リフレッシュ・レートは、表示されることになる仮想ケーブルの複雑性に依存させることができる。運転状況の大半においては、仮想ケーブルが、単純な直線もしくは緩やかに曲がるラインになる。その種の場合には、レーザ・スキャナ・プロジェクタ・ユニットおよびスクリーン・アクチュエータに、たとえば多くの鋭いターンを仮想ケーブルの3次元経路内に含める必要がある場合より、実質的により高いリフレッシュ・レート(たとえば、約60Hzもしくはそれを超えるレート)が可能になる。可変リフレッシュ・レートの採用は実質的な利点を有する:ほとんどの時間にわたって運転者は、フリッカが完全になく、スペックルがほとんどなく、より安定可能であり(すなわち、乗り物が揺れるときに仮想ケーブルが『震える』ことがあまりない)、かつ動きを非常に滑らかにレンダリングできる仮想ケーブルの外観を享受できる一方、システムは、非常に複雑なシナリオを正確に(可能性としてある程度気付くことのできるフリッカを伴うが)表示する能力を保持する。リフレッシュ・レートが充分に低いときには、簡単な地図に匹敵するその種の複雑な画像であっても、表示デバイスに対するハードウエア修正を伴うことなく生成可能である。レーザ光の特性に起因して、任意の単一掃引の間にレーザ・スポットによって描画される画像は、いくぶんスペックルのある外観を有する。しかしながら、スクリーンのサスペンションは、スクリーン・アクチュエータ975による連続的なスクリーンの調整をはじめランダムな乗り物の振動によって誘導されるいくつかの小さいランダムな左右の(すなわち非軸方向の)スクリーンの動きを完全には防止しない。大きくはこれらのランダムな横方向の動きに起因して、結果として得られるスペックル・パターンが、その後に続くスキャンのそれぞれのスキャンにおいて異なり、したがって知覚される連続画像内の可視スペックルが低減される。その種の低減の程度が完全に満足の得られるものではないと見られる場合には、この分野で周知のスペックルを抑えるための追加の手段を追加してもよい。
スクリーン602上に投影されるレーザ光のスキャンによって作られるボリューム実像は、リレー・レンズ群702によって中間実像710aに結像され、それもまた接眼レンズ群704によって、観察者902が見る遠方のボリューム虚像に結像される。中間画像は、好ましくは拡大される;それが行われる場合には、横方向および縦方向に拡大される。虚像は(さらに)横方向および縦方向に拡大される。観察者の目は、いわゆるアイ・ボックス−−点731(表示デバイスの直視光学系の射出瞳の中心)の周囲に中心を置く空間のボリューム−−内に位置し、そこから仮想ケーブルが可視となる。表示デバイスの射出瞳は、平面730内にあり、頭の動きのためのある程度の余裕を伴って観察者902の両眼をともに収容する充分な直径732を有する。このように観察者は、ボリューム虚像のボリューム表現を見ることができる−−すなわち観察者はその両眼で立体的に画像を見ることが可能であり、ほかの深度キュー、特にアイ・ボックス内の観察者の頭の動きによって導かれる運動視差についても同様に容易に経験することができる(ここではその種の運動視差が、気付くことのできる遅延を伴わず、また観察者の頭の位置を追跡する必要なく生じ、したがって、従来技術の仮想現実表示に対する改善となる)。一般的な乗用自動車においては、表示デバイスの射出瞳平面730とレンズ群704の後ろの表面の間の距離を1ヤード弱とすることができ、表示デバイスの射出瞳の直径732は約4インチあれば充分である。
投影スクリーン・アクチュエータ975は、それに取り付けられているスクリーン602を動かし、投影スクリーン602と静止しているリレー・レンズ群702(このリレー・レンズ群702もまた、『顕微鏡対物鏡』として考えることができる)の間の距離を連続的に調整することができる。スクリーン602の動きは、光軸580に沿った方向であり、概略で表示のリフレッシュ周期(たとえば1/30秒)に等しい周期を伴う周期的なものとなる。スクリーンの表面は、リレー・レンズ702に向って配向されており、光軸580上に中心が置かれ、軸がスクリーンと交差する位置でそれと垂直になる。後述するとおり、軸に対して傾斜された(すなわち垂直でない)スクリーンが好ましいことがあるが、ここでは教示上の目的のため、光軸に垂直な対称スクリーンを前提とする。表示ユニット内に使用されるレーザが充分に強力であれば、スクリーン表面が非常に滑らかな(すなわち、非常に細かい粒状色素の)白色の、一様な(すなわちランベルト)拡散特性を有することが好ましい。あるいは白色に代えて、レーザからの光に対して高い反射率を有する限り、異なる色、たとえば赤色を持たせることもできる。しかしながら、スクリーン上に注がれる可能性のある集束された直接太陽光による熱損傷からのより良好な保護のために白い表面が好ましい。スクリーン表面は、表面が白色の場合であっても、耐熱性を有している必要があり、熱を効率的に再放射する必要がある(すなわち、深赤外線において放射性が高い必要がある)。それに代えて、ランベルト・スクリーンに要求されるより低い光学的な力を有するレーザを表示ユニット内に使用することができるが、表示デバイスの効率を向上させるために、その表面を非ランベルト拡散器(たとえば、従来技術で周知の適切な反射回折(またはホログラフ)拡散器)とし、レーザ・プロジェクタの射出開口541の方向から到来する光を優先的にリレー・レンズ702の入射瞳内に、かつその入射瞳内において実質的に一様に拡散する必要がある。しかしながら非ランベルト拡散器の使用は、表示される仮想ケーブルの輝度の局所的な非一様性(すなわち、一様でない見かけ)をいくぶん増加することがある。他方、その種の非ランベルト拡散器は、レーザ光の直線偏光を充分に保存することができる;これは、ウインドシールド(もしくは、使用がある場合には別体のコンバイナ)からの反射を向上できることから利点となり得る。この場合、ウインドシールドもしくはコンバイナからの画像の反射が最強可能となる方向をビーム偏光が向くように、レーザが正確に配向される(すなわち、ビーム軸周りに回転可能に)必要がある。スクリーン602の表面は、平坦もしくは、略図的に示されているとおり、好ましくは凹面とすることができる。適度に湾曲された表面は、平坦な表面と比べていくつかの利点を有する。第1に、湾曲された表面は、直視光学系の設計においてより多くの自由度を設計者に与え、その結果としてより簡単、かつより良好に設計を行うことが可能になる。直視光学系は、視野曲率のための完全な補正を必要とすることなく設計可能であり、その場合にスクリーン602を凹面(すなわち、スクリーン表面の共役表面)に設計して直視光学系を通るその虚像を基本的に平坦にすることができる。第2に、凹面の湾曲されたスクリーン表面は、レーザ・プロジェクタの配置される場所から離れる側のスクリーン周縁に向かってビームが指向されるときに、スクリーン表面に衝突するレーザ・ビームが過剰に斜めの角度になること(すなわち、スクリーン表面の法線とビームの間において測定される角度が大きすぎる)を回避できる。凹面スクリーンの、レーザ・プロジェクタの配置と同じ側の周縁に向かって指向されるビームであっても、いくぶん(スクリーンが平坦であった場合と比較して)より斜めの角度において衝突することになり、スクリーン上へのビーム投影の全体的なジオメトリを改善することが可能になる。第3に、スクリーン602の凹面設計は、より軽量かつ固いスクリーンをもたらすことが可能であり、それによってアクチュエータ975が、外部の揺れおよび振動に対する低い敏感性を伴ってスクリーンをより正確に移動することが可能になる。第4に、ボイス−コイル・タイプのアクチュエータおよび凹面スクリーンの組み合わせが最近のダイナミック・ラウドスピーカに非常に類似しており、したがって最先端のラウドスピーカ設計から利益を得ることが可能である。
ランベルトの白色を有し、凹面が深すぎるスクリーン表面は、ビーム・スポットからの拡散光のかなりのパーセンテージをスクリーンの別のエリア上に落とし、表示デバイスの視野内でわずかに拡散された赤熱を生じることになる。
リレー・レンズ群702は射出瞳を有し、接眼レンズ群704によるその画像が表示デバイスの射出瞳を形成する。したがってリレー・レンズの射出瞳の直径は、頭の動きのためのいくらかのゆとりを伴って観察者の両眼に適応する所望の直径(約4インチもしくはそれ以上)の表示デバイスの瞳をもたらす充分な大きさとする必要がある。表示デバイスの射出瞳の大きな直径732の要件は、比較的大きな直径のリレー・レンズ群、もしくは比較的速い(すなわち、短い焦点距離を有する)接眼レンズ群704、あるいはそれら両方を折衷した組み合わせを必要とする。接眼レンズ群704は、デバイスの充分な視野を考慮して充分に大きなサイズを有する必要がある。
両方のレンズ群を単一レンズとして扱い、スクリーン602が『無限焦点』位置に位置決めされ、かつ折り返しミラーをまったく含まない表示デバイスの光学系の1次レイアウト(ここではレイアウトという表現によって、以下に示すとおり、図面ではなくシステムのための簡略化したレンズデータが意味されている)の一例を次に示す。
スクリーンの直径を70mm、リレー・レンズ702の直径を72mm、その焦点距離を72mm、スクリーン602とリレー・レンズ702の間の距離を103.4mmとし、したがってリレー・レンズ702と中間画像平面710aの間の距離が237mmであり;中間画像平面710aと接眼レンズ704の間の距離を333mm、接眼レンズ704の焦点距離もまた333mmとし、したがってレンズ704と表示デバイスの射出瞳の間の距離が800mm、かつ表示デバイスの射出瞳の直径が100mmであり;レンズ704の直径を320mmとする。当業者であれば、適切な光学設計ソフトウエアを使用し、このレイアウトを詳細な光学的処方に仕上げることができるであろう。設計プロセスは、リレー・レンズ群702が、スクリーン602とこのレンズ群の最初の光学エレメントの間に、略図的に図19に示されているとおり、レンズ群702と並ぶ位置からスクリーン602上へのレーザ・ビームの投影を可能にする充分なクリアランスを有する結果をもたらす必要がある。また設計プロセスは、結果として、全視野内、特に、ほとんどの重要な情報が置かれる可能性がもっとも高い視野の中心エリア内において球面収差、コマ収差、および非点収差に関して良好に補正された虚像を生成する直視光学系をもたらす必要がある。
さらに設計プロセスは、次の(a)、(b)、(c)、(d)、および(e)を利用する必要がある。
(a)光が単色、好ましくは約635ナノメートルの波長の赤色であり、したがって色収差のない光学系を必要としない。
(b)中間画像を補正する必要がなく、したがって全体的な直視光学系を1つのユニットとして統一的に最適化することができる。
(c)前述のとおりスクリーン602を湾曲させて補償できることから、視野の曲率をかなり補正不足のままとすることができる。
(d)スクリーン602上の画像を補償と逆の方法で予備ひずみを与えて描画できることから、ひずみをかなり補正不足のままとすることができる;この予備ひずみは、不揮発性メモリ内にストアされたひずみ補正マップを使用してコンピュータ内のグラフィック生成ソフトウエアによって行うことが可能である。これらのマップは、取り付けおよび装置のチューニングの間において、適切なテスト画像のひずみを観察し、続いてマップの補正を評価し、それらを不揮発性メモリに書き込むことによって個別に所定の乗り物用に精密チューニングされる。必要な場合には、このプロセスの数回の反復によって所望の精度のマップが得られる。
(e)表示ユニットの角度視野は比較的小さい。
直前で述べた直視光学系のバージョンにおいて、目の間の距離が一般的な66mmであり、表示デバイスの射出瞳の中心点731の両側に対称に配置されている場合には、それぞれの目によって見られる視野が約22.6度になる。その種の位置から見られる双眼水平視野(すなわち、両眼によって同時に見られる視野をはじめ、右および左の目によってのみそれぞれ見られる左右の側方視野からなる視野)は、約27.1度になる。
視野は例示的にわずかに上方に向けられており、したがって視野の垂直範囲の最下端から5度(またはその近傍)が地平面の下になり、残りの垂直範囲(17.6度またはその近傍)が地平面の上になる。観察者の目が道路から1.2メートルの高さにあり、仮想ケーブルが道路から5メートルの高さにあれば、仮想ケーブルの表示可能な部分のうち観察者にもっとも近い点は、観察者の約12.5メートル前方となる(運転者の目から斜め上方に仮想ケーブル上のもっとも近い表示可能な点までを測定)。
直径が70mmのスクリーンを有する直視光学系を使用する上に述べた実施態様において、スクリーン602を、リレー・レンズ702の前方103.4mmの位置からリレー・レンズ702の前方101.7mmの位置まで、1.7mmだけ移動すれば、最終的なスクリーンの虚像が無限遠からすべての中間位置を通って観察者の12.5メートル前方の位置まで移動する。ここで前述したモザイク−タイプの表示デバイスのサブ−ユニット814の1つを説明するために図18Bに戻ると好都合である。サブ−ユニットの筐体の上端は、直視光学系706aを含んでおり、ここではそれが単一の拡大レンズ(ルーペ)として略図的に示されている。このレンズは、サブ−ユニットの筐体の上端を、筐体の端から端まですべて覆い(例示の実施態様においては、各レンズの3辺がそこまで延びている)、したがって複数のサブ−ユニットがともにマウントされるとき、それらのレンズがシームレスなモザイクを作り出すことが可能である。直視光学系706aは、単純レンズが提供できるより良好な収差補正のため、複合レンズとするか、あるいは回折表面(1ないしは複数)もしくは勾配屈折率レンズを任意の組み合わせで使用することが可能であり、それらは、当業者であれば適切な光学設計ソフトウエアを使用して工夫することができる。サブ−ユニットの筐体の底の近傍に投影スクリーン612が存在し、光軸580に沿って移動して、前述し、かつ図19に例示した非モザイク表示デバイスの実施態様においてスクリーン602によって行われていた態様と同一の態様でボリューム画像源を提供することができる。サブ−ユニットの筐体の1辺に沿って位置する筐体814の部分816は、レーザ・スキャナ・プロジェクタ・ユニット(簡明のため、射出開口541を除いて示していない)を含むが、これは、この明細書のいずれかの箇所で述べられている任意のレーザ・スキャナ・プロジェクタ・ユニットと同一とすることが可能である。レーザ・ビーム551aが、プロジェクタ・ユニットの射出開口541から射出される。レーザ・ビーム551aは、スクリーン612に衝突してレーザ・ビーム・スポットを作り出す。スクリーン612の位置が連続的に調整される間におけるベクトル・グラフィック・モードでのこのスポットの動きおよび変調が、人間の視覚の持続性に起因して、実ボリューム画像、すなわち仮想ケーブルの可視部分の適切な断片である画像を作り出し、または『描画』する。その実像から直視光学系706aおよびコンバイナ(ウインドシールド802もしくは別体のコンバイナ760とすることができる)によって作られる虚像は、仮想ケーブルの可視部分の断片である。すべてのサブ−ユニットからの虚像はそれぞれの焦点、輝度、サイズ、および向きを有しており、結果として得られる仮想ケーブルの可視部分の完全な画像がシームレスとなるように微細に調整される。これらの調整は、不揮発性メモリにストアされた適切なひずみ補正マップからオンボード・コンピュータ152によって実行される。図20、図21、および図22は、図19の表示デバイスの直視光学系について3つの変形の概略図を示している。これら3つは、すべて、光学系を通る略図的な光線トレース(ここでは、光線トレースがシステムを通る簡略化された1次の図形を意味する)を例示しており、3つの場合すべてにおいて光線トレースが単一のメリジオナル平面についてのみ示されていることを除けば、1次の光学レイアウトの例を示している。図21および図22に例示されている光学系は、いずれも非点収差系である。この種の光学系は、第2の(すなわち垂直の)メリジオナル平面内において異なる光線トレースを有する;これらの光線トレースは図示されていない。図20、図21、および図22は、詳細な設計として意図されてなく、むしろ当業者が適切な光線トレース・コンピュータ・ソフトウエア、たとえばカリフォルニア州サンディエゴのゼマックス・デベロプメント・コーポレーション(ZEMAX Development Corporation)によって販売されているゼマックス(ZEMAX(R))ソフトウエアを使用して、特定の乗り物内に使用されているウインドシールドの特定の形状ならびに位置を斟酌した後、および特定の乗り物についての特定の経済的考慮事項を斟酌した後にその種の詳細な設計を準備するときに採用できる設計方法の例示として意図されている。
簡明のため、コンバイナおよび折り曲げミラー(1ないしは複数)による光軸の折り曲げが省略されている(すなわち、直線の光軸を有する形でシステムが示されている)。乗り物のウインドシールドをシミュレートするレンズ(すなわち、左から935mmに位置決めされているレンズ)の効果を示した図21および図22においては、ここに示されている概略図が、乗り物正面上方から(ウインドシールドをシミュレートするレンズの正面の光線について)、その後、乗り物の上端から(ウインドシールドをシミュレートするレンズを通過した光線について)の視野を結合している。
単一機能を実行する任意のレンズ群(すなわち、1次レイアウトの目的について単一の『完全』レンズとして作用し、たとえば図20におけるf=72mmのレンズ#1−−『リレー・レンズ』またはf=333mmのレンズ#2−−『接眼レンズ』)が、それらが実際に単一レンズであるか複合レンズであるかによらず、単一レンズとして略図的に示されている。それに対して、2つの機能を実行するレンズは、それが実際に単一レンズであるか複合レンズであるかによらず、2つの隣接するレンズとして図示されている(たとえば、図22のレンズ#3のf=−1279mmの円柱レンズおよびレンズ#4のf=333mmの球面レンズは、実際の物理的な具体化において1つの光学エレメントに結合できる)。
図20は、図19の表示デバイスの直視光学系の好ましい実施態様の基本的な変形の概略図を示している。これは、図19に示したものに同一の光学配列であるが、教示目的のためにここに繰り返して示した。この光学系は回転対称であり、ウインドシールドの光学的効果に対抗する備えを伴っていない。したがって、ウインドシールドが光学的に中立(すなわち、平らなハーフ・ミラーとして作用する)であるか、ウインドシールドに代えて別体の平らなコンバイナが使用されるときに適している。
一般的な乗用乗り物においてはウインドシールドが平らでない。ウインドシールドの形状は、概して複雑であるが、多くの場合は、トロイダル表面によってそれを極めて良好に近似することができる。トロイダル表面は2つの半径によって画定され、その比較的小さい部分は、光学的な意味において、円柱光学エレメントと結合される球形の光学エレメントとして考えることができる。一般的な自動車のウインドシールドの場合は、球形コンポーネントが円柱コンポーネントと比較して非常に大きな半径を有し、したがって最初の近似においては、ウインドシールドを、表示デバイスの光軸に対して傾けられた円柱とする。その種の実質的に円柱のウインドシールドは、1つのメリジオナル平面内に、他方の(すなわち、最初の平面と直交する)メリジオナル平面内の光学的効果と比較してはるかに大きい光学的効果を有する。
図21は、図19の表示デバイスの直視光学系の1つの変形の略図を示しており、それにおいては湾曲したウインドシールドの光学的効果が補償されている。一例のウインドシールドは、ウインドシールドが光線束をインタセプトすることになる位置に配置されている『ウインドシールド・シミュレータ』レンズ(レンズ#4、f=1426mm)として略図的に示されており、このレンズは、ミラーとして動作するが、光軸の方向を変化させない仮説的な例のウインドシールドと同じ光学的な力(すなわち、この図のメリジオナル平面内における光学的な力)を有する。1426mmの焦点距離の選択は恣意的である;これが乗用自動車に使用されている多くのウインドシールドの一般的な反射焦点距離よりまだ短いことから、トレースされている光線束に対するこの『ウインドシールド・シミュレータ』レンズの効果を、一般的なウインドシールドが有する効果と比べて誇張し、それによってこの例示をより明確にしている。ウインドシールド(図21においては『ウインドシールド・シミュレータ』に置き換えられている)の光学的効果に対抗するため、追加のf=−85mmのレンズ#1がスクリーンから32mmのところに配置されている。これは、『ウインドシールド・シミュレータ』レンズ#4の位置に対する光学的共役位置であり、レンズ#2および#3を包含する光学系によってレンズ#1が結像されるときにレンズ#1の画像が『ウインドシールド』(すなわちレンズ#4)と一致する位置である。またその逆も真である:レンズ#2および#3を通ったウインドシールドの画像が上記の位置に配置される;この場合においては、概念的に、この光学系の光線トレースを右から左へ行う(すなわち、『光学系をターンする』)。実際の自動車では、このウインドシールドの画像がウインドシールドの傾斜に起因して光軸に対して傾斜される;この傾斜は、図21の平面に対応するメリジオナル平面内において明らかでなく、図21の、ここで補正エレメントをシミュレートするレンズ#1の図には示されていない。このウインドシールド共役位置の光学エレメントは、ウインドシールド(傾斜されている場合を含む)の画像と良好に整列されているとき、ウインドシールドによって生じた光束の波面の変化を、その位置において逆の変化を生じさせることによって補償することができる。この種の補正方法については充分な研究がなされ、たとえばいくつかの天体望遠鏡に採用されている適応光学系の中に使用されており、それにおいては、地球の大気の乱流層によってひずみを受けた星の画像を、その種の大気の乱流層の画像面(すなわち、共役位置)において補償する補正を適用することによって補正することが可能である。しかしながら深く湾曲されたウインドシールドについては、その種の補正レンズを比較的厚くし、かつスクリーンとリレー・レンズの間に位置決めしなければならず、スクリーン上へのレーザ・ビームの投影との干渉の可能性がある。また、ウインドシールドの光学的な力は、表示デバイスのアイ・ボックスを、ウインドシールドが光学的中立であった場合の位置から乗り物の前方に向けてシフトさせ、かつ非点収差タイプのアイ・ボックスのひずみを生じさせる;その種の効果は、深く湾曲されたウインドシールドの場合に重要となり得る。これら2つの効果は、上記のウインドシールドの曲率のための補正方法によって補正されない。しかしながらこのウインドシールドの曲率のための補正方法は、ウインドシールドの曲率が比較的非常に緩やかであり、かつ一様である場合に良好に機能することができる。この場合、補正エレメントの光学的な力が許容可能な程度に小さくなり、ウインドシールドの曲率が一様であれば、補正エレメントを理論的な最適位置(すなわちウインドシールドとの光学的共役位置)から、よりリレー・レンズの近くに移動し、かつ投影されるレーザ・ビームの光路の充分に外であるが、それでも許容可能に動作する位置に移動することができる。この新しい位置のために再最適化が必要になることがある。
図22は、湾曲ウインドシールドの光学的効果を補償する別の変形の概略図を示している。この場合も図21と同様に、例示のウインドシールドが略図的に『ウインドシールド・シミュレータ』(レンズ#5、f=1426mm)として示されており、ウインドシールドが位置決めされることになる位置に配置されている。ウインドシールド(『ウインドシールド・シミュレータ』に置き換えられている)の光学的効果に対抗するため、追加の補正レンズ#2および#3が図20の基本的な光学系に追加される。以下の補正手順は、図21の平面に対応するメリジオナル平面について与えられており、他方の(すなわち、最初の平面と直交する)メリジオナル平面について、同一の手順を再度繰り返す必要がある。これら2つの補正レンズのそれぞれについて得られる焦点距離は、概して、両方のメリジオナル平面の間で大きく異なるが、このことは、両方の補正レンズがそれぞれの光学的な力に対して強い円柱成分を有することを意味する。補正手順は次のとおりになる:最初に、レンズ#1(リレー・レンズ)および#4(接眼レンズ)を伴うシステムから開始する。続いてレンズ#5(『ウインドシールド』)を配置するが、デバイスの射出瞳の位置が左に向かってシフトすることに注意する。その後、負のレンズ#3をレンズ#4に隣接して配置し、レンズ#3のいくらのパワーにおいて『スクリーン』(図22においてはスクリーンが、アプレット(Applet)窓の左辺の部分によって表されており、この部分は『70mm』とマークされている)上に位置する所定点、全システムによって無限遠点に結像されるかを見つけ出す。その種の補正レンズは、したがってウインドシールドの光学的な力に対抗する。しかしながら同時にこれは、射出瞳の位置を右に向かって過大に変化させる。デバイスの射出瞳の適正な位置を回復するために、次に、スクリーンの実像平面(すなわち、リレー・レンズ#1によってスクリーンが結像される平面)に正のレンズ#2を追加配置し、レンズ#2のいくらのパワーにおいてデバイスの射出瞳がオリジナルの位置に戻るかを見つけ出す。これでこのメリジオナル平面についての補正手続きが完了する。しかしながら実像平面内に存在するレンズ上の塵もしくは不完全がスクリーンとともに鋭く観察者の焦点に合わされてしまうことから、その種のレンズを有することが回避されると好ましいと見られる。それを回避するためには、レンズ#2をわずかに右にずらした後、再度、システムの適正な焦点ならびに適正な射出瞳の位置を達成するべくその焦点距離をはじめレンズ#3の焦点距離を調整することができる。われわれの例においては、その種の調整の後、レンズ#2が焦点距離=1094mmを、レンズ#3が焦点距離=−1279mmを有している。
図22において注意することは、レンズ#2およびレンズ#3の位置が、ウインドシールドの曲率に依存していないことである。また、デバイスの射出瞳と交差する光線束が充分に異なる角度でウインドシールドの異なる部分から反射し、補正レンズ#2および#3の異なる部分と交差することにも注意が必要である。これらが意味することは、非一様に湾曲するウインドシールドについて、ウインドシールドの曲率が、しばしば見られるようにウインドシールド全体にわたって緩やかに、かつ一様に変化している場合には、補正レンズ#2および#3を採用することによってその種のウインドシールドの光学的効果を充分に補正することが可能であり、またそれらは、それらの光学的な力をそれぞれの全体にわたって滑らかに変化させ、したがって、各光線の束についてレンズ#2および#3の対応するエリアが、前述した態様でウインドシールドの対応するエリアを補正するということである。
図21および図22に例示した方法は、好ましくは結合してもよい。その場合においては、表示デバイスの直視光学系内のほかのすべての光学エレメントの全体的なトレインによって結像されるとおりのウインドシールドの共役平面(図22にはその種の共役平面が破線によって示されている)の近傍に配置される追加の補正器(図21のレンズ#1に類似)が、2つの主要な補正器(図22のレンズ#2および#3に類似)によって取り除かれなかった残留する波面の収差を補正する。したがって追加の補正器は、比較的弱くすることができる。乗り物内での表示デバイスの取り付けの間における、残留収差の測定およびその後の、この目的のために製造施設内で利用可能なその種の補正エレメントのバリエーションの範囲からの前述の補正器エレメントの選択は、ウインドシールド補正のための表示デバイスの精密チューニングに使用することができる。
ここで注意を要するが、光学的補償手段によってウインドシールドの曲率を補正する主要な目標は、ターンのあるシステム(すなわち、概念的に光の方向が反転される光学系)内において、デバイスに向かい、デバイスに意図された射出瞳と交差する任意の平行束(すなわち、デバイスがウインドシールドを含む)について、その種の束が、過剰な非点収差、コマ収差、あるいは球面収差を呈することなく充分に小さいスポットに集束され、かつその種のスポットが、スクリーンがその無限遠点に位置するとき、スクリーンの合理的な近傍に位置することの達成である。その種のすべてのスポットが正確にスクリーン上に位置する必要はなく、その種の食い違いが存在しても、それが小さくスクリーン表面全体にわたって緩やかに変化していれば、コンピュータがそれらを容易に補償できる。その種の補償は、スクリーン・アクチュエータ・コントローラに対する信号を計算する間に適切なメモリ内ルックアップ・テーブルの使用を伴うことがある。またここで注意する必要があるが、ウインドシールドによって生じたスクリーン画像の幾何学的ひずみの補償が望ましい場合には、これを光学的補償手段によって行う必要はない。その種のひずみは、一般に、オンボード・コンピュータにより、プロジェクタ・ユニット・コントローラに対する信号の計算の間に適切なメモリ内ルックアップ・テーブルを使用し、相補的態様でスクリーン上に予備ひずみを与えた画像を描画することによって、より容易に補償することが可能である。
6.4. レーザ・プロジェクタ
図23は、コントローラを含めた例示的なレーザ・スキャナ・プロジェクタ・ユニット540の概略図である。このデバイスは、機械的なミラー・スキャナ985を採用している。スキャナは、広帯域高角度範囲スキャナ(すなわちアクチュエータ)522によって作動される単一のティップ−ティルト、または『2軸』高速ステアリング・ミラー570を使用する。
プロジェクタ・ユニット540は、レーザ502を採用する。レーザ502は、例示的に、単一のTEモードで動作し、高品質(好ましくはビーム成形後に約1.2を超えないM二乗係数を有する)の赤色光のビーム550を放出するエッジ・エミッション・レーザ・ダイオードとし、例示的にこの光は、約635ナノメートルの波長を有し、明るい日中の空に対しても見ることが可能に表示される仮想ケーブルのレンダリングに充分な光学的な力を伴い、好ましくはそれを、一様な(すなわちランベルト)拡散特性を有するスクリーン602を用いて達成する。
たとえば、ランベルト拡散特性を有する白いスクリーンが前述した好ましい直視光学系とともに使用され、かつウインドシールド(もしくは別体のコンバイナ)が、表示ユニットによって使用される入射角において約25%に強化された(635ナノメートルにおける)赤色反射率を有し、仮想ケーブルが5cmの線形定義上の太さ、道路から5メートルの線形定義上の上方にあり、12.5メートルから250メートルまでの線形定義上の距離を延びているとき、われわれの計算によれば、空の明るさが10,000cd/m2もしくはそれ未満のときに快適な日中コントラストを提供するために必要な出力が少なくとも約20〜30mWになると評価される。
レーザ・ダイオードはコントローラ504を介して電力供給され、その主要な機能は、ダイオードを損傷から保護すること、および、たとえばダイオードとともに収容される光検出器からのフィードバック信号を伴う閉ループ・コントロールを使用して、当業者に周知の態様でダイオードの光学的出力を精密に調整することである。オプションとして、ただしわれわれは好ましいと考えているが、レーザ・ダイオードおよびコントローラに、コンピュータ152からのステアリング信号に応答してレーザ・ダイオードの光出力を直接アナログ変調する能力を持たせてもよい。
レーザ502から放射されるビーム550は、ビーム・コンディショナ506bによって実質的に回折制限されたビームに整えられる。ビーム・コンディショナ506bは、この分野でしばしば見られるとおり、レーザ・モジュールの統合された部分とすることができる。最小限ビーム・コンディショナ506bは、ビームを円形に整え、波面の非点収差を補正し、ビームを実質的に、一般に1〜4ミリメートル、好ましくは約2ミリメートルの直径(ビーム中心(すなわち軸)強度の13.5%(すなわち1/e)にビーム強度が低下する直径として定義される)を有し、好ましくはその後その1/e強度の直径で切り落とされるガウス・ビームにコリメートする、当業者に周知のビーム成形光学系を含む。コリメートされたレーザ・ビーム550は、コントローラ510によって電力供給され、コントロールされる外部ビームの強度変調器508に入る。レーザ・コントローラ504がレーザ502の光学的出力の直接変調に使用される場合には、変調器508がコントローラ510を伴ってこの機能を増強する。この場合、コンピュータ152が、両方のコントローラのために時間的に調和された適切な信号を生成する。それぞれの変調デバイスに対して、それぞれのデバイスの特性を基礎として変調を(部分的に)どのように割り当てるか、またそれぞれのデバイスに対して適切に時間的に調和された変調信号をどのように生成するかといったことについては、充分に当業者の能力の範囲内である。
直接および外部変調の両方が使用されるか否かによらず、最終的に、コンピュータ152が、表示リフレッシュ・レート(たとえば30Hz)から数kHzまで、低い変調周波数において好ましくは約100:1もしくはそれを超えるコントラスト(すなわち最大対最小の光学的な力の比)を伴ってビーム550のアナログ変調をもたらすことができるという結果が得られる必要がある。同時にそれに加えてコンピュータは、好ましくは約10kHzから約200kHzまでとする範囲の高い変調周波数において、好ましくは少なくとも約5:1のコントラストを伴ってビームを変調できるものである必要がある。また同時にそれに加えてコンピュータは、1から、好ましくはわれわれの計算によれば約50,000までの因数によって、好ましくは約0.3秒内にビームの光学的な力を減衰できる(すなわち、スキャン周期にわたって平均される平均出力を調整できる)ものである必要がある。それに加えてコンピュータは、各スキャン・サイクルに1度、クリーンにかつ急峻に(好ましくは約20マイクロ秒内)にビーム550をオンに切り替えた後、そのサイクルの間に光を迅速に、かつ実質的に完全にオフ(『ブランク』)に切り替えできるものである必要がある。
低周波数範囲における変調は、たとえば線形定義上の距離の増加に伴ってラインの可視定義上の暗化を増すというように、描画されるラインの輝度を、各スキャン・サイクルの間に必要に応じて局所的に調整する上で望ましい。高周波範囲における変調は、この明細書のいずれかの箇所で説明している仮想ケーブルの『ギャップ』もしくは『ビーズ』を、好ましくないアーティファクト(たとえば『リンギング』)を伴うことなくコンピュータ152からのステアリング信号に応答して作成することが希望された場合に望ましい。ビームの光学的な力の減衰は、仮想ケーブルの全体的な輝度を調整して異なる周囲光条件(たとえば、夜間の田舎道、曇りの日没、日差しのある日中)に適応するために望ましい。ビームの光学的な力のブランキングは、各スキャン・サイクルの終了時に、スキャニング・ミラーを、知覚可能なラインの描画を伴うことなく次のスキャン・サイクルの開始位置に戻すことを可能にする上で望ましい。好ましい実施態様においては、ラインが1つの方向にのみ、たとえば仮想ケーブルの線形定義上の近点から線形定義上の遠点に向かって描画されて、スキャナもしくはスクリーン・アクチュエータのヒステリシスによって生じ得る位置合わせ誤りを回避(すなわち、二重ライン効果を回避)していることからこの機能が望ましい。
単一の仮想ケーブル経路は1つの方向にのみ描画されるが、図8に示されている画像もしくは図9に示されている画像等の画像を描画するときは、各構成ラインが、以下に述べるとおり、同一スクリーン移動サイクル内の異なるスクリーン・ストロークの間に描画されると好ましい。たとえば、図8のVCの左側ラインは、スクリーンが光学系から離れる方向に移動する間にトップから(すなわち、線形定義上のもっとも近い点から)描画し、その後ビームがブランクされ、再位置決めされた後にVCの右側ラインを、そのサイクル内においてスクリーンが光学系に向かう方向に移動して開始位置の近傍に戻る間に、ボトムから(すなわち、線形定義上のもっとも遠い点から)トップに向かって描画することができる。その種の方法は、スクリーンの後退ストロークで各構成ラインが描画され、スクリーンの復帰ストロークの間はビームがブランクされるときに可能となる表現と比べて、より明るく、よりフリッカの少ない表現を可能にする。
高速変調器と、より低速の独立にコントロールされる減衰器の組み合わせであって、より低速の減衰器を、ステッピング・モータを用いてコントロール可能に光路の内外に移動される中立濃度フィルタとする例が、『ファースト・アッテネータ(Fast attenuator)』と題されたマクドナルド(MacDonald)ほかに対して発行された米国特許第6,462,858号に開示されており、当該特許は、参照によりこれに援用される。
変調後のビーム550は、ビーム成形およびコンディショナ506aに入る。このジョブには、この分野で周知の任意の適切な光学系を使用することができる。ビームは、好ましくはその1/eの強度直径において切り取られる(すなわち、切り取り比が約1になる)。続いてビーム550は、われわれがビーム成形およびコンディショナ506aの一部として考えている球面収差調整デバイスに入る。
この球面収差調整デバイスはオプションとする。このデバイスは、その種のデバイスの省略時にレンダリングされ得る可視ケーブルより、ほとんどの運転者にとってより満足できる態様で可視ケーブルをレンダリングすることによってその外観を向上させるために使用される。
球面収差調整デバイスは、コンピュータ152からのステアリング信号に応答して作用するコントローラ507によって電力供給される。調整デバイスは、各表示リフレッシュ・サイクルの間に投影スクリーン602にわたってレーザ・スポット401がスキャンされている間、連続的にレーザ・ビーム550の球面収差を調整する。この調整デバイスは、図28に示されているとおり、好ましくは圧電もしくはボイス・コイル・アクチュエータ507cのいずれか、およびビーム550の光路内に位置し、ビームと同軸の狭い間隔を有するペアの光学エレメント507aおよび507b(ここでは、それぞれを第1および第2の補償レンズと呼ぶ)を包含する。アクチュエータ507cは、コントローラ507からの信号に応答してこれら2つの光学エレメント間の間隔507dを、好ましくは約1kHzの作動帯域幅を伴って軸方向に調整するべくマウントされている。
各光学エレメント507aおよび507bは、直径においてビームよりわずかに大きく、全体的な光学的な力が実質的にゼロに等しい。それに加えて各エレメントは強い球面収差を有するが、両方のエレメントが極めて接近すると、それぞれが他方のエレメントの球面収差を実質的に相殺する。これは、例示的に言えば、互いから離れる方向を向く純粋に非球面の平坦な表面、および互いの方を向く実質的な相補表面を有する両方の光学エレメントを介して達成される。その種のエレメント間の間隔507dを変更すると、このペアの全体的な球面収差が実質的に変更され、したがって、ビームの全体的な焦点(すなわち、平均のコリメーション)の実質的な変更を伴うことなくビーム550のそれが変更される。その種の球面収差調整デバイスの望ましい調整容量は、これらの補償レンズの屈折率、非球面曲率、および動きの範囲の多くの異なる組み合わせを使用して達成することが可能である。仮想ケーブル全体にわたる可視定義上の輝度の好ましい分布の望ましい範囲を経済的に達成するための補償レンズの相対的な位置に必要な範囲も含めたこの調整デバイスの正確な光学的処方は、当業者であれば、前述したゼマックス(ZEMAX)ソフトウエア等の適切な光線トレース・コンピュータ・ソフトウエアを使用して作ることが可能である。その種の調整デバイスは、『アパレイタス・フォア・アジャスタブル・スフェリカル・アバレイション・コレクション(Apparatus for adjustable spherical aberration correction)』と題されたマクドナルド(McDonald)に対して発行された米国特許第6,115,192号に開示されており、当該特許は、参照によりこれに援用される。
さて、この種のビーム550は、ビーム・エキスパンダ520に入る。このエキスパンダの機能は、ビーム550の直径をスキャニング・ミラー570のサイズに実質的に整合させることである。レンズ518の直径および投影されるミラー570の内径は、好ましくは整合される(すなわち、実質的に同一);好ましい実施態様においてはそれらがそれぞれ約10ミリメートルになる。
好ましい実施態様においては、ビーム・エキスパンダの発散レンズ512が、ビーム550のための集束レンズとなる追加の機能を有する。集束レンズ機能のためのこのレンズの選択は、それが狭い、ステアリング未済のビーム550の部分に位置決めされることから、それを小さく単純なレンズにできるという事実によって支配される。そのことからこれは、比較的非常に小さい質量を有することができ、それがまた、比較的高い帯域幅のアクチュエータ514を使用して正確にそれを移動することをより容易にする。
アクチュエータ514は、コンピュータ152からのステアリング信号に応答して作用するコントローラ516によって電力供給される。アクチュエータ514は、コントローラ516からの信号に応答して、ビーム軸に沿って集束レンズ512の位置を軸方向に調整し、かつその結果としてこのレンズとレンズ518の間の間隔を、したがってレンズ518を離れるビーム550の集束を調整するべくマウントされている。アクチュエータ514は、好ましくは圧電もしくはボイス・コイル・タイプとし、例示的に約1kHzの作動帯域幅を伴う。任意の開始および拡張後のビーム直径について、アクチュエータに可能な動きの最大範囲514rは、エキスパンダのコリメート・レンズ518の焦点距離に依存する(すなわち、それとともに大きくなる)。したがって、エキスパンダが比較的短くなることが好ましい;10ミリメートルの直径を有するレンズ518が、約30ミリメートルを超えない焦点距離を有する必要がある。好ましくはそれを適切な非球面として、エキスパンダ520の全体的な球面収差を最小化する。さらに好ましくは、レンズ518を、収縮テレスコープ530の平均の(テレスコープ530に入るビーム550の可能位置にわたって平均した)全体的な球面収差とともにエキスパンダ520の全体的な球面収差を最小化する適切な非球面とする。
ここで、表示ユニットの好ましい1次ボリューム画像発生器980の近似的なレイアウトの例を基礎とした、われわれの集束レンズ512の動きの必要範囲541rの評価を示す。これらの計算の簡略化のために、球面収差が0に調整されていること(すなわち、完全に補正済み)を仮定する。プロジェクタ540の射出開口541は、ここでの計算の目的のために、投影スクリーン602から70ミリメートル、光軸から横に約35ミリメートルにあり、スクリーンからリレー・レンズ群702までの光路を実質的にクリアにしていると仮定する。プロジェクタの射出開口541と投影スクリーン602の間のビーム550の光路の長さは、したがって、斜めの投影ジオメトリおよびスクリーンの動きに起因して約70ミリメートルから約102ミリメートルまで変化する。集束器は、スクリーンまでのこれらの任意の距離においてスクリーン上に良好に集束されたスポットを生成する(すなわち、われわれの計算によれば、70ミリメートルの焦点距離における約0.07ミリメートルから、102ミリメートルの焦点距離における約0.1ミリメートルまでの範囲となる1/e強度直径のビームのくびれを配置する)だけでなく、スクリーン上に最大で約0.6ミリメートルの任意直径の焦点外れスポットを(実際のスクリーンまでの距離より遠くに焦点を合わせることによって)生成するような態様でビーム550の焦点設定を行う必要がある。レンズ528を出た直後の約1ミリメートルの直径を有するビームを集束する場合、これらの要件は、われわれの計算によれば、プロジェクタの射出開口541から、約70から240ミリメートルまでの任意の距離においてビーム550の焦点設定を行う必要があることを含意している。さらに、必要とされる集束の範囲を通じてビーム550の焦点設定を行うために必要となる動きの最大範囲514rは、われわれの計算によれば約0.1ミリメートルになる。これらの計算は、エキスパンダ520がビーム550を2から10ミリメートルまで5倍に拡張すること、およびレンズ518の直径が10ミリメートルであり、30ミリメートルの焦点距離を有することを仮定している。
ビーム・エキスパンダ520を出た後のビーム550は、高速ステアリング(または『スキャニング』)ミラー570から反射されるが、これは、好ましくは約1kHzの作動帯域幅を伴い、コンピュータ152からのステアリング信号に応答して作動するコントローラ524によって電力供給されるティップ/ティルト・アクチュエータ(または『2軸ミラー・スキャナ』)522によって作動される。ティップ/ティルト・アクチュエータ522は、ミラー570を、2つの直交軸周りに独立にティルト(すなわち回転)することが可能であり、当該ミラーのわずかだけ後ろにあって、ミラー平面と概略で平行である。図23には、ミラー570のそれぞれの動きが570xおよび570yとして略図的にマークされている。これらの動きはミラーを操作することが可能であり、したがってミラー平面の法線を、可能位置の円錐内の随所に指向することが可能である。ティップ/ティルト・アクチュエータは、好ましくは傾き動作をもたらすべく配置されたいくつかの圧電またはボイス・コイル線形アクチュエータを包含する。好ましくは少なくとも4つのその種のアクチュエータが存在する。その種の構成は、当業者に周知である;その結果として正確かつ耐久性のある(摩擦ベアリングを有していないため)デバイスがもたらされる。一例に、独国カールスルーエのフィジク・インストゥルメンテ(Physik Instrumente)(PI)GmbH & Co.によって販売されているS−334.2SLピエゾ・ティップ/ティルト・プラットフォーム(Piezo Tip/Tilt Platform)があり、これは、閉ループ・コントロールの下に+−1.5度の機械的傾斜能力を有し、1kHzの共振周波数を有し、10ミリメートルの直径のガラス・ミラーが取り付けられている。アクチュエータ522のその種のパフォーマンスは、われわれの計算によれば、1/30秒(すなわち、表示の単一のリフレッシュ・サイクルの間)の時間内に、ミラーが傾けられている間にミラー570から反射された後のビーム550が、最大でほぼ5度の角度まで掃引した後に戻ることを可能にする。
しかしながら、全体のプロジェクタ540に望ましい掃引範囲はそれより大きい。1次ボリューム画像発生器980のレイアウトが、初めのころに示した例と整合するとき、それは約45度になる。そのようなビームの角度的な動きの範囲は、ビーム収縮テレスコープ530を採用することによって達成される。これは、通過するビーム550の角度的な動きを所望の範囲まで増幅するに充分な角度倍率を有することだけを必要とする。われわれの計算によれば、これは、好ましい実施態様において拡大率を10とすることになる。その種のテレスコープは、同時にビーム550を10分の1に狭くすることになる(すなわち、好ましい実施態様においては、これがビーム直径を10から1ミリメートルに縮小する)。プロジェクタを出るビームの動きを、相互に垂直な方向で略図的に、動き550xおよび550yとして示している。
例示的な実施態様においては、スクリーン上での微細なビーム・スポット、すなわち微細な外観の仮想ケーブルの描画が可能なスポットの生成が可能になるには結果として得られるビーム直径がまだ充分に大きい。しかしながら回折に起因して、さらに狭いビームが、大きすぎる、ぼやけた外観のスポットを生成することがあり得る。したがって、直径が約10ミリメートルしかなく、最大傾斜が1度をわずかに超えるだけのティップ/ティルト・ミラー(たとえば、前述のS−334.2SL)が使用されるときには、過剰な切り取りを伴わずに可能な限りミラー570の直径を満たすべくレーザ・ビームが拡張されることが重要になる。テレスコープ530は、ビーム550の直径よりわずかに大きな直径を有し、この位置におけるビームの横方向の動きの範囲に適応する前方または『対物』レンズ群526を包含し、かつ後方レンズ群528を包含するが、それもまたビームの横方向の動きの(さらに大きい)範囲に適応する充分な大きさでなければならない。図23においては、簡明のため両方のレンズ群が略図的に単一レンズとして示されている。このテレスコープは、ガリレオ(この方が好ましい)またはケプラー・タイプとすることができる。これは、ビーム550の斜めの位置を扱わなければならないことから、コマおよび非点収差について(すなわち、実質的に回折制限パフォーマンスを、可能性としては球面収差が外部的に補正された後に有するべく)良好に補正されていなければならない。使用されるレーザが実質的に単色であることから、色収差のための補正はまったく必要ない。視野曲率またはひずみについては、これらの収差がコンピュータ152によって考慮ならびに補償が可能であることから、いずれも良好に補正される必要はない。球面収差についても、残存する球面収差が前述した球面収差調整デバイスによって妥当に良好に補償可能なものであれば、非常に良好に補正される必要はないと見られる。当業者であれば、前述したゼマックス(ZEMAX(R))ソフトウエア等の適切な光線トレース・コンピュータ・ソフトウエアを使用し、これらの仕様に従ってテレスコープ530の詳細な処方を作ることが可能である。
図24は、コントローラを含めたレーザ・スキャナ・プロジェクタ・ユニット540の別の実施態様の概略図を示している。図23に示されているとおり、このデバイスは、機械的なミラー・スキャナ985を採用している。しかしながらこの実施態様においては、スキャナ985がいくつかのミラーを使用し、それらのミラーは、ビーム550が各ミラーによって順番に反射され、各ミラーがビームを1回反射する態様で配置されている。図示されている構成は、それぞれアクチュエータ522y、522x、および522lによって作動される3つのミラー571、572、および573を包含する。各アクチュエータは、それぞれの別体のコントローラ525y、525xおよび525lによってそれぞれ電力供給される。これらのコントローラのそれぞれは、コンピュータ152からのステアリング信号に応答して作動する。
直前に述べたミラー・スキャナ985を除けば、このレーザ・スキャナ・プロジェクタ・ユニット540は、前述と同じデバイスのセット:すなわち、光ビーム550を放射するレーザ502、ビーム・コンディショナ506b、外部ビームの強度変調器508、球面収差調整デバイスを包含するビーム成形およびコンディショナ506a、ビーム・エキスパンダ520、およびビーム収縮テレスコープ530を包含する。このプロジェクタ・ユニット540の実施態様においては、エキスパンダ520の機能が、集束に加えて、ビーム550の直径を第1のスキャニング・ミラー571の投影サイズ(すなわち、ビームによって見られるサイズ)と実質的に整合させることであり、またビーム収縮テレスコープ530の機能は、最後のスキャニング・ミラー573から反射された後のビームを受け取り、それを充分に収縮させて投影されるビーム・スポットの動きの最大範囲を投影スクリーンのサイズに整合させることである。このほかのすべてのコンポーネントの機能は、図23に関連して説明したものと同一である。
図示されている3つのミラーは、図23の実施態様の場合と比べて、より単純、かつ可能性としてはより経済的なミラー・スキャニング・デバイスを使用して全体的なスキャナ985の必要周波数応答を達成するために使用されている。この構成における最初の2つのスキャニング・デバイス(ここで『最初』は、ビーム550を最初に反射するスキャニング・デバイスを意味する)は、単軸であり、可動域が比較的低いが、帯域幅の広い(すなわち、非共振、最大好ましくは1kHzを超える動作周波数を伴う)ミラー・スキャナであり、最初のそれは、ミラー571、アクチュエータ522y、およびコントローラ525yを包含し、2番目のそれは、ミラー572、アクチュエータ522x、およびコントローラ525xを包含する。3番目のスキャナは、比較的可動域の高い2軸、または『ティップ/ティルト』ミラー・スキャナであり、ミラー573、アクチュエータ522l、およびコントローラ525lを包含し、概して、図23に示した実施態様の中で説明したティップ/ティルト・ミラー・スキャナと類似しているが、ここではその最大動作周波数を実質的に1kHzより低くすることができる。
好ましくはこのミラーの投影サイズ(すなわち、ビームによって『見られる』サイズ)は、より小さいが、ビームの角度、したがって横断する変位の最大範囲が各反射の後に増加することから、それぞれの連続するミラーは、ビームの動きに適応するために直前のものよりわずかに大きくなる必要がある。このことから、高周波ミラーを低周波高可動域のミラーの前に配置(ビーム550の反射シーケンスの順序における意味)する必要があり、それにより与えられた直径のビームに適応するミラーを、平均してわずかに小さくすることができる。
最初の2つのスキャニング・デバイスのそれぞれにおいては、ミラーが、概略でそのミラーの平面内に位置する単軸周りに傾斜(すなわち回転)可能である。ミラー571(もしくは2番目のデバイス内の572)の動きは、図24内に571y(もしくは2番目のデバイスにおける572x)として略図的にマークされている。最初の2つのスキャニング・デバイスは、ミラー571および572によって順番に反射された後のビームが、2つの相互に直交する方向に操作され、その結果、ビームを可能位置の円錐内の随所に指向することが可能となる態様で配置されている。これらの最初の2つのスキャニング・デバイスは、統合的に使用されて、ビーム550の所望の動きの高周波成分を用いてビーム550を掃引する。残されたビーム550の所望の動きの低周波成分は、3番目のスキャニング・デバイスによって扱われる。この種の構成は、ある意味で2ウェイ・スピーカ・システムに類似しており、それにおいては、特定の『クロスオーバ』周波数より概して低いサウンドを再生するため、およびそれより概して高いサウンドを再生するための別々のラウドスピーカが備えられる。根本的な理由もまた、部分的に類似している:高周波信号を扱うことのできる機械的デバイスは、そのデバイスが同時に低周波(したがって、それとともに一般的な信号スペクトルにおいては、はるかに高い可動振幅)信号を扱う必要がなければ、構築が容易であり、またその逆も同じになる。スキャニング・デバイスの場合においては、単一の回転軸だけを有することも、より高い周波数帯域を達成する助けとなる。低可動域高帯域単軸スキャナの例は、ウィスコンシン州マディソンのマッド・シティ・ラブズ・インク(Mad City Labs, Inc.)によって販売されているナノMTA(Nano−MTA)単軸圧電ミラー・ティルト・アクチュエータであり、これは、閉ループ・コントロールの下に2.2mradの可動域を有し、5kHzの共振周波数(無負荷時)を有し、0.50”(最大)の光学系用に設計されている。さらに高い周波数能力を有する単軸スキャナの例が、『ハイ−スピード・ライト・ビーム・デフレクタ』と題されたリー(Lee)に対して発行された米国特許第5,251,056号に開示されており、当該特許は参照によりこれに援用される。
機械的なミラー・スキャナ985内に使用されているすべてのミラー・アクチュエータの動きは、コンピュータ152によって調和される。コンピュータ152によって実行されるソフトウエアは、適切な周波数クロスオーバの論理関数を提供する;コンピュータは、各アクチュエータのコントローラ525y、525x、および525lのための適切な周波数範囲を伴う、正しく整相された信号を生成する。各コントローラは、それぞれがコンピュータから(および、オプションのアクチュエータ内に組み込むことが可能な動きフィードバック・センサから)受信した信号を、特定のアクチュエータの駆動に適した高電力信号に変換する。好ましくは、少なくとも高可動域スキャニング・デバイスが動きフィードバック・センサを包含する;コントローラ525lは、それらのセンサからフィードバック信号を受信し、その後、デバイスのコントロールの改善にその信号を使用する(すなわち、その精度を向上させ、外部干渉(揺れ、温度等)に対するその感度を低くする)。高周波アクチュエータは、一般に低周波デバイスより硬直であり、主要な擾乱を受けにくく、したがって高周波アクチュエータ522yおよび522xのためにフィードバック・ループを採用しても、一般に、機械的スキャナ985全体のパフォーマンスへの目立った利益はほとんどない;しかしながら、より好ましい実施態様においては、3つのスキャニング・アクチュエータのそれぞれがフィードバック・コントロールの下に置かれる。オプションとして、低周波スキャニング・デバイスからのフィードバック信号を、直接もしくはコンピュータ152を介して残りの(すなわち高周波)スキャナ・アクチュエータ・コントローラに対しても送信し、より高速なそれらのミラー・アクチュエータを低周波スキャニング・デバイスの誤差の対処に使用してもよい。採用されているそれぞれのスキャニング・デバイスに対して各デバイスの特性を基礎として動作させる動きの周波数をどのように割り当てるか、フィードバック信号をどのように使用するか、また適切に時間的に調和されたそれぞれのスキャニング・デバイスに対するステアリング信号をどのように生成するかについては、当業者の能力の範囲内である。
前述と類似の態様において、異なる数のミラーを採用する機械的なミラー・スキャナ985を構成すること、たとえば、2つの2軸ティップ−ティルト・スキャニング・ミラーおよび1つのクロスオーバを有するスキャナを構成することも可能であり、それにおいては、最初のミラーの角度変位能力が2番目のミラーより小さいが、より実質的に高い動きの周波数を有する−−たとえば、最初のミラーが圧電アクチュエータ・ユニットによって、2番目のミラーがボイス・コイル・ユニットによって作動されるといったこともできる。それに代えて2もしくはそれを超える数のクロスオーバ、および3もしくはそれを超える数のミラーを採用する機械的なミラー・スキャナ985を構成することもできる。
図25は、コントローラを含めたレーザ・スキャナ・プロジェクタ・ユニット540のさらに別の実施態様の概略図を示している。このデバイスは、音響光学スキャナ985aを採用している。この実施態様においてスキャナ985aは、コンピュータ152からのステアリング信号に応答して作用するコントローラ524aによって電力供給される2軸、または『x−y』音響光学偏向器575を使用する。2軸音響光学偏向器は、通常、2つの交差する単軸音響光学偏向器から構成されるが、説明の簡明のため以下においてはそれを単一デバイスとして参照する。
音響光学偏向器は、優れた応答時間および非常に高いビーム掃引の最高速度を提供し、可能性としては、より高く、より信頼性のある表示デバイスのリフレッシュ・レートを可能にし、スキャナ・プロジェクタ・ユニット540内に使用されるコントロール付きのすべてのアクチュエータの調和されたコントロールを簡素化する。その欠点は、コストが高いことのほかに、比較的低い光スループットおよび入力レーザ・ビームの品質に対するデバイスの敏感性である。
スキャナ985aが機械的なミラー・スキャナ985と異なることを除けば前述と同じデバイスのセット:すなわち、光ビーム550を放射するレーザ502、ビーム・コンディショナ506b、外部ビームの強度変調器508、球面収差調整デバイスを包含するビーム成形およびコンディショナ506a、ビーム・エキスパンダ520、およびビーム収縮テレスコープ530を包含する。プロジェクタ・ユニット540のこの実施態様においては、エキスパンダ520の機能が、集束に加えて、ビーム550の直径を音響光学偏向器575の入力開口と実質的に整合させることであり、またビーム収縮テレスコープ530の機能は、音響光学偏向器から回折後のビームを受け取り、それを充分に収縮させて投影されるビーム・スポットの動きの最大範囲を投影スクリーンのサイズに整合させることである。このほかのすべてのコンポーネントの機能は、図23の実施態様に関連して説明したものと同一である。
音響光学偏向器の性質によって、音響光学デバイスを離れる所望の二重回折(『二重1次』)出力ビームのほかに、非回折(『二重0次』)ビームおよび2つの一重回折ビーム(『1次x0次y』および『0次x1次y』)も存在するが、後の3つはすべて、われわれの応用においては役をなさず、捨てる必要がある。図25に略図的にビーム・トラップ(または『ビーム・ダンプ』)850として示されているブロッキング・デバイスは、すべての非二重1次ビーム550aをインタセプトしてそれらを吸収する。
このスキャナ985aの実施態様に使用することが可能な音響光学偏向器の例は、バージニア州スプリングフィールドのアイソメット・コープ(ISOMET CORP)によって販売されている2軸音響光学偏向器、モデルLS110A−XYがあり、これは、9.3ミリメートルまでの直径の赤色光の円形入力ビームを受け入れる能力があり(LS110−633XYの場合)、ベクトル・スキャニング・モードで動作して、2.9度×2.9度の動きの範囲の回折ビームを生成し、35%超のスループット効率を有する(すなわち、ビームがコリメートされた『回折制限品質』のガウス・ビームであることを前提に35%超の入力レーザ・ビームがXY画像平面に回折される)。
図26は、2軸音響光学偏向器575を採用するレーザ・スキャナ・プロジェクタ・ユニット540の第2の実施態様の概略図を示している。図25の場合とは異なり、音響光学偏向器575aに供給されるビームは、コリメートされた(つまり、集束されていない)高品質(つまり実質的な球面収差を有していない)ガウス・ビームである。この種の構成は、実質的に一定の、音響光学偏向器575の最大可能スループット効率を提供する。この実施態様においては、球面収差調整デバイスが、(オプションの)ビーム成形およびコンディショナ506cから完全に省略されている(外部変調器508を離れた後にビーム550が実質的なガウス・ビームでない場合にだけ使用される)。ビームの集束は、手前で説明した実施態様においてなされていたようにビーム・エキスパンダの発散レンズ512aによるのではなく、音響光学偏向器575からビームが出力された後にビーム収縮テレスコープ530の第2のレンズ群528aによって行われる。レンズ群528aは、514sとして略図的に動きの範囲を示したが、コンピュータ152からのステアリング信号に応答してコントローラ516aによって電力供給される機械的な(好ましくは圧電またはボイス・コイル)アクチュエータ514aによって軸方向に作動される。図27は、コントローラを含めたレーザ・スキャナ・プロジェクタ・ユニット540のさらに別の実施態様の概略図を示している。このデバイスは、機械的なミラー・スキャナ985を採用し、それにおいてスキャナ985は、回転ガルバノメータによって作動されるミラーのペアを使用する。図示の構成は、2つのミラー574xおよび574yを包含し、それらはコンピュータ152からのステアリング信号に応答して作用するコントローラ524gによって電力供給されるアクチュエータ(すなわち、単一ユニットとして示されている互いに垂直なガルバノメータのペア)522gによって作動される。ガルバノメータは、事実上、必要な大きさの角度でミラーを傾けることが可能であり、したがってこの実施態様においては、ビームの動きの範囲を拡張する追加の光学系(たとえば、手前の実施態様のすべての中に採用されていたビーム収縮テレスコープ530)を採用する必要なく、(550xおよび550yとして略図的に示されている2つの相互に垂直な方向における同時の動きの組み合わせによって)投影スクリーン上の任意の点に向けてビームを操作することができる。
(1)ビーム収縮テレスコープ530の省略、および(2)スキャナ985が最初に説明したプロジェクタ・ユニット540の実施態様に採用されていた機械的なミラー・スキャナ985と異なることを例外とすれば、レーザ・スキャナ・プロジェクタ・ユニット540のこのバージョンは、図23のプロジェクタ・ユニット540の実施態様内と同じデバイスのセット:すなわち、光ビーム550を放射するレーザ502、ビーム・コンディショナ506b、外部ビームの強度変調器508、球面収差調整デバイスを包含するビーム成形およびコンディショナ506a、およびビーム・エキスパンダ520を包含する。しかしながらプロジェクタ・ユニット540のこの実施態様においては、エキスパンダ520の機能が、集束に加えて、(1)ビーム550の直径を、通常はわずか数ミリメートルとなる正常な傾き動作範囲間に両方のミラー574xおよび574yのうちのいずれか1つの最小投影サイズと実質的に整合させること、および(2)集束レンズ512がその『もっとも近い焦点』位置にあるとき、投影スクリーン上のもっとも近い点にビームを(コリメートではなく)集束させることである。このほかのすべてのコンポーネントの機能は、図23の実施態様内と同一である。
スキャナ985のこの実施態様内に使用することのできる2軸ガルバノメータ・スキャナの例は、マサチューセッツ州ケンブリッジのケンブリッジ・テクノロジ・インク(Cambridge Technology, Inc.)によって販売されているモデル6210ムービング・マグネット・クローズド・ループ・ガルバノメータ・ベースド・オプティカル・スキャナ(Model 6210 Moving Magnet Closed Loop Galvanometer Based Optical Scanner)である。これは、3ミリメートルの直径のレーザ・ビーム用に設計された高可動域高速スキャナである。
ガルバノメータ・スキャナを使用する欠点は、比較的コスト高であり、可能性としてはベアリング内の摩擦の存在に起因するスキャナの信頼性の限界である。別の欠点は、このタイプのスキャナに内在する有意の幾何学的変位ジッタの存在に起因してスキャナのアクチュエータに対するステアリング信号の計算がより複雑になることである。一方、このテクノロジは、レーザ・ショー産業で広く使用されており、優れた結果を提供している。したがって、経済的およびそのほかの考慮事項に応じて、この実施態様が好ましいこともある。
6.5. スクリーン・アクチュエータ
前述したとおり、われわれの表示装置の例示的実施態様のボリューム特性は、端的に言えば、投影スクリーンと直視光学系の間の距離の連続的な調整を通じて達成される。その種の連続調整は、各スキャン周期内において、レーザ・ビームがスクリーン表面にわたって掃引されケーブル−ラインを『描画』する間に、その種のレーザ・ビームの動きと調和して生じる。スクリーンを動かし、良好にコントロールされた態様でその種の連続調整を達成するために、スクリーン・アクチュエータが採用されている。
図30A−30Bは、投影スクリーン602が取り付けられた投影スクリーン・アクチュエータ975およびスクリーン・アクチュエータ・コントローラ924の例示的な実施態様の概略図を示している。コントローラ924は、コンピュータ152からのステアリング信号に応答してアクチュエータに電力を供給する。この実施態様においては、投影スクリーン・アクチュエータ975がボイス・コイル・スクリーン・アクチュエータ923であり、凹面スクリーン602と緊密に1ユニットに統合されている。その動作原理および構成は、『倒立ドーム』(すなわち、凹面の膜)を伴う当業者に周知のタイプの最近のダイナミック・ラウドスピーカのそれに類似である。この類似性自体が利点であり、このタイプのアクチュエータならびにスクリーンの組み合わせの設計が、最先端のラウドスピーカ設計から利益を受けることができる。
同時に、有意な相違も存在する。音響スピーカは、その指定された帯域幅内の任意の組み合わせで任意の周波数に応答する必要がある。ほとんどの応用(すなわち、可能性としてハイファイ愛好家の『ハイエンド』装置用に意図される場合を除いて)オーディオ・スピーカは、異なる周波数間の時間または位相関係を特に良好に保存する必要がない。また、通常、音響スピーカのボイス・コイルには、DC成分が存在しない純粋なAC信号が供給される。これに対してスクリーン・アクチュエータ923は、概して、スクリーン・ユニットの動作周波数範囲内の周波数の離散的なセットを用いて操作される。スクリーン・ユニットの動作周波数範囲は、表示ユニットのリフレッシュ周波数(すなわち、約30Hz)から好ましくは少なくとも1kHzまで広がる。通常、最初の近似(すなわち、表示される仮想ケーブルが1つのサイクルから次のサイクルまで非常にわずかしか変化しないと仮定する)においては、スクリーンの軸の動きが表示ユニットのリフレッシュ周波数(たとえば30Hz)に等しい周期を伴って周期的になる。この周期性から、スクリーン軸の動きの構成周波数は、最初の近似において、離散的な周波数セット−−リフレッシュ周波数(たとえば30Hz)および、表示される仮想ケーブルの3次元形状に応じて種々の特性および位相で存在するその偶数および奇数高調波(たとえば、60Hz、90Hz、120Hz等)になる。一般的な表示状況においては、より高い高調波周波数は、周波数の増加とともに急激に低下する振幅を有し、約1kHzを充分に超える周波数では、仮想ケーブルの見かけに対する影響が比較的小さく、ステアリング信号から省略することができる。異なる周波数間の位相関係の正確な保存は、スクリーン・アクチュエータ923において重要である。この理由からアクチュエータ923は、スクリーンの絶対ポジションがコントローラ924によってリアルタイムで監視できるようにフィードバック信号を生成する。また、仮想ケーブルの表示される部分の線形定義上の距離範囲が1つの運転状況と別のそれとで大きく変化し得ることから、所定のリフレッシュ・サイクルの間のスクリーン602の平均的な位置が、一般にスクリーンの中立位置(すなわち、信号が存在しないときの、スクリーン・サスペンション925によって決定されるスクリーンの休止または中間位置)と一致しない;したがって、投影スクリーン・アクチュエータ975は、必要に応じて平均スクリーン位置の変位にステアリング信号のDC成分を使用する。DC信号によって生じるボイス・コイル919の熱負荷を回避する代替方法は、ボイス・コイル919へのステアリング信号内においてはDC成分をまったく使用しないが、それに代えてスクリーン・アクチュエータ975の背面とその支持931の間に配置される追加の低帯域幅アクチュエータ(図示せず)を使用する;その種の追加の低帯域幅アクチュエータは、ボイス・コイル・スクリーン・アクチュエータ・アッセンブリ923全体を適切な位置に移動する必要がある。
ボイス・コイル・スクリーン・アクチュエータ923は、例示的に、信号がなくスクリーン602が休止位置にあるときのリレー・レンズ702からの距離に位置決めされており、例示的にリレー・レンズ702の正面から102.55ミリメートルとする。したがってスクリーン602は、その休止位置からそれがレンズ702から離れる方向に0.85mm変位されるとき、リレー・レンズ702からもっとも遠い位置(『無限遠』における虚像に対応する)に到達し、その休止位置からそれがレンズ702に向かう方向に0.85mm変位されるとき、リレー・レンズ702にもっとも近い位置(運転者にもっとも『近い』位置における虚像に対応する)に到達する。後に開示されているとおり、リレー・レンズ702の光軸に対して傾けられる(すなわち、垂直でない)スクリーンの変形が好ましいこともある。その種のスクリーンがその休止位置にあるときは、スクリーンの異なる部分が『無限遠の』光学的共役表面から異なる距離となる。その種の傾斜スクリーンは、後述するとおり、一般的な運転状況においてスクリーンの振幅を小さくするために使用されることがある。
スクリーン602を伴うボイス・コイル・スクリーン・アクチュエータ923の好ましい実施態様と類似の構成を伴う倒立ドーム・ダイナミック・ラウドスピーカの例(フィードバックがなく、耐熱性サスペンションがないことを例外とする)は、カリフォルニア州サンタフェスプリングスのオーラサウンド・インク(AuraSound, Inc.)によって販売されている、5ミリメートルまでの可動域(各方向)を有する直径が70ミリメートルの硬質低質量アルミニウム・コーンを有するNS3−193−8A、および独国プルハイムのティール・アンド・パートナーGmbH(Thiel & Partner GmbH)によって販売されている、3ミリメートルまでの可動域(各方向)を有する直径が90ミリメートルの非常に硬質な低質量凹面セラミック・ドームを有するアクトンC2 89−T6(ACCUTON C2 89−T6)である。
スクリーンは凹面であり、好ましくは表示ユニットの直視光学系の視野曲率を実質的に相殺するために必要となる形状に従う。後に開示されているとおり、リレー・レンズ702の光軸に対して傾けられる(すなわち、垂直でない)スクリーンの変形が好ましいこともある。その種のスクリーンは、概して凹面の形状を有し、表示ユニットの直視光学系の視野曲率の相殺に加えて、乗り物と相対的な仮想ケーブルの統計的な代表位置を相殺する。これを直観的に説明するために、多数の実在するケーブルが乗り物の正面の、いずれかの代表的な運転状況において仮想ケーブルが表示されることになる位置に1つずつ配置されている状態を考える。傾斜付きのスクリーンは、好ましくは『休止』時に、それらの実在するケーブルに可能な限り近く、可能な限り多くのそれらの『逆の』画像を投じる形状を有する(注意:光学の基本的な法則として、位置xの物体が位置yに結像される場合に、位置yに配置される物体は位置xに結像されることになる)。
フォーマ管およびスクリーン支持層603は、軽量で耐久性があり、高温に耐える必要がある。スクリーン602上に直視光学系によって集束される直射日光によって偶発的に高温の上昇を生じることがある。また好ましい実施態様においては、ボイス・コイル919が、信号内のACおよびDCによって生じる熱負荷を処理できる必要がある;この理由から、コイル・フォーマ管が熱を良好に伝導する材料、たとえばアルミニウムから作られていると好ましい。さらに、スクリーン支持層603およびスクリーン602が、コイル919ならびにコイル・フォーマ・アッセンブリのための効率的なヒート・シンクであることも好ましく、たとえばそれは、スクリーン支持層603の材料にアルミニウムを使用し、かつ遠赤外線において放射性の高いスクリーン602用の表面として使用することによって達成することができる。スクリーン支持層603に、所望の光学的特性ならびに熱放射特性を提供する表面コーティングを用いてコーティングを行ってもよい;このコーティングの表面がスクリーン602を構成する。スクリーン支持層603は、スクリーン全体が実質的にひずむことなく、ピストンに似た動きを伴ってすべての動作周波数において動くことが可能なように充分に硬質である必要がある。スクリーンおよびコイル・フォーマ用のサスペンション925についてもラウドスピーカのサスペンションに類似であるが、この場合には高い温度処理が追加の要件となる。
アクチュエータ923は、リアルタイムのスクリーン位置フィードバック信号をコントローラ924用に生成する;例示的なフィードバック・センサの実施態様の詳細な図解を図30A−30Bの挿入図内に示す。このフィードバック・センサは、アクチュエータの磁気アーマチュアの中心極の中心ボア内に含まれており、センサ・コンポーネントへのリード913が、ボアの後端を通ってコントローラ924に配線されている。シールド907aによってシールドされた静止光源(例示的にLED)909が、狭発散性の光ビーム915(たとえば、IRまたは可視光)をスクリーン支持層603の後ろ側表面の中心に向けて発射する。スクリーンの後ろ側表面は、例示的にその中心に白色または、より好ましくは凸面ミラー状の反射スポット905(たとえば、支持層603の研磨されたエリア、またはペイントされた白色スポット、または支持層603上に接着された薄い反射膜)を有し、例示的にはそれがビーム915を遮る充分な大きさを有する。このスポット905によってビームは、シールド907bによって迷光からシールドされた光検出器911に向けて反射される。光源909の所定出力について、光検出器911の照度が、スクリーン602の背面上のスポット905と発光器909および検出器911のアッセンブリの間の距離の関数になり、したがって光検出器911の信号から任意の時点におけるスクリーン602の絶対軸位置を決定することが可能になる。上記のフィードバック・センサの実施態様は、単純であること、および膜にマウントするセンサ・コンポーネントを採用しないこと(したがって、膜の可動質量の必然的な増加が回避される)の両方によって従来技術(エリクソン(Erickson)ほかに対して発行された『メソッド・アンド・ミーンズ・フォア・メジャリング・ディスタンス・オブ・ムービング・オブジェクト・フロム・ア・フィクスト・ポイント・オブ・リファレンス(Method and means for measuring distance of a moving object from a fixed point of reference)』と題された米国特許第4,868,401号内に開示されている構成によって例示される)より改良されたものとなる。
コントローラ924の電力段は、好ましくはアクチュエータに対して強いダンピングを提供する必要がある。スクリーン位置フィードバック信号は、例示的に、予期しない乗り物の動き(すなわち揺れ)によって生じるスクリーン位置の擾乱を迅速に相殺するためにこの信号がほかのコントロール方法によって使用される場合であっても閉ループ・コントロールのために使用される。また、一般的な運転状況においては乗り物の揺れる動きの中でも上下方向成分がもっとも強いことから、スクリーン602が実質的に垂直姿勢でマウントされ、したがってその種の揺れによる影響が最小となるように表示ユニットの光学系を構成することが好ましい。
コントローラ924が、コンピュータ152内において実行されるソフトウエアとともに、線形性および周波数ならびに位相応答といったアクチュエータ923の動的特性についての知識を有することが望ましい。この知識は、コントロールの分野で周知のとおり、アクチュエータの絶対スクリーン位置センサからの信号の観察によって継続的に再計算される。コンピュータ152は、コントローラ924とともにこのデータを使用してステアリング信号を計算し、生成することが可能であり、それがアクチュエータのひずみの予備補償を行い、結果として良好にコントロールされたスクリーン602の動きが得られる。
当業者であれば、適切なコントロール・アルゴリズムならびに適切なコントローラ924を設計し、精密にコントロールされた投影スクリーンの動きを達成することが充分に可能であろう。
図30Cは、サウンド遮断筐体929内のボイス・コイル・スクリーン・アクチュエータ923の例示的な実施態様の概略図を、振動平衡ツイン・アクチュエータ・ユニット933、およびスクリーン・アクチュエータ・コントローラ924とともに示している。平衡アクチュエータ933は、好ましくは主アクチュエータ923と可能な限りの同一特性(すなわち、可動質量、周波数ならびに位相応答、膜の面積)を有する必要がある;周波数応答の整合は、製造施設内において利用可能な大量保管アクチュエータの中からもっとも類似している周波数応答を有するその種のアクチュエータのペアを選択することによって達成できる。平衡アクチュエータ933は、実質的に対称の筐体929内において、主アクチュエータ923と同一の軸上に対称逆向きに、それらのそれぞれを支持部材931の両側に取り付けることによって配置される。平衡ボイス・コイル・アクチュエータの実施態様の1つのより簡単な変形(図示せず)においては、平衡アクチュエータ933がフィードバック・センサを有してなく、コントローラ924によって主アクチュエータ923と同じ信号が供給されるが、それらの信号は、両方のアクチュエータ内のボイス・コイルに作用する力が常に等しいが、相互に逆方向に作用するような極性となる。両方のアクチュエータがすべての側面において良好に整合しているときは、作用する力だけでなく、スクリーン・アクチュエータ923および平衡アクチュエータ933の対応する可動部分の動きが、等しいが逆向きとなり、このペアの質量中心が実質的に静止することになる。
しかしながら平衡アクチュエータ933は、主アクチュエータ923のフィードバック・センサと可能な限り同一のフィードバック・センサ(たとえば、製造施設内において利用可能な大量保管センサの中から各ペアのアクチュエータのもっとも整合するセンサのペアを選択することによって達成される)を有することができる。これには、主アクチュエータ923に供給される信号と非常に類似した信号を用いてコントローラ924から電力供給される;これらの信号の間には、2つのアクチュエータの応答特性におけるわずかな差、および平衡アクチュエータ933に対する信号が主アクチュエータ923からの信号と独立に、主アクチュエータ923からのフィードバック信号と同一となる平衡アクチュエータ933からのフィードバック信号を生成する態様で平衡アクチュエータ933を作動するというコントロール目標を伴ってコントロールされるという事実に起因して小さな差異が存在し得る。この種の条件の下に、スクリーン・アクチュエータ923および平衡アクチュエータ933の対応する可動部分の動きが等しく、かつ逆向きになり、ペアの質量中心が実質的に静止したままになる。
筐体929は完全に閉じられており、両方のアクチュエータによって生成されるサウンドの有効な遮断の提供に充分な防音性材料から作られる。それに加えて、いくつかのラウドスピーカの筐体内で実践されているとおり、防音グラスファイバもしくはそのほかの適切な吸音材料(図示せず)を筐体929の内側に配置し、筐体内部を伝播する音波の吸収を助けることもできる。ボイス・コイルによって生成される熱をはじめ、直射日光の照射によってスクリーン602上にまれに生成される熱を効果的に発散するために、筐体の強制換気(すなわち冷却)を行うこともできる。筐体929は、投影スクリーン602に隣接する側が光学ウインドウ930によって閉じられている。スクリーン602を取り囲むサスペンション材料は、高い反射率を持つことができる耐熱性光バッフル927によって、あらゆる可能性のある集束された日光に直接さらされることから保護されている。
図29は、折り返しミラー707を採用する直視光学系の1つの可能実施態様の概略図を示している。適切に配置された折り返しミラー、すなわちすべての画像形成光線のインタセプトに充分な大きさの第1の表面平板ミラーの使用は、ボイス・コイル・スクリーン・アクチュエータを好ましい姿勢で配置すること(すなわち、それによりスクリーン602を実質的に垂直にして、道路から導かれるスクリーン602の振動を最小化する)および表示ユニットをよりコンパクトに、かつ乗り物のダッシュボード・エリア内により容易に適合させることを可能にする。追加の折り返しミラー、もしくは複数の折り返しミラーを使用して一層コンパクトな表示ユニット(図示せず)を達成することも可能である。
単一の傾斜付き凹面ミラーにより平板ミラー707および接眼レンズ群704の両方を置き換えることによって、図29に示されている光学的レイアウトの変形(本質においては、非常に大型と双眼接眼鏡を伴う折り返し顕微鏡)を作ることができる。その種の設計は、より軽量であり、よりコンパクトな表示ユニットをもたらすことができ、またより経済的となるが、所定の製造者の技術による。チェン(Chen)に対して発行された『アイピース・デザイン(Eyepiece design)』と題された米国特許第5,825,553号は、比較的大型の目側反射エレメントを伴う顕微鏡タイプの光学系の設計方法を教示している。当業者であれば、その特許内に示された接眼鏡設計を、基本的にその特許内に示されている設計をスケールアップし、それをダッシュボードの天板の下に適切に位置決めすることによって、われわれの表示装置用の直視光学系として容易に適応させることができる。われわれの表示装置のための直視光学系の設計時に適切な光学設計ソフトウエアを使用する設計者は、追加の自由度を利用することが可能である。われわれの装置の場合には色収差の補正が不要であり、ひずみならびに視野曲率の相当な部分を前述の理由から未補正のまま残すことが可能であるため、それらの追加の自由度が得られる。この機会に、上記の特許内に開示されているような傾斜付き光学コンポーネントを採用する光学系が、厳密な意味で光軸を持たないことに注意したい。しかしながらここでは、拡張された意味で『光軸』という表現を使用し、次のとおりにそれを定義する:回転対称の直視光学系の場合には『光軸』が標準的な意味を有する;回転対称でない顕微鏡タイプの直視光学系の場合には、ここで光学系の入射瞳の幾何学重心を通り、かつ射出瞳の幾何学重心を通る光線の経路として『光軸』を定義する。この明細書の後ろの部分で、投影スクリーンが『光軸』に関して『傾斜』されていると述べているが、そこではこの拡張された定義の『光軸』が意味されている。
図31は、投影スクリーン602が取り付けられた投影スクリーン・アクチュエータ975の別の実施態様の概略図を示している。この実施態様においては、それが、固定的に取り付けられたスクリーン602に対して一定範囲602rの周期的な動きを、それを駆動するモータの回転時間に等しい周期(たとえば1/30秒、ただしコンピュータ152により変更可能なモータ速度を用いて可変とすることも可能である)を伴って与えることだけが可能な電気モータによって駆動されるクランク・メカニズム818である。これは単純であり、あらゆる擾乱に対する耐性が非常に高い。これを高速スキャナ(好ましくは音響光学ベースのスキャナ)とともに使用し、ほとんどの運転状況において許容可能な結果を提供することができる。しかしながら、単一の運動サイクル内において、仮想ケーブルの長さに沿って線形定義上で退く描画と、線形定義上で近づく描画が交番する仮想ケーブルを表示することができない。
6.6. 表示デバイスの直視光学系
図32は、図19に示されている表示デバイスの直視光学系の例示的な実施態様−−すなわち非モザイク複合顕微鏡光学系の概略図を示しており、簡明のために折り返しミラー(1ないしは複数)もしくはコンバイナによる光軸の折り返しを伴わず、両方のレンズ群702および704は、それぞれ単一レンズとして図示され、参照されている。
投影スクリーン602上の2つの異なる点(1つはスクリーン中心の軸点、1つはスクリーンの縁に向かう概略の中間点)から到来する軸光線束をはじめ周縁光線束が図示されている。スクリーンは、レンズ702からもっとも遠い位置(すなわち『無限遠』位置)に図示されており、結果として両方の光線束が、直視光学系の最終光学エレメント(すなわち接眼レンズ704)を離れるときに実質的に平行束(『ペンシル』)になる。接眼レンズ704の観察者側におけるこれらのペンシルの交差は、点731周囲のアイ・ボックスを画定する。運転者902の目は、両方の目を用いて表示を適正に見るためにそのアイ・ボックス内に位置決めされる必要がある。
図33は、表示デバイスの直視光学系の別の実施態様、すなわち非モザイク拡大鏡(または『ルーペ』)光学系の概略図を示しており、簡明のためにコンバイナによる光軸の折り返しを伴わず、拡大鏡を構成するすべての光学エレメントが統一的に単一レンズ706として図示され、参照されている。この拡大鏡706は、図32内の接眼レンズ704と実質的に同一の直径を有して示されている。
図33においては、図32における場合と同様に、軸光線束をはじめ、投影スクリーン602d上の2つの異なる点から到来するアイ・ボックスの限界を画定する光線束が示されており、かつスクリーンがレンズ702からもっとも遠い位置(すなわち『無限遠』位置)に図示されており、その結果としてこの光学系を離れるときに両方の光線束が実質的に平行になる。物理的な物体(または、少なくともランベルトの放射器となる物理的な物体)を見るために採用される拡大鏡は、厳密な意味で遠方の『射出瞳』を持たない。しかしながら、アイ・ボックスは、例示的な実施態様のアイ・ボックスにサイズにおいて匹敵する必要がある(すなわち、運転者902のいくらかの頭の動きを可能にするために、その最大横断直径において好ましくは100ミリメートルもしくはそれを超える)。光学的補正の目的のために、光学設計者には、アイ・ボックスを通過する光線の考慮だけが必要になる。
図32に示されている実施態様内の直視光学系と同様に、また前述と同一の理由から、図33に示されている直視光学系は、球面収差に関して非常に良好に(すなわち、アイ・ボックスを通過する光線について)補正されており、かつコマ収差および非点収差について良好に補正されていることが望ましい。この逆に、視野の曲率および/またはひずみは、ほとんど未補正のままに残すことができる。色収差はまったく補正の必要がない。
f値(すなわち、焦点距離とレンズ直径の比)が小さい場合(たとえば1.2より下)の球面収差、コマ収差、および非点収差についてのスタンド−アロン拡大鏡の補正は、比較的複雑な光学的処方をもたらす;良好に補正されたf値の小さいルーペは、厚く、重く、かつ高価なものとなる傾向にある。全体的に厚い光学系は、この応用において、レーザ・プロジェクタを適正な位置に置き、小さいレーザ・ビーム・スポットを投影スクリーン602上の任意の位置に投影することを不可能にする。
焦点距離の長い拡大鏡の使用は、より大型の表示デバイスをもたらし、仮想ケーブルの所定輝度を達成するためにより明るいレーザの使用を必要とし、仮想ケーブルの所定の線形定義上の範囲を達成するために、より大型ではるかに大きな可動範囲を有するスクリーンの使用を必要とし、それがまた、はるかに強力なスクリーン・アクチュエータのコントローラ、より高いレートのアクチュエータ冷却、および生成されるはるかに高いレベルのサウンドおよび振動からの乗り物のシールドを必要とする。経済的および/または技術的要件のセットを前提として、当業者であれば、上記の問題のすべてに照らして良好な結果をもたらす拡大鏡706の焦点距離を見つけ出し、その種の拡大鏡を採用した直視デバイスを構成することが可能であろう。
図34の上段部分は、図32と同様に、図19に示されている表示デバイスの直視光学系の例示的な実施態様−−すなわち非モザイク複合顕微鏡光学系の概略図を示しており、簡明のために折り返しミラー(1ないしは複数)もしくはコンバイナによる光軸の折り返しを伴わず、両方のレンズ群702および704は、それぞれ単一レンズとして図示され、参照されている。図34の、1番目の部分と整列させて示した下段部分は、同一直視光学系の追加の略図を示しており、1番目の略図は、レンズ702からもっとも遠い位置(すなわち、『無限遠』位置にある虚像に対応する位置)にある投影スクリーン602を示しているが、この2番目の略図は、レンズ702にもっとも近い位置(すなわち、運転者にもっとも『近い』位置にある虚像に対応する位置)にある投影スクリーン602を示している。
図34の上段部分、すなわちスクリーンがレンズ702からもっとも遠い位置で図示されている部分においては、光線束が中間のスクリーン画像表面710a上に位置する中間実像点に集束され、その後、接眼レンズ704に続き、それが実質的に光線束556aをコリメートする。この光線束の乗り物前方への仮想的な延長は、無限遠において仮想的に『集束』される仮想光線束(図示せず)に続く。図34の下段部分、すなわちスクリーンがレンズ702からもっとも近い位置で図示されている部分においても光線束が集束されるが、それがよりリレー・レンズ702から離れた、したがって、より接眼レンズ704に近い新しい中間のスクリーン画像表面710c上に位置する新しい中間実像点になされ、その後、接眼レンズ704に続き、この場合にはそれが完全には光線束をコリメートしない。光線束556cはわずかに発散しており、この光線束の乗り物前方への仮想的な延長は、観察者902からいくらかの有限距離(好ましい実施態様においては、点731から前方に約12.5メートル)において仮想的に集束される仮想光線束(図示せず)に続く。リレー・レンズ702が画像を横断方向および縦通方向にともに拡大することから、シフト距離710rとして示されている画像位置710aと710cの差は、『無限遠』からもっとも『近い』位置にシフトするときのスクリーン602の移動による距離602rより大きい。
図34は、スクリーン602の可能位置の範囲の両極においてトレースされた光線を例示している。スクリーン602の中間位置(図示せず)は、接眼レンズ704を出る光線束の中程度の発散を相応じてもたらし、したがって観察者と仮想スクリーン画像の間に相応じた中間的な距離をもたらす。
6.7. 仮想ケーブルの描画
図35は、3次元空間内に仮想ケーブルVCの一例を描画している表示デバイスの概略図を示している。ここで注意を要するが、図35内に示されているすべての光線は仮想であり、この仮想ケーブル画像は例示だけを目的としている;仮想ケーブルは、乗り物800の外に位置するいかなる視点からも見ることは不可能であり、表示デバイスのアイ・ボックス内に位置決めされた、乗り物の運転者等の観察者によってのみ見ることができる。仮想ケーブルVCは、各リフレッシュ・サイクルの間に新たに描画され、例示的にはそれが毎秒約30回になる。仮想ケーブルVCは、例示的に、乗り物800にもっとも近い点557dから開始し、仮想ケーブルの表示される部分の他方の端に向かい、仮想ケーブル経路に沿って進み、一点ごとに描画される。表示リフレッシュ・サイクルの開始時の点557dが描画されるとき、スクリーン602がそのもっとも『近い』位置に調整される。運転者が直視光学系(コンバイナを含む)を介して見たときに、3次元空間内の点557dに向かう方向に対応するスクリーン602上の位置にレーザ・ビームが投影される。スクリーン上へのレーザ・ビームの輝きは、光彩が与えられたスポット−−実在する(すなわち『仮想でない』)明るい光源−−をもたらす。この実在の明るい光源が、続いて直視光学系(コンバイナを含む)によって結像される。表示デバイスを離れた実在の光束は、この時点において相対的にもっとも発散性であり、したがってこのコンバイナ(乗り物のウインドシールドもしくは別体のコンバイナのいずれか)から運転者に向けて反射される実在の光束が相対的にもっとも発散性であり、したがって運転者から離れる方向にたどったときのこれらの実在の光線の延長である仮想光線556dが、相対的にもっとも集束性である。これらの仮想光線はビーム・スポットの虚像を画定し、この虚像に向かう方向ならびに距離がともに点557dに向かう方向ならびに距離と同一になることから、この虚像は3次元空間内の点557dに配置される発光スポットの形式になる。ここで注意が必要であるが、観察者に届く発光スポット(したがって、仮想ケーブルVC)の画像は、その観察者に、風景内に存在する『実在の』物体から発せられている光線のように見える。
表示デバイスのスキャナは、スクリーン602の位置が調整されている間にスクリーンに向けて投影されるレーザ・ビームの方向を継続的に変化させ、その結果、スクリーン上のレーザ・ビーム・スポットが表示デバイス内側の3次元空間内の軌跡に沿って移動するが、この軌跡は、仮想ケーブルの表示される部分の遠端に向かい、表示される仮想ケーブルVCの経路に線形定義上で沿って移動する点の3次元軌跡と光学的に共役する。たとえば、点557eが点557dのしばらく後に描画される;その時点においてスクリーンは、リフレッシュ・サイクルの開始時よりリレー・レンズ702から離れて位置決めされ、その結果としてより平行な光線束556eをもたらし、レーザ・ビームは、運転者が直視光学系(コンバイナを含む)を介して見たときに、3次元空間内の点557eに向かう方向に対応するスクリーン上の点に向かってポイントする。結果として得られる新しいレーザ・ビーム・スポットの虚像は、点557eに配置された発光スポットの形式であり、これも所望の仮想ケーブルVCの画像と整列される。表示リフレッシュ・サイクルの作業部分の終了時(すなわち、レーザが消され、スキャナ、スクリーン、および集束器が次のサイクルのための開始位置に戻される直前)に、仮想ケーブルの表示される部分に沿ってもっとも離れた点557bが描画される。図35に示されている例においては、それが運転者からもっとも遠い点でもあり、したがってそれが投影されるときは、スクリーンがレンズ702からもっとも離れた位置にあり、その結果としてほぼ平行な光線束556bがもたらされる。ここで注意を要するが、仮想ケーブルの表示される部分に沿ってもっとも離れている点は、必ずしも運転者からもっとも遠い仮想ケーブルの点にはならない;たとえば、Uターンが表示されるとき、仮想ケーブルの終点が仮想ケーブルのいずれかの中間点より運転者に近いことがあり得るが、それにもかかわらずそれは、リフレッシュ・サイクルの間において最後に描画される点となる仮想ケーブルの終点である。
人間の視覚の持続性から、運転者が、移動するレーザ・ビーム・スポットの仮想光学画像を、乗り物の正面を移動する単一の発光スポットとして見ることはなく、それに代わって運転者は、それを連続的に存在する仮想ケーブルVC経路に沿って延びる引き延ばされた物体に『塗りつぶす』。一言で言えば、運転者は仮想ケーブルVCを見る。
乗り物が静止しているか、あるいは表示された経路に沿って着実に移動しているかによらず、レーザ・ビーム・スポットの虚像は、道路の上方に位置する発光スポットの形式で道路に関して実質的に同一経路を通り抜けている。当然のことながら移動している乗り物の場合においては、発光スポットが通り抜けているその種の経路の部分が連続的に変化する−−各隣接するリフレッシュ・サイクルの間においては、通り抜ける部分が、以前のサイクルの部分に比較すると経路に沿って前方の短い距離を開始して終了し、乗り物の変更された位置を相殺する−−しかしながら、両方の部分は実質的に同一経路であり、ほとんどが重複することになる。したがって、乗り物の移動にもかかわらず、運転者によって知覚される画像は、その道路に対して静止することになる。
リフレッシュ・サイクル内において仮想ケーブルVCを描画する間に、スクリーン602上に投影されるレーザ・ビーム・スポットの直径、輝度、および輝度プロファイルが連続的に変更され、その結果運転者には、仮想ケーブルVCが、見かけ上、線形定義上でその長さに沿って一様な線形定義上の直径および線形定義上の輝度を有するように見える。この中のどこかで述べているとおり、特定の瞬間において非常に短時間にわたりビームを減衰し、あるいは増強して容易に気付くことのできる短いギャップのビーズを、表示される仮想ケーブル内に描画することができる。点557d(図35参照)の描画時にスクリーン上に投影されるレーザ・ビーム・スポットがもっとも広く(すなわち、もっとも焦点が外される)、その後、虚像が運転者から点557eに向かい、さらにそれを越えて線形定義上の遠方に離れるに従ってより狭いスポットに焦点が合わされる。ビーム集束器は焦点を連続的に調整し、ビームが斜めの角度から投影スクリーン上に投影されていることから、その焦点の設定には、スクリーンの位置、スクリーン上のビーム・スポットの位置、およびどの程度焦点外れが必要であるかについて考慮に入れる必要がある。レーザ・ビーム・スポットの直径は、その最小達成可能直径よりまだ実質的に大きいが、この直径は、仮想ケーブルVC上のスポットの虚像までの線形定義上の距離に対して実質的に逆比例の関係を維持する必要がある。後退していく仮想ケーブルが描画されている間にレーザ・ビーム・スポットの直径がその最小達成可能直径に到達したときは、レーザ・ビーム・スポットの輝度だけを調整して、仮想ケーブルVC上のスポットの虚像までの線形定義上の距離が増加していく間の暗化を維持する。所定の点においてレーザ・ビーム・スポットがスクリーン602を横切ってスキャンされる与えられた線形速度について、レーザ・スポットの出力(すなわち、合計の光束)は、そのサイズと無関係に仮想ケーブルVC上のスポットの虚像までの線形定義上の距離に対して逆比例する必要がある。
瞬間的な『描画速度』−−表示デバイス内のその軌跡に沿って所定の点を横切ってスキャンされているときのスクリーン602に対するレーザ・ビーム・スポットの線形速度−−は、合計の掃引時間がリフレッシュ・サイクル時間(たとえば1/30秒)より少ないことを前提としてその軌跡に沿って変化することが許される。レーザ・ビーム・スポットの描画速度は、仮想ケーブル経路に沿って移動するその虚像の線形定義上の速度と必ずしも直接的に対応しない。たとえば、仮想ケーブルVCの与えられた部分が、運転者からの視線と整列する場合には、仮想ケーブルのその種の部分を描画する時間期間にわたり、仮想ケーブルに沿ったレーザ・ビーム・スポットの虚像の移動がスクリーン602の距離の変化だけに帰し、その間はレーザ・ビーム・スポットが実質的に静止する(すなわち、実質的にゼロの描画速度を有する)。与えられたレーザ・ビーム出力およびスポット・サイズについて、スクリーン602上の所定の点における瞬間的な掃引速度は、その点の虚像に表示される仮想ケーブルの知覚される輝度に影響する(すなわち、それに逆比例する)。ここで注意を要するが、可変描画速度が表示デバイス内で使用される場合には、仮想ケーブルVCの2次元輝度を、2つの独立変数−−すなわち、レーザ・ビーム出力およびスキャナの描画速度−−のうちのいずれか1つ(または、任意の比における両方の組み合わせ)を調整することによってコントロールすることが可能である。概して、スキャン・サイクルの間に一様でない描画速度を有することが好ましく、たとえば表示される仮想ケーブルの線形定義上でもっとも近い部分を描画するとき(より高い輝度を達成するため)、あるいは仮想ケーブルVCの鋭いターンを描画するとき(スキャナの高い帯域幅の必要性を回避するため)には描画速度を比較的遅くする。例示的に述べるが、レーザ・ビーム・スポットがその軌跡に沿って移動する瞬時速度は、仮想ケーブルの線形定義上の形状に依存して変化し、コンピュータ152によってそれぞれの場合ごとに決定される。
ここで注意を要するが、最初の方で述べたとおり、単一の仮想ケーブル経路は1方向にのみ描画されるが、仮想ケーブルの分離された部分を含む画像の描画時には、その画像の描画のために両方のスクリーンのストロークを使用することが可能である。
図36Aは、代表的な運転状況において運転者が見る道路および仮想ケーブルの略図的な一例を示しており、それにおいて仮想ケーブルは、2つの連続する直角のターンを示さなければならない。
図36Bは、われわれの表示デバイスの好ましい実施態様においてレーザ・プロジェクタ540によってデバイスの投影スクリーン602上に描画された図36Aに対応する画像を略図的に示している。画像は、時間積分されて示されている(すなわち、人間の観察者に見えるとおりの完全な形で、視覚の持続性の効果を示している)。教示上の目的および簡単のため、その向きおよびサイズが図36Aの外観と一致するように示され、画像の幾何学的ひずみは無視されている(すなわち、示されていない)。
以前に注記したとおり、この種の画像の描画には、『描画速度』−−表示デバイス内においてその軌跡沿いに所定点を横切ってスキャンされているときのスクリーン602に対するレーザ・ビーム・スポットの線形速度−−がその軌跡に沿って異なって変化し得るが、それでも同一の知覚される画像が結果としてもたらされるという意味において1を超える方法が存在する。これは、描画されるラインの輝度が、2つの独立変数−−すなわち、レーザ・ビーム出力およびスキャナの描画速度−−のうちのいずれか1つ(または、任意の比における両方の組み合わせ)を調整することによってコントロールできることによる。
図36Cは対応する図37とともに、図36Dは対応する図38とともに表示デバイスのコントロール・プロセスを2つの例により略図的に示している。図36Cおよび図36Dは、いずれも投影スクリーン602の表面を横切るレーザ・ビーム・スポットの軌跡の略図的な時間シーケンスを例示しており、図37および図38は、時間の関数として主にコントロールされるデバイス変数(すなわち、投影スクリーンの縦方向の位置、スキャンされるビーム・スポットのXおよびY位置、ビーム・スポットのサイズおよびレーザ・ビームの出力)のグラフを略図的に示している。これらの例においては、例示目的のために、完全なリフレッシュ・サイクルを22の等しい時間間隔に分割し、スクリーン上を移動するレーザ・ビーム・スポットの各間隔の終了時における位置(その中心)がドットを用いて示されている。したがって、表示デバイスのリフレッシュ・レートが30Hzである場合には、各ドットが、1/660秒(=約1.5ミリ秒)間隔でビーム・スポット位置をマークすることになる。ここで、このリフレッシュ・サイクルのビームの開始位置(すなわち、図36Cおよび図36D内の最上端のドット位置)に時間『0』を割り当てることにする。図37および図38は、グラフ形式で、これらの『変数』−−投影スクリーンの縦方向の位置、スキャンされるビーム・スポットのXおよびY位置、ビーム・スポットのサイズおよびレーザ・ビームの出力−−の対応する位置を時間の関数として示している。ここでは時間が、各1/660秒にマークを伴って水平軸に示されている;サイクルのブランク・アウト部分(『戻りストローク』)を含めて1つの完全なリフレッシュ・サイクルが示されている。垂直軸は、略図的に変数の概略の相対的な値を示しているに過ぎない。
図36Cにおいてはスキャン・サイクル間の描画速度が一定であり、したがってドットが描画されるラインに沿って一様に離隔されている。対応する図37のグラフには鋭いターンがあり、作動されるデバイス内における非常に高い加速度の存在が示されていることが理解できる。これは、これらのデバイス内における高い力成分および大きく高い周波数成分に解釈され、それらは望ましくない。またレーザ・ビーム出力は、サイクルの開始時において、そのサイクルの残りの部分に必要とされる出力と比べてはるかに高くなっている。これらの欠点を回避するためには、概して、スキャン・サイクルの間に一様でない描画速度を有することが好ましい。図36Dおよび対応する図38は、その種のアプローチの恩典を示している。
図36Dにおいては、スキャン・サイクルの間における描画速度が可変であり、ドットが描画ラインに沿って非一様に離隔されている。『描画速度』は、ラインを太くする必要があるところ−−サイクルの開始時−−においてはるかに低く、したがって追加のビーム出力を必要とすることなくラインを明るくしている。描画速度は、その後も鋭いターンの近傍で減速され、スキャナおよびスクリーン・アクチュエータに高い加速度が必要となることを回避している。その種の瞬時的な『描画速度』の減速があっても、その種の減速と調和したレーザ・ビーム出力の迅速な低下によってそれが補償されることから、ラインを局所的に明るくする結果がもたらされることはない。レーザ・ビーム出力の迅速な低下は、レーザ・ビームを非常に迅速に変調できることから容易である。それに加えて、ブランクされる戻り時間を短縮してフリッカを少なくすることが可能である。図38は、グラフ形式で『変数』の対応する動きを示している。この図から理解されるとおり、グラフには鋭いターンが存在せず、作動されるデバイス内に存在する加速度がより小さく、それらのデバイスの操作に必要となる信号内の高周波成分がより小さいことが示されており、それらは望ましい。
ここで注意を要するが、上記の例において投影スクリーンは、仮想ケーブルの所望の形状を達成するために、その動きの範囲内のいくつかの中間位置においてその動きを実質的に停止する必要がある。実際、リフレッシュ・サイクル内での任意の選択されたスクリーン位置におけるこの瞬時的なスクリーンの動きの停止は、従来技術に対するわれわれの表示装置の主要な利点である。
仮想ケーブルの全体的な明るさは、装置の上側視野と実質的に対応する広いエリア内で包括的に測定される周囲光レベルに従って調整される。仮想ケーブルの長さに沿った輝度は、仮想ケーブルの3次元的性質の知覚を補助するべく距離に従って調整される。しかしながら、実際的な限り観察者に近づけて配置されるオンボード・カメラからのデータを使用して上記パラダイムを修正し、仮想ケーブルが、遭遇する背景のもっとも明るい部分に抗して可視となり、かつ同時に、遭遇する背景のより暗い部分に対して可視となるところで過度に明るくならないことが保証されると望ましいと見られる。この場合、たとえば仮想ケーブルが青空に対する表示から森林の林冠に対する表示を横切るときのように仮想ケーブルの遭遇する背景が迅速にルミナンスを変化するときは、仮想ケーブルがその明るさを、その範囲に沿って漸進的な態様で変化することが推奨される。上記の青空および森林の林冠の例では、仮想ケーブルが、1つの点においてではなく、その可視定義上の長さに沿った半分の角度内で漸進的に明からより暗く変化する。このようにすれば、仮想ケーブルのルミナンス遷移と背景のルミナンス遷移の位置合わせ誤差が非常に気付きやすくならないことから、この遷移をどこで行うかについて計算するときに観察者の正確な目の位置を知る必要がなくなる。
6.8. 投影スクリーンの代替実施態様
投影スクリーン602の例示的な実施態様については、すでにこの中で、特に『表示デバイスの光学系』のセクションで詳細に説明した。そのスクリーンと緊密に統合されているスクリーン・アクチュエータについては、すでにこの中で、特に『スクリーン・アクチュエータ』のセクションで詳細に説明した。このセクションでは、投影スクリーン(および関連がある場合にはそのアクチュエータ)の代替実施態様を説明する。図39は、投影スクリーンのより簡単な代替実施態様の概略図を示しており、602zとしてそれが示されている。図30A−30Bに示されている実施態様とは異なり、この実施態様はアクチュエータを使用しない。
投影スクリーン602zの形状および位置決めを説明する目的のため、2つのアクチュエータ−ベースのスクリーンの位置を3902および3903として破線を用いて示し、それらの比較を行っている。アクチュエータ−ベースのスクリーンに使用されるアクチュエータ装置もまた3901として破線を用いて示した。スクリーン位置3902は、アクチュエータ−ベースのスクリーンの『無限遠』(すなわち、仮想ケーブルを投影するべく設計された運転者からの線形定義上の最大距離、たとえば無限の距離、あるいはそれに代えて、たとえば約250メートル)に対応する(すなわち、光学的に、直視光学系を介して共役する)位置である。スクリーン位置3903は、アクチュエータ−ベースのスクリーン602の表示可能なもっとも近い仮想ケーブルまでの線形定義上の距離(たとえば約12.5メートル)に対応する位置である。
実線580は、表示ユニットの直視光学系の光軸である。鎖線598aは、運転者の概略の水平視線598に対応する。描画される投影スクリーン602zの線598aより上の範囲は、地平線より上に広がる装置の視野のより大きな部分に対応する。
ここで、図11Bならびに、われわれのカスタム座標系について論じているその説明を再度参照する。仮想ケーブル上に線形定義上のある所定ポイントAのカスタム座標を(x,y,r)とし、それにおいてxは、まっすぐ前の点から右に点Aの方角までの可視定義上の距離であり、yは、まっすぐ前の点から上に点Aの高さまでの可視定義上の距離である。
代表的な運転状態において仮想ケーブルが表示される場合をランダムに選択した統計的に大きな標本を調べると、それらの(任意の)仮想ケーブル上にあるすべてのポイントのセット内に、水平座標x、高低座標y、および距離rが統計的に相関されており、特に高低座標yと距離rの間に強い相関があることがわかる。たとえば、直観的に明らかであるように、いずれかの代表的な仮想ケーブル上にあるいずれかのポイントAに向かう方向が、表示デバイスの視野の最上辺に向かっていれば(すなわち、Aが大きな(おおむね最大)yを有し、小さいxを有する)、点Xが12.5メートルの前方の近くに位置する(すなわち、r=約500インチ=12.5メートルを有する)ことがもっともありがちとなるが、これに対して点Aがいずれかの代表的な仮想ケーブル上おいて地平線の近くにある場合(すなわち、Aが小さいyを有する)には、それが線形定義上の非常に遠方にある(すなわち、非常に大きなrを有する)ことがもっともありがちとなる。
アクチュエータ−ベースのスクリーンにおいては、スクリーン602上に投影されるレーザ・ビーム・スポットの虚像が距離rに位置するとき、スクリーンをいずれかの対応する位置に位置決めしなければならず、ここではそれを『z』軸座標を有していると言うことにする。同様に、虚像点xおよびy座標は、スクリーン表面上において光学的に共役するその点のxおよびy座標に対応する。したがって、外側空間にある与えられた点の外側空間座標(x,y,r)を(『その』)スクリーン座標(x,y,z)に変換する1対1の関数が存在する。代表的な仮想ケーブルの場合の大きな標本から抽出した点の大きな標本について、それらの点のスクリーン座標(x,y,z)を統計的に相関させる。この座標(x,y,z)を相関させる方法のために、周知の数学的ツールを使用し、任意に与えられた部分座標(x,y)のペアについて、もっともありがちなzを見つけることができる必要がある。
その後、その種の(x,y,z)のほとんどの近くを横切るべく曲げられ、かつ傾斜された滑らかな表面を、周知の表面当て嵌め数学的技法を使用して見つけることが可能になる。さらにその後、可動投影スクリーン602を、上で見つけた表面と同じ形状および位置を実質的に有する統計的投影スクリーン602zを用いて置き換えればよい。ここで注意を要するが、図39の新しい投影スクリーン602zは、線598aの下側においてアクチュエータ−ベースのスクリーンの『無限遠』位置に従い、その後それを上側に虚像の高い高さに対応する位置に向かってたどるとリレー・レンズに向かって緩やかに曲がっており、結果として、直視装置の光軸に対して全体的に傾斜されたスクリーンがもたらされている。
レーザ・ビーム・スポットがその種のスクリーン602z上に描画されるとき、結果としてもたらされる仮想ケーブルは、不変の3次元表面上に描画される。この表面は、自動車と線形定義上で近いとき、概略で線形定義上で平坦かつ線形定義上で水平になり、近い点(好ましくはそれが、線形定義上で運転者から約12.5メートル離れている)において道路から約5メートルの上方にある。
この簡単化された投影スクリーンの実施態様の利点は、スクリーン・アクチュエータおよび関連するコントローラ、筐体、冷却システム等が必要ないことである;また、コンピュータ152内において実行されるソフトウエアを、実質的に簡単化できる。欠点は、仮想ケーブルの3次元表現が、最良にしか近似されないことである。たとえば仮想ケーブルがそれ自体と可視定義上で交差しているとき(図4の点408参照)のようにいくつかの状況においては、交点近傍の交差する仮想ケーブルの部分がいずれも同じ距離で表示されることになるため、与えられたすべての空間的キューを伴った仮想ケーブルの表示が可能でない。
しかしながらこの簡単化された投影スクリーンの実施態様は、多くの人々にとって許容可能に動作できる:自動車の動きによって誘導される仮想ケーブルの視界フローおよび仮想ケーブルの希薄化および暗化が正確に示されていれば、立体視が不正確になることはあったとしても良好な3次元表現に寄与することができる。これは、立体視が、可動投影スクリーン602から固定された傾斜付き投影スクリーン602zへの置き換えの相対的な誤差が比較的小さくなりがちな近距離においてもっとも敏感となり、大きな相対的な誤差がより生じがちとなる遠距離において比較的鈍感になることから良好に機能する。
図40は、表示デバイスの投影スクリーンのさらに別の代替実施態様を略図的に示している。この投影スクリーンは、前述し、図30A、30B、および30Cに示したものと同じ凹面ドーム・スクリーンを伴うボイス・コイル・スクリーン・アクチュエータ・アッセンブリを使用する。しかしながら、ここではアッセンブリが、図29に示した姿勢、すなわちその対称軸が直視光学系の光軸580に一致している姿勢に代えて光軸に対して傾斜されている。
角度4001として略図的に示されているこのわずかな傾斜は、装置の視野の最上端の点に対応するスクリーン4003上の点4002を表示ユニットのリレー・レンズ群702(の最初のレンズ表面、すなわちスクリーンにもっとも近い1つが4005として示されている)にもっとも近づけ、傾斜が与えられなかった場合よりそれがレンズ表面4005に近くなる。またこの傾斜は、装置の視野の最下端の点に対応するスクリーン上の点4004をレンズ表面4005からもっとも遠くに移動させる。この傾斜の目的は、もっとも代表的な運転状況(特に、平らな地形上を水平に保たれた乗り物を運転しているとき)におけるスクリーンの周期的な動きの振幅を小さくすることにある。これは、代表的な状況において仮想ケーブルの描画サイクルの間に、レーザ・ビームが点4002に衝突するとき、スクリーンがレンズ表面4005にもっとも近づく必要があり、ビームが地平線の近くもしくはそれより下の点に対応するスクリーンの部分、すなわち通常は点4004近傍に衝突するとき、もっとも離れる必要があることから達成される。
このスクリーン・アクチュエータ・アッセンブリの位置および傾斜は、一方においてアクチュエータの駆動に必要な平均電力を可能な限り下げるが、他方においては、アクチュエータが、その許された可動範囲内における動きを使用し、スクリーン4003上の任意の与えられた点について、(この点の場合に)合理的に近い距離から無限遠までにわたる任意の選択された距離において直視光学系によるその点の焦点合わせが可能になるように選択する必要がある。合理的に近い距離は、与えられた点が対応する空間内の方向に依存することがある;たとえば、地平線より下の方向の点は、実施的な運転シナリオにおいてそれほど近くに表示する必要がないが、視野の上端に近い点は、それより近距離(たとえば12メートル)に焦点合わせ可能である必要がある。
スクリーン4003のドームの正確な形状は、この新しい位置に関して(前述したとおり、直視光学系の光学視野曲率によってほとんどが決定された傾斜のない位置に最適な形状との比較において)再最適化することができる。それでもなおこのスクリーン4003の形状は、スクリーン・アクチュエータ・アッセンブリの製造容易のために回転体形状のままである。スクリーン・アクチュエータ・アッセンブリの最適形状、位置、および傾斜についての正確な計算は、当業者によって、ありがちな運転シナリオについての仮定、使用される特定の光学系、およびスクリーン・アクチュエータの仕様を基礎として容易に行われ得る。
スクリーンの傾斜は、追加の利益を提供できる:図40に示されているとおり、平均してスクリーンと衝突するビームが、より垂直にその表面に当たることから、(同一形状の傾斜のないスクリーンと比較したとき)ビーム投影のジオメトリが改善される。
図41は、表示デバイスの投影スクリーンのさらに別の代替実施態様を略図的に示している。これは、全体が光軸580と相対的に傾斜(この傾斜が、誇張された角度4101として図示されている)されたボイス・コイル・スクリーン・アクチュエータ・アッセンブリ4104を使用するという点において図40に示されている投影スクリーンと類似している。しかしながらこの場合は、スクリーン4102が異なる形状を有し、回転体形状ではなくなっている。これは、スクリーン・アクチュエータ・アッセンブリ4104の製造者にはより厳しい要求となるが、代表的な運転条件の下におけるスクリーン・アクチュエータの駆動に必要な電力を最小化することに関して(破線を用いて示された例示的なポジション4103となる図40の回転対称の傾斜されたスクリーンと比較したとき)最適化が一層進むという利点を有する。『代表的な運転条件』についての評価基準がいくぶん恣意的であることから、この実施態様内のスクリーンについて、設計者が選択することのできる多くの可能な『良好な』形状が存在する。スクリーンの良好な形状の一例は、図39に示されている移動のないスクリーン602zについて前述した形状となろう。
その種の形状を有するスクリーンは、図30A、30B、30C、および40に示し、前述したアッセンブリ923と実質的に同じボイス・コイル・スクリーン・アクチュエータ・アッセンブリ内に適合可能であるが、フォーマがスクリーンに取り付けられるコイル・フォーマのカットアウト・プロファイル、およびスクリーン・サスペンションの周囲部分の形状における軽微な変更を例外とする。スクリーンが対称でないことから、スクリーンの縁(すなわち周囲)がコイル軸に対して垂直の平面と実質的に整列する場合(したがって、アクチュエータのバスケットが変更されずに残されている)、概してスクリーンは、コイル軸に対し、その軸の近傍で実質的に垂直にならない。逆も同じである:スクリーンがコイル軸に対し、その軸の近傍で実質的に垂直であれば、概してスクリーンの縁が、変更されていないバスケットと整列しない。アクチュエータ設計の当業者であれば、アクチュエータ内におけるスクリーンの位置決め、良好なアクチュエータのパフォーマンスの保存、およびそれと同時に過剰に非対称のバスケットならびに周囲を有することの欠点の回避を適正に折衷させる方法を見出すことが可能である。
そのように適合された、図39に示されている移動のないスクリーン602zについて前述した形状のスクリーンを伴うアクチュエータは、アクチュエータに電力が与えられていないときに、対応する図39に示して前述した移動のないスクリーンが位置決めされることになるとおりに正確にスクリーンを位置決めするために、わずかに傾斜される(すなわち、光軸と相対的にコイル軸が傾斜される)。図39に示されている移動のないスクリーンについての以前の説明から明らかなとおり、代表的な運転状況においては、3次元空間内に適正に仮想ケーブルを描画するためにその種のスクリーンを動かす必要がほとんどなく、対称形の傾斜のないスクリーンに要求される動きよりはるかに少ない。しかしながら、図40に示されている実施態様における場合と同様に、設計者は、アクチュエータが、その許された可動範囲内における動きを使用し、その種のスクリーン上の任意の与えられた点について、(この点の場合に)合理的に近い距離から無限遠までにわたる任意の選択された距離において直視光学系によるその点の焦点合わせが可能になることを保証する必要がある。
また、図40に示されている実施態様における場合と同様に、この場合においても平均して衝突するビームが、より垂直にスクリーンの表面に当たることから、(対称形の傾斜のないスクリーンと比較したとき)ビーム投影のジオメトリが改善される。この実施態様のさらに別の利点は、スクリーンのアクチュエータが故障した場合もなお、多くの代表的な運転状況において、3次元空間内に概略で適正な仮想ケーブルの位置を示すことができることである。
いま述べたこの理由のため、および/または経済的要因に応じて、図41に示されているものより図40に示されている投影スクリーンを使用する方が好ましいことがある。
図42は、表示デバイスの投影スクリーンのさらに別の代替実施態様の概略図を示している。このスクリーンは、白色の反射(ランベルト)表面を有してなく、リレー・レンズ群702とは反対側から照明される透過性の拡散スクリーンがそれに代わっている。
好ましくは、この投影スクリーンは、適切な光学材料(たとえば、透明のポリカーボネート)から作られる硬質の支持層4402の表面上にある。支持層は湾曲することができる。その曲率は、その表面にわたって一様でなくてよく、たとえば前述し、かつ図39に示したスクリーン602zの形状と同様の形状に実質的に従うことができる。このスクリーンは、光軸580に対して傾斜させることができる(この傾斜が、誇張された角度4401として示されている)。支持層は、直視光学系の入射瞳に向けてほとんどの光を指向するレンズとして作用させるべく厚さを変えてもよい。この投影スクリーンの一方の側4403は、拡散特性を有し、好ましくは良好にコントロールされた拡散特性を伴うホログラフ拡散器であり、拡散光で直視光学系の入射瞳を実質的に一様に満たす一方、瞳外へのその光の指向を防止する。
オプションとして、また好ましくは、その種のスクリーンが(追加として)実質的に表面の接線方向に高周波運動を伴って作動可能であり、レーザ生成画像の明らかなスペックルを低減する;その種のレーザ・スペックル低減の動作は、当業者に周知である。
この種の実施態様によって得られる背面投影は、スクリーンとレンズ群702の最初の光学表面の間の間隔が、図41に示されている場合のように、スクリーン上に投影されるレーザ・ビームをクリアする必要がなくなることから、その間隔を大幅に縮小できるという利点を有する。
6.9. レーザ光源の代替実施態様
図43は、単一ビームを生成するべく構成された、それぞれが直線偏波光を放射するレーザのペアを伴う表示デバイスのレーザ源のさらに別の代替実施態様の概略図を示している。これは、この中に述べられている不透明(ランベルト反射)投影スクリーンを有する表示デバイスの任意の実施態様とともに、図23、24、25、26、および27に示されているレーザ・スキャナ内において単一レーザ・ダイオードに代えて使用されることになる。
この分野で周知の構成の偏光ビーム・スプリッタ立方体4805は、ここではビーム・コンバイナとして作用し、好ましくは実質的にまったく等しい2つの直線偏光レーザ4801(ビーム成形光学系4802を伴う)および4803(ビーム成形光学系4804を伴う)からの2つのコリメートされたビームを、それぞれの単一ビームの2倍の出力を伴った『単一の』ビーム4806に結合することを可能にする。両方のレーザは、好ましい実施態様において同一の波長を有し、直視光学系内の色収差を回避するべく良好に整合された光を放射する。
この構成は、2倍の出力を伴う単一レーザを採用するよりコストを下げることができる。この構成の追加の利点は、レーザ・スポット画像内の目に付くスペックルをわずかに少なくできることである。
6.10. 代替ボリューム画像生成器
これまで、例示的な実施態様として、スピーカと類似のデバイスによって作動される振動スクリーン、その振動スクリーン上に所望のラインを描画することの可能なレーザ・スキャナからなるボリューム画像生成器を説明してきた。
しかしながら仮想ケーブルの具体化に必要となるボリューム画像生成器は、異なる原理、すなわち色立体視−−色を立体深度に変換するための技術−−を使用して構築することもできる。その種の『色立体視』表示デバイスの実施態様においては、スクリーンの位置が固定されるが、仮想ケーブルの表示に採用される拡大光学系が、スペクトルの赤色部分において非常に高いレベルの縦方向(すなわち軸方向)色収差を有する一方、仮想ケーブル画像の表示に採用されるレーザは、スペクトルのその部分を機敏に(迅速に)チューニングできる。その種の実施態様においては、スクリーンの位置決めに代えて、レーザを適切な波長にチューニングすることによって仮想ケーブル上の所定点に対する距離を設定することができる。したがって、リフレッシュ・サイクルの中でラインを描画する間にレーザ光の色をわずかに変更することによって、所望の可変距離にその種のラインの虚像を表示することが可能になる。
必要となる非常に大きな縦方向の色収差は、その種の色収差の低減が達成される(『色消し』光学デバイスとして知られる)方法と類似であるが逆の方法で異なる光学材料から作られたレンズ・エレメントを組み合わせることによって達成することができる。当業者であれば、適切な光学設計ソフトウエアを使用し、異なる光学材料の組み合わせによって適切に誇張された色収差を呈する光学系を案出することが可能であろう。誇張された色収差の達成に使用できる別の手段としては、バイナリ光学の使用(すなわち、回折レンズを含む1ないしは複数の表面を採用する)および/または光学系内でのマンジャン・ミラー(レンズ−ミラーのハイブリッド)の使用が挙げられ、それらの方法もまた組み合わせることが可能である。
その種の実施態様に使用されるレーザは、たとえば630から650ナノメートルに及ぶ極めて広い波長範囲において迅速にチューニング可能(すなわち、1リフレッシュ・サイクル内においてその範囲の端から端までチューニング可能)である必要がある。半導体ダイオード・レーザに機敏なチューニング可能性を提供する周知の解決策が存在し、外部のチューニング可能なキャビティを使用する。1つはリトロー構成で回折格子を使用し、外部キャビティのジオメトリを迅速に変更する圧電アクチュエータを伴う。
いくつかのその種のレーザを、必要に応じ、光学マルチプレクサを使用して組み合わせて広い波長範囲でチューニング可能な単一ビームを生成することができる。
この種の表示デバイスの実施態様においては、スクリーンの背後にアクチュエータを有する必要がないことから(スクリーンが作動されないため)、前方から(すなわち、直視光学系の横から)照明される白色スクリーンに代えて、手前で述べた実施態様の場合と同様に、スクリーンを背後から照明される透過性の拡散スクリーンとすることが可能である。これは、直視光学系のいくつかのエレメントをスクリーンと非常に近づけることを可能にし、より多くのオプションを光学設計者に提供する。
スキャニング・デバイス内における迅速な波長のチューニングが可能なレーザ源と、意図的に大きな縦方向の色収差を有する直視光学系を組み合わせて使用し、ボリューム画像を生成することは、従来技術のボリューム表示に対する改良である。その種の構成は、従来技術のボリューム表示(たとえば、掃引ボリューム・タイプの表示)が一般に作ることができる画像より複雑な画像の表示を可能にする(両方とも匹敵する帯域幅を有するビーム・デフレクタを使用すると仮定)。それに加えて、可動投影スクリーンから静止投影スクリーンへの置き換えは、表示の信頼性を向上させ、かつ応用に応じたそのほかの利点を有すると見られる。
6.11. 表示デバイスに関する注意
最後に、表示デバイスに関連するいくつかの注意を示す。
ここで述べた表示デバイスは、もっとも一般的な意味においてボリューム画像生成器である。開示されているデバイスは、別の(『1次』または『ソース』)ボリューム画像生成器、すなわち数ミリメートルの太さしかない画像を直視光学系の正面に生成することのできるボリューム画像生成器に依存し、この直視光学系は、わずか数ミリメートルの太さのそのソース画像を数百メートルの太さの虚像に引き延ばすに充分な大きな拡大率を縦方向に有する。その種の1次ボリューム画像発生器が作り出さなければならない画像は、概して、その長さに沿って可変の太さおよび輝度を有する適切に明るい3次元ラインからなる。
ここで注意を要するが、記述されている実施態様内において1次ボリューム発生器の動作は、周知の一般的な原理を基礎としている。この原理は、直視光学系の焦点がスキャン期間内に仮想ケーブル画像のストローク法描画と同期して連続的に変更され、その結果、拡大された虚像が3次元で実質的に描画されるというものである。直視光学系の焦点を仮想ケーブルの描画と同期して変更するいくつかの別の方法も可能である。1つは、直視光学系の中で1ないしは複数のレンズを移動する方法である。別の方法は、適切な傾斜および直視光学系のトレイン内における(平坦な)折り返しミラーの位置を連続的に変更する方法である。さらに別の方法では、直視光学系のトレイン内において可変焦点(変形可能、したがって変更可能な光学的な力を有する)ミラーが採用される。さらに別の方法では、変更可能な屈折率を有する材料を用いて作られたレンズが使用される(連続可調焦点レンズを用いる電子作動レンズの高速作動が、ブルーム(Blum)ほかに対して発行された『システム・アパレイタス・アンド・メソッド・フォア・コレクティング・ビジョン・ユージング・エレクトロ−アクティブ・スペクタクルズ(System, apparatus and method for correcting vision using electro−active spectacles)』と題された米国特許第6,517,203 B1号の中で論じられている)。
7. 仮想ケーブルの『外観』
われわれは、仮想ケーブルが少なくともいくつかの点で容易に想像できる実在の(すなわち、物質的かつ見慣れた)物体を呼び起こす外観を有していれば、それが運転者にとってより自然であり、かつ努力なしに瞬時に下意識的にその種の外観を有する仮想ケーブルと外側の景色が統合されることから、多くの運転者がそれを好むであろうと予測している。
ここでは、われわれが『丸ケーブル』、『ガウス・ライン』、および『リボン』仮想ケーブルと呼んでいる3つのタイプの仮想ケーブルの『外観』について述べる。これら3つの外観の間における差異は、仮想ケーブルの可視定義上のルミナンスをその幅にわたって変化させる方法に関係する。
7.1. 3つの『外観』
このセクションでは、上で述べた3つのタイプの仮想ケーブルの『外観』について説明する−−ここではそれらを、『丸ケーブル』、『ガウス・ライン』、および『リボン』仮想ケーブルと呼ぶ。
前述したとおり、これら3つの外観は、仮想ケーブルの可視定義上のルミナンスをその幅にわたって変化させる方法に関係する。より詳細に述べれば、運転者が静止している乗り物に乗っており、その運転者に対して連続的に3回にわたって仮想ケーブルを、毎回仮想ケーブルの有する上記『外観』は異なるが、そのほかについては同一にして示す場合を仮定する:すなわち、同一の合計の光出力を有し、空間内の同一の経路に従い、かつ実質的に同一に知覚される線形定義上の太さを有する。透視効果から、観察者からもっとも遠距離においてその種の3つの仮想ケーブルの表現が実質的に異なることはなく、3つすべてが可視定義上の細い(理想的には、仮想ケーブルが充分に遠いとき、知覚不能に細くなる)赤熱するラインを呈し、線形定義上の距離の増加に伴って漸進的に可視定義上の暗化が行われる。しかしながら、その種の3つの仮想ケーブルの表現は、示される仮想ケーブルの観察者の近くに見える部分において実質的に異なり、そこでは仮想ケーブルの可視定義上の太さが容易に運転者の目に付くことが意図されている。表示は、図12Aに示されているとおり、それぞれの表現の仮想ケーブルの断面に沿って見られる知覚される可視定義上の輝度プロファイルにおいて異なる。断面x−xは、その点の仮想ケーブルの局所的な可視定義上の方向に垂直な可視定義上の方向における視野平面上にある。輝度は、知覚される追加の可視定義上のルミナンス(すなわち、局所的な背景208の可視定義上のルミナンス・レベルに追加される仮想ケーブルの光の可視定義上のルミナンス)を意味する。
図12Aの上段のグラフは、赤熱する丸ケーブルを呼び起こす仮想ケーブルの外観を与える形状を有している仮想ケーブルの断面を横切る知覚される可視定義上の輝度分布プロファイルを略図的に示しており、言い換えるとこの知覚されるルミナンス・プロファイルは、赤熱する半透明ロッドを想起させる。可視定義上の輝度レベルは、仮想ケーブルの見かけの中心線958に沿って最大であり、仮想ケーブルの意図された縁960および962に向かって滑らかに、かつひたすら緩やかに低下している。見かけの縁においては、可視定義上の輝度が急激に低下している。仮想ケーブルの見かけの縁における可視定義上の輝度の急激な低下は、仮想ケーブルの見かけの縁の視認性を強化し、したがって仮想ケーブルの見かけをより鋭くするが、これは審美的に好ましく、かつ立体的な知覚を補助する。
図12Aの下段のグラフは、赤熱するリボンを呼び起こす仮想ケーブルの外観を与える形状を有している仮想ケーブルの断面を横切る知覚される可視定義上の輝度分布プロファイルを略図的に示している。可視定義上の輝度レベルは、仮想ケーブルの意図された縁960と962の間において実質的に一定である。見かけの縁において、可視定義上の輝度が急激に低下しており、それもまた仮想ケーブルの見かけの縁の視認性を強化しており、したがって仮想ケーブルの見かけを鋭くしている。
図12Aの中段のグラフは、『ガウス』に類似の形状を有している仮想ケーブルの断面を横切る知覚される可視定義上の輝度分布プロファイルを略図的に示している。可視定義上の輝度レベルは、仮想ケーブルの可視定義上の中心線958に沿って最大であり、仮想ケーブルの意図された縁960および962に向かって滑らかに、かつ急激に低下している。この場合には、見かけの縁があまり良好に画定されない。したがって、観察者と線形定義上で近くなると(すなわち、その可視定義上のもっとも広い部分)になると、仮想ケーブルがぼやけて見える。
『ガウス』類似の断面は、表示装置のいくつかの実施態様において、もっとも容易に達成される。また、後に開示している表示装置の実施態様のすべてにおいて、このプロファイルが、仮想ケーブルの観察者から線形定義上でもっとも遠い部分(すなわち、仮想ケーブルが可視定義上で細い)について、ほかのいずれよりも好ましいと見られる。以下に述べる方法によってこのラインの生成に実質的にTEM00レーザ・ビームが使用される場合には、この種のプロファイルが非常に繊細なラインの可視定義上の幅を可能にすることができる(すなわち、与えられたビームf/比について、回折理論によって指定されるとおりの最小可能な幅よりわずかにだけ広いラインを可能にする);同時にその種のラインは望ましくないアーティファクトがもっとも少ない(たとえば、回折『ゴースト』−−意図された仮想ケーブルに可視定義上で近く、かつそれと可視定義上で平行になる、より暗いライン−−を持たない)。
われわれは、多くの運転者が仮想ケーブルの線形定義上の近い部分について『丸ケーブル』もしくは『リボン』いずれかの外観を好むであろうと予測している。
後述する表示装置の例示的な実施態様は、フリッカの回避に充分なリフレッシュ・レート、たとえば毎秒30スキャンを伴ってベクトル・グラフィック・モードでスクリーン602上にスキャンされるレーザ・ビーム550を採用している。簡明のためにここでは、立体経験を運転者に提供するために、われわれがいかにして表示される仮想ケーブルを真の3次元にしているかということは無視する。レーザ・ビームは、白色のスクリーン表面上への衝突時にビーム・スポット401を生成する。ラインの意図された経路に沿ってスクリーンの表面を横切るこのスポットの迅速な掃引運動は、視覚の持続性に起因して、見かけの赤熱するラインを生む(『描画する』)。この、上にラインが描画されたスクリーンが、適切な直視光学系を介して運転者によって眺められ、その光学系を介して見えるラインの虚像が仮想ケーブルである。
図12Bは、レーザ・スポット401を横切る知覚される輝度分布プロファイルを略図的に示している。スポットは、軌跡970に沿って迅速に移動している。結果として得られる延びていく動きのぶれが、直視光学系から見たときに、図12A内に示されている対応の仮想ケーブルVCの知覚をもたらす。ここではレーザ・スポット401が、x−x線を交差する間、『時間が止められて』示されている。言い換えると、視覚の持続性を有してなく、非常に速い視覚を有し、かつあらゆる動きのぶれを伴うことなく移動するレーザ・スポット401を見ることができることを除けばわれわれに類似の視覚を伴う仮説的な観察者によって見られるとおりに示されている。簡明のため、スポット401の明るさは、知覚される可視定義上の明るさにおいて、正常な人間の視覚を伴う観察者によってみられる仮想ケーブルVCの対応する部分に匹敵するべく調整される。
レーザ・スポット401は、レーザ・スキャナ・プロジェクタ・ユニット540によって生成され、実質的に丸い形状(すなわち、回転体の形状)を有する;ここでは、簡明のために、後述する実施態様のいくつかにおいて、プロジェクタのビーム収縮器530の光学系内の非点収差およびコマ収差に起因し、かつビームとスクリーンの間のいくぶん傾斜した角度に起因して丸い形状にいくらかのひずみが存在し得ることを無視することができる。この丸い形状に起因して、レーザ・スポット401の知覚される直径964aを横切る輝度分布プロファイルは、結果として得られる仮想ケーブルの知覚される直径964を横切る意図された可視定義上の輝度分布プロファイルと異ならなければならない。スポットが、図12Bの上段のグラフ952aに示されているものに類似の実質的に一様な輝度プロファイル(『シルクハット』)を有している場合には、結果として得られる仮想ケーブルが、図12Aの上段グラフに示されているものに類似の実質的に半長円となる可視定義上の輝度プロファイル952を有する。端的に言えばこれは、丸いスポットが、その動きの方向において中心線958に沿ってもっとも広くなり、その結果、x−xの交差に要する時間が最長となり、交差部分の中心点をもっとも明るくすることによる。当業者であれば、スポットのプロファイルからの仮想ケーブルのプロファイルの計算、もしくはその逆の計算を行うことができよう。
同様に、図12Bの中段のグラフ954aおよび下段のグラフ956aは、それぞれ図12A内の対応するグラフ(すなわち、中段954または下段956)に示されている仮想ケーブルをもたらすレーザ・スポット401を横切る知覚される輝度分布プロファイルを略図的に示している。
透視法に従って観察者からの線形定義上の距離の増加に伴って可視定義上で細くなる仮想ケーブルの印象を達成するために、スクリーン602上に表示されるラインは、そのラインの経路に沿って全体的に変化する幅を有することになる。またこのラインは、線形定義上の距離の増加に伴って可視定義上で暗くなり、これは、仮想ケーブルの任意に与えられた1インチ(仮想ケーブルの長さに沿って測定される)の可視定義上の長さの部分について、その与えられた部分の可視定義上の光出力が、観察者からのその線形定義上の距離に逆比例するという意味においてであるが、それについてはこのどこかで論じられている。ライン幅の変化を達成するために、ビーム・プロジェクタ540は、各スキャン周期内においてスクリーン602上にそのラインを描画する間に、その光学系の焦点設定を、したがってビームの集束を連続的に変更することになる。言い換えると、所定の点の周囲にラインのより太い部分を生成するために、この点を交差するときのレーザ・ビームの焦点がより大きく外されることになり、その結果、スクリーン602上のビーム・スポット401の焦点が外れてぼやけた直径が、そのライン上のその点に希望されているラインの幅に対応することになる。ビーム・スポット401内の輝度分布プロファイルもまた、各スキャン期間の間に滑らかに、かつビーム・スポットのサイズと調和して変化する必要がある。これは、仮想ケーブルの線形定義上で近い部分において心地よい可視定義上の輝度プロファイル(たとえば、『丸ケーブル』もしくは『リボン』の外観を呼び起こす)を可能にし、それとともに同一仮想ケーブルの線形定義上でもっとも遠い部分において、可視定義上で最細可能(ほぼ回折限界)かつアーティファクトのないラインのためにガウス類似のプロファイルを可能にすることになる。
各スキャン期間においてレーザ・ビーム・スポット401の光分布プロファイル内の連続変化を達成するために、スキャニング・レーザ・ビーム550は、連続的に変更可能な球面収差を有することになる。近ガウス・レーザ・ビームを、したがってビーム・スポット401内における近ガウス光分布プロファイルを達成するためには、この収差が実質的に収差なしに設定される(ほぼ完全に補正される)。ビーム・スポット401において図12Bに示されている上段のグラフもしくはそれに代わる下段のグラフに類似の輝度分布プロファイルを達成するためには、この収差が、所望の程度で正(補正不足)に設定されることになる。
これについてもう少し説明する。図13Aおよび13Bは、レーザ・ビーム・スポットの見かけに対する正の球面収差の周知の効果を略図的に示している。ここではレーザ・ビームが集束すること(ここでは、教示目的のため急速に集束する光の円錐が示されている)、およびその光源の近傍でガウスとシルクハットのほぼ中間の断面強度プロファイルを有することを仮定する。ビーム・スポットが、回折フリンジとともに断面の輝度プロファイルとして略図的に示されている。図13Aおよび13Bのそれぞれに2つのビーム・スポットが示されており、1つ(『焦点が合っている』)は、ビームの近軸焦点に位置する仮想平面602aによってインタセプトされているビームから結果として得られ、別の1つ(『焦点が外れている』)は、ビームの焦点の前(すなわち、到達前または『内側』)の、そこからいくらかの距離に位置する仮想平面602bによってインタセプトされているビームから結果として得られる。
図13A内の図の3つの部分は、下から上に、球面収差のない光のビームの焦点外れビーム・スポット・プロファイル401a、集束するビーム光線束、および(幾何学的焦点において)焦点が合っているビーム・スポット・プロファイル401bを略図的に示している。焦点が外れているビーム・スポット・プロファイルは、可視直径のほとんどにわたって緩やかに変化し、その後、漸進的に暗化する光レベルを示している。その種のスポットが仮想ケーブルの可視定義上で太い部分の描画に使用された場合には、仮想ケーブルが鋭く見えないことになる。しかしながらその種のビームは、その幾何学的焦点において小さいスポットに集束し、レーザ・ビームがわずかにだけ切り取られたガウス・ビームであれば、中心スポット周囲の回折環が非常に弱い。この種の焦点の合ったスポットは、特に微細であり、しかも目に付くアーティファクトを伴わず、仮想ケーブルの可視定義上の細い部分の描画に使用することが可能である。
図13B内の図の3つの部分は、下から上に、球面収差のある光のビームの焦点外れビーム・スポット・プロファイル401c、集束するビーム光線束、および(近軸焦点において)焦点が合っているビーム・スポット・プロファイル401dを略図的に示す。焦点が外れているビーム・スポット・プロファイルは、スポットの可視直径のほとんどにわたってその周縁より低く、その後、周縁の明るい集中光の『環』の外側で比較的急速に暗化する光レベルを示している。この種のスポットが仮想ケーブルの可視定義上で太い部分の描画に使用された場合には、仮想ケーブルがはるかに鋭く見えることになる(回折フリンジが『消し去られ』、仮想ケーブルの見かけに対する可視効果をほとんど持たない)。しかしながら、その種の収差のあるビームは、その近軸焦点のスポットに集束すると、非常に明白な回折環のハローを中心スポットの周囲に有する。
仮想ケーブルの全体的な輝度(可視定義上の長さ1インチ当たりの可視定義上の光出力)は、レーザ・ビーム出力を連続的に調整する手段、もしくはスキャン・サイクルの間にスクリーン602にわたってレーザ・ビーム・スポット401が掃引される瞬時速度(インチ毎秒単位)を調整する手段、あるいはこれら両方の任意の組み合わせによってその可視定義上の長さに沿って変化されることになる。
8. 安全性について
本発明は、暗闇もしくは人工照明等の明かりの少ない条件下で、その種の光の条件下において運転者が指定経路を安全に追随可能であることを前提に使用することができる。たとえば、湖上のボート内において本発明を使用する運転者は、完全な暗闇の中においてさえ、所望の経路に沿ってボートを操作することが可能である。しかしながら、その種の条件において乗り物を操作することは、見えない物体との衝突の可能性を生じさせる。したがって、周囲光センサ156cからの入力が、乗り物の前進が危険と見られることを示すとき、仮想ケーブルをオフにするような態様でこのシステムを構成することができる。
運転者は、とりわけ直射日光が運転者の目を照らすとき、あるいは仮想ケーブルが表示される背景の輝度より表示の輝度が高くない場合のように非常に明るい光の条件下において仮想ケーブルを見ることに困難を有することがある。しかし、その種の明るい光の条件下において前進することは、運転者の仮想ケーブルを観察する能力とは無関係に不可能もしくは危険であると見られる。その種の条件下においては、仮想ケーブルの画像が役立たなくなり、運転者は、地図、音声コマンド、ダッシュボードのスクリーン等といったほかのナビゲーション手段を頼らなければならない。
9. 代替特徴
以上、本発明の原理を具体化するシステムの特定の実施態様について述べてきた。このセクションでは、そのほかの、さらに別の特徴または側面を具体化実施態様について述べる。
9.1. 実施態様内で具体化されていない深度キュー
現在の実施態様は、仮想ケーブルの実在性の非常に明白な印象を提供する深度キューのセットを具体化する。しかしながら、仮想ケーブルの実在性の錯覚をさらに向上させるために望ましければ、現在開示した実施態様の中で具体化されていないが具体化できるさらにほかの深度キューもある。それらの深度キューの中に、テクスチャ勾配、大気透視、および介在がある。
仮想ケーブルに沿ってテクスチャ勾配は、仮想ケーブルの知覚されるテクスチャの量を、運転者からその種の物体までの知覚される距離の関数として減少させることによって具体化してもよく、その場合においても実在性の知覚が強化される。
大気透視は、大気中の水分および微粒子によって生じる遠方の山の見かけ上の青み、あるいはかすんだ見かけ等の、物体の知覚される色合いにおける、運転者からその種の部分までの知覚される距離の関数として生じるわずかなシフトである。考えられるところでは、望ましければその種の深度キューを仮想ケーブルのために具体化することができる。
介在は、ほかの物体によって仮想ケーブルの部分を隠すことである。システム内に介在の特徴を組み込むことが望ましい場合には、特定経路の近くにあるたとえば建物、橋、樹木群そのほかといった恒久的物体の位置、寸法、および透明度を、ほかのすべての経路関連情報とともにシステムのデータベースから検索することができる。欠点は、消去される仮想ケーブルの部分と介在する物体の位置合わせの精度を、仮想ケーブルと残りの景色に許容可能な位置合わせよりはるかに高くしなければならないことである。別の欠点は、恒久的な物体だけが考慮できることである。この特徴が仮想ケーブルの実在性の知覚を増加するとしても、ナビゲーション・ツールとしての仮想ケーブルの有用性を減ずるものとなることから、このシステム内においては介在を具体化しない方が好ましいとわれわれは考えている。仮想ケーブルの利点の1つは、運転者に対して、樹木、建物、丘、ほかの乗り物等によって隠される道路の部分を線引きする能力である。
不透明物体によって仮想ケーブルが完全に隠される印象に代えて、代替実施態様は、その種の物体の半透明の印象を提供でき、それは、知覚される覆い隠されたエリア内において仮想ケーブルの強度を下げることによって達成可能である。ここで述べているとおり仮想ケーブル装置の実施態様は、前述したように介在深度キューの表示を支持することができる。しかしながらその種の装置は、仮想ケーブルに沿って仮想ケーブルをどこで抑圧し、あるいはどこで変更するかについての情報を持つことを必要とする。上記の位置、寸法、および場合によっては透明度を、所望の経路の近く、もしくは経路上に位置する物体の位置ならびに寸法を決定するべく設計されたオンボードのレーダに類似のシステムから獲得することができる。衝突回避等のこのほかの理由のためにその種のハードウエアが乗り物に装備されていた場合には、追加コストをほとんど伴わずに仮想ケーブル装置がその種のシステムから必要情報を獲得することが可能になる。
9.2. 増強された仮想ケーブル表示機能
このシステムは、運転者に、同一の行き先に至るいくつかの代替経路を提供するようにしてもよい。たとえば、旅行者が、周囲の景色と相関させることによっていくつかの代替観光経路からの選択を希望することがある。あるいは高速道路上で交通渋滞に捕まった運転者が、出口を選択することが結果として合理的な代替経路をもたらすことがシステムによって示されたとき、出口の選択を決心することがある。その種の表示は、それぞれが異なる経路を線引きする1を超える数の仮想ケーブルを同時に表示することによって達成できる。代替仮想ケーブルは、オリジナルと容易に区別できる必要がある。図9は、連続するラインのオリジナルの仮想ケーブルVC、および容易に気付くギャップを有する1つの代替仮想ケーブルVCを略図的に示している。当然のことながら、異なる画像タイプの組み合わせを使用することも可能である。運転者が実際に代替経路の1つに従ったことをシステムが検知したときには直ちにオリジナルの仮想ケーブルが消失し、選択された代替仮想ケーブルVCが新しいメインの仮想ケーブルになる必要がある。その時点において、代替仮想ケーブルVCの画像タイプがオリジナルの仮想ケーブルの画像タイプに変更される必要がある。
9.3. 速度コントロール
このシステムの実施態様は、運転者が、所定の道路に許可されている最高速度等の特定の一定速度を維持することを補助できる。図10に略図的に示されている小さいマーカ・ビーズ416等の1ないしは複数のマークを仮想ケーブルの一部として、かつその種の1ないしは複数のマークが仮想ケーブルVCに沿って、周囲の地形と相対的に測定される一定の速度Sで、運転者と同じ方向に移動しているように運転者に見える方法で表示することができる。その種の速度Sは、システムのデータベースからそのほかのすべての経路関連情報とともに自動的に検索される与えられた経路についての最高速度を表すことができる。あるいは、運転者が現在の希望速度として速度Sを指定してもよい。運転者が、周囲の地形と相対的に測定される速度Sで移動している場合に:
●速度Sが速度Sより小さければ、運転者には上記の1ないしは複数のマークが、速度S=S−Sを伴って運転者と相対的に後方に向かって移動しているように見える。この観察を基礎として運転者は、運転者の速度が最高または所望の速度Sより高いことを知り、また速度Sの知覚は、運転者に、その速度差の大きさについての大まかな概念を与えることになる。
●速度Sが速度Sより大きいと、運転者には上記の1ないしは複数のマークが、速度S=S−Sを伴って運転者と相対的に前方に向かって移動しているように見える。この観察を基礎として運転者は、運転者の速度が最高または所望の速度Sより低いことを知り、また速度Sの知覚は、運転者に、その速度差の大きさについての大まかな概念を与えることになる。
●速度Sが速度Sと等しければ、運転者には上記の1ないしは複数のマークが、運転者と相対的に静止しているように見える。この観察を基礎として運転者は、運転者の速度が速度Sに等しいと知ることになる。
その種のマークが、等間隔で仮想ケーブルVCに沿っている必要があるとわれわれは考えている。その種の間隔は、たとえば現在の速度Sにおいて予測される乗り物の概略の制動距離を表すことができる。この特徴は、前方の乗り物からの安全距離ならびに交差点に到達する安全速度の見積もり、およびそのほかの任意の類似の状況において運転者を助けることになろう。予測される制動距離に対する適切な調整を、システムによって検知される天候情報、データベースからの検索される情報、あるいは運転者による指定に基づいて行うこともできる。
9.4. 自動衝突回避の補助としての仮想ケーブル
仮想ケーブルを使用して、自動車用に現在開発されている特定の自動衝突回避システムを向上させることが可能である。その種のシステムは、それが迫り来る衝突を検出したときに自動車のコントロールを引き継いて自動車を安全な方向に操縦する。その種のシステムが引き継ぐときに、2つの可能性が存在する:
1つの可能性では、衝突回避プロセスの間において、乗り物の自動化された振る舞いを運転者が覆すことをシステムが許可しない。その種のシステムは、必要とされる操縦および最良の衝突回避経路に関して正しい決定を可能にするために、非常に洗練されている必要がある。たとえば、その種のシステムは、乗り物の経路内に突然転がり込んできた大きなゴミバケツとの迫り来る衝突を回避しないことの方が、たとえば道路を横断する歩行者が立っている別の車線に向きを変えることによって生じる衝突を回避するより良好であるとの認識が可能でなければならない。その種のシステムにとって−−特に歩行者が小さい子供であった場合には−−はるかに大きくゴミバケツが映り、したがって乗り物およびその運転者にはるかに大きな脅威を呈するように見える。
別の可能性では、衝突回避プロセスの間において、乗り物の自動化された振る舞いを運転者が覆すことシステムが許可する。このアプローチを用いると、運転者は、子供を轢くよりはゴミバケツとの衝突、あるいはゴミ収集車との衝突さえいとわない選択を決定する機会を持つことができる。しかしながら運転者は、その種のシステムによってコントロールされる乗り物の実際の動きを運転者自身で観察することができるまで、その種のシステムが何を決定したのかを知ることができない。システムが子供のいる車線に向きを変えることを決定せず、それに代えて、障害物のない路外に操縦することを選択した可能性もある。その種の自動化された振る舞いの干渉によって、それがなければ回避できた衝突に運転者が陥ることも実際にあり得る。平均して人間が、非常に高速のステアリングに加えて、瞬時に動力または制動力を独立して各輪に印加することの可能な現在のアンチ−スキッドおよび衝突コントロール・システムほど良好に自動車をコントロールすることはない。
上記の向上は、その種の衝突回避システムに、乗り物の衝突回避経路が選択されると直ちに、その自動的に選択された経路を乗り物の運転者に瞬時に表示する能力を与え、したがって運転者に必要に応じてその種の経路を覆す機会を与えることからなる。
仮想ケーブルVCが、衝突回避システムによって計算されたとおりの衝突回避経路を線引きする態様で直ちに仮想ケーブルを修正し、あるいはオンにすることができる。これによって運転者は、乗り物がまさに操縦されるところであることを知り、あるいは必要であればそれを覆すことが可能になる。既存の途上ガイダンス情報システムの中に、その種の目的に適したものは存在しない。音声コマンドでは漠然としすぎており、また遅すぎるであろう。地図ベースの表示は、瞬時に解釈するには複雑すぎる。最初の頃に述べたヘッドアップ表示ベースのシステムは、示された衝突回避の経路の位置を前方の物体と関連しているとして瞬時に、かつ正確に認識するために必要となる増強された実存性の印象を提供しない。また、いくつかのヘッドアップ表示ベースのシステムは、運転者の視界の主要なエリア内にナビゲーション情報を表示するが、それは、運転者が潜在的な衝突の間に注意を払う必要がある物体そのものを覆い隠す。
われわれは、衝突回避装置に使用される仮想ケーブルの最適な高さは、『低い』設定(前述)であると考えている。
10. 仮想ケーブルのビデオ・デモンストレーション
われわれは、道路上を走行中の乗り物から撮影した通過する地形の実際の場面を紹介することによって、また運転者にとって仮想ケーブルがどのように見えるかを示すことによって仮想ケーブルの側面を立証するビデオ紹介を参照によりこれに援用する。ビデオ紹介の中に示されている仮想ケーブルは、モックアップである。これはコンピュータ・グラフィクスを使用して生成された−−したがって、ここに開示されているような乗り物に取り付けられた装置によるものではない。ビデオ紹介の中に示されているとおりの仮想ケーブルの位置は、GPSおよび乗り物のデータを使用して計算されたものではなく、コンピュータ・グラフィクス技術を使用して純粋に決定された。読者は、このビデオ紹介がここに記述されているとおりの仮想ケーブルの種々の特性を評価する上で有用であると理解するであろう。このビデオは、www.apple.comから無償ダウンロードとして入手可能なアップル・コンピュータ・インク(Apple Computer, Inc.)のクイックタイム(QuickTime)ソフトウエアを使用して見ることができる。このビデオには、次に示すウェブ・サイトでアクセスすることが可能である。
http://mvs.net/vc/vc.html
本発明は、多くの側面において、ここで示したとおり、種々の特徴ならびに特性を有するオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブル−−特に、われわれがここで仮想ケーブルと呼んでいるボリューム表示されるオーバーヘッド・ナビゲーション・ケーブル−−を表示する望ましさについてのわれわれの認識の中に置かれている。本発明のこれらの認識ならびにこれらの側面は、その具体化に特定のハードウエアおよび/またはソフトウエアの使用を必要としない。実際、現在周知の、あるいは将来において開発されると見られるこのほかの技術、コンポーネント、およびシステムを使用して、ここで述べた特徴のいくつかまたはすべてを有するナビゲーション/仮想ケーブルを生成し、表示することは可能であろう。
また、仮想ケーブルの種々のジオメトリ、色等、および種々の運転およびそのほかのシナリオの下においてそれを表示する方法は単なる例示に過ぎない。このほかの実施態様が、ほかのジオメトリならびにほかの表示パラダイムを具体化することもあり得る。
したがって、以上が単に本発明の原理を例示しているに過ぎないことが理解されるべきである。当業者であれば、ここで明示的に示されていない、あるいは述べられていないが本発明の精神ならびに範囲内にある多くの代替構成を工夫し、これらの原理を具体化することが可能であろう。
典型的な運転状況において運転者によって見られるとおりの仮想ケーブルを示した説明図である。 従来技術のヘッドアップ表示ベースの途上表示を示した説明図である。 起伏のある地形において運転者によって見られるとおりの仮想ケーブルVCの例を略図的に示した説明図である。 図3Aに示されている起伏のある地形において運転者によって見られるとおりの従来技術の経路表示を略図的に示した(ただし、従来技術の経路表示で提案されているより低く、道路に対してより良好に整列して示されている)説明図である。 起伏のある地形において運転者によって見られるとおりの仮想ケーブルの別の例を略図的に示した説明図である。 起伏のある地形において運転者によって見られるとおりの仮想ケーブルの別の例を略図的に示した説明図である。 仮想ケーブルの3次元的性質の効果を示した、図5Aの視点の数インチ右の視点から見える図5Aのシーンを略図的に示した説明図である。 複数車線の高速道路上を運転している運転者によって見られるとおりの仮想ケーブルVCを例示した概略図である。 運転者が高速道路上において車線変更操作を開始した後の同一のシーンを示した概略図である。 運転者が車線変更操作を完了した直後の同一のシーンを示した概略図である。 新しい車線への仮想ケーブルの再位置決めを例示している、その後の同一のシーンを示した概略図である。 仮想ケーブルが仮想ケーブル経路に沿って一列に並ぶ離散的な記号のセットになる、運転者によって見られるとおりの仮想ケーブルの代替実施態様の例を示した概略図である。 仮想ケーブルが2本の平行線になる、運転者によって見られるとおりの仮想ケーブルの別の代替実施態様の例を示した概略図である。 仮想ケーブルが2つのラインに分岐して代替経路を示している、運転者によって見られるとおりの仮想ケーブルの別の代替実施態様の例を示した概略図である。 仮想ケーブルがギャップおよびマーカ・ビーズを有している、運転者によって見られるとおりの仮想ケーブルの別の代替実施態様の例を示した概略図である。 仮想ケーブルの見かけの位置の種々の側面を示した説明図である。 われわれのカスタム座標系を組み立てる方法を例示した説明図である。 仮想ケーブルについて3つの異なる『外観』を具体化するために使用できる仮想ケーブルの断面を横切る知覚される輝度プロファイルの例を略図的に示した説明図である。 図12Aのそれぞれの例に対応する、その種の仮想ケーブルの生成に使用されるレーザ・ビーム・スポットの断面を横切る輝度プロファイルを略図的に示した説明図である。 球面収差のないレーザ・ビームによって生成されるレーザ・ビーム・スポットの一例を示した概略図である。 投影されたビーム・スポットに対するレーザ・ビームの球面収差の効果の一例を示した概略図である。 屋外シーンの近い部分に目の焦点が合わされているときの見え方を示し、距離とともに変化する仮想ケーブルの焦点の観察可能な効果を誇張された形式で例示した説明図である。 屋外シーンの遠い部分に目の焦点が合わされているときの見え方を示し、距離とともに変化する仮想ケーブルの焦点の観察可能な効果を誇張された形式で例示した説明図である。 図15B−図15Eの配列を示す図である。 図15Aに示されるとおりに配列されたときに本発明の原理を具体化するためのシステムを構成するブロック図である。 図15Aに示されるとおりに配列されたときに本発明の原理を具体化するためのシステムを構成するブロック図である。 図15Aに示されるとおりに配列されたときに本発明の原理を具体化するためのシステムを構成するブロック図である。 図15Aに示されるとおりに配列されたときに本発明の原理を具体化するためのシステムを構成するブロック図である。 本発明の原理を具体化するシステムが取り付けられている乗り物の、乗り物の縦方向の軸に平行かつ運転者の位置を含む平面を通る略図的な垂直断面であって、乗り物内の表示デバイスの位置を示し、乗り物のウインドシールドが表示デバイスのコンバイナとして使用されるときの当該表示デバイスの垂直視野の範囲を定める光線を示した断面図である。 乗り物のウインドシールドが表示デバイスのコンバイナとして使用されるときの当該表示デバイスの上方の光学開口のサイズおよびダッシュボード内における位置を示した乗り物の略図的な斜視図である。 乗り物の縦方向の軸に平行かつ運転者の位置を含む平面を通って得られる当該乗り物の略図的な垂直断面であって、表示デバイスの位置を示し、表示デバイスによって別体のコンバイナが使用されるときの当該表示デバイスの垂直視野の範囲を定める光線を示した断面図である。 表示デバイスによって別体のコンバイナが使用されるときの当該表示デバイスの上方の光学開口のサイズおよびダッシュボード内における位置を示した乗り物の略図的な斜視図である。 いくつかの別体の表示サブ−ユニットのモザイクが表示デバイスとして使用される場合の乗り物内における表示デバイスの配置を略図的に示した乗り物の斜視図である。 表示サブ−ユニットの一例の実施態様の斜視図である。 複合顕微鏡光学系を伴う表示デバイスの一実施態様を示した概略図である。 図19の直視光学系の光線トレースを示した概略図である。 ウインドシールドの曲率のための補正の方法を例示した直視光学系の1つの変形の部分的な光線トレースを示した概略図である。 ウインドシールドの曲率のための補正の方法を例示した直視光学系の別の変形の部分的な光線トレースを示した概略図である。 ティップ/ティルト・スキャニング・ミラーを伴うレーザ・プロジェクタの一実施態様を示した概略図である。 いくつかのスキャニング・ミラーのトレインを伴うレーザ・プロジェクタの別の実施態様を示した概略図である。 音響光学偏向器にビームが入力される前にビームの集束および球面収差が変更される音響光学偏向器を伴うレーザ・プロジェクタのさらに別の実施態様を示した概略図である。 実質的なガウス・ビームが音響光学偏向器に入力されるレーザ・プロジェクタのさらに別の実施態様を示した概略図である。 2軸ガルバノメータ・ベースのスキャナを伴うレーザ・プロジェクタのさらに別の実施態様を示した概略図である。 球面収差調整デバイスを示した概略図である。 光路内に折り返しミラーを使用する例を示した概略図である。 ボイス・コイル・スクリーン・アクチュエータの概略およびスクリーン変位センサの詳細を示した説明図である。 ボイス・コイル・スクリーン・アクチュエータの概略およびスクリーン変位センサの詳細を示した説明図である。 振動平衡ツイン・アクチュエータ・ユニットおよびサウンド筐体を伴うボイス・コイル・スクリーン・アクチュエータを示した説明図である。 クランク・メカニズムによって駆動されるスクリーン・アクチュエータを示した概略図である。 直視光学系として複合顕微鏡を使用する例を示した概略図である。 拡大鏡(すなわちルーペ)を直視光学系として使用する例を略図的に示した説明図である。 遠距離(すなわち、実質的に無限遠)に最終的な虚像を与えるべく焦点設定された複合顕微鏡の例、および近い距離(たとえば12.5メートル)に最終的な虚像を与えるべく再焦点設定された同一の複合顕微鏡の例を示した概略図である。 仮想ケーブルの異なるポイントにおいて最終的な虚像の焦点距離がどのように変化するかを示した概略図である。 代表的な運転状況において運転者が見る道路および仮想ケーブルの略図的な一例を示した説明図である。 表示デバイスの投影スクリーン上に『描画された』図36に対応する画像を略図的に示した説明図である。 一定のレーザ・ビーム・スポット速度を使用して図36Bの画像を描画するタイミングを略図的に例示した説明図である。 最適化された可変レーザ・ビーム・スポット速度を使用して図36Bの画像を描画するタイミングを略図的に例示した説明図である。 図36Cからのタイミングを用いて図36Bからの画像が描画されるときの表示デバイスの変数を、1表示リフレッシュ・サイクルの間の時間の関数として略図的に示したグラフである。 図36Dからの最適化された可変タイミングを用いて図36Bからの画像が描画されるときの表示デバイスの変数を、1表示リフレッシュ・サイクルの間の時間の関数として略図的に示したグラフである。 スクリーンが静止している、すなわち図30Aの投影スクリーンのように作動されない、表示デバイスの投影スクリーンのより簡単な代替実施態様を略図的に示した説明図である。 ボイス・コイル・スクリーン・アクチュエータ・アッセンブリ923が、誇張して示された角度4001で光軸に対して傾斜される表示デバイスの投影スクリーンの別の代替実施態様を略図的に示した断面図である。 923に類似のボイス・コイル・アクチュエータ・アッセンブリ4104が回転対称でないスクリーン表面4102を含む表示デバイスの投影スクリーンのさらに別の代替実施態様を略図的に示した断面図である。 拡散スクリーン4402がリレー・レンズ群702とは反対側から照明される表示デバイスの投影スクリーンのさらに別の代替実施態様を略図的に示した断面図である。 単一ビームを生成するべく構成された、それぞれが直線偏波光を放射するレーザ4801および4803のペアを伴う表示デバイスのレーザ源のさらに別の代替実施態様を示した概略図である。
符号の説明
100a 広い帯
102 自転車に乗っている人
105,108 特定距離;距離
106 最初の部分
106,816 部分
107 遠い部分
109 高さ
110 想像上の『遠近境界』
130 透視平面;視野平面
150,902 運転者
151 オンボード装置
152 コンピュータ;オンボード・コンピュータ
154 オンボード通信コンポーネント;オンボード通信
156 センサ
156a 乗り物位置センサ;位置センサ
156b 方位センサ;乗り物方位センサ
156c 周囲光センサ
156d 乗り物操作センサ
158 ユーザ・コントロール;コントロールまたはインターフェース・デバイス
158a オンボード機械的コントロール
158b オンボード音声インターフェース
158c オンボード表示
158d オンボード携帯デバイス
158e オンボード携帯ストレージ・メディア・リーダ
170 ユーザ
171 乗り物外ユーザ装置;乗り物外にある運転者の装置
171b 乗り物外ユーザ・コンピュータ
171c 乗り物外携帯ストレージ・メディア・ライタ
171d 乗り物外通信
180 乗り物外ユーザ・インターフェース;ユーザ・インターフェース
182 基地局システム・オペレータ・インターフェース;インターフェース
186 ワイド・エリア通信リンク
190 基地局システム・オペレータ
191 基地局システム装置;基地局システム・コンポーネント
191b 基地局システム・コンピュータ
191c 基地局システム通信
208 背景
302,302h,303,304b,306b,306c 道路
304a,308 左折
304b,306b 交差する道路
310,312 車線
316 道路表面
318a,318b 空間のボリューム
3901 アクチュエータ装置
3902,3903 スクリーン位置
4005 レンズ表面
401 レーザ・ビーム・スポット;レーザ・スポット;ビーム・スポット
401a,401c 焦点外れビーム・スポット・プロファイル
401b,401d 焦点が合っているビーム・スポット・プロファイル
402 ギャップ
406 オーバーヘッド・ナビゲーション地図
410 グラフィック・オブジェクト
4102 回転対称でないスクリーン表面
4104 ボイス・コイル・アクチュエータ・アッセンブリ
416 マーカ・ビーズ
418,4001,4101,4401 角度
4402 支持層
4802,4804 ビーム成形光学系
4805 偏光ビーム・スプリッタ立方体
502,4801,4803 レーザ
504 レーザ・コントローラ
504,507,510,516,516a,524,524a,524g,525l,525x,525y,924 コントローラ
506a,506c ビーム成形およびコンディショナ
506b ビーム・コンディショナ
507a,507b 光学エレメント
507c ボイス・コイル・アクチュエータ
507c,514,522,522g,522l,522x,522y,923 アクチュエータ
507d 間隔
508 変調器;外部ビームの強度変調器
512 集束レンズ
512,512a 発散レンズ
514a 機械的アクチュエータ
514r 動きの最大範囲
518,528 レンズ
520 ビーム・エキスパンダ
522 広帯域高角度範囲スキャナ;ティップ/ティルト・アクチュエータ;2軸ミラー・スキャナ
526 対物レンズ群
528 後方レンズ群
528a 第2のレンズ群
530 収縮テレスコープ;ビーム収縮テレスコープ
540 レーザ・プロジェクタ;レーザ・スキャナ・プロジェクタ・ユニット;プロジェクタ・ユニット;ビーム・プロジェクタ
541 射出開口
550 スキャニング・レーザ・ビーム
550,551,561,4806 ビーム
550a 非二重1次ビーム
551a レーザ・ビーム
552,554,562,564,582,586,588,592,594,R1,R2 光線
556a コリメートされた光線束
556b,556c,556e 光線束
556d,584,590,596 仮想光線
557b,557d,557e,731,4002,4004,A,Ai 点
570 ステアリング・ミラー;スキャニング・ミラー
570,571,572,573,574x,574y ミラー
571 第1のスキャニング・ミラー
573 最後のスキャニング・ミラー
575,575a 音響光学偏向器
580 光軸
581 沿軸光線
598 水平方向;水平視線;ボディの縦軸
602,602d,602z,612 投影スクリーン
602,4402 拡散スクリーン
602,4003,4102 スクリーン
602a,602b 仮想平面
602r 移動距離
603 スクリーン支持層
702 リレー・レンズ群;リレー・レンズ
702,704 レンズ群
704 接眼レンズ群;接眼レンズ
706 単一レンズ;拡大鏡
706a 直視光学系
707 平板ミラー;折り返しミラー
710a 中間実像;中間画像平面
710a,710b 中間のスクリーン画像表面
710r シフト距離
730 平面;射出瞳平面
731 視点;位置
732,964,964a 直径
760 コンバイナ
800 乗り物
802 ウインドシールド
804 表示デバイス;仮想ケーブル表示デバイス
806a,808a 上下方向
806b 前後方向
806c,808b 傾き調整
810 ダッシュボード
812a 光学開口
812a,812b,812c 開口
812b 光学窓
814 表示サブ−ユニット
818 クランク・メカニズム
850 ビーム・トラップ;ビーム・ダンプ
902,O 観察者
905 反射スポット
907a,907b シールド
909 発光器;静止光源
911 光検出器
913 リード
915 光ビーム
919 ボイス・コイル;コイル
923 ボイス・コイル・スクリーン・アクチュエータ
923,975 スクリーン・アクチュエータ
923,4104 ボイス・コイル・スクリーン・アクチュエータ・アッセンブリ
924 スクリーン・アクチュエータ・コントローラ
925 スクリーン・サスペンション;サスペンション
927 光バッフル
929 筐体;サウンド遮断筐体
930 光学ウインドウ
931 支持部材;支持
933 平衡アクチュエータ;振動平衡ツイン・アクチュエータ・ユニット
952 輝度プロファイル
954,954a,956,956a グラフ
958 中心線;見かけの中心線
960,962 縁
970 軌跡
975 投影スクリーン・アクチュエータ
980 1次ボリューム画像発生器
985 機械的なミラー・スキャナ
985,985a スキャナ
985a 音響光学スキャナ
#1,#2,#3,#4,#5 レンズ
#4,#5 ウインドシールド
VCa 代替仮想ケーブル
VC ナビゲーション・オブジェクト
VC,VC1,VC2,VC3 仮想ケーブル

Claims (16)

  1. 少なくとも1つのケーブルの画像を、地球表面上のみを移動する乗り物のヘッドアップ表示内に表示することを包含する方法であって、前記乗り物内からの前記ケーブルの画像の観察者に前記ケーブルが前記観察者の頭より高い高さで風景内に存在する実在の物体であるかのように見える態様で風景の外観の上に前記ケーブルが重合される方法。
  2. 前記ケーブルは、前記観察者に対して、連続する深度を伴ってボリューム表示される、特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 前記ケーブルは、前記観察者に、前記風景の表面の上方の約3〜20メートルの高さで前記乗り物の正面に延び、そこから遠ざかるように見え、前記高さは任意の特定の時点において実質的に一様であり、前記高さは前記風景の表面が実質的に平坦とならないところも含めて実質的に一様である、特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  4. 前記ケーブルの画像は、前記乗り物が移動しているとき、前記風景の視界フローと一貫した視界フローを伴って前記観察者に表示される、特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  5. さらに、
    前記乗り物の経路を決定すること、
    前記経路上を前記乗り物から前方に遠ざかる方向に延びているように前記観察者に見えるケーブルの画像を前記観察者に表示する態様で前記ヘッドアップ表示をコントロールするデータを計算すること、および
    前記乗り物が移動しているときであっても、前記ケーブルが前記風景に対して実質的に静止しているように前記観察者に見える態様で連続する時間間隔において前記計算を反復すること;
    を包含する、特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  6. 前記経路は少なくとも1つの道路を含み、かつ
    前記ケーブルは、前記道路の表面が実質的に平坦とならないところも含めて前記道路の表面から上に実質的に一様な距離にあるように前記観察者に見える、特許請求の範囲第5項に記載の方法。
  7. 前記ケーブルは、前記道路が平坦とならないところも含めて前記道路に対して実質的に固定されているように前記観察者に見える、特許請求の範囲第6項に記載の方法。
  8. 前記ケーブルの画像は、深度キュー:立体表示、運動視差、焦点、輻輳、および暗化のうちの少なくとも1つを伴って表示される、特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  9. 少なくとも第1の時点において、前記観察者の頭が前記経路上にない場合であっても、前記ケーブルが前記観察者の頭と整列して位置決めされているように前記観察者に見える態様で前記ケーブルの画像が前記観察者に表示される、特許請求の範囲第5項に記載の方法。
  10. その後に続いて前記乗り物が移動し、選択された時間期間を超えて前記ケーブルの見かけの位置から外にとどまっている場合には、再び、前記ケーブルが前記観察者の頭に整列して位置決めされているように前記観察者に見える態様で前記ケーブルの画像が前記観察者に表示される、特許請求の範囲第9項に記載の方法。
  11. 前記ケーブルは、前記ケーブル上の点と前記風景内の場所を相関させる随伴画像をまったく伴うことなく表示される、特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  12. 道路上を移動する自動車内において使用するための、前記自動車の操作者によって実質的に前記自動車の正面に見られる仮想光学画像を表示することによって希望された経路を示すべく適合された装置であって、それにおいて前記仮想光学画像が明るいスポットの形式であり、前記仮想光学画像が3次元経路に沿って移動し、前記経路が少なくとも部分的に前記自動車の実質的な正面であり、かつその上方の前記道路から3〜20メートルの高さで、前記道路の中心線と実質的に平行に位置決めされており、かつ前記仮想光学画像の動きが、人間の視覚の持続性に起因して、前記仮想光学画像を前記自動車の前記操作者に前記経路に沿って延びている物体として知覚させるに充分な速さである装置。
  13. 前記仮想光学画像は、周期的に、かつ前記自動車の前記操作者に前記画像が連続的に存在していると知覚させるに充分な頻度で生成される、特許請求の範囲第12項に記載の方法。
  14. 前記仮想光学画像は、その移動の少なくともいくつかの部分において、前記自動車の動きにかかわらず、前記道路に関して実質的に同じ仮想経路を通り抜け、その結果、前記自動車の前記操作者に前記画像が前記道路に対して静止しているように知覚させる、特許請求の範囲第13項に記載の方法。
  15. 前記仮想光学画像は、表示装置の直視光学系を介して見られる実在する光源の画像であり、前記装置は、前記自動車の前記操作者からの前記仮想光学画像の光学的距離を、前記表示装置の前記直視光学系に対する前記実在する光源の位置を連続的に調整することによって変更することができる、特許請求の範囲第12項に記載の方法。
  16. 前記直視光学系は、前記操作者の両眼に適応する充分に大きな射出瞳を有する、特許請求の範囲第15項に記載の方法。
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