JP2905144B2 - 棒状化粧料容器 - Google Patents

棒状化粧料容器

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JP2905144B2
JP2905144B2 JP8126358A JP12635896A JP2905144B2 JP 2905144 B2 JP2905144 B2 JP 2905144B2 JP 8126358 A JP8126358 A JP 8126358A JP 12635896 A JP12635896 A JP 12635896A JP 2905144 B2 JP2905144 B2 JP 2905144B2
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冨夫 桜井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、口紅、アイシャド
等の棒状化粧料を繰り出すための棒状化粧料容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の棒状化粧料容器とし
て、例えば、実開昭58−112214号公報、実開平
1−82819号公報、実開平3−34415号公報等
が知られている。すなわち、これらの棒状化粧料容器
は、棒状化粧料を保持した保持皿にベルトを連結すると
共に、そのベルトの一部をシャッタとし、ベルトをスラ
イドさせることにより、シャッタにより棒状化粧料の開
口部を開閉させるものである。したがって、ベルトに対
してスライド操作をすれば、蓋体を開閉することなく、
棒状化粧料がケース本体内に繰り出しまたは収納され、
棒状化粧料の塗布を素早くワンタッチで行なうことがで
きる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術における棒状化粧料は、ケース本体内に収納されてい
る状態では、その下部で保持皿により保持されている
が、その上部がケース本体内に露出した状態になってい
る。このため、棒状化粧料を出没させる際に、ケース本
体の開口部等に触れて、棒状化粧料を損傷させることが
あるという問題があった。
【0004】本発明は、上記従来の技術の問題点を解消
するためになされたものであり、棒状化粧料を出没させ
る際に、該棒状化粧料を損傷させることがない棒状化粧
料容器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するためになされた第1の発明は、棒状化
粧料を出没自在に収納する棒状化粧料容器において、一
端に開口部を有する収納孔を設けたケース本体と、上記
収納孔内に出没可能に収納され、かつ棒状化粧料の少な
くとも先端部を収納するスリーブと、スリーブ内に内装
されると共に、棒状化粧料の下部を保持する保持部材
と、上記ケース本体に対してスライド可能に装着された
操作部と、該操作部に一端が固定されかつ他端が上記ス
リーブ及び保持部材に連携するベルトと、該操作部のス
ライド操作によりベルトを介してスリーブをスライドさ
せると共に、少なくとも上記スリーブが上記開口部に達
するまでは該スリーブを棒状化粧料に先行して繰り出
し、最終的にはスリーブ及び上記開口部から、棒状化粧
料の先端部を突出させる位置まで繰り出す伝達部とを有
する昇降手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】第1の発明に係る棒状化粧料容器におい
て、ケース本体の収納孔に、スリーブが出没可能に収納
され、このスリーブ内に棒状化粧料を保持した保持部材
が内装されている。また、昇降手段の操作部をスライド
操作すると、ベルトを介してスリーブが昇降すると共
に、保持部材に保持された棒状化粧料も昇降される。こ
のとき、昇降手段を構成する伝達部は、ベルトを介し
て、スリーブ及び棒状化粧料をスライドさせるが、スリ
ーブが上記開口部に達するまでは棒状化粧料に先行して
スリーブを繰り出し、最終的にはスリーブ及び上部開口
部から棒状化粧料の先端部を突出させる位置まで繰り出
す。このとき、スリーブは、ケース本体内に位置すると
きに、棒状化粧料の少なくとも先端部を収納しているか
ら、棒状化粧料をスライドさせるときに、ケース本体の
収納孔の壁面等で傷を付けることがない。
【0007】第1の発明における昇降手段の伝達部の好
適な態様としては、例えば、以下の構成を採ることがで
きる。すなわち、操作部のスライド操作によりベルトを
介してスリーブをスライドさせた後に、該スリーブを所
定位置、例えばスリーブの先端部が開口部より突出した
位置で停止させ、スリーブの停止状態にて保持部材と共
に棒状化粧料を上昇させるように構成することができ
る。
【0008】また、伝達部の他の態様として、棒状化粧
料のスライド量をスリーブより大きくすることにより実
現できる。例えば、棒状化粧料がスリーブ内に収納され
ている状態から、操作部をスライド操作した場合に、こ
のスライド力を1条ネジを介してスリーブに伝達すると
共に、2条ネジを介して棒状化粧料に伝達することによ
り棒状化粧料のスライド量をスリーブより大きくし、最
終的にスリーブが開口部から突出した後に棒状化粧料の
先端部を突出させることができる。
【0009】さらに、伝達部は、操作部の操作力をスリ
ーブまたは保持部材に伝達できる構成であれば、ばね力
等を利用したものであってもよい。例えば、操作部の操
作により、スリーブが所定位置まで移動したときに、棒
状化粧料の移動を規制している状態を解除して、ばね力
で棒状化粧料をスリーブから繰り出す構成としてもよ
い。
【0010】また、昇降手段の伝達部は、第1及び第2
案内手段を備えたカム機構として、以下のような好適な
態様として実現することができる。すなわち、第1案内
手段を構成するケース本体に形成したケース側係合部
を、スリーブに形成したカム溝などで形成したスリーブ
側案内部に倣わせる。そして、ケース側係合部がスリー
ブ側案内部の一端に形成したカム部に達したときに、ス
リーブの移動を規制する。そして、スリーブの移動が規
制された状態にて、第2案内手段を構成するベルトの他
端と保持部材とを連結固定する連結ピンを案内溝で案内
することにより、保持部材をスライド可能にする。この
保持部材のスライドにより棒状化粧料をスリーブから繰
り出すことができる。なお、第1案内手段としては、上
述したようなケース本体にケース側係合部を形成すると
共にスリーブにスリーブ側案内部を形成する構成のほか
に、これに相当する構成を逆に配置した場合、つまり、
スリーブにスリーブ側係合部を形成すると共に、ケース
本体にケース側案内部を形成する構成を採っても同様な
作用効果を奏することができる。
【0011】また、操作部とヒンジとをケース本体の同
じ側に設けることにより、つまり、突出した形状を同じ
側に設けることにより、ケース本体の他の面側に突出し
た形状を設けなくてよく、ケース本体の意匠性を向上さ
せることができる。
【0012】さらに、第1の発明の他の態様として、ケ
ース本体の開口部に、ヒンジを介して蓋体を設けた場合
には、この蓋体をスリーブの先端部で押圧して開けるよ
うに昇降手段の伝達部を構成することが好ましい。この
場合には、蓋体を開くための操作が不要となり、使い勝
手がよい。なお、ヒンジは、蓋体をケース本体の開口部
に対して開閉可能な構成であれば、蓋体を回転軸で回動
自在に支持する構成のほか、ケース本体と一体または別
体の連結部を介して回動自在に支持する構成など、各種
の構成を採ることができる。
【0013】また、ヒンジとして、蓋体の閉じ方向へば
ね力を付勢する構成を採ることにより、蓋体を閉じる操
作も不要とすることができ、使い勝手を一層、向上させ
ることができる。
【0014】第1の発明の好適な他の態様として、ベル
トの一端部がケース本体の開口部を開閉する蓋体を構成
するようにすれば、別部材から形成された蓋体が不要と
なり、部品点数を減らせる。
【0015】また、第2の発明は、 棒状化粧料を出没自
在に収納する棒状化粧料容器において、 一端に開口部を
有する収納孔を設けたケース本体と、 収納孔内に出没可
能に収納され、かつ棒状化粧料がケース本体に収納され
た状態では少なくとも棒状化粧料の先端部の全周を収納
するスリーブと、 スリーブ内に内装されると共に、棒状
化粧料の下部を保持する保持部材と、 上記ケース本体の
開口部の周辺部に設けられたヒンジを介して開閉自在な
蓋体と、 上記ケース本体に設けられた操作部と、該操作
部の操作により、上記収納孔内に収納されたスリーブを
上記開口部側へスライドさせて、棒状化粧料より先に該
スリーブの先端部で蓋体を押圧して蓋体を開かせる伝達
部とを有する昇降手段と、 を備えたことを特徴とする。
また、第2の発明の主要な構成は、昇降手段を操作部及
び伝達部により構成し、操作部の操作により伝達部を介
して、棒状化粧料より先にスリーブの先端部で蓋体を押
圧して蓋体を開かせるものである。ここで、昇降手段の
構成として、各種の構成を採ることができ、例えば、操
作部は、ケース本体に対してスライド可能とする構成に
限らず、スリーブに外力を加える手段であれば回転や押
圧等の各種操作で操作できる構成であってもよい。
た、スリーブは、ケース本体に収納された状態では少な
くとも棒状化粧料の先端部の全周を収納しているので、
棒状化粧料を保護し、その損傷を防ぐことができる。
【0016】
【発明の他の態様】スリーブは、棒状化粧料を全長にわ
たって収納できる形状のほかに、棒状化粧料が損傷し易
い先端部を少なくとも収納できる形状であればよい。さ
らに、スリーブは、棒状化粧料をスライド自在に収納で
きる形状であればよく、筒状のほか、断面四角形の細長
い中空体であってもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施の
形態について説明する。
【0018】図1は口紅やアイシャドウ等の棒状化粧料
Kを出没自在に収納する棒状化粧料容器10の外観を示
し、図1(A)、(B)、(C)は正面、側面及び背面
をそれぞれ示す外観図であり、図1(D)は棒状化粧料
Kを繰り出した状態を示す外観図である。図2は図1
(C)の2−2線に沿った拡大断面図、図3は図2の状
態から棒状化粧料Kを繰り出した状態を示す断面図であ
る。図4は棒状化粧料容器10の一部の分解斜視図であ
る。
【0019】これらの図において、棒状化粧料容器10
は、収納孔20aを有する筒状のケース本体20と、蓋
体30と、収納孔20a内にスライド可能に収納されか
つ金属製のスリーブ40と、スリーブ40内に内装され
る保持皿50と、昇降機構60と、を備えている。
【0020】上記ケース本体20は、左右対称の枠体2
1(図4では一方を示す)を超音波溶着法により接合し
て構成されている。なお、ケース本体20は、超音波溶
着法で接合するほか、他の接合方法、例えば、接着剤で
接着してもよい。このケース本体20の収納孔20a
は、有底であり、その上端部が開口部22となってい
る。開口部22の周辺部は、傾斜して形成されている。
【0021】上記蓋体30は、硬質の樹脂から形成され
かつ開口部22を開閉するものであり、開口部22の傾
斜下部側に設けたヒンジ31を介して装着されている。
ヒンジ31は、図1(D)に示すように、蓋体30の先
端がスリーブ40の側壁に当接した状態に、つまり垂直
方向に対して所定角度(約75度)の状態にて、蓋体3
0を係止するように構成されている。なお、ヒンジ31
は、指で蓋体30に対して開き方向へ力を加えれば、蓋
体30は、自由な角度に大きく開いて係止することもで
きる。蓋体30の内側には、環状突部32が突設されて
おり、この環状突部32は、開口部22に嵌合可能にな
っている。また、蓋体30の環状突部32の先端部に
は、係合突起32aが形成されている。この係合突起3
2aは、ケース本体20の開口部22の内側に形成され
た係合凹所33aに係合するものであり、蓋体30を開
閉するときに節度感を与えている。
【0022】上記スリーブ40は、収納孔20a内に上
下摺動自在でありかつ僅かに回動可能に収納されてお
り、棒状化粧料Kを収納可能な全長に形成されている。
また、上記保持皿50は、スリーブ40内に上下方向へ
スライド自在に設けられており、棒状化粧料Kの下部を
保持している。
【0023】上記昇降機構60は、スリーブ40、棒状
化粧料K及び保持皿50を昇降させるための機構であ
り、操作部62と、ベルト64と、カム機構70と、を
備えている。
【0024】上記操作部62は、棒状化粧料Kを出没さ
せるために指操作を行なうものである。操作部62は、
ケース本体20の側部の長手方向に沿って形成された操
作溝20dにスライド可能に装着されており、ケース本
体20の外壁から突出した部分にて操作されるように構
成されている。
【0025】また、上記ベルト64は、可撓性の弾性材
料から形成されており、一端に上述した操作部62を装
着している。このベルト64の両側辺は、ケース本体2
0に形成されたベルト摺動溝64aに摺動可能に支持さ
れている。ベルト摺動溝64aは、スリット状に深くか
つ細長く形成されており、その下部は滑らかにU字状に
屈曲して、収納孔20aの下端部を通って操作部62の
反対側にまで連設されている。したがって、ベルト64
は、ベルト摺動溝64aにガイドされるように、操作部
62の反対側まで延びてスライドする。
【0026】図5はスリーブ40の外観及び断面を示
す。図6はスリーブ40の中央付近の断面図である。上
記カム機構70は、スリーブ40の側壁に長手方向に沿
って形成されたカム溝72と、収納孔20aの内壁部か
ら突設されて上記カム溝72に突入する突部74(図6
参照)と、収納孔20aとベルト摺動溝64aとを連通
させると共に長手方向に形成された支持溝76(図2)
と、スリーブ40の長手方向でありかつカム溝72と反
対側に形成された案内溝78と、ベルト64の他端部と
保持皿50とを連結する連結ピン79と、を備えてい
る。
【0027】図7ないし図9は筒状のスリーブ40を平
面に展開した図である。カム溝72は、スリーブ40が
収納孔20aに完全に収納されている状態のときに、該
カム溝72の上端部が突部74に当接し(図7の状
態)、一方、スリーブ40の上端がケース本体20より
僅かに繰り出されている状態のときに、該カム溝72の
下端部が突部74に当接する(図8)。カム溝72の下
端部は、一方向に屈曲して、スリーブ40が上死点に当
接する直前に、スリーブ40を僅かに回転させるカム部
72aになっている。
【0028】また、図2に戻り、支持溝76は、その長
手方向の長さが操作溝20dと同じであり、棒状化粧料
K及び保持皿50のストローク長となっている。さら
に、図7に示すスリーブ40の案内溝78は、支持溝7
6に対向して形成されており、その下端がスリーブ40
の回転方向と逆に直角に折曲した水平部78aとなって
いる(図5(A参照))。これらの支持溝76及び案内
溝78は、ベルト64の他端部64bと保持皿50とを
連結する連結ピン79を貫通させている。
【0029】次に、棒状化粧料容器10から棒状化粧料
Kを出没させる動作について説明する。図10は図7な
いし図9のカム機構70の一連のスライド動作を説明す
る説明図である。いま、蓋体30が閉じて、棒状化粧料
Kがケース本体20内に完全に収納されている状態にあ
るとする(図2)。この状態では、操作部62が操作溝
20dの上端に位置し、また、突部74は、スリーブ4
0のカム溝72の上端に当接し、さらに、連結ピン79
は、案内溝78の水平部78aに係合している(図7、
図10の状態)。
【0030】この状態から、操作部62を指で操作して
下方へスライドさせると、操作部62の移動に連動して
ベルト64がスライドする。このとき、ベルト64は、
180゜曲げられているから、ベルト64の他端部64
bが上昇し、これと連動して連結ピン79が上昇する。
連結ピン79は、案内溝78の水平部78aに係合して
いるので、保持皿50と共にスリーブ40が上昇する。
そして、スリーブ40の上端が蓋体30の下面に当接
し、さらにスリーブ40が上昇すると、蓋体30をヒン
ジ31を中心に回動させて押し開ける。
【0031】さらに、操作部62を下方へスライドさせ
ると、突部74は、カム溝72の下端のカム部72aに
倣うが、カム部72aが下端で屈曲しているので、スリ
ーブ40が僅かに回転する。このスリーブ40の僅かな
回転により、連結ピン79が案内溝78の水平部78a
に係合している状態が解除される(図8、図10の状
態)。この状態にて、連結ピン79が案内溝78内を上
昇する。このとき、操作部62のスライド力は、ベルト
64を介してスリーブ40に伝達されないから、スリー
ブ40がその位置で停止し、一方、連結ピン79を介し
て保持皿50に伝達されるから、保持皿50が上昇す
る。これにより、保持皿50と一体の棒状化粧料Kが上
昇して、スリーブ40より突出し、さらに開口部22か
ら繰り出される(図3、図9、図10の状態)。この
状態にて、棒状化粧料Kの使用が可能になる。
【0032】逆に、棒状化粧料Kが完全に繰り出された
状態から、操作部62を上方へスライドさせると、逆の
過程を経て、棒状化粧料K及び保持皿50が下降して収
納された後に、スリーブ40もケース本体20に完全に
収納される。そして、蓋体30を指で閉じることによ
り、最初の状態に戻る。
【0033】したがって、上記実施例によれば、以下の
効果がある。 (1) 操作部62のワンタッチのスライド操作によ
り、蓋体30が開くと共に、棒状化粧料Kが繰り出され
て使用可能な状態になるから、蓋体30を開くための操
作が不要である。
【0034】(2) 操作部62をスライド操作するこ
とにより、スリーブ40が上昇し、スリーブ40の上端
部によって蓋体30を押し開ける。その後に、保持皿5
0に保持された棒状化粧料Kが繰り出される。すなわ
ち、棒状化粧料Kより先にスリーブ40の上端部が蓋体
30に当たって蓋体30を開けるから、棒状化粧料K
は、蓋体30に当たらず、傷を付けられることがない。
【0035】(3) 蓋体30が開いた状態では、蓋体
30は、スリーブ40の側面に当たっており、棒状化粧
料Kに傷を付けることがない。
【0036】(4) 上記スリーブ40は、棒状化粧料
を、その全長でありかつ棒状化粧料Kの全周を収納可
能に形成されていることから、棒状化粧料Kをケース本
体20に対して出没させるときに、棒状化粧料Kを保護
する。
【0037】(5) 蓋体30は、硬質の樹脂等の弾性
部材で形成されているために、夏の温度の高いときに変
形せず、確実に閉まって密閉性がよい。
【0038】(6) 蓋体30は、ケース本体20の開
口部22にヒンジ31を介して取り付けたので、ケース
本体20自体も太くならず、意匠性を高めることも容易
である。
【0039】(7) 蓋体30の開閉時に、係合突起3
2aがケース本体20側の係合凹所33aに係脱するの
で、節度感を得ることができる。
【0040】(8) 蓋体30は、ヒンジ31にばね等
が設けられておらず、蓋体30を開ける際の力が小さく
てよく、また、蓋体30を開けた状態にて、ばね力がス
リーブ40を介してベルト64にストレスとして加わら
ない。よって、ベルト64のへたり等がなく、耐久性を
低下させる原因にならない。
【0041】(9) ケース本体20と棒状化粧料Kと
の間に、スリーブ40を介在させることにより、棒状化
粧料K、スリーブ40、ケース本体20と徐々に太くな
り、段差が少なく構成できるから、意匠性に優れてい
る。
【0042】(10) 操作部62とヒンジ31とをケ
ース本体20の同じ側に設けることにより、つまり、突
出した形状を同じ側に設けることにより、ケース本体2
0の他の面側に突出した形状を設けなくてよく、ケース
本体20の意匠性を向上させることができる。
【0043】(11) 蓋体30は、図1(D)に示す
ように、スリーブ40の先端で押し開けられた後は、ヒ
ンジ31によりスリーブ40の側壁に当接した状態で係
止することができるから、開きすぎることもなく、棒状
化粧料Kの塗布の際に邪魔にならない。
【0044】(12) 棒状化粧料Kを繰り出す際に、
操作部62をスライド操作する方向は、上方から下方と
いう自然な動作であり、操作性も優れている。
【0045】(13) ケース本体20の開口部22
は、傾斜して形成されているので、スリーブ40の先端
が蓋体30に当たって蓋体30を開ける際に、蓋体30
を開ける角度が小さくてよいと共に、スリーブ40が蓋
体30を押し開ける力も小さくてよく、さらに、スリー
ブ40を介してベルト64に加わるストレスも小さくで
きる。
【0046】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様において実施することが可能であり、例えば次のよ
うな変形も可能である。
【0047】(1) 上記実施例では、蓋体30をスリ
ーブ40の先端で押すことにより開く構成としたが、蓋
体30を廃止して、ベルトの先端部をシャッタとして構
成し、このシャッタで開口部を開閉してもよい。この場
合には、別部材から形成された蓋体が不要となり、部品
点数を減らせる。
【0048】(2) また、ヒンジ31として、蓋体3
0に対して閉じ方向へばね力を付勢する構成を加えるこ
とにより、蓋体30を閉じる操作も不要であり、使い勝
手を一層、向上させることができる。この場合には、ベ
ルトの構成として、ばね力に対してストレスを受け難く
く、耐久性に優れた弾性材料を用いることが望ましい。
【0049】(3) スリーブ40の一端部に係合部を
設けると共に、蓋体側に上記係合部に係合する係合部を
設けて、スリーブ40の上昇・下降にしたがって、両係
合部を介して蓋体30を開閉するように構成してもよ
い。
【0050】(4) 上記実施例では、操作部62の位
置は、蓋体30のヒンジ31と同じ側に設けたが、これ
に限らず、ケース本体20の反対側の位置や、指による
操作性に優れた位置、例えば、ヒンジ31に対して周方
向へ約45゜の位置に設けるなど、いずれの箇所に設け
てもよい。
【0051】(5) スリーブ40の材料として、上記
実施例では金属を用いたが、これに限らず、蓋体30を
押し開けるのに好適な材料であれば、硬質の樹脂であっ
てもよい。
【0052】(6) 上記実施の形態では、カム機構7
0として、突起74をケース本体20側に形成すると共
に、カム溝72をスリーブ40側に形成したが、これに
相当する構成を逆に配置した場合に、つまり、スリーブ
40側に突起を、ケース本体にカム溝の構成を採って
も、同様な作用効果を奏することができる。また、突起
74及びカム溝72の他の態様として、スリーブ40の
移動を案内できる構成であれば、溝の形状のほか、突条
等などの係合部を倣わせることができる構成であっても
よく、各種の構成を採ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】口紅やアイシャドウ等の棒状化粧料Kを出没自
在に収納する棒状化粧料容器10を説明する説明図。
【図2】図1(C)の2−2線に沿った拡大断面図。
【図3】図2の状態から棒状化粧料Kを繰り出した状態
を示す断面図。
【図4】棒状化粧料容器10の一部の分解斜視図。
【図5】スリーブ40の外観及び断面を説明する説明
図。
【図6】スリーブ40の中央付近の断面図。
【図7】スリーブ40を平面に展開すると共にカム機構
70の動作を説明する説明図。
【図8】図7の状態から棒状化粧料Kを繰り出した状態
を説明する説明図。
【図9】図8の状態からさらに棒状化粧料Kを繰り出し
た状態を説明する説明図。
【図10】カム機構70の一連の動作を説明する説明
図。
【符号の説明】
K…棒状化粧料 10…棒状化粧料容器 20…ケース本体 20a…収納孔 20d…操作溝 21…枠体 22…開口部 30…蓋体 31…ヒンジ 32…環状突部 32a…係合突起 33a…係合凹所 40…スリーブ 50…保持皿 60…昇降機構 62…操作部 64…ベルト 64a…ベルト摺動溝 64b…他端部 70…カム機構 72…カム溝 72a…カム部 74…突部 76…支持溝 78…案内溝 78a…水平部 79…連結ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A45D 40/02

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棒状化粧料を出没自在に収納する棒状化
    粧料容器において、 一端に開口部を有する収納孔を設けたケース本体と、 上記収納孔内に出没可能に収納され、かつ棒状化粧料の
    少なくとも先端部を収納するスリーブと、 スリーブ内に内装されると共に、棒状化粧料の下部を保
    持する保持部材と、 上記ケース本体に対してスライド可能に装着された操作
    部と、該操作部に一端が固定されかつ他端が上記スリー
    ブ及び保持部材に連携するベルトと、該操作部のスライ
    ド操作によりベルトを介してスリーブをスライドさせる
    と共に、少なくとも上記スリーブが上記開口部に達する
    までは該スリーブを棒状化粧料に先行して繰り出し、最
    終的にはスリーブ及び上記開口部から、棒状化粧料の先
    端部を突出させる位置まで繰り出す伝達部とを有する昇
    降手段と、 を備えたことを特徴とする棒状化粧料容器。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記昇降手段の伝達
    部は、操作部のスライド操作によりベルトを介してスリ
    ーブをスライド移動させた後に、該スリーブを所定位置
    に停止させると共に、スリーブの停止状態にて保持部材
    と共に棒状化粧料を上昇させるように構成した棒状化粧
    料容器。
  3. 【請求項3】 請求項1において、上記昇降手段の伝達
    部は、棒状化粧料のスライド量をスリーブよりも大きく
    するように構成した棒状化粧料容器。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかにお
    いて、 上記昇降手段の伝達部は、第1案内手段と第2案内手段
    とを備えたカム機構であり、 上記第1案内手段は、 ケース本体に形成されたケース側係合部と、 スリーブの長手方向に沿って形成され、上記ケース側係
    合部に係合された状態にて倣わせてスリーブを摺動させ
    るように形成されたスリーブ側案内部と、 スリーブ側案内部の一端部に形成され、ケース側係合部
    に倣ってスリーブを所定方向へ回転させるように案内
    し、その後、スリーブの移動を規制するカム部と、 を備え、 第2案内手段は、 スリーブの移動が規制された状態にて、ベルトの移動に
    したがって保持部材及び棒状化粧料をスライドするよう
    に案内する化粧料案内部を備えて構成した棒状化粧料容
    器。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3のいずれかにお
    いて、 上記昇降手段の伝達部は、第1案内手段と第2案内手段
    とを備えたカム機構であり、 上記第1案内手段は、 スリーブに形成されたスリーブ側係合部と、 ケース本体の長手方向に沿って形成され、上記スリーブ
    側係合部を係合させた状態にて倣わせて、該スリーブを
    収納孔内で摺動させるように形成されたケース側案内部
    と、 ケース側案内部の一端部に形成され、スリーブ側係合部
    を倣わせてスリーブを所定方向へ回転させるように案内
    し、その後、スリーブの移動を規制するカム部と、 を備え、 第2案内手段は、スリーブの移動が規制された状態に
    て、ベルトの移動にしたがって保持部材及び棒状化粧料
    をスライドするように案内する化粧料案内部を備えて構
    成した棒状化粧料容器。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5において、上記
    第2案内手段は、ベルトの他端と保持部材とを連結する
    連結ピンと、スリーブの長手方向に沿って形成されてか
    つ連結ピンを案内する案内溝と、を備え、 上記案内溝は、スリーブがスライドしているときに連結
    ピンと係合する係合部と、スリーブの移動が規制されて
    いるときに保持部材をスリーブに対して移動させるよう
    に連結ピンを案内する案内部と、を有する棒状化粧料容
    器。
  7. 【請求項7】 請求項1において、さらに、上記ケース
    本体の開口部の周辺部にヒンジを介して開閉自在な蓋体
    を備え、 上記昇降手段の伝達部は、操作部のスライド操作によ
    り、棒状化粧料より先にスリーブの先端部で蓋体を押圧
    して蓋体を開かせるように構成した棒状化粧料容器。
  8. 【請求項8】 請求項7において、上記ヒンジは、蓋体
    の閉じ方向にばね力を付勢するように構成した棒状化粧
    料容器。
  9. 【請求項9】 請求項1において、ベルトの一端部が、
    ケース本体の開口部を開閉する蓋体を構成する棒状化粧
    料容器。
  10. 【請求項10】 請求項7において、上記操作部とヒン
    ジとは、ケース本体の同じ側に設けた棒状化粧料容器。
  11. 【請求項11】 棒状化粧料を出没自在に収納する棒状
    化粧料容器において、 一端に開口部を有する収納孔を設けたケース本体と、 収納孔内に出没可能に収納され、かつ棒状化粧料がケー
    ス本体に収納された状態では少なくとも棒状化粧料の先
    端部の全周を収納するスリーブと、 スリーブ内に内装されると共に、棒状化粧料の下部を保
    持する保持部材と、 上記ケース本体の開口部の周辺部に設けられたヒンジを
    介して開閉自在な蓋体と、 上記ケース本体に設けられた操作部と、該操作部の操作
    により、上記収納孔内に収納されたスリーブを上記開口
    部側へスライドさせて、棒状化粧料より先に該スリーブ
    の先端部で蓋体を押圧して蓋体を開かせる伝達部とを有
    する昇降手段と、 を備えたことを特徴とする棒状化粧料容器。
  12. 【請求項12】 請求項11において、上記ヒンジは、
    蓋体の閉じ方向にばね力を付勢するように構成した棒状
    化粧料容器。
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