JP3932147B2 - 棒状化粧品容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、口紅、アイシャドー等の棒状に形成された化粧品(以下「棒状化粧品」という)を内装し、所望により化粧品の上端部を容器の開口部から繰り出して使用することのできる蓋付きの棒状化粧品容器に係り、特に容器からの棒状化粧品の出没に先立って外筒の開口部に対し、キャップを自動的に開閉させることができる棒状化粧品容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の繰り出し式の棒状化粧品容器として、例えば実開昭58−88914号や実開昭58−80920号等に記載されたものが知られている。これらの棒状化粧品容器は、前者にあっては主筒(中筒)に対して回転筒(外筒)を所定範囲で回動させることにより主筒の上端を回転筒の上方へ突出させることにより蓋体(キャップ)を開放し、その後に主筒内に収容されている棒状化粧品を回動させながら主筒から進出させるものであり、また後者にあっては基筒に外装した摺動筒(スリーブ)を所定範囲で回転上昇させて外筒の上方へ突出させ、摺動筒の上端によって蓋体(キャップ)を開放し、その後に摺動筒内に収容されている棒状化粧品を摺動筒から進出させる構造に成っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術による棒状化粧品容器においては、何れもキャップを開放する回転筒や摺動筒を上昇させる機構と、棒状化粧品を出没させる機構が上下別々の機構として構成されると共に、棒状化粧品を保持する受皿が操作時に回動する回転筒や摺動筒によって昇降動作を付与される構造に成っている。
従って、昇降機構の構成が複雑に成るばかりでなく、使用に際して容器から棒状化粧品を出没させる場合に、棒状化粧品が容器に対して回転しながら進退する構造に成っているため、突出した棒状化粧品を使用者の好みの方向に向けて停止させることができず、棒状化粧品自体の使用感を向上するために、例えばその先端部位を特定方向へ細くしたり、又は傾斜させて使用方向を特定した形状に構成した場合に、この使用方向が使用時に回転筒や摺動筒の動作に連動して、使用者が意図しない位置で適当な方向に向いて停止してしまい、使用勝手が悪く成るという問題を有するものであった。また、特にキャップを容器の開口端に開閉自在に装着した構造の棒状化粧品容器の場合、上記棒状化粧品の使用方向との関係でキャップのヒンジ部を構成する必要があり、このヒンジ部の構成位置と棒状化粧品自体の使用方向を一致させる等の必要があるばかりでなく、キャップ自体の開閉を完全に自動化した構造のものは存在しなかった。
【0004】
本発明に係る棒状化粧品容器は、上記の各問題を解決するために提案されたものでり、第一の目的は、昇降機構の構成を簡略化すると共に、容器から棒状化粧品を出没させる際に、容器に対するキャップのヒンジ部構成側に対してスリーブ及びスリーブに内装される棒状化粧品(受皿)を円周方向への回動を略抑止した状態で上下方向へ進退させることができ、従って容器内に棒状化粧品を収納したままで、その使用方向を特定することができ、使用感に優れた棒状化粧品容器を提供することである。
また、本発明に係る他の目的は、容器の開口部に被蓋するキャップを容器と一体化すると共に、その開閉動作を容器開口部からの棒状化粧品の出没動作に対応した自動的操作を可能にして、棒状化粧品容器の取り扱いや操作性を容易にすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る棒状化粧品容器は、棒状化粧品を出没自在に収納する棒状化粧品容器において、棒状化粧品の下部を保持する受皿と、この受皿を上下方向へ摺動自在に内装し、棒状化粧品の少なくとも上端部を収納するスリーブと、このスリーブを上下方向へ摺動自在に内装すると共に、上端に開口部を有する外筒と、上記外筒の開口部端に開閉自在に装着したキャップを具備して成り、上記スリーブの側面軸方向に添って一側には下端部にL字状に周方向へ曲折する掛止溝を形成すると共に、軸方向へ適宜長さの溝長を有する第一案内溝を穿設し、他側には前記第一案内溝に平行し、かつ下端部に前記掛止溝方向へ傾斜したカム溝を形成すると共に、上記第一案内溝よりもやや短い溝長を有する第二案内溝を穿設し、上記外筒の内壁には前記第二案内溝に嵌合し、上記スリーブの上下移動範囲を特定するための位置決め突起を形設すると共に、上記第一案内溝に対して直接又は間接的に重なり合うスライド溝を外筒の軸方向略全長に渡って穿設し、このスライド溝と第一案内溝に同時に貫通させたスライド軸を、上記受皿の下端部外周に固定すると共に、その外側端にスライダーを固設し、更に、キャップの軸支部に第一突起を設けると共に、スリーブ上端側に上記第一突起に係合する第二突起を設け、スリーブの上下動作に対応して第二突起を第一突起に係脱して回動させることにより、前記キャップを外筒の開口部に対して開閉動作させるように構成したことを要旨とするものである。
【0006】
上記構成によれば、スライダーを上下動させる方向と、スリーブ及びスリーブに収容した棒状化粧品自体を上下動させる方向とが一致し、棒状化粧品容器に対するスライダーの操作と棒状化粧品の出没が同じ方向に成るため、棒状化粧品容器に対する使用者の使用感に誤解を生ずることがなく、安心して使用することができる。また、棒状化粧品は、スリーブが外筒から進出した状態でスリーブの開口部から進出し、その先端部がスリーブの開口部内に後退した後に外筒の開口部内に後退するため、スリーブが外筒内に位置している状態では、棒状化粧品の少なくとも先端部はスリーブ内に完全に収納されており、スリーブを外筒の開口部から出没させる際には棒状化粧品の先端部が完全にスリーブ内に収容された状態で行われ、棒状化粧品の先端部をキャップの裏面に衝突させて損傷することがない。
【0007】
上記外筒とスリーブの開口部は、略同方向、例えば後方へ傾斜し、前記キャップがこの傾斜後端部に軸支されると共に、前記外筒のスライド溝が軸支部の下方に延出形成されており、また、上記スライド軸をその上方から見た横断面形状においてクランク状に曲折形成すると共に、第一と第二のクランク状凹部内に前記外筒側のスライド溝の側端をそれぞれ摺動自在に嵌め合わせ、かつ軸部をスリーブ側の第一案内溝内に挿通させるように形成することができる。
このような構造により、スライド溝と第一案内溝の溝位置を周方向へずらせるようにしてスリーブを外筒に嵌合することができる
【0008】
上記受皿とスリーブは、それぞれ外筒に対して周方向への回動を略抑止された状態で上下方向へスライドし、また、上記スリーブが外筒の開口部から繰り出され、キャップを開放させながら上昇した後、所定の時間差をおいて棒状化粧品がスリーブの上端から進出するように構成することもできる。更に、受皿が下降し、棒状化粧品がスリーブ内に繰り入れられた状態でスリーブが外筒内に収容され、かつキャップが自動的に閉止するように構成したものである。
【0009】
このような構成により、従来の棒状化粧品容器のように、使用に際して容器からキャップを外すという操作を不用とし、単に外筒の外側に構成したスライダーを上下動作させるだけで外筒に対してスリーブと受皿に保持した棒状化粧品を周方向への回動を略抑止した状態でその開口部から出没させることができる。
【0010】
上記スリーブは、上記の如く、使用に際して棒状化粧品に先立って外筒の開口部から繰り出され、その先端でキャップを開放した後に、棒状化粧品をスリーブの開口部から進出させ、また収納時には受皿が下降し、棒状化粧品がスリーブ内に完全に繰り入れられた状態でスリーブを外筒内に後退させるように構成してある。従って、棒状化粧品の進退動作が常時スリーブによって保護された状態で、またスリーブに対して必要な量だけ突出させて使用することができるため、細めに形成した棒状化粧品を装着収容する場合でも、棒状化粧品に対してスリーブの外装による所定の強度が付与されるため、棒状化粧品自体の損傷を防止することができる。
【0011】
本発明に係る棒状化粧品容器において、キャップは、スリーブの上下動作に対応しており、その開閉は簡単な構造により完全に自動化されており、操作性が極めて良好に成ると共に、使用者が棒状化粧品容器の使用時にキャップを締め忘れたり、紛失したりする事故を未然に防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る棒状化粧品容器の好適な実施の形態を図面に従って説明する。
【0013】
〔棒状化粧品容器の全体構造〕
図1乃至図5において、棒状化粧品容器1は、棒状化粧品Cの下部を保持する円筒状に形成した受皿2と、この受皿2を上下方向へ摺動自在に内装し、棒状化粧品Cの少なくとも上端部側を収納することができる金属製等の円筒状に形成したスリーブ3と、このスリーブ3を上下方向へ摺動自在に内装すると共に、上端に開口部を有する外形が円柱又は六角形等の多角形状に形成された有底の金属製等の外筒4と、上記外筒4の開口部端に開閉自在に装着された、外筒の外側形状と同形の金属製等のキャップ5を具備して成るものである。上記各部材が合成樹脂等他の素材で成型可能であることは言うまでもない。
【0014】
上記のような構成を有するスリーブ3の側面には、軸方向に添う一側に下端部にL字状に周方向へ曲折する掛止溝6aを形成すると共に、軸方向へ適宜長さの溝長を有する第一案内溝6を穿設し、また他側には前記第一案内溝6に平行し、かつ下端部に前記掛止溝6a方向へ傾斜したカム溝7aを形成すると共に、上記第一案内溝6よりもやや短い溝長を有する第二案内溝7を穿設する。更に、上記外筒4の内壁には上記第二案内溝7に嵌合し、スリーブ3の上下移動範囲を特定し、外筒4内におけるスリーブ3の上下位置を特定するための位置決め突起8が形設してあり、スリーブ3は外筒4に収容された状態で外筒4の内壁に固定された位置決め突起8に対する上部位置(収納位置)と下部位置(突出位置)間S1を上下動作するものであり、上昇に伴って第二案内溝7の下端に形成したカム溝7aに位置決め突起8を嵌合させながら上昇させることによってスリーブ3を外筒4内においてカム溝7aの傾斜範囲S2で周方向へ回動させることができるように成っている(図6参照)。
【0015】
〔外筒に対する受皿とスリーブの嵌合構造〕
外筒4の筒壁には、上記第一案内溝6に対して直接又は間接的に重なり合うスライド溝9が軸方向略全長にわって平行に穿設してあり、このスライド溝9と第一案内溝6に同時に貫通させたスライド軸10を、上記受皿2の下端部外周部に固定すると共に、その外側端にスライダー11を固設する。このスライダー11を手動により上下動作させることによりスリーブ3と受皿2を同時に上下摺動させることができものであり、スリーブ3が外筒4内に完全に収納された状態では、スライド軸10が第一案内溝6のL状の掛止溝6aに嵌合しており、第一案内溝6内における上下動作が抑止されているため、その状態で受皿2とスリーブ3を係止して、スリーブ3の上昇上端部(突出位置)まで上昇させることができると共に、上昇上端部に近接するに従って第二案内溝7に形成したカム溝7aの上昇傾斜方向に案内されてスリーブ3をこの傾斜周方向へ回動させ、スライド軸10を第一案内溝6の掛止溝6aから離脱させ、受皿2のみを第一案内溝6に添って上昇させることができるように変位する。
【0016】
〔棒状化粧品の出没状態〕
即ち、本発明に係る棒状化粧品容器1においては、先ずスリーブ3が外筒4の上部に形成した開口部4aから所定長だけ突出し、その後に受皿2に装着した棒状化粧品Cの上端部がスリーブ3に形成した開口部3aから上方へ突出し、また棒状化粧品Cがスリーブ3内に完全に収容された状態でスリーブ3と共に外筒4の開口部4a内に後退する構造に成っており、従って棒状化粧品Cの使用に際して、スリーブ3が外筒4の開口部4aから繰り出された後、所定の時間差をおいて棒状化粧品Cがスリーブ3の上端の開口部3aから進出するように成っている。また、受皿2及びスリーブ3の上下動は、掛止溝6a及びカム溝7aの回動範囲を除き略完全に周方向への回動を抑止した状態で垂直に上下動作させることができ、棒状化粧品Cの突出姿勢を予め特定させて構成することができるものである。従って、スリーブ3の開口部3aと外筒4の開口部4aが略同方向、例えば後方へ傾斜形成すると共に、棒状化粧品C自体の上端を同方向へ切欠傾斜させた形状に構成することができ、かつ上記キャップ5をこの傾斜後端部に軸支されるように構成すると共に、上記外筒4のスライド溝9が軸支部12の下方に延下するように形成してある。
上記の如く、本発明においては、スリーブ3の上下動作と受皿2、即ち棒状化粧品Cの上下動作との間に上記時間差を設けることができるため、「受皿2と共にスリーブ3が上昇し、その上端部の適当長が外筒4の開口部4aから突出した後に棒状化粧品Cが上昇してスリーブ3の開口部3aから所望長突出し、また棒状化粧品Cがスリーブ3内に下降収納された後に、スリーブ3が外筒4内に下降収納される」という本発明特有の動作を可能にしている。
【0017】
〔第一及び第二案内溝とスライド軸の取付構造〕
本発明の実施の形態において、上記スリーブ3側に穿設した第一案内溝6と外筒4側に穿設したスライド溝9は完全に重合する位置には形成されていない(図7参照)。即ち、スライド溝9は横断面形状においてクランク状になるように曲折形成するように形成してあり、スライド溝9のクランク状底部9aがスリーブ3側の第一案内溝6の開口部全体を長手方向に覆い、収納状態においては、第一案内溝6の内周に形成される係止溝6aがクランク状底部9a側に回動することと併せて、第一案内溝6の略全長がクランク状底部9aによって被蓋される構造に成り、外部からの塵埃のスライド溝9側からの侵入を防止し、清潔に保持する。上記スライド溝9と第一案内溝6に挿通させるスライド軸10は、その上方から見た横断面形状においてスライド溝9の穿設形状に対応してクランク状に曲折形成されており、第一と第二のクランク状凹部10a,10b内に上記外筒4側のスライド溝9の側端をそれぞれ摺動自在に嵌め合わせ、かつ軸部10cをスリーブ3側の第一案内溝6内に挿通させるように形成することによりスライド溝9と第一案内溝6の溝位置を周方向へずらせるようにしてスリーブ3を外筒4に嵌合することができるように構成したものである。
【0018】
上記スライド軸10の外端にはスライダー11がスライド軸10と一体的に固設してあり、このスライダー11を手動操作することにより、スライド軸10を介して受皿2、即ち棒状化粧品C及びスリーブ3を上下摺動させることができるものであり、外筒4との外側摺動部には摺動面4bが形成してあり、スライダー11の外周面が棒状化粧品容器1の外周面と略面一に成り、意匠性を向上するように構成してある。
【0019】
〔スリーブの滑り止め構造〕
また、上記受皿2の下端側外周には周方向へ突出し、外周壁に添って並設して成る複数の突子13,13が形成してある。この突子13,13の突出端間の外径は、スリーブ3の内周径よりも径大に成るように形成されると共に、各突子13の両側部から軸方向へ切り欠いた切り溝14,14によりバネ性が付与されており、スリーブ3内に嵌合させる場合には、受皿2の内側へ撓んで外径を小さくし、またスリーブ3内に嵌合した後は、そのバネ性によりスリーブ3の内壁に圧接して受皿2の自然落下を防止する構造に成っている。また、スリーブ3自体については、その外周に摩擦効果を有するOリング15が巻着してあり、外筒4の内壁とスリーブ3の外壁との間に適度の摩擦力を発生させ、外筒4の開口部4a上に進出したスリーブ3が自然落下しないように構成してある。
【0020】
〔キャップの構造〕
キャップ5は、図8に示すように、外筒4の開口部4aの後端部に横架固定した支持軸16に対して回動自在に、即ち外筒4の開口部4aに対して開閉自在に軸支される構造に成っており、その後端部裏面部に支持軸16の外径よりも狭小と成る間隔を持って一対の弾性力を有する挟持アーム17,17をやや外側へ傾斜させて一体的に形成し、両挟持アーム17,17の内側所定部位には支持軸16を回動自在に嵌合させるべく対向した一対の凹条17a,17aが形成してある。従って、キャップ5に無理な力が加わった場合には、このキャップ5自体が支持軸16から離脱して軸支部12の破損を防止する構造に成っている。
【0021】
本発明に係る棒状化粧品容器1においては、キャップ5の内側と成る一の挟持アーム17の下端部外側に、上記凹条17aの形成部の下方に位置する第一突起18を形成すると共に、この第一突起18と対向するスリーブ3の開口部3aの上端部外側に同じく第二突起19が形成してある。このキャップ5は、所謂テコ作用によりキャップ5の閉止動作をするものであり、上記支持軸16を支点として第一突起18が力点部に、またキャップ5自体が作用点に位置するように形成されており、スリーブ3側の第二突起19側を下降させ、キャップ5側の第一突起18に当接係合させることにより、外筒4の開口部4aに対してキャップ5を閉止動作させることができるように成っている。
即ち、スリーブ3側の第二突起19がキャップ5側の第一突起18の上方からこれに当接係合しながら下方へ押圧すると、キャップ5は支持軸16を回動中心として外筒4の開口部4aを閉止する方向へ動作する。なお、キャップ5の開放は、スリーブ3が上昇しながら、その上端部でキャップ5の裏面を上方へ押し上げることにより開放動作させることができる。
【0022】
なお、キャップ5の裏面内周部には外筒4の開口部4a内に嵌合させて、密閉度を高めるリブ20が形成してあり、所望により閉止時の係合構造(図示していない)を形成してもよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明に係る棒状化粧品容器は、上記の如く、スリーブが外筒内に位置している状態で、棒状化粧品の少なくとも先端部をスリーブ内に完全に収納しており、外筒の開口部から棒状化粧品を出没させる際に、その先端部をキャップの裏面に衝突させて損傷することがない。
【0024】
また、使用に際して容器からキャップを外すという操作が不用であり、単にスライダーを上下させるだけでスリーブと受皿に保持した棒状化粧品を周方向への回動を抑止した状態で外筒の開口部から出没させることができる。従って、棒状化粧品容器の外形を一体的で細身のスマートな形状にし、女性用の化粧用具としての意匠性を向上することができる。
【0025】
また、スリーブが使用に際して外筒の開口部から繰り出され、所定高さまで上昇した時点で受皿を上昇させて棒状化粧品をスリーブの上端から進出させ、また収納時には受皿が下降し、棒状化粧品がスリーブ内に完全に繰り入れられた状態でスリーブを外筒内に後退させ、同時にキャップを閉止するように構成してあるため、棒状化粧品の進退動作が常時スリーブによって保護され、かつスリーブに対して必要な量だけ突出させて使用することできるため、細めに形成した棒状化粧品を装着収容する場合でも、棒状化粧品に対してスリーブの外装による所定の強度が付与されて、棒状化粧品自体の損傷を防止することができ、かつキャップを閉止する手間を省略し、棒状化粧品容器の操作の省力化を図ることができる。
【0026】
また、本発明に係る棒状化粧品容器においては、使用者が棒状化粧品容器を片手に持った状態で、その上部に出没させる棒状化粧品の方向を特定することができると共に、外筒を握った状態でスライダーを操作することができるので、棒状化粧品容器の片手操作が可能に成る。しかも、外筒の開口部縁をキャップのヒンジ部側へ傾斜するように形成してあるため、棒状化粧品の使用感を向上することができる等、本発明の実施により得られる効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】棒状化粧品を出没自在に収容した本発明に係る棒状化粧品容器の外観を示すものであり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は側面図、(d)は棒状化粧品を繰り出した状態の側面図である。
【図2】同じく棒状化粧品容器の拡大側断面図である。
【図3】同じく棒状化粧品容器の分解斜視図である。
【図4】同じく棒状化粧品を収納した状態における昇降機構を示すものであり、(a)は第二案内溝の形状を示す側面図、(b)は第一案内溝の形状を示す背面図である。
【図5】同じく棒状化粧品を突出させた状態における昇降機構を示すものであり、(a)は第二案内溝の形状を示す側面図、(b)は第一案内溝側からみた背面図である。
【図6】スリーブの形状を示す拡大図であり、(a)は側断面図、(b)は背面図である。
【図7】スライド軸及びスライダーの形状を示す拡大図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は背面図である。
【図8】キャップの形状を示す拡大図であり、(a)は側面図、(b)底面図、(c)は底面側から見た斜視図である。
【符号の説明】
1 棒状化粧品容器
2 受皿
3 スリーブ
4 外筒
5 キャップ
6 第一案内溝
6a 掛止溝
7 第二案内溝
7a カム溝
8 位置決め突起
9 スライド溝
9a クランク状底部
10 スライド軸
10a クランク状凹部
10b クランク状凹部
10c 軸部
11 スライダー
12 軸支部
13 突子
14 切り溝
15 Oリング
16 支持軸
17 挟持アーム
18 第一突起
19 第二突起
20 リブ
C 棒状化粧品

Claims (5)

  1. 棒状化粧品を出没自在に収納する棒状化粧品容器において、
    棒状化粧品の下部を保持する受皿と、
    この受皿を上下方向へ摺動自在に内装し、棒状化粧品の少なくとも上端部を収納するスリーブと、
    このスリーブを上下方向へ摺動自在に内装すると共に、上端に開口部を有する外筒と、
    前記外筒の開口部端に開閉自在に装着したキャップを具備して成り、
    前記スリーブの側面軸方向に添って一側には下端部にL字状に周方向へ曲折する掛止溝を形成すると共に、軸方向へ適宜長さの溝長を有する第一案内溝を穿設し、他側には前記第一案内溝に平行し、かつ下端部に前記掛止溝方向へ傾斜したカム溝を形成すると共に、前記第一案内溝よりもやや短い溝長を有する第二案内溝を穿設し、
    前記外筒の内壁には前記第二案内溝に嵌合し、前記スリーブの上下移動範囲を特定するための位置決め突起を形設すると共に、前記第一案内溝に対して直接又は間接的に重なり合うスライド溝を外筒の軸方向略全長に渡って穿設し、
    該スライド溝と第一案内溝に同時に貫通させたスライド軸を、前記受皿の下端部外周に固定すると共に、その外側端にスライダーを固設し、
    更に、キャップの軸支部に第一突起を設けると共に、スリーブ上端側に前記第一突起に係合する第二突起を設け、スリーブの上下動作によって第二突起を第一突起を係脱出して回動させることにより、前記キャップを外筒の開口部に対して開閉動作させるように構成したことを特徴とする棒状化粧品容器。
  2. 前記外筒とスリーブの開口部が略同方向へ傾斜し、前記キャップがこの傾斜後端部に軸支されると共に、前記外筒のスライド溝が軸支部の下方に延出形成されていることを特徴とする請求項1記載の棒状化粧品容器。
  3. 前記スライド軸をその上方から見た横断面形状においてクランク状に曲折形成すると共に、第一と第二のクランク状凹部内に前記外筒側のスライド溝の側端をそれぞれ摺動自在に嵌め合わせ、かつ軸部をスリー側の第一案内溝内に挿通させるように形成することによりスライド溝と第一案内溝の溝位置を周方向へずらせるようにしてスリーブを外筒に嵌合し、第一案内溝の略全長がクランク状底部によって被蓋されるように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の棒状化粧品容器。
  4. 前記受皿とスリーブが、それぞれ外筒に対して周方向への回動を略抑止した状態で上下方向へスライドするように構成して成るものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の棒状化粧品容器。
  5. 受皿が下降し、棒状化粧品がスリーブ内に繰り入れられた状態でスリーブが外筒内に収容され、かつキャップが閉止するように構成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の棒状化粧品容器。
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