JP2576378Y2 - 口紅等の収納容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は口紅、リップクリーム、スチックアイシャド
ウ、スチックファンデーション等の棒状化粧品を収納す
る口紅等の収納容器に関する。

「従来の技術」 従来、口紅収納容器はハカマ部材と、このハカマ部材
内に下端部が挿入固定された軸心方向の切欠部を有する
内筒部材と、この内筒部材の外周部に回動可能に取付け
られた螺旋溝を有する螺旋部材と、この螺旋部材の外周
部を覆う外筒部材と、前記内筒部材内を上下移動する口
紅を支持する皿部材と、この皿部材に形成された前記内
筒部材の切欠部および前記螺旋部材の螺旋溝と係合する
係合ピンと、前記外筒部材の外周部を覆う前記ハカマ部
材と着脱可能に嵌合するキャップとから構成されてい
た。

「本考案が解決しようとする課題」 一般に口紅収納容器は、口紅の充填時には外筒部材の
上端部より皿部材の上端部が上方に突出していると口紅
の充填を容易に行なうことができるが、使用時に皿部材
の上端部が上筒部材の上端部より上方に突出していると
見苦しく、かつ該突出している皿部材の上端部で怪我を
する等の消費者苦情が生じやすい。

従来の口紅収納容器は前述のように構成されているた
め、皿部材の上端部を外筒部材の上端部より突出させる
か、あるいは外筒部材の上端部より突出しないようにす
るかのいずれか一方にしか設定することができないとい
う欠点があった。

本考案は以上のような従来の欠点に鑑み、口紅等の充
填時には皿部材の上端部を外筒部材の上端部よりも上方
に突出させることができ、使用時には皿部材の上端部が
外筒部材の上端部よりも上方に突出することのない、口
紅等の充填作業が容易にでき、かつ使用時には安全に、
見苦しくなることなく使用することのできる口紅等の収
納容器を提供することを目的としている。

「課題を解決するための手段」 上記目的を達成するため、本考案はハカマ部材と、こ
のハカマ部材内に下端部が挿入固定された内筒部材と、
この内筒部材に形成された上部が開口する軸心方向の切
欠部と、前記内筒部材の外周部に回動可能に取付けられ
た螺旋溝を有する螺旋部材と、この螺旋部材の外周部を
覆う外筒部材と、前記内筒部材内に上下移動可能に取付
けられた前記内筒部材の切欠部および前記螺旋部材の螺
旋溝を係合する係合ピンを有する口紅等を直接支持する
自重で移動可能な重量の金属材製の皿部材と、前記螺旋
部材の螺旋溝の上部と連通するように形成された前記皿
部材の上端部が前記外筒部材の上端部より突出しないよ
うに前記係合ピンをガイドする案内溝と、前記螺旋部材
の螺旋溝の上部と連通するように形成された前記皿部材
の上端部が前記外筒部材の上端部より上方に突出した状
態を支持するように前記係合ピンを支持する支持溝とで
口紅等の収納容器を構成している。

「作用」 上記のように構成された口紅等の収納容器は口紅等を
充填する場合に、ハカマ部材と外筒部材とを持って回動
させ、皿部材を上部に位置させる。

この状態で皿部材の開口部側を下方に位置させて皿部
材を自重によって突出するように移動させたり、あるい
は下方に位置させて振ることにより皿部材を突出するよ
うに移動させた後、皿部材を上昇させる方向にハカマ部
材と外筒部材とを回動させることにより、係合ピンが螺
旋部材の支持溝内に位置するとともに、皿部材の上端部
が外筒部材の上端部より突出した状態となる。

ハカマ部材と外筒部材とを逆方向に回動させることに
より、皿部材の係合ピンが支持溝から螺旋溝内へ位置
し、該螺旋部材に沿って皿部材を下降させることができ
る。

また、通常の口紅等の上下移動には口紅等を最大に突
出する操作を行なっても、皿部材の係合ピンは螺旋溝か
ら案内溝へ導かれるため、皿部材の上端部が外筒部材の
上端部より突出することがない。

「本考案の実施例」 以下、図面に示す実施例により、本考案を詳細に説明
する。

第１図ないし第５図の実施例において、１はハカマ部
材で、このハカマ部材１は上部が開口したハカマ部材本
体２と、このハカマ部材本体２に嵌合固定された該ハカ
マ部材本体２の開口端部より上方の外周部にキャップ嵌
合部３が形成されたキャップ嵌合部材４とから構成され
ている。

５は前記ハカマ部材１内に下端部が挿入固定された内
筒部材で、この内筒部材５は上下部にリング状の螺旋部
材係止突部６、７と、軸心方向の切欠部８とが形成され
ている。

10は前記内筒部材５の外周部を回動可能に覆う前記螺
旋部材係止突部６、７に上下部が係止される螺旋部材
で、この螺旋部材10は螺旋溝１が形成された螺旋部材本
体10aと、この螺旋部材本体10aの上部螺旋溝13と連通す
るように形成された案内溝12と、前記螺旋部材本体10a
の上部螺旋溝13と連通し、かつ前記案内溝12よりも上部
に形成された支持溝14とから構成されている。

15は前記螺旋部材９の外周部を覆うように取付けられ
た外筒部材である。

16は前記内筒部材５内に上下移動可能に取付けられた
口紅17を支持する自重で移動可能な所定量の重量を有す
る金属材製の皿部材で、この皿部材16には前記内筒部材
５の切欠部８および前記螺旋部材10の螺旋溝13、案内溝
12、支持溝14にそれぞれ係合する係合ピン18が取付けら
れている。

この係合ピン18の皿部材16への取付け部位は該係合ピ
ン18が螺旋部材10の案内溝12に係合している場合には皿
部材16の上端部が外筒部材15の上端部より突出しない位
置で、かつ係合ピン18が螺旋部材10の支持溝14に支持さ
れている場合には皿部材16の上端部が外筒部材15の上端
部よりも上方に突出した状態となる位置に取付けられて
いる。

19は前記外筒部材15の外周部を覆う前記ハカマ部材１
のキャップ嵌合部３と着脱可能に嵌合するキャップであ
る。

上記構成の口紅収納容器20は、ハカマ部材１と外筒部
材15とを持って回動させ、皿部材16を第３図に示すよう
に上部に位置させる。

しかる後、第４図に示すように逆さにして皿部材16の
開口部を下方に位置させることにより、あるいはこの状
態で振ることにより、係合ピン18が支持溝14側へ移動
し、皿部材16の上端部が外筒部材15の上端部より突出す
る。

この状態で皿部材16を上昇させる方向にハカマ部材１
と外筒部材15とを回動させることにより、係合ピン18が
第１図に示すように支持溝14の端部14aに当接するまで
挿入され、支持された状態となる。

このように外筒部材15の上端部より皿部材16の上端部
が突出した状態で皿部材16に口紅17を充填する。

皿部材16に口紅17が充填されると、ハカマ部材１と外
筒部材15とを持って皿部材16を下方に下げるように回動
させることにより、螺旋部材10の支持溝14の反支持部側
の傾斜面14bより螺旋溝13へ係合ピン18が導かれ下降す
る。

このようにして係合ピン18が螺旋部材10の螺旋溝13に
位置されると、通常の口紅17を出没させる操作では係合
ピン18は螺旋溝13と案内溝12にしか係合しない。

このため、皿部材16の上端部が外筒部材15の上端部よ
り突出することがない。

皿部材16に充填した口紅17が不良品になった場合、皿
部材16を上部に位置させ、口紅17を除去するとともに、
外筒部材15を抜き取った後に皿部材16を内筒部材５の上
部が開口した切欠部８内を係合ピン18を通過させて他の
部品を損傷させることなく除去することができ、また、
新しい皿部材を容易にセットすることができる。

「本考案の異なる実施例」 次に第６図ないし第23図に示す本考案の異なる実施例
につき説明する。なお、これらの実施例の説明に当っ
て、前記本考案の実施例と同一構成部分には同一符号を
付して重複する説明を省略する。第６図ないし第８図の
実施例において、前記本考案の実施例と主に異なる点は
ハカマ部材1Aで、このハカマ部材1Aは皿部材16の上端部
を外筒部材15の上端部より突出できるように押し上げピ
ン23を挿入することのできる押し上げピン挿入孔24を形
成した点で、このように口紅収納容器20Aを構成するこ
とにより、皿部材16を押し上げピン23によって上方に押
し上げることができる。

第９図ないし第12図の実施例において、前記本考案の
実施例と主に異なる点は螺旋部材10Aに逆方向の支持溝1
4Aを形成した点で、このように形成した螺旋部材10Aを
用いて口紅収納容器20Bを構成してもよい。この場合、
皿部材16の上端部を外筒部材15の上端部より突出させた
状態から、皿部材16を収納する方向に回動させることに
より、第９図に示すように係合ピン18を支持溝14A内に
位置させることができる。

第13図ないし第15図の実施例において、前記本考案の
実施例と主に異なる点は、皿部材16Aを係合ピン18を有
する保持皿25と、この保持皿25に嵌合固定された口紅17
を支持する支持皿26とで構成した点で、このように形成
された皿部材16Aを用いて口紅収納容器20Cを構成しても
前記本考案の実施例と同様な作用効果が得られる。

第16図ないし第18図の実施例において、前記本考案の
実施例と主に異なる点は螺旋部材10Bで、この螺旋部材1
0Bは板材を円筒状にカールさせて両端部間が螺旋溝13と
なるように形成した螺旋部材本体10bと、この螺旋部材
本体10bの上部寄りの螺旋溝13の押し上げ面13a側に形成
した案内溝12と、この案内溝12の上部に形成した段状の
支持溝14Bとで形成した点で、このように形成された螺
旋部材10Bを用いた口紅収納容器20Dにしても前記本考案
の実施例と同様な作用効果が得られる。

第19図ないし第23図の実施例において、前記本考案の
実施例と主に異なる点は螺旋部材10Cで、この螺旋部材1
0Cは合成樹脂材で成形されたもので、内壁面に螺旋溝13
を形成するとともに、この螺旋溝13の上部寄りの部位に
開口するように貫通孔によって形成した案内溝12Aを形
成している。

このように形成された螺旋部材10Cを用いて口紅収納
容器20Eを構成しても前記本考案の実施例と同様な作用
効果が得られる。

なお、前記本考案の実施例では口紅17を皿部材16に支
持させるものについて説明したが、本考案はこれに限ら
ず、皿部材にリップクリーム、スチックアイシャドウ、
スチックファンデーション等の棒状化粧品を支持させて
も良い。

「本考案の効果」 以上の説明から明らかなように、本考案にあっては次
に列挙する効果が得られる。

（１）ハカマ部材と、このハカマ部材内に下端部が挿入
固定された内筒部材と、この内筒部材に形成された上部
が開口する軸心方向の切欠部と、前記内筒部材の外周部
に回動可能に取付けられた螺旋溝を有する螺旋部材と、
この螺旋部材の外周部を覆う外筒部材と、前記内筒部材
内に上下移動可能に取付けられた前記内筒部材の切欠部
および前記螺旋部材の螺旋溝と係合する係合ピンを有す
る口紅等を直接支持する自重で移動可能な重量の金属材
製の皿部材と、前記螺旋部材の螺旋溝の上部と連通する
ように形成された前記皿部材の上端部が前記外筒部材の
上端部より突出しないように前記係合ピンをガイドする
案内溝と、前記螺旋部材の螺旋溝の上部と連通するよう
に形成された前記皿部材の上端部が前記外筒部材の上端
部より上方に突出した状態を支持するように前記係合ピ
ンを支持する支持溝とで構成されているので、構造が簡
単で安価に製造することができる皿部材の上端部を外筒
部材の上端部より上方に位置させることができる。

したがって、皿部材への口紅の充填を容易に行なうこ
とができる。

（２）前記（１）によって、口紅が充填された皿部材は
ハカマ部材と外筒部材との回動で上下移動させることが
できるが、通常の使用状態での操作では皿部材の上端部
が外筒部材の上端部より上方に突出しないので、安全に
かつ見苦しくなることなく使用することができる。

（３）前記（１）によって、螺旋部材に案内溝と支持溝
とを形成するだけであるので、部品点数が増加すること
なく、容易に実施することができる。

（４）前記（１）によって、係合ピンを支持溝で支持さ
せることができる。

したがって、皿部材の上端部を外筒部材の上端部より
突出させた状態で輸送しても安全に輸送することができ
る。

（５）前記（１）によって、充填した口紅が不良品にな
った場合、簡単に外筒部材を抜き取った後、金属材製の
皿部材を上部が開口する切欠部より係合ピンを通過させ
抜き取ることにより、充填した口紅等を除去するととも
に、新しい皿部材と容易に差し替えて使用することがで
きる。

したがって、経済的に使用することができる。

（６）前記（１）によって、金属材製の皿部材を使用し
ているので、構造が簡単で安価に製造することができる
とともに、該皿部材の上端部を外筒部材の上端部より上
方に位置させたり、通常の使用状態では皿部材の上端部
が外筒部材の上端部より上方に突出しないように該皿部
材の自重によって、確実に動作させることができる。

したがって、誤作動を確実に防止することができる。

（７）請求項２、３も前記（１）〜（６）と同様な効果
が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す一部破断面図、第２図
は本考案の一実施例を示す断面図、第３図および第４図
は係止ピンを支持溝内へ導く状態の説明図、第５図は使
用時の皿部材の上方に位置した状態の説明図、第６図な
いし第８図、第９図ないし第12図、第13図ないし第15
図、第16図ないし第18図、第19図ないし第23図はそれぞ
れ本考案の異なる実施例を示す説明図である。 １、1A:ハカマ部材、2:ハカマ部材本体、3:キャップ嵌
合部、4:キャップ嵌合部材、５、5A:内筒部材、６、7:
螺旋部材係止突部、8:切欠部、10、10A、10B、10C:螺旋
部材、10a、10b:螺旋部材本体、12、12A:案内溝、13a:
押し上げ面、13:螺旋溝、14a:支持溝の端部、14b:傾斜
面、14、14A:支持溝、15:外筒部材、16、16A:皿部材、1
7:口紅、18:係合ピン、19:キャップ、20、20A〜20E:口
紅収納容器、23:押し上げピン、24:押し上げピン挿入
孔、25:保持皿、26:支持皿。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−150616（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−76916（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−47921（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−134715（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭63−45205（ＪＰ，Ｙ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A45D 40/06

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ハカマ部材と、このハカマ部材内に下端部
   が挿入固定された内筒部材と、この内筒部材に形成され
   た上部が開口する軸心方向の切欠部と、前記内筒部材の
   外周部に回動可能に取付けられた螺旋溝を有する螺旋部
   材と、この螺旋部材の外周部を覆う外筒部材と、前記内
   筒部材内に上下移動可能に取付けられた前記内筒部材の
   切欠部および前記螺旋部材の螺旋溝と係合する係合ピン
   を有する口紅等を直接支持する自重で移動可能な重量の
   金属材製の皿部材と、前記螺旋部材の螺旋溝の上部と連
   通するように形成された前記皿部材の上端部が前記外筒
   部材の上端部より突出しないように前記係合ピンをガイ
   ドする案内溝と、前記螺旋部材の螺旋溝の上部と連通す
   るように形成された前記皿部材の上端部が前記外筒部材
   の上端部より上方に突出した状態を支持するように前記
   係合ピンを支持する支持溝とを備えることを特徴とする
   口紅等の収納容器。
2. 【請求項２】ハカマ部材と、このハカマ部材内に下端部
   が挿入固定された内筒部材と、この内筒部材に形成され
   た上部が開口する軸心方向の切欠部と、前記内筒部材の
   外周部に回動可能に取付けられた内壁面に螺旋溝を有す
   る合成樹脂材製の螺旋部材と、この螺旋部材の外周部を
   覆う外筒部材と、前記内筒部材内に上下移動可能に取付
   けられた前記内筒部材の切欠部および前記螺旋部材の螺
   旋溝と係合する係合ピンを有する口紅等を直接支持する
   自重で移動可能な重量の金属材製の皿部材と、前記前記
   螺旋部材の螺旋溝の上部と連通するように貫通孔を形成
   して形成された前記皿部材の上端部が前記外筒部材の上
   端部より上方に突出しないように前記係合ピンをガイド
   する案内溝と、前記螺旋部材の螺旋溝の上部と連通する
   ように形成された前記皿部材の上端部が前記外筒部材の
   上端部より上方に突出した状態を支持するように前記係
   合ピンを支持する支持溝とを備えることを特徴とする口
   紅等の収納容器。
3. 【請求項３】ハカマ部材と、このハカマ部材内に下端部
   が挿入固定された内筒部材と、この内筒部材に形成され
   た上部が開口する軸心方向の切欠部と、前記内筒部材の
   外周部に回動可能に取付けられた螺旋溝を有する螺旋部
   材と、この螺旋部材の外周部を覆う外筒部材と、前記内
   筒部材内に上下移動可能に取付けられた前記内筒部材の
   切欠部および前記螺旋部材の螺旋溝と係合する係合ピン
   を有する自重で移動可能な重量の金属材製の保持皿およ
   びこの保持皿に嵌合固定された口紅等を直接支持する皿
   部材と、前記螺旋部材の螺旋溝の上部と連通するように
   形成された前記皿部材の支持皿の上端部が前記外筒部材
   の上端部より上方に突出しないように前記係合ピンをガ
   イドする案内溝と、前記螺旋部材の螺旋溝の上部と連通
   するように形成された前記皿部材の支持皿の上端部が前
   記外筒部材の上端部より上方に突出した状態を支持する
   ように前記係合ピンを支持する支持溝とを備えることを
   特徴とする口紅等の収納容器。