JP2528574Y2 - 口紅等の収納容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は比較的スリムな形状に形成した口紅、リップ
クリーム、スチックアイシャドウ、スチックファンデー
ション等の棒状化粧品を収納する口紅等の収納容器に関
する。

「従来の技術」 従来、比較的スリムな形状に形成した口紅収納容器は
ハカマ部材と、このハカマ部材内に下端部が挿入固定さ
れた筒部材と、この筒部材の前記ハカマ部材内に挿入さ
れている部位に形成された軸心方向の切欠部と、前記筒
部材の外周部で前記ハカマ部材内に嵌合固定された螺旋
溝が形成された螺旋部材と、前記筒部材内を上下移動可
能に取付けられた口紅等を支持する合成樹脂材製の皿部
材と、この皿部材に一体成形された該皿部材の下方に突
出され、先端部寄りの部位に前記筒部材の切欠部および
螺旋部材の螺旋溝と係合する係合ピンを有する支持脚
と、前記ハカマ部材より突出する部位の前記筒部材の外
周部を覆うキヤップとから構成されている。

「本考案が解決しようとする課題」 従来の口紅収納容器は、皿部材の下方に突出させた支
持脚の先端部寄りの部位に係合ピンを形成しているの
で、ハマカ部材と筒部材とを持って口紅を出没操作する
場合に係合ピンが筒部材の切欠部の最上部あるいは最下
部に位置した所で、さらに押し上げ方向あるいは押し下
げ方向に大きな力が加えられると、皿部材を組付けるた
めに内側に変形する支持脚が内側に変形し、係合ピンが
螺旋部材内にもぐり込むオービーラン事故が生じるとい
う欠点があった。

このオーバーラン事故が生じると、口紅の出没操作が
不能になったり、元の状態に戻すのに大きな力で操作し
なければならないとともに、このような操作と支持脚の
変形によって口紅にヒビが入り、口紅が損傷する事故に
つながる。

本考案は以上のような従来の欠点に鑑み、大きな力で
口紅等の出没操作をしても係合ピンが螺旋部材内にもぐ
り込むオーバーラン事故を確実に防止して、常に正確な
口紅等の出没操作ができ、口紅等の損傷を防止できる、
部品点数が増加しない口紅等の収納容器を提供すること
を目的としている。

「課題を解決するための手段」 上記目的を達成するために、本考案はハカマ部材と、
このハカマ部材内に下端部が回動不能に取付けられた内
筒部材と、この内筒部材に形成された軸心方向の切欠部
と、この切欠部が形成された部位の前記内筒部材の外周
部を覆うように取付けられた螺旋溝を有する螺旋部材
と、この螺旋部材および前記ハカマ部材より突出してい
る部位の前記内筒部材の外周部を回動可能に覆う外筒部
材と、前記内筒部材内を上下移動可能に取付けられた口
紅等を支持する皿部材と、この皿部材に一体成形された
該皿部材の下方に突出し、先端部寄りの部位に前記内筒
部材の切欠部および前記螺旋部材の螺旋溝と係合する係
合ピンを有する支持脚とを備える口紅等の収納容器にお
いて、前記係合ピンの前記螺旋溝と係合する部位に前記
内筒部材の切欠部の幅寸法よりも大きくなるフランジ部
を形成するとともに、前記内筒部材の切欠部の上部に該
フランジ部が挿入される挿入孔とで口紅等の収納容器を
構成している。

「作用」 上記構成の口紅等の収納容器は、係合ピンのフランジ
部が内筒部材の切欠部の周縁部に当接するため、係合ピ
ンが内側にもぐり込むのを防止できる。

また、皿部材を内筒部材内に組込む場合には、係合ピ
ンが形成された支持脚をたわませて内筒部材内に挿入
し、挿入された係合ピンを内筒部材に形成した挿入孔よ
り外方へ突出させ、切欠部内に係合ピンを位置させる。

「本考案の実施例」 以下、図面に示す実施例により、本考案を詳細に説明
する。

第１図ないし第７図の実施例において、１は本考案の
口紅等の収納容器で、この口紅等の収納容器１はハカマ
部材２と、このハカマ部材２内に下端部が挿入され、回
動不能に取付けられた内筒部材３と、この内筒部材３の
前記前記ハカマ部材２内に位置する部位を覆うように取
付けられた螺旋溝４を有する螺旋部材５と、この螺旋部
材５と前記ハカマ部材２より外方に突出する部位の前記
内筒部材３の外周部を覆う外筒部材６と、前記内筒部材
３内を上下移動可能に取付けられた口紅７等を支持する
下方に突出し、先端部寄りの部位に係合ピン８、ガイド
ピン8Kを備える支持脚９、９を有する皿部材10と、前記
ハカマ部材２より突出する部位の前記外筒部材６を覆う
キヤップ12とから構成されている。

前記ハカマ部材２は底面が形成された筒状のハカマ部
材本体13と、このハカマ部材本体13の上部開口部より挿
入嵌合固定された上部外周部にキヤップ嵌合部14が形成
されたキヤップ嵌合部材15と、前記ハカマ部材本体13の
内底部に固定された円錐台形状でかつ外周部にセレーシ
ョン16が形成された嵌合片17とから構成されている。

前記内筒部材３は合成樹脂材で成型された円筒状の内
筒部材本体18と、この内筒部材本体18の下端部に一体成
形された前記ハカマ部材２の嵌合片17のセレーション16
と係合するセレーション19が形成された嵌合凹部20と、
前記内筒部材本体18の前記ハカマ部材２内に挿入される
部位の外周部に形成された螺旋部材挿入凹部21と、この
螺旋部材挿入凹部21が形成された部位の前記内筒部材本
体18に形成された上下部に水平方向のストッパー溝22
a、22bを有する軸心方向の切欠部22と、この切欠部22の
上部と連通するように前記内筒部材本体18に形成された
該切欠部22の幅寸法よりも大きな寸法となる挿入孔11と
から構成されている。

前記皿部材10は、第３図および第４図に示すように口
紅７等を支持する円筒状の皿部材本体23と、この皿部材
本体23の下方へ突出するように一体成形された弧状の支
持脚９、９と、この一方の支持脚９の先端部寄りの部位
に形成された前記内筒部材３の切欠部22の幅寸法よりも
大きく、前記挿入孔11、11内に挿入される前記螺旋部材
５の螺旋溝４と係合するフランジ部8aが形成された係合
ピン８と、前記他方の支持脚９の先端部寄りの部位に形
成された前記内筒部材３の切欠部22と係合するガイドピ
ン8Kとから構成されている。

上記のように構成された口紅等の収納容器１は内筒部
材３内に支持脚９、９をたわませて挿入し、係合ピン
８、ガイドピン8Kを内筒部材３の挿入孔11、11より突出
させ内筒部材３の切欠部22、22内に位置させる。

しかる後、内筒部材３に螺旋部材５および外筒部材６
を組付け収納容器本体26を形成する。

この収納容器本体26の状態で皿部材10に口紅７等を充
填した後、該収納容器本体26をハカマ部材２に押し込
み、嵌合片17と嵌合凹部20とを嵌合させる。

この状態で、ハカマ部材２と外筒部材６とを持って回
動させることにより、係合ピン８が螺旋部材５の螺旋溝
４によって切欠部22内を上下移動される。

この上下移動時に係合ピン８の先端部のフランジ部8a
が内筒部材３の切欠部22の周縁部と当接するため支持脚
９が変形して係合ピン８が螺旋部材５の内側にもぐり込
むのを完全に防止することができる。

「本考案の異なる実施例」 次に第８図ないし第11図に示す本考案の異なる実施例
につき説明する。なお、この実施例の説明に当って、前
記本考案の実施例と同一構成部分には同一符号を付して
重複する説明を省略する。

第８図ないし第11図の実施例において、前記本考案の
実施例と主に異なる点は、内底部に支持部材28が固定さ
れたハカマ部材2Aと、このハカマ部材2A内に嵌合固定さ
れた螺旋溝４を有する螺旋部材５と、前記支持部材28に
下端部が回動可能に取付けられた前記ハカマ部材2Aより
上方に突出し、かつ該ハカマ部材2A内に位置する部位に
切欠部22を有する筒部材29と、この筒部材29内に上下移
動可能に取付けられた口紅７等を支持するフランジ部8
a、8aが形成された係合ピン８、８を有する皿部材10
と、前記筒部材29の切欠部22の上部と連通するように該
筒部材29に形成された該切欠部22の幅寸法よりも大きな
寸法となる挿入孔11とで口紅等の収納容器1Bを構成した
点で、このように構成した口紅等の収納容器1Bにして
も、前記本考案の実施例と同様な作用効果が得られる。

「本考案の効果」 以上の説明から明らかなように、本考案にあっては次
に列挙する効果が得られる。

（１）ハカマ部材と、このハカマ部材内に下端部が回動
不能に取付けられた内筒部材と、この内筒部材に形成さ
れた軸心方向の切欠部と、この切欠部が形成された部位
の前記内筒部材の外周部を覆うように取付けられた螺旋
溝を有する螺旋部材と、この螺旋部材および前記ハカマ
部材より突出している部位の前記内筒部材の外周部を回
動可能に覆う外筒部材と、前記内筒部材内を上下移動可
能に取付けられた口紅等を支持する皿部材と、この皿部
材に一体成形された該皿部材の下方に突出し、先端部寄
りの部位に前記内筒部材の切欠部および前記螺旋部材の
螺旋溝と係合する係合ピンを有する支持脚とを備える口
紅等の収納容器において、前記係合ピンの前記螺旋溝と
係合する部位に前記内筒部材の切欠部の幅寸法よりも大
きくなるフランジ部を形成するとともに、前記内筒部材
の切欠部の上部に該フランジ部が挿入される挿入孔を形
成したので、係合ピンのフランジ部が内筒部材の切欠部
の縁部と当接し、内側方向への移動を阻止して螺旋部材
内へもぐり込むのを防止することができる。したがっ
て、常に最適な操作性で口紅等の出没操作を行なうこと
ができる。

（２）前記（１）によって、係合ピンが内側方向へ移動
するのが阻止されるので、支持脚が変形したりして口紅
等にヒビが入ったり損傷したりするのを効率よく防止す
ることができる。

（３）前記（１）によって、支持脚を内側方向にたわま
せ、内筒部材内に挿入し、フランジ部を有する係合ピン
を挿入孔より突出させて切欠部内に挿入位置させること
ができる。したがって、従来と同様に皿部材を内筒部材
内に組付けることができる。

（４）前記（１）によって、従来の口紅等の収納容器を
構成する部品だけで、本願考案を施すことができるの
で、従来と同様なコストで製造することができる。

（５）請求項２も前記（１）〜（４）と同様な効果が得
られる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例を示す断面図、
第３図および第４図は皿部材の説明図、第５図は係合ピ
ンを挿入孔に位置させた状態の説明図、第６図は係合ピ
ンと切欠部との係合状態を示す説明図、第７図は第６図
の７−７線に沿う拡大断面図、第８図ないし第11図は本
考案の異なる実施例を示す説明図である。 １、1B:口紅等の収納容器、２、2A:ハカマ部材、3:内筒
部材、4:螺旋溝、5:螺旋部材、6:外筒部材、7:口紅、8:
係合ピン、8a:フランジ部、9:支持脚、10:皿部材、11:
挿入孔、12:キャップ、13:ハカマ部材本体、14:嵌合
部、15:キヤップ嵌合部材、16:セレーション、17:嵌合
片、18:内筒部材本体、19:セレーション、20:嵌合凹
部、21:螺旋部材挿入凹部、22a、22b:ストッパー溝、2
2:切欠部、23:皿部材本体、24:係合ピン挿入孔、26:収
納容器本体、28:支持部材、29:筒部材。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 岡田 誠弘 神奈川県川崎市川崎区東門前３丁目４番 24号 (56)参考文献 実開 昭62−182124（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−128708（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ハカマ部材と、このハカマ部材内に下端部
   が回動不能に取付けられた内筒部材と、この内筒部材に
   形成された軸心方向の切欠部と、この切欠部が形成され
   た部位の前記内筒部材の外周部を覆うように取付けられ
   た螺旋溝を有する螺旋部材と、この螺旋部材および前記
   ハカマ部材より突出している部位の前記内筒部材の外周
   部を回動可能に覆う外筒部材と、前記内筒部材内を上下
   移動可能に取付けられた口紅等を支持する皿部材と、こ
   の皿部材に一体成形された該皿部材の下方に突出し、先
   端部寄りの部位に前記内筒部材の切欠部および前記螺旋
   部材の螺旋溝と係合する係合ピンを有する支持脚とを備
   える口紅等の収納容器において、前記係合ピンの前記螺
   旋溝と係合する部位に前記内筒部材の切欠部の幅寸法よ
   りも大きくなるフランジ部を形成するとともに、前記内
   筒部材の切欠部の上部に該フランジ部が挿入される挿入
   孔を形成したことを特徴とする口紅等の収納容器。
2. 【請求項２】ハカマ部材と、このハカマ部材内に下端部
   が挿入され回転可能に取付けられた筒部材と、この筒部
   材の前記ハカマ部材内に挿入された部位に形成された軸
   心方向の切欠部と、前記筒部材の外周部で前記ハカマ部
   材内に嵌合固定された螺旋溝を有する螺旋部材と、前記
   筒部材内を上下移動可能に取付けられた口紅等を支持す
   る皿部材と、この皿部材に一体成形された該皿部材の下
   方に突出し、先端部寄りの部位に前記筒部材の切欠部お
   よび前記螺旋部材の螺旋溝と係合する係合ピンを有する
   支持脚とを備える口紅等の収納容器において、前記係合
   ピンの前記螺旋溝と係合する部位に前記筒部材の切欠部
   の幅寸法よりも大きくなるフランジ部を形成するととも
   に、前記筒部材の切欠部の上部に該フランジ部が挿入さ
   れる挿入孔を形成したことを特徴とする口紅等の収納容
   器。