JPH0621395Y2 - 棒状化粧品繰出し容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、口紅等の棒状化粧品を繰出して使用する棒状
化粧品繰出し容器に関する。

「従来の技術」 この種繰出し容器は周知の如く、主体部となる主筒の上
半部を外径がやや小径の中筒とし、この中筒外面に回転
筒を嵌合し、一方中筒に化粧品を保持する筒状の中皿を
昇降可能に嵌入し、この中皿を突子により中筒両側に開
けた上下方向の細長な案内孔を通して回転筒内面の一対
の螺旋溝に係合し、主筒と回転筒とを相対的に逆方向に
回転操作することにより化粧品を繰出し、繰入れ操作す
るものであり、繰入れ時には中皿は案内孔、螺旋溝の下
限位置まで下降して停止する。

「考案が解決しようとする課題」 この種繰出し容器では、化粧品は基部を10〜12mm程度中
皿内に充填嵌入して保持されており、このためこの基部
部分は化粧に供することができず、無駄になっていた。

本考案は、化粧品の中皿内に嵌入された保持用の基部部
分まで化粧に使用できる有効利用形の化粧品繰出し容器
を得るにある。

「課題を解決するための手段」 本考案の棒状化粧品繰出し容器は、下部の底板付き基筒
部４から中筒５を直立し、この中筒５両側に上下方向の
細長な中皿案内孔６，６を開孔した主筒１と、内周面に
対称的に２条の螺旋溝７，７を形成して前記中筒５外面
に嵌合された回転筒２と、化粧品８の基部8aを嵌入保持
して前記中筒５に内嵌され、両側の係合突子９，９を前
記案内孔６，６を通して螺旋溝７，７に係合し、化粧品
繰出し時上昇し、化粧品繰入れ時下降するとともに、内
面下部に周方向複数の係合突起13…を突設してなる筒状
の中皿３と、上記各係合突起13…内面を外周上端部に抜
け出し不能且つ強制摺動が可能に嵌合させて中皿３下部
に同体昇降可能に係合させるとともに、化粧品基部8a底
面を支持し、且つ、繰入れ時基筒部４底板に当接して中
皿３の基準繰入れ位置を決める脚筒１０とからなり、前
記案内孔６，６及び螺旋溝７，７を前記基準の繰入れ位
置より下方に延設し、中皿３を強制的に下方脚筒１０側
に繰入れ下降できるようにした構成のものである。

「作用」 上記において、基筒部４を介し主筒１を回転筒２に対し
例えば右回りに回転させると、中皿３は突子９，９が螺
旋溝７，７に係合しているので螺進する。

この場合、突子９，９は同時に中筒５の案内孔６，６に
係合しているので、結局この中皿３は主筒１と回転筒２
の相対回転動により脚筒10を伴なって上方に移動するこ
とになり、従って化粧品８は上端開口から上方外部に繰
出される。主筒１と回転筒２の相対回転動を逆方向とす
れば、上記と逆の動作で中皿３は脚筒10を伴なって下方
に下降し、化粧品８は内部に繰込まれる。この場合、脚
筒10が基筒４底板に当接し、中皿３は基準の繰入れ位置
となる。

ここで、化粧品８が第４図(a)のように中皿３に嵌入し
た基部部分8aを残して消耗した場合は、中皿３を強制的
に繰入れ操作し、同図(b)のように中皿３を脚筒10側に
下降させ、この下降により化粧品８の基部部分8aを脚筒
10上面に残して中皿３から上方に突出した状態とし、こ
の状態で改めて繰出し操作をすればよい。この場合、基
部部分8aの大部分が上部外方に繰出され、使用可能とな
る。

「実施例」 以下図面を参照して一実施例を説明するに、本考案の繰
出し容器は、相対回転動可能な主筒１と回転筒２、これ
ら両筒の回転動で昇降する化粧品８保持用の中皿３及
び、この中皿３と同体に昇降する脚筒10とからなり、こ
の中皿３を基準の繰入れ位置から更に強制的に下方に下
降できる構成とした点に特徴を有する。

主筒１は、底板付きの基筒４から外径がやや小径の中筒
５を直立し、この中筒５の両側に上下方向の細長な中皿
案内孔６，６を開孔している6a，6b，6cは、中皿３が案
内孔６，６の繰出し位置、基準繰入れ位置、強制繰入れ
位置にあるとき、その突子９，９を誘導して中皿３を当
該位置に安定化させるための横孔であり、案内孔６，６
は横孔6bから横孔6cまでの分通常のものより下方に延長
してある。尚、基筒４の上部肉薄部、中間肉厚部の外面
にはそれぞれ係合突条11,12を形成している。

回転筒２は、内周面に対称的な１対の螺旋溝７，７を形
成して前記中筒５外面に回動可能に嵌合してあり、下端
の弯曲端縁を前記係合突条11に係合させて上下方向に移
動しないように設けている。尚、螺旋溝７，７は前記案
内孔６，６に対応して通常のものより下方に延長してあ
る。

中皿３は筒状体のもので、外面両側から短かい丸軸状の
係合突子９，９を突出し、この突子９，９を前記案内孔
６，６を通し螺旋溝７，７に係合させて中筒５に昇降可
能に内嵌されている。この中皿３の下部内周面には周方
向とびとびに数個の係合突起13が突設してある。

脚筒10は、頂部の内面からは内向きフランジを、外面か
らは係合突条１４を突設し、この突条14を前記突起13群
に係合して中皿３から下方に垂下したようにこの中皿３
下部に内嵌装着されている。この装着は、中皿３を強制
的に下方にスライドできる程度のものである。尚、化粧
品８は底面が脚筒10上面に達するように基部8aを中皿３
に充填嵌入して保持されている。15は化粧品８を中皿３
に装着させるための縦溝である。

従って、中皿３は脚筒10を伴なって昇降し、脚筒10は第
１図の基準繰入れ位置では基筒部４の底板に当接し、こ
のとき係合突子９，９は横孔6b，6bに入り込み中皿３は
その位置で安定している。しかし、中皿３を更に強制的
に繰入れ操作すると、脚筒10は基筒部４底板に当接して
いるので下降しないが、中皿３はこの脚筒10をスライド
し下方の案内孔６，６、螺旋溝７，７の下限位置まで下
降して横孔6cで安定し、このとき化粧品８は脚筒10頂面
上に残るので、化粧品８の基部8aは第４図(b)のように
中皿３から抜け出し上方に突出した状態となる。従っ
て、この状態で中皿３を繰出し操作すれば、化粧品８は
基部8a部分まで使用することができることになる。

尚、16は基筒部４外面に固定されたカバー、17はこのカ
バー16外面の化粧筒、18はキャップである。

「考案の効果」 上記した如く本考案では、化粧品保持用の中皿３下部に
スライド可能に係合させて、この中皿３の基準繰入れ位
置で基筒４底板に当接して当該位置を設定する脚筒10を
下方に垂下させて設け、かつ中皿案内孔６，６及び螺旋
溝７，７を下方に延設して中皿３を基準繰入れ位置より
更に下方に強制的に下降できる構成としたので、中皿３
を強制下降操作することによりこの中皿３内に充填嵌入
されている化粧品８の基部部分8aをも中皿３から上方に
突出させて化粧に使用することができる有効利用形の棒
状化粧品繰出し容器を提供することができる。

また、脚筒10の上端外周部を中皿３内周の複数の係合突
起13…内面に強制摺動が可能に嵌合させたので、中皿と
脚筒との摺動当接面積を極力少なくでき、中皿の下方脚
筒側への強制的な繰入れ下降が容易に行える効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案棒状化粧品繰出し容器の一実施例の半部
縦断面図、第２図と第３図は同実施例の中皿と主筒の斜
視図、第４図(a)(b)は本考案の作用を説明するための各
半部縦断面図である。 １……主筒、２……回転筒 ３……中皿、８……化粧品 10……脚筒

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下部の底板付き基筒部４から中筒５を直立
   し、この中筒５両側に上下方向の細長な中皿案内孔６，
   ６を開孔した主筒１と、内周面に対称的に２条の螺旋溝
   ７，７を形成して前記中筒５外面に嵌合された回転筒２
   と、化粧品８の基部8aを嵌入保持して前記中筒５に内嵌
   され、両側の係合突子９，９を前記案内孔６，６を通し
   て螺旋溝７，７に係合し、化粧品繰出し時上昇し、化粧
   品繰入れ時下降するとともに、内面下部に周方向複数の
   係合突起13…を突設してなる筒状の中皿３と、上記各係
   合突起13…内面を外周上端部に抜け出し不能且つ強制摺
   動が可能に嵌合させて中皿３下部に同体昇降可能に係合
   させるとともに、化粧品基部8a底面を支持し、且つ、繰
   入れ時基筒部４底板に当接して中皿３の基準繰入れ位置
   を決める脚筒１０とからなり、前記案内孔６，６及び螺
   旋溝７，７を前記基準の繰入れ位置より下方に延設し、
   中皿３を強制的に下方脚筒１０側に繰入れ下降できるよ
   うにした棒状化粧品繰出し容器。