JP2527491Y2 - 棒状化粧品繰出し容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、口紅等の棒状化粧品を収納する棒状化粧品
繰出し容器に関する。

「従来の技術」 この種繰出し容器は公知であり、従来数多く提供され
ているが、その基本構成は１例として挙げた実開昭62-1
00122号公報の第１図から判るように、主体部となる主
筒の上半部を外径がやや小径の収納筒部とし、この収納
筒部外面に螺筒を嵌合し、一方収納筒部に化粧品を保持
する保持筒を昇降可能に嵌入し、この保持筒を両側の係
合ピンにより収納筒部両側に開けた上下方向の細長な割
溝を通して螺筒内周面の対称的な一対の螺旋溝に係合
し、主筒と螺筒とを相対的に逆方向に回転操作すること
により化粧品を外部に繰出し、また外部から容器内に繰
入れするもので、常時はキャップで閉蓋されている。

「考案が解決しようとする課題」 繰出し容器は上記説明から判るように、化粧品を使用
するときはキャップを外してのち主筒と螺筒とを相対的
に回転させて化粧品を容器から外方に繰出し、また化粧
が終了したあとは逆方向の相対回転動により化粧品を容
器内に繰入れしてのちキャップを装着するものであり、
操作は２段となり面倒である。

本考案は、キャップの着脱で自動的に化粧品を容器外
に使用可能状態に突き出させ、また化粧品を容器内に収
納し、操作をワンタッチ形とした便利な棒状化粧品繰出
し容器を得ようとするものである。

「課題を解決するための手段」 本考案の棒状化粧品繰出し容器は、底板６の周縁から
摘み筒部７を、その内側から支持周壁８を立設した基筒
１と、下部を前記支持周壁８に嵌合固定して上方に延
び、両側に上下方向に細長な割溝9,9を形成した化粧品
収納室としての主筒２と、内周面に対称的に一対の螺旋
溝10,10を形成して前記主筒２外面に回転可能に外嵌さ
れ、ばね11で常時上方に押上げられている回転筒３と、
化粧品12を保持して前記主筒２に昇降可能に内装され、
外面両側から突出した係合ピン13,13を前記割溝9,9を通
して前記螺旋溝10,10に係合した保持皿４と、上部内面
に係合用突部14を突設し、閉蓋装着時この突部14により
回転筒３と保持皿４の螺合体をばね11に抗し下方に押下
げて上方外部に突出している化粧品12を主筒２内に収納
させるキャップ５とで構成している。

「作用」 上記構成において、常時は第１図に示すようにキャッ
プ５は回転筒３外面部に閉蓋されて下部を基筒１の摘み
筒部７上部外面に係嵌固定されるが、この閉蓋の終了近
い時点で係合用突部14が回転筒３上端に係合してこの回
転筒３と保持皿４の螺合体をばね11に抗して下方に押下
げ、化粧品12を主筒２内に収納させている。

化粧品12を使用するときは、キャップ５を外す。する
と回転筒３と保持皿４の螺合体はキャップ５による拘束
を解かれ、ばね11により上方に押上げられるので、化粧
品12は第２図に示すようにその先端部が主筒２から外方
にとび出す。この状態で化粧品を使用する。

なお、化粧品12が使用により消耗したときは、従来の
ように繰出し操作すればよい。即ち、基筒１と回転筒３
とを所定方向に相対回転動し、保持皿４を上方に螺進さ
せればよい。逆方向に相対回転動すれば保持皿４は下方
に螺退するので、化粧品12の突出し量は所望に調整でき
る。

「実施例」 以下図面を参照して一実施例を説明するに、本考案の
棒状化粧品繰出し容器は、キャップ５の取外しで化粧品
12を自動的に容器から外部に使用可能状態に突き出さ
せ、キャップ５の装着で化粧品12を自動的に容器内に収
納させるようにし、操作をワンタッチ形に簡単化した点
に特徴を有し、基筒１、主筒２、回転筒３、化粧品保持
皿４及びキャップ５の主要部で構成している。

基筒１は、底板６の周縁からは摘み筒部７を、この摘
み筒部７の内側からは背の低い支持周壁８を立設した形
状であり、摘み筒部７の上部外面を切落して肉薄とし、
この肉薄部外周面にキャップ５を係嵌するための係合突
条15を突設し、また支持周壁８の上部外面に係合突条16
を、その下方の下部外面に多数の縦条17を形成してい
る。

主筒２は縦長な筒体であり、下部を前記支持周壁８に
外嵌してこの周壁８を上方に延長したように上方に延
び、化粧品12の収納室を形成している。この主筒２は基
筒１に一体的に取付けられるもので、このため下部内面
に前記係合突条16に係合する係合突条18を設け、その下
方内面に前記縦条17群に係合する縦溝19群を多数形成
し、そして中腹部両側に上下方向に細長く割溝9,9を切
欠き形成している。

回転筒３は上半部内面に対称的に一対の螺旋溝10,10
を形成して前記主筒２に回転可能に外嵌され、下部を基
筒１の摘み筒部７と主筒２下部間の空隙部に挿入し、こ
の空隙部に介挿したコイル状のばね11により、上端の切
欠き段部20が主筒２上端外面の係止用突条21に係止する
上限位置まで常時押上げられている。

化粧品保持皿４は、やや深い皿状のもので、化粧品12
を充填保持しており、また外面両側から係合ピン13,13
を突出し、これら係合ピン13,13を前記割溝9,9を通して
前記一対の螺旋溝10,10に係合させて主筒２に上下動可
能に内装されている。即ち、この保持皿４は主筒２に対
して回動はしないが上下動可能であり、一方回転筒３に
対しては螺動する。この保持皿４は、キャップ５を装着
しない場合は第２図のように回転筒３と一緒にばね11に
より押上げられており、この押上げられた状態で化粧品
12の上端部が主筒２外部に突き出ている。

キャップ５は、下部内面の肉を切落してやや拡径し、
この下部内面に前記係合突条15に係合する係合突条22を
設け、この下部を基筒１の摘み筒部７上部に係嵌固定で
きるようにしてある。また上部内面の四方にリブ状に係
合用突部14を設け、回転筒３外面に閉蓋装着したとき、
閉蓋の終了に近い時点でこの係合用突部14により回転筒
３をその上端を介しばね11に抗し押下げできるようにし
てあり、この押下げで化粧品12は主筒２内に収納され
る。

この実施例にて、第１図の常時において、装着したキ
ャップ５は基筒１の摘み筒部７に係嵌固定されるが、こ
の装着で係合用突部14が回転筒３と保持皿４の螺合体を
下方に押下げるので、化粧品12は主筒２内に収納されて
おり、ここで化粧品12使用のためキャップ５を外すと、
回転筒３と保持皿４の螺合体はばね11により上方に押上
げられ、これにより化粧品12は第２図のように使用可能
状態に主筒２外部にとび出す。即ち、化粧品12は使用、
収納いずれもワンタッチ操作である。なお、基筒１と回
転筒３とを正逆方向に相対回転動すれば、従来同様に化
粧品12を繰出し、繰入れできるので、簡単に化粧品12の
突き出し量が調整でき、消耗に対応できる。

「考案の効果」 以上説明したように本考案の棒状化粧品繰出し容器で
は、回転筒３と保持皿４の螺合体をばね11で上方に押上
げ付勢させ、常時はこの螺合体をキャップ５装着でばね
11に抗し押下げて化粧品12を主筒２内に収納させてお
き、化粧品12使用のためキャップ５を外したとき、前記
螺合体を介し化粧品12を主筒２外部に飛び出させるよう
にしたので、キャップ５着脱のワンタッチ操作で化粧品
12を使用可能状態に突き出し、また容器内に収納できて
便利であり、しかも従来同様繰出し、繰入れ操作ができ
るので化粧品12の突き出し量が自在に調整でき、消耗に
対応できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案棒状化粧品繰出し容器の一実施例の半部
縦断面図、第２図は同実施例のキャップを外して示した
半部縦断面図である。 １……基筒、２……主筒 ３……回転筒、４……保持皿 ５……キャップ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】底板６の周縁から摘み筒部７を、その内側
   から支持周壁８を立設した基筒１と、下部を前記支持周
   壁８に嵌合固定して上方に延び、両側に上下方向に細長
   な割溝9,9を形成した化粧品収納室としての主筒２と、
   内周面に対称的に一対の螺旋溝10,10を形成して前記主
   筒２外面に回転可能に外嵌され、ばね11で常時上方に押
   上げられている回転筒３と、化粧品12を保持して前記主
   筒２に昇降可能に内装され、外面両側から突出した係合
   ピン13,13を前記割溝9,9を通して前記螺旋溝10,10に係
   合した保持皿４と、上部内面に係合用突部14を突設し、
   閉蓋装着時この突部14により回転筒３と保持皿４の螺合
   体をばね11に抗し下方に押下げて上方外部に突出してい
   る化粧品12を主筒２内に収納させるキャップ５とからな
   る棒状化粧品繰出し容器。