JPS6241702Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ツプステイツク（棒状口紅）等の棒
状化粧料を収納するための繰出容器に関するもの
である。

従来、棒状化粧料を回転操作によつて繰り出す
ようにした繰出容器として、例えば周壁に軸線方
向に沿つて長孔が形成された内筒と、この内筒の
外側に回転自在に挿入され内周にらせん溝が形成
された外筒と、前記内筒の長孔を介して外筒のら
せん溝に嵌合する突起が設けられた中皿とからな
るものが知られている。そして、これは内筒ある
いは外筒のいずれか一方を回転させることによつ
て中皿を内筒の長孔に沿つて昇降動させ、中皿に
支持した棒状化粧料を容器の先端部から繰り出す
ようにしたものである。

ところで、従来のこのような繰出容器では、一
旦棒状化粧料を容器内に収納してしまうと、これ
を保持する中皿が内筒の長孔を介してらせん溝に
嵌合するために、棒状化粧料を容器から取り出し
てこれを他の棒状化粧料と交換するということが
できなかつた。このため、新しい化粧料と交換し
て同じ容器をそのまま使用するということができ
ず、一旦使つてしまつたものは使い捨てにならざ
るを得ず、また口紅などもその種類に応じてそれ
ぞれ別個に専用の繰出容器が必要で、それだけ化
粧品のコストも高くつくという問題があつた。

本考案は、前述事情に鑑み提案されたもので、
その目的とするところは、棒状化粧料を容易に交
換し得て、同一容器によつて何種類もの棒状化粧
料を使用できる繰出容器を提供することにある。

かかる目的を達成するため、本考案は、棒状化
粧料を中皿に着脱可能なホルダによつて保持し、
前記中皿の上端を容器の上端よりも突出し得る構
成としたことを特徴とする。

以下、本考案の一実施例を第１図ないし第５図
を参照して説明すれば、この繰出容器は、周壁１
に軸線方向に沿つて長孔２が形成された底板３付
きの内筒４と、この内筒４の外側に回転自在に挿
入され内周にらせん溝５が形成された案内筒６
と、この案内筒６のらせん溝５に内筒４の長孔２
を介して係合する突起７を外周壁８ａに設けた中
皿８とからなり、前記内筒４または案内筒６のい
ずれか一方を回転させることにより、中皿８を昇
降動させる基本構成となつている。

そして、これら内筒４、案内筒６および中皿８
を詳細に説明すれば、まず内筒４は、その周壁１
の下部に該周壁１よりも大径の大径部（把持部）
９が一体に設けられ、かつ周壁１の互いに対向す
る位置に前記長孔２が内筒４の上端近くから大径
部９の上端に至るまで形成されている。また周壁
１の上部には該周壁１の周方向に沿つて水平に延
びる水平溝１０，１０が前記長孔２の上端に連通
してそれぞれ左右対称に設けられるとともに、こ
の水平溝１０，１０の先端から斜め上方に向かつ
て延びるガイド溝１２，１２が設けられている。

さらに、前記水平溝１０，１０の先端には該水
平溝１０の幅ｔを中皿８の突起７の外径ｄ以下に
するための突部１１が設けられている。なお、長
孔２の下端には上方に曲がつた傾斜みぞ２ａが形
成され、また内筒４の上端外周には周壁１よりも
外方へ突出した周突条１３が設けられる。

次いで、案内筒６について説明すれば、この案
内筒６は、その上端内周に設けられた係合溝１４
を前記内筒４の周突条１３に嵌め入れて内筒４の
周壁１の外側に周方向に回転自在に挿入されたも
のである。

また、前記中皿８は、外周壁８ａの上端が外方
へゆくにしたがつて外広がりになつたいわゆるラ
ツパ状に形成され、かつ上端が４つ割にされて４
枚の弾性を有する係止片１５、……、…が設けら
れている。この各係止片１５の内側には突条１６
が設けられ、後述のホルダを係止するようになつ
ている（第３図参照）。

一方、この考案では、前記中皿８に棒状化粧料
１７を保持するホルダ１８が着脱自在に設けられ
ている。このホルダ１８は、中筒状の外周壁１８
ａに前記突条１６に嵌合する溝１９が設けられ、
この溝１９の上側にローレツト２０が形成されて
いる。

なお、図中符号２１はカプセルで、このカプセ
ル２１は、棒状化粧料を成形するためのいわゆる
金型として作用するものである。そして、このカ
プセル２１には、前記ホルダ１８が第５図に示す
ように嵌合され、このホルダ１８付きのカプセル
２１内に化粧液が充填される。

ここで、このように構成された繰出容器の使用
方法並びに作用について説明すれば、まず通常使
用する場合には、案内筒６あるいは内筒４の大径
部９を従来の繰出容器と同時にもつてこれらのう
ちの一方を回転させる。この操作によつて中皿８
の突起７が案内筒６のらせん溝５によつて押し上
げ、押し下げられ、かつ長孔２を伝つて上下に移
動させられ、化粧料１７が容器の先端から繰り出
される。なお、中皿８は、長孔２を伝つて内筒４
の上部にきたときに中皿８の突起７が水平溝１０
内に挿入されて水平溝１０の先端の突部１１によ
り係止されてその摺動が停止される。

次いで、棒状化粧料１７を装着する場合につい
て、第４図イ，ロ，ハ，ニを参照して説明すれ
ば、第４図イに示す状態すなわち中皿８の突起７
が水平溝１０の突部１１に係止された状態から、
内筒４または案内筒６を強く回転させる。この操
作によつて中皿８の突起７は、水平溝１０の突部
１１を乗り越えてガイド溝１２内に係止され、こ
のガイド溝１２を伝つて中皿８がさらに上昇させ
られ、第４図ロに示すように、中皿８の上端の係
止片１５が容器の先端から突出する。このとき、
係止片１５は、中皿８の外側にゆくにしたがつて
外広がりに形成されているので、先端から突出す
ると同時に外方に開く。そして、この中皿８に向
けて化粧料１７が充填されたホルダ１８付きカプ
セル２１を第４図ハに示すように挿入し、前述と
反対に内筒４または案内筒６を回転させれば、中
皿８が下降するとともに係止片１５が内筒４によ
つてつぼめられホルダ１８の溝１９と係止片１５
の突条１６とが嵌合し、一体に連結される。さら
に中皿８を下降させると、カプセル２１の下端
が、第４図ニに示すように案内筒６の上端に当た
りカプセル２１が自然に離脱されて通常使用状態
となる。

なお、カプセル２１とホルダ１８とは、ローレ
ツト２０を介して嵌合されているので、圧入嵌合
が容易であり、またカプセル２１と離脱する際に
ローレツト２０の間の溝からエアーがカプセル２
１内に入り化粧料１７との離脱が一層容易なもの
となる。

しかして、前述した装着操作を繰り返すことに
より、棒状化粧料１７を小さい力で容器内に嵌合
することができ、化粧料１７をいためる事なく交
換することができる。したがつて、新しい化粧料
や種類の違う化粧料を取りそろえておけば同一の
容器によつてこれらを使用することができ、それ
ぞれ専用の容器を必要としないので、製品のコス
トも安価にし得る。

さらには、カプセル２１を金型として使用し得
るので、従来のような金型を使用することなく安
価に量産することができる。しかも中皿８の係止
片１５……が内筒４の内周面を押圧するので、携
帯時に中皿８がガタつくことがなく、化粧料１７
が内筒４に触れて傷つくことを防止する。

第６図は、本考案の他の例を示すもので、ガイ
ド溝１２を水平溝１０の先端から真直ぐ上方に延
出したものである。このようなガイド溝１２の構
成としても前述した実施例と同様の作用効果を奏
することができる。

以上説明したように、本考案は中皿に棒状化粧
料を保持するホルダを着脱自在に設けたので、棒
状化粧料の交換を可能にし得て、製品コストを安
価にすることができ、また交換作業も容易で化粧
料を傷めることがない等の種々の優れた効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は、本考案の一実施例を示
すもので、第１図は分解斜視図、第２図は内筒上
部の側面図、第３図イ，ロは中皿を説明するため
に示した斜視図、第４図イ，ロ，ハ，ニは作用を
説明するために示した縦断面図、第５図は第４図
ロＶ円部の拡大断面図、第６図は本考案の他の例
を示す第２図様の側面図である。 １……周壁、２……長孔、４……内筒、５……
らせん溝、６……案内筒、７……突起、８ａ……
外周壁、８……中皿、１０……水平溝、１１……
突部、１２……ガイド溝、１３……周突条、１４
……係合溝、１５……係止片、１６……突条、１
７……棒状化粧料、１８……ホルダ、１８ａ……
外周壁、２０……ローレツト、２１……カプセ
ル、ｔ……幅、ｄ……突起の外径。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周壁に軸線方向に沿つて長孔が形成された内筒
   と、この内筒の外側に回転自在に挿入され内周に
   らせん溝が形成された案内筒と、前記内筒内に昇
   降自在に挿入されるとともに外周壁に内筒の長孔
   を介して案内筒のらせん溝に係合する突起が形成
   された中皿とを有する繰出容器において、前記周
   壁の上部に該周壁の周方向に沿つて水平に延びる
   水平溝を長孔の上端に連通させて設けるととも
   に、この水平溝の先端から上方へ延びるガイド溝
   を設け、かつ前記水平溝の先端に該水平溝の幅を
   中皿の突起の外径以下にするための突部を設け、
   さらに中皿に棒状化粧料を保持するホルダを着脱
   自在に設けたことを特徴とする繰出容器。