JPS6310099Y2

JPS6310099Y2 -

Info

Publication number: JPS6310099Y2
Application number: JP16525583U
Authority: JP
Priority date: 1983-10-25
Filing date: 1983-10-25
Publication date: 1988-03-25
Also published as: JPS6073418U

Description

【考案の詳細な説明】本考案はリツプステイツク（棒状口紅）等の棒
状化粧料を収納するための繰出容器に関するもの
である。

従来、棒状化粧料を回転操作によつて繰り出す
ようにした繰出容器としては、たとえば実願昭38
−83911（実公昭40−24428号公報）などに開示さ
れているように、化粧料を収容した中皿を、回転
台座内に収容した中継子と昇降子との２つの部材
を介して昇降動させ、化粧料を繰り出すようにし
たものが知られているが、従来のこの種の繰出容
器にあつては容器内の棒状化粧料を交換する工夫
がなされていなかつた。このため、繰出容器から
棒状化粧料を取り出すことができず、化粧料を使
い尽くしたら容器ごと使い捨てなければならず、
比較的高価な容器を繰り返し使用することができ
なかつた。また口紅なども、その種類に応じてそ
れぞれ別個に専用の口紅容器が必要であり、たと
えば洋服もしくは和服または洋服、和服の色など
に合わせて、使用する口紅の色を変える場合、口
紅の色が10種類あるとそれぞれの口紅を入れた容
器が10個も必要であるという不満があつた。

本考案は、このような背景に基づいて提案され
たものでその目的とするところは、棒状化粧料を
容易に交換し得て、同一容器によつて何種類もの
棒状化粧料を使用できる繰出容器を提供しようと
するものである。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて説
明する。

第１図ないし第４図は本考案の一実施例を示す
もので、この繰出容器は、ガイド筒１内に昇降自
在に収容されかつ棒状化粧料Ａを保持する中皿２
を、この中皿２の底板部２ａに連結された昇降子
３と、この昇降子３の外周に螺合された筒状中継
子４とを介して、該中継子４の外周に螺合された
有底筒状の回転台座５を回転させることにより、
昇降動させる基本構成となつている。

そして、前記ガイド筒１は、前記回転台座５の
上部外周に凹凸嵌合によつて取り付けられた外筒
６の内側に回転自在に嵌め込まれ、かつ、外筒６
の上縁にせり出た抜け止め縁６ａによつて上方へ
の抜け止めがなされている。またガイド筒１の周
壁１ａの相対向する位置には軸線方向に沿つて延
びる長孔７，７がそれぞれ形成されている。

さらに、ガイド筒１の周壁１ａの上部には、ガ
イド筒１の周方向に沿つて水平に延びる２つの水
平溝８，８が、前記長孔７，７の上端に連通して
それぞれ形成されるとともに、水平溝８，８の先
端には、該水平溝８，８に連通し、かつ鉛直上方
に向かつて延びるガイド溝９，９がそれぞれ形成
されている（第４図参照）。また、前記水平溝８
には、前記中皿２の外周壁２ｂの相対向する位置
に形成され、長孔７に係合する突起１０、を水平
溝８内で係止するための凸部１１が設けられてい
る。なお、前記長孔７の下端には上方へ傾斜した
傾斜みぞ７ａが形成されている。

これら水平溝８、ガイド溝９、凸部１１につい
て、第４図を参照して説明を補足しておくと、水
平溝８は、その幅₁が前記中皿２の突起１０の
外径Ｄよりも大きい長さに形成されており、また
前記凸部１１が設けられた水平溝８の幅₂は、
中皿２の突起１０の外径Ｄと少なくとも等しい長
さか若しくはそれ以上の大きさとされている。

前記ガイド溝９は、その幅W₁が前記長孔７の
幅W₂とほぼ等しい長さに形成され、またその上
端９ａは半円形状に形成されている。

また前記凸部１１は、一実施例では水平溝８の
先端の上側周縁８ａに、下側に向かつて突出形成
され、この凸部１１の長孔７側は、長孔７に向か
つて傾斜した傾斜面１１ａとされている。なお、
この第４図において、実線イは、中皿２が上昇す
る際の突起１０の中心の描く軌跡を、また一点鎖
線ロは、中皿２が下降する際の突起１０の中心の
描く軌跡を示すものである。

次いで、第１図ないし第３図に戻つて、この繰
出容器の詳細について説明する。

中皿２は、前述したように、その外周壁２ｂの
相対向する位置に長孔７，７に係合する突起１
０，１０が形成されており、また、この中皿２に
は、その上端より発しかつ軸線方向に延びるスリ
ツトが形成され、該スリツトによつて中皿２の上
端が軸線方向に沿つて４つ割りにされて４枚の弾
性を有する係止片１２とされている。これら各係
止片１２の内側には、棒状化粧料Ａを保持する後
述のホルダを係止する突条１３が突設されてい
る。なお、前記係止片１２は、中皿２の底板部２
ａから４つ割りにして形成する構成としても良
い。

また、前記昇降子３は、中皿２の底板部２ａに
一体に垂設されており、この昇降子３の外周下部
の相対向する位置には、おねじの一部を形成する
形状をなした連結突起１４，１４がそれぞれ形成
されている。

中継子４は、その内周面に、前記昇降子３の連
結突起１４，１４に螺合するめねじ１５が形成さ
れ、かつ上縁に連結突起１４，１４が抜け出ない
ように回転制御縁４ａが形成されている。また、
中継子４の外周下部の相対向する位置には、前記
昇降子３と同様におねじの一部を形成する形状を
なした連結突起１６，１６がそれぞれ形成されて
いる。

さて、前記回転台座５の外側には、有底筒状の
化粧筒１７が一体に嵌め込まれ、この回転台座５
は、抜け止め用筒部１８によつて上方への抜け止
めがなされ、化粧筒１７内に収容される。またこ
の回転台座５の内周面には前記中継子４の連結突
起１６，１６に螺合するめねじ１９が形成され、
かつ上縁にこの連結突起１６，１６の抜け止め用
制御縁５ａが形成されている。

また、図中符号２０で示すものは、棒状化粧料
Ａを保持するホルダで、このホルダ２０は、全体
が化粧料Ａの外周を保持するようにして筒状に形
成されている。ホルダ２０の外周壁には、前記中
皿２の係止片１２の突条１３に嵌合する溝２１が
設けられ、この溝２１の上側外周にローレツト２
２が形成されている。また、符号２３はカプセル
で、このカプセル２３は、棒状化粧料Ａを成型す
るためのいわゆる金型として作用するものであ
る。そして、このカプセル２３には、前記ホルダ
２０が第３図に示すように嵌合され、このホルダ
２０付きのカプセル２３内に化粧料の原液が充填
される。

次に、以上のように構成された繰出容器の使用
方法並びに作用について説明する。

まず、通常使用する場合には、外筒６を押さ
え、回転台座５を回せば、中継子４が回転台座５
のめねじ１９に案内されて上昇しつつ昇降子３を
押し上げる。この中継子４は上昇しきると回転台
座５と一体になつて回転し、さらに昇降子４を押
し上げる。そして、中皿２の突起１０がガイド筒
１の長孔７に案内されて水平溝８内に挿入される
と、該突起１０は水平溝８先端の突部１１の傾斜
部１１ａに係止され、昇降子３の回転が止まり、
通常使用状態となる。

次いで、棒状化粧料Ａを装着する場合につい
て、第３図を参照して説明する。

中皿２の突起１０が、水平溝８の凸部１１に係
止された状態においては、中皿２の上端が外筒６
の上端に位置している。いまこの状態から回転台
座５を強く回転させると、突起１０は凸部１１を
垂り越えてガイド溝９内に挿入され、このガイド
溝９を伝つて中皿２がさらに上昇させられ、第３
図に示すように、係止片１２が容器の先端から突
出する。

一方、棒状化粧料Ａは、ホルダ２０付きのカプ
セル２３内に原液が充填されて成形されており、
この化粧料Ａを中皿２に取り付けるには、前記カ
プセル２３を第３図矢印に示すように中皿２に挿
入し、前述した操作とは反対に回転台座５を回し
て中皿２を下降させれば良い。すなわち、ホルダ
２０付きのカプセル２３を中皿２に挿入して中皿
２を下降させると、ホルダ２０の溝２１と各係止
片１２の突条１３が嵌合し、中皿２の外周壁２ｂ
がガイド筒１の内周壁の径に規制され、化粧料Ａ
が中皿２に離脱不能に連結されるのである。

さらに、中皿２を下降させると、突起１０は水
平溝８に案内されて長孔７内に挿入される。この
とき、凸部１１が形成された水平溝８の幅₂は
中皿２の突起１０の外径Ｄよりも大きいので、こ
の凸部１１を乗り越えることなく長孔２内に案内
され、抵抗なく化粧料Ａを容器に収納することが
できる。なお、中皿２の下降に伴なつてカプセル
２３の下端が第２図に示すように容器の口縁（一
実施例では外筒６の上縁）に当たり、カプセル２
３が自然に離脱されて通常使用状態となる。

つまり、本考案の繰出容器では、中皿２を上昇
させる、ときには、中皿２の突起１０が凸部１１
に係止されて強い力を与えない限り、ガイド溝９
内には案内されず通常使用状態となり、逆に前記
突起１０をガイド溝９内に挿入してホルダ２０を
装着後、中皿２を下降させるときには、突起１０
が凸部１１に係止されることなく長孔７内に案内
されて化粧料Ａをスムースに中皿２に取り付ける
ことができるのである。

なお、カプセル２３とホルダ２０とは、ローレ
ツト２２を介して嵌合されているので、これらの
圧入嵌合が容易であり、またカプセル２３を離脱
する際にはローレツト２２の間の溝からエアーガ
カプセル２３内に入り化粧料Ａとの離脱が一層容
易なものとなる。

しかして、前述した装着操作を繰り返すことに
より、棒状化粧料Ａを小さい力で容器内に装着す
ることができ、化粧料Ａをいためる事なく交換す
ることができる。したがつて、新しい化粧料や種
類の違う化粧料を取りそろえておけば、同一の容
器によつてこれらを交換使用することができ、そ
れぞれ専用の繰出容器を必要としないので製品の
コストも安価にし得る。さらに、カプセル２３を
金型として使用することができるので、従来のよ
うな専用の金型を用いる必要がなく安価に量産す
ることができる。また、通常使用時には中皿２の
係止片１２……がガイド筒１の内周面を押圧する
ので、携帯時などに中皿２がガタつくことがな
く、化粧料Ａがガイド筒１に触れて傷つくことを
防止する。

第５図は、本考案の他の例を示すもので、長孔
７の上端に連通する水平溝３０の下側周縁に中皿
２の突起１０を係止する凸部３１を設け、さらに
水平溝３０の先端から斜め上方へ延びるガイド溝
３２を形成したもので、このような構成の実施例
においても前述の実施例と同様の作用効果を得る
ことができる。

以上説明したように、本考案の繰出容器によれ
ば、棒状化粧料の交換を容易に行なうことができ
るので、化粧料を使い尽したときに別の新しい化
粧料をつめ換えて容器を繰り返し使用することが
でき、したがつて、１個の繰出容器を、たとえば
金、銀などの高価な材質で造つたりしても、これ
を使い拾てにすることなく使用できる。

また、各種類の色の口紅をホルダにつけて収容
したものを用意しておけば、好みの口紅の色を選
んで１個の繰出容器に入れたり、入れ換えたりし
て使用することにより最も適した口紅の色を１個
の繰出容器に収容して使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は、本考案の一実施例を示
すもので、第１図は分解斜視図、第２図および第
３図は中央縦断面図、第４図は水平溝およびガイ
ド溝の正面図、第５図は本考案の他の例を示す第
４図同様の正面図である。１……ガイド筒、１ａ……周壁、２……中皿、
２ａ……底板部、２ｂ……外周壁、３……昇降
子、４……中継子、５……回転台座、６……外
筒、７……長孔、８……水平溝、９……ガイド
溝、９ａ……上端、１０……突起、１１……凸
部、１１ａ……傾斜面、２０……ホルダ、２１…
…溝、２２……カプセル、₁……水平溝の幅、
₂……水平溝の幅、Ｄ……突起の外径、W₁……
ガイド溝の幅、W₂……長孔の幅。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

軸線方向に沿つて長孔７が形成されたガイド筒
１内に昇降自在に収容された中皿２と、この中皿
２に着脱自在に取り付けられ棒状化粧料Ａを保持
するホルダ２０と、前記中皿２の外周壁２ｂに形
成され前記長孔７に係合する突起１０と、前記中
皿２の底板部２ａに連結された昇降子３と、この
昇降子３の外周に螺合された中継子４と、この中
継子４の外周に螺合された回転台座５とを有し、
該回転台座５を回転することにより前記昇降子
３、中継子４を昇降させる繰出容器において、前
記ガイド筒１の上部には、ガイド筒１の周方向に
沿つて延びる水平溝８，３０が前記長孔７に連通
して形成され、該水平溝８，３０の先端には、水
平溝８，３０に連通しかつ上方へ向かつて延びる
ガイド溝９，３２が形成され、さらに水平溝８，
３０には前記中皿２の突起１０を係止するための
凸部１１，３１が設けられており、しかも、前記
中皿２には、その上端より発しかつ軸線方向に延
びるスリツトが形成されるとともに、中皿２の内
面には前記ホルダ２０を係止する突条１３が突設
され、かつ、前記ホルダ２０の外周壁には前記突
条１３に嵌合する溝２１が形成されていることを
特徴とする繰出容器。