JPH038192Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、棒状化粧料繰り出し容器に改良に関
するものである。

〔従来の技術〕

従来より、口紅等の棒状化粧料を収容する容器
は、繰り出し機構により昇降する中皿に棒状化粧
料を収嵌されたものが多く利用されていた。しか
し、この棒状化粧料容器に不良の棒状化粧料を収
嵌してしまつた場合には、その容器自体も不良に
なつてしまい、大変不経済であつた。そこで、繰
り出し機構により昇降する昇降筒と、棒状化粧料
を収嵌する収嵌筒とに分割し、棒状化粧料が不良
であつた場合、収嵌筒のみ交換するという二重中
皿式の棒状化粧料容器が数多く提案されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、昇降筒と収嵌筒の係合は凹部と凸部の
係合であり、この係合を解除する為に抜脱すると
昇降筒や繰り出し機構に無理な力が加わつてしま
い、昇降筒や繰り出し機構が破損あるいは変形し
てしまい、容器自体が不良品となつてしまう危険
性があつた。

また、昇降筒と容器体の間には、上下昇動可能
な様に間隙を有している為、繰り出し機構に係合
する螺合片を中心としたガタツキを有していた。
従つて、携帯中の振動などで容器内の棒状化粧料
が振れて、先端が容器内壁に当つてしまい、棒状
化粧料を傷めてしまう事があつた。

〔課題を解決する為の手段〕

棒状化粧料１を収嵌保持する収嵌筒２は、外側
壁に凹状溝３を周設する。この収嵌筒２が挿入さ
れる昇降筒７は、外側壁下方に螺合突片１１を突
設する。更に上端には屈曲可能な握持爪１０を設
ける。この握持爪１０の内壁には前記凹状溝３と
係合する係合ビード８を突設する。この昇降筒７
を上下摺動自在に内装するスリーブ１２は側壁に
前記螺合突片１１が貫通するガイド溝１３を縦状
に突設する。また、上端内側壁には内径が拡大し
た拡開部１５を設ける。このスリーブ１２の後端
に止着される尾栓１６は、側壁方向に突出した鍔
部１７を周設する。螺旋筒２０の内側壁には、前
記スリーブ１２のガイド溝１３を貫通した昇降筒
７の螺合突片１１が螺合する螺旋溝２１を螺設す
る。この螺旋筒２０が挿入止着される回動操作筒
２２は、螺旋筒２０下端と回動操作筒２２底面と
の間に前記尾栓１６の鍔部１７を挟持して、前記
スリーブ１２を回動自在にしかし抜脱不能に保持
する。この回動操作筒２２に止着される中筒２５
は、蓋体を抜脱自在に挿嵌する挿嵌部２４を有し
ている。本考案は、以上構成である。

また、尾栓１６の底面に前記回動操作筒２２底
面に摺接する回動抵抗体１９を垂下させても良
い。

〔作用〕

通常の使用状態では、スリーブ１２を保持して
回動操作筒２２を回動させると、スリーブ１２に
穿設されたガイド溝１３と、回動操作筒２２に止
着された螺旋筒２０とによつて、螺合作用で棒状
化粧料１が繰り出されるものである。

棒状化粧料１を装着する場合には、昇降筒７を
上死点の位置まで繰り上げる。その結果、昇降筒
７上端に握持爪１０は、スリーブ１２内壁の拡開
部１５に位置する為、棒状化粧料１を収嵌した収
嵌筒２を昇降筒７に挿入すると、握持爪１０が外
方向に屈曲し、握持爪１０の係合ビード８が収嵌
筒２の凹状溝３に突入係合して装着されるもので
ある。

また、不良の棒状化粧料１を装着してしまつた
場合も同様に棒状化粧料１を上死点まで繰り上げ
ある程度以上の力で収嵌筒２を引くと、握持爪１
０が外方向に屈曲して係合ビード８と凹状溝３の
係合が解除され、棒状化粧料１を収嵌した収嵌筒
２が容器易に抜脱できるものである。

また、尾栓１６の底面に回動操作筒２２底面に
摺接する回動抵抗体１９を垂下させた場合には、
繰り上げ下げの操作時に、摺動抵抗が生じ、好ま
しい回動操作感を得る事ができる。

〔実施例〕

棒状化粧料１を収嵌する収嵌筒２は、側壁上方
に凹状溝３が周設されている。この凹状溝３の下
方は突入部４となり、上方に当接部５を有してお
り、突入部４の方が凹状溝３の上方より少径とな
つている。

前記収嵌筒２の突入部４が突入する突入孔６を
穿設した昇降筒７は、突入孔６内壁上端に前記収
嵌筒２の凹状溝３と係合する係合ビード８が周状
に突設、更に複数ケ所に縦状の切り欠き９が施こ
され、昇降筒７上端に握持爪１０を構成してい
る。この握持爪１０は、外方向に拡開した状態に
なつており、収嵌筒２の突入部４が容易に挿脱で
きる様になつている。また、昇降筒７の外壁下端
には、螺合突片１１が突出している。

この昇降筒７を内装するスリーブ１２は、下端
より縦状にガイド溝１３が刻設され、このガイド
溝１３には、螺合突片１１が貫通している。この
スリーブ１２先端には、棒状化粧料１が出没する
出没孔１４が開口している。また、スリーブ１２
の内径は、前記昇降筒７が昇降可能でしかも昇降
筒７上端の握持爪１０が摺接して窄まり、収嵌筒
２を握持するのに充分な内径となつている。更に
上端内壁は、握持爪１０が拡開するのに充分な内
径を有した拡開部１５になつている。スリーブ１
２の下端には、尾栓１６が止着されている。この
尾栓１６下端には、側方に突出した鍔部１７を有
しており、底面には凹所１８が刻設されといる。
凹所１８底面には、中心より放射状に外方向に突
出した回動抵抗体１９を立設しておくと良い。こ
の回動抵抗体１９は、尾栓１６の底面よりも突出
したものを圧縮弾発させた構成である。

このスリーブ１２の下方が回動自在に挿入され
る螺旋筒２０は、スリーブ１２のガイド溝１３を
貫通した昇降筒７の螺合突片１１が螺合する螺旋
溝２１が螺設されている。この螺旋筒２０の下端
は、尾栓１６の鍔部１７に当接している。

回動操作筒２２には、スリーブ１２及び螺旋筒
２０が挿入され、螺旋筒２０を内壁に挿入止着し
ている。スリーブ１２の尾栓１６の鍔部１７は、
螺旋筒２０下端と、回動操作筒２２底面との間に
挾持され、スリーブ１２を回動自在にしかし抜脱
不能に保持している。尚、尾栓１６の凹所１８よ
り立設した回動抵抗体１９は、回動操作筒２２底
面に弾性を有して摺接している。更にこの回動操
作筒２２には、蓋体２３を抜脱自在に挿嵌する挿
嵌部２４を有した中筒２５を止着している。この
中筒２５上端つまり挿嵌部２４は、螺旋筒２０上
部をも被つている。

〔考案の効果〕

本考案は以上の様に、スリーブ１２上端に内径
を拡大された拡開部１５を設ける事によつて、棒
状化粧料１を収嵌した収嵌筒２を抜脱する時、収
嵌筒２を握持した握持爪１０がスリーブ内の拡開
部１５に位置する為、握持爪１０が外方向に屈曲
して収嵌筒２の凹状溝３と握持爪１０の係合ビー
ド８との係合が解除され、容易に抜脱できるもの
である。従がつて、螺旋筒２０、スリーブ１２等
各構成部品に無理な応力を働かせずに繰り出し機
構に支障を支える事なく棒状化粧料１の不良品を
容易に交換可能としたものである。

尚、棒状化粧料１を上死点まで繰り上げて使用
する場合もあるが、使用時に棒状化粧料１を抜脱
する方向の応力は加わらない為、使用時に棒状化
粧料１及び収嵌筒２が抜け落ちてしまう様な事は
ない。しかしながら第５図に示す様昇降筒７と収
嵌筒２の係合を握持爪１０の係合ビート８の凹状
溝３への係合のみでなく、昇降筒７内壁及び収嵌
筒２外壁の下方に係合リブ２６及び係合凹溝２７
を設けて棒状化粧料１を上死点まで繰り上げた時
にも若干もの係合力で保持する様にすれば、収嵌
筒２及び昇降筒７の降下時には上下２ケ所の係合
で確実に収嵌筒２を保持し、収嵌筒２及び昇降筒
７が上昇し、握持爪１０が拡開した時には抜脱す
るよう応力を働かせれば収嵌筒２を抜脱し易い係
合のみとなる構成を提供できるものである。

また本考案実施例の様に、昇降筒７の握持爪１
０をスリーブ１２の内側壁に摺接させ、スリーブ
１２後端の尾栓１６より回動操作筒２２底面に摺
接する回動抵抗体１９を設けておけば、各々の摺
接圧を変える事によつて良好な繰り上げ下げの回
動操作感に調整できるものである。

更に、螺合突片１１を昇降筒７の下方に突設さ
せている為、昇降筒７のガタツキが少ないそのと
なり、加えて本考案実施例では握持爪１０がスリ
ーブ１２内壁に摺接している為、昇降筒７のガタ
ツキによる棒状化粧料１の損傷を防止できるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案実施例の棒状化粧料抜脱時の
側断面図。第２図は、棒状化粧料収納時の側断面
図。第３図は、昇降筒上死点時の部分拡大断面
図。第４図は、尾栓の斜視図。第５図は、その他
の実施例の部分断面図。 １……棒状化粧料、２……収嵌筒、３……凹状
溝、４……突入部、５……当接部、６……突入
孔、７……昇降筒、８……係合ビード、９……切
り欠き、１０……握持爪、１１……螺合突片、１
２……スリーブ、１３……ガイド溝、１４……出
没孔、１５……拡開部、１６……尾栓、１７……
鍔部、１８……凹所、１９……回動抵抗体、２０
……螺旋筒、２１……螺旋溝、２２…回動操作
筒、２３……蓋体、２４……挿嵌部、２５……中
筒、２６……係合リブ、２７……係合凹溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 〔１〕 棒状化粧料１を収嵌保持し、外側壁に凹
   状溝３を周設した収嵌筒２と、 該収嵌筒２が挿入され、外側壁下方に螺合突
   片１１を突設し、上端に屈曲可能な握持爪１０
   を設け、該握持爪１０の内壁に前記凹状溝３と
   係合する係合ビード８を突設した昇降筒７と、 該昇降筒７を上下摺動自在に内装し、前記螺
   合突片１１が貫通するガイド溝１３を縦状に穿
   設し、上端内側壁に内径が拡大した拡開部１５
   を設けたスリーブ１２と、 該スリーブ１２の後端に止着され、スリーブ
   １２側壁方向に突出する鍔部１７を周設した尾
   栓１６と、 前記スリーブ１２のガイド溝１３を貫通した
   昇降筒７の螺合突片１１が螺合する螺旋溝２１
   を螺設した螺旋筒２０と、 該螺旋筒２０が挿入止着され、螺旋筒２０下
   端と底面との間に前記尾栓１６の鍔部１７を挟
   持して、前記スリーブ１２を回動自在にしかし
   抜脱不能に保持する回動操作筒２２と、 より構成される事を特徴とする棒状化粧料容
   器。 〔２〕 前記尾栓１６の底面に、前記回動操作筒
   ２２底面に摺接する回動抵抗体１９を垂下させ
   た事を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の棒状化粧料容器。