JPS6312813Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、棒状化粧品の押出容器に関するもの
であつて、収納した化粧品をこの化粧品の上端部
が外部に突出位置した中途半端な位置で安定して
保持することができるようにすることを目的とし
たものである。

この種容器の代表的な構成は、外筒体内に内筒
体を相対回動自在かつ抜け出し不能に組み付け、
さらに内筒体内に棒状化粧品を収納した受皿を嵌
め込み、外筒体と内筒体とを相対回動させること
によつて、所定の機構により受皿が昇降動するも
のであつて、受皿の上昇によつて棒状化粧品が外
筒体上端より突出し、使用に供されるものであ
る。

そして不使用時には、受皿を下降させて化粧品
を内筒体内に収納保持するのであるが、口紅等の
化粧品は、その色別の種類が多く、これがため、
購入時には容器を操作して化粧品を収納筒上端か
ら突出せしめ、好みの色を選択せざるを得なかつ
た。

しかしながら、このような方法を常にとつてい
ると、手間がかかるばかりでなく、商品たる化粧
品を傷つけ、汚してしまうといつた不都合があ
る。

それゆえ、比較的高い密閉性を有するシヨーケ
ース等内に、収納した棒状化粧品を中途半端に突
出位置させた状態で多数の押出容器を陳列し、も
つてシヨーケース外から視覚により多数の化粧品
内から所望の色の化粧品を選択するようにしてい
る。

しかしながら、この種の押出容器は、棒状化粧
品を収納状態および突出限の状態に保持する能力
を備えてはいるものの、中途半端な位置に保持す
る能力はなく、このため多数ならべて陳列された
化粧品の押出容器内からの突出量が一定しないも
のとなつてしまつていた。

このため、陳列形態が悪くなつて、かえつて商
品イメージを低下させかねない結果となるばかり
か、突出量の不統一により視覚される色調が微妙
に異なつてしまうという重大な不都合を生じるこ
とになつていた。

本考案は、上述した従来の欠点、不都合を解消
するべく考案された棒状化粧品押出容器に関する
ものであつて、棒状化粧品の上端部が外筒体の上
端から突出した姿勢を維持することができ、使用
時には化粧品をさらに外筒体上方に突出させ、あ
るいは不使用時には化粧品を外筒体内に完全に収
納してしまうことのできるように、内筒体と外筒
体とを独自に螺合係止する構成としたものであ
る。

以下本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

本考案の押出容器は、外筒体１を内筒体４に外
装組み付けすると共に、内筒体４内に受皿１０を
嵌め込んだ構成を基本とする。

まず外筒体１は、両端が開口した円筒形状であ
つて、内周面に螺溝２が刻設され、さらに内周面
下端に螺合片３が突設されている。

また内筒体４は、少なくとも上端が開口した円
筒形状であつて、下部を把持部５とすると共に残
部を前記外筒体１の内径とほぼ等しい外径を有し
かつ外筒体１の長さと等しい長さを有する周壁６
として、把持部５と周壁６との間の外周に段部７
が形成されている。

この周壁６に外筒体１が嵌め込まれるが、周壁
６の下部部外周面には、外筒体１の螺合片３が螺
合する螺合溝８が刻設されていて、この螺合溝８
は、図示例ではほぼ3/4周にわたる周溝８ａの一
端にほぼ1/4周にわたる周範囲で前記外筒体１の
螺溝２と同一方向およびピツチの螺溝８ｂを連設
して形成されるものである。

そして周壁６の上記螺合溝８よりも上位にある
残部部分には、長さ方向に沿つて縦孔９が穿設さ
れている。

次に受皿１０は、内筒体４の周壁６の内径と等
しい外径を有する短筒形状であつて、棒状化粧品
Ａが乗載保持され、内筒体４内に組み付けられる
が、周壁の外周面下端には螺合突起１１が設けら
れており、この螺合突起１１は、内筒体４の縦孔
９を貫通して外筒体１の螺溝２に螺合する。

なお図中１２は有底筒形状の把持筒であつて、
その内径が、外筒体１の外径よりもわずかに大き
くかつ内筒体４の把持部５の外径とほぼ等しく、
該把持部５に嵌合固定される。

そこで内筒体４と一体となつた把持部１２と外
筒体１とを相対回動せしめると、内筒体４と外筒
体１とは、螺合片３が螺合溝８にガイドされて相
互にほぼ一回転し、特に螺溝８ｂ部分では、外筒
体１が内筒体４に対して上昇する。

そして外筒体１は、螺合片３が上昇螺溝８ｂ上
端に当接した時点が回動限であつて、棒状化粧品
Ａはその全体が外筒体１内に収納される（第２図
参照）。

また把持筒１２と外筒体１とを逆方向に相対回
動せしめた外筒体１の下降限が第３図で示した状
態であつて、螺合片３が螺溝８ｂの下端に位置す
ることになり、棒状化粧品Ａの上端部は外筒体１
上端より突出する。

そしてさらに上記相対回動を続けると、螺合片
３は周溝８ａにガイドされ、その相対回動によつ
て受皿１０は、その螺合突起１１が縦孔９および
螺溝２にガイドされて第３図で仮想線にて示した
如く上昇するのである。

以上の説明から明らかな如く、本考案の棒状化
粧品押出容器は、外筒体１と内筒体４と受皿１０
とより構成され、外筒体１と内筒体４とは相対回
動するのみならず、所定の範囲内で外筒体１が内
筒体４に対して上昇する構造となつている。

従つて、外筒体１と内筒体４の相対回動によつ
て受皿１０が昇降動し、受皿１０の棒状化粧品Ａ
を使用時、不使用時に応じて外筒体１上端から突
出させるなり、内筒体４内に収納するなりの操作
が容易にできることはもちろん、外筒体１の所定
範囲内での下降によつて棒状化粧品Ａの上端部の
みで外筒体１上端から突出させた姿勢で維持する
こともでき、販売時にこの状態にて展示しておけ
ば、化粧品Ａの突出操作をすることなく化粧品Ａ
の色別を簡単に判別することが可能なのである。

すなわち、化粧品Ａは、第３図に図示された、
その上端部だけが外筒体１内から突出した中途半
端な位置に安定して保持されることができ、この
中途半端な位置は一定しているので、色違いの化
粧品Ａを収納した多数押出容器をシヨーケース内
に整列し、第３図図示状態で陳列した際に、全て
の化粧品Ａの押出容器からの突出量がそろうこと
になり、これによつて陳列形態が整然としたもの
となつて商品イメージを高めることになると共
に、化粧品Ａの色違いを正確に識別することがで
きて、安心して購入することできる。

よつて本考案によれば、棒状化粧品の突出操作
をすることなく、常に化粧品の上端部を外筒体上
端から突出させた状態に維持しておくことができ
るので、購入時の化粧品の色別に関する選択が極
めて容易であり、手間がかからず化粧品を汚すこ
ともなく、構成が簡単であつて成形が容易である
等、本考案は多くの優れた作用効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解斜視図で
ある。第２図、第３図は組み立てた状態を示す縦
断面図である。 符号の説明、１……外筒体、２……螺溝、３…
…螺合片、４……内筒体、６……周壁、８……螺
合溝、９……縦孔、１０……受皿、１１……螺合
突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内周面に螺溝を刻設すると共に、内周面下端に
   螺合片を突設した外筒体と、該外筒体内に相対回
   動自在に組み付けられ、前記外筒体と同一長さの
   周壁のうちの下部部分外周面に、一周に満たない
   長さの周溝の一端に前記外筒体の螺溝と同一方向
   の螺溝を連設した前記螺合片が螺合する螺合溝を
   刻設すると共に、前記周壁の残部部分に長さ方向
   に沿つて縦孔を穿設した内筒体と、棒状化粧品を
   起立保持して前記内筒体内に組み付けられ、外周
   面に前記縦孔を貫通して前記外筒体の螺溝と螺合
   する螺合突起を設けた受皿とより成る棒状化粧品
   押出容器。