JP2528703Y2 - 棒状化粧品繰出し容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は棒状化粧品繰出し容器に関する。

「従来の技術及び考案が解決しようとする課題」 従来、棒状化粧品繰出し容器として、割溝を縦設した
第１周壁を有する容器本体と、上記割溝縦設部分外面に
回動可能に第２周壁部を嵌合させ、該第２周壁部内面に
螺条溝を穿設させた回動筒と、上記第１周壁内に上下動
可能に筒部を嵌合させ、その周壁外面より突設した係合
ピンの先端を上記割溝を貫通して螺条溝に係合させた棒
状化粧品収納用の円筒状受皿とを有し、上記容器本体を
回動させることにより受皿が上昇し、棒状化粧品が容器
本体上面より突出する如く構成してなるものが知られて
いる。

これ等容器は又、容器本体の第１周壁内周面に複数の
リブを縦設して、振動等により受皿が勝手に上下動を行
うのを防止しているのが一般的である。更に、このリブ
を縦設することにより勝手な受皿の上下動を防止できる
ものの、反面、受皿の上下動に円滑さを欠く不具合を生
じるため、上記第１周壁内面等にシリコン油等の潤滑剤
を塗布することも併せて行われている。

その為、従来のこの種の容器では、潤滑剤が棒状化粧
品表面に水滴状に付着したり、或いは表面に広がってそ
の部分に曇りを生ずる等の不具合を生じることがある。

又、潤滑剤は温度によってその粘度の大小を左右され
るため、気温の高い夏場と、低い冬場とでは各部材の作
動の円滑性に違いが生じ、その為、使い勝手が時期によ
って相違する不都合を生じて来る。

本考案は、上記従来技術の欠点を解消した棒状化粧品
繰出し容器を提供せんとするものである。

「課題を解決するための手段」 底壁６周縁から上端開口の第１周壁７を起立させると
ともに、該第１周壁７下部外周を外方へ突出させて形成
した大外径部８よりも上方周壁部分には複数の割溝９を
縦設させた容器本体２と、該本体２の上記大外径部８上
方で且つ、上記割溝９下方の第１周壁外周に回動不能に
嵌着した嵌合筒部10上面より上記第１周壁外周を囲繞さ
せて複数の弾性係止突起11を立設してなる係止部材３
と、上記容器本体第１周壁７の割溝９縦設部分外面に回
動可能に第２周壁部15を嵌合させるとともに、第２周壁
部15下端内周を上記各係止突起11外周に摺動可能に圧接
接合し、且つ、第２周壁部15内面に複数の螺条溝16を穿
設させた回動筒４と、上記第１周壁７内に上下動可能に
筒部17を嵌合させるとともに、該筒部17外面から上記各
割溝９を通って突出させた複数の係合ピン18先端を上記
各螺条溝16内に係合させた円筒状の受皿５と、上記筒部
17内に下端部を固着させて第１周壁内に収納された棒状
化粧品20とを有する。

「作用」 第１図示の状態から回動筒４をつかんで固定しつつ容
器本体２の大外径部８を回動させると、受皿５はその係
合ピン18が回動筒４の各螺条溝16に沿って移動するとと
もに、容器本体２の各割溝９に案内されて上昇し、容器
本体２上端開口より棒状化粧品20を突出させる。使用後
は容器本体２を逆に回動させれば受皿５が下降し、棒状
化粧品20が容器本体２内へ再び収納される。回動筒４の
第２周壁部15下端内面を係止部材３の各弾性係止突起11
外周に圧接嵌合しているため振動等により回動筒４が回
動し、それに伴って受皿５が勝手に上下動することはな
い。

「実施例」 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。

図中１は棒状化粧品繰出し容器の一実施例を示し、該
容器１は、容器本体２と、係止部材３と、回動筒４と、
受皿５とを主要部材として構成している。

容器本体２は透孔付き底壁６周縁から上端面開口の第
１周壁７を起立させ、該第１周壁７下部外周を外方へ突
出させて大外径部８として、該大外径部８上方の周壁部
分には一対の割溝９を縦設させている。

係止部材３は、円筒状の嵌合筒部10上面より上方へ行
くに従って外方へ傾斜する多数の弾性係止突起11を立設
して構成している。又、嵌合筒部10内周面には多数の縦
溝12を周設している。この係止部材４を容器本体２の大
外径部８上方で且つ、割溝９下方の第１周壁７外周に回
動不能に嵌着させて装着している。

回動筒４は本実施例において、上下端面を開口した円
筒状の回動筒本体13と、該本体13の外周に一体に固着し
た上下端面を開口した円筒状の化粧筒14とによって構成
しており、上下端面を開口した円筒状の第２周壁部15内
周に一対の螺条溝16を穿設させている。この回動筒４
は、容器本体第１周壁７の割溝縦設部分外面に第２周壁
部15上部を回動可能に嵌合させるとともに、該周壁部15
下端内周を上記各弾性係止突起11外周に摺動可能に圧接
嵌合させて装着している。

受皿５は、円筒状の筒部17外面から一対の係合ピン18
を突設させるとともに、筒部17内周面の上下方向中程よ
り内向きフランジ19を突設して構成しており、上記第１
周壁７内に上下動可能に筒部17を嵌合させるとともに、
上記各割溝９を通って突出させた各係合ピン18の先端を
上記各螺条溝16内に係合させて装着している。又、受皿
５の上記内向きフランジ19上に下端部を固着して棒状化
粧品20を第１周壁７内に収納させる様に構成している。

上記の如く構成した棒状化粧品繰出し容器１は、回動
筒４を固定して容器体２を回動させることにより受皿５
が上昇し、その上に固着した棒状化粧品20が上部開口よ
り突出する如く構成している。

本考案容器には、上記した構成の外、キャップを設け
ても良く、その場合、例えば第１図の二点鎖線で示す如
く、上端面開口の円筒状をなし、内周面下端に容器本体
大外径部８外周に周設した多数の縦溝21と係合する縦溝
を周設した被覆筒22を用意して、それを上記容器本体２
の下端より嵌着させ、被覆筒22の上端にキャップ23を着
脱自在に嵌合させる様にしても良い。

「考案の効果」 以上説明した如く本考案棒状化粧品繰出し容器は、既
述構成としたことにより、従来のこの種の容器の如く、
容器本体内壁に縦リブを設ける必要もなく、潤滑剤を使
用する必要もなく、円滑な受皿の上下動を行えるととも
に、振動等により勝手に受皿が上下動することもなく、
良好な棒状化粧品の繰出しを行える。

又、潤滑剤を使用しないことから、それによって化粧
品表面を汚す等の従来容器の不具合を解消するものであ
る。

又、周囲の温度によって作動の円滑性が左右されるこ
となく、常時一定の円滑性を得られるものである。更
に、係止部材の弾性係止突起を回動筒の第２周壁部内周
に圧接させているため、回動操作に際し不都合な音を発
することもなく、円滑な回動操作を行えるものであり、
しかも、係止部材を別部材で形成しているため、振動等
による回動筒の回動防止を図る上で適切な材質、厚み等
の選定を比較的自由に行え、例えば必要に応じて弾力性
に富む材質，或いは耐磨耗性に優れた材質等を選択で
き、その結果、振動等による勝手な受皿の上下動をより
確実に防止するという効果を発揮できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は本考案棒状化粧
品繰出し容器の一実施例を示す縦断面図、第２図は分解
斜視図である。 ２……容器本体、３……係止部材 ４……回動筒、５位受皿 ９……割溝、16……螺条溝

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】底壁６周縁から上端開口の第１周壁７を起
   立させるとともに、該第１周壁７下部外周を外方へ突出
   させて形成した大外径部８よりも上方周壁部分には複数
   の割溝９を縦設させた容器本体２と、該本体２の上記大
   外径部８上方で且つ、上記割溝９下方の第１周壁外周に
   回動不能に嵌着した嵌合筒部10上面より上記第１周壁外
   周を囲繞させて複数の弾性係止突起11を立設してなる係
   止部材３と、上記容器本体第１周壁７の割溝９縦設部分
   外面に回動可能に第２周壁部15を嵌合させるとともに、
   第２周壁部15下端内周を上記各係止突起11外周に摺動可
   能に圧接嵌合し、且つ、第２周壁部15内面に複数の螺条
   溝16を穿設させた回動筒４と、上記第１周壁７内に上下
   動可能に筒部17を嵌合させるとともに、該筒部17外面か
   ら上記各割溝９を通って突出させた複数の係合ピン18先
   端を上記各螺条溝16内に係合させた円筒状の受皿５と、
   上記筒部17内に下端部を固着させて第１周壁内に収納さ
   れた棒状化粧品20とを有することを特徴とする棒状化粧
   品繰出し容器。