JPH0729932Y2

JPH0729932Y2 - 棒状化粧料繰り出し容器

Info

Publication number: JPH0729932Y2
Application number: JP1988148266U
Authority: JP
Inventors: 正彦小池; 久雄岩本
Original assignee: 株式会社カツシカ; 鐘紡株式会社
Priority date: 1988-11-14
Filing date: 1988-11-14
Publication date: 1995-07-12
Anticipated expiration: 2003-11-14
Also published as: JPH0271419U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、口紅等の棒状化粧料を収納した棒状化粧料繰
り出し容器の改良に関するものである。

〔従来の技術〕

従来より、口紅等の棒状化粧料を収納する棒状化粧料容
器は、棒状化粧料を昇降動させる螺旋繰り出し機構を内
装していた。この螺旋繰り出し機構は、棒状化粧料を収
嵌保持した昇降筒と、この昇降筒を上下摺動自在に内装
し、昇降筒を回動不能に案内する案内溝を上下に穿設し
た身筒と、この身筒に回動自在に保持され、昇降筒が螺
合する螺旋溝を螺設した螺旋筒とが主な構成要素となっ
ていた。そして身筒の下端は袴筒に圧入止着され、螺旋
筒はスリーブ内に圧入止着されていた。そして、身筒若
しくはスリーブの一方を回転操作する事によって、螺合
作用により棒状化粧料を昇降動させるようになってい
た。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上記構成を金属で成形する場合、身筒のガイド
溝の上下に外周方向にリブを突設し、このリブの間に螺
旋筒を回動自在に保持していた。そして、この螺旋筒を
スリーブ内に圧入止着して、スリーブと身筒を螺旋筒を
介して回動自在に連結していた。また、スリーブと螺旋
筒は、圧入が強すぎると螺旋筒が径方向に縮小してしま
い、繰り出し機構に悪影響を与えてしまう危険性がある
ため、圧入をあまり強くする事ができなかった。

従って、誤って落としてしまった場合等、スリーブに衝
撃が加わった場合、その衝撃で螺旋筒の圧入位置がずれ
てしまい、キャップの天井面にスリーブが当接してキャ
ップが嵌合できなくなったり、スリーブが脱落して繰り
出し機構が露出してしまったりする危険性があった。更
に、スリーブの衝撃が螺旋筒に伝わり、螺旋筒が変形し
て繰り出し不能となってしまう危険性もあった。

〔課題を解決する為の手段〕

棒状化粧料１を収嵌保持する昇降筒２と、この昇降筒２
を上下摺動自在に回動不能に内装し、下端に基筒９を連
設した身筒４と、この身筒４に回動自在に保持され昇降
筒２が螺合する螺旋溝８を螺設した螺旋筒７と、この螺
旋筒７を内部に圧入止着し螺旋筒７を介して身筒４に回
動自在に連結したスリーブ17と、前記身筒４の基筒９が
圧入止着される袴筒20と、よりなる構成に於いて、前記
基筒９には、上部に前記螺旋筒７の外径より僅かに小径
で、外側壁に保持溝12を周設した保持部11を設ける。前
記スリーブ17は、下端を前記保持部11を被うまで延設
し、保持溝12に回動自在に脱落不能に係合する係合リブ
19を、外部より内方向に突設する。本考案は以上構成の
棒状化粧料繰り出し容器である。

〔作用〕

スリーブ17は、身筒４に回動自在に保持された螺旋筒７
を内壁に止着し、かつ、身筒４に連設された基筒９の保
持溝12に係合リブ19が係合して、直接的、間接的に身筒
４と回動自在に脱落不能に連結している。しかも身筒４
は袴筒20に圧入止着されている。従って、スリーブ17若
しくは袴筒20の一方を回転操作すると、袴筒20に止着さ
れた身筒４により回動を阻止された昇降筒２が、スリー
ブ17内に止着された螺旋筒７の螺旋溝８と螺合している
ため、螺合作用により昇降筒２、つまり棒状化粧料１が
昇降動する。

〔実施例〕

先ず、本考案第１実施例として、構成部材全てが薄肉金
属より構成された場合について、第１図によって説明す
る。

棒状化粧料１を収嵌保持した昇降筒２は、外側壁に螺合
片３を突設している。

この昇降筒２は、身筒４に上下摺動自在に内装されてい
る。この身筒４は、板材を筒状に丸め加工して成形され
ており、両端の接合部分によって昇降筒２の螺合片３が
貫通する軸線方向に細長いガイド溝５を構成している。
更に、このガイド溝５の上方及び下方には、外方向に突
出したリブ6,6′が設けられている。

この上下のリブ6,6′の間には、螺旋筒７を回動自在に
脱落不能に保持されている。この螺旋筒７は、板材を筒
状に丸め加工して成形されており、側壁に昇降筒２の螺
合片３が螺合する螺旋溝８を螺設している。

更に、身筒４の下端、つまり下方のリブ６′の下方に
は、基筒９が嵌合しており、基筒９内の下端に内装した
カシメ筒10を変形させ、身筒４下端を基筒９とカシメ筒
10の間に挟持固定している。この基筒９の上部は、前記
螺旋筒７の外径よりも僅かに小径の保持部11となってい
る。この保持部11の外側壁には、保持溝12を周設してい
る。また、保持部11の下部は、圧入部13となっている。

更に、この螺旋筒７は、スリーブ17内に圧入止着されて
いる。その結果、スリーブ17と身筒４は、螺旋筒７を介
して回動自在に連結した状態となっている。このスリー
ブ17の上端には、棒状化粧料１が出没する出没孔18が穿
設されている。また、スリーブ17の下端は、基筒９の保
持部11まで被っている。そして、保持部11の保持溝12に
対面したスリーブ17の側壁には、外部より内側壁に突出
した係合リブ19が周設され、係合リブ19が保持溝12に係
合して、スリーブ17に螺旋筒７を止着する事による身筒
４とスリーブ17の連結に加え、身筒４とスリーブ17を回
動自在に脱落不能に連結している。

袴筒20は、上端に中筒21が圧入止着されている。この中
筒21は、袴筒20に圧入止着される止着部22と、袴筒20よ
り上部に突出してキャップ23が抜脱自在に嵌合する嵌合
部24とより構成されている。止着部22は、下部の内径が
縮小して基筒９の圧入部13が圧入止着され、袴筒20と身
筒４が連結している。

尚、第１図に示すように、基筒９の圧入部13の外側壁に
凸部14と凹部15とを縦状に交互に刻設し、更に水平に凹
状溝16を刻設し、中筒21の止着部22の内側壁に圧入部13
の凹部15に係合する突部25、及び凹状溝16に係合する舌
片26をＵ字状に切り欠いておけば、凹部15と突部25の係
合によって身筒４を回動不能にし、凹状溝16と舌片26の
係合によって身筒４を回動不能に脱落不能に保持させる
ものであり、圧入止着のように径方向に影響を及ぼすこ
となく、身筒４を確実に保持させる事ができる。

また、キャップ23内には、身筒４等が不用意に脱落しな
いように、スリーブ17の上端が当接する当接部27を設け
た天ストッパー28が圧入止着されている。

尚、本考案は第２図に示したように、昇降筒２、身筒
４、及び螺旋筒７等が合成樹脂で成形された場合にも実
施可能である。次にその構成を説明する。身筒４の上部
外側壁には、昇降筒２の螺合片３が貫通するガイド溝５
が上下に刻設されている。更に、このガイド溝５より僅
かに上方及び下方の範囲で外径が縮小しており、螺旋筒
７が回動自在に保持されている。また、身筒４の下方に
は、基筒９が連設されている。この基筒９の上部は、螺
旋筒７の外径よりも僅かに小径の保持部11となってお
り、この保持部11には、スリーブ17の係合リブ19が係合
する保持溝12が刻設されている。また、保持部11に保持
溝12に加えて凹溝29を周設し、この凹溝29にＯリング等
の摺動抵抗体30を嵌合させ、この摺動抵抗体30をスリー
ブ17の内壁に摺接させることにより、使用時に良好な操
作感に調節する事ができる。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように、身筒４とスリーブ17の連結手段
として、身筒４が回動自在に保持した螺旋筒７をスリー
ブ17の内壁に止着する手段に加え、身筒４の下部に連設
した基筒９に保持溝12を刻設し、スリーブ17にこの保持
溝12と回動自在に係合する係合リブ19を突設して、身筒
４とスリーブ17を回動自在に連結させているため、スリ
ーブ17内に螺旋筒７を圧入させる事によって、螺旋筒７
を介して身筒４とスリーブ17を連結させる場合よりも連
結力をより強固にすることができる。従って、スリーブ
17に衝撃が加わったとしても、その衝撃力が分散し、ス
リーブ17がずれてしまうようなことはない。更に、スリ
ーブ17に加わった衝撃力は、保持溝12と係合リブ19の係
合部分によって阻止され、螺旋筒７がずれたり変形した
りする事も防げる。

同様に、棒状化粧料１容器の組立て工程に於いて、棒状
化粧料１の充填後に、袴筒20、螺旋筒７、スリーブ17等
に不良が発見された場合、スリーブ17を上方に引けば、
保持溝12に係合リブ19が係合しているため、スリーブ17
のみ脱落せず、身筒４、螺旋筒７と共に抜脱でき、どち
らか一方を良品とする事ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案第１実施例の正面断面図。第２図は、
本考案第２実施例の正面断面図。１…棒状化粧料、２…昇降筒、４…身筒、７…螺旋筒、
８…螺旋溝、９…基筒、11…保持部、12…保持溝、17…
スリーブ、19…係合リブ、20…袴筒

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】棒状化粧料（１）を収嵌保持する昇降筒
（２）と、該昇降筒（２）を上下摺動自在に回動不能に
内装し、下端に基筒（９）を連設した身筒（４）と、該
身筒（４）に回動自在に保持され昇降筒（２）が螺合す
る螺旋溝（８）を螺設した螺旋筒（７）と、該螺旋筒
（７）を内部に圧入止着し螺旋筒（７）を介して身筒
（４）と回動自在に連結したスリーブ（17）と、前記身
筒（４）の基筒（９）が圧入止着される袴筒（20）と、
よりなる構成に於いて、前記基筒（９）には、上部に前記螺旋筒（７）の外径よ
り僅かに小径で、外側壁に保持溝（12）を周設した保持
部（11）を設け、前記スリーブ（17）は、下端を前記保
持部（11）を被うまで延設し、保持溝（12）に回動自在
に脱落不能に係合する係合リブ（19）を、外部より内方
向に突設して、螺旋筒（７）を介しての連結に加え、直
接スリーブ（17）と身筒（４）を連結させた事を特徴と
する棒状化粧料繰り出し容器。