JPS628827Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はマスカラ、アイライナー等の液状化粧
料容器に関するもので、より具体的にはブラシ等
の化粧料塗布棒状体を化粧料充填容器内に出入自
在に差込んでなる化粧料容器に関するものであ
る。

従来よりマスカラ、アイライナー等の液状化粧
料容器としては、種々の容器が提供されている
が、一般的には化粧料塗布棒状体としてブラシを
用い、このブラシを化粧料充填容器内に挿入し、
ブラシを引き出す際に容器首部内に設けられたし
ごき部材によりしごかれることにより、余分な化
粧料をしごき落し、一定量の化粧料をブラシに保
持させ化粧に供するものであつた。しかしながら
このような化粧料容器にあつては、常に一定量の
化粧料がブラシに付着されるため、使用者個々に
よつて異なるマツ毛の密度、長さ等に適合した量
の化粧料を使用しようとする場合、或いは場所や
時に応じマスカラやアイライナーに濃淡をつける
ために塗布量を調整したい場合に不便を感じてい
た。

本考案は上記のような問題点を解消し、ブラシ
等の塗布棒状体に付着せられるマスカラやアイラ
イナー等の、化粧料の量を極めて簡単に制御する
ことが可能となり、使用者がマスカラやアイライ
ナーの濃淡をも随意に選択できる化粧料容器を提
供することを目的とするものである。

以下に好適な実施例により本考案の技術的な内
容を詳説する。第１図は本考案に係る化粧料容器
の実施例を示している。この化粧料容器は、外筒
１と外筒１内に配設された化粧料充填容器２及び
前記外筒１の上端開口部を閉塞せしめるキヤツプ
３で構成されている。前記キヤツプ３には、化粧
料４を保持する筆ブラシ５が筆軸６によつて固着
されるとともに、その内側壁に雌ねじ７が螺設さ
れ、前記外筒１の首部８の外側壁に設けられた雄
ねじ９と螺合することにより前記首部８を閉塞せ
しめる。前記外筒１の内部には化粧料充填容器２
が収容され、外筒１の下端開口部は回転筒１０が
回動自在に嵌合されることによつて閉塞されてい
る。前記外筒１の内面側壁には螺旋状の凹部１１
が設けられ前記充填容器２の外面側壁に突設され
た第１の突起１２と螺合されている。さらに前記
外筒１の首部８の上端開口部には、円周状に小突
起１３が設けられ、そこにしごき部材１４の上端
部が回転可能に嵌着されている。しごき部材１４
は中央の開口した上端部がやや肉厚な円筒形状と
しその下部に肉薄の蛇腹形状のくびれた部分を一
体に形成し、伸縮自在なゴム等よりなつている。
そして前記しごき部材１４の下端は、前記充填容
器２の上端開口部に設けられた凹部１５に固着さ
れている。尚、このしごき部材１４は上端を固着
し、下端を回転可能にせしめることも可能であ
る。

前記充填容器２の下端外面側壁には、第２の突
起部１６が突設され、前記回転筒１０の内面側壁
に設けられた縦状の溝１７に嵌合している。この
ように構成したことにより、外筒１を握持して回
転筒１０を回転させると、前記充填容器２に突設
された第２の突起１６と回転筒１０の縦状の溝１
７が嵌合しているため、充填容器２は回転筒１０
と同方向に回転するとともに、充填容器２の外面
側壁に突設された第１の突起１２が外筒１の螺旋
状の凹部１１と螺合していることにより、充填容
器２全体が上方若しくは下方へ移動する。

充填容器２が下方へ移動した場合には、充填容
器２の上端に位置する蛇腹状のしごき部材１４
は、下方に引張られ蛇腹が開かれた状態となり中
央の開口径が増加する。この状態で前記キヤツプ
３を上方に引きあげマスカラ、アイライナーを塗
布すれば、塗布器先端の筆ブラシ５により保持さ
れる化粧料４は、前記しごき部材１４の開口径が
大であるため、しごき部材１４によつて、しごき
落される化粧料は減少し保持量は増加する。逆に
充填容器２が上方へ移動する場合には、前記蛇腹
状のしごき部材１４は、上方に押しつけられ蛇腹
を閉じた状態となり中央の開口度合は狭くなる。
従つて筆ブラシ５により保持される化粧料４は、
大部分がしごき落され減少する。

このようなしごき部材１４の開口度合に対応す
る目盛、例えば１から５までの数字を前記回転筒
１０の外表面に適当な手段により表示しておけ
ば、使用者はあらかじめ使用を希望する化粧料の
量的選択が、単に目盛を合わせることによつて可
能となる。尚前記しごき部材１４と、キヤツプ３
に固着されいる筆軸６は、前記しごき部材１４の
開口径に関係なく、蛇腹の内面に突起した部分と
密着しているため、筆軸６により化粧に供し得な
い化粧料の搬出を防止し筆軸６の美観を保持する
とともに、前記充填容器２の気密保持がなされ
る。

尚本考案の実施例として示したものは、外筒の
内側に位置する液状化粧料充填容器が、回転筒と
同方向に回転しながら上下方向に移動するもので
あるが、外筒の内面側壁に設けた螺旋状の凹部に
かえて、充填容器の外面側壁に突設された第１の
突起と嵌合する、縦状の溝を形成し、回転筒の内
面側壁に形成した縦状の溝にかえて、充填容器の
外面側壁に突設された第２の突起と螺合する、螺
旋状の凹部を形成することにより、外筒を握持し
回転筒を回転させた場合に充填容器が回転するこ
となく、上下方向に自在に移動可能とすることも
できる。

この場合にあつては、しごき部材のいずれか一
端を回転可能な状態となす必要はなく、両端は外
筒首部、充填容器に固着される。

以上のように本考案に係る化粧料容器は、マス
カラ、アイライナー等の液状化粧料塗布器におい
て、上端に首部を有する外筒とその内側に上下動
自在な化粧料充填容器を収容し、前記外筒首部を
閉塞せしめるとともに化粧料を保持するブラシを
有する塗布棒状体を備えたキヤツプとからなる化
粧料容器において、中央の開口しかつ蛇腹状にく
びれた部分を有する伸縮自在なしごき部材の一端
を外筒の首部と係着するとともに、その他端を充
填容器と係着し、前記外筒の下端部には回転筒を
取付けるとともに回転筒と充填容器とを係合し、
この回転筒を回転して、充填容器を上下動させる
ことにより、しごき部材の中央開口度を変化せし
めることにより、従来のこの種の化粧料容器で不
可能とされていた、使用者に自己のマツ毛の特性
に応じた化粧料の量的選択や、時、場所に応じマ
スカラ、アイライナーの濃淡の選択を、容器のキ
ヤツプを開けることなく、単に回転筒を回転さ
せ、例えば回転筒に付けた目盛を容器の外表面に
施されている目盛に合せるという、きわめて簡単
な操作により可能ならしめるものである。また本
考案に係る化粧料容器にあつては、前述のように
しごき部材と筆軸が密着しているため、容器の気
密が保持される。従つて本考案に係わる容器に液
状化粧料を充填した場合には、蒸発等によつて化
粧料の固化防止がほぼ完全になされ、常に適度な
粘度の化粧料を提供できるものである。

また、本考案のしごき部材は蛇腹状にくびれて
た部分を有するため、蛇腹の内端は複数個所にお
いて塗布棒状体と接することになる。従つて、塗
布棒状体を引き上げる時に、この塗布棒状体は複
数個所でしごかれることになり、一個所でしごか
れる場合よりも正確な塗布量の調節が可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る化粧料容器の第１の実施
例を示す縦断面図であり、第２図はその部分断面
分解斜視図、第３図は左半面にしごき部材の最小
開度を、右半面に最大開度を示す縦断面図、第４
図は他の実施例を示す縦断面図である。 各図において、１……外筒、２……化粧料充填
容器、３……キヤツプ、４……化粧料、５……筆
ブラシ、６……筆軸、１０……回転筒、１４……
蛇腹状しごき部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上端に首部８を一体形成してなる外筒１と、該
   外筒内側に上下動自在に係合されてなる液状化粧
   料充填容器２と、該外筒の該首部に螺合してこれ
   を閉塞し得るとともに該首部を挿通して該充填容
   器内部へ挿入される塗布棒状体５，６を備えたキ
   ヤツプ３とからなる化粧料容器において、中央が
   開口しかつ蛇腹状にくびれた部分を有する伸縮自
   在なしごき部材１４の一端を該外筒の該首部と係
   着するとともにその他端を該充填容器と係着して
   なり、該外筒の下端部には回転筒１０を取付ける
   とともに該回転筒と該容器とを係合し、該回転筒
   を回動することによつて該充填容器が軸方向に移
   動し該しごき部材の該くびれ部が伸縮されその中
   央開口の開口度合を可変してなることを特徴とす
   る化粧料容器。