JPS6223386Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は化粧品をカートリツジ式とした棒状化
粧品繰出し容器に関する。

この種容器で、化粧品をカートリツジ式とすれ
ば、化粧品が消耗したとき、化粧品を充填保持し
ている中皿のみの交換ですみ、容器本体はそのま
ま利用できるので、経済的でありまた便利でもあ
る。

本考案はこの点に着目し、中皿を簡易な仕組み
のカートリツジ式に構成し、中皿のみの交換で化
粧品の消耗等に対処できるようにした棒状化粧品
繰出し容器を提供することを目的とする。

以下添付図面を参照して本考案実施例を説明す
る。添付図において、１は下部のカツプ状の基筒
部２上にこれより外径が稍々小径の中筒３を直立
させた主筒、４は該主筒１の中筒３外面に嵌合さ
れた回転筒、そして５が中筒３内に嵌合されて該
中筒３内を昇降する筒体状の受皿である。

この種容器の化粧品繰出し機構は極く周知なの
で簡単に概略を説明すると、前記主筒１の中筒３
の下部から上部にかけての両側には縦方向の細長
な受皿案内孔６，６があり、また回転筒４の下部
から上部にかけての内周面には略一周する２条の
螺溝７，７が対称的に形成してあり、そして受皿
５の外面両側には前記中筒３の受皿案内孔６，６
を通して回転筒４の螺溝７，７に夫々係合される
突子８，８がある。

従つて、回転筒４を一方の手で把持し、他方の
手の指で主筒１の基筒部２をつまみ、この基筒部
２を介し主筒１を回転筒４に対し例えば右回りに
回転させると、受皿５は突子８，８が螺溝７，７
に係合しているので螺進することになる。しか
し、突子８，８は同時に中筒３の受皿案内孔６，
６に係合しているので、結局この受皿５は主筒１
と回転筒４の相対回転動により上方に移動するこ
とになり、従つてこの受皿５が化粧品を保持して
いれば化粧品は中筒３の上端開口から上方外部に
繰出される。主筒１と回転筒４の相対回転動を逆
方向とすれば、上記と逆の動作で化粧品は内部に
繰込まれる。第１図は化粧品の繰入れ時の図であ
る。尚、受皿案内孔６，６上下端部の各６ａ，６
ｂは横方向の逃げ孔で、これらにより化粧品の繰
出し、繰入れ状態を安定化している。即ち、例え
ば化粧品繰出し時、繰出し動作の終りに受皿５の
突子８，８が逃が孔６ａ，６ａに入り込み、これ
により化粧時に化粧品を介し受皿５が圧力を受け
ても逃げ孔６ａ，６ａで支承され、勝手に下方に
繰込まれることのないようにしてある。

ここで本考案では、まず受皿５に上方に離脱可
能に筒体状の中皿９を嵌挿組合わせ、この中皿９
で棒状化粧品１０を保持するよう構成する。即
ち、前記受皿５の下部内周面には下向き段部１１
が形成してあり、一方中皿９は上部外周に下向き
段部１２を、また下部外面に係合突条１３を周設
しており、従つてこの中皿９を受皿５内に嵌挿さ
せた組立状態で、下向き段部１２は受皿５上端面
に当接係止し、このとき係合突条１３が受皿５の
下向き段部１１に係合して中皿９と受皿５とは一
体に係嵌した状態となる。中皿９の化粧品保持構
造は任意でよく、図示例は中皿９内面に適宜間隔
で数条の縦条１４を突設させて内周面を凹凸と
し、これにより化粧品１０を固定した例を示して
いる。

つぎに、基筒部２の底壁を周縁を残して上方に
円筒状に突出させ、この基筒部２に、中筒３の内
周面をそのまま下方に延長したような深い環状溝
１５を形成する。

さらに第２図に示すように、受皿案内孔６，６
の下部逃げ孔６ｂ，６ｂから連続させて下方に縦
の強制繰入れ孔６ｃ，６ｃを設け、この孔６ｃ，
６ｃの上端部、つまり逃げ孔６ｂ，６ｂの終端位
置の一部に通過障害部１６，１６としての突子を
設ける。この障害部１６，１６は、通常の繰入れ
操作では係合突子８，８がこれに係止されるが、
この状態から強制的に更に繰入れ操作すると係合
突子８，８がこれを乗越えて強制繰入れ孔６ｃ，
６ｃに進入できる程度の障害高さに形成する。こ
の通過障害部１６，１６は前記目的を達するなら
突子状のものに限らない。他の適宜な狭隘構造、
高摩擦抵抗構造でもよい。尚、受皿案内孔６，６
の一方を上端に抜けさせておくと都合がよい。

上記構成で、中皿９の交換は次の如くする。第
１図は化粧品１０を容器内に規定に繰入れた状態
で、この状態では中皿９の下端は基筒部２の台座
１７の上面に当接し、そして受皿５の係合突子
８，８は通過障害部１６，１６に係止して逃げ孔
６ｂ，６ｂ端にある。この第１図状態からさら
に、受皿５を強制的に下方に、つまり化粧品繰入
れ方向に作動させる。すると、係合用突子８，８
は通過障害部１６，１６を乗越え強制繰入れ孔６
ｃ，６ｃに進入するので受皿５は環状溝１５に入
り込み下降するが、中皿９は台座１７で係止され
て下降できず、従つて第３図のように係合突条１
３は下向き段部１１から外れ、中皿９は受皿５と
の係嵌状態が解かれる。そこで今度は、受皿５を
化粧品繰出し方向に、つまり通過障害部１６，１
６を逆に乗越えて上方に移動させればよい。する
と第４図のように、中皿９は外方に突出し、しか
もこのとき受皿５との係嵌が解かれているので容
易に手で取り外すことができる。この後、新らし
い化粧品を充填固着した中皿を、受皿５に強制的
に挿入して両者を係合固定させればよい。尚、１
８は外カバーを示す。

上記本考案によれば、中皿９を交換することで
化粧品１０が交換できるカートリツジ式としたの
で、化粧品が消耗したとき、異色の化粧品と取換
えたいとき、或いは品質不良や破損があつた場合
など、中皿９の交換のみで対処でき、容器本体側
はそのまま利用できるので経済的であり、また便
利でもある。また交換操作は、単に受皿５を通常
の繰入れ位置から更に強制的に繰入れ操作して中
皿９の係合を解き、この後化粧品繰出し操作で中
皿９を外部に繰出してこれを交換すればよいの
で、何の面倒もなく極く簡便である。このため本
考案では、受皿案内孔６，６の下部逃げ孔６ｂ，
６ｂに連続させて下方に強制繰入れ孔６ｃ，６ｃ
を設けているが、この強制繰入れ孔６ｃ，６ｃは
強制した場合にのみ通過可能な通過障害部１６，
１６を介して設けているので、通常の繰出し、繰
入れ操作には何ら支障がなく、しかも構造的には
例えば突子状のものでよいので簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案棒状化粧品繰出し容器の繰入れ
状態の半部縦断面図、第２図は同実施例の主筒の
外形斜視図、第３図と第４図は本考案作用を示す
ための半部縦断面図で、第３図は中皿と受皿との
係合状態を解いた場合、第４図は中皿交換のため
の繰出し時の図である。 １……主筒、２……基筒部、３……中筒、４…
…回転筒、５……受皿、９……中皿。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下部の基筒部２から中筒３を直立させ、該中筒
   ３の上部から下部までの対向した両側に縦方向の
   細長な受皿案内孔６，６を明け、また基筒部２に
   中筒３内周面が下方に延長される如き環状溝１５
   を形成し、さらに前記案内孔６，６の上下両端に
   設けられる横方向の逃げ孔のうち下部逃げ孔６
   ｂ，６ｂから連続させて下方に、強制した場合の
   み通過可能な通過障害部１６，１６を介し強制繰
   入れ孔６ｃ，６ｃを設けた主筒１と、内周面に対
   称的な２条の螺溝７，７を形成して前記中筒３外
   面に嵌合され、化粧品繰出し時及び繰入れ時に主
   筒１に対し相対的に逆方向に回転操作される回転
   筒４と、筒体状であつて前記中筒３内に嵌挿さ
   れ、外面両側から突出した係合突子８，８を前記
   受皿案内孔６，６を通して螺孔７，７に係合さ
   れ、化粧品繰出し時上昇し化粧品繰入れ時下降す
   る受皿５と、該受皿５に上方に離脱可能に係合さ
   れ、化粧品１０を保持して受皿５と同体に昇降す
   る中皿９とからなり、中皿９交換時には受皿５
   を、その係合突子８，８を前記通過障害部１６，
   １６を強制的に通過させ強制繰入れ孔６ｃ，６ｃ
   に進入させることにより環状溝１５内に下降さ
   せ、このとき中皿９を基筒部２の台座１７に当接
   残置させて受皿５と中皿９の係合状態を解くこと
   を特徴とした棒状化粧品繰出し容器。