JPS645541Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、棒状化粧品の押出容器に関するもの
であつて、化粧品の保護と押出操作を容易に達成
することを目的とする。

口紅等の棒状化粧品を収納する押出容器の最も
代表的な構成は、外筒体と内筒体と受皿体とから
成つている。外筒体の内周には螺溝が刻設され、
内筒体には縦長孔が開孔され、さらに内筒体内に
嵌込まれる受皿体の外周面には縦長孔を貫通して
螺溝に係合する軸ピンが突設されている。

そして外筒体と内筒体とは相互回動自在かつ抜
け出し不能に組付けられており、前記相互回動に
よつて軸ピンが縦長孔と螺溝にガイドされ、受皿
体は内筒体内を昇降動するのである。

この受皿体には口紅等の棒状化粧品が載置され
ているので、例えば内筒体の下端から上端にかけ
て上昇変位するものであると、ガタつき等によつ
て棒状化粧品が傷付いてしまうことがあり、それ
ゆえに受皿体自体の内筒体に対する変位量はでき
るかぎり小さいほうが望ましい。

また、例えば受皿体を上昇させる場合、螺溝の
捩り量に応じて外筒体と内筒体の相互回動量が設
定されることになるが、この相互回動操作量が少
ないほうが、押出操作として容易であることは明
らかであり、また化粧品の保護も達成し易い。

本考案は、上記した従来の要望を満たすべく考
案された棒状化粧品押出容器に関するものであつ
て、外筒体と内筒体との組合せ物にさらに組付筒
体を組付け、受皿体の昇降変位と同時に組合せ物
を相対的に昇降変位動する構成としたものであ
る。

以下本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

先ず、内筒体１は、直線円筒形状の周壁２下端
にこの周壁２の外径よりもやや大きい外径を有す
る短円筒形状をした下部筒３を段部４を介して連
設した構成であつて、前記周壁２には、上端部か
ら下端部にかけて一対の縦長孔５が対向して設け
られており、周壁２下部外周には係合溝６が周設
され、さらに前記下部筒３の外周には一個の突起
７が設けられている。

次に外筒体８は、直線円筒形状であつて、前記
周壁２の外径と等しい内径を有し、前記下部筒３
の外径と等しい外径を有し、さらに前記周壁２と
等しい長さを有する筒壁９の内周には、上端から
下端部にかけて一対の内周螺溝１０が刻設され、
また筒壁９の下部外周には、この内周螺溝１０と
同一螺旋方向姿勢で外周螺溝１１が刻設されてい
る。

この外筒体８は、下端が前記段部４に乗載する
姿勢が内筒体１の周壁２に組付けられるが、前記
筒壁９の上端内周には周壁２上端に当接する係止
条１２が周設され、また筒壁９下端部内周には周
壁２の係合溝６に係合する係合片１３が突設され
ており、従つて外筒体８と内筒体１とは、相互回
動自在かつ抜け出し不能に組付くことになる。

また棒状化粧品用の受皿体１４は、内筒体１の
周壁２の内径と等しい外径を有する短円筒形状で
あつて、外周に、前記縦長孔５を貫通して内周螺
旋溝１０を係合する軸ピン１５が一対突設されて
おり、従つて受皿体１４は、外筒体８と内筒体１
とを相互回動させることにより、軸ピン１５が縦
長孔５と内周螺溝１０にガイドされ、内筒体１内
を昇降動するのである。

なお図示実施例でこの受皿体１４は二重筒構造
となつている。これは、受皿体１４の下方より化
粧材料を充填した際に、化粧品が不良となること
があるので、軸ピン１５が突設された外筒１６か
ら、化粧品の下端部が収納されている内筒１７を
抜き出し、容器として再度使用することができる
ようにするためである。

次いで、図中１８は組付筒体でさつて、前記外
筒体８の外径と等しい内径を有する直線円筒形状
であり、外筒体８下部から内筒体１の短円筒３に
かけて外装組付けされる。

この組付筒体１８の円筒壁部１９内周中央に
は、前記外筒体８の外周螺溝１１に係合する軸片
２０が突設されてあり、この軸片２０より下位の
円筒壁部１９部分には下端にかけて縦溝２１が切
り欠かれており、さらに円筒壁部１９の上部外周
には鍔条２２が周設されている。

そして、組付筒体１８は軸片２０を外筒体８の
外周螺溝１１に係合すると共に、縦溝２１に前記
内筒体１の下部筒３の突起７が係合することによ
り、外筒体８と内筒体１との組合せ物に相互昇降
動自在かつ外筒体８に対してのみ相互回動自在に
組付けられるのである。

上記した構成にあつて、外筒体８と組付筒体１
８とを把持して相互回動させると、組付筒体１８
は縦溝２１と突起７との係合によつて内筒体１と
少なくとも回動方向に一体に回動するので、前記
した外筒体８と内筒体１の相互回動と同じ状態と
なり、受皿体１４が内筒体１内を昇降動する。

しかしながら、この時、組付筒体１８の軸片２
０は外筒体８の外周螺溝１１に係合しているの
で、組付筒体１８と外筒体８とは相互昇降動する
ことになり、外筒体８に抜け出し不能に組付いて
いる内筒体１も外筒体８と共に組付筒体１８に対
し相互昇降動する。

ところで、外筒体８における内周螺溝１０と外
周螺溝１１とは同一螺旋方向に刻設されているの
で、外筒体８の内側に位置して内周螺溝１０に係
合する受皿体１４と、外筒体８の外側に位置して
外周螺溝１１に係合する組付筒体１８とは、前記
相互回動動作によつて、同一方向に昇降変位す
る。

逆に、組付筒体１８を基準にし、組付筒体１８
を固定保持した姿勢で外筒体８に回動操作する
と、例えば受皿体１４は上昇し、同時に外筒体８
と内筒体１の組合せ物は、外周螺溝１１のストロ
ークだけ下降変位するのである。

すなわち、所定方向への回動操作によつて受皿
体１４と外筒体８および内筒体１の組合せ物は、
組付筒体１８に対して相対的に昇降動変位するこ
とになるので、棒状化粧品の押出し操作が極めて
容易なものとなり、また受皿体１４自体が変位す
ると共に、外筒体８と内筒体１の組合せ物も変位
するので、組付筒体１８に対する受皿体１４の変
位量を少なくすることができ、受皿体１４の安定
姿勢が得られるので化粧品の保護を確実に達成す
ることができるのである。

なお、図中２３は直線円筒形状の装飾筒であつ
て、上端が組付筒体１８の鍔条２２下端に当接す
る姿勢で組付筒体１８に嵌込み固定され、またこ
の装飾筒２３下端にはリング状の底板２４が嵌込
まれ、さらに底板２４にはシールプレート２５が
貼着される。

また、キヤツプ筒２６は組付筒体１８の外径と
等しい内径を有する有頂円筒体であつて、下端が
鍔条２２上端に乗載する姿勢で組付けられる。

以上の説明から明らかなように、本考案の棒状
化粧品押出容器は、内筒体１と外筒体８と受皿体
１４と組付筒体１８とから構成され、組付筒体１
８と外筒体８とを相互回動操作することによつ
て、受皿体１４と外筒体８および内筒体１と組合
せ物とは相対的な昇降動変位することになる。

よつて本考案によれば、棒状化粧品の押出し操
作が極めて容易なものとなり、押出し操作時に受
皿体が安定しているので受皿体の棒状化粧品が損
傷することはなく、構成が簡単であつて成形が容
易である等、多くの優れた作用効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分野斜視図で
ある。第２図は組付き状態の縦断面図である。第
３図は操作時の縦断面図である。 符号の説明、１；内筒体、２；周壁、３；下部
筒、５；縦長孔、７；突起、８；外筒体、９；筒
壁、１０；内周螺溝、１１；外周螺溝、１４；受
皿体、１５；軸ピン、１８；；組付筒体、１９；
円筒壁部、２０；軸片、２１；縦溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直線円筒形状をした周壁下端に、該周壁よりも
   やや大きい外径の短円筒形状をした下部筒を連設
   し、前記周壁に縦長孔を穿設すると共に前記下部
   筒の外周面に突起を設けた内筒体と、該内筒体の
   周壁に相互回動自在かつ抜け出し不能に組付けら
   れる直線円筒形状をした筒壁の内周面に、上端か
   ら下端にかけて内周螺溝を刻設すると共に、前記
   筒壁の下部外周面に前記内周螺溝と同一螺旋方向
   となつた外周螺溝を刻設した外筒体と、前記内筒
   体の縦長孔を貫通して前記外筒体の内周螺溝に係
   合する軸ピンを外周面に突設した短円筒形状の受
   皿体と、前記外筒体の下部から前記内筒体の下部
   筒にかけて外装組付けされる直線円筒形状をした
   円筒壁部内周面に、前記外筒体の外周螺溝に係合
   する軸片を突設すると共に、前記円筒壁部下部に
   前記内筒体下部の突起が係合する縦溝を設けた組
   付筒体とから成る棒状化粧品押出容器。