JPH0418496Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、リツプクリーム等の棒状化粧材の繰
出機構において、中筒と螺旋筒との相対回転によ
り化粧材を繰り出す際に生じる芯チヤツクと中筒
内壁との摩擦抵抗を一定に保ち、且つ化粧材収納
時には該係合突起にて芯チヤツクを中筒内部に確
実に収納することを可能にした棒状化粧材繰出機
構に関する。

（従来の技術） 従来、中筒と螺旋筒との相対回転によつて棒状
化粧材を繰り出す際、中筒内壁と芯チヤツク外周
との摩擦抵抗を一定にするために芯チヤツク下端
に小さな突出部を設け、該突出部が中筒内壁を押
圧することにより適度な抵抗感を得ていた。

さらに化粧材を中筒内部に収納後、外部からの
振動や衝撃等によつて化粧材が外部へ露出するの
を防止するため、中筒の側面に構成された縦長孔
の下端の側方に係合孔を設け、ここに芯チヤツク
外側面の係合部を嵌入させて芯チヤツクを係止し
ていた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記のような繰出機構の場合、頻繁に繰り出し
操作を繰り返すと、突出部が摩耗して繰り出し時
の抵抗感が得られなくなることがあつた。

上記各部品はプラスチツク等の軟素材で大量に
生産されているため、芯チヤツクの外形寸法の成
形状態にムラが発生し、化粧材繰り出し時に一定
の調子が得られない。さらに、芯チヤツク外側面
に設けた係合部を嵌入させる係合孔を中筒下端側
方に構成しなければならないという製作上の困難
さがあつた。本考案は以上のような問題点を解決
して簡単且つ確実なる棒状化粧材の繰出機構を提
供することを目的とする。

（問題を解決するための手段） 上記の目的を達成するために本考案は、化粧材
を支持する芯チヤツクを、側面に縦長孔を構成し
た中筒内に配置し、中筒外側に設けた螺旋筒と中
筒との相対回転により芯チヤツクを昇降させる棒
状化粧材繰出機構において、 芯チヤツクを、化粧材を支持する円筒体と該円
筒体の下部に間隙を有して連結した、外径を中筒
の内径より大径としたＣリング状の摩擦体より構
成したことを特徴とし、また中筒内壁下部に係合
突起を形成したことを特徴としている。

（作用） 螺旋筒を片手で支持しつつ中筒下部を回転させ
ると、化粧材を支持した芯チヤツクが上方に移動
を開始し、化粧材を支持した芯チヤツクは、摩擦
体を中筒内壁に密着せしめながら中筒上端まで繰
り出される。使用後、上記と逆方向に中筒下部を
回転させると芯チヤツクが下方に移動し、摩擦体
を円筒内壁に密着せしめながら中筒下端まで繰り
下げられる。

上記のように芯チヤツクを中筒底部より繰り出
す際、芯チヤツク下部のＣリング状の摩擦体が中
筒内壁下部に形成した係合突起より外れる。また
芯チヤツクを中筒底部に収納する際、中筒内壁下
部の係合突起が円筒体と該円筒下部に設けたＣリ
ング状の摩擦体の間隙に係合して芯チヤツクが確
実に支持される。

（実施例） 本考案の実施例を以下に説明する。第１図は本
考案による棒状化粧材繰出機構の縦断正面図、第
２図は芯チヤツクの縦断側面図、第３図は同正面
図、第４図は同底面図である。

本実施例による棒状化粧材繰出機構は、芯チヤ
ツク１、中筒１０、螺旋筒１１等よりなり、これ
らの材質は合成樹脂材料である。

該芯チヤツク１は、化粧材Ａを支持する円筒体
２とその下部に連結したＣリング状の摩擦体４よ
り構成されている。円筒体２の外側には係合部２
２を形成し、Ｃリング状の摩擦体４の外径を中筒
の内径より僅かに大径としている。すなわち、第
４図に示すように摩擦体４は幅の広い平板をＣ字
状に曲折して中筒１０の内径より僅かに外側にひ
ろげて構成してある。そのためＣリング状の摩擦
体４は弾性力を有し中筒１０の内壁に常に密着し
ながら昇降する。さらに中筒１０の下部１０ａに
収納の際には、係合突起４１と面接触して係合し
ている状態となるから、円筒体２が確実に保持さ
れるのである。また、螺旋筒１１内壁には螺旋溝
２３を構成する。

なお、上記の円筒体２とＣリング状の摩擦体４
は連結部３によつて所定の間隙５を有して連結さ
れている。さらに、中筒１０内壁下部に芯チヤツ
ク１を中筒１０に係止するために一対の係合突起
４１を構成し、化粧材Ａの収納時には前記係合突
起４１を上記間隙５に係合させる。

以下、本実施例の作用を記述する。

螺旋筒１１を片手で支持し、中筒１０の下部１
０ａを回転させると、中筒と螺旋筒との相対回転
によつて化粧材Ａを支持した芯チヤツク１外側の
係合部２２が螺旋筒１１内壁に削設した螺旋溝２
３に案内されて上方に移動を開始し、さらに中筒
１０下部１０ａを回転させていくと芯チヤツク１
の係合部２２が中筒１０側面の縦長孔２２ａの最
上の位置にくるまで繰り出される。

使用後は、上記と逆方向に中筒１０下部を回転
させると芯チヤツク１外側の係合部２２が螺旋溝
２３に再び案内されて中筒１０側面の縦長孔２２
ａの底部まで移動する。

また、同時に芯チヤツク１下部のＣリング状の
摩擦体４は弾性を有するため、芯チヤツク１を中
筒１０底部より繰り出す際、容易に中筒１０内壁
下部の係合突起４１より外れるし、また芯チヤツ
ク１を中筒１０底部に収納する際には、中筒１０
内壁下部の係合突起４１が円筒体２と該円筒体２
下部に設けたＣリング状の摩擦体４との間隙５に
係合して芯チヤツク１が確実に支持される。

この芯チヤツク１の昇降時には、芯チヤツク１
下端の摩擦体４はその形状がＣリング状であるた
め、中筒１０と摩擦体４の接触個所が従来のよう
な点ではなく面となり、頻繁なる繰り出し操作に
も耐え、常時中筒１０内壁との適度な摩擦抵抗が
得られる。

本実施例による係合突起４１を中筒１０内壁下
部に適宜構成する手間は容易且つ安価であり、棒
状化粧材が不意に中筒１０より外部へ出てくるこ
とはない。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案による棒状化粧材
繰出機構によれば、化粧材の頻繁なる繰り出し操
作を繰り返しても繰り出し時の抵抗感を一定に保
つことができると共に確実に化粧材を容器内に収
納固定することができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
棒状化粧材繰出機構を有する化粧具全体の縦断正
面図、第２図は芯チヤツクの縦断側面図、第３図
は同正面図、第４図は同平面図である。 １……芯チヤツク、２……円筒体、３……連結
部、４……摩擦体、５……間隙、１０……中筒、
１１……螺旋筒、２２……係合部、２２ａ……縦
長孔、２３……螺旋溝、４１……係合突起、４２
……切欠部、Ａ……化粧材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 化粧材を支持する芯チヤツクを、側面に縦長孔
   を構成した、中筒内に配置し、中筒外側に設けた
   螺旋筒と中筒との相対回転により芯チヤツクを昇
   降させる棒状化粧材繰出機構において、 芯チヤツクを、化粧材を支持する円筒体と該円
   筒体の下部に間隙を有して連結した、外径を中筒
   の内径より大径としたＣリング状の摩擦体より構
   成し、化粧材の繰り出し時には上記Ｃリング状の
   摩擦体が中筒の内壁のほぼ全周に面接触しながら
   昇降する棒状化粧材繰出機構。