JPS628833Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、口紅、固形整髪料等其の他の棒状固
形化粧料の繰出容器に関するものである。

繰出容器は溝管乃至は螺旋筒の一方を回転させ
て棒状固形化粧料を出没させるが、一般に化粧料
使用時の簡便さを配慮して、構造上繰出操作が円
滑に行ない得るように形成されている。したがつ
て、化粧料の没入収容状態において、何等かの自
然原因によつて溝管の回転部或は螺旋筒等に外力
が加えられた場合、其れ等に容易く回転運動を生
ぜしめる結果、収納保持されている化粧料が繰出
されて該化粧料端部がキヤツプの天面等に衝突し
て変形若しくは折損し、梱包時や輸送時に其れ等
が生じた場合は商品価値を著しく低下させるばか
りでなく不良品をも発生させる事となる。更に使
用者にとつては高価な化粧品を無駄にする事とな
り、使用者の利益損失ともなる等の欠点がある。

本考案は上記欠点を除く為に改良されたもの
で、溝管下部に設けた回転筒部内側に弾性体を収
納させ、化粧料受皿の没入終端位置でその係合突
部を溝管の縦溝下部一側に連設させた横溝上端部
に押圧させながら当接保持させる事により、化粧
料の不時上昇を抑止する繰出容器の提供を目的と
するものである。

以下本考案の構造を実施例を示す図面に従つて
説明すれば、１は上端を開口させ周壁の対向位置
に適宜巾の縦溝２を有する溝管で、該縦溝２は下
端一側に横溝３を連設させ化粧料受皿７と螺旋筒
４との嵌合を考慮して上端を開口させて形成して
ある。更に溝管１の下部には回転筒部９を設けて
いるが、該溝管１及び回転筒部９は合成樹脂材を
以つて一体成形若しくは別個に形成させたものを
嵌着その他適宜の方法にて固着させて形成する。
４は周壁内面に螺旋状溝５を周設させた螺旋筒
で、前記溝管１の外周に回転自在に嵌挿させて回
転筒部９に嵌着させてある。７は棒状固形化粧料
６を嵌合保持させた受皿で、周壁外面の対向位置
には係合突部８を縦溝２へ嵌挿させて外方へ突出
させ、外端部を螺旋状溝５へ滑動可能に嵌合させ
て溝管１内に縦溝２に沿つて上下動可能に嵌挿さ
せてある。

然して回転筒部９を回転させて溝管１を回転さ
せると、受皿７の係合突部８が螺旋状溝５内壁を
滑動して誘導され縦溝２に沿つて上下動する為、
化粧料６は溝管１開口端より出没し、受皿７の没
入終端位置で係合突部８は螺旋状溝５に誘導され
て横溝３内に進入する。

上記構成において、受皿７の没入終端位置で係
合突部８が誘導されて横溝３内に進入した際、係
合突部８を横溝３の上端部１４に押圧させながら
当接保持できるように、受皿７の底部下方且つ回
転筒部９の内側底面上に弾性体１２を収納させて
ある。弾性体１２は板状乃至は環状等受皿７底部
を押圧し得る形状であれば特に限定するものでは
なく、また材質は、例えばブタジエン系合成ゴム
等が最適であるが、オレフイン系合成ゴム、ポリ
ウレタンゴム、シリコーンゴム等其の他の合成ゴ
ムによつても良好に形成し得る。更に弾性体１２
の収納方法に関しては、第３図ａに示すように回
転筒部９の内側底面上に突設させた環状突部１０
により形設された収納部１１に該弾性体１２を把
持させてもよいが、第３図ｂに示すように直接底
面上に接着させても良い。何れの場合においても
受皿７の没入終端位置の近傍で、前記弾性体１２
を受皿７の底部に接触し得るように形成させてあ
る為、化粧料の収納操作において、受皿７の底部
が弾性体１２に接触した状態よりさらに回転筒部
９を回転させて化粧料及び受皿７を繰下げれば、
受皿７の底部が弾性体１２を押圧しながら係合突
部８が横溝３内に進入した状態となり、この状態
において弾性体１２の上方向への反撥弾性力が受
皿７の底部に作用するので、係合突部８は横溝３
の上端部１４に押圧された状態で当接保持され
る。尚図面中１３はキヤツプである。

本考案は上記構成としたので、化粧料６を没入
させ、更に没入方向に回転筒部９を回転させる簡
単な操作で横溝３に誘導された係合突部８は、回
転筒部９の内側底部に収納された弾性体１２の反
撥力を利用することによつて横溝３に当接保持で
きるから、容器梱包、輸送その他化粧料不使用時
に各部材に自然に外力が加えられた場合でも、係
合突部８が容易には横溝３から外れず、故に受皿
７の回転が阻止され化粧料６の不時上昇を抑止す
ることができる。然して化粧料端部がキヤツプの
天面等に衝突して化粧料６を変形、折損させるこ
となく収容保持できる為、信頼性と商品価値の高
い化粧料繰出容器を提供できる利点がある。

また弾性体１２によつて受皿７はその没入終端
位置の近傍で押圧され始める為、明確に該終端位
置を察知できると共に横溝３へ係合突部８を確実
に進入させる事が可能であるうえ、係合突部８の
当接保持解除も回転筒部９による繰出操作で容易
に行ない得るので、係合突部８の溝管１内の上下
動に支障なく化粧料６の出没を円滑に操作し得る
利点がある。

更に回転筒部９内に弾性体１２の収納部１１を
形設させる場合において、該収納部１１は環状突
部１０を回転筒部９の内側底面上に突設させるの
みで容易に構成し得るから、溝管１を合成樹脂材
により成形する際は該溝管１と回転筒部９と共に
環状突部１０を一体成形により成形可能で、従つ
て大量生産に適し安価に提供する事ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す、螺旋筒のみを
切断した繰出容器の正面図、第２図は第１図にお
けるＡ−Ａ線に沿つて切断した縦断面図、第３図
ａ，ｂは弾性体の収納方法を説明した部分拡大断
面図である。 １……溝管、２……縦溝、３……横溝、４……
螺旋筒、５……螺旋状溝、７……受皿、８……係
合突部、９……回転筒部、１２……弾性体、１４
……上端部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧料受皿７の側壁に突設させた係合突部８
   を、溝管１の周壁に縦設させ且つ端部に横溝３を
   連設させた縦溝２と、螺旋筒４に周設させた螺旋
   状溝５に嵌合させることにより、前記溝管１の下
   部に設けた回転筒部９を操作して、前記溝管１内
   で受皿７を自在に繰出せるように構成した繰出容
   器において、前記受皿７の没入終端位置で前記係
   合突部８を横溝３の上端部１４に押圧させながら
   当接保持しうるように前記回転筒部９の内側底面
   上に弾性体１２を収納させた事を特徴とする棒状
   固形化粧料繰出容器。