JPS6127548Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は化粧品をカートリツジ式とした棒状化
粧品繰出し容器に関する。

この種容器で、化粧品をカートリツジ式とすれ
ば、化粧品が消耗したとき、化粧品を充填保持し
ている中皿のみ交換ですみ、容器本体はそのまま
利用できるので、経済的でもありまた便利でもあ
る。

本考案はこの点に着目し、中皿を簡易な仕組み
のカートリツジ式に構成し、中皿のみの交換で化
粧品の消耗に対処できるようにした棒状化粧品繰
出し容器を提供することを目的とする。

以下添附図面を参照して本考案実施例を説明す
る。添付図において、１は下部のカツプ状の基筒
部２上にこれより外径が稍々小径の中筒３を直立
させた主筒、４は該主筒１の中筒３外面に嵌合さ
れた回転筒、そして５が中筒３内に嵌合されて該
中筒３内を昇降する筒状体の受皿である。

この種容器の化粧品繰出し機構は極く周知なの
で簡単に概略を説明すると、前記主筒１の中筒３
の下部から上部にかけての両側には縦方向の細長
な受皿案内孔６，６があり、また回転筒４の下部
から上部にかけての内周面には略一周する２条の
螺溝７，７が対称的に形成してあり、そして受皿
５の外面両側には第４図に示すように前記中筒３
の受皿案内孔６，６を通して回転筒４の螺溝７，
７に夫々係合される突子８，８がある。

従つて、回転筒４を一方の手で把持し、他方の
手の指で主筒１の基筒部２をつまみ、この基筒部
２を介し主筒１を回転筒４に対し例えば右回りに
回転させると、受皿５は突子８，８が螺溝７，７
に係合しているので螺進することになる。しか
し、突子８，８は同時に中筒３の受皿案内孔６，
６に係合しているので、結局この受皿５は主筒１
と回転筒４の相対回転動により上方に移動するこ
とになり、従つてこの受皿５が化粧品を保持して
いれば、化粧品は中筒３の上端開口から上方外部
に繰り出される。主筒１と回転筒４の相対回転動
を逆方向とすれば、上記と逆の動作で化粧品は内
部に繰り込まれる。第１図は化粧品の繰り込み
時、第２図は化粧品の繰り出し時の図である。
尚、受皿案内孔６，６上下端部の６ａ，６ｂは横
方向の逃げ孔で、これらにより化粧品繰出し、繰
り込み状態を安定化している。即ち、例えば化粧
品繰り出し時、繰り出し動作の終りに受皿５が逃
げ孔６ａに入り込み、これにより化粧時に化粧品
を介し受皿５が圧力を受けても逃げ孔６ａで支承
され、下方に勝手に繰り込まれることのないよう
にしてある。

ここで本考案では、受皿５に装脱可能に筒状体
の中皿９を嵌挿組合せ、この中皿９で棒状化粧品
１０を保持するよう構成し、また主筒１の中筒３
に、第４図に示すように受皿案内孔６，６に平行
な細長な中皿案内孔１１，１１を下部から上端に
抜けさせて設け、そして前記螺溝７，７も同じく
回転筒４上端に抜けさせる。

前記受皿５の下部内周面には下向き段部１２が
形成してあり、一方中皿９は下部外面に係合突条
１３を周設し、そして第４図に示すように上部の
両外面から係合突子１４，１４を突設しており、
従つてこの中皿９を受皿５内に嵌挿させた組立て
状態で、係合突子１４，１４は係合突子８，８に
対して斜め上方にあり、係合突子１４，１４は中
筒３の中皿案内孔１１，１１を通して回転筒４の
螺溝７，７の突子８，８の係合箇所より上方位置
に係合し、このとき係合突条１３が受皿５の下向
き段部１２に係合して中皿９と受皿５とは一体に
係嵌した状態となる。即ち、中皿９は中皿案内孔
１１，１１及び螺溝７，７に案内されて受皿５と
同体に昇降する。

中皿９の化粧品保持構造は任意でよく、図示例
は中皿９内面に周方向適宜間隔で数条の縦条１５
を突設させて内周面を凹凸とし、これにより化粧
品１０を固定した例を示している。尚、１６は化
粧品成形用ケースを示し、化粧品１０はこのケー
ス１６を中皿９に取付け、内面に離型剤を塗布し
逆さの状態で充填固化し、容器装着時に除去され
る。また、第１図乃至第３図の断面図では、わか
り易くするため便宜上、実際には位置がずれてい
る受皿５と中皿９の突子８と１４との位置を合わ
せた状態で示している。

上記構成で、中皿９の交換は次の如くする。第
２図は化粧品１０を容器外に一杯に繰り出した状
態で、この状態では第５図に示すように、受皿５
の突子８，８は受皿案内孔６上端の逃げ孔６ａの
入口部にあり、一方この突子８，８より上方に位
置している突子１４，１４は中皿案内孔１１，１
１の回転筒４上端近くの位置にある。この第２図
状態から、主筒１と回転筒４との相対回転動を強
制的に更に化粧品繰り出し方向に進める。する
と、受皿５が螺溝７の移動に伴ない逃げ孔６ａに
入り込むのに対し、中皿９は横方向への逃げ孔が
ないので螺溝７の移動に伴ない中皿案内孔１１を
更に上方に進むことになり、従つて強制作動の時
点から中皿９は受皿５の動きに追随できず両者は
別方向に進むので、中皿９はその係合突条１３が
受皿５の下向き段部１２から外れ受皿５との係嵌
状態を解いて容器外に突き出ることになる。第３
図はこの状態を示す。従つて、この中皿９を手で
取り外し、その後、新らしい化粧品を充填固着し
た中皿９を、受皿５に強制的に挿入して両者を係
嵌させることにより中皿９の交換ができる。１７
は外カバーである。

上記本考案によれば、何ら特別の操作を必要と
せず、単に通常の化粧品繰り出し操作を更に強制
的に僅か進める操作により中皿９の受皿５に対す
る係嵌状態を解いてこの中皿９を容器外に突出さ
せることができるので、これを交換すればよく、
交換動作は何の面倒もなく極く簡便である。しか
も構造的には、受皿５に装脱可能に中皿９を設
け、且つこの中皿９を案内する中皿案内孔１１，
１１を中筒３に設ければよいので簡単であり、安
価に提供できる。さらに組立て状態で、受皿５と
中皿９は夫々の案内孔６，６と１１，１１に案内
されるので案内動作は安定、確実となる。また前
記したように、化粧品１０は成形用ケース１６を
利用して中皿９に充填固着し、容器に装着時この
ケース１６を除去するが、このときケース１６へ
の離型剤塗布が不充分だつたり部分的だつたりす
ると化粧品１０が折損することがあるが、上記本
考案によればこのような場合なども容易に対処で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案棒状化粧品繰出し容
器の半部縦断面図を示し、第１図ａは化粧品を繰
り込んだ場合、同図ｂはａ図の要部拡大図、第２
図は化粧品を繰り出した場合、第３図は強制的に
化粧品繰り出し方向に作動させて中皿と受皿との
係嵌状態を解いた場合であり、第４図は同繰出し
容器の主筒、受皿、中皿の分解斜視図、第５図は
同繰出し容器の中皿交換動作を説明するための要
部の展開図である。 １……主筒、２……基筒部、３……中筒、４…
…回転筒、５……受皿、９……中皿、１０……棒
状化粧品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下部のカツプ状の基筒部２から外径が稍々小径
   の中筒３を直立させ、該中筒３に、位置を異なら
   せて夫々対向した両側に縦方向に、下部から上部
   に至り上下端に反対の横方向への逃げ孔６ａ，６
   ｂを設けた受皿案内孔６，６及び下部から上端に
   抜ける細長な中皿案内孔１１，１１を明けた主筒
   １と、内周面に下部から上端に抜ける対称的な２
   条の螺溝７，７を形成して前記中筒３外面に嵌合
   され、化粧品繰り出し時及び繰り入れ時に主筒１
   に対し相対的に逆方向に回転操作される回転筒４
   と、下部内周面に下向き段部１２を形成した筒状
   体であつて前記中筒３内に嵌挿され、その対向し
   た外側両面から突設した係合突子８，８を前記受
   皿案内孔６，６を通して前記螺溝７，７に係合さ
   れ、化粧品繰り出し時上昇し化粧品繰り入れ時下
   降する受皿５と、下部外面に受皿５の前記下向き
   段部１２に係合する係合突条１３を、また上部の
   対向した両側外面から前記中皿案内孔１１，１１
   を通して螺溝７，７の前記突子８，８より上方位
   置に係合する係合突子１４，１４を突設して受皿
   ５に嵌合組合わされ、化粧品１０を保持して受皿
   ５と同体に昇降する中皿９とからなり、中皿９交
   換時に、化粧品繰り出し状態から更に強制的に繰
   り出し方向に作動させ、受皿５は逃げ孔６ａへ、
   中皿９は中皿案内孔１１，１１を上方へ移動させ
   て両者５，９の係嵌状態を解くことを特徴とした
   棒状化粧品繰出し容器。