JP2582568Y2 - 液状口紅容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、繰出し形機構により口
紅液を少量ずつ注出する液状口紅容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】口紅容器としては、棒状口紅をケースか
ら外部に繰出して使用する固形口紅のものが主流である
が、化粧筆を用いる液状口紅もかなり普及してきてい
る。

【０００３】液状口紅容器としては柔軟な容器胴部を圧
搾して口紅液を口部の化粧筆に注出含浸させるチューブ
形と、ポンプによる注出器本体を容器体に組込み、注出
器本体を操作することにより口紅液を先端の化粧筆に定
量注出して含浸させるポンプ形とが知られている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】チューブ形のものは、
胴部を圧搾して注出するものであるから、注出量の調整
がむずかしく、うっかり圧搾すると一度に出しすぎるこ
とがあり、口紅液が化粧筆からボタ落ちしたりし、また
無駄でもある。

【０００５】一方、ポンプ形のものは、一度の加圧注出
量が定量化できるので必要以上出しすぎるようなことは
なくなくるが、構造が複雑化しコスト高となるのが難点
である。

【０００６】本考案は簡易な繰出し形機構を採用し、コ
ストダウンを計ると共に馴れた棒状口紅と同様の扱いで
口紅液を少量ずつ注出できるようにした液状口紅容器を
得るにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案の液状口紅容器
は、縦に細長であって、中間部両側に割り長溝６, ６を
設け、上部を口紅液収納部７とし、かつ上端開口に、中
心部に注出小孔８を開けた盃形の受け皿９を冠着した主
筒１と、中間部内面にねじ溝10を形成して前記主筒１に
回転はするが上下に移動しないように外嵌された回転筒
２と、前記主筒１にスライド可能に内装された底開きの
筒体であって、頂板11を前記口紅液収納部７に液密な内
嵌してこの収納部７の底板を兼用させ、また下部両側に
設けた外向き突子12, 12を前記割り長溝６, ６を通して
ねじ溝10に係合し、主筒１と回転筒２とを相対的に回転
操作すると主筒１内を上昇スライドし、口紅液収納部７
内の口紅液を注出小孔８を通し受け皿９上に圧出するス
ライド部材３と、柄13下部を前記回転筒２下方に突き出
して前記スライド部材３に抜き出し可能に内装された化
粧筆４と、前記回転筒２上部に外嵌されて主筒１上部を
覆うキャップ５とで構成している。

【０００８】

【作用】上記において、化粧時には化粧筆４を外部に抜
きとり、キャップ５を外しておいて主筒１と回転筒２と
を相対的に予定方向に回転操作する。すると、この回転
筒２は上下方向には移動しないので、両側の突子12, 12
を主筒１両側の割り長溝６, ６を通して回転筒２のねじ
溝10に係合しているスライド部材３が上方にスライドす
ることになり、このスライドで口紅液収納部７内の口紅
液を頂板11が押上げ圧迫する。従って、口紅液は注出小
孔８から受け皿９上に圧出される。この受け皿９上に圧
出された口紅液を化粧筆４に含ませ化粧する。

【０００９】受け皿９への口紅液の圧出量は、主筒１と
回転筒２との回転操作量で定まるスライド部材３の直進
量で決まるから、少量ずつ注出でき、しかもその調整は
自在であり、出しすぎるおそれは全くない。

【００１０】

【実施例】以下図面を参照して一実施例を説明するに、
本考案の液状口紅容器は繰出し形機構により口紅液を少
量ずつ注出することを特徴とし、主筒１、回転筒２、ス
ライド部材３、化粧筆４及びキャップ５の主要部で構成
している。

【００１１】主筒１は、上半部をやや縮径した縦に細長
な円筒状のもので、中間部である下半上部の両側に縦に
細長な割り長溝６, ６を切欠き、また上半部の上部を口
紅液収納部７とし、そしてこの収納部７上部開口に、中
心部に注出小孔８を開孔した盃形の受け皿９を係合手段
により冠着固定している。

【００１２】回転筒２は、上部をやや縮径した円筒状の
もので、段部を前記主筒１の段部に乗せてこの主筒１外
面に回転可能に外嵌装着してあり、主筒１の割り長溝
６, ６部に位置する内面にねじ溝10を形成し、縮径上部
外面にねじ山を形成している。

【００１３】なお、上端は主筒１の口紅液収納部７の中
腹部に止まり、下端は主筒１より幾分下方に延びてお
り、そして下部内面の数条の周溝を主筒１外面の山の低
い周条に係合させて、主筒１に対し回転はするが上下方
向には移動しないように嵌合させてある。

【００１４】スライド部材３は、上端開口を閉塞し、下
部開口は開放状態とした筒状のもので、前記主筒１に上
下方向スライド可能に内装してあり、上端の閉塞板中央
部からボス14を立設し、このボス14に口紅液収納部７の
底板を兼ねる頂板11を螺着し、この頂板11の一部断面が
弧状の弾性周壁15を前記口紅液収納部７内壁面に圧接さ
せて液密化し、また下端両側から突子12, 12を外向きに
突出し、この突子12,12を割り長溝６, ６を通して前記
回転筒２の内面のねじ溝10に係合し、主筒１と回転筒２
とを相対回転動したとき上下方向にスライドする取付け
としてある。

【００１５】化粧用筆４は、柄13上端に筆穂16を取付け
たもので、柄13は前記回転筒２と同外径でこの回転筒２
を下方に延長したような下部大径部と、この回転筒２下
部内面に内嵌する中間中径部と、前記スライド部材３に
遊装される上部小径部の３段の段形のものであり、中間
中径部外面の山の低い周条17を対応した回転筒２内面の
周溝に係合して落下しないように取付けており、使用時
に下部を摘んで下方に引き抜くと容易に引き抜き外すこ
とができる。

【００１６】キャップ５は、やや縦長の形状で、頂板裏
面中央部から前記受け皿９の注出小孔８を閉塞する棒栓
18を垂設し、下部を回転筒２上部に螺合して主筒１上部
を覆っている。

【００１７】この実施例において、化粧時には化粧筆４
を抜きとり、またキャップ５を外し、片方の手の指で主
筒１の上部を、他方の手の指で回転筒２をつまみ、これ
らを相対的に予定方向に回動操作すればよい。

【００１８】すると、回転筒２は上下方向に移動しない
ので、この回転筒２と螺合しているスライド部材３が割
り長溝６, ６に沿って主筒１内を上昇し、従って口紅液
収納部７内を上昇スライドする頂板11がこの口紅液収納
部７内の口紅液を上方に押上げるので、口紅液は注出小
孔８から受け皿９上に圧出される。この受け皿９上に圧
出された口紅液を化粧筆４の筆穂16に含ませ、化粧すれ
ばよい。

【００１９】この口紅液注出機構は、棒状口紅における
繰出し形機構と同じであり、従って操作は棒状口紅と同
じで違和感がないので扱い易く、また簡単な機構なので
低コストで提供でき、しかも少量ずつ注出されるので常
に適量の注出が可能であり、化粧筆４に含みすぎること
がなく、無駄もない。

【００２０】

【考案の効果】上記したように、本考案の液状口紅容器
は、簡易な繰出し形機構により口紅液を注出する構成と
したので、棒状口紅の操作と同様な感覚で操作できて扱
いに違和感がなく、また少量ずつ注出できるので常に適
量が注出できて無駄がなく、しかも構造が簡単なので低
コストで提供できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】主要部の右半部を縦断して示した一実施例の正
面図である。

【符号の説明】

１ 主筒 ２ 回転筒 ３ スライド部材 ４ 化粧筆 ５ キャップ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 縦に細長であって、中間部両側に割り長
   溝６, ６を設け、上部を口紅液収納部７とし、かつ上端
   開口に、中心部に注出小孔８を開けた盃形の受け皿９を
   冠着した主筒１と、中間部内面にねじ溝10を形成して前
   記主筒１に回転はするが上下に移動しないように外嵌さ
   れた回転筒２と、前記主筒１にスライド可能に内装され
   た底開きの筒体であって、頂板11を前記口紅液収納部７
   に液密な内嵌してこの収納部７の底板を兼用させ、また
   下部両側に設けた外向き突子12, 12を前記割り長溝６,
   ６を通してねじ溝10に係合し、主筒１と回転筒２とを相
   対的に回転操作すると主筒１内を上昇スライドし、口紅
   液収納部７内の口紅液を注出小孔８を通し受け皿９上に
   圧出するスライド部材３と、柄13下部を前記回転筒２下
   方に突き出して前記スライド部材３に抜き出し可能に内
   装された化粧筆４と、前記回転筒２上部に外嵌されて主
   筒１上部を覆うキャップ５とからなる液状口紅容器。